「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
6月15日(土) 競馬学概論 |
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駒木:「さて、今週採り上げるレースは5年前の朝日杯3歳ステークス。今の朝日杯フューチュリティステークスだね。本当は時期的に合わせて宝塚記念にしたかったんだけど、もう宝塚記念は何回もやってるからね」
駒木:「凄いよねえ。この年代の外国産馬のヒーローが軒並み出走してて、なおかつ数少ない内国産馬の中には後のダービー2着馬・ボールドエンペラーまでいるし。間違いなく、全体的なレヴェルは90年代でナンバーワンだろうね。 |
6月14日(金) 教育実習事後指導(教職課程) |
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いやいや、お待たせしてしまいました。講義の内容を練りつつ瞑想してたら、いつの間にか夜が明けてしまってました。 色々と講義予定がズレて、この教育実習事後指導は1週間ぶりの講義となりました。前回内容のレジュメはこちらからどうぞ。 それでは、本題へと移りましょう。まずは教育実習初日のお話から……。 実習初日の内容のほとんどはオリエンテーションであります。まぁ、中には実習開始前の別の日に実習生を集めてそれをやってしまい、その場で「実習初日から授業してもらうから、準備しとけよ」と言われるエゲツないパターンもありますが、それは例外でしょう。 実習生同士の対面が終わったら、今度は実習期間中お世話になる担当教諭の先生との顔合わせです。ここでどんな先生に当たるかで、これから始まる実習の充実度が全く違ってきます。お笑いの世界に喩えれば、業界入りと同時に、勝手に師匠が決まっているようなもの。西川のりおなどに当たった日には目も当てられません。
フォローしておきますが、この「しゃーないなあ」で担当教諭になったカネムラ先生が、ナカバヤシ君の生涯の師となる可能性も少なくないわけでして、だからこそ人生は面白いものであったりするわけです。 では次に校長や生徒指導部長の講話に続くわけなのですが、残念ながら今日はお時間となりました。これはまた次回の講義で……(次回へ続く) |
6月13日(木) 演習(ゼミ) |
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それでは今週のゼミを始めます。今はちょうど、新連載の谷間に入ってしまってまして、レビュー対象作品が少ない週が続いています。 さて、まずは情報系の話題から。
ちなみにこの回の審査員は、特別賞の名義をご覧の通り、矢吹健太朗氏。 ま、皮肉はこれくらいにしますか。 情報系話題をもう1つ。来週号の「週刊少年ジャンプ」29号で、『ノルマンディーひみつ倶楽部』のいとうみきおさんが、読み切りで本誌復帰です。予告のカットを見たら、絵が洗練されて来た印象があるので、ちょっと楽しみですね。 では、レビューに移ります。今週は「ジャンプ」から2作品ですね。レビュー中の7段階評価についてはこちらをどうぞ。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年28号☆ ◎新連載第3回『ヒカルの碁(第2部)』(作:ほったゆみ/画:小畑健)《第1回掲載時の評価:A》 ハッキリ言って、もうレビューする必要も無いほど安心して読んでいられる作品なのですが、今回はちょっと目先を変えたレビューを。 皆さんは「ヒカ碁」が第2部になってから、微妙に、そして明らかに各所でマイナーチェンジが施されているのにお気づきでしょうか? ただ、あと1つ注文をつけるとすれば、もう少し息抜きする場が、つまりコメディ的な場面がもう少し増えてくれば良いと思いますね。やっぱりストーリーマンガの王道はコメディですので。笑いがあってこそのリアルな日常。 ……と、レビューだかなんだか分からなくなっちゃいましたけど、とにかく素晴らしい作品だって事は確かです。同人ネタが減るから人気が下がるかも、なんて向きもありますが、そんな低次元なレヴェルでこの作品が貶められる事の無いように祈っております。評価はもちろんAで据え置き。平成年代を代表する素晴らしい作品の1つです。 ◎読み切り『しゅるるるシュールマン』(作画:クボヒデキ) さて、問題作です。いや、問題(のある)作品ですね(苦笑)。もうこのゼミでも3回目のレビューになりますか。 じゃあこの作品のギャグはどんなギャグかというと、「おかしな人が、ただ笑いを取ろうとしてるだけ」というもので、これではシュールでも何でもなくて“ただのギャグ”なわけですよ。しかも大して面白くも無いし。ツボにハマる人はいるんでしょうけど、少なくとも今「ジャンプ」で連載されているギャグマンガと比べると、間違いなく相当下のレヴェルです。 とにかく作者のクボさんが自分の勘違いから早く気がつく事。そうすれば活路も見出せるでしょう。それまでは高い評価は進呈できません。C寄りのB−。 ……と、いうわけで今週分のレビューは終了です。来週も2作品程度のレビューになると思いますが、どうぞよろしく。 |
6月11日(火) メディアリテラシー特論 |
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※前回(レジュメはこちら)の内容をご覧になってから受講して下さい。また、15歳未満及びセクシャルな表現に抵抗を感じる方の受講はご遠慮下さい。 さて、それでは今日こそ今回の講義の本題へと話を進めて行きたいと思います。 今回問題アリとして採り上げるのは、「探偵ファイル」内の「あぶない探偵/電脳探偵のマル秘レポート」、その第6回です。 この回は「声優さんも大変なのです」と題した特集記事で、声優業界の、特に声優志望の女性が声優になるまでの裏事情についてレポートされています。 まぁ、今回の話が本当か嘘かは全く別の問題としまして、芸能界でこの手の話というのは枚挙に暇がありません。それこそ、信憑性の高い筋からの情報から都市伝説の類まで様々です。 ──まぁ、そういうわけでして、この第6回の前半部分については何も言う事はありません。マジネタかガセネタかは別にして、よくある話、またはマジネタでも全くおかしくない話である事だけは確かです。
まず初めに、この引用文の最後の部分、「おっと、勘ぐり過ぎですね、反省です。」という文章は、この記事の著者である“電脳探偵”山木さんが、未確認情報を敢えて載せる時に使用する常套句である、という事を述べておきましょう。つまり、一種の予防線ですね。 まず話の進行上、ある程度のネタバラシをしておきましょう。「90年代、最高の問題作と言われ社会現象まで引き起こした某アニメ」の「某役柄の方」というのは、宮村優子さんです。1997年、このレポートにもあったように事務所を移籍した年の夏から秋にかけて、大手写真週刊誌等も巻き込んで「宮村優子の裏ビデオ発見?」のような形で騒動が起こったので、記憶されている受講生の方もいらっしゃると思います。 さて、それでは実際に問題点を追及していくわけですが、その問題のある部分とは、 では、まずは1点目、“プライベートビデオ”説についての反論です。 実はこの問題の“宮村優子裏ビデオ”、駒木はrm化されたモノを持っていまして、何度でも中身を確認する事ができます。 じゃあこのビデオはプライベートビデオじゃないんですね? ……というと、これだけでは、まだ疑いが晴れない部分があるのです。 反証その1。ビデオ内でテロップ表示される投稿者のプロフィールが「美大生カップル」という設定になっていて事実と異なります。宮村優子さんの最終学歴は「桐朋学園短期大学
演劇専攻卒業」です。さらにお相手の業界関係者まで美大生を名乗っているわけで、これは噴飯モノです。 受講生の方たちがどう感じられたかは分かりませんが、以上の事から駒木は「この“宮村優子裏ビデオ”はプライベートビデオではない」と結論付けさせて頂きます。そして、「──マル秘レポート」で山木さんが述べたかったと思われる、「宮村優子さんが別の事務所へ移籍した事に怒った元の事務所が、報復のためにデビュー前に関係者がハメ撮りしたビデオを流出させた」という事の信憑性も著しく低いものであると断じさせて頂きます。 しかし、追及はこれだけで終わりません。2つある問題点の2点目、「このビデオに出てくる女性は本当に宮村優子さんなのか?」という所です。 まず、プライベートビデオ説が否定された時点で、現在残されている可能性は では、実際にビデオの内容を検証していきましょう。本来なら受講生全員に教材として映像資料を提供したいところなのですが、それは諸々の理由から考えて不可能であります。この点は、どうかご容赦願いたいと思います。ただ、今ならファイル交換ツールさえあれば入手は比較的容易だと思われますので、ブロードバンド環境の受講生の方は是非お試し下さい。 さて、それでは色々な側面からこのビデオを検証していきましょう。 ……というわけで、声は本当に似てます。では、他の部分はどうでしょうか? AV女優の体の部分で特徴的な箇所といえば、まずは胸でしょう。いや、本当は局部なんですが、それはモザイクで消されてますし、よしんば見られたとしても比較対象が無いので判断の使用がありません。 …さぁ、ここまでは反証になり得る資料は見つかりません。それではいよいよ核心部分、顔について検証してみましょう。 以前、写真週刊誌などで騒がれた時には、「顔のホクロの位置もソックリだ!」などと言われたのものでしたが、果たして本当の所はどうなんでしょうか? まずはビデオに登場する「まきちゃん」↓ 次に、宮村優子さんのポスター画像↓ そして、1997年に某所で行われたイベントの時の記念撮影。スナップ写真のため、印象が普段のものと随分違いますが……↓
……な、なんだか全然似ていない気がするのは駒木だけでしょうか? ……というわけで、この“宮村優子裏ビデオ”とされてきたビデオはどうやら、 ……そういうわけで、先にも述べました通り、これによって「──マル秘レポート」第6回の後半部分は全くのデタラメ・事実無根と言うことになってしまいました。どうやら、この講義の第1回で指摘した、山木さんの「仕入れた情報のソース丸呑み・ウラ取らず」という姿勢が招いた最悪の事態といえそうです。 さて、長々と講義を進めてまいりましたが、一応これで締めくくりという事になります。 では、今日の講義を終わります。ご清聴、ありがとうございました。 (この項、一応の終わり) |
6月10日(月) メディアリテラシー特論 |
今日の講義は、ちょっといつもと趣が異なります。 まず、今日は他のウェブサイトのコンテンツ内容について、その問題点を指摘するような形で進行していきます。ただし、よくあるような“叩き”や“弄り”のような志の低い事をするつもりは全くありません。これは講義を受講して頂く内にお分かり頂けると思います。 また、題名をご覧になれば分かりますように、今日の講義の内容には相当にセクシャルな内容を含むものになる事が予想されます。なるべく直接的な内容は避けますが、15歳未満の方、またはその手の話題に嫌悪感を感じる方の受講はご遠慮下さい。 では、以下から実際に講義へと移ります。 さて。 ──と、そんな「探偵ファイル」さんの複数あるコンテンツの中に、「あぶない探偵/電脳探偵のマル秘レポート」というものがあります。 さて、この「ジャンプ」アンケート話については、 その後、この「──マル秘レポート」は現在6回まで回を重ねられ、毎回毎回これまで表舞台に出るはずの無かった裏事情が提供されてゆきました。 例えば、第2回の某「ジャンプ」連載作家さんの営業話。 さらに第4回でも疑問符のつく内容があります。 また、マンガの裏情報を扱っていながら、肝心の担当者・山木さんがそれほどマンガ界の事情に詳しくないのではないか、と思われる節もあります。 …で、これらの事を考えると、この一連のレポートは、“マンガ事情に決して詳しくない人が、事情通から聞いたソースを丸呑みして書いている”という仮説が浮かび上がってきます。 そして、実際にその危惧が現実になってしまったレポートがありました。それは現在最新の回となっている第6回、“宮村優子裏ビデオ”に関する記述です。 ……と、ここから本題に入るところだったのですが、時間の都合上、明日に回したいと思います。申し訳ありませんが、どうぞよろしく。(次回へ続く) |
6月9日(日) 文献講読 |
※この講義は小説です※ 9回裏で同点、そしてワンナウト・フルベース。その局面の3塁ランナーというのが、中林卓郎に与えられたこの試合での“役どころ”であった。 だが、中林は初めから3塁ランナーとして起用されていたわけではない。それならば、もっと緊迫した状況に耐えられる“代走のスペシャリスト”がベンチに控えている。そういう意味において、彼はラッキーだったと言える。 そこから今に至る試合の流れはこうである。 まず、1番バッターがベンチのサインに従って送りバントを試みる。成功。1塁ランナー・中林はセカンドに進塁して、これでワンナウト2塁。 「──おい、落ち着けよ。ちゃんとサイン出すからよく見ろよな」 ……その時、主審が「プレイ」と叫んで両手を上げた。(次回へ続く) |
6月8日(土) 競馬学概論 |
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駒木:「G1レースが続いたんで、ほぼ1ヶ月ぶりの競馬学概論になるね。」
珠美:「……10年も経ちますと、馬も騎手も随分と様変わりしていますよね」 |
6月7日(金) 教育実習事後指導(教職課程) |
久々の教職課程講義であります。 受講生の皆さんは、かつて(もしくは今も)生徒の立場で教育実習生を迎えた事はおありでしょう。ですが、その教育実習生たちが、どんな事を考えながら、もしくはどんな状況下に置かれながら実習期間を過ごしているのか…という事についてはどうでしょうか? おそらく、実際に実習を経験した方でないと想像もつかない、というのが実情ではないかと思います。 そこで今回から始まるシリーズでは、そんな教育実習現場の裏側について、駒木の体験談を中心に色々と話をしてみたいと思います。また、駒木は現職の高校教員でもありますので、「実習生が見た現場」だけでなく、「現職教員の立場から見た実習生たち」についてもお話できればと思います。 さて、教育実習というと通常、実習生が卒業した母校で実習を行うものです。教育大学や教育学部の学生、または母校で実習できない諸事情(大検経由の高校教員志望など)がある学生のためには、その大学の付属学校で実習を行うことがありますが、原則は“母校で実習”という事になります。 さてこの事は、何気ない話であるように見えて、かなり大きな問題だったりります。それも男子の実習生にとっては極めて重大であります。 ここで男子校出身の男子学生は、自分の歩んで来た人生の中で、とんでもない大悪手を打っていた事に気付かされるのです。 そうです。男子校出身の学生は、闘わずして「ドキッ! 男だらけの教育実習」が確定となってしまうのです! ひょっとしたらポロリもあるかも知れませんが想像しないでおきましょう。 では何か? ならお前はいっそのこと女子高で実習がしたかったんじゃないのか?
教育実習は、その学生の最終年度(留年してなければ短大2回生、大学4回生)の春もしくは秋に行われるのでありますが、実際に学生たちが活動を始めるのは、実はその約1年前の7月から。実習予定の母校へ実習の申し込みと事前面接をしに行くのです。「随分と気の早い話だな」と思われるかも知れませんが、最悪9月頃までに実習生を内定させなければ来年に間に合わないので、この辺がギリギリなのです。 随分と厳しい、と思われるかもしれませんが、学校現場にとって教育実習というのは、正直な話、とても気の重くなるようなボランティア活動なのであります。ただでさえ複数の分掌業務を抱え込んている中へ、2週間つきっきりで学生の指導をしなくてはいけないわけですから、これは大変な労力といえます。 そういう状況下へ、学生さんたちは何も知らず母校へやって来ます。驚かれるかもしれませんが、実習希望の学生さんは毎年20〜30人は下りません。中には「ま、免許でも取っとくか」という人もいます。こんな人数、しかもモチベーションの低い人も含めて全員いっぺんに面倒見れるはずがありません。ぶっちゃけた話を言いますと、アホにアホな授業をされると、もう一度担当の先生が授業をやり直す羽目になったりするので、そのリスクも半端じゃないのです。 と、このような準備を重ねて、いよいよ翌年の春に教育実習となります。今日の講義はその前フリで終わってしまいましたが、次回からジックリとその辺の話を進めていきたいと思います。では、また次回。(次回へ続く) |
6月6日(木) 演習(ゼミ) |
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では、今週のゼミを始めます。 さて、それでは早速情報系の話題から。 まず、今週は「週刊少年ジャンプ」と「週刊少年サンデー」で、それぞれグレードが高い方の新人賞の審査結果が発表されています。いずれの賞も即デビューへ繋がる新人の登竜門ですので、ここに名前が挙がった新人さんは、これからに注目です。
「小学館新人コミック大賞・少年部門」の方は、大賞受賞作が出ました。短期間では詳しい資料を得られなかったんですが、一説によると20数年ぶりの大賞だそうです。先週辺りから編集部がやたらとはしゃいでいるなと思ったらこういう事だったんですね。 他、佳作以上を受賞した方をGoogle検索かけてみたんですが、手塚賞佳作の筒井哲也さんは、ひょっとしたら昨年に「オールマン」や「別冊ヤングサンデー」で読み切りを発表している同名の作家さんと同一人物かも知れません。ただ、こちらも資料不足で特定は不可能でした。 あと、気になった事と言えば、手塚賞審査員のほったゆみさんが人知れず毒舌全開だった事ですかね。
……と、いったところで今週のレビューへ。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年27号☆ ◎新連載第3回『NUMBER 10』(作画:キユ)《第1回掲載時の評価:B》 前回のレビューでは「既製の作品の影響が色濃い」と指摘させてもらいましたが、3回目まで読んでみてもその評価を覆すだけの材料は無かったように思えます。 ただ、場面ごとの演出はソツなく出来ていますので、読者に不快感を与えるところまで酷くなっていないのは救いといえます。早い内にどれだけ“化ける”ことができるかが、この作品が連載続行なるか否かのカギになりそうです。 評価は、前回のB+寄りBから半ランク下げてBとさせてもらいます。 《その他、今週の注目作》 ◎新連載『がきんちょ強』(週刊コミックバンチ2002年26号掲載/作画:松家幸治) 因縁の(笑)「世界漫画愛読者大賞」の準グランプリ受賞作が新連載作品として再登場です。 作者の松家さんの経歴については、2月20日付ゼミでも述べましたが、赤塚賞準入選→創作に行き詰まり、一時休筆……というもの。人生、何がどうするか分かりませんねぇ、まったく。 では作品についての話ですが、これも読み切り掲載時に述べた通り、往年の名作『じゃりん子チエ』のオマージュ的作品です。チエとテツをドッキングさせたような主人公の強が中心となってエゲツないドタバタ喜劇を展開する……というもの。絵柄も含めて、いかにも“昭和”の香りのする作風になってます。古臭い、という批判は避けられないでしょうが、それはそれで個性的であるとも言えます。 …ただし、この作品には欠点もあります。 評価は現時点ではB+。それがどこまで維持できるのか、また“大化け”があるのかも含めて、今しばらく見守っていきたいと思います。
……と、いったところでゼミを終わります。講義の実施遅れなどありました事をお詫びいたします。 |
6月4日(火) スポーツ社会学 |
日付から1日遅れの振替講義となります。 さて、前回は色々と横道に逸れましたが、ともかく“エンターテイメント大相撲”に、大相撲人気回復への活路を見出す、というところまでお話を進めました。それでは、今回は、もしもWWEチックな大相撲の興業が行われた場合はどうなるか、というシミュレーションを行ってみたいと思います。 ……さて、それでは本題へ。 まずは興業の構成から。まずこの際、ダラダラと時間を取っている幕下以下の取り組みは別枠(ノーTVの小規模会場での裏興業)に移行して、本場所からはカットしてしまいましょう。いくら若手育成の場とはいえ、午前中から午後6時までの興業と言うのはあまりにも散漫でありますし、体格も未熟な少年力士などを目にしてしまっては、エンターテイメントの世界に没頭できなくなってしまいます。経費節減や下位力士の上昇志向を喚起する上でも、幕下格以下の取り組みは後楽園ホールやディファ有明、もしくは北沢タウンホールなどで行うようにしましょう。会場近くのポスターが大相撲と二瓶組長、などという風景を想像するだけで、マニアの顔がほころびます。 次に興業の前半、いわゆる前座枠からプロデュース開始です。WWEなどアメリカンプロレスの前座枠では、とりあえず“ソープオペラ”のメインから外れている中堅以上のレスラーが、“ヤラレ役”の若手相手に豪快なパフォーマンスで圧勝する…というパターンが続きます。 次に中堅どころからセミ前にかけて。ここから“ソープオペラ”枠になりますが、この辺はまだ本編とは関係無いサイドストーリー枠。個人対個人や、数名のグループ同士の因縁話を持って来ます。試合(取組)も、ここからは実力者同士のシビアな戦いになってきます。 ……と、こうして会場を暖めておいて、いよいよタイトルマッチ戦線です。これまで固定の“番付”だった「横綱」と「大関」は、プロレスやボクシングのチャンピオンベルトと同じようなチャンピオン・タイトルに改造してしまいましょう。つまり、「横綱」や「大関」が挑戦力士を迎えてタイトルマッチを行うようにするのです。 現「横綱」位保持者は武蔵丸。コミッショナーたる北の湖理事長との繋がりもあり、久々の「横綱」らしい「横綱」といえるポジション。防衛戦も積み重ねられ、現在の興味は次の挑戦者は誰か、といったところ。 と、これがプロローグであります。ただ、これだとあまりに陳腐なままですので、この“ソープオペラ”では、地上波放送シリーズの中で、アッと驚く大物・花田憲子・二子山親方夫人を登場させ、フィクションと現実の狭間を行ったり来たりする、男女間の愛憎ドラマを展開させます。「私にもう1度振り向いて欲しかったら、自分でもカッコ良い所見せてみなさいよ!」というアピールにより、なし崩し的に北の湖理事長VS二子山親方のオールドタイマー戦がPPVのセミに決定。昭和40年代からの因縁を引きずる“名勝負数え歌”の復活です。これでオールドファン対策もバッチリでしょう。 というわけで興業の柱が出来たところでいよいよPPV。 セミファイナルのオールド戦。本来ヒール(悪役)の二子山親方ですが、この試合に限ってはベビーフェイス(善玉)扱いで観客の声援を浴びます。そして見事に北の湖を吊り出して勝利。 そしてメインイベント。「横綱」選手権、「横綱」“太平洋の巨人”武蔵丸VS挑戦者・“完全無欠のエース”貴乃花の大一番です。いくらエンターテイメントとは言え、ここは真剣な取組でお客を魅了しなくてはなりません。それでこそスポーツ・エンターテイメントであります。 「お前らなんか八百長じゃねえか! この八百長野郎!」 出ました! 往年の迷セリフ! これがきっかけとなって、国技館は大暴動。やがてどこからともなく火まで点いてしまい、消防車が出動される大騒ぎに。 ………ってあれ? ………………………………(大汗) や、やっぱり「エンターテイメント大相撲」は無理がありましたね。大相撲関係者の方は、まぁ地道に頑張ってくださいませ。(この項終わり) |
6月3日(月) 文献講読(小説) |
※この講義は小説です※ 夏、雲ひとつ無い夜に、カクテルライトの光が煌々と、広い広い野球場のグラウンドを照らし出していた。 ──ところで、この試合の状況は極めて緊迫していた。 そんな彼、中林卓郎はひどく焦っていた。 今から3週間前、一軍のレギュラー選手の1人が脚に全治3週間のケガをして一軍選手登録を抹消された。その選手と入れ替わりに一軍登録されたのが中林であった。プロ入り4年目にして初めての一軍。全く前触れの無いその抜擢に、周囲はもちろん中林自身が一番驚いた。ケガをした選手と中林は同じポジションではあったが、それならそれでもっと適任の選手がまだ1〜2人上にいる、というのが彼、中林自身の分析であったからだ。 中林がプロ入りを果たしたのは18歳。まだ高校に籍が残っていた、4年前の秋のことであった。 と、そんな事情で一軍に合流した中林だったが、待ち望んだ一軍での生活はカルチャーショックの連続だった。 |
6月2日(日) スポーツ社会学 |
先月31日に開幕した、サッカーのW杯が大いに盛り上がっていますね。 とまぁ、大いに人気が盛り上がっているスポーツがある一方で、今まさに人気凋落の時を迎えているスポーツも存在します。 しかし、そんな中でも、まさに“天国から地獄へ”というような人気凋落に悲鳴を上げているスポーツがあります。 それは、大相撲です。 かつて若乃花(3代目)と貴乃花の若貴兄弟が人気を盛り上げ、空前のフィーヴァーを巻き起こしたこの日本古来のプロスポーツも、21世紀を迎えた今、深刻な人気低迷に喘ぐようになりました。
この団体は、1963年にWWWFとして設立されたもので、創立者はビンス・マクマホン・シニア。当時はニューヨークなどアメリカ東海岸を中心にしたローカル団体でしたが、やがて日本のオールドファンにもお馴染みの“人間発電所”ブルーノ・サンマルチノらスター選手を擁してからは、NWA、AWAといった老舗プロレス団体(組織)と並ぶメジャーな存在となりました。 と、ここで、プロレスファン限定の話で失礼しますが、ブルーノ・サンマルチノと関連して語られる“プロレス都市伝説”といって有名なのが、「スタン・ハンセンのラリアット首折り事件」であります。 …って、「よね」じゃありません。余談が過ぎました。WWWFです。解説の続きです。 この団体はその後、1980年代初頭にWWFと改称。やがて1982年には経営者が創業者の息子、ビンス・マクマホン・ジュニア夫妻に交代し、それとほぼ同時に大きな路線転向を実行します。 しかし、そんなWWFにも凋落の時がやって来ます。 このままジリ貧となってWWFは消えてしまうのか? そんな1998年、ビンス・マクマホン・ジュニアは再び思い切った路線変更で勝負に出ます。 やがてこの“戦うソープオペラ”には、ビンス以外のマクマホンファミリー──妻リンダ、長男シェーン、長女ステファニー──が全員参加するまでになり、オーナー家族総出の公私混同ドラマが展開されるようになりました。 ……というレスラーとオーナー一家の奮戦で再び人気絶頂に達したWWFは、2001年にとうとうライバル団体のWCWを吸収合併。さらには先立って崩壊した有力新興団体ECWのレスラーとスタッフを再雇用して、これも事実上の合併をしてしまいます。 ……と、以上が、人気凋落のピンチから見事に這い上がったスポーツ団体WWEのあらましでした。 このWWEのエピソードを見て思う事はやはり、素晴らしい思い切りの良さと、客を満足させるためならオーナー自ら汚れ役になることを厭わないその姿勢であります。さらにもっと言えば、「勝ち負け決めたっていいじゃねえか。そっちの方が客喜ぶし、面白えもん」という、ある種の開き直りにも目を見張るものがあります。 そこで大相撲です。 では、それが果たしてどういうものになるのか、次回の講義でシミュレートを実施してみたいと思います。(次回に続く) |
6月1日(土) 競馬学特論 |
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駒木:「それじゃあ、講義を始めようか」
駒木:「これはまた……珠美ちゃん、たくさん印付けたねぇ。9頭に印あるじゃない。大丈夫? そんなに馬券の手を広げて…(苦笑)」
※駒木博士の“敗戦の弁” ※栗藤珠美の“反省文” |