「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
6月30日(日) スポーツ社会学(ニュース解説特別編) |
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※お断り※ 今日の講義は「ニュース解説」との連動企画であり、駒木ハヤト本人の主観的意見が中心の内容となります。客観性を欠く部分があるかと思いますが、コンテンツの性格をご理解ください。また、文体は常体(で、ある調)となります。 ※本日付講義は6/27付ニュース解説、及び6/28付講義(特別編)の続きになります。未読の方は、まずそちらをどうぞ。 さて、本国で文字通り熱狂的なパフォーマンスを繰り広げた韓国サポーターたちの話である。 “レッドデビル”の異名をとる、赤いTシャツに身を包んだ彼らの行動は、まず真っ先に当の韓国国内で賞賛を受けた。曰く、「秩序だった行動」、曰く「サポーターの鑑であった」……などなど。 だが、W杯会期中の韓国サポーターたちの行動を俯瞰してみると、その行動のどこが「鑑」なのかと、思わず首を捻じ切らんばかりにひねりたくなる出来事が続発している。 まずは1次リーグが行われた時期の問題行動、それはリーグ緒戦・ポーランド戦の前夜から始まった。 試合まで24時間を切った真夜中のポーランド宿舎前、場違いな格好をして彼ら・韓国サポーターはやって来た。 また、スタジアムの中でも、ポーランド選手に対する敵意に満ちた振る舞いがなされ、通信衛星を通じて世界中にその様子が放映された。 しかしこれだけでは収まらない。さらにこの時期、直接試合に関係無いところでも様々な醜聞が伝えられている。 こうして、韓国サポーターの1次リーグは終了した。来るべき決勝トーナメント1回戦の相手はイタリア。波乱の1次リーグを象徴するように、強豪イタリアは、リーグ2位の枠に入ることとなった。 韓国戦を控えた最終調整のためにスタジアムを訪れたイタリア選手団は、その前に広がる光景に、思わず我の目を疑った。 “1966 AGAIN” 1966年のW杯、当時から強豪国であったイタリアは、アジアの小国・北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の前に不覚を喫し、1次リーグ敗退の屈辱を味わった。 それを、もう一度だと───? イタリアサッカー関係者の憤りは怒髪天を衝いた。この行為がフェアプレー精神、及び対戦国への配慮を欠いたものであると、イタリアサッカー協会は直ちに正式な抗議をFIFAに対して行った。当然の事である。 どうして韓国サイドはこんな馬鹿な真似をしたのか。どうやら多くの人は、「朝鮮民族が1966年に成し遂げた偉業をもう1度」という意味のキャッチフレーズとして、このフレーズを採用したらしい。まったく無邪気というか、何と言うか。 ポーランド戦からミソを付けっ放しの、試合中の韓国サポーターの観戦マナー、これはこの日も最悪と言っていいシロモノだった。 この試合の後、決勝トーナメント1回戦終了時点での“フェアプレー賞”の得点集計中間発表が行われた。 さて、次なる準々決勝のスペイン戦、ベスト16のイタリアですらああなのだから、準々決勝はどうなるのだろう、と思っていたが、この時の韓国サポーターは、イタリア戦に比べると大人しかった。酷い文句を書いた横断幕も無かったし、椅子文字があったとも聞いていない。もっとも、試合中における節操の無いブーイング攻勢は相変わらずだったので、それを果たして“大人しい”と言って良いのかどうかは微妙なところだが。 さて、この組み合わせが決まった直後から、日本のサッカーファンの間では、ある1つの懸念が浮かび上がっていた。それは、 ──そして、その危惧は現実のものとなった。なってしまったのだった。 試合前、スタジアムへ向かう途中の市街地で、韓国サポーターが誇らしげにプラカードをTVカメラの前に突き出した。そこに大写しになったハングル文字は、こう書かれていた。 「ヒトラーの息子達は去れ!」
特に最後の段落は日本人として考えさせられる部分も多いが、それについて述べるのは今ではないだろうから口をつぐむ事にする。 ナチス関連では無かったが、酷いプラカードはまだあった。ドイツ選手の遺影を作り、「敗者の冥福をお祈りします」と記したものを、またしてもTVカメラに掲げていた馬鹿者がいたのだ。不謹慎にも程がある。 3位決定戦のトルコ戦については、先に紹介した通り、トルコが朝鮮戦争時代の盟友であることもあって、極めて温和なムードの中で進行した。だが、これがもし、アメリカや日本が相手だったら、恐らくこうはならなかったであろう。この試合も、相手が友好国だったから大人しく応援していただけで、本質的に韓国サポーターが宗旨変えをしたわけではないのだ。 サポーター問題の最後に、この大会の中での韓国の日本に対する態度についての話、そして今回の2国共催についての意義についての話もしておこう。 日本のマスコミの“大本営発表”では、さも韓国サポーターが日本に対して友好的な態度で接し、自国と同じように日本を応援していたかのように伝えられているが、それは全く正反対である。日本代表を応援していた韓国人は在日韓国人の方たちくらいであって、少なくとも在韓韓国人の圧倒的多数は“アンチ日本代表”であった。 もともと今回の共催は、九分九厘日本の単独開催で内定していたものを、韓国サイドがFIFA内部での政治力を駆使して権利の半分を“強奪”したものである。最初から“仲良く共催”というわけではなかったのだ。その上、韓国が歩み寄る姿勢を全く見せなかったのだから、“友好的な共催”が成功するわけがない。それを自覚せず、もしくは自覚しない振りをして、一人相撲をとった日本のサッカー界とマスコミ。その姿は哀れなほどに滑稽であった。それは理想を追い求めていただけに余計にそう映ってしまった。 さて、韓国のサポーターについての話はこれで締めくくるとしよう。こんな連中(敢えてこう言う)が応援する韓国代表チームが不正ジャッジで偽りの快進撃を見せつけたところで、怒りと憎しみこそ湧けど、応援する気持ちになどなれなかった人が、それこそゴマンといたことがこれでご理解頂けると思う。 しかし、この問題はこれで終わりではない。 (追記7/2:韓国サポーターによる問題行動のエピソードで、まだあと2つ紹介し忘れていたものがありましたので、蛇足ながら追記させてもらいます。 ご覧のように、またしてもロングランの講義になってしまいましたので、再度中断いたします。続きは明日付の講義の中でお送りいたします(月曜日付講義に続く) |
6月29日(土) 競馬学概論 |
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珠美:「さて、ご覧のように今日は番外編となります。しかも『懺悔番外編』(苦笑)。どうしてこんな事になったかは、博士から直接説明して頂きましょう」
……頭ボケボケの未明に行った講義とはいえ、とんでもないボーンヘッドでした。
珠美:「単枠指定っていうところに時代を感じさせますね(笑)。まだ馬券が枠連しかなかった頃に、同枠馬の出走取り消しでトラブルになるのを避けたり、オッズが割れるようにする狙いなんでしたっけ?」
珠美:「あ、またイイデの馬ですね」
珠美:「一見、豪華メンバーに見えるんですけど、実はそうではないんですよね、このレースは」
珠美:「だんだん競走馬として親しみのある馬名が多くなって来ましたね」
珠美:「懐かしいというか、記憶に新しいというか、そんなレースですよね」 |
6月28日(金) スポーツ社会学(ニュース解説特別編) |
※お断り※ 今日の講義は「ニュース解説」との連動企画であり、駒木ハヤト本人の主観的意見が中心の内容となります。客観性を欠く部分があるかと思いますが、コンテンツの性格をご理解ください。また、文体は常体(で、ある調)となります。 まずは重複を恐れずに、W杯準決勝・ドイツ×韓国戦の結果を振り返っておこう。 スコアは1−0でドイツの勝利。試合内容は後でまた述べるとして、掛け値無しに素晴らしい試合であった。 その素晴らしい試合を演出した立役者は、やはり主審を務めたスイス人のメイヤー氏ということになるのだろう。90分以上もの間、一貫して極めて公平なジャッジを下し続けた彼は、まさにこの試合の最高殊勲者と言って差し支えない存在であった。 さて、審判だけでなく、本来の主役である両チームの選手たちの戦い振りについても振り返っておこう。 ◆───────◆ 今回のW杯において韓国に関する話をする時、やはり真っ先に扱うべきなのは、審判と誤審についての問題であろう。 そして、そんな誤審問題が、特に集中して降りかかったのが、ホスト国にしてアジア勢初のベスト4に進出した韓国絡みの試合であった。 まず今回の不当判定問題の発端となったのが、1次リーグ最終戦の韓国×ポルトガル戦であった。 とはいえ、この試合に関しては、その後の試合に比べると、不当ジャッジだと深く追求する声は少ない。 これまでのW杯では、第1回以来、全てのホスト国がファースト・ラウンドを勝ち抜けている。 さて、これを聞いて、皆さんはどう思われるだろうか? だから、ここで“全て”を終えていれば良かったのだ。 しかし、その後の韓国の試合では、明らかにやってはいけない事、あってはならない事が起こってしまったのだ。 …それではこれから、W杯72年間の歴史に残る汚点になるであろう幾つかの出来事、それについての話を進めてゆく事にする。 …試合終了直後から、一部の地域を除く世界全土から怒りの声が巻き起こった。FIFAには数十万通の抗議メールが殺到し、サーバーをパンクさせた。欧米のマスコミも「スキャンダルだ」と書き立てた。マスコミ連が無邪気に「韓国快挙」と報じていた日本でも、水面下では、この試合における不当ジャッジと不当な結果について糾弾する声が次々と上がっていた。 それから4日が経った。その間、先の試合に対する批判の声は、強くなれど弱くなる事は無かった。 そんな不穏な空気の中、FIFAもようやく本気で強権発動の決意をし、来るべきドイツ×韓国戦の審判を、ヨーロッパの実力あるベテラン審判で固める事に決めた。審判は中立地域から、という原則を曲げてまでの特別措置。どこまで問題が重大化していたか、これだけとってみてもよく分かる。 こうして、この不正ジャッジ騒動は一応の収拾を見た。真相解明の動きは大会終了後、徐々に始まり、そして恐らく全てが明らかになる事なく沙汰闇になるのであろうが、ここでも推測程度だが、一連の不正ジャッジについての分析をしておこう。 ……だが、これらはあくまでも推測である。必要以上に根拠の無い事を述べ立てるのは、もうこれ以上は控えておくことにする。 とにかくこれは悲劇であった。本来なら正々堂々と勝負を挑んでいった韓国代表の選手たちは同情されるべき存在だったのかもしれない。だが、残念ながらそうはならなかった。少なくとも日本のサッカーファンの多くは韓国代表に憎しみにも似た感情すら抱いた。それは何故か? では、日本の、そして世界のサッカーファンを憤慨させた韓国サポーターとマスコミの劣悪な姿は、果たしてどのようなものだったのだろうか? 申し訳ありませんが、余りにも長文になりすぎ、講義1日分のスペースでは収まりきらなくなってしまいました。続きは日曜日にお送りする事にさせてもらいます。(続編に続く) |
6月27日(木) 演習(ゼミ) |
さて、今週もゼミの始まりなのですが……。 困りました。レビュー対象作がありません(苦笑)。 ただ、先週予告しました通り、「週刊コミックバンチ」で、あの「世界漫画愛読者大賞」グランプリ受賞作・『エンカウンター〜遭遇〜』の連載が始まりましたので、そちらのレビューを行いたいと思います。 …と、いうわけで、たった1作品のレビューとなりましたが、事情が事情ですので、どうぞご理解下さい。 さて、まずは情報系の話題を少しだけ。 また、終了した2作品の穴埋めですが、これは来週から5週連続で読み切りシリーズが始まると予告されておりました。ですので、新連載が始まるにしてもその後という事になりそうです。 ……さて、それでは今週のレビューへ。1作品だけですが、全力で頑張ります。文中の7段階評価はこちらをどうぞ。 《その他、今週の注目作》 ◎『エンカウンター〜遭遇〜』(週刊コミックバンチ2002年29号掲載/作画:木之花さくや) もはやこの社会学講座とは切っても切れない関係となりました、この作品。第1回「世界漫画愛読者大賞」のグランプリ受賞作が、連載作品となって「バンチ」に再登場となりました。 作者の木之花さくやさんのプロフィールと、「世界漫画愛読者大賞」エントリー作品となった、同名の読み切り作品の内容等については、3月13日付ゼミのレジュメを参照して下さい。 さて、早速内容についてお話してゆきましょう。 そして次に、問題のストーリーです。読み切り掲載時は、話作りの基本がなっていなくてシナリオが破綻しまくっていたわけですが、果たして仕切り直しとなった今回はどうでしょうか? さて、もう結論から先に言ってしまいますが、「とりあえずはマズマズのスタートを切ったな」というところです。 あ、あと気になった点がもう1つ。
……というわけで、唯一のレビューが評価保留という締まらない形になってしまいましたが、それも正確な評価を下すためですので、どうぞご理解ください。 それではまた来週。来週は「ジャンプ」も「サンデー」も読み切りが掲載されますので、そちらのレビューが中心になると思います。 |
6月25日(火) 文化人類学 |
今日は約2ヶ月半ぶりの文化人類学講義になります。 ではまず初めに、“ちゆインパクト”後に受講されるようになった方のために、当社会学講座の文化人類学講義について説明しておきましょう。 当講座では文化人類学の一貫として、フードファイト(大食い、早食い、早飲み)を研究対象にしています。 ……では、説明が終わったところで、さっそく本題に移りましょう。 さて我が日本では、今年の春に発覚した痛ましい事故のために、現在フードファイト業界は沈滞気味であります。が、当然の事ながら海を隔てたアメリカ合衆国ではそんな影響など微塵も無く、今年も7月4日に選手権が実施されます。 そこで今回の講義は、このネイサンズ・国際ホットドッグ早食い選手権について採り上げ、また、大会直前の展望をお送りしたいと思います。 ……それではまず、このネイサンズ・国際ホットドッグ早食い選手権(以下:ネイサンズ選手権と略します)とは、どのような競技会か、というところからお話をしてゆきましょう。 このネイサンズ選手権は、世界中に現存するフードファイト競技会の中で最古、もしくはそれに近いものと思われる非常に長い歴史を持っています。 ところで、現在のネイサンズ選手権は、IFOCE(国際大食い競技連盟)なる団体が運営しています。 さて、このネイサンズ選手権ですが、ここ数年はホスト国アメリカを日本勢が圧倒する状況が続いています。 ……と、こんな歴史を歩んできたネイサンズ選手権。今年は第85回大会となります。それでは今回の日本代表選考状況と本大会展望をお送りします。 そんな注目の第85回ネイサンズ・国際ホットドッグ早食い選手権は、現地時間の7月4日正午、日本時間の7月5日未明に行われます。恐らく日本では7月5日の午前中にはCNN経由で結果と映像が見られることになると思いますので、受講生の皆さんも注目してください。 それでは、予想外に長くなりましたが講義を終わります。(この項終わり) |
6月24日(月) 教育実習事後指導(教職課程) |
すっかり間延びした展開で失礼しております。ついに5回目に突入してしまいました。出来れば7月早々には決着させたいと思っております。 これまでのレジュメはこちらから↓ さて、今日は実習生控え室でのお話をしてみたいと思います。 実習生は学校内では、原則的に現役教員に準じる扱いを受けます。朝の職員朝礼にはキチンと出席しなければなりませんし、授業が全て終わっても、俊足の帰宅部の生徒のように、チャイムが鳴り終わる頃には校門の外、というわけにはいきません。職員室には実習生用の出勤簿まで用意されていて、キチンと毎日捺印しなければなりません。実習期間中は、特別な事情が無い限り、ちゃんと8時間働くまで校内にいなければならないのです。 ただし当然の事ながら、職員室に実習生の机はありません。実習生は、控え室と称される部屋を全員で1つ与えられ、そこで授業準備などの雑務をこなす事になります。 さて、その進路指導室ですが、大体カラオケボックスのパーティルームくらいの中途半端な広さでありました。そこへ長机とパイプ椅子を人数分入れて緊急の控え室を作り上げます。 ただ、言っておきます。男女比は確かにキャバクラ状態でした。女子実習生は揃って美人でもありました。が、当然の事ながら女子実習生はキャバクラ嬢ではありません。日本国内で最も男女同権と言われる職業・公立学校教諭を目指す、勇ましい女性達であります。 ──そう、そこはまさに女の世界でありました。 ところで受講生の皆さんは、「よく、そんなに細かく役柄を当てはめられるなあ」とお思いかもしれません。しかし、答えは簡単です。実習中、ずっと「この人はどのキャラか?」と考えっ放しだったのです。 それは、宮下佳奈。ドラマでは櫻井敦子が演じた、大人の女の色気をパチスロのモーニングサービスの様に大放出する、“フェロモン女王”というキャラクターです。 ん〜、残念だなあ。あと一息なのに…… ……それは実習期間を半ばも過ぎた時に催された、恩師を交えたプチ同窓会の席でした。会場は、せっかく全員成人したのだからと居酒屋となりました。 ──さて、いかがだったでしょうか? 受講生の方で教育実習を経験された事のある方はどんな控え室の雰囲気だったのか、また談話室でお話を聞きたいと思います。 |
6月23日(日) 文献講読(小説) |
※この講義は小説です※ 「──おぉ、お疲れさん」 |
6月22日(土) 競馬学特論 |
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珠美:「いよいよ春シーズン最後のG1レースになりましたね。宝塚記念の直前予想です」
駒木:「他の印はバラバラなのに、どうして本命だけカブっちゃうかな(苦笑)」
※駒木博士の“勝利宣言&講義の訂正(苦笑)” ※栗藤珠美の“喜びの声” |
6月21日(金) 教育実習事後指導(教職課程) |
講義の開始が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。どこがどう調子が悪いと言うわけではないのですが、どうも全体的にバイオリズムが悪いようで……。 通常、教育実習が始まってから2〜3日までは、一日中、教室の後ろで現役教員の授業を見ることになります。 そもそも、どうして昔はダメ教員が多かったのかというと、これは終戦直後の混乱期からベビーブーム世代の就学期にかけての長い間、学校現場は慢性的な人手不足に陥っていたからなのです。 閑話休題。 さて、このT先生のさらに凄いところは、自分がそれだけ素晴らしい授業をされるのに、しきりに駒木に「他の先生の授業も精一杯見せてもらうようにして下さい」と言って下さった事でした。それだけではなく、「このN先生は生徒に評判の良い日本史の先生だから」と、別の先生を紹介して下さったりもしました。 さて、時間が時間ですので今日の講義はこれまで。次回は実習生控え室の話などをしたいと思います。(次回へ続く) |
6月20日(木) 演習(ゼミ) |
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それでは今週のゼミを始めます。今週は「週刊少年ジャンプ」に代原が2つ掲載された事に加え、「週刊ビッグコミックスピリッツ」からも佳作を“発掘”できましたので、久々に充実したレビューをお送りできるのではないかと思います。 さて、ではまず情報系の話題から。「週刊少年サンデー」の月例賞・「サンデーまんがカレッジ」3・4月期分の結果発表がありましたので、まずはそれからお送りしましょう。
さて、「サンデー」と言えば、ヒットメーカー・ゆうきまさみさんの『KUNIE』が、次号30号で打ち切り(←恐らくですが)終了となります。 打ち切り&新連載といえば、「ジャンプ」の次期打ち切り争いが、ますます熾烈になって来た感がありますね。今期新連載の内、『ヒカルの碁』と『プリティフェイス』はどうやら人気面から続行が濃厚。つまり以前からの連載作品がその分ワリを食う事になります。 さて、それではレビューに移ります。今回は「ジャンプ」から3作品、そして“その他”枠から「週刊ビッグコミックスピリッツ」の1作品をレビューします。
☆「週刊少年ジャンプ」2002年29号☆ ◎読み切り『ジュゲムジュゲム』(作画:いとうみきお) 2000年から2001年にかけて、『ノルマンディーひみつ倶楽部』を連載していた、いとうみきおさんの復帰作となります。 さて、作品のレビューに移りましょう。 まず絵柄なんですが、以前に比べて若干洗練された感じがします。ただ、これは以前からの特徴なのですが、やや絵に動きが感じられ難いような気がします。多分これは“止め絵”っぽいコマやシーンが多いからなのだと思いますが。 次にストーリーです。 最終的な評価はBにしたいと思います。佳作・秀作の一歩手前という感じの作品で、この評価に留めざるを得ないのは非常に惜しい気がします。次回作でのリベンジを期待しましょう。 今週号はなんと4作品が休載。まるで「週刊ヤングマガジン」のような状態になってしまいました。一昔前の「ジャンプ」なら考えられないお話ですが、これも時代の流れなのでしょうか? さて、そんな休載ラッシュの中、代原が2作品掲載されました。まずはその内の1作品目、先日発表された赤塚賞(2002年度上期)で佳作を受賞した『あつがり』からレビューしていきましょう。 まずは絵柄なのですが、ハッキリ言って発展途上ですね。というか、サインペンでペン入れした作品に佳作を出しちゃう赤塚賞っていうのも、ある意味凄い話だと思いますが(笑)。 次に内容。これは赤塚賞受賞作ですので、一応はギャグマンガの範疇に入るのだと思いますが、どうもギャグ作品としてはかなりインパクトが弱い気がします。一応はボケとツッコミが成立していて、ギャグマンガのスタイルにはなっているのですが、ギャグがギャグになりきれていない感じがしますね。 評価はB−。前途は多難ですが、磨けば良いモノを持っている人だと思いますので、挫折すること無く精進してもらいたいですね。 代原の2作品目は、なんと先週に引き続いて、問題(のある)作『しゅるるるシュールマン』です。このゼミでは4回目の登場となりますね。 しかし、どうしてこんな低レヴェルの作品がこうも度々掲載されるのか、駒木は不思議でなりません。他に載せる作品が無いだけなのか、それとも担当者が懸命にプッシュしているからなのか……。 ところで先日、とあるマンガ家志望の受講生さんからメールを頂きました。そこには、 ・゚・(ノД`)・゚・
で、今回の『──シュールマン』についてのレビューですが……。 相変わらずシュールには程遠い普通のギャグ。しかも勝負ネタで大コケしてしまい、比較的キレている小ネタが全然活きて来ないという最悪のパターンです。さらには離島に住んでる人に失礼な表現までやらかしてしまい、駄作以前のシロモノになってしまっています。 それに、今回気が付いたのですが、クボさんは、ギャグをセリフだけに頼りすぎているような気がします。 評価は当然ながらC。今後、この『しゅるるるシュールマン』が掲載されたとしても、余程劇的な内容の変化が無い限り、もうレビューは行いません。これ以上この作品について述べる事は、駒木にも受講生の皆さんにも利益が無いと思いますので。
《その他、今週の注目作》 ◎『立位体前屈物語』(週刊ビックコミックスピリッツ2002年29号掲載/作画:河谷眞) 6月6日付ゼミで、小学館の「新人コミック大賞・少年部門」で大賞受賞作が出たとの結果報告をしたのですが、実はヤング部門にも大賞受賞作が出ていました。それが、この『立位体前屈物語』でした。 さてこの作品、体力測定テストでお馴染みの立位体前屈を1つの競技スポーツに仕立て上げてしまったらどうなるか? というテーマで一本の作品に仕上げてしまったと言う怪作です。 評価は卓越したセンスとオリジナリティを高く評価してAを進呈。新人マンガ賞の読み切り作品としては間違いなく最高ランクに推せるものです。
……というところで、今週のゼミを終わります。次回はいよいよ、このゼミとは因縁の深い『エンカウンター』が新連載となります。当然レビューで扱う予定ですので、お楽しみに。 |
6月18日(火) メディアリテラシー特論 |
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今日の講義は、今月10、11日に実施した講義である、メディアリテラシー特論・「『探偵ファイル・電脳探偵マル秘レポート』に対する論題〜宮村優子裏ビデオ解題」の続編・後日談的なものとなります。 11日付講義で予告しました通り、駒木は「探偵ファイル」の『──マル秘レポート』担当である山木さん宛にメールを送付し、講義で取り上げた疑問点と問題点について釈明を求めました。 それでは、以下に山木さんからのメールを全文掲載させてもらいます。本来ダイレクトメールを公の場に発表する事は、かなりキワどい行為ではあると思うのですが、今回は事情が事情だけに、どうかご理解頂きたいと思います。
……以上です。 さて、このメールに関して、駒木にも言いたい事は少なからずあるのですが、敢えてこの場では発言を差し控えたいと思います。その代わり、受講生の皆さんでこのメールの中身を吟味し、是非を判断し、価値を測定し、皆さんなりに、このメールに対するメディアリテラシーをしてもらいたいと思います。これはこの講義で皆さんに出題する宿題です。 談話室(BBS)でも発言しましたように、ここで駒木の山木さん(「探偵ファイル」)からのメールについての意見を発表したいと思います。 まず、どうして昨日の時点で駒木がコメントを出さなかったのか、また、ダイレクトメールをネット上に公開する事の是非について書いておきたいと思います。 初めに、どうしてコメントを出さなかったのか、という事についてです。 そして今回、昨日までの意見を覆しててコメントを発表する理由ですが、これは、談話室での皆さんの意見を伺う内に、いくらどんな理由があるとは言え、この問題の当事者である駒木がコメントを出さないという事は無責任極まりないと感じるようになったからです。やはりメールを受け取った本人として、何らかのコメントを出しておくのが“スジ”である、そう考えたからです。 次に、ダイレクトメールをネット上で公にする事についてです。まず初めに言っておきます。このメールをネット上で公開する事は「探偵ファイル」さん、および山木さんには無断です。許可は取っていません。だから「キワドイ行為」と書いたわけです。本来、私信を無断で公開する行為は、少なくともマナー違反であるとは思います。 理由を述べます。まず、今回のメールは純粋な私信ではなく、メールの第1段落にありますように、「『探偵ファイル』にて広報業務および、コンテンツの編集をしている山木」さんから、つまり任意団体の渉外担当者からのメールです。一般企業に喩えれば「株式会社○○広報担当××」さんからのメール、という事になります。これはダイレクトメールであるとは言え、かなりパブリックな性格を持つメールと言って良いと思います。この種のメールは、必要に応じては公にしても良いと考えるのが駒木の考えです。 ……以上の理由から、今回はメール全文公開という形に踏み切りました。その辺の事情をご理解いただければ幸いです。 さて、それではメールについてのコメントですが、まず有り体に言うと、「見事にあしらわれたな」といったところでしょうか(笑)。もっと影響力の大きなサイトで騒ぎになったりしたら、対応も違ったのでしょうが、まぁ、妥当な所ではないかと思います。想定内の回答でありました。むしろ、わざわざメールを返信していただいた事に感謝すらしているくらいです。 ただ、内容に関しては納得し難い点がいくつかありますので、蛇足を承知で段落ごとに少しずつコメントしていきたいと思います。 まず、第3段落から。 第5段落。これは、クレームは記事で取り上げられた当事者からのみ受け付けます、ということだと解釈できます。まぁ正論でしょう。アクセス数が1日700〜800程度のサイトのツッコミにいちいち答えてられるかってところなのかもしれません。ただ、そうした正論で疑問点や問題点をウヤムヤにされてしまったのは残念です。 第6段落。 ……で、結論なのですが。 駒木からのコメントは以上です。先程も述べましたが、これは駒木個人の意見に過ぎません。いつも講義でお送りしている客観的な情報ではなくて、あくまで主観的な意見です。ですから、情報判断の自己責任云々は別にして、“これはたった1人の人間の意見表明に過ぎない”という認識をお持ちいただけるようお願いします。 それでは、長々と話しすぎました。これで本当にこのシリーズを締めくくりたいと思います。ご清聴、ありがとうございました(この項終わり) |
6月17日(月) 教育実習事後指導(教職課程) |
早くも3回目だというのに、実習そのもののエピソードに突入する気配が全く無くて恐縮ですが、もうしばらくご辛抱を。次回あたりからお届けできると思います(笑)。 とりあえず、これまでのレジュメはこちらから↓ ……さて、今日は引き続きオリエンテーションの模様からです。 さて、まずは校長先生のお話。こんな事、現役教員である駒木が言うのもアレですが、実習生の立場に戻って言わせて貰いますと、いきなりの睡魔登場であります。 さて、その校長先生、講話だけなら良かったのですが、自分の話が終わった後、実習生全員に「実習に臨むに当たっての抱負を話してみろ」という御無体な指示をお出しになりました。もうその校長先生は定年退職なさってますので好き勝手言いますが、まったくとんでもないジジィであります。 結局それからしばらくの間、会場は初心者が謡う詩吟発表会、もしくは泡沫候補の政見放送のような様相を呈する事となってしまいました。それに対して、校長が更に当り障りの無い講評など付けるものですから、場の空気が固まる事、固まる事……。 流すなよ、おい! (´口`;)/ まったく、お前はランナーが2塁にいる時のイチローか! ……などといった、はしたないツッコミをカマしたい気分に駆られてしまいました。 冷えた空気を引きずりながら、続いて生徒指導部長の講話となりました。 「万引きとか、タバコね。法律で禁じられてるのは(指導するのに)手っ取り早いんやけど、ピアスとか茶髪みたいに、そうやないのが問題でねぇ。 いやー、生徒に聞かせてあげたかったですな、この講話。あ、いや、本当に聞かせたらダメなんですけれども。 駒木、この話を聞いて、学校の先生たちをちょっと見直しました。(クドいようですが、バイト塾講師兼教育実習生の立場に帰ってます) 駒木が所属していた学習塾グループの中に、見るからに「教育に命懸けてます!」という先生がいらっしゃいました。まさに“純粋まっすぐ”という形容があてはまる方で、教育業界に入らなかったら、おそらく共産党にでも入って、決して当選できない国政選挙に挑み続けるような人でありました。 ただまぁそれならそれで、厳しいのがその先生1人だけで、他の先生がフォローに回るなら構わないんですが、困った事にこの“天命”が部下のバイト講師にまで降り注いでしまうんですよね。その“純粋まっすぐ”先生が室長を務める教室の講師全員が“純粋まっすぐ”という、思わず起こった失笑も引き攣ってしまう状況に陥るわけです。 あ、言い忘れておりました。こんな話もあります。 まぁ、そんなわけで、この辺りから早くも駒木の脳裏には「塾よりも学校で働く方が、やり甲斐ありそうだな…」という発想が浮かぶようになったのでした。そしてその心は、実習が進むに連れて益々大きくなっていったのですが、その辺の話はまた次回以降にて。(次回へ続く) |
6月16日(日) 文献講読 |
※この講義は小説です※ マウンド上のピッチャーがセットポジションに構え、じいっと3塁ランナー中林を睨みつけた。 ピッチャーの視線がバッターボックスの方へ向けられた。いよいよ初球である。ただ中林は、いくらなんでもここでいきなりヤマ場が訪れる事はないだろうと考えていた。彼は普通より少し浅めのリードのまま、“待ち”の姿勢をとる。 |