──どうも、当講座専任講師の駒木ハヤトです。今日の年間総括とノミネート作品発表は、駒木が“ピン”でお送りさせて頂きます。華が無いとお嘆きの方も多数いらっしゃるでしょうが、明日までどうかご辛抱下さい。
しかし、前々から「やってやろう」とは思っていましたが、こうして実際に第2回の「コミックアワード」当日を迎えますと、いくばくかの感慨を禁じ得ません。この流行廃りの激しいインターネット界隈で、よくぞ2年保ったものだ、いや2年も受講生の皆さんが支え続けて頂いたものだ……と。本当に感謝の一言に尽きます。
相変わらず脆弱な運営体制が続く当講座ではありますが、今後も余程の事情が無い限り、「コミックアワード」を年末の風物詩的イベントとして続行させていくつもりです。分不相応な希望ではありますが、ゆくゆくはこの「コミックアワード」が“マンガ界の東スポ映画大賞”みたいなポジションに出世(?)出来れば……などと思っておりますので、これからも末永いご支援を賜りたい所存であります。
さて、挨拶はこれくらいにしておきまして、本日の最初のプログラムであります「『ジャンプ』&『サンデー』年間総括」に参りましょう。
このプログラムについては、昨年の末から今年の年始にかけて通常講義の形でお届けしました、「『週刊少年ジャンプ』この1年」と「『週刊少年サンデー』この1年」の03年度版…と解釈して頂くと話が早いかと思います。ただ、今回は単純計算で“昨年度版”よりボリュームを1/6に抑えねばならないため、昨年に詳しくお話した部分など若干端折り気味になる部分もあるかと思います。ですので、プログラムの内容により深いご理解を頂くためにも、是非とも“昨年度版”のレジュメを片手にお聴き頂きたいと思っております。
なお、この場における“〜年度”とは、原則として前年の12月から当年の11月までとします。そうしないと、開始されて間もない、またはまだ始まっていない新連載作品まで今年度扱いでお話しなければならなくなるからです。
そういうわけですので、02年末に連載が開始された作品は「今年度新連載作品」という扱いになり、その代わり03年末に連載開始となった作品は次年度扱いとなります。多少複雑ですが、学年の早生まれと遅生まれみたいなモノだとお考え下されば有り難いです。
──それでは、まずは発行部数順ということで「週刊少年ジャンプ」関連の年間回顧から。そして「ジャンプ」といえば新連載…というわけで(?)、今年度に立ち上げられた新連載作品の総括からお送りしましょう。
では、皆さんにはとりあえず、今年度の新連載作品を一覧にしたモノをご覧頂きましょう。
※02年年末シリーズ
◎『グラナダ─究極科学特捜隊─』(作画:いとうみきお)
◎『TATTOO HEARTS』(作画:加治佐修)
※03年春シリーズ
◎『闇神コウ 〜暗闇にドッキリ〜』(作画:加地君也)
◎『★SANTA!★』(作画:蔵人健吾)
※03年夏シリーズ
◎『キックスメガミックス』(作画:吉川雅之)
◎『ごっちゃんです!』(作画:つの丸)
◎『武装錬金』(作画:和月伸宏)
◎『神奈川磯南風天組』(作画:かずはじめ)
※03年秋シリーズ
◎『戦国乱波伝 サソリ』(作画:内水融)
◎『サラブレッドと呼ばないで』(作:長谷川尚代/画:藤野耕平)
◎『神撫手』(作画:堀部健和) |
通常、「週刊少年ジャンプ」では毎年5回の連載改変が実施されるのですが、今年は98、99年以来4年ぶりの変則スタイル──改変4回となりました。
変則スタイルが採られた理由としては、長期連載作品の終了に合わせた臨時措置、新連載候補作家の“タマ”不足、高橋編集長(当時)の急逝→茨城新編集長体制への移行など、様々な事柄が考えられます。が、結局のところ、それらの要因が複合したために結果としてそうなった…といったところではないでしょうか。
今年度の新連載は11本。夏シリーズに新連載4本の“大盤振る舞い”があったため、変則スタイルにしては平年並みの数は確保出来たという事になります。
ただし、その11本の内容の方はお寒い限りで、短期打ち切りの目安とされる2クール(=連載開始から次回の連載改変までで1クール)を突破出来た作品は、『ごっちゃんです!』と『武装錬金』の、ベテラン作家さんによる2本だけ。“半年(2クール)生存率”は18.1%で、これは過去10年間で最悪の数字となりました。また、これら2作品にしても、人気の目安となる掲載順位は中位〜下位といったところで、「何とか生き残った」という表現が良く似合うのが悲しい現状です。数少ない救いなのは、この2作品の内容についての具体的な評判は決して悪くない事で、特に“打ち切り回避安全圏”に抜けたと思われる『武装錬金』の和月伸宏さんには、来年度以降もベテランの味で誌面を引き締める役割を果たしてもらいたいものです。
また、今年度は初めて「ジャンプ」で週刊連載を持った若手作家さんの作品が全滅という結果に終わりました。これも最近では例が無い出来事で、ここしばらく囁かれて来た“『ジャンプ』新作・新人不況”が、いよいよ本格化して来たように感じられます。
そして、4つの新連載シリーズの中で、そんな“新作・新人不況”の現状を象徴していたのは秋シリーズと言えそうです。新連載3本全てを“初連載組”の若手で揃え、更には「ストーリーキング・ネーム部門出身」という切り札まで投入したにも関わらず、結果は全作品1クール打ち切りに終わってしまいました。
同種の“悲劇”としては、99年の春シリーズ(5本中、1クール打ち切り4本&2クール打ち切り1本)がありますが、長らくメガヒット作不在の現状で起こった出来事だけに、より一層悲壮感が増したような気もしました。
また、今年度の「ジャンプ」の新連載作品全体の傾向としては、下積み期間の長い若手作家さんたちの初連載作品が多かった…という事も挙げられます。中には数年前の読み切り作品を今になって連載化するという、これまた前例の乏しい試みが多く為されたのも、03年度「ジャンプ」編集方針の大きな特徴の1つでした。
ただ、この試みが功を奏したかと言えば、「No」と申し上げる他無く、むしろ読者に「『ジャンプ』は大丈夫なのか?」という不信感を植え付けてしまったのではないかと危惧するほどです。
確かに“現有戦力”が乏しい現状では、このような苦肉の策も致し方ないのかも知れません。が、そういう苦しい時だからこそ、新連載作品の厳選を行ってもらいたいというのが実感でもあります。明らかにストーリーや設定に問題のある作品でも「ダメなら打ち切ればいい」という、言わば見切り発車でゴーサインを出す編集方針は、少なくとも現状においては限界が来ているのではないかとも思うのです。
積極的に新連載を立ち上げると同時に、将来性の乏しい作品は短期打ち切りも厭わないという、いわゆる「ジャンプシステム」には功罪様々ありますが、次年度は是非とも“功”の部分が目立つような有望新連載ラッシュを見てみたいと願う次第です。
──では次に、読み切り作品についてお話をしてゆきましょう。
今年度のジャンプの編集方針の特徴を1つ挙げよ、と言われれば、真っ先に「読み切り作品の積極掲載」という事になるでしょう。いわゆる代原や番外編の類を除いても、実に約30本の作品が誌面を飾った計算になります。
それでは改めて、今年度の「ジャンプ」系読み切り作品をリストアップしてみましょう。
※正規枠(既にデビュー済みの作家が連載枠獲得にむけて発表した新作)
◎『少年守護神』(作画:東直輝)
◎『神撫手(※読切版)』(作画:堀部健和)
◎『しろくろ』(作画:空知英秋)
◎『野球狂師の詩』(作画:郷田こうや)
◎『LIVEALIVE 〜はじまりの歌〜』(作画:天野洋一)
◎『キャプテン』(作画:鉄チン28cm)
◎『dZi:s』(作画:樋口大輔)
◎『GRAND SLAM』(作画:杉本洋平)
◎『World4u_』(作画:江尻立真)
◎『ゴールデンシュート鳥越』(作画:郷田こうや)
◎『未確認少年ゲドー』(作画:岡野剛)
◎『テラピー戦士マダムーン』(作画:藤田健司)
◎『Continue』(作画:星野桂)
◎『ボウボウHEAD☆カウボーイ』(作画:森田雅博)
◎『DEATH NOTE』(作:大場つぐみ/画:小畑健)
◎『LIKE A TAKKYU !!』(作画:高橋一郎)
◎『超便利マシーン・スピンちゃん』(作画:大亜門)
◎『AX 戦斧王伝説』(作画:イワタヒロノブ)
◎『人造人間ガロン』(作画:中島諭宇樹)
◎『NOW AND ZEN』(作画:加治佐修)
◎『超便利ロボスピンちゃん』(作画:大亜門)
◎『KING CRIMSON』(作画:西公平)
◎『家庭教師ヒットマン REBORN』(作画:天野明)
◎『ぷーやん』(作画:霧木凡ケン)
※代原枠(連載作家の都合や急病による急な休載で空いた枠を埋めるため掲載された、正規デビュー前の新人の習作原稿)
◎『みんなで暮らせばいいじゃない』(作画:ゴーギャン)
◎『スレンダー』(作画:菅野健太)
◎『白い白馬から落馬』(作画:夏生尚)
◎『世界しーん』(作画:浅上えっそ)
◎『ハガユイズム』(作画:越智厚介)
※受賞作掲載(新人賞の受賞作が、正規枠に準ずる形で掲載されたもの)
◎『ドーミエ 〜エピソード1〜』(作画:高橋一郎)
◎『SELF HEAD』(作画:原哲也)
◎『そーじの時間』(作画:桜井のりお)
◎『KING OR CURSE』(作画:坂本裕次郎)
◎『URA BEAT』(作画:田村隆平)
※その他企画モノ(現役連載作家による特別読み切りや連載作品の番外編など、後の新連載に繋がらない読み切り作品)
◎『はじめ』(作:乙一/画:小畑健)
◎『テニスの王子様 特別編・サムライの詩』(作画:許斐剛)
◎『ヒカルの碁・特別番外編』(作:ほったゆみ/画:小畑健)
◎『ネコマジンみけ』(作画:鳥山明)
◎『エキゾチカ』(作画:武井宏之) |
……今年度の読み切り作品で特に目立ったのが、これまでなら活躍の場を「赤マルジャンプ」に限定されていたような新人・若手作家さんたちの抜擢でした。これには、やはり現状の“新人不況”を一刻も早く打破したいという、編集サイドの願いが容易に見てとれます。
ただ、この願いが実ったかというと、これまた極めて微妙と言わざるを得ません。正規枠から連載に昇格した作品は『神撫手』と『DEATH NOTE』の2作品だけで、他には『しろくろ』の空知英秋さんが別の作品で年末シリーズの連載枠を獲得しただけ。例年の傾向からして、来年度にもこのリストの中から1〜2作品の連載昇格が考えられますが、既に『神撫手』が1クール打ち切りに終わった事も重ねて考慮すると、作品数の割には“不作”だったという感は拭えません。今年ラインナップに名を連ねた新人作家さんの中には近い将来に活躍が期待出来そうな人も数人いるのですが、先ほど述べた新連載の不振続きと相まって、不安の方が先立ってしまいますね。
何と言いますか、「とりあえず載せてみて、その後はアンケート結果が出てから」…という「ジャンプシステム」のいい加減な部分が、ここにおいても悪い方へ作用したような気がします。「新人にチャンスを与える」事と、「読者が面白いと思う作品を掲載する」事とのバランスを、もうちょっと考えて欲しいと思わせる、今年の「ジャンプ」読み切り作品でした。
──では最後に、昨年度から続行中の長期連載作品についても振り返っておきましょう。
☆2004年に越年を果たした連載作品
◎95年度以前連載開始
『こちら亀有区葛飾公園前派出所』(作画:秋本治/1976年連載開始)
◎96年度連載開始
『遊☆戯☆王』(作画:高橋和希)
◎97年度連載開始
『ONE PIECE』(作画:尾田栄一郎)
◎98年度連載開始
『HUNTER×HUNTER』(作画:冨樫義博)
『シャーマンキング』(作画:武井宏之)
◎99年度連載開始
『テニスの王子様』(作画:許斐剛)
『NARUTO─ナルト─』(作画:岸本斉史)
◎00年度連載開始
『BLACK CAT』(作画:矢吹健太朗)
『ピューと吹く! ジャガー』(作画:うすた京介)
◎01年度連載開始
『ボボボーボ・ボーボボ』(作画:澤井啓夫)
『Mr.FULLSWING』(作画:鈴木信也)
『BLEACH』(作画:久保帯人)
◎02年度連載開始
『いちご100%』(作画:河下水希)
『アイシールド21』(作:稲垣理一郎/画:村田雄介)
☆2003年度中に連載終了した長期連載作品
◎98年度連載開始
『ROOKIES』(作画:森田まさのり/39号までで円満終了)
◎99年度連載開始
『ヒカルの碁』(作:ほったゆみ/画:小畑健/22・23合併号までで円満終了)
◎00年度連載開始
『ストーンオーシャン』(作画:荒木飛呂彦/『ジョジョの奇妙な冒険』としては87年から/19号までで円満《?》終了)
◎02年度連載開始
『プリティフェイス』(作画:叶恭弘/28号までで円満《?》終了)
『Ultra Red』(作画:鈴木央/29号までで打ち切り)
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……先に述べたように、勢いの落ちた長期連載作品に取って代わるはずの新連載が不振だったため、今年度はいわゆる円満終了(編集と作家の同意に基づく終了)が中心となりました。
なお、生き残った新連載作品の数と終了作品の数が合わないのは、既に次年度にカウントされる年末の新連載シリーズが開始されている事と、読み切りのための枠を1つ確保しているからですね。
さて、これら長期連載作品の動向ですが、誌面構成を全体的に俯瞰すれば、“大関”格の一角である『ヒカルの碁』を失いながらも、何とか1年間現状維持で持ち堪えた…といったところでしょうか。
まず看板作品であるところの“一人横綱”・『ONE PIECE』は、絶えず失速を危惧されながらも、依然として人気・商業的貢献共に堅調で推移しています。作品のクオリティにしても、連載開始当初の凄みは消えたとはいえ、良い意味での現状維持といったところではないでしょうか。ただ、さすがに今後更なる躍進というのは考え難く、来年度以降、早い段階でのこの作品と並ぶ“二枚目の看板”の誕生が望まれるところです。
これに続く残りの“大関”格として挙げられるのは、99年組の2作品、『テニスの王子様』と『NARUTO─ナルト─』でしょう。アニメ化もされ、単行本の売上げも好調で、「ジャンプ」を代表する作品とまでは言えないものの、層の分厚さを演出する役割は十分に果たしていると思われます。
しかし、このクラスの作品は得てして内容のクオリティにキズを抱えているケースが多く(だから看板作品になれないのですが)、それが明らかに目立ち始めたある瞬間から、急に読者の支持を失う傾向が見受けられます。共に連載5年目となる来年度は、そういう意味でも正念場と言え、その動向に注目したいところです。
ピークを過ぎた長期連載と言えば、長らく「ジャンプ」を支えて来た90年代生まれの作品・『遊☆戯☆王』や『シャーマンキング』といったところも様々な面においてスローダウンの傾向にあります。前者は(あくまで噂レヴェルではありますが、)円満終了へ具体的な動きを見せていると言われ、後者も今後の新連載の動向次第ではいつ肩叩きに遭ってもおかしくない掲載順に甘んじています。
もっとも、5年、6年と続いた作品の勢いが落ちるのはある意味致し方ないところで、これらの作品にはせめて実績に見合った華々しい幕引きを…とも思います。
そんな90年代デビューで唯一気を吐く、と言っていいのが『HUNTER×HUNTER』でしょう。ただ、この作品は現状としてあくまで“客員待遇”であるため、いくら活躍しても「ジャンプ」全体の利益に繋がり難いのが惜しまれるところです。
最長老の『こち亀』に関しては、相変わらずネット界隈では「自分たちが好きだった『こち亀』じゃない」という不評の声が上がる一方で、連載開始時の読者層のジュニア世代にあたる(!)若年齢読者層をガッチリと固めており、未だに健在です。この作品、「ジャンプ」内の番付的に言えば、横綱どころか大関クラスにも就いた事の無い“永遠のバイプレイヤー”ではありますが、そんな求められる物の少ない地位にいたからこそ、浮き沈みも小さく、今でも健闘出来ているのかも知れません。
さて、昨年度まではそんな古参の連載作品に押されっ放しだった00年度以降に連載開始の作品たちですが、『BLEACH』、『ボボボーボ・ボーボボ』といった辺りが“関脇”または“小結”くらいのポジションにまで成長し、ようやくピークを過ぎた90年代組との世代交代が果たせそうな情勢になって来ました。両作品共に、知名度や商業的な実績ではトップクラスに及ばないものの、勢いが上向きという点では来年度以降に期待出来るようになったと言えるでしょう。
また、前年度開始の生き残り・『アイシールド21』も当初編集サイドが期待したほどの快進撃とは行きませんでしたが、掲載順の上位をしっかりと固めており、次年度以降に希望を繋ぎました。
他の作品については、これまた“客員待遇”の『ピューと吹く! ジャガー』以外は不安定なポジションでの戦いを強いられていますが、それでも生半可な新連載を1クールで跳ね返すくらいの余力は残っており、「ジャンプ」の地盤沈下を防ぐための最終ラインとしての役割は何とか果たせています。
昨年度の年間回顧において、駒木は「現在の『ジャンプ』は“ポスト暗黒期”を過ぎ、新たな過渡期に突入している……」と述べました。そして今年もまた、同じ言葉を申し上げなければならないでしょう。いや、よくぞ1年保たせたと言うべきかも分かりません。
ただし、“新人・新作不況”がこれ以上長引いた場合、本気で“第2暗黒期”への突入を覚悟しなくてはならなくなるでしょう。次期看板作品候補の一刻も早い登場が望まれるところです。ただし、焦るがあまり有望新人作家さんの才能の芽を摘んでしまう(早すぎる週刊連載の強行→短期打ち切り)ような事があっては何をしているか分かりません。「ジャンプ」編集部の皆さんには、短期的展望の中でも長期的展望を忘れないように配慮して頂いて、次年度もよりよい雑誌作りを目指して頑張ってもらいたいと思います。
……というわけで、「ジャンプ」の年間総括をお送りしました。辛気臭い話ばかりで閉口気味の方もいらっしゃるかも知れませんが、これからお話する「サンデー」の現状も色々あったりするんです(苦笑)。
今年の「サンデー」がどんな有様だったのか、これからジックリとお送りしますので、お聞きの皆さんも今一度気合を入れ直して頂ければ…と思います。
では、「サンデー」もまずは今年度の新連載作品から振り返っておきましょう。ただし短期集中連載は“長編読み切り”扱いとし、ここからは除外しています。
◎『ワイルドライフ』(作画:藤崎聖人)
◎『MAR(メル)』(作画:安西信行)
◎『俺様は?(なぞ)』(作画:杉本ペロ)
◎『売ったれダイキチ!』(作:若桑一人/画:武村勇治)
◎『ロボットボーイズ』(作:七月鏡一/画:上川敦志)
◎『楽ガキFighter 〜HERO OF SAINT PAINT〜』(作画:中井邦彦)
◎『結界師』(作画:田辺イエロウ) |
……今年度は、年度の前半に短期集中連載を多く打った、極めて変則的な編集方針だったため、新連載作品は7本だけとなりました。ただし、このうち『俺様は?』は、作家据え置きで連載作品だけ取り替えたものですので、純粋な新連載と認めて良いかは判断が分かれそうですが……。
そして、これら7本の新連載のうち、12月に入ってから終了した『楽ガキFighter 〜HERO OF SAINT PAINT〜』を除く6本が翌年への越年を果たしています。連載は原則として半年以上続けて様子を見る「サンデー」伝統の編集方針が現れた格好ですね。
とはいえ、諸々のファクターから判断するに、『売ったれダイキチ!』と『ロボットボーイズ』は、この年末年始に始まる新連載と入れ替わりに打ち切られそうな情勢で(少なくとも長期連載化は難しいでしょう)、実質的上、来年度以降で生き残る作品は、今年度前半に開始された3本+連載開始間もない『結界師』…ということになりそうです。
新連載の本数が少なかったので止む無しとも思いますが、これでは数字だけ見れば近年稀に見る“大不作”の惨状と言わざるを得ません(注:新陳代謝が過剰に激しい「ジャンプ」とは基準がまるで違います)。後は何とかこの数少ない“タマ”から次期看板作品候補が出て来るのを祈るのみ…といったところでしょうか。その可能性が最も高いのは『結界師』のように思われますが、未だ連載開始から1ヶ月では不確定要素の方が大き過ぎますね。
既に始まった年末・年始の新連載シリーズも、今一つ頼りないラインナップの上にシリーズ初っ端の1作目が第1回で大コケという有様に。ベテラン作家の大量離脱、そしてここでも“新人・新作不況”と、「ジャンプ」同様に新たな大ヒット作が待望される「サンデー」の前途も、なかなか厳しいモノがありそうです。
──さてさて、続きましては「サンデー」本誌に掲載された短編作品──読み切りと短期集中連載──の総括です。こちらも先に全作品リストからご覧下さい。
※短期集中連載(数回で終了する事が連載開始時から確定している作品)
◎『少年サンダー』(作画:片山ユキオ)
◎『電人1号』(作画:黒葉潤一)
◎『黒松・ザ・ノーベレスト』(作画:水口尚樹)
◎『ビープ!』(作画:しょうけしん)
◎『ふうたろう忍法帖』(作画:万乗大智)
※読み切り・正規枠(既にデビュー済みの作家が連載枠獲得にむけて発表した新作)
◎『竹の子ドクター十五郎』(作画:川久保栄二)
◎『結界師(読切版)』(作画:田辺イエロウ)
◎『暗号名はBF』(作画:田中保左奈)
◎『進学教室 !! フェニックス学園(週刊本誌読切版)』(作画:水口尚樹)
◎『PUMP☆IT★UP』(作画:大和八重子)
◎『大蛇(オロチ)』(作画:夏目義徳)
※読み切り・受賞作掲載(新人賞の受賞作が、正規枠に準ずる形で掲載されたもの)
◎『ゴッドルーキー』(作画:宇佐美道子)
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今年度の作品数は、短期集中連載5本と読み切り7本でした。昨年度は読み切り(前・後編モノ含)24本、短期集中連載1本でしたから、ボリュームを別にして、本数そのものは半減した計算になりますね。
こうなった原因は色々あります。まず1つ目が、ベテランの読み切りは、増刊の“目玉”として本誌との棲み分けが図られたため。そして2つ目には、若手作家さんは、増刊等で(アンケート等の)実績を残した人だけしか本誌に短編を発表出来なくなったためです。これは恐らく、読み切りを多く載せた割には実りの少なかった昨年度の編集方針から来る反省だと思われ、その迅速な行動に関してだけは一定の評価を与える事が出来るでしょう。
また、今年度後半から“正規枠”で読み切りを発表した週刊連載未経験の若手作家さん(但し、川久保栄二さんには“過去”があるとの未確認情報もあるのですが)が、その後全員長期連載を獲得しているという事も興味深いですね。
というのも、昨年度では、たとえ本誌で読み切りが掲載されたとしても、余り連載に結びつかなかったんですよね。それが今年度後半に入ってコレですから、どうやら認識を改めなければならないようです。今後、本誌で読み切りを発表出来る若手作家さんは、「増刊号で人気上位になった事により、長期連載がほぼ内定している状態」…と解釈しなければならないのかも知れません。
ただ、どうなんでしょう。いくら増刊号で人気を獲得したとは言っても、それはあくまで若手・新人中心のラインナップの中での出来事であって、言わば“2部リーグ”での成績です。「サンデー」本誌と増刊号の読者層も明らかに違うでしょうし、「増刊で実績を挙げた若手作家を優遇」という新システムがどこまで効果的であるのかは、「大変に疑問」と言わざるを得ないでしょう。
この疑問の答えは、現在進行中の新連載シリーズの行く末によって明らかになるはずです。果たしてどうなる事やら、色々な意味で注目ですね。
あ、蛇足ながら付け加えますが、ラインナップの中に混じっている元・連載作家さんによる読み切りは、掲載のタイミングが余りにも唐突な事から考えても、どうやら文字通りの“特別読切”なんじゃないかと思われます。もっとも、アンケートの動向次第ではそうじゃなくなる場合もあるのでしょうが……。
──う〜ん、段々話している事に締まりが無くなって来ましたが(苦笑)、最後に長期連載作品の動向を振り返って、「サンデー」の年間回顧を締めたいと思います。
では、こちらも例によって一覧表を……。
☆2004年度に越年を果たした連載作品
◎94年度連載開始
『名探偵コナン』(作画:青山剛昌)
『MAJOR』(作画:満田拓也)
※95年度連載開始作品はゼロ
◎96年度連載開始
『犬夜叉』(作画:高橋留美子)
◎97年度連載開始
『からくりサーカス』(作画:藤田和日郎)
『モンキーターン』(作画:河合克敏)
◎98年度連載開始
『かってに改蔵』(作画:久米田康治)
◎99年度連載開始
『ファンタジスタ』(作画:草場道輝)
※00年度連載開始作品はゼロ
◎01年連載開始
『金色のガッシュ !!』(作画:雷句誠)
『うえきの法則』(作画:福地翼)
『KATSU!』(作画:あだち充)
◎02年度連載開始
『焼きたて!! ジャぱん』(作画・橋口たかし)
『史上最強の弟子ケンイチ』(作画:松江名俊)
『いでじゅう!』(作画:モリタイシ)
『美鳥の日々』(作画:井上和郎)
『D−LIVE』(作画:皆川亮二)
※『きみのカケラ』(作画:高橋しん)は、16号までで年度内一杯連載休止→04年4・5合併号から再開
※『ふぁいとの暁』(作画:あおやぎ孝夫)は、越年直後の04年1号で打ち切り終了。
☆2003年度に連載終了した長期連載作品
◎99年度連載開始
『天使な小生意気』(作画:西森博之/36・37合併号までで円満終了)
◎00年度連載開始
『DANDOH !! Xi』(作:坂田信弘/画:万乗大智/『DANDOH』としては95年から/19号までで円満終了)
◎02年度連載開始
『旋風(かぜ)の橘』(作画・猪熊しのぶ/1号までで打ち切り)
『一番湯のカナタ』(作画:椎名高志/2号までで打ち切り)
『鳳ボンバー』(作画:田中モトユキ/21号までで打ち切り)
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……例年ならダイナミックな連載作品入れ替えがある「サンデー」ですが、新連載不振のアオリを受けて、必要最小限規模・5作品終了の“小型人事”となりました。
終了した連載のうち、円満終了と断言できる作品は2本。いずれもかなりの長期連載でしたが、シナリオの露骨な引き伸ばしの無い“ソフトランディング”での完結に。いつまで経ってもケリのつけられない“二枚看板”を尻目に、週刊連載マンガとしては極めて幸福な幕引きになりましたね。
一方、打ち切りになった作品は、どれも大なり小なり打ち切られても仕方の無い要素をずっと抱えて来たモノばかりでしたので、「残念だが、致し方ない」という一言に尽きると思われますね。まぁ、「『旋風の橘』と他の打ち切られた作品を一緒にしてくれるな」という意見は全面的に認めますが(笑)。
そして、生き残った作品たちに目を向けてみますと、やはり嫌でも目に付くのが『名探偵コナン』と『犬夜叉』の2枚看板ですね。さすがに“引き伸ばし臭”がキツくなり、往時の勢いは完全に無くなりましたが、それでもこの1年間を安定水平飛行で乗り切ってしまいました。
しかも、長期安定飛行は“両横綱”だけでなく、他の超長期連載作品についても同じ事が言えます。中には『からくりサーカス』のように、連載丸6年にして安定どころか上昇しようかという勢いの作品もあり、正直驚きを隠せません。2枚看板との商業的貢献度における格の差は否めませんが、「サンデー」の固定ファンを掴んで離さないだけの魅力は十分過ぎるほど維持出来ています。
ただ、よく考えてみれば、これらの作品を描いている作家さんは、ほぼ全員が長期連載2回目以上というベテランの方ばかり。長年の作家生活で甘いも酸いも噛み分け、更には週刊連載を少なくとも2度成功させたという猛者揃いなのですから、当たり前と言えば当たり前なのかも知れません。
これは、「サンデー」独特のシステムが、知らず知らずの内に少数精鋭の人材を育てていた…という事なんでしょうね。多くの若手・新人を育成する余裕が無い代わりに、そんな厳しい環境で育った、年に1人いるかいないかの人材は総じて能力が高いと。そして、そんな逸材たちによって、「『ジャンプ』ほど派手ではない代わり、ジックリと読ませる良作・佳作が多い」…という、「週刊少年サンデー」の誌風めいたモノが出来上がったのではないでしょうか。
ただ、そういう事に気付いてしまうと、ここ最近の性急な“新人促成栽培”の行く末が余計に危ぶまれてしまうのですが……。新連載を立ち上げるにあたっては、本当に“使えそう”な若手だけを厳選して新戦力とし、他の連載枠は連載2回目、3回目の中堅作家さんに振り分けた方がよっぽど「サンデー」らしいと思いますね。もっとも、『旋風の橘』や『きみのカケラ』のような、中堅・ベテラン作家による失敗作を次々と立ち上げてはコケさせてしまうような編集長では、何をどうやっても同じなのかも知れませんが。
……無駄話が過ぎました。話を戻しましょう。
そういった90年代生まれの超安定株に支えられながら、01年〜02年組の連載作品も、着実に「サンデー」内での地位を伸ばしていっています。特に躍進著しいのは、アニメ化もされ、単行本や関連商品の売上げが急上昇した『金色のガッシュ!!』でしょう。先程から使っている大相撲番付の喩えで言うなら“東の正大関”まで出世したと言えそうです。作品のクオリティも“横綱”2作品に勝るとも劣らないレヴェルを維持していますし、あと一押しで看板作品の世代交代という、歴史的瞬間が訪れるかも知れません。
ただ、気になるのはストーリーの展開ですね。どうやら既に話は佳境に入っている感もありますし、ここからシナリオの露骨な引き伸ばし無しで、どこまでこの作品を引っ張れるかが、大袈裟じゃなく「サンデー」の将来像を占うカギになりそうです。
他の連載期間1〜2年の作品も、小粒ながらも手堅くまとまった佳作揃いで、長期連載の安定株と共に、非常に分厚い“中堅グループ層”を形成しています。これらの作品に“横綱”・“大関”クラスの代わりをせよと言うのは酷ですが、「さすがはメジャー誌」と言わしめるだけの力は見せ付けていると思います。促成栽培に対する、露地栽培組の底力というヤツでしょうか。
……というわけで、長々と喋らせてもらいましたが、そろそろ年間回顧についての結論を。
「ジャンプ」にしろ「サンデー」にしろ、内部事情はそれぞれ違えど、どちらも賞味期限切れ寸前の看板作品を抱え、それでいて若手・新人作家や新連載作品の不調という悩みを抱えている……という共通点が、今回の回顧で浮き彫りになった気がします。今年度こそ長期連載作品に支えられて乗り切りましたが、来年度は両誌ともに、この問題の解決が最重要課題になって来るでしょう。長期連載作品が持ち応えている今だからこそ、課題は解決させなくちゃならんのです。“暗黒期”に突入してからでは遅過ぎるのですから……。
……というわけで、「ジャンプ」と「サンデー」の年間回顧でした。本来なら「コミックアワード」の審査対象作品を紹介するための前置き代わりだった企画なんですが、相変わらずの行き当たりばったりで相当な時間オーバーになってしまいましたね(苦笑)。
最後に蛇足ながら、この年間総括の中で紹介出来なかった、当ゼミにおける今年度の「コミックアワード」審査対象作品──増刊号や他誌で発表されたもの──を、こちらも一覧表の形で紹介しておきましょう。
☆赤マルジャンプ掲載作品
※03年冬号
◎『ゲット☆ア☆ラック』(作画:キユ)
◎『蹄鉄ジョッキーっ!』(作画:森田雅博)
◎『マルジャガルダ』(作画:安藤英)
◎『SPARE DRAGON』(作画:小椋おぐり)
◎『レインボー侍』(作画:やまだたけし)
◎『神様のバスケット!』(作画:及川友高)
◎『激 !! 深紫高校ウォッポ部』(作画:草壁達也)
◎『ZONE』(作画:星野桂)
◎『サクラサク、15』(作画:藤嶋マル)
◎『メガ高野球部』(作画:郷田こうや)
◎『獏』(作画:田中靖規)
◎『ホイッスル!(特別編)』(作画:樋口大輔)
※03年春号
◎『沙良羅』(作画:やまもとかずや)
◎『バクハツHAWK !!』(作画:天野明)
◎『少年青春卓球漫画ぷーやん。』(作画:霧木凡ケン)
◎『スピンちゃん試作型』(作画:大亜門)
◎『甲殻キッド』(作画:梅尾光加)
◎『あかねの纏』(作画:落合沙戸)
◎『SECOND SWIMMER』(作画:後藤真)
◎『詭道の人』(作画:内水融)
◎『Play StYle ANTHEM』(作画:中山敦支)
◎『ドスコイン〜遊星から来たあんちくしょう〜』(作画:風間克弥)
◎『二山高Cメン』(作画:瀬戸蔵造)
◎『天上都市』(作画:中島諭宇樹)
※03年夏号
◎『脱走屋鉄馬』(作画:小林ゆき)
◎『双龍伝』(作画:山田隆裕)
◎『SEA SIDE JET CITY』(作画:北嶋一喜)
◎『オウタマイ』(作画:梅尾光加)
◎『Z−XLダイ』(作画:暁月あきら)
◎『黄金の暁』(作画:岩本直輝)
◎『HEAVY SPRAY』(作画:相模恒大)
◎『ゲームブレイカー』(作画:村中孝)
◎『アシハラ戦記 トウタ』(作画:ゆきと)
◎『red』(作画:福島鉄平)
◎『肉虎(マッスルタイガー)!』(作画:山田一樹)
◎『プリティフェイス 番外編』(作画:叶恭弘)
☆世界漫画愛読者大賞最終候補作品
◎『軍神の惑星』(作画:谷川淳)
◎『鬼狂丸』(作画:新堂まこと)
◎『摩虎羅』(作:茜色雲丸/画:KU・SA・KA・BE)
◎『華陀医仙 Dr.KADA』(作画:曾健游)
◎『極楽堂運送』(作画:佐藤良治)
◎『大江戸電光石火』(作画:弾正京太)
◎『東京下町日和』(作画:山口育孝)
◎『ちゃきちゃき江戸っ子花次郎の基本的考察』(作画:赤川テツロー)
☆「読書メモ」枠
◎『最強伝説黒沢』(作画:福本伸行/「ビッグコミックオリジナル」連載中)
◎『美食王の到着』(作画:藤田和日郎/「少年サンデー超増刊」2月号掲載)
◎『魔法先生ネギま!』(作画:赤松健/「週刊少年マガジン」連載中)
◎『覇王〜Mahjong King's Fighters〜』(作画:木村シュウジ/『近代麻雀』連載中)
◎『絶対可憐チルドレン』(作画:椎名高志/『少年サンデー超増刊』7月号掲載)
◎『ツバサ』(作画:CLAMP/「週刊少年マガジン」連載中)
◎『河児』(作画:四位晴果/03年度「週刊少年サンデーR」掲載)
◎『PLUTO』(作《原案》:手塚治虫/画:浦沢直樹/「ビッグコミックオリジナル」連載中) |
……中には皆さんにとっては馴染みの薄い作品もあるかと思いますが、もしお時間に余裕をお持ちならば、過去の講義レジュメを読み返して記憶を新たにして頂きたいですね。
さぁ、それではお待ちかね、明日の「コミックアワード」で表彰いたします、各部門賞の最終ノミネート作品をここで発表します。
では、皆さんには、もう1度改めて、今回の「第2回仁川経済大学コミックアワード」でノミネートの資格を得た作品のリストをご覧頂きましょう。
※各部門ノミネート(資格保持)作一覧※
◆仁川経済大学賞(グランプリ)
…“グランプリ”という名の通り、この1年の間に当ゼミでレビューした作品の中で最も優秀な作品に送られる賞。
ノミネート資格は、“ジャンプ&サンデー”の名の付く各部門賞の受賞作と、「ジャンプ」、「サンデー」両誌以外のレビュー対象作の中でA評価(但し、連載作品については最新に発表された評価)を獲得した作品。
●(ジャンプ&サンデー・最優秀長編作品賞受賞作)
●(ジャンプ&サンデー・最優秀短編作品賞受賞作)
●(ジャンプ&サンデー・最優秀ギャグ作品賞受賞作)
●(ジャンプ&サンデー・最優秀新人作品賞受賞作)
●(ジャンプ&サンデー・最優秀新人ギャグ作品賞受賞作)
◎『最強伝説黒沢』(作画:福本伸行/「ビッグコミックオリジナル」連載中)
◎『PLUTO』(作:手塚治虫/画:浦沢直樹/「ビッグコミックオリジナル」連載中)
◆ジャンプ&サンデー・最優秀長編作品賞
(※ノミネート資格保持作品)
…「週刊少年ジャンプ」系と「週刊少年サンデー」系の雑誌で長編連載されたストーリー作品が対象。
ノミネート資格は対象作品の内、A−以上の評価(但し、連載中に評価が変更されている場合は最新に発表されたもの)を得た作品。
◎『武装錬金』(作画:和月伸宏)
《以上、「週刊少年ジャンプ」連載》
◎『結界師』(作画:田辺イエロウ)
《以上、「週刊少年サンデー」連載》
◆ジャンプ&サンデー・最優秀短編作品賞
(※ノミネート資格保持作品)
…「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」系の雑誌に掲載された読み切り、または短期集中連載のストーリー作品が対象。
ノミネート資格は、長編作品賞と同じく評価A−以上。
◎『ドーミエ 〜エピソード1〜』(作画:高橋一郎)
◎『しろくろ』(作画:空知英秋)
◎『詭道の人』(作画:内水融)
◎『天上都市』(作画:中島諭宇樹)
◎『ヒカルの碁・特別番外編』(作:ほったゆみ/画:小畑健)
◎『オウタマイ』(作画:梅尾光加)
◎『プリティフェイス 番外編』(作画:叶恭弘)
◎『NOW AND ZEN』(作画:加治佐修)
《以上、「週刊少年ジャンプ」系雑誌に掲載》
◎『美食王の到着』(作画:藤田和日郎)
◎『結界師(本誌掲載読切版)』(作画:田辺イエロウ)
◎『絶対可憐チルドレン』(作画:椎名高志)
◎『河児』(作画:四位晴果)
《以上、「週刊少年サンデー」系雑誌に掲載》
◆ジャンプ&サンデー・最優秀ギャグ作品賞
(※ノミネート資格保持作品)
…「週刊少年ジャンプ」系と「週刊少年サンデー」系の雑誌に掲載された全ギャグ作品が対象。
ノミネート資格はA−以上の評価(但し、連載作品については、連載中に評価が変更されている場合は最新に発表されたもの)を得た作品。
◎『スピンちゃん試作型』(作画:大亜門)
◎『超便利マシーン・スピンちゃん』(作画:大亜門)
◎『超便利ロボスピンちゃん』(作画:大亜門)
◎『テラピー戦士マダムーン』(作画:藤田健司)
《以上、「週刊少年ジャンプ」系雑誌に掲載》
◎『黒松・ザ・ノーベレスト』(作画:水口尚樹)
◎『進学教室 !! フェニックス学園(週刊本誌読切版)』(作画:水口尚樹)
《以上、「週刊少年サンデー」系雑誌に掲載》
◆ジャンプ&サンデー・最優秀新人作品賞
(※ノミネート資格保持作品)
…「週刊少年ジャンプ」や「週刊少年サンデー」の本誌や増刊において、両誌の週刊本誌で長期連載(=短期集中でない連載)を経験していない作家の発表した読み切り・短期集中連載作品または初の長期連載作品が対象。ただし、その作者が他誌で長期連載経験があっても有資格とする“大リーグ新人王方式”を採用。
ノミネート資格はA−以上の評価(但し、連載作品については、連載中に評価が変更されている場合は最新に発表されたもの)を得た作品。
◎『ドーミエ 〜エピソード1〜』(作画:高橋一郎)
◎『しろくろ』(作画:空知英秋)
◎『詭道の人』(作画:内水融)
◎『天上都市』(作画:中島諭宇樹)
◎『オウタマイ』(作画:梅尾光加)
《以上、「週刊少年ジャンプ」系雑誌に掲載》
◎『結界師(週刊本誌読切版)』(作画:田辺イエロウ)
◎『結界師』(作画:田辺イエロウ)
◎『河児』(作画:四位晴果)
《以上、「週刊少年サンデー」系雑誌に連載または掲載》
◆ジャンプ&サンデー・最優秀新人ギャグ作品賞
(※ノミネート資格保持作品)
…「週刊少年ジャンプ」や「週刊少年サンデー」の本誌や増刊において、両誌の週刊本誌で長期連載(=短期集中でない連載)を経験していない作家の発表したギャグ作品(初の長期連載作品含む)が対象。ただし、その作者が他誌で長期連載経験があっても有資格とする“大リーグ新人王方式”を採用。
ノミネート資格はA−以上の評価(但し、連載作品については、連載中に評価が変更されている場合は最新に発表されたもの)を得た作品。
◎『スピンちゃん試作型』(作画:大亜門)
◎『超便利マシーン・スピンちゃん』(作画:大亜門)
◎『超便利ロボスピンちゃん』(作画:大亜門)
◎『テラピー戦士マダムーン』(作画:藤田健司)
《以上、「週刊少年ジャンプ」系雑誌に掲載》
◎『黒松・ザ・ノーベレスト』(作画:水口尚樹)
◎『進学教室 !! フェニックス学園(週刊本誌読切版)』(作画:水口尚樹)
《以上、「週刊少年サンデー」系雑誌に掲載》
◎ラズベリーコミック賞(最悪作品賞)
…映画のアカデミー賞に対するゴールデンラズベリー賞をモチーフにした、最悪な作品を表彰する賞。対象作はレビュー対象にした全作品で、あらゆる意味において“最悪”(not最低)な作品を選出する。ただし、ノミネート及び審査基準は駒木ハヤトの独断。
◎『少年守護神』(作画:東直輝/「週刊少年ジャンプ」掲載)
◎『テニスの王子様 特別編・サムライの詩』(作画:許斐剛/「週刊少年ジャンプ」掲載)
◎『キックスメガミックス』(作画:吉川雅之/「週刊少年ジャンプ」連載)
◎『楽ガキFighter 〜HERO OF
SAINT PAINT〜』(作画:中井邦彦/「週刊少年サンデー」連載中)
◎『AX 戦斧王伝説』(作画:イワタヒロノブ/「週刊少年ジャンプ」掲載)
◎『ツバサ』(作画:CLAMP/「週刊少年マガジン」連載中)
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……では、もう時間もありませんし、全部門の最終ノミネート作品を一気に発表してしまいましょう。なお、各部門で最終ノミネート作品として選出された作品は、各部門の“優秀作品賞”を受賞したという事になります。レコード大賞みたいなモノですね(笑)。
ちなみに、ギャグ系作品を対象にした2部門に関しましては、ノミネート資格保持作品がそれぞれ全く同じでありますので、ここでは自動的に両部門Wノミネートとさせて頂きます。
それでは、参りましょう。ノミネート作品の発表です。
各部門・最終ノミネート作品
(優秀作品賞受賞作一覧・順不同)
◆ジャンプ&サンデー・最優秀長編作品賞
◎『武装錬金』(作画:和月伸宏)
◎『結界師』(作画:田辺イエロウ)
◆ジャンプ&サンデー・最優秀短編作品賞
◎『天上都市』(作画:中島諭宇樹)
◎『美食王の到着』(作画:藤田和日郎)
◎『絶対可憐チルドレン』(作画:椎名高志)
◎『河児』(作画:四位晴果)
◆ジャンプ&サンデー・最優秀新人作品賞
◎『天上都市』(作画:中島諭宇樹)
◎『結界師』(作画:田辺イエロウ)
◎『河児』(作画:四位晴果)
◆ジャンプ&サンデー・最優秀ギャグ作品賞
◆ジャンプ&サンデー・最優秀新人ギャグ作品賞◎『スピンちゃん試作型』(作画:大亜門)
◎『テラピー戦士マダムーン』(作画:藤田健司)
◎『黒松・ザ・ノーベレスト』(作画:水口尚樹)
主要賞・最終ノミネート作品
(既に発表済み)
◆仁川経済大学賞(グランプリ)
◎『最強伝説黒沢』(作画:福本伸行/「ビッグコミックオリジナル」連載中)
◎『PLUTO』(作:手塚治虫/画:浦沢直樹/「ビッグコミックオリジナル」連載中)
◎(ジャンプ&サンデー・最優秀長編作品賞受賞作)
◎(ジャンプ&サンデー・最優秀短編作品賞受賞作)
◎(ジャンプ&サンデー・最優秀ギャグ作品賞受賞作)
◎(ジャンプ&サンデー・最優秀新人作品賞受賞作)
◎(ジャンプ&サンデー・最優秀新人ギャグ作品賞受賞作)
◆ラズベリーコミック賞(最悪作品賞)
◎『少年守護神』(作画:東直輝/「週刊少年ジャンプ」掲載)
◎『テニスの王子様 特別編・サムライの詩』(作画:許斐剛/「週刊少年ジャンプ」掲載)
◎『キックスメガミックス』(作画:吉川雅之/「週刊少年ジャンプ」連載)
◎『楽ガキFighter 〜HERO OF
SAINT PAINT〜』(作画:中井邦彦/「週刊少年サンデー」連載)
◎『AX 戦斧王伝説』(作画:イワタヒロノブ/「週刊少年ジャンプ」掲載)
◎『ツバサ』(作画:CLAMP/「週刊少年マガジン」連載中)
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──と、こういう結果となりました。
勿論、選考から漏れた作品も大変素晴らしい作品ばかりでしたし、諸々の事情によって切るには惜しい作品を候補から外したケースもありました。応援していた作品が落選してしまった方には、申し訳無いとしか言い様が無いですが、どうか勘弁して下さい。
さて、いよいよ明日は各部門賞、そして「ラズベリーコミック賞」とグランプリの発表です。あと24時間、賞レースの行方をあれこれと予想しながらお待ち頂けると幸いです。では、また明日深夜にお会いしましょう。(式典2日目へ続く) |