「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
9/24(第51回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(9月第4週分・合同) 9/18(第50回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(9月第3週分・後半) 9/15(第49回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(9月第3週分・前半) 9/10(第48回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(8月第5週/9月第1週分・合同) 9/3(第47回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(8月第5週/9月第1週分・合同) |
2004年度第51回講義 |
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もう9月もあと1週間になってしまいました。 さて、それでは今週分のゼミをお送りします。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデ−」では次号(44号)に読み切り『88の陣八』(作画:桜井亜都)が掲載されます。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) 今月の編集部講評は「ストーリーとか設定はいいから、とにかくキャラクターを立てなさい」というもの。なんか「ジャンプ」の新人賞みたいな講評ですが、よっぽど難解な設定を文字情報で並べ立てる応募作が多かったのかな…と思ってみたりします。
※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年43号☆ ◎読み切り『鬼より申す!』(作画:原野洋二郎) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 あと、問題点として挙げられるのは演出面でしょうか。余りにも全ての事を文字で説明しようとしていて、少々回りくどかったように思えました。せっかく絵だけで事象を表現出来る画力を持っているのに、これはちょっと勿体無かったですね。 今後はもっともっとストーリーテリング力を洗練させていって欲しいと思います。 ●今回の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ まずは巻頭カラーページ。明確な作者からの悪意を感じる『銀魂』のキッツイ絵から始まり、『BLEACH』のアニメ告知ページを経て、いかにも読み飛ばされそうな所に『リングにかけろ』のアニメ化告知を発見。テレビ朝日系で水曜深夜2時42分から放映とのことで、DVD化して手堅く稼ぐ事を念頭に置いた戦略のようですが、さすがにコレは如何なもんでしょうか(笑)。……まさか『星矢』の女性ファン層を狙ってるわけじゃないでしょうね? さて、今週も『DEATH NOTE』の話題を少々。ただし今回は直接作品の内容についてというわけではなくて、先日発売になったサブカル系隔月刊誌・「クイックジャパン」誌の特集記事の話を。 他の連載作品は、軒並み良い意味でも悪い意味でも持ち味発揮…といったところで特筆事項無し。『D.Gray-man』などは、もうちょっと場面転換や演出が改善されれば良い作品になる見込みも有ると思うのですが……。実質掲載順がラス3ですから、いよいよ打ち切り黄信号点灯でしょうか。 「週刊少年サンデー」2004年43号☆ ◎読み切り『断罪の炎人』(作画:吉田正紀) ●作者略歴(資料不足のため不完全な内容です) ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ただ、問題があるのが主人公たち“改造人間”の特殊能力の設定に関して。設定そのものにケチをつけるつもりは全く無いのですが、それらをお話の中で上手く消化させるだけの練りこみが足りなかったのではと思います。 ●今回の評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「好きな四字熟語は?」。 ……さて、連載作品の方は思わず毒吐きたくなる作品をオミットすると随分喋る材料が少なくなってしまうのですが(苦笑)、それでも久々に大きくページを割いたギャグが炸裂した『金色のガッシュ』や、漸く主人公が主人公らしい自然な自己主張を始めた『クロザクロ』など、キチンと読ませてくれる作品もありました。 ……まぁそんなところで今週はここまで。もうしばらく、このようなカリキュラムが続きます。どうかご容赦を。 |
2004年度第50回講義 |
さて、今週の「サンデー」裏表紙に『まいっちんぐマチコ先生』のTV版全話収録DVDの広告が掲載されているのを見て、このDVD担当の社内での行く末を思わず案じてしまった駒木ハヤトがお送りする「現代マンガ時評」のお時間がやって参りました。今日は後半分、「週刊少年サンデー」についての内容でお送りします。 で、その『マチコ先生』DVDセットなんですが、16枚組で税込99,750円ですよ。ヤフーBBの糞モデムを最低9日間は配り続けないと買えないという結構なお代です。 ……さて、そんなしょうもない事言ってないで、とっととゼミに移りましょうか。 「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデ−」では次号(43号)に読み切り『断罪の炎人』(作画:吉田正紀)が掲載されます。
※今週後半のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年サンデー」2004年42号☆ ◎短期集中連載総括『絶対可憐チルドレン』(作画:椎名高志) ●絵についての所見(第1回時点からの推移) ●ストーリー&設定についての所見(第1回時点からの推移) ◎読み切り『UPPERS』(作画:寺嶋将司) ●作者略歴(資料不足のため不完全な内容です) ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ただ、この作品においては、そんな良質のアイディアを上手く活かし切れていなかったように思えます。話の流れが過度にナンセンスなのは「独特の世界観ゆえに」というエクスキューズを採用する余地があるにしても、セリフやモノローグといった脚本面がちょっと拙過ぎたように感じられました。各所で見られた、とても喋り言葉とは思えない説明的なセリフを解消させられたら、もう少し全体的な印象も変わって来るのではないかと思うのですが……。 ●今回の評価
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「子供の頃に大好きだったアニメソングは?」。 さて、今週のトピックスは何と言っても『こわしや我聞』の「前号まで(=ここまでのあらすじ)」ですね。 「果歩達は我聞と陽奈をくっつけようと計画中」 ……これですよ、この簡潔な記述! 今回が第30話ですが、第28話までのお話を無かった事にする潔さがグルービーであります。 ──といったところで、今週は時間切れ。ボリューム的にアレですが、ちょっとスランプ気味なので今日はこれくらいでご勘弁を。では。 |
2004年度第49回講義 |
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オリコンの週間シングル売上ランキング、我らが椎名林檎女史率いる東京事変の『群青日和』が、よりにもよってゴリエに負けて2位という事態に、「ジャンプ」今週号の『武装錬金』における戦士・剛太のように呆然としてしまう今日この頃、受講生の皆さんは如何お過ごしでしょうか。 先週のゼミでも一応予告していましたが、今週は代原やら何やらでレビュー対象作が増えてしまいましたので、久々に前・後半分割でお送りします。まず今日は、「ジャンプ」関連の話題をお送りする前半となります。 「週刊少年ジャンプ」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ……この他、非公式レヴェルで、もう1本の読み切り掲載も決まっている…との情報が入っているのですが、とりあえずこの場では控えておく事にします。
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) 7月期は、『ネウロ』が準入選を受賞した3月期で最終候補に残った佐藤真由さんが十二傑賞となりました。同じく3月期で最終候補だった西嶋賢一さんの名前も見えており、それを考えると3月期は随分とレヴェルが高かったという事なんでしょうね。 ※今週前半のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年42号☆ ◎新連載第3回『Wāqwāq』(作画:藤崎竜) ●絵についての所見(第1回時点からの推移) ●ストーリー&設定についての所見(第1回時点からの推移) ──そういうわけで、ここまではストーリー・設定の失点を無くそうとして、図らずも専守防衛を強いられている…といったところです。ここから可及的速やかに攻めへ転じる事が出来るかどうかが、(連載存続の可否を含めて)この作品の大きなキーポイントとなって来るでしょうね。 ●現時点の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 もっとも、強いコメディ要素の影響からストーリー自体はかなり理不尽な部分も出てしまいましたし、肝心の剣道関連の描写がなおざりになっていたのも否めません。また、主人公のキャラクターがあまり読み手の感情移入を促す要素が多くないだけに、読者を選ぶ作品になってしまったかも知れませんね。ストーリーを真面目に追いかけようとすればするほど作品世界に入っていけない…という、大きなジレンマを抱えた作品とも言えそうです。 ●今回の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 ●今回の評価
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントに『アイシールド21』の対戦カード誤記についての訂正とお詫びが。おかしいなぁと思っていたら、やはりトーナメント表の通り、西部ワイルドガンマンズの相手は恋ヶ浜キューピットでした。柱谷ディアーズはデビルバッツが勝ち進んだ時の相手ですよね。 一方、今週は国際プロレス・プロモーションを彷彿とさせるチェーンデスマッチで盛り上がった『DEATH NOTE』ですが、ここ最近は、これまでその他大勢の域を脱し切れなかった捜査員たちのキャラクターを掘り下げようという意図が見え隠れしていて興味深いですね。しばらくは今のメンバーで固定して、若干のコメディ要素を交えながらマッタリと第3のキラ探しに勤しむ…という展開になるんでしょうか。まぁ固定ファンを大量に掴んだところで、安定飛行に入るというのも一つの見識だとは思いますが、どうなるんでしょうね。 で、最後はやっぱり『武装錬金』を。冒頭でもネタに使わせてもらった通り、戦士・剛太の少年マンガ史上に残る放置プレイが余りにも痛々しいですが、どうやら『錬金』は次週臨時休載とのことで、作品内時間を超えた責め苦が続くようです。 ……それでは、とりあえず前半分をお送りしました。後半分は金曜日を目標に準備を進める事にします。 |
2004年度第48回講義 |
先週の「チェックポイント」・『武装錬金』での自虐カミングアウト&談話室(BBS)でのネタ発言を受けて、物凄く深刻な反応がいくつか返って来て、戸惑うやら恐縮するやらの駒木であります(^^;)。 ──って、なんなんだ、この前フリ(笑)。 もう何が何だか分かりませんが、とにかく今週のゼミをお送りします。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデ−」では次号(42号)に読み切り『UPPERS』(作画:寺嶋将司)が掲載されます。 ……それにしても来週は確定分だけでレビュー4本。更に「ジャンプ」で代原が載るという話も聞いていますので、そうなると5本……。しかも、祝日の関係で翌週分の「ジャンプ」が土曜日に出るので、それまでにゼミを完了させなければならないわけですか……。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年41号☆ ◎読み切り『魔人探偵脳噛ネウロ』(作画:松井優征) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 しかしながら、この作品はコンセプト──事件発生後、全く間を置かずに即解決編に入る“非本格・娯楽系ライトミステリ路線”──そのものに、大きな“構造的欠陥”を抱えていると言わざるを得ません。「赤マル」の時は作者サイドの意図が読み取れない部分があったので敢えて採り上げなかったのですが、この欠陥はストーリー系作品として致命的とも言えるものです。 ●今回の評価
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 毎週つくづく思い知らされる事ではあるのですが、『BLEACH』の演出ってのは凄いですなぁ。『NARUTO』の岸本さんは、下積み時代に映画を観まくって演出力の基礎を独学で身に付けたそうですが、久保さんはどうやってノウハウを学んだんでしょうね。 この他、今週絶好調だったのは『銀魂』、『ピューと吹く! ジャガー』といったコメディ・ギャグ勢。もうどのシーンもいちいち笑いのツボを突きまくられて、仕事帰りにドトールコーヒーで読んでて思わずアイスコーヒーを噴出しそうになりました。 そんな中、ひっそりと『ぷーやん』が1クール突き抜けの最終回。苦節12年で掴んだチャンスでしたが、あっさりと手放す羽目になってしまいました。 「週刊少年サンデー」2004年41号☆ ◎読み切り『吉田ジャスティス(激闘編)』(作画:福井祐介) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 この作風、何か既視感が有るなと思ったら、「ジャンプ」系若手作家の夏生尚さんの描いた代原に、ちょうどこんな意気込みが空回りした作品がありました。“爆笑王”が「ジャンプ」の代原と同レヴェルというのは悲しい話ですが……。 ●今回の評価
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「自分を動物に喩えたら?」。 さて、先週色々と問題点を指摘した『クロザクロ』ですが、今週は女子高生蒐集者・薊(あざみ)に対する夏目義徳さんの愛情が伝わって来て、「他の登場人物もこの調子で動かせばいいのになぁ」…などと思ってしまいました(笑)。ただ、“子供扱いに怒る女の子”というシチュエーションは『絶対可憐チルドレン』とネタ被りになってしまって不運でしたね。 さて、今週最後は『モンキーターン』から競艇豆知識。ここでストーリーについては一切触れないのが駒木流であります。 ……というわけで、まだまだ語り足りない部分もありますが、今週はこれくらいにしておきましょう。それでは、また週明けにお会いしましょう。 |
2004年度第47回講義 |
いつの間にか29歳になっていました。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報
※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年40号☆ ◎新連載『Wāqwāq』(作画:藤崎竜) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 シナリオはプロローグとしては相当のボリュームがあり、メリハリも効いている労作です。さすがにキャリア相応の“プロのお仕事”を見せてもらったなぁ…といったところですね。 ●現時点の評価
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週ネット界隈で話題になったのは、何と言ってもセンターカラーで最終回を迎えた『シャーマンキング』。まぁ、通常は円満終了・大団円であるはずのセンターカラーで、まるで“ロケットでつきぬけた”ような打ち切り色の強い尻切れトンボ最終回をブチカマしてしまったら、そりゃあ話題にもなるわな…といったところではありますが。 さて、まだ連載中の作品についても少々。 『武装錬金』は急展開に次ぐ急展開から、スクランブル的に新章に突入してゆきそうですが、それにしても気になるのが戦士・剛太の噛ませ犬っぷり。惚れた女性のためにした努力が全てその女性と別の男の恋愛成就のために浪費されてゆくというこの有様、嗚呼…これは……、 まるで駒木ハヤトのプライベートそのものじゃないか! ……というわけで、剛太少年に感情移入したくなる気持ちもあるんですが、ただ、こういうファンタジーの世界で現実を忠実に再現されると応援する気が無くなってしまうというか(笑)。せめて夢の世界だけでも夢見させてくれよと。
◎新連載第3回『東遊記』(作画:酒井ようへい) ●絵についての所見(第1回時点からの推移) ●ストーリー&設定についての所見
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「対談するなら誰と? またその理由は」。 ──さて、今週は第3回後追いレビュー以来、とんとご無沙汰になっていた『クロザクロ』について。 さて、この『クロザクロ』が、シナリオ構成の上でかなり特殊な作品であるという事は、皆さんもお判りになっているのではないかと思います。この作品は長編モノのセオリー──数話〜数十話で完結する“小エピソード”を連ねて1つの大エピソードを描いていく──を踏襲せず、1話目からページ数を費やして、“大エピソード”を淡々と進めていく手法を採っているんですね。 では、このタイプの作品に全く勝ち目がないのかと言えば、決してそうでは無いはずです。確かにストーリーだけでは効果的な“集客”は難しいものの、それを他のファクターで補完する事も可能でしょう。 それでは、『クロザクロ』は現状、このストーリー面の脆弱性を登場人物のキャラクターでリカバー出来ているのでしょうか? ……そういうわけで、少なくともストーリーが盛り上がって来て、それだけで読者を惹き付ける事が出来るようになるまでは、登場人物の魅力で引っ張る必要性があるでしょう。新キャラを出すも良し、現有戦力のパワーアップを図るも良し、とにかく登場人物のファンを作るような試みを期待します。 しかし「サンデー」では、超A級のキャラクターを確保していながら今一つ伸びきれない『こわしや我聞』みたいな作品もあるわけで、本当にマンガって奥が深いと思いますね。
……というわけで、今日の講義はここまで。 |