「社会学講座」アーカイブ(競馬学関連・8)

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講義一覧

9/20 競馬学特論 「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋プレシーズンマッチ第2戦・ローズS」
9/13 競馬学特論 「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋プレシーズンマッチ第1戦・セントウルS」

6/28 
競馬学特論 「G1予想・宝塚記念編」
6/7 競馬学特論 「G1予想・安田記念編」
6/2 2時限 競馬学特論 「G1プレイバック・東京優駿(日本ダービー)編」

5/24 
競馬学特論 「G1予想・優駿牝馬(オークス)編」
5/10 
競馬学特論 「G1予想・NHKマイルC編」
5/3  
競馬学特論「G1予想・天皇賞(春)編」
4/19 競馬学特論 「G1予想・皐月賞編」
4/12 
競馬学特論「G1予想・桜花賞編」

 

2003年第64回講義
9月20日(土) 競馬学特論
「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋プレシーズンマッチ第2戦・ローズS」

 こんばんは、駒木ハヤトです。
 さて、いきなりで恐縮ですが、今日から当講座では三夜連続で競馬学講義を行います。まぁ要は、競馬予想と積み残しの競馬学概論の講義シリーズを続けて消化するだけだったりするのですが(苦笑)。
 元々この仁川経済大学は、本学キャンパスの間近にある阪神競馬場の別名を冠に戴く、競馬学メインの大学。出席率がやや心配ではありますが、駒木研究室のメンバーはいつになく張り切っております(笑)。どうか3日間お付き合いの程を。

 ──というわけで今日は第一夜。先週から始まりました、駒木研究室メンバーによる競馬予想大会のプレシーズンマッチ第2戦・ローズS編をお送りします。
 なお、先週のこの時間で「プレシーズンマッチは3戦」と申し上げたのですが、それは来週の週末に駒木が神戸にいない(椎名林檎武道館公演鑑賞のため上京)を失念していた故の発言で、実は誤りでした。そういうわけで、プレシーズン戦は今回までの全2回に短縮させて頂く事にします。どうかご了承下さい。

 それでは、先週と同じく出馬表、展開予想、研究室メンバー4人の予想…という流れで進行してゆきます。先週の反省を踏まえて早速マイナーチェンジを施していますので、そちらにも注目しつつ、どうぞ最後まで宜しく。

プレシーズン第2戦・ローズS(阪神2000芝)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

× アドマイヤグルーヴ 武豊
出遅れに泣いた春クラシックの雪辱期し、万全の態勢で秋緒戦へ。

 

    ベストアルバム 渡辺

夏の小倉で急上昇。例年ならトライアルでも通用する水準も、今回は相手が揃った。

        テイエムオゴジョ 太宰

前走、14戦目で未勝利脱出。意欲は認めるが、さすがにここでは大苦戦。

    ×   シェリール 秋山

春はトライアル止まりも、リフレッシュ放牧で馬体大幅成長。実績は見劣るが、仕上がりは良く現在の実力は未知数。

        キャッスルブラウン 小牧太

新潟で鋭い決め手見せ連勝も、一気の相手強化と小柄な馬体に応える直線の坂が大いに心配。

        エルダンジュ 柴原

実績、ローテーション云々より、芝適性に難あって……

      × ミルフィオリ 武幸

調教本数少ないが、育成牧場で乗り込み十分。しかし、期待外れに終わった春シーズンの印象強くて。

× × ピースオブワールド 福永

オークスは条件厳しすぎたか。今回こそ仕上がり上々だが、2歳時からの成長が物足りなくて。

  ヤマカツリリー

安藤勝

前走は調整途上ゆえ度外視して良し。立て直せた気配ある今回は狙い目かも。

        10 ヘヴンリーロマンス 松永

夏の連戦応えたか、中間で軽い熱発。影響は少なそうだが更なる上がり目も期待出来なさそうで。

11 スティルインラブ

史上2頭目の牝馬三冠へ向けて視界良し。ただし今回はあくまでも試走の意味合いが強そうだ。

 

  12 シンコールビー 佐藤哲

フローラS、オークスで見せた鋭い決め脚は本物。一夏越しての成長度と良績の無い阪神コースがどうかだが……?

●展開予想(担当:駒木ハヤト)

 確固たる逃げ馬がおらず、先行争いは極めて流動的。エルダンジュ、またはヘヴンリーロマンスといったあたりが押し出されるようにしてハナに立つか。
 その後ろにはヤマカツリリーで、実は先行脚質のアドマイヤグルーヴも五分のスタートなら先団につきたいところ。ピースオブワールド、スティルインラブが中団グループで、ベストアルバムも早めのケイバをするかも知れない。最後方にはシンコールビーだが、超スローペースゆえ先頭からの間隔はさほど開かないのでは。
 よって、直線では内外大きく広がっての瞬発力勝負。位置取りの有利不利より、決め手の鋭さが明暗を分けそうだ。


●駒木ハヤトの「逆張り推奨フォーカス」●
《本命:アドマイヤグルーヴ》

 今年の秋シーズン前半のテーマは“三冠”。牝馬戦線は、スティルインラブがメジロラモーヌ以来17年ぶり2頭目、エリザベス女王杯が秋華賞に振り替わってからは初の牝馬三冠にチャレンジするという事で、このトライアルでも周囲の評価はスティルインラブ優勢のムード。まぁ確かにその力は認めるところであるけれども、今回はあくまでトライアル。仕上がりは八分〜九分に抑えなきゃいけないわ、身の安全第一に走らせなきゃいけないわ…と色々と制約が多そうな感じ。いや、むしろ負け時と言うべきか。
 そこで、スティルインラブに付ける◎印は4週間後まで温存しておいて、今回はアドマイヤグルーヴを本命に考えてみる。本番を見据えた調整はこちらも同じだが、春の成績不良を「何かの間違い」で済ませるためには、今回は是非とも好走しておきたいところ。陣営も未だ重賞タイトルが無い現状には決して満足していないはずだ。土曜に4勝2着1回と絶好調の武豊騎手も、(少なくとも今回は)強調材料になるはず。
 この2頭の相手には、やはり実績馬のヤマカツリリーとピースオブワールド。例年なら勝負駆けの昇り馬も1〜2頭ピックアップするところだが、ここまで状態の良い実績馬が揃ってしまうと出番は無さそう。

 馬連1-11、1-9、9-11、1-8 3連複1-9-11


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:スティルインラブ》

 駒木博士に今週から「予想コラムは本命馬中心でね」と言われたんですけれども、いきなり困ってしまいました。何を置いても強い、という馬を「強い」という以外にどうやって表現したらいいんでしょう?(苦笑)。あ、でもそのくらい強いんだ…という表現の仕方がありましたね。
 デビュー以来、オール連対の4勝2着1回。その2着も不利に泣いてのものですから、パーフェクトに近い戦績。その上、この夏で馬体に成長があって仕上がりも万全に近い…となれば、死角は無いと見て良いんじゃないでしょうか。少なくとも2着以内は…という意味で、▲無しで絶対視したいと思います。でもここだけの話、個人的願望としては、○→◎の的中が一番嬉しいんですけれど(笑)。

 馬連1-11、9-11、8-11


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:シンコールビー》

 先週も穴狙いしたつもりだったんですけど、確定オッズ見たらそれほどでもなかったですね(苦笑)。今週からは『じゃじゃグル』の梅ちゃんみたいに、「10倍以下の馬券は馬券じゃない」って感じで攻めていくつもりです!
 で、ローズSの本命はシンコールビー。注目は他の馬に行っちゃってますけど、オークスで上がり33秒5の脚を使って3着に入っている馬。6番人気・単勝26.7倍っていうのはちょっと軽く見過ぎじゃないですか? 超スローの展開だと逆に差し馬にもチャンスがあるって駒木博士から聞いた事ありますし(笑)、ここから大きく狙ってみたいと思います。

 単勝12 馬単12=2、12=11、2=11、12-1、12-8、12-4


●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:スティルインラブ》

 今週、本当にビックリしたのが阪神タイガースの優勝とそこから始まった大騒ぎ。ここまで阪神ファンがクレージーだとは……って感じです。ぶっちゃけ、日本人のイメージが変わっちゃいました。オーストラリアで読んだ日本の本ではそんなところまで教えてくれませんでしたし(笑)。
 で、競馬を見てると、阪神タイガース・カラーの勝負服を着たジョッキーの馬が走ってるじゃないですか! そうです、社台レースホースの服ですよ!
 それであんまり気になったので、今日は社台の馬から狙ってみようかなーって思ったんです……けど……う〜ん……(苦笑)。
 ──というわけで、やっぱり春から競馬を見てて一番強そうなスティルインラブを◎にしました(笑)。一応ミルフィオリの馬券も買いますけどね。

 馬連 8-11、9-11、8-9、11-12、1-11、7-11


 ……というわけで、今週からちょっとマイナーチェンジした4人の予想コラムでした。多少不真面目な予想もありましたが、まだ日本に来て半年の競馬初心者ということで勘弁してあげて下さい(笑)。では、レース回顧もお楽しみに。


ローズS 成績
× 1着 アドマイヤグルーヴ
  2着 ヤマカツリリー
      3着 ベストアルバム
× × 4着 ピースオブワールド
5着 11 スティルインラブ

単勝1 300円/枠連1-7 1380円/馬連1-9 1800円/馬単1-9 2730円/三連複1-2-9 4390円

 ※駒木ハヤトの“勝利宣言”(◎−▲馬連的中)
 いやー、展開は少し結果オーライだったけど、久し振りに気持ち良い的中だね。地力、実績重視の正攻法を捨てて、トライアル仕様・勝負気配中心のトリッキーな予想に徹したのが功を奏した感じ。
ただ、スティルインラブの負けっぷりが派手すぎて、三連複が外れになってしまったのは残念だったけどね(苦笑)。
 アドマイヤグルーヴは、本当に問題は気性だけって感じだねぇ。まぁ今日に限って言えばゲートはマシだったんだけど、道中も引っ掛かる一歩手前で、直線入口でもイヤイヤしてたし。でもそれで余裕残しの1馬身差勝ちなんだから、地力そのものはやっぱりG1級ってことなんだろうね。一度ブリンカー着けてみるのはどうなんだろうか。
 ヤマカツリリーは、あの展開(前半1000m1分01秒0のマイペース大逃げ)で粘れないんじゃあ、逆に本番はどうかな? 馬体に成長の無いピースオブワールドも上積みは厳しい感じだし、やっぱり本番の主役はアドマイヤと今日は見せ場作るだけで勝ちに行ってないスティルインラブってことになるんだろうね。馬券的にはスティルインラブと伏兵の組み合わせが面白いのかな。  

 ※栗藤珠美の“反省文”(○−△で不的中)
 昨日、予想コラムの原稿を駒木博士に手渡した時、「▲を削った時に限ってタテ目が来るもんだよ。本当にこれでいいの?」って言われたんですよね……。やっぱり、そういう時は素直に聞いておけば良かったんでしょうね……。
 それにしても、「競馬に絶対は無い」って本当ですね。今日はしみじみとそう思います(苦笑)。

 ※一色順子の“終了しました……”(△−無で不的中)
 ……すいません、今日は思いっきりブルー入ってます(苦笑)。
 いきなりから無印にしておいたヤマカツリリーが遅いペースで大逃げ。もうこの時点でわたしの握り締めていた馬券は紙くず同然だったんですけど、オマケに本命のシンコールビーはブービーから10馬身差のシンガリ負け。いくら穴狙いでも、こんな外れ方ってあります?(半泣)
 もう泣きそうなんですけど、これ以上の負けは無いって考えて、再来週からの本番は気合を入れ直してがんばりたいと思います。

 ※リサ=バンベリーの“イッツ・ア・ハードラック・デイ”(×−▲で不的中)
 今週はアッサリ外れちゃいました(苦笑)。ちょっとフザけた予想をしたらバチが当たっちゃったみたいですねー。次までにもう少し競馬の勉強をして、当たるような予想をガンバってみたいと思います!

 


 

2003年第61回講義
9月13日(土) 競馬学特論
「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋プレシーズンマッチ第1戦・セントウルS」

 どうも、駒木ハヤトです。今日から秋の中央場所開催も始まり、いよいよG1レースの足音が近づいて来ましたね。
 さて、これまでならG1シーズンの到来を待って開始していた競馬学特論シリーズですが、この秋は一足先に今週から“開幕”です。講義タイトルをご覧になればお判りになると思いますが、当講座では今月末から、8月の記念式典で開催を予告していた駒木研究室メンバー全員参加でのG1予想大会をやります。で、それに先立ちまして、今週から試運転がてらのプレシーズンマッチをやろうじゃないか…というわけです。
 とりあえず、プレシーズンマッチは今週から再来週までの3回。予想対象レースは、阪神競馬場の日曜メインレースである、セントウルS・ローズS・神戸新聞杯の3レースです。プレシーズンマッチですので集計等は採りませんが、4人(特に新メンバー2人)の予想傾向などに注目して“観戦”して頂けると幸いです。

 ──では、さっそくプレシーズンマッチ第1戦・セントウルSの予想をお届けします。どうぞ最後まで宜しく。

プレシーズン第1戦・セントウルS(阪神1200芝)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

        ガンアンドローズ 佐藤哲
大型馬の超長期休養明け。素質は感じるも今回は大苦戦。

ビリーヴ 安藤勝

実力は文句無しのNo.1。展開も向くが、問題は仕上がりと57キロ。

    × ブルーコンコルド 秋山

距離短縮は明らかにプラス。あとは古馬との相手関係。

        マルブツタイクーン 石橋守

3歳になってから惨敗に次ぐ惨敗。早熟だったのか?

テンシノキセキ 横山典

益々成長を遂げる快速娘。体調も絶好だが、カギは直線の坂と同型との兼ね合いか。

        マルカサワヤカ 熊沢

果敢な格上挑戦も、セールスポイントに欠け。

アドマイヤマックス 福永

とにかく距離適性が唯一最大の問題。キングヘイローの再来となるか?

        ニホンピロハーレー 角田

年齢的にも上がり目薄く、苦戦。

        ギャラントアロー

調教本数やや足りぬか? 展開は明らかに不向きだが……

  × ×   10 デュランダル

池添

休養明けだが仕上がりはマズマズ。今回が今後を占う試金石。

    × × 11 カルストンライトオ 武幸

2年連続このレース3着の実力馬だが、今回は長期休養明けで復調途上。

        12 タガノラフレシア 和田

別定戦では絶対条件のハナ切りすら覚束なし。

  13 ネイティヴハート 石崎隆

このレース1着ならスプリンターズS出走権が。公営No.1ジョッキーを背に、これが勝負駆け?

●展開予想(担当:駒木ハヤト)

 逃げ馬4頭で超ハイペース必至のメンバー構成。ハナを切るのは、順当ならテンシノキセキだが、スピードだけならカルストンライトオも負けておらず流動的。ただし、この先頭グループの直後にビリーヴがつけて、これが絶好のポジションに。
 有力差し馬勢は、そこからやや距離を置いて追走か。アドマイヤマックスがどのあたりのポジションを確保できるかが1つのカギに。恐らく超ハイペースに戸惑って最後方辺りからの巻き返しだろうが……。
 開幕週のパンパン馬場だけに、直線だけの追い込みは決まり難そう。それを考えても展開面はやはりビリーヴが有利。実力を発揮できるコンディションなら函館の再現も。


●駒木ハヤトの予想●

 ライバルが続々と引退し、“安定政権”樹立を目論むビリーヴがここでも優勢。まさかのポカが怖いシチュエーションではあるが、マトモに考えるほどに勝つ確率は高い。
 2番手にはネイティヴハートを抜擢。1着ならスプリンターズS出走権獲得という条件下、わざわざ石崎騎手を関西に連れて来た陣営の勝負気配がいかにも狙い頃。地力向上著しいテンシノキセキは、ハードな展開と良績の無い阪神コースが懸念材料。逆にこれを乗り越えられれば本番に期待が。アドマイヤマックスは1200mへの対応が命運を分けるはず。常識的にはNGだが、キングヘイローという前例もあるだけに無視は出来ない。

 馬連2-13、2-5、5-13、2-7 3連複2-5-13


●栗藤珠美の予想●

 函館スプリントSでも破格の強さを見せつけたビリーヴには、今回も逆らえないでしょう。展開や実績面での比較でも他の馬を圧倒していますので、死角はほとんどありません。
 2番手にはアドマイヤマックスを。安田記念の時の恩返しというわけではありませんが(笑)、地力と実績から距離にも対応できるんじゃないかという判断です。
 その後が迷ったんですが、展開が向きそうなネイティヴハート、逆に展開は向きませんが進境著しいテンシノキセキ、意外性からデュランダルを狙ってみたいと思います。

 馬連2-7、2-13、7-13、2-5、2-10


●一色順子の予想●

 春の阪急杯でも大失敗してるビリーヴは、どうも負担重量57キロとか、ヘタれ気味の調教とかで、イマイチ信頼が置けないので▲にしちゃいました。
 で、わたしの本命はテンシノキセキ。ビリーヴが伸びて来ないんなら、この馬が逃げ切っちゃう可能性が高いですよね。スイスイ〜といって欲しいです(笑)。それからもっと面白いのがブルーコンコルド。最近の成績はパッとしないんですけど、1200mレースに強いですし、コンディションもどんどん良くなってるみたいなんで、狙い目だと思います。
 あとはアドマイヤマックスデュランダルカルストンライトオなんかを手広く。

 馬単 5=3、5=2、3=2、5-7、5-10、5-11


●リサ=バンベリーの予想●

 まだ日本の競馬にくわしくないワタシですけど、ビリーヴがこの中で一番強い馬ってコトくらいは分かります(笑)。テンシノキセキとコンビで「奇跡を信じて」みたいな感じで1、2着来てくれるとウレシイです!
 あとは競馬新聞とか参考にしながら、大きなレースでイイ成績を出してる馬に印を打ってみました。全然ためにならない予想でゴメンナサイですけど、これから勉強していくつもりですので、許して下さいね。押忍!

 馬連 2-5、2-7、5-7、2-13、2-3、2-11


 ……というわけ、4人の予想をお送りしました。ちょっとまだ皆、慣れない部分もありますのでアレなんですが、公式戦までには色々な面を整備させたいと思ってますので、どうか末永くお付き合いをば。
 では、レース後の回顧でお会いしましょう。


セントウルS 成績
1着 テンシノキセキ
2着 ビリーヴ
  × ×   3着 10 デュランダル
4着 アドマイヤマックス
  5着 13 ネイティヴハート

単勝5 350円/枠連2-4 360円/馬連2-5 370円/馬単5-2 820円/三連複2-5-10 1320円

 ※駒木ハヤトの“勝利宣言”(▲−◎馬連的中)
 うーん、予想は当たっても配当がこれじゃあ「勝利宣言」って言うのはおこがましいかな(苦笑)。
 しかし、全員の予想を眺めて思うのは「ビギナーズラック恐るべし」(笑)。「奇跡を信じて」で本命・対抗的中されたらタマランよなぁ。しかもオーストラリアから来日して半年の女子高校生に(苦笑)。順子ちゃんも結果オーライとは言え、馬単で高め当ててるし、これはG1でも油断できないなぁ……。
 レースの方は、テンシノキセキの強さだけが目立った感じ。控えてビリーヴから目標にされて、それであれだけ頑張れるんだから着差以上に強い感じ。まぁ本番ではビリーヴの方が上積みがあるんで、状況は全然違って来るんだろうけどね。

 ※栗藤珠美の“喜びの声”(△−◎馬連的中)
 私だけ押さえ馬券の的中。ちょっと悔しいですね(苦笑)。でも、これも私の実力不足なんですから、真摯に受け止めなければいけませんよね。
 でも、レースの展開予想って本当に難しいですねー。確かに誰もわざと不利なレースをしたくないんですから、騎手の皆さんも色々考えるんでしょうけど……。
 来週からも頑張りますので、どうかよろしくお願いしますね。

 ※一色順子の“的中、失礼しました!”(◎−▲馬単的中)
 やりました! テンシノキセキを本命にして大正解!
 ……でも、馬券を買い過ぎて、せっかく馬単当たっても損してる私ってどうなんでしょう?(苦笑) まあ3ケタ配当ですから仕方ないですけどねー。
 そういうわけで、これからも穴狙いで頑張りますので、応援よろしくお願いします♪

 ※リサ=バンベリーの“ハッピー・ハッピー・グッドラック”(○−◎馬連的中)
 競馬の予想は初挑戦だったんですけど、当たっちゃいました♪ でも馬券が買えないんで、全然実感がわかないんですけど……(苦笑)。
 それでも、やっぱり自分の考えた通りにお馬サンが走るのは気持ちイイですね〜。来週からもまたハッピーになれるようにガンバリます!

 


 

2003年第38回講義
6月28日(土) 競馬学特論
「G1予想・宝塚記念編」

 春シーズン最後の競馬学特論ですので、出来れば珠美ちゃんとの対談形式でお送りしたかったのですが、今回もいかんせん、「時間の都合」という厄介なモノが出て来てしまいました。残念ながら短縮講義とさせて頂き、レース回顧に少し多目の時間を割きたいと考えています。

 ……それでは、早速出馬表と予想をご覧頂きましょう。

宝塚記念 阪神・2200・芝

馬  名 騎 手
    サイレントディール 安藤勝
アグネスデジタル 四位
    アサカディフィート 池添
    マイソールサウンド 本田
シンボリクリスエス デザーモ
ネオユニヴァース デムーロ
    サンライズジェガー 後藤
×   イーグルカフェ 吉田稔
    ツルマルボーイ 横山典
    10 ヒシミラクル 角田
    11 ファストタテヤマ 安田
    12 バランスオブゲーム 武幸
× 13 ダンツフレーム

藤田

    14 メジロランバート
    15 ストップザワールド 福永
× 16 タップダンスシチー 佐藤哲

 

× 17 ダイタクバートラム 武豊

 ──例年は、この時期になると必ず廃止論や6月開催論が囁かれるほど盛り上がらない宝塚記念ですが、今年に限っては現時点で考え得る限りで最高の豪華メンバーが揃ったのではないかと思います。
 例年ならば、G1級の馬が1〜2頭出て来れば御の字のこのレースで、今年は“例年なら大本命クラス”の馬が少なくとも3頭。しかも、恐らくは主催者サイドも半ば諦めていたであろう、宝塚記念へのダービー馬参戦も実現し、上位拮抗というか高レヴェル混戦模様の、馬券的にも非常に厄介なレースになったのではないでしょうか。

 ステップレースは、例年なら天皇賞組が圧倒的優位に立つのですが、今年はご存知の通り、空前の低レヴェルの上に波乱の決着とあって、全くアテになりません。ハンデ戦の目黒記念の結果が参考外なのはいつも通りで、唯一トライアルらしいトライアルの金鯱賞も、チャンピオンクラスの馬たちへの挑戦者決定戦という趣がありました。
 やはり今年は別路線組、または休養明けの実績馬に一目置かなくてはならなさそうです。ただし、安田記念に関しては、この宝塚記念と比べるとかなりメンバーの質が落ちる感じでしたので、G1だからといって過剰にその着順・成績を過剰に重視するのは如何なものかと思っています。

 次に展開です。逃げそうな馬は3頭いますが、思わぬ馬の“奇襲逃げ”がない限りは、恐らくタップダンスシチーが押し出されるように外枠からハナに立つでしょう
 後続の位置取りに関しては、出走馬が17頭いる割に脚質の棲み分けが出来ていますので、やや縦長の展開で平均ペースのまま落ち着きそうです。言わば全馬マイペースの展開といったところでしょうか。
 ただしそういった展開の場合、やや先行有利になるのが近代競馬の定め。さすがに追い込み脚質の馬はちょっと苦しい展開になってしまうのではないかと思います。やや馬場が渋り気味という事もありますし、せめて直線入口では10〜12番手から捲り気味に進出するようでないと間に合わない可能性が大です。

 ……それでは、各馬のポイントについて述べていきたいのですが、今日は時間がありませんので、有力馬だけに絞って話をしてゆきます。

 駒木の本命はシンボリクリスエス。言わず知れた、今の日本のチャンピオンディスタンスにおける現役最強古馬ですね。今回は有馬記念以来のレースになりますが、調教を十分に積んでいる上、休み明けの成績が抜群に良いという事もあり、ブランクによる悪影響を心配する必要は全く無いと思われます。
 昨年秋は、3歳馬の身で、ナリタトップロードら“テイエムオペラオー時代”の英雄たちを次々と破り、ジャパンカップ日本馬最先着(出遅れるも3着)、有馬記念制覇など、素晴らしいパフォーマンスを見せ付けました。今回のメンバーでも、能力的優位は明らかで、「マトモに走れば勝てる」馬であると思われます。

 対抗にはダービー馬・ネオユニヴァース。昨年のローエングリンの例を見るに及ばず、53kgの軽量は大きな武器になるでしょう。体調も万全ですし、名手・デムーロを鞍上に、6連勝でいきなりの古馬越えを目指します。
 ただし、例年のレヴェルなら大本命を背負ってもおかしくないのですが、世代レヴェルが全く掴めていない今の段階では、余りに信用し過ぎるのもどうかと思われます。秋には三冠挑戦を控えていますが、このレースの結果如何ではその価値に疑問符が付きかねないだけに、将来の種牡馬生活すら左右する大事な一戦となりそうです。

 3番手評価には昨年の覇者・ダンツフレームを抜擢しました。3歳時代はジャングルポケットと互角以上に戦い、昨年の宝塚記念ではツルマルボーイ以下に完勝した実績からも、そうそう実力的に見劣りする馬とは思えません。天皇賞・安田記念の敗北から人気の盲点になっているようですが、この2レースはいずれも得意範囲外の距離で、思い切って度外視してしまうのも手でしょう。
 例年、不当に人気が下がっていた実績馬がヒョコっと2着にやって来るこのレース、その意味ではこの馬が馬券上の本線だと思っています(笑)。

 4番手はアグネスデジタル。言わずと知れたワールドワイドなG1レース6勝馬です。前走の安田記念は八分のデキで見事な差し切りと、さすがは実績馬と唸らされるパフォーマンスでした。
 勿論、今回も優勝候補の一角です。アッサリと差し切ってしまっても全くおかしくはありません。ただ、さすがに2200mだと、ラスト1ハロンの粘りが欠けてしまうのではないか…という不安が否めません。果たして結果はどうなるでしょうか?

 以下は伏兵ということになりますが、最近充実著しいタップダンスシチーは、有馬記念の2着がフロックでなかった事を証明するための正念場になります。個人的にはここまで挙げた4頭のよりも頭一つ下の格付けになってしまうのですが、また展開に恵まれれば今度はアッサリと逃げ切ってしまってもおかしくありません。
 怖いのは、こちらも最近充実著しいイーグルカフェ。最近は直線でコンスタントに伸びて来るだけに、展開がハマった時は非常に怖い馬です。
 印の範囲外になりますが、ツルマルボーイもギリギリで2着候補の一員でしょう。ただ、今回は力関係だけでなく馬場状態がやや渋り気味という不利な条件が揃ってしまい、強く推せないところではあります。

 ……というわけで、フォーカスです。駒木は馬連BOX・3連複で5、6、13。元返しの押さえで枠連1-3も考えます(笑)。珠美ちゃんは、2-5、2-6、5-6、2-16、2-13、2-17の馬連6点です。

 それでは、また日曜夜の回顧編でお会いしましょう。


駒木:「……というわけで、辛いお時間のスタートだ(苦笑)」
珠美:「毎週のことですけど、ホント、溜息が出てしまいますね……」
駒木:「でも、今週は講義の時間が無くて良かった。多分、普通に1頭ずつ論評してたら、ヒシミラクルのところで『この馬が勝ったら、自分は競馬を辞める』…とか口走ってたと思うから(笑)」
珠美:「逆にその方が良かったんじゃありません?(笑)」
駒木:「酷い言われようだな〜(苦笑)。まぁ、実際そう思えて来るよ、最近の不調じゃね。
 あぁ、いつまでも雑談してちゃいけない。本題に入ろう」
珠美:「……ハイ。それでは改めて、レース結果を振り返っていきますが、まずは上位の着順をご覧頂きましょう」

宝塚記念 結果(5着まで)
1着 10 ヒシミラクル
2着 ツルマルボーイ
3着 16 タップダンスシチー
4着 ネオユニヴァース
5着 シンボリクリスエス

駒木:「3番人気までの馬が綺麗に飛んで、中堅どころの馬がワン・ツー・スリーか。まぁどの馬もG1馬かG2馬でG1でも2着の経験ある馬ばかりだから、こうなってもおかしくはないんだよね。ただ、この上位3頭を馬券の軸にする図太い神経は、僕には到底持てないけれどね(苦笑)」
珠美:「馬券と言えば、1220万円をヒシミラクルの単勝に投じた男性がいたとニュースで報じられましたね。配当金は2億円弱だったそうです。凄いですね……」
駒木:「安田記念の高額当たり馬券の配当を直接コロがしたんじゃないか…とか言われてるけどね。一部じゃタイムスリッパーなんじゃないかとまで(笑)。でも、それなら馬単と3連複で勝負するだろうと思うんだけど。あ、2着馬と3着馬忘れてたのかな?(笑)
 まぁ、個人的には、そんなバカげた行為で金を儲けられても羨ましいとは思わんけどね。どうせ、そんな金銭感覚じゃ、何年もしない内に蕩尽しちゃうだろうし」
珠美:「私は素直に羨ましいです(笑)。……それでは、上位馬を中心に1頭ずつ簡単にレース回顧をお願いしたいと思います。まず見事にG1レース3勝目を挙げたヒシミラクルからですが、勝因は何だったんでしょうか?」
駒木:「勝ちパターンにハマったって感じだなぁ。残り1000m前後からペースが上がってロングスパート合戦。しかも最後は全馬バテバテの泥仕合。ワンペースで走り続けるようなレースにはとことん向いている馬だからね。
 向正面で、シンボリクリスエスのデザーモと、アグネスデジタルの四位が後ろを随分と気にしてるんだよね。アレは多分、ネオユニヴァースの動向を気にしてたんだと思う。そこで出し抜けを食らわせようとペースを上げたら、逆にヒシミラクルに出し抜かれてしまったというね(苦笑)」
珠美:「では、実力で勝ったというわけではないと?」
駒木:「いや、“ノーマークで自分のパターンになったら現役最強馬クラスとも互角以上に闘える”という実力はあるわけだから、そこまで言っちゃマズい。そういう“限定付の強豪馬”って、意外とバカに出来ないんだよね。
 ただ、今回はアグネスデジタルやダンツフレームの凡走に助けられた感もあったし、マトモなレースになったらまだまだ分からないって感じはする。でも、この馬が出るG1は変なレースになっちゃうんだよなぁ(苦笑)」
珠美:「2着は昨年に続いてツルマルボーイでした」
駒木:「変則ペースに惑わされず、キチンと自分のレースをしたのがこの馬。全馬バテたラストの1ハロンでスタミナを残していたのが好結果に繋がったね。でも、それで届かないんだから、やっぱりちょっと物足りない」
珠美:「3着のタップダンスシチーはいかがでしたか?」
駒木:「うん、普通にG1で入着以上が目指せる馬に成長したって事で良いんじゃないかな。どの世代にも必ず1頭いる、ソコソコの実力を兼ね備えたペースメーカー役ってところ。チャンスが巡って来たらG1の1つくらい狙えそうではあるけどね」
珠美:「4着、5着には人気を分けた2頭が。ネオユニヴァースシンボリクリスエスでした」
駒木:「ネオユニヴァースはちょっとヘタレなレースしちゃったねぇ。道中は澱みの無いペースに戸惑っていた感じだったし、直線でも結構早い段階で勝負圏内から脱落しちゃったし。一応は4着に入って、最低限の面目は保った感じだけど、これが現時点でのフルの実力としたら前途は厳しいね。三冠獲っても史上最弱の三冠馬になっちゃうかも知れない。
 シンボリクリスエスは……。う〜ん、いつもなら一番力強い走りをする所で一杯になっちゃったからなぁ。タップダンスシチーに競り負けるなんて、普通じゃ考えられないから、どこか体調が万全じゃ無かったってことなんだろう」
珠美:「私の本命馬・アグネスデジタルは全く良い所がありませんでした(苦笑)」
駒木:「4コーナー手前で既に圏外だったもんね。これも実力通り走っていない。ベタな言い方だけど、前走でデキ途上の状態で激走した反動が来ちゃったのかな。まぁ、こちらは秋の天皇賞に期待だね。ただ、この馬が天皇賞勝ったら、田原成貴が『またやったなスイ』とか本に書きそうでイヤなんだけどな(笑)」
珠美:「(苦笑)……でもこれで、とうとう春のG1シーズンは終わってしまいました。私は安田記念の万馬券で何とか助かったという感じです」
駒木:「僕は救いようの無い感じだね(苦笑)。まぁ、今年はちょっと競馬の予想に専念できない事情が積み重なってるからね。受講生の皆さんには、僕の予想を外して馬券を買う事を薦めておくよ(笑)」
珠美:「では、そろそろお時間となりました」
駒木:「じゃ、講義を終わろうか。ご苦労様」
珠美:「博士も、受講生の皆さんもお疲れ様でした♪」

 


 

2003年第30回講義
6月7日(土) 競馬学特論
「G1予想・安田記念編」

駒木:「さて、今週は安田記念だ。いよいよ春のG1も“ラス前”ってことになったね」
珠美:「そうですね。肝心の馬券成績の方は2人とも散々ですけど(苦笑)」
駒木:「この前も、『駒木博士っていつも反省してますね』とか言われちゃったよ(苦笑)。まぁ事実なんだから仕方が無いけどね。正直言って、この春はマトモに予想する事もままならない時もあったくらいだからねぇ」
珠美:「でも、一番時間が無かった先週のダービーが的中なんですよね(苦笑)」
駒木:「そう。それが問題だ(笑)。でもまぁ、◎−△の的中で馬連3桁配当なんて、外れたも同然だけどね。
 ……だから何とか今週はキッチリと当てて、それなりの配当も確保したいよねぇ」
珠美:「それは私も同じです。ただ問題は、博士と私の予想印が被らないかどうかなんですけど……(苦笑)」
駒木:「それだ(笑)。まるで風呂洗い用の洗剤2つ混ぜたら有毒物質が出る…みたいな話だよなー。こんなケミストリーは勘弁して欲しいよ」
珠美:「……では、私たち2人の運命はどうなったのでしょうか?(笑) 安田記念の出馬表と予想の公開です」

安田記念 東京・1600・芝

馬  名 騎 手
    ミスキャスト 松永
    ハレルヤサンデー 蛯名
アグネスデジタル 四位
×   ボールドブライアン 柴田善
    ビリーヴ 安藤勝
    ダンツジャッジ 和田
ダンツフレーム 藤田
ローエングリン 後藤
    トウショウトリガー 菊沢徳
    10 オースミコスモ 常石
    11 ミデオンビット 吉田豊
    12 ウインブレイズ 木幡
    13 ローズバド

江田照

    14 イーグルカフェ オリヴァー
    15 タイキトレジャー デザーモ
  × 16 アドマイヤマックス 武豊
× 17 ミレニアムバイオ 福永

×

18 テレグノシス デムーロ

駒木:「(2人の予想を見比べて)微妙だなー(笑)」
珠美:「そうですね(苦笑)。本命は重なりませんでしたけど、対抗のダンツフレームが……」
駒木:「まぁ、馬券のフォーカスはほとんどダブらないだろうし、これでご勘弁願いたいね。誰に願ったらいいのか知らんけど」
珠美:「(笑)。……では、私たちだけで盛り上がるわけにも行きませんので、レースの展望へと話題を移したいと思います。
 まずは、出走馬の顔触れを見ての第一印象をお聞かせ願いたいのですが……?」

駒木:「売り出し中の新鋭マイラーが、中距離界のビッグネームに挑むチャレンジマッチ…ってところかな。もっと具体的に喩えれば、アグネスデジタル&ダンツフレーム&ローエングリン組VSテレグノシス&ミレニアムバイオ&ボールドブライアン組の6人タッグマッチだね(笑)。
 だから、レヴェル自体はそれほど低くは無いんだけど、純然たる短距離馬が少ない分だけ“春のマイル王決定戦”というキャッチフレーズには似つかわしくないレースになってしまったかも知れない」
珠美:「では、中距離馬のマイルへの適性に関しては、どのように見たら良いんでしょうか?」
駒木:「ん〜、これには個体差があると思うんだけどね。まぁ一般的に言って、G1級のマイラーには勝てないけど、G2級のマイラーとは互角以上…というところじゃないのかな。スプリンターと違ってスタミナ切れで惨敗というのは有り得ないわけだから、要はマイル戦のペースに対応できるかどうかなんだよ」
珠美:「では、今回に関しては……?」
駒木:「さっき挙げたようなビッグネーム3頭に関しては、ここでも互角以上という事になるね。事実、どの馬もマイルの実績もあるわけだから」
珠美:「分かりました。では、次にステップレースについてなんですが……バラバラですね(苦笑)」
駒木:「だね。ダンツフレームなんか新潟大賞典回りだもんなぁ(笑)。
 純粋な意味でステップレースと言えるのは、マイラーズCと京王杯スプリングCになるんだろうけど、そこから来てるのは7頭しかいないね。しかもその半分くらいは実力的に見劣りする馬だし。
 ただ、1つ言えるのは、今年の京王杯はメンバー的にはレヴェルが高くないって事。テレグノシスが大分人気になってるみたいだけど、それが京王杯1着という結果だけで支持されたものなのだったら、“危険な人気馬”って事になるだろうね」
珠美:「テレグノシスは前日締め切り段階で、単勝4.2倍の2番人気ですね。馬券を離れた部分でも注目のポイントになりそうですね。
 それでは、展開の予想もして頂きましょうか。競馬新聞の馬柱を見た感じでは、先行馬が少ない顔触れに見えるのですが……」

駒木:「そうだね。中団から中位をキープして走りたい馬が多くて、前へ前へって馬は何頭もいない…って構成だからね。例年は超ハイペースになる事が多くて、先行馬が圧倒的に不利なレースなんだけど、今回はどうだろう?
 ハナを切るのはミデオンビットかローエングリン。ローエングリンが控えて2番手…と言われてるけど、ローエングリンは速めの平均ペースで逃げるのが理想の馬だから、スローになりそうになったなら自分で引っ張っちゃうかもね。
 で、今週から仮柵が取れて、内ラチ側6〜9mが“グリーンベルト”になっているんだよね。土曜日の結果を見ても逃げ・先行が優勢みたいだし、いくらローエングリンがハイペースでレースを引っ張ったとしても、大外をぶん回すタイプの追い込み馬は相当な不利を覚悟した方が良いね」
珠美:「大外を……それって、私の本命馬のことだったりしませんか?(汗)」
駒木:「さぁね(笑)」
珠美:「どうしていつもこんな展開になっちゃうんでしょうね(苦笑)。……では、気を取り直して…と言っても私だけですけど(苦笑)、それでは博士に1頭ずつ解説して頂きましょう。まずは1枠の2頭からお願いします」
駒木:「ミスキャストは一応昇級戦になるんだけど、もともとはクラシック戦線で走ってた馬なんだよね。まるで手塚賞獲った新人マンガ家が、流転の末にマイナー青年誌で復活したみたいな話だけど(笑)。
 そういう意味では、一概に『昇級戦で不安』とは言えない。だけど、その当時でもG1にはちょっと届かないようなランクだったし、やっぱり苦戦は苦戦だろうね。1600m戦で4戦4勝っていうのは確かに魅力ではあるけれども。
 ハレルヤサンデーの方は本当の昇級戦。ジックリと育てれば重賞の1つや2つは獲れそうだけど、いきなりこのメンバー相手で好走するのは辛いだろうね」
珠美:「次は2枠をお願いします。取捨選択が難しそうな2頭ですが……?」
駒木:「確かに難しいね。まずアグネスデジタルだけど、距離とか芝・ダートとか抜きにした“格”だけならば、このメンツでは3枚くらい抜けてるんだよ。テイエムオペラオーに勝ってるわ、国際G1は獲ってるわ。
 ただしこの馬、ダートで力の要る馬場、しかも2000mくらいの条件が理想だと思うんだよね。芝で良馬場のマイル戦……確かにマイルCSも勝ってるんだけど、本質的には向いていないだろうね。あと、さっき珠美ちゃんが言ったみたいに、この馬は1頭だけ離れた外側を走って追い込むのが勝ちパターン。それに加えて、調子がまだ絶好調まで至っていないとか考えると、今回に限っては過信は禁物というところだね。
 ボールドブライアンはローエングリンを差し切った東京新聞杯がセールスポイント抜群だね。でも今回は追い込み戦法が簡単に通用するとは思えないんだよね。ひょっとしたら…という馬ではあるんだけど」
珠美:「続いて3枠をお願いします」
駒木:「ビリーヴは1600mじゃスタミナが保たないだろうね。ただし、7年前のヒシアケボノみたいにギリギリまで粘るケースも考えられるから、3連複・ワイドなら面白いんじゃないかな。
 ダンツジャッジは、勲章がハンデ54kgで勝ったG3が1つだけじゃ、どうにも心許ない。重馬場にでもならないと勝ち目は薄いね。重馬場でも薄いままだろうけど(笑)」
珠美:「人気馬が同居したのが4枠でした。博士のジャッジはどうでしょうか?」
駒木:「去年の2着馬・ダンツフレームがいよいよ復調したみたいだね。アグネスタキオンやジャングルポケットと五分に争った馬なんだから、“格”はアグネスデジタルに次ぐ2番手。問題はやっぱり距離だろうね。1600mが本質的に向いているとは思えないもんね。でもまぁ、主力の一角だね。
 ローエングリンはすっかり安定するようになったね。ただ、展開予想の時にも言ったけど、この馬は瞬発力が足りないから、道中のペース配分が問題になって来るね。マイペースで行けたら優勝候補筆頭。ただし、決め手勝負になってしまったら、長い直線で次々と出し抜けを食ってしまう可能性も大だ。過信は禁物。」
珠美:「有力馬も弱点も抱えているみたいですね。……さて、ここからは人気薄の馬がしばらく続きますが……」
駒木:「5枠・6枠いっぺんにやっちゃおうか。まず5枠トウショウトリガーは『出るだけ』って感じだね。かける言葉が見つからない(苦笑)。オースミコスモは牝馬限定でもG1では頼りない感じだからねぇ。それにこの馬、ベストは1800mって気がする。
 6枠にいってミデオンビット。G3ならなんとかなりそうだけど、正直、ここではペースメーカーで終わりそうだね。ウインブレイズは能力面云々以前に、大型馬の久々ってのはちょっとね」
珠美:「それでは次は7枠になりますね。3頭まとめてお願いします」
駒木:「ローズバドは陣営も認めている通り、牝馬限定戦でこその馬。それに極端な追い込み脚質っていうのもマイナスだ。あと、個人的にはこの馬、園田の小牧太騎手に乗ってもらいたいんだけどね。
 このところのイーグルカフェは凄いね。前走も不調が伝えられていた中で2着粘り込み。デットーリマジックが未だに生きている感じだ。
 で、今回は久しぶりに芝に戻って来たわけだね。恵まれとはいえ、NHKマイルCで芝でもG1制覇している馬だし、怖いと言えば怖い。本当は印を打とうと思ってたくらいなんだよ。ただ、これまでの実績を見てみると、強くは推せないんだよなぁ。面白い存在ではあるんだけど。う〜ん……。
 タイキトレジャーは掴み所の無い馬だよね。G1には今一歩届かないように見えるんだけど、これまでの着順だけを考慮したら不気味ではある。今回も好調で、ギリギリ2着粘り込みとかなら考えられそうだし、穴党の人は3連複や馬単の2着流しで狙ってみるのも手かもね」
珠美:「駆け足で来ましたが、いよいよ8枠です。人気馬が揃っていますが、どうでしょうか?」
駒木:「まずはアドマイヤマックス。菊花賞でも人気を集めた馬だけど、マイル戦がベストとは思えないし、去年の秋のクラシック戦線は酷いレヴェルだったから、ここで通用するかどうかは極めて微妙としか言いようが無い。調教量は足りてるけど、半年の休養明けというのも勿論マイナスだ。
 去年の3着馬・ミレニアムバイオ。勝ち鞍が1600mだけという生粋のマイラーだね。重賞勝ちはマイラーズCの1つだけだけど、絶えず人気を背負う重圧の中で、なかなか頑張っている馬だと思う。調子も上向きだし、人気の盲点になってるみたいだけど、それなりの評価は必要なんじゃないかな。
 そして問題のテレグノシス。ヤネがデムーロだとか、色々セールスポイントはあるんだけど、僕にはどうにも地力が足りてないような気がしてならないんだよね。掲示板に載るくらいなら出来るだろうけど、勝ち負けとなると正直疑問。まぁ、神業のようなイン突きとかカマされたら話は別だけどね。でもそこまでしてまで評価を上げたくないなぁ」
珠美:「……ありがとうございました。それでは、時間に余裕もありませんし、私たちのフォーカスを発表して講義を締め括りたいと思います」
駒木:「僕は7、8、17の馬連BOXと3連複。本当なら枠連2−4とか買いたくてたまらないんだけど(笑)」
珠美:「私はいつも通り馬連6点で勝負します。3-7、3-8、7-8、3-18、3-17、3-16。私も枠連2−8に逃げたくなりますね(苦笑)」
駒木:「それじゃ、お疲れ様。レース終了後は笑顔でコメント残せると良いね」
珠美:「そうですね。あ、でも7-8以外の決着だと、必ずどちらかが外れる事になるんですけど(苦笑)」
駒木:「あ、そうか(笑)。じゃあ、珠美ちゃんには気の毒だけど……(笑)」
珠美:「止めて下さい(苦笑)。ま、どっちが勝っても恨みっこなしということで」
駒木:「そうだね。じゃ、お疲れ様でした」
珠美:「ハイ。皆さんも頑張って下さいね〜」


安田記念 結果(5着まで)
1着 アグネスデジタル
2着 16 アドマイヤマックス
3着 ローエングリン
4着 14 イーグルカフェ
5着 ダンツフレーム

 ※駒木ハヤトの“敗戦の弁”
 まぁ「恨みっこなし」ってことで、おめでとう珠美ちゃん。この講座で初めての万馬券的中と言う事で、講師の僕としても鼻が高いです。これからも頑張って下さい。
 ……しかし、個人的にはペースが落ち着いて決め脚勝負のレースになったのが痛かったって感じかな。ローエングリンの負けパターンになっちゃったもんねぇ。でも、ミデオンビットにタイミング良く行かれたってのはあったけど、もうちょっと積極的にペース上げに行っても良かったんじゃないかと思うんだけど、後藤騎手は。せめて直線手前からロングスパートかけるくらいの工夫は欲しかったね。
 しかしアグネスデジタルはやっぱり強いわ。やっぱりテイエムオペラオー世代っていうのは一味違いますな。

 ※栗藤珠美の“喜びの声”
 遂に、遂にやりました! 万馬券的中です! 
 ここ最近は武豊騎手のために、大分お金を損して来た気がするんですけど、やっとその分を返してもらうことが出来ました♪
 でも、去年の菊花賞のノーリーズン落馬で被った損失から考えると、まだまだ金額が足りていませんので(苦笑)、また宝塚記念でお願いしたいなあ…なんて思ってます。 

 


 

2003年第28回講義
6月2日(月)・第2時限 競馬学特論
「G1プレイバック・東京優駿(日本ダービー)編」

駒木:「今、午前4時前か。ふぅ、やっと2限目の収録が始まるよ。やらなきゃ良かった、こんな馬鹿げた事(苦笑)」
珠美:「いきなり全てを否定するような事をおっしゃらないで下さい。それじゃ、2ヶ月ぶりの講義参加で張り切ってる私こそ馬鹿みたいじゃないですか(苦笑)。
 ……あ、今日の講義の進行役を務めさせて頂く、栗藤珠美です。どうぞよろしくお願いしますね」

駒木:「いつも、講義の計画を立てた時には時間が余ってるように感じるんだけどねぇ(笑)。いざ始まった時には時間が足りないんだよな。
 ──まぁそうやってる時間も惜しいから、さっそく本題に移ろうか。珠美ちゃん、進行は頼んだよ」
珠美:「ハイ。今日の講義では、日付の上で昨日、6月1日に行われました日本ダービーのレース回顧を、駒木博士の解説を中心に進めてまいります
 ですが、まずここで、そのダービーに出走しました18頭を出馬表で改めて紹介しておきたいと思います。ついでに…と言ってはアレですけど(笑)、私たち2人がつけた予想印も一緒に公開しておきましょう

駒木:「この部分は、本当なら日曜の早朝にやるつもりだったんだけど、僕がダウンしちゃったからね(苦笑)。いやはや、面目ない」
珠美:「……それでは、出馬表をどうぞ」

東京優駿(日本ダービー) 東京・2400・芝

馬  名 騎 手
サクラプレジデント 田中勝
    スズカドリーム 蛯名
× ゼンノロブロイ 横山典
    チャクラ 小林徹
エイシンチャンプ 福永
×   スズノマーチ 北村宏
    エースインザレース 松永
    ラントゥザフリーズ 藤田
  × タカラシャーディー 佐藤哲
    10 マーブルチーフ 池添
    11 リンカーン 柴田善
    12 ゼンノジャンゴ デザーモ
13 ネオユニヴァース デムーロ
    14 クラフトワーク 後藤
    15 コスモインペリアル 武幸
  16 サイレントディール 武豊
    17 マイネルソロモン 四位

×

  18 ザッツザプレンティ 安藤勝

駒木:「……う〜ん、ギャンブルで予想が的中した時って、事後申告だと一気に説得力が無くなるよね(苦笑)」
珠美:「そうですね(苦笑)。せっかく久しぶりに2人揃って馬券も的中したのですが、受講生の皆さんに信用して頂けるか、ちょっと心配です」
駒木:「ちなみに馬券の買い目は、僕が1-13、5-13、1-5、1-3の馬連4点で、4点目の的中珠美ちゃんは馬連で13-16、1-13、1-16、5-13、3-13、9-13の6点で5点目の的中。まぁ当たったって言っても大した事じゃないよね、これじゃ(苦笑)」
珠美:「私は当たっても回収率が100%に届きませんでした(苦笑)。正直言って、一番避けて欲しかった組み合わせですね」
駒木:「僕もねぇ、日曜の朝まではゼンノロブロイを▲にして、馬券上の本線にする予定だったんだよ。でも、『雨で重馬場、しかも遅いペースのロングスパート合戦だから切れ味勝負の馬は不利』…とか考えて、エイシンチャンプを引っ張り出して来ちゃったよ。『忘れた頃のエイシンチャンプだ!』…とか心の中で叫びつつ(笑)」
珠美:「本当に忘れておけば良かった…ですか?(笑)」
駒木:「まったく(苦笑)。しかしエイシンチャンプには裏切られっぱなしだなぁ。馬券から切った朝日杯では大駆けされて、買ったダービーでは馬群に沈没されて……。
 ──まぁ、これ以上喋ったら、この後の本題で喋る事が無くなりそうだし、愚痴はこれくらいにしておこう」
珠美:「分かりました(笑)。では、博士に日本ダービーのレースと出走馬たちのレース振りを解説して頂きます
 それでは始めに、レース全体の流れについて、大まかで結構ですのでスタートから順にお願いします」

駒木:「はいはい。それじゃ珠美ちゃん、レース状況の読み上げよろしく」
珠美:「ハイ、分かりました。……まずはスタートからですが、これはほぼ横一線のスタートと言って良いですね?」
駒木:「そうだね。半馬身ほどザッツザプレンティが出負けしてる気がするけど、ペースがペースだから全く関係無かったね。
 ただ、スタートが綺麗に決まったのは良い事なんだけど、最内のサクラプレジデントは、想定外の好スタートで逆に馬が行きたがってしまってるね。いきなりから前途多難だ」
珠美:「ハナに立ったのは、戦前の宣言通りで7番のエースインザレースでした。全く競り合う事無く、スンナリと2〜3馬身のリードを奪います」
駒木:「他に逃げ馬どころか、2〜3番手を主張する先行馬すら見当たらないメンバー構成だからねぇ。それに、他の騎手にしてみたら『エースインザレースなら、少々楽に逃げさせてもどうにかなるだろう』…ってところだったんじゃないのかな。格好のペースメーカーが出来て、むしろレースがし易い感じだね」
珠美:「なるほど……。そして2番手には、ゼンノロブロイサクラプレジデントの有力馬2頭。そのすぐ後ろにコスモインペリアル、エイシンチャンプ、スズノマーチあたりがマークする形で、向正面に出たあたりからはザッツザプレンティも好位グループに進出して来ました。
 このあたり、ペースが遅めの平均ペースに落ち着いたせいか、馬群はずっと詰まり気味でしたね」

駒木:「脚質的にも似たようなタイプの馬が多かったからね。この展開は極めて妥当なものだったと思うよ。
 ただ、ここ(スタンド前〜向正面)でもサクラプレジデントが完全に折り合いを欠いているよね。人馬共、完全に意欲が空回りしちゃった感じ。これじゃあ、もうどうしようもない」
珠美:「……中位から後ろのグループに目を向けますと、ネオユニヴァースが後ろから5頭目あたりの最内で、そのすぐ外に武豊騎手のサイレントディールがピッタリとマークする格好になっていますね。
 博士、このサイレントディールの位置取りは意識的なものですか?」

駒木:「だろうね。よくあるパターンだよ。有力馬を後方馬群の内側に閉じ込めておくために外からフタをするわけ。武豊騎手は、3年前の有馬記念でもテイエムオペラオーを封じ込めるためにコレをやっているね。ただ、その時もオペラオーの化物じみた鬼脚が炸裂してしまったんだけど」
珠美:「ネオユニヴァースの位置取り、ちょっと後ろ過ぎると私は思ったんですが、博士はいかがですか?」
駒木:「僕もそう思ったんだけど、デムーロ騎手の談話を聞くと、初めから控えるレースをするつもりだったらしい。普通、日本の競馬では“道悪は先行有利”という認識なはずなんだけど、デムーロ騎手は『道悪なのでジックリ構えるレースを』…って言ってたね。この辺、日本とイタリアの競馬観の違いなのかな。ちょっと僕にもよく判らない」
珠美:「それじゃ、私も判りません(苦笑)。……さてレースの方は、エースインザレースが逃げて、それ以外の17頭で馬群を形成する流れで勝負どころの3〜4コーナーまで進行します
駒木:「ここで馬群が一斉に外へバラけていくんだよね。皆、馬場の良い所を通りたいもんだから、インコースがポッカリ開いてしまった。結局、これで助かったのがネオユニヴァースだったね。インをスルスルと突いていって、順位を一気にジャンプアップさせた。これ、細かい所は違うけど、去年のジャパンCダートのイーグルカフェとほぼ同じパターンだよね。脚を貯めたまま先行集団に取り付くっていう、差し馬にとっては最高の展開に持ち込む事が出来た。
 逆にサイレントディールは、馬群を捌かなくちゃいけないわ、大外に振られるわで散々。武豊騎手にしてみたら『せっかく俺が頑張ったのに、そりゃないよ』って感じだったと思うよ。
 で、更に悲惨だったのがサクラプレジデント引っ掛かってスタミナ浪費してまで先行集団でレースをしたのに、最後の直線に出た頃には、もうネオユニヴァースにインから抜かれてる。もうこの時点でお手上げだね。100%勝ち目無し」
珠美:「直線入口では、まだエースインザレースが先頭だったのですが、既に脚色は一杯。代わって馬場の真ん中、芝の生え揃った部分を通ってゼンノロブロイ、更には捲り気味に進出したザッツザプレンティが抜け出しを図ります。エイシンチャンプは最内付近からコーナーワークで一旦上位に顔を覗かせましたが、すぐに脱落してしまいました。
 そして、そこへインからネオユニヴァースが一気に進出。直線の半ばで先頭に立ち、3/4馬身程度のリードを奪いました。大外からはサイレントディールも脚を伸ばしますが、途中から勢いが衰えて万事休す。他の馬は勝負圏内から外れてしまいました」

駒木:「最後の200mはガクンとペースが落ちて12秒7のラップタイム。全馬一斉にバテてるね(苦笑)。まぁ残り800m地点から600mの決手勝負になってたんで、息切れするのは仕方ないんだけどね」
珠美:「結局、ネオユニヴァースが半馬身のリードを保って1着ゼンノロブロイも2着を死守しました。以下、ザッツザプレンティ、サイレントディールが差の無い3着・4着でした。なお、ネオユニヴァースは、6年前のサニーブライアン以来の春のクラシック二冠達成となります」
駒木:「先週のスティルインラブもそうだったけど、アレヨアレヨという感じで大記録が生まれてる感じだよね(笑)。それに今年は、アメリカでも三冠間近の二冠馬が誕生してるし、イギリスでも二冠達成が有力視されてるらしい。まだ何とも言えないけど、今年は世界的な三冠の当たり年になるかも知れないね。
 珠美ちゃんはナリタブライアンの三冠達成をリアルタイムで見てないんだよね? ひょっとしたら今年は初めて三冠馬が見られるかもね」
珠美:「楽しみに秋を待ちたいと思います(微笑)。……さて、それでは次に、上位入着馬と凡走してしまった有力馬のレース振りと今後の展望を個別に解説して頂きましょう。
 ──まずは、1着のネオユニヴァースからですが……」

駒木:「まずは人馬共にメンタル面がタフだよね。これが一番大きかったんじゃないのかな。あとは長く良い脚を使えるという点で、府中の長い直線がピッタリ合った。勿論、最高の展開を演出したデムーロ騎手の好騎乗も光っているよ」
珠美:「先程も話題に出ました、三冠達成の可能性についてはどう思われますか?」 
駒木:「当たり前の事だけど、まずはアクシデント無しに夏を越さなくちゃ話にならない。距離は得意じゃないにせよこなせるとして、あとはゼンノロブロイの成長や、夏から台頭して来る新ライバルとの兼ね合いだろうね。確率的には、現時点では半々だと思ってるんだけど……。
 ただ、この馬はナリタブライアンやシンボリルドルフみたいな圧倒的な強さは無いけど、シンザンみたいな得体の知れない不気味な強さは感じさせるんだよね。そういう意味では大いに期待できるとも言えそうだ。まぁ、神のみぞ知るってことで(笑)」
珠美:「分かりました(笑)。では次に2着のゼンノロブロイですが……?」
駒木:「レース振りは、まるで圧倒的1番人気馬みたいな堂々たるものだったね。それで勝ち馬に最後まで食い下がって、しかも粘り強く2着を確保してるんだから大したもんだ。古馬になって成長したら、G1の1つ2つは狙えるんじゃないのかな
 問題は、そういう優等生的なレースでG1を勝ちきれる能力が今のところ備わってない事だよね。菊花賞でリベンジするには、何らかの形で奇襲を決める必要があるんじゃないかと思ってるよ」
珠美:「ハイ。次は3着、ザッツザプレンティですね」
駒木:「今年のクラシック戦線、地味ながら好騎乗を連発してるのが、この安藤勝己騎手だね。今回も最高の騎乗でこの馬を3着まで持ってきた。重馬場の恩恵があったとはいえ、これは立派だよ。
 もっとも、この着順には有力馬の凡走に助けられた面もあったかな…とは思う。実際には今回のメンバー中では5〜6番手くらいの実力じゃないのかな…と思ってるよ。まぁG1入着級、時々思い出したようにG2とG3で善戦するような馬になるんじゃないのかな」
珠美:「そして4着はサイレントディール。私は馬券の本線がネオユニヴァースとこの馬だったので、レース中は気が気じゃありませんでした(苦笑)」
駒木:「大分、外に振られてるからねぇ。まぁ気性の問題とかで仕方ない面もあるんだけど、もうちょっとギリギリのレースをして欲しかった思いはある。実力だけなら上位2頭と互角くらいはあるんじゃないのかな
 今後の成長次第だけど、来年あたりは大阪杯とか金鯱賞あたりを勝って、宝塚記念の有力馬に名を連ねている気がするね。さもなくばシンガポールか香港の国際レースかな」
珠美:「5着には13番人気の伏兵・ゼンノジャンプが入っていましたが……?」
駒木:「これは流れ込みだよね。夏の重賞戦線あたりでは人気を集めそうではあるんだけど、過信は禁物だよ」
珠美:「……続いては、人気を裏切ってしまった馬について解説を頂きます。まずは7着のサクラプレジデントからお願いします」
駒木:「これはもうレース回顧の途中で喋った通りだね。道中で引っ掛かって、4コーナーでモタついて、直線バテバテ。レースになってないね。7着で賞金1050万円稼いだだけでもヨシとしないと。
 まぁ今回の負けは能力の限界じゃないから気にすることは無いよ。また秋での巻き返しに期待しよう。弱体化してる古馬勢に混じって、天皇賞・秋に挑戦…なんてのも良いかもね」
珠美:「10着に終わったエイシンチャンプはいかがでしたでしょうか?」
駒木:「福永騎手のコメントを見ると、4コーナーで手応えが無くなって、外にも持っていけず、得意の競り合いに持ち込めないまま終わっちゃったみたいだね。能力面というより、見えない疲れが出てたような気もする。少なくとも掲示板に載るだけの力はあったと思うんで、これは負け過ぎだね」
珠美:「……さて、時間もありませんし、この辺で講義を締め括りたいと思います。最後に博士、一言お願いします」
駒木:「やっぱり外国人騎手はパフォーマンスが上手だね(笑)」
珠美:「ありがとうございました(笑)。デムーロ騎手、おめでとうございます」
駒木:「それじゃ、講義を終わろうか。皆さんご苦労様でした」
珠美:「お疲れ様でした〜♪」 (この項終わり)

 


 

2003年第24回講義
5月24日(土) 競馬学特論
「G1予想・優駿牝馬(オークス)編」

 駒木ハヤトです。「オークスやダービーぐらいは珠美ちゃんを交えて……」などとお約束していたのですが、申し訳有りませんが、今日も色気のまるで無い、駒木単独の短縮版講義となります。
 その理由を申し上げますと、金曜日付講義の遅れも然る事ながら、モデム配り仕事関連のあれやこれやが足を引っ張りまくっているからなんですよね(苦笑)。さすがに土曜夜から予想を始めて、長丁場の講義を実施するのは至難の業としか言いようが無いです。
 で、このまま行くと来週のダービーも極めて厳しい日程を強いられそうで、下手すると休講まであるかも知れません。その場合は日曜付でレース回顧をする事になるかと思います。あらかじめご承知置き下さい。

 ──では、時間がありませんので、早速出馬表と、駒木と珠美ちゃんの印をご覧頂きます。

優駿牝馬(オークス) 東京・2400・芝

馬  名 騎 手
    ポップコーンジャズ オリヴァー
アドマイヤグルーヴ 武豊
スティルインラブ
ピースオブワールド 福永
    センターアンジェロ 石崎隆
  タイムウィルテル 吉田豊
  × シーイズトウショウ 池添
    メイプルロード 渡辺
    トーセンリリー 柴田善
  × 10 オースミハルカ 川島
    11 コインオブスター 田中勝
× 12 ヤマカツリリー 安藤勝
    13 マイネヌーヴェル 横山典
    14 シンコールビー 佐藤哲
×   15 メモリーキアヌ 角田
    16 チアズメッセージ 蛯名
    17 チューニー 後藤

取消

18 アイシースズカ 小野

 またしても……という感じで、駒木と珠美ちゃんの本命&対抗がダブりました(苦笑)。2−3の決着だけは有り得ず、恐らくは万馬券決着になるんじゃないでしょうか(笑)。

 ……と、冗談(?)はさておき、まずはレースの概況から。
 まぁこれは皆さんもそうお考えでしょうが、桜花賞で好勝負を繰り広げたスティルインラブとアドマイヤグルーヴの再戦ムード…というのがまずベースになって来ると思います。そこへ2歳女王・ピースオブワールドや、何頭か現れた新勢力が一角を崩すかどうかがカギになって来るでしょう。ちょっとシャレた言い方をすれば、“仮初めの二強ムード”…といったところでしょうかね。

 ステップレースのレヴェルですが、やはり例年通り桜花賞直行組が最有力である事には疑いを挟む余地はありません。ただし、今年の桜花賞はいかにもマイラータイプの馬が上位に入線しているため、その辺りを見極める必要があると思われます。
 トライアルレースは波乱に次ぐ波乱で、どうにも結果を信頼し辛い印象が否めません。常識的に考えれば、せいぜいが掲示板止まりだろうという事になりそうなのですが、大穴を開けるのは得てして過小評価されたトライアルホースだけに、慎重な取捨選択をしたいところではあります。

 展開逃げ1頭で先行馬も少なく、スローペースから遅めの平均ペースといったところではないでしょうか。ただし、若い牝馬だけのレースでもありますし、何頭かの馬が掛かり気味に暴走……なんて事も十分考えられます。
 例年のオークスは追込馬が有利のようですが、今年の追込馬は典型的な他力本願型──ハイペースで展開ハマり待ち──の馬がほとんどですので、こちらも慎重に判断する必要がありそうです。

 それでは、例によって1頭ずつ簡単にコメントを付けてゆきます。

 1番・ポップコーンジャズ。スイートピーS2着馬。新馬戦圧勝の後、休み明けでトライアル2着と非凡なセンスを窺わせる馬です。ただし今回は一気の相手強化に加え、いわゆる“二走ボケ”への懸念や距離・展開面での不安もあり、かなりの苦戦を強いられそうですね。
 2番・アドマイヤグルーヴ。前走はスタート直前にゲートに突進し、体制を立て直す直前にゲートが開いたために大出遅れ。結果的にこれが致命傷となりました。しかし実力は十二分に証明できましたし、今回は明らかなプラス材料となる距離延長。さすがに1倍台の単勝オッズには閉口させられますが、優勝候補最右翼である事は間違いありません。
 3番・スティルインラブ。桜花賞では見事に中団から末脚の切れ味良く抜け出して、一冠を獲得しました。これまで経験した最長距離が1600mというのが不安ではありますが、実力的にはこちらも一枚図抜けており、堂々たる優勝候補です。
 4番・ピースオブワールド。圧倒的な強さで2歳女王に輝いたこの馬がターフに舞い戻りました。阪神JFでの強さはまさに別格と言うべきもので、地力だけならここでも十分に通用するでしょう。問題は骨折による6ヶ月のブランクですが、経歴にキズがつく危険を承知で敢えて出走して来た以上は、それなりの走りが出来るようにキッチリ仕上げて来たと判断するべきだと考えています。
 5番・センターアンジェロ。アネモネS勝ち馬ですが、桜花賞でトップクラスの壁にブチ当たってから今一つ伸び悩みの兆しが窺えます。ここで通用するための強調材料はほとんどありません。
 6番・タイムウィルテル。とにかく陣営が強気なのがこの馬です。これまでの戦績は正直言って奮いませんが、長距離向けと思しき血統、そして「デビュー以来最高(秋山調教師)」という出来の良さで上位進出を目指します。
 7番・シーイズトウショウ。桜花賞2着馬です。ジリ脚傾向があるものの、クラシック戦線で絶えず善戦を続けているのは立派の一言です。ただし、今回は2400mの距離が問題。父・サクラバクシンオーでは、どうしても不安が先につきまとってしまいます。
 8番・メイプルロード。桜花賞を感冒で取り消した後、必死に立て直そうと頑張ってはいますが、なかなか目処が立ちません。今回も苦戦必至ですね。
 9番・トーセンリリー。今回の出走馬中唯一の逃げ馬。そういう意味では面白みもあるのですが、残念ながら地力の面で大きく見劣ります。
 10番・オースミハルカ。チューリップ賞勝ちが示すように、なかなかの実力を備えた馬ですね。しかしながら、この馬は気性に問題を抱えた上、騎手が乗り替わり。G1の経験もまだ乏しい若手騎手に、この難しい馬とレースが乗りこなせるかどうか、極めて微妙です。
 11番・コインオブスター。収得賞金800万で滑り込みました。抽選を潜り抜けてきた馬は大穴を開けるのが競馬のジンクスですが、実力的にはかなり見劣りしてしまいますね。
 12番・ヤマカツリリー。桜花賞は最後に失速して4着。しかしながらフィリーズレビュー勝ちは未だに栄光の残る勲章です。ただし今回の問題は距離。克服すれば展開絶好だけに大穴の立役者となる事も考えられるのですが、さてどうなるでしょうか?
 13番・マイネヌーヴェル。穴人気となり期待された桜花賞は10着惨敗。やはり好走には展開の恵まれが必要になってくるでしょうが、今回のレースでその恵まれがやって来る可能性は低いと思われます。
 14番・シンコールビー。フローラS勝ちで、一介の条件馬がシンデレラのようにオークス馬候補へと変身を遂げました。ただ、500万条件戦で惨敗続きだった馬だけに、“フロック”の4文字が頭をチラつきます。とりあえず今回は様子見が妥当と思われますが……。
 15番・メモリーキアヌ。今年のオークスにおける“台風の目”的存在ですね。メンバーに恵まれたとはいえ、スイートピーSの圧勝はお見事でした。忘れな草賞での結果も勘案すると、このメンバーに入っても掲示板圏内くらいの実力はありそうです。ただ、馬券の範囲に入るかどうかは別の話です。
 16番・チアズメッセージ。桜花賞でシンガリ負け、そして条件戦レヴェルのスイートピーSでも伸び切れず4着と、どうも最近は伸び悩みの傾向があるようです。陣営もすっかり意気消沈といったところで、今回は“記念出走”の意味合いが濃いのではないでしょうか。
 17番・チューニー。クイーンS勝ちを引っさげて桜花賞に挑んだものの12着惨敗。その後に上積みした強調材料も少なく、どうにも推し辛い存在になってしまいました。
 18番のアイシースズカは感冒のため、金曜日の時点で出走取り消しとなりました。

 ……というわけで、以上が出走馬へのコメントでした。では最後にフォーカスを紹介して講義を締め括ります。

 駒木は馬連2-3、2-4、3-4、2-6の4点。
 珠美ちゃんは馬連2-3、2-12、3-12、2-4、2-7、2-10の6点。最近の珠美ちゃんは結構アグレッシブに穴狙いに出てますね。まぁ結果は出てないんですが(笑)。

 では、皆さんの健闘を祈ります。レース後にまたお会いしましょう。


優駿牝馬 結果(5着まで)
1着 スティルインラブ
2着 17 チューニー
3着 14 シンコールビー
4着 12 ヤマカツリリー
5着 センターアンジェロ

 ※駒木ハヤトの“敗戦の弁”
 冗談が冗談で終わらなくなるとは……_| ̄|○
 まさか本当に万馬券決着になるとは思わなかった(苦笑)。やっぱり滅多な事は言っちゃいけないなぁ。「言葉は発した時点で黒魔法になる」というセリフをどこかで見た事があるんだけど、まさにその通りに。
 というか、いつもいつも「〜〜だから注意すべし」という部分だけ当たるのは如何なものか。そして、それを全く予想に反映していない自分も如何なものか(苦笑)。ダービーでは余計な事を言うのを絶対に止そう(笑)。
 しかし、やってくれましたな武豊。久々に騎乗ミスらしい騎乗ミスを見せられた気が。出遅れた上に、そのせいで序盤で不利を受けたら勝てるレースも勝てなくなるわなぁ、そりゃあ。
 それにしても、2着〜5着はどう評価したら良いんだろう……。この時点で夏のクイーンSとか秋のローズSで頭抱えてる自分の姿が目に浮かぶような(苦笑)。
 スティルインラブはこれでメジロラモーヌ以来の牝馬三冠に王手。ただ、どうなんだろう? いくらなんでもそこまでの馬という風には思えないんだけれども……。

 ※栗藤珠美の“反省文”
 アドマイヤグルーブのアオったスタートを見た瞬間に頭の中が真っ白になりました(苦笑)。正直、何も言う気力も無いです……。
 あ、博士、来週こそは印が被らないように、お願いしますね(苦笑)。

 


 

2003年第19回講義
5月10日(土) 競馬学特論
「G1予想・NHKマイルC編」

 駒木です。またも珠美ちゃん抜きで申し訳ありません。
 今日あたりは無茶すれば正式版の講義も出来たのですが、わざわざ今回のNHKマイルで無茶するのもなぁ……などと思うに至り(笑)、短縮版でお送りする事にしました。
 まだ予断を許さない状況ですが、オークスとかダービーくらいは珠美ちゃんを交えて華のある講義にしたいと思っていますので、お楽しみに。

 さて、それでは早速出馬表と予想印をご覧下さい。

NHKマイルC 東京・1600・芝

馬  名 騎 手
×   ニシノシタン 吉田豊
ヒューマ 藤田
エイシンツルギザン 横山典
    クレンデスターン 江田照
    タイガーモーション 石崎隆
    エコルプレイス 松永
    ギャラントアロー
サクラタイリン 蛯名
× マイネルモルゲン 柴田善
    10 ジャズアップ 二本柳
×   11 ユートピア 安藤勝
  12 ゴールデンキャスト 武豊
    13 シェイクマイハート 小林淳
    14 ホーマンアピール 田中勝
  × 15 ワンダフルデイズ 福永
    16 ウインクリューガー 武幸
    17 エースインザレース 池添
    18 トーセンオリオン オリヴァー

 久々に駒木と珠美ちゃんで印が割れました。今回は競馬専門紙でも各トラックマンで印がバラバラになっていますから仕方ないですよね。

 しかし、番組編成上の問題で仕方ありませんが、G1なのにメンバーの大半が重賞未勝利というのはどうにかしてもらいたいものです。特に今年はクラシックでも通用するような大器が不在で、ただでさえ小粒なメンツが揃いがちのNHKマイルCがさらに“小粒揃い”になってしまいました。
 元々このレースは、外国産馬春の王者決定戦の意味合いが強かったわけですが、今やダービーが外国産馬に解放され、しかも外国産馬自体がかつて程の勢いが無くなってしまったために、G1レースとしての存在意義自体が揺らいでいるような気がします。グレード格下げ(一旦廃止して、G2の代替レースを新設)か、ダート競走へのチェンジが望ましいと思ったりするのですが……。

 ステップレース別のレヴェルですが、これも今回は横一線でしょう。ややアーリントンCのレヴェルが低いかな…程度で、クラシック組はオール2桁着順、毎日杯組もスローペースのレースとあっては参考にもなりません。この点も、予想を難しくしているポイントであるような気がします。

 展開は逃げ馬3頭に先行馬が2〜3頭ですから、ハイペース必至の流れとなるでしょう。元々が差し・追込有利のデータとなっているこのNHKマイルC今回も逃げ・先行馬には受難のレースとなりそうです。
 ただ、展開有利の後方組にはコンディション不安や能力不足の懸念がある馬ばかりで、こちらも不明確な部分が多過ぎます。恐らくは中位前後の馬たちによる力比べの展開になると思っているのですが……。

 では、今日も駆け足で18頭にコメントをつけていきましょう。

 1番・ニシノシタン。3つのステップレースを皆勤しながらも、なかなか頭に突き抜けられません。ただ、前走は中山芝1600の外枠という悪条件が響いていますし、2走前に見せた差し戦法が成功すれば一発あるかも知れません。
 2番・ヒューマ。ここまでオール連対でやって来た、このレース屈指の昇り馬です。中間の気配も良く、控えるレースが得意なだけに、十分期待が持てそうです。ただ、今回は相手が揃うだけに、ちょっとした事で戸惑うと大敗する可能性もあるでしょう。一番人気ながら全幅の信頼を置くのはどうでしょうか。
 3番・エイシンツルギザン。1着と5着を交互交互に取り続ける困った馬。順番から言えば今回は5着なんですが(笑)、2度の5着は成長途上と出遅れが響いたもの。今回スムーズに中位あたりが確保できれば、当然一発やってもおかしくありません。
 4番・クレンデスターン。皐月賞でも悪い意味で浮いていたこの馬、ここに入っても強さを感じさせるところまで行きません。調子も今一つみたいですし、苦戦は必至でしょう。
 5番・タイガーモーション。2歳時の有力馬も皐月賞は17着と尻すぼみ気味。陣営も半ば諦め気味といった雰囲気で、今回でダメなら早熟タイプだったと結論を下さなければならないようです。
 6番・エコルプレイス。アーリントンCから間が開いた分だけ、やや不安が否めません。また、今回苦戦が予想される逃げ脚質ゆえ、戦績ほど高く買い被れないのが正直な所です。
 7番・ギャラントアロー。ステップレースを人気薄の逃げで連続2着。共に速めのペースを単騎先頭に持ち込んでいるだけに、テンのスピードには自信を持っていそうです。ただし、今回ばかりは展開が味方してくれそうにありません。後続から早め早めにプレッシャーを掛けられて苦戦させられそうです。
 8番・サクラタイリン駒木の本命馬です。前走のNZトロフィーで休み明けながら見せ場タップリの3着。この中間では動きが見違えており、脚質上のメリットもあって、かなりの活躍が期待できそうです。問題は早い時計の決着になった時、瞬発力勝負に耐えられるかどうかですが……。
 9番・マイネルモルゲン。この馬もタイガーモーションと同様に2歳時にはブイブイ言わせたクチです。前走、相手に恵まれながらも久々に勝利を収めて意気軒昂ではあるのですが、この馬も本質的には先行脚質。果たして厳しい流れに耐え切って、粘り切る事が出来るでしょうか?
 10番・ジャズアップ。半端なダート馬では、さすがに芝のマイル戦で通用する見込みは薄いでしょう。
 11番・ユートピア。クラシック級の強豪が揃った毎日杯の2着馬。本質的にはダート向きながらも芝でもやれる事は確かなようです。ただし、前走はスローペースの単騎逃げ。今回のようにハナを切れるかどうかすら保証出来ない状況で、能力をフルに発揮できるかどうかは疑問です。地力だけなら1,2を争うと思うのですが……。
 12番・ゴールデンキャスト。2歳時にエイシンチャンプらを直線一気で葬り去った、ききょうSの栄光が未だに生きている感じですね。今回もなかなかの人気を背負っているようですが、中間の動きは全く冴えていなかったようです。体調が万全でないまま、果たして末脚の復活は実現するのでしょうか?
 13番・シェイクマイハート。展開は向きそうですが、さすがに実力が足りなさそうです。
 14番・ホーマンアピール。この中間、軽い故障で調整が頓挫してしまいました。その影響か、追い切りの動きも今ひとつで、今回はどうやら活躍は望み薄のようですね。
 15番・ワンダフルデイズ。この馬も2歳時は結構な名を馳せた馬で、クリスタルCも制してはいるのですが、どうも1600mは距離が長過ぎるようです。善戦はするかも知れませんが、果たして馬券の対象になるまで活躍できるでしょうか?
 16番・ウインクリューガー。伏兵的な存在でアーリントンCをを制した馬ですが、先行脚質の不利を乗り越えてまでしてこのレースで活躍できるかと言うと……。
 17番・エースインザレース。ダート戦線でもクラシックでもお馴染みの逃げ馬です。やはり今回は序盤〜前半の競り合いでスタミナを消費してしまう分だけ、大きく不利を被る事になるでしょう。
 18番・トーセンオリオン。ステップレースでは2レースともソコソコのレースをして入着。展開が向きそうな今回では期待が持てそうではあるんですが、陣営はかなり距離に不安を持っているそうです。

 ……というわけで、コメントが出揃いました。以下、フォーカスをお披露目して、講義を締め括りましょう。

 駒木は8、3、2の馬連BOXと久々の3連複
 珠美ちゃんは、馬連で2-3、3-12、2-12、3-8、3-9、3-15の6点です。

 では、皆さんの健闘ををお祈りします。


NHKマイルC 結果(5着まで)
1着 16 ウインクリューガー
2着 エイシンツルギザン
3着 マイネルモルゲン
4着 11 ユートピア
5着 17 エースインザレース

 ※駒木ハヤトの“敗戦の弁”
 みっともない惨敗だなぁ……。
 まずは展開の読み違え。淀みの無い流れで、しかも超縦長の隊列になっちゃったんで、狙ってた中団待機の有力馬が軒並み追走でスタミナ浪費して脱落。で、底力だけでどうにか出来る馬がいない顔触れだけに、追込み馬も不発。
 これで3−9の決着だったら、まだ納得出来たんだけど、この成績じゃあなぁ……。イカン。もう一度修行のし直しだ。
 ちなみに、今日駒木はこのレースを神戸の某フリー雀荘で対局中に観戦し、対面のオヤジに馬連万馬券もろともトップまで持って行かれた事をご報告申し上げます(苦笑)。

 ※栗藤珠美の“反省文”
 私は悔しい悔しい2着3着でした(涙)。ま、博士と同じく展開を読み違えてしまったので、これでも上出来だと思うんですけど。でも、ワイドの配当(25.7倍)見ると、ちょっと頭がクラクラしますね(苦笑)。
 あ、でもこのレース、マークシートの記入を1マス間違えていたら的中だったんですねー
(笑)。こういう時に限って、何度もチェックしてから自動券売機に入れてたりするんですよね(苦笑)。

 


 

2003年第16回講義
5月3日(土) 競馬学特論
「G1予想・天皇賞(春)編」

 今週はいつにも増して時間が押していますので、簡易版でお送りしたいと思います。
 では、出馬表と駒木研究室予想陣(笑)による印をご覧頂きましょう。

天皇賞 京都・3200・芝

馬  名 騎 手
    ファストタテヤマ 安田
    アルアラン 本田
× イングランディーレ 小林淳
× ツルマルボーイ 横山典
  × トーホウシデン 田中勝
    イエローボイス 岩田
ダンツフレーム 藤田
    トシザブイ
    マイネルアンブル 蛯名
    10 トップコマンダー 四位
    11 ヒシミラクル 角田
12 ダイタクバートラム 武豊
    13 エリモシャルマン 池添
×   14 サンライズジェガー 後藤
    15 マイネルプレーリー 村本
16 タガノマイバッハ 安藤勝
    17 アクティブバイオ  福永
    18 シースルオール 佐藤哲

 少なくともここ10年では最低レヴェルの寂しい天皇賞となってしまいました。例年は本命ムードが匂うレースではあるのですが、こういう混戦ムードの時には結構荒れたりする事もあるので、注意が必要です。
 また、近年では純粋なステイヤーよりも長距離のこなせる中距離馬が優勢になっていますが、こういうレヴェルの低いレースの場合、得てしてステイヤーが復権を果たす事も有るので、これも注意が必要でしょう。今回のメンバーで言えば、イングランディーレヒシミラクルあたりになりますね。(もっとも、実力が足りていればの話ですが)

 ステップレースの中では、阪神大賞典がややハイレヴェルで、それに大阪杯組が続くといったところでしょうか。日経賞組はややメンバー的に物足りません
 昨年から活躍しているダンツフレームツルマルボーイの扱いが問題になって来ますが、この2頭が上位を占めた宝塚記念は、昨年のG1戦線の中でもかなりヌルいメンバーだったという事を忘れてはいけないでしょう。昨年の実績によるアドバンテージはほとんど無く、新興勢力と互角程度の実力だと見ています。

 展開は、純然たる逃げ馬不在の上に差し・追込の馬がやたらと多く、奇襲の逃げ戦法やアクシデントが無い限りはラスト1000mまでは超スローペースで推移するのでは…と思います。その後は早仕掛け気味に捲っていく馬に瞬発力勝負に賭ける差し馬が急襲する形になるのではないでしょうか。
 マトモに考えれば、差し馬も何頭か圏内に入って来るとは思いますが、先行馬が上手くペースを作って直線で抜け出してしまった場合、人気薄先行馬の“行った行った”なんてケースも考えられます。駒木は買いませんが、馬連3-16なんてのはそういう展開になった場合は最も可能性がありそうな組み合わせですね。

 さて、後は簡単に講釈を垂れて早々に講義を締めたいと思います。

 駒木の本命はダイタクバートラムとしました。単勝前売り2.0倍で、勿論1番人気。ここまで買われるとは思いませんでしたが、確かに好走する可能性は一番高い馬です。父・ダンスインザダーク譲りの瞬発力が炸裂することを期待しましょう。
 2番手にはタガノマイバッハを抜擢しました。果たして距離が保つかが心配ですが、展開的に最も有利な馬です。
 そして3番手評価がダンツフレーム。こちらも距離適性が懸念材料なのですが、比較的前でケイバが出来る分だけ上位に据えました。
 以下、脚質的に不器用ながら瞬発力は随一のツルマルボーイ、そして先行脚質のステイヤー・イングランディーレも圏内。復調が伝えられるサンライズジェガーですが、唯一の勲章が実力査定に全く役立たないアルゼンチン共和国杯なのが気になります。
 穴人気を集めそうな02年菊花賞組のファストタテヤマヒシミラクルですが、メンバー的に奇跡を再現するには厳しすぎるのではないかと考えて無印としました。

 フォーカスは馬連BOXで12、16、7の3点に、元返しの押さえで枠連2-6を追加します。

 なお、珠美ちゃんは馬連3-12、12-16、3-16、7-12、4-12、5-12の6点です。

 それでは簡単ながら講義を終わります。皆さんの幸運をお祈り申し上げます。


天皇賞 結果(5着まで)
1着 11 ヒシミラクル
2着 14 サンライズジェガー
3着 12 ダイタクバートラム
4着 ツルマルボーイ
5着 ダンツシアトル

 ※駒木ハヤトの“敗戦の弁”
「おいおい、帽子の色は合ってるけど勝負服の柄が違うって。あ〜あ〜2着3着かよ。でも印の上ではそうだけど、馬券買ってないから当たってもどうしようもないぞコレ。でも何だ、5着までの着順だけなら結構惜しいハズレに見えちゃうじゃないか。まったく、みっともねぇなぁオイ」
 ……以上、レース直後の心の声を再録してみました(笑)。実はモデム配り現場の量販店のテレビ売り場で盗み見してたんですが、その後の仕事、テンションの上がらない事といったら(苦笑)。
 「低レヴェル混戦の時はステイヤーに注意」と言っておきながら予想の中身が違ったわけですが、これ実は、いつぞやの菊花賞のマチカネフクキタル──つまりは中距離馬が超スローの瞬発力勝負だけで勝負になってしまうケース──を頭に入れていたんですよ。でも、結局はロングスパート合戦が始まってヒシミラクルの展開になっちゃったわけですが。何だか決まり手だけならオグリキャップの引退レースみたいでしたね(笑)。
 まぁ今回は多忙を極める中の予想だったので仕方ないと思ってます。来週も忙しいんですが(苦笑)、こちらは何とか……

 ※栗藤珠美の“反省文”
 もう何も言い訳できませんね(苦笑)。今回は本当に完敗でした。ヒシミラクルはともかく、サンライズジェガーは全く頭に無かったです。
 来週はNHKマイルカップ。難しいレースが続きますけど、どうか良い予想が出来ますように…… 

 


 

2003年度第10回講義
4月19日(土) 競馬学特論
「G1予想・皐月賞編」

 今週も時間の都合で駒木単独の短縮版講義となりました。業務縮小して余計に時間に追いまくられるとは変な話ですが、どうかご了承下さい。

 ではまず、早速出馬表と予想印をご覧下さい。

皐月賞 中山・2000・芝

馬  名 騎 手
    ビッグコング 後藤
    ラントゥザフリーズ 藤田
ネオユニヴァース デムーロ
    ダイワセレクション 菊澤徳
    エースインザレース 石崎隆
× サクラプレジデント 田中勝
  × スズノマーチ 横山典
×   テイエムリキサン 池添
    クレンデスターン 吉田豊
    10 ブラックカフェ 蛯名
  11 ザッツザプレンティ 安藤勝
12 サイレントディール 武豊
    13 チキリテイオー 勝浦
14 エイシンチャンプ 福永
    15 コスモインペリアル 柴田善
    16 ブルーコンコルド 秋山
    17 タイガーモーション  江田照
×   18 ホシコマンダー 四位

 先週に引き続いて、またも本命が珠美ちゃんとカブってしまいました(苦笑)。でもまぁ、今回は仕方ないような気がしますが。でもこれでネオユニヴァースが飛んだら、また何か言われそうだなぁ(笑)。

 さて、それでは本題に。まずは全体的なレヴェルなどについてからですが、やや上位の層が薄いものの“平年並み”程度にはあるのではないかと思います。これで年明けに本格化した馬がもう少し多ければ更に良かったんですが……。
 ステップレースに関しては、スプリングSの上位組が一番格上で、弥生賞のトップグループがそれに続く形になるのではないかと思います。若葉Sはやはり少し見劣りしてしまいますね。それ以外のレースでは、きさらぎ賞と京成杯のレヴェルがやや高めだったのでは…と考えています。

 展開は逃げ馬2頭の他は、半数以上の馬が「中団かその少し後ろ」を希望していて、序盤の位置取りで命運が分かれそうな気がします。非常に読み難くて嫌な感じですね(苦笑)。道中はやや遅めの平均ペースで推移して、直線で迫力のある力勝負が繰り広げられそうです
 皐月賞の傾向としては、「人気薄の追い込み警戒」というのが一番のポイントでしょう。実力のある馬はあらゆる脚質の馬が連対を果たしていますが、人気薄はほぼ差し・追い込みに限定されています。逆に言えば「人気薄の先行馬は消し」というのがセオリーになるのでしょうか。

 あとについてですが、今年は週末にしょっちゅう雨が降っていたので、雨や重馬場を苦にしない馬が多いようなのが幸いです。ドロドロの不良馬場になってしまうと追い込み馬の不発が心配になりますが、そうでない限り大きく予想を変更する必要は無いのではないかと思われます。

 ……では今日も1頭ずつ簡単に解説していきます。

 1番・ビッグコング。若葉S2着馬。前走はスローペースながら上がり3ハロン33秒9のタイムで好走となりましたが、一気に相手強化となる今回では苦戦が避けられないでしょう。
 2番・ラントゥザフリーズ。共同通信杯1着馬ですが、このレースは実績馬のデキ不足などに助けられた側面が大きかったような気がします。若葉Sでの完敗や2000mのレースで2戦2着外なのも気になるところです。
 3番・ネオユニヴァース。きさらぎ賞、スプリングSで強豪を捻じ伏せて一躍、このレースの主役となりました。特に前走は古馬G1ホースのような堂々たるケイバで正に圧巻。騎手に名手・デムーロを迎え、万全の状態でまずは一冠を目指します。
 4番・ダイワセレクション。4番人気に支持された前走・スプリングSで5着完敗。それ以前の実績にも乏しく、強く推せるだけのセールスポイントは無いのが現状です。
 5番・エースインザレース。本職はダートですが、現状、ダートの大レースまで間がある事もあって、芝のG1に挑戦する事となりました。スローで逃げて粘り込みたいところですが、展開と相手に恵まれた若葉Sでも粘りきれなかったのに、ここでそれ以上のパフォーマンスが出来るとは考え難いですね。
 6番・サクラプレジデント。迷走した騎手選びですが、結局は元の鞘に収まったようですね。前走では完敗を喫しましたが、休み明けであれほどのレースが出来ればむしろ上々だったかも分かりません。追い切り当時のデキが維持できていれば、ひょっとすると逆転まであるかも知れません。まずは出遅れの無いスムーズな競馬をお願いしたいものです(笑)。
 7番・スズノマーチ。駒木は泣く泣く無印にしましたが、このレースにおける“特注馬”の1頭です。マイジョーカーを破り、弥生賞で歴戦の強者と堂々渡り合ったパフォーマンスはここでも通用する可能性が高いです。ただ、問題は自分のレースがさせてもらえるかどうかですが……。
 8番・テイエムリキサン。弥生賞では一旦先頭に立つも、ソラを使って4着まで後退してしまいました。かと言って差し戦法をするには瞬発力が足りず、本当に乗り辛い馬と言えるでしょう。実力は上位と遜色ないだけに、勝ち負けは池添騎手がこの馬をどこまで御せるかに懸かっているのではないでしょうか。
 9番・クレンデスターン。休み明け緒戦のスプリングSがどうにも物足りませんでした。上積みも乏しそうで、勝ち負けに絡むには色々なモノが不足していると考えざるを得ません。
 10番・ブラックカフェ。以前は随分と期待された馬だったのですが……。でもこういう馬って、時々いますよね(笑)。オープン入りしてからの実績がイマイチの上、今回は休み明けですし、強調材料が探し辛い状況です。
 11番・ザッツザプレンティ。クラシックの登龍門・ラジオたんぱ2歳Sの勝ち馬。前走は落鉄に泣き6着に敗れましたが、未だに人気は健在のようです。ただ、この世代のラジオたんぱ2歳Sは、例年に比べると随分とレヴェルが低そうな気がします。まだ完調には至っていないデキであるとの情報もありますし、ここで人気に応えるほどの成績を残すとは考え辛いのですが……?
 12番・サイレントディール。差し馬に脚質転換してから本当に強くなりました。今回は休み明けですが、調整は万全で更に相手関係もこのメンバーでは間違いなく上位クラス。よほどの不良馬場やアクシデントが無い限りは上位に顔を出してくるのではないでしょうか。
 13番・チキリテイオー。2歳末になって本格化したように思えましたが、その後がどうにも振るいません。陣営のトーンも下がり気味ですし、今回は見送りが妥当な感があります。
 14番・エイシンチャンプ。勝つにしろ負けるにしろ、本当にこの馬は接戦になりますね。堅実で渋太いラストスパートがそうさせるんでしょう。で、今回は朝日杯組との再会の他に、更なる強敵との初顔合わせもあり、なかなか骨の折れるレースになりそうです。自分の意図する位置取りが出来るかどうかがポイントでしょう。
 15番・コスモインペリアル。地味ながら着順をまとめ、ここに出走を果たしました。人気薄の差し馬が警戒という事で、この馬にも2〜3着くらいのチャンスは有りそうなのですが、敢えてこの馬を選ぶだけのセールスポイントにやや欠けている気がしないでもありません。
 16番・ブルーコンコルド。2歳時に重賞勝ち、そして休み明けのスプリングSで4着。ただ、陣営はしきりに「良馬場希望」とコメントしており、そこに足を引っ張られてしまいそうな気がします。
 17番・タイガーモーション。2歳時はトップクラスをも窺う勢いがありましたが、どうもここしばらくは不振に陥っているようです。とりあえず今回は見送りが適切でしょう。
 18番・ホシコマンダー。ここ2走スローペースに泣かされていますが、差し・追い込み勢の中ではサイレントディールに次ぐ実力を持っているでしょう。素の力では上位どころに及ばないものの、何かアクシデントが有れば台頭の機会もありそうです。

 ……というわけでフォーカスですね。駒木は馬連3、6、12の3点ボックスを基本に、大穴狙いとして馬連3-18も狙ってみたいと思っています。珠美ちゃんは馬連で3-12、3-14、12-14、3-11、3-6、3-7の6点とのこと。

 では、駆け足でしたが講義を終わります。日曜にも簡単に回顧を行う予定ですので、どうか宜しく。


皐月賞 結果(5着まで)
1着 ネオユニヴァース
2着 サクラプレジデント
3着 14 エイシンチャンプ
4着 ラントゥザフリーズ
5着 18 ホシコマンダー

 ※駒木ハヤトの“勝利宣言”
 ハイ、来ました。配当が低い時に限って会心の的中(笑)。ホシコマンダーがどこにいるか、一瞬探してみたんだけれども、あっという間に無意味なものとなりました(苦笑)。まぁ5着なら上出来でしょう。陣営はダービー出走権(4着まで)に届かなかったのが痛恨だったそうですが。
 ネオユニヴァースは、いかにもデムーロらしいレースでしたね。あれが中堅クラスの騎手だったらイン突きを一瞬躊躇してしまって2着止まりだったのは間違いないところなので、このレースは馬じゃなくて騎手が走っていたレースだったと言う事なんでしょう。デムーロ本人はダービーだけのために1ヶ月免許を使うのに難色を示しているようですが、こんなチャンス滅多に無いのですから外国人初の三冠ジョッキー目指して頑張ってみるのも手ではないかと思います。
 サクラプレジデントのパフォーマンスにも驚きでした。やっぱり強かったんですね、この馬は。マトモに行けば、ダービーもネオユニヴァースとの一騎討ち模様でしょう。ただ、そうなったらそうなったで追込み馬の強襲が怖いんですが……。
 以上、勝った時は心の余裕か丁寧語になってしまう駒木ハヤトでした(笑)。

 ※栗藤珠美の“喜びの声”
 またしても押さえ馬券での的中になりました(笑)。金額的には的中しても損です(苦笑)。
 でも、今から考えるとサクラプレジデントをどうしてこんなに低い評価にしてしまったのか、その経緯が全く思い出せないんですよね……。まだ22歳なんですけど、脳細胞の老化が始まってしまったのかも知れません(苦笑)。

 


 

2003年度第6回講義
4月12日(土) 競馬学特論
「G1予想・桜花賞編」

 駒木ハヤトです。今週の競馬学講義は、時間の都合により、駒木が単独で短縮版の講義を行います。珠美ちゃんの登場を楽しみにしていた受講生さんには御迷惑をおかけしますが、彼女にはレース後の回顧で登場してもらうつもりです。

 では、まずは出馬表をご覧頂きましょう。例によって駒木と珠美ちゃんの印もついています。

桜花賞 阪神・1600・芝

馬  名 騎 手
×   レイナワルツ 福永
    メイプルロード 渡辺
    センターアンジェロ 蛯名
    チューニー デムーロ
    ヘイセイピカイチ 加藤和
    オカノハーモニー 熊沢
ヤマカツリリー 安藤勝
  モンパルナス 松永
スティルインラブ
×   10 トーホウアスカ 岩田
× 11 オースミハルカ 藤田
  × 12 チアズメッセージ 吉田稔
    13 シーイズトウショウ 池添
14 アドマイヤグルーヴ 武豊
    15 マイネヌーヴェル 横山典
    16 ホワイトカーニバル 小野
    17 ワナ  四位
    18 ヤマニンスフィアー 二本柳

 ちなみに珠美ちゃんからは、
 「ここまで博士と印が同じになると、正直言ってとても不安です(苦笑)」
 …という、ちょっと失礼なコメントを預かっています(笑)。まぁここまで不調が続いていると反論する気持ちも湧いてきませんけれども(苦笑)。

 では、レースの分析と予想に移ります。

 全体的な概況としては、「大混戦、ただしレヴェルは高くない方で」…といったところでしょうか。よくプロ野球なんかで“2強4弱”とか言ったりしますが、今回の桜花賞はさしずめ“11並7弱”という感じになりますか。
 後で解説しますように、半歩から1/4歩程度先に出ている馬が少しばかりいますが、それも些細なアクシデント1つでどうにでもなってしまいそうな頼りないリードです。桜花賞のような王座決定戦的なレースはただでさえ不確定要素が大きいのですから、どんな予想にしても過信は禁物とご忠告申し上げます。
 また、ステップレースのレヴェルですが、メンバー的にはチューリップ賞が一番上ながら、フィリーズレビュー組も上位2頭は同等以上の水準でしょう。他の重賞勝ち馬はステップレースの3着相当くらいの解釈が妥当と思っています。あと、若葉Sに関してはアドマイヤグルーヴの解説で述べます。

 次に展開予想ですが、桜花賞にしては珍しく逃げ馬が1頭しかおらず、大半の馬が先行〜中団のポジションを欲しがるというメンバー構成になっています。特に5〜6番手争いは結構熾烈になりそうで、最初に下手を打つとリズムを崩したままレースにならない…なんて事もあり得そうです。どの馬がそうなるのかは全く読めないのが苦しいところですが……。
 桜花賞の最近の傾向としては、意外にも先行馬やや有利というデータが出ています。目標にされてしまう逃げ馬はさすがに苦しいですが、ハイペースのレースでも追い込み馬はなかなか前まで届かないようです。今回はペースも落ち着きそうですし、後方待機組は不利が生じるかも知れません

 ……というわけで、これらを踏まえて1頭ずつ簡単に解説を付けて行きます。

 1番・レイナワルツ。とにかく調子が良く絶好調。前走は、やや力負けした形の3着で、それ以前の実績も物足りませんが、一応の連対圏内には入っているでしょう。
 2番・メイプルロード。能力面云々は別にして、今回は臨戦過程が悪すぎます。差し馬不利の展開も影響しそうですし、苦戦は免れないでしょう。
 3番・センターアンジェロ。アネモネS勝ち馬。レースの内容はしっかりしていましたが、メンバー構成が余りにも楽すぎました。いきなり一線級に混じる今回は環境の変化に戸惑ってしまうのではないかと懸念しています。
 4番・チューニー。クイーンC勝ち馬ですが、やや展開がハマった上にメンバー構成も相当楽でした。上位グループには入っていますが、馬券の圏内に食い込むには色々な助けが必要でしょう。
 5番・ヘイセイピカイチ。クイーンCを人気薄で2着。ただし、ハイペースの前に為す術無く敗退したフィリーズレビューの戦い振りを見る限りでは、上位との力の差が相当あると思われます。この馬も苦戦ですね。
 6番・オカノハーモニー。賞金が足りたので、とりあえず出てみた…といった感じでしょうか(苦笑)。常識的に考えて、通用する見込みはほとんど無いでしょう。
 7番・ヤマカツリリー。フィリーズレビュー勝ち馬。息の入らない流れを先団〜中団で追走して、直線では見事な差し切り。どうしても先行有利の阪神1400mでそういうレースが出来たのは収穫でしょう。勝った相手が、紅梅賞でスティルインラブに0.1秒差だったモンパルナスというのもセールスポイントですね。今回は展開も向きますし、体調もピーク。実力をフルに発揮できれば間違いなく上位争いに顔を出すでしょう。
 8番・モンパルナス。先程から話に出ているフィリーズレビュー2着馬。実力的にもなかなか奥の深いところを見せていますが、今回は有力馬から目標にされる単騎逃げ。やや展開面で不利なような気がします。逆に言えば、これで勝てれば本物でしょう。
 9番・スティルインラブ。チューリップ賞は不利に泣いて僅差の2着。阪神JF未出走組ではアドマイヤグルーヴと並んで評価されていますね。確かに相対的に見て、この馬が出走馬中の上位にランクされるのは間違いないと思います。問題は、アドマイヤやヤマカツの後ろからレースをしなければならないこと。瞬発力で相当勝っていないと、3着はあっても先頭に突き抜けるのは難しいのではないでしょうか。
 10番・トーホウアスカ。最近着順を落としていますが、前々走は不利な外枠で、前走は復調途上で全くレースにならず。度外視していいでしょう。問題は函館2歳S2着とファンタジーS3着の実績をどこまで評価したら良いのかということでしょう。ここでは一応、2着候補の一員という評価をしています。
 11番・オースミハルカ。チューリップ賞勝ち馬ですが、やや影が薄い感じ。でも逆にそれが馬券的な狙い目になるかも知れません。地力が無ければ、あんな勝ち方なんか出来ないでしょうしね。イレコミが激しいのが難点ですが、スムーズなら一発逆転があってもおかしくないでしょう。
 12番・チアズメッセージ。チューリップ賞3着馬。ただ、それ以前の実績が寂しいのでどうしても見劣りしてしまいますよね。2番手をキープして抜け出すという、去年のアローキャリーみたいなパターンがあったら怖いですが……。
 13番・シーイズトウショウ。とにかく堅実な馬ですね。戦績だけ見れば、これほど人気が薄いのが不思議になってしまいます。ただ、致命的なまでに末脚が甘いのが難点で、そのためか陣営の意気もなかなか上がりません。掲示板はあるかも知れませんが、馬券的には3連複の3着要員が精一杯でしょうか。
 14番・アドマイヤグルーヴ。皐月賞トライアルの若葉S1着で賞金を上乗せして滑り込みました。その若葉Sですが、牡馬の一線級とはいかないものの、一流半クラスが2頭ほど混じっており、その中を、しかも休み明けのレースであそこまで走るのですから、やっぱりこの馬は牝馬にしては強いんでしょう。果たして桜花賞を目標に据えているのかは微妙ですが、体調さえ万全なら桜花賞馬候補の最右翼でしょう。
 15番・マイネヌーヴェル。フラワーC勝ち馬。余りにも鮮やかな追い込み勝ちのインパクトが強かったのでしょう、相当穴人気しているみたいですね。ただし、あのレースはあくまでハイペースがハマったものですし、今回は逆に追い込みは不利のレースになりそうですから、連続の活躍は難しそうです。
 16番・ホワイトカーニバル。いつもソコソコは走るのですが、やはり一線級と比べると一枚以上格下の感が否めません。それに加えてこの外枠は相当厳しいでしょう。
 17番・ワナ。どうも調子が上向いて来ませんね。ひょっとしたら早熟タイプだったのかも知れません。17番枠も厳しいですし、今回は見送りが妥当でしょう。
 18番・ヤマニンスフィアー。アネモネS2着馬。本来なら相当マークすべき馬なのでしょうが、差し馬の上に大外18番枠。この条件で勝ったとしたら、名牝・女傑クラスの実力の持ち主という事になるでしょう。駒木のジャッジは「そこまではいかないだろう」という事になるのですが……。

 ……では、最後にフォーカスを。
 印の上位3頭が頭の先っぽが出ているような感じですね。それに先行勢の穴馬が続く…といったところでしょうか。買い目は、馬連で7-14、9-14、7-9、11-14、そして万馬券狙いで10-14まで手を伸ばしてみたいところです。
 ちなみに珠美ちゃんは馬連で7-14、9-14、7-9、8-14、11-14、12-14です。こちらも万馬券狙いが入ってますね。

 ということで、慌しいですがこれで講義を終わります。レース回顧は日曜深夜に更新の予定です。ではでは。


桜花賞 結果(5着まで)
1着 スティルインラブ
2着 13 シーイズトウショウ
3着 14 アドマイヤグルーヴ
4着 ヤマカツリリー
5着 モンパルナス

 ※駒木ハヤトの“敗戦の弁”
 すいません。時間の都合がつかなくて、通常通りの簡単な回顧になってしまいました。
 それにしても、う〜ん……。シーイズトウショウかー……。「忘れた頃の一発」というのは穴狙いの鉄則なんだけど、本当にちょうど忘れた頃にやって来るなぁ(苦笑)。
 しかし、ヤマカツリリーがシーイズトウショウに競り負けたのが不思議で不思議で……。いくら馬場とコースの差とは言ってもねぇ。まぁ、それが競馬のダイナミズムと言えばそれまでだけれども。
 アドマイヤグルーヴの出遅れに関しては、あれは騎手よりも馬のやる気が無かったというような気が(笑)。いかにも「え〜、もう走るの? 超ウザーイ」みたいなスタートに見えたのは気のせいだろうか(苦笑)。まぁ最後に一脚見せたし、オークスではやってくれるでしょう。いや、出遅れじゃなくて1着の方(笑)。
 あ、勝ち馬の事を忘れていた(笑)。スティルインラブは想像以上の強さ。アクシデントが無ければオークスも主力級ではないかな。

 ※栗藤珠美の“反省文”
 嫌な予感が的ちゅ……いえ、何でもありません(苦笑)。
 それにしても、どうして私が武豊騎手の馬に◎印を打った時に限って何か起こるんでしょうか(苦笑)。今日のスタートで菊花賞の悪夢を思い出してしまいました……。
 あと気になった点は、博士も採り上げてらっしゃいましたが、やっぱりシーイズトウショウですねー…。私、阪神JFの時は○印を打っていたんです。それを今度は無印にしてしまって……。本当に、競馬って難しいです。
 また来週、苦手な皐月賞ですけど頑張りますので応援して下さいね。


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