「社会学講座」アーカイブ
※検索エンジンから来られた方は、トップページへどうぞ。
講義一覧
4/29(第7回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(4月第5週分・前半) 4/24(第6回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(4月第4週分) 4/20(第5回) 文化人類学(大食い関連)「祝・大食い復活! テレビ東京系『大食い王決定戦』TV観戦レポート」(2) 4/16(第4回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(4月第3週分) 4/15(第3回) 文化人類学(大食い関連)「祝・大食い復活! テレビ東京系『大食い王決定戦』TV観戦レポート」(1) 4/10(第2回) 社会史「プロ野球ガイジン助っ人“放火魔”投手・今昔」 4/8(第1回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(4月第2週分) |
2005年度第7回講義 |
|||||
すっかりご無沙汰してしまいました。 ──それでは、4月最終週のゼミをお送りします。今週は「ジャンプ」関連(というか、『武装錬金』関連)でお話する内容が特に長くなりそうですので、急遽前・後半に分割して実施したいと思います。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では次号(23号)に『大宮ジェット』(作画:田村隆平)が掲載されます。 ◎「週刊少年サンデー」では次号(24号)に『ザスパ草津物語 〜夢は枯れない〜』(作画:向後和幸)が掲載されます。
今週は「サンデーまんがカレッジ」の発表がありましたが、それに先立ちまして、先々週からずっと紹介し忘れておりました、「ジャンプ十二傑新人漫画賞」の方からお届けします。
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい)
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ◎努力賞の瀬戸カズヨシさん…04年前期「新人コミック大賞・少年部門」で最終候補、04年7月期「まんカレ」であと一歩で賞。 「十二傑」では、見るからに絵の達者さが目立つ彩崎廉さんがデビュー権をゲット。今期の連載入れ替えが巷の噂通り“3in・2out”なら、本誌の読み切り枠が削られてしまいますので、受賞作掲載は「赤マル」夏号という事になりそうですね。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年21・22合併号☆ ◎読み切り『BE A HERO!!』(作画:吉川雅之) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 あと残念だったのはプロットですね。色々と設定面で趣向を凝らしていても、こちらが手垢が付き過ぎた「技を1〜2個覚えただけの素人が、その道のエキスパートを怒りのパワーで薙ぎ倒す」では、結局“どこにでもある平凡な話”になってしまいます。 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ ネット界隈では2週間ほど前から未確認情報が流されていましたが、今週号で『武装錬金』が連載終了となりました。完結編を「赤マル」夏号に発表する猶予は与えられたものの、山積みになった伏線を全て回収する事は事実上不可能で、有り体に言って実に中途半端な打ち切りと言わざるを得ないでしょう。 それにしても青天の霹靂と言うべき打ち切りであります。掲載順(=アンケート人気)は連載以来下位に低迷していたとは言え、単行本の初版は推定30万部台後半。年に4冊出版するとして、軽く年間4億円以上の安定した売上げが計算できる“優良債権”であるはずのこの作品がバッサリと切られてしまう…というのは、普通は有り得ない話ですからね。 ……さてさて、愚痴は尽きませんが、個人的な話としても、今回の打ち切りは「残念」の一言に尽きます。 この『武装錬金』については、駒木は新連載第3回のレビュー時に、世界観やキャラクター設定の完成度の高さを激賞しつつも、以下の懸念材料を指摘していました。
……手前味噌ながら、そのまんまですね(苦笑)。これだけで、この作品の回顧が済んでしまうような気もします。まったく、こんな予想なんて当てたくなかったです。 第3回の時点で駒木が抱いた『武装錬金』の印象は、誤解を恐れず言うと「よく出来た伝奇物エロゲー」でした。「抜群の正義感を持つ少年が、卓越した特殊技能を持つが心と過去に闇を持つ少女の戦いに巻き込まれる形で出会う」…という、変形の“ボーイ・ミーツ・ガール”物です。 しかしながら、この作品は作者サイドが余りにも“バトル系少年マンガ”を意識し過ぎたために、読者の多数が求めたとされる(単行本のライナーノーツより)日常生活が疎かになってしまう結果に。また、斗貴子の“ヘソチラ”を描くだけで心中にピンクタイフーンが吹き荒れる超奥手の作者(同じくライナーノーツより)にかかっては、カズキと斗貴子の関係も終盤までお茶を濁した状態で放置されてしまいました。 この作品の最終評価は完結編終了後まで保留します。「赤マル」で与えられるであろうページ数で“軟着陸”は望むべくもありませんが、評価を下すのは、せめて最後を見届けてからにしたいのです。 ◎『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』(作画:西義之) 一時はバトル系作品に路線変更かと思われたのですが、第10回までの評判が良かったのか、今後は“感動路線”と“VSエンチュー編”の両睨みで進行してゆくようですね。まぁどちらにしろ、次号で巻頭カラーを獲得する程に人気は高値安定傾向にあるようです。 ◎『魔人探偵脳噛ネウロ』(作画:松井優征) クオリティそのものには変化がありませんので、一応評価は据え置きとしました。
|
2005年度第6回講義 |
講義の遅延、情けない限りであります。昨晩は高校講師の仕事関連で終電まで呑みの付き合いがありまして、講義の準備どころじゃありませんでした。他のヨタ話はともかく、マンガ評論は酔っ払ったままでやるのは失礼ですしね……。 ──これに関連するような、しないような、なんですが、今年は昼間の仕事の方が去年よりも忙しくなる事が確定しまして、こちらに割ける時間が更に減ってしまいます。簡単に言うと、拘束時間が1日平均1〜2時間長くなってしまうので、その分研究室に居られる時間が削られるわけです。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では次号(21・22合併号)に『BE A HERO!!』(作画:吉川雅之)が掲載されます。 ◎「週刊少年サンデー」では次号(22・23合併号)より『クロス・ゲーム』(作画:あだち充)が新連載となります。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年20号☆ ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週の「ジャンプ」は読み切り・新連載が無いのでレビューは無し。この欄で『ユート』の連載第10回・評価見直しのみをお届けします。 ◎『ユート』(作:ほったゆみ/画:河野慶) 1ランクの大幅ダウン修正となりました。 ☆「週刊少年サンデー」2005年21号☆ ◎新連載(連載再開)第3回『うえきの法則プラス』(作画:福地翼)《連載再開第1回掲載時の評価:A−寄りB+》 ●絵についての所見(第1回時点からの推移) ●ストーリー&設定についての所見(第1回時点からの推移) 憧れる強さと共感できる弱さを併せ持つ、読み手の感情移入をスムーズに誘導できる主人公。そして、その性格設定を活かした目的意識のハッキリしたストーリー展開は、明快で読後感も良いものに仕上がっています。これは大変に良い部分です。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週はこのコーナーで採り上げる対象になる作品はありません。
……というわけで、今週はショート・バージョンでお送り致しました。来週分では、新連載に読み切りのレビュー、そして恐らくは大変に気の重くなる最終回の総括と、内容充実の一本になるのではないかと思います。では、また。 |
2005年度第5回講義 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◎前回までのレジュメはこちらから→ 第1回 お待たせしました。「大食い王決定戦」の大会後半のレポートをお届けします。 それでは、レポートへ移ります。今回も少々ドライな“大食い競技解説者”モードに入りますので、文体は常体、人物名は原則として敬称略となります。 ☆3回戦(本戦2日目朝)・水戸 納豆巻き30分勝負 ※ルール:1本20cmの納豆巻き(100g)を、30分でどれだけ完食出来るかを競う。最下位1名が失格。 赤阪尊子VS藤田操の伝説の名勝負でもお馴染み、「大食い選手権」時代からの定番食材・巻寿司で争われる3回戦。具が好き嫌いの極端に分かれる納豆だったが、主催者側の目論みは外れて(?)、極端に納豆が苦手そうな選手は居なかった。 スタート良く飛び出したのはやはり藤堂。今大会のペースメーカー役がすっかり板について来た。他の選手も自分のペースで順調に本数を重ねてゆく。
上位3人は終盤完全にクルージング状態に入っていたが、いつの間にか山本がトップ通過。競輪の番手チョイ差しのような余裕綽々の戦い振りで、この辺り、自分の胃容量を知り尽くしている人間は強い。 ☆準決勝(本戦2日目夜)・江ノ島「江之島亭」しらす丼45分勝負 ※ルール:1杯300gの釜揚げしらす丼を、45分でどれだけ完食出来るかを競う。下位2名が失格。 準決勝は、これも「大食い選手権」以来の定番である、御飯物・丼勝負。毎回好記録が飛び出すラウンドとあってか、山本の口から「20杯(6kg)完食宣言」が飛び出した。 序盤のペースを握ったのは、やはり藤堂で、このラウンドでも最初の「おかわり」コール。以下1杯完食は、泉、嘉数、山本、山口の順。
ようやくリミッターを外したか、山本が5kgオーバーの好記録で堂々のトップ通過。とはいえ、かつては楽々クリアしていた6kgにまるで辿り着けなかったのは少々不満ではある、長期ブランクが影響しているのだろうが……。
☆決勝(本戦3日目)・神奈川「なんつッ亭」ラーメン60分勝負 ※ルール:規定の具をトッピングされたラーメンを、60分でどれだけ完食出来るかを競う。なお、火傷防止の名目で、スープ及び少量のネギは残しても良いことになっている。 決勝は伝統の丼物麺類60分勝負。競技の見栄えといい、積み上がった丼の壮観さといい、やはり決勝はラーメンでないと盛り上がらない。 ──では、決勝の競技の模様をお送りする。
優勝は大本命・山本卓弥。あの忌まわしきドクター・ストップの悪夢から3年、あの日に置き忘れた栄冠を漸く頭に戴いた。全ラウンドを通じて余裕綽々の戦い振りで、意気盛んなルーキー達を横綱相撲で寄り切った。 準優勝は泉拓人。最後は完敗に終わったが、それでも新人戦の平均的な優勝者とほぼ同格のパフォーマンスを見せてくれた。今後も出場者のレヴェル次第では好成績が期待出来る逸材であると言える。 3位の藤堂敬太は、胃容量の限界もあったが、序盤のハイペースが後になって大きく響いたようだ。いくら何でも01年のオールスター戦の白田、射手矢以上に飛ばしていては、後が続くはずも無い。 ……こうして、復活第1回となった今大会は山本卓弥の優勝で幕を閉じた。中断前最後の大会の優勝候補筆頭が、再開第1回目の優勝者となる…という連続性は、不可抗力の産物とは言え、我々コアなフードファイト・ファンにとって非常に感慨深いものであった。前回のレポート冒頭で述べた通り、主催者側のスタンスに不満は多々あれど、全体的に見れば成功の部類に入る大会だったのではないだろうか。 我等が愛する大食いは永遠に不滅なり。こう高らかに宣言し、今回のレポートのまとめとさせて頂こう。 ……というわけで、3年ぶりのTV関連レポート、如何でしたでしょうか。楽しんで頂けたら幸いです。 |
2005年度第4回講義 |
いきなりで恐縮ですが、今週から「週刊少年マガジン」で始まった新連載・『ヴィンランド・サガ』(作画:幸村誠)をご覧になりましたでしょうか? 『プラネテス』で有名な幸村誠さんの作品、しかし初めての週刊連載。ネット界隈でも大きな期待と共に一抹の不安も抱かれているようですが、もし第1回のクオリティが今後も続くなら、これはとんでもない傑作になるやも知れません。 ──と、いきなり講談社の回し者になったような挨拶で失礼しました(笑)。公務多忙で遅くなりましたが、今週の「現代マンガ時評」をお送りします。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 今週は、新連載・読み切りについての情報、及び新人賞関連の情報は特に有りませんでした。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年19号☆ ◎読み切り『大泥棒ポルタ』(作画:北嶋一喜) ●作者略歴 ●絵についての所見 北嶋さんが「天下一漫画賞」で準入選を受賞した決め手は、確かダイナミックな構図と演出だったはずなんですが……。ここで今一度初心に戻り、自分の独創性の豊かさを再確認すべきなのかも知れませんね。 ●ストーリー・設定についての所見 また、作品全体の出来映えを左右する大きなカギと言える、宝物を盗み出すためのトリックに大きな問題点がありました。作品内では「7時55分と針が示す大時計を、時計ごと傾けて8時00分に見せかける」…という事になっているのですが、これは実際にはそうなりません。 結局のところ、力を入れるべき所を完全に間違えてしまった作品…といったところでしょうか。結果的にトリックも人間の心を描いたドラマも中途半端で終わってしまって、残念なクオリティの作品になってしまったような気がします。 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週も『銀魂』はギャグが絶好調。言語センスの鋭さは相変わらずですし、今回は“間”の取り方が特に絶妙でした。個人的には、もう少しストーリー要素が強いエピソードの方が良いと思うのですが、これはこれで非常に楽しめました。 『ユート』は漸く大きくストーリーが動き出しました。女コーチが「阿寒スプリント1000M7位」と「1分42秒58」というキーワードに大きく反応するあたりが“ほった節”というか、マイナー競技モノならではの巧いハッタリの利かせ方ですよね。 『HUNTER×HUNTER』は、全ページにまともな絵が入っているという非常に珍しい光景が。一体いつ以来の事なのか、誰か調べてくれませんか?(笑) ☆「週刊少年サンデー」2005年20号☆ ◎読み切り『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』(作画:曽山一寿) ●作者略歴(参考資料:インターネット百科事典・ウィキペディア) ●絵についての所見 「サンデー」では明らかに浮いた絵ですし、純粋な一枚絵として見た場合には「高いクオリティ」と言うのに強い躊躇を覚える事も事実です。が、小学生以下を対象にしたギャグ作品の絵として極限まで完成されたものと言えるのではないでしょうか。 ●ギャグについての所見 ただ、やはり1コマの大きさが非常に大き過ぎ、ネタの絶対数・密度が物足りなくなったのは否めませんでした。ここまでネタ数が少ないと、1つのネタが笑えないだけで作品全体に対する印象も大きく異なってくるので、この点では相当損をしているのではないでしょうか。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 個人的には今週号の目次、『結界師』→『でんぢゃらすじーさん』という並びのコントラストが頭にガンガン響きました(笑)。頭を使って読ませるよう設計された作品の次に、頭を使わないでも笑えるよう設計された作品ですからね。 『いでじゅう!』では、新キャラクター登場。テーマは“普通の人”でしょうか。いや、“変になりたい必要以上に普通の女の子”って既に変なのかな? ……んーまぁメガネっ子だから良しとしましょう。 ──といったところで、ちょっと控えめですが今週はこれまで。2ch界隈の情報によると、今月中にもかなり覚悟を持って臨まなければならない事態がやって来そうですが、とりあえず先伸ばし出来る事は今日しない方針で邁進する予定ですので、どうか何卒(笑)。 |
2005年度第3回講義 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今週初めに開講当初風の講義をお届けしましたが、今日は開講当初の看板講義であった大食い番組のTV観戦レポートをお届けします。時間の都合で2回に分けての実施となりますが、何卒ご了承下さい。 なお、レポート中の駒木は“大食い競技解説者”モードに入りますので、文体は常体、人物名は原則として敬称略となります。 レポート本文に先立って、今回の大会についての概要と雑感を記しておこう。 まず、今大会は「TVチャンピオン」枠を外れ、大会名称も「大食い選手権」ではなく「大食い王決定戦」となったが、競技の内容や進行フォーマットは「選手権」とほぼ同様のものだった。放送当日午後に「選手権」時代の出来事も絡めた番組宣伝も行っており、事実上の“続編”という認識で良さそうだ。 「選手権」時代からマイナーチェンジを施された点としては、これまで前半ラウンドを中心に採用されていた完食勝負方式──制限時間内に規定量を完食した全員がラウンド通過となる──が事実上廃止された事が挙げられる。今回は全てのラウンドで、そのラウンドの記録下位1〜2名が脱落していく形式となった。大食い版の「アメリカ横断ウルトラクイズ」とでも言うべきだろうか。 ただ、番組全般に、いかにも腫れ物に触るようにして大食い競技という“火種”を扱っているような雰囲気が漂っていたのは、仕方ない話とは言えやや興醒めであった。「健康第一」「(死亡事故の原因となった)早食いは禁止」というアナウンスはともかくとして、一生懸命頑張っている選手に対し、「焦らないで」「負けてもいいじゃない」と水を差すのは、さすがに……。 ◆東京地区予選◆ ☆「桃太郎すし本店」寿司大食い(30分) ※ルール:2カン1皿の寿司を30分でどれだけ食べられるかを競う。寿司は2カン1皿単位で、ネタを自由に注文できる。 3年ぶりの大食い競技会の幕開けは、やはり東京は高円寺にある「桃太郎すし本店」から。大食い競技の歴史に名を残した“英雄”の殆どが、この店から巣立って行った、大食い競技会の聖地とも言うべき店である。 さて、競技中の様子だが、スタート当初こそ“賑やかし担当”のタレント・プロレスラー勢がハイペースで寿司を頬張り気勢を上げたものの、10分もすれば当然のように失速。中盤以降は、平均ペースでうずたかく皿を積み重ねてゆく“本物”のルーキー達に主役が移った。 ──東京予選からの本戦出場者は以下の通り。なお、個々に付けたコメントは映像資料を参考に駒木が独断で記した。
※参考記録:名選手の「桃太郎すし」予選通過記録 ◎泉拓人…年齢非公開、170cm42kg。 ◎土屋智子…21歳。 ◎山口尚久…30歳。 ◎横森弘一…38歳。 ◆大阪地区予選◆ ☆「十八番」たこ焼き大食い(30分) ※ルール:6個1皿のたこ焼き(150g)を30分でどれだけ食べられるかを競う。完食個数上位3名が本戦に進出。 3年前の前回大会に続いて2度目の開催となった大阪予選。正確な出場者数は不明だが、ゼッケン番号が90番台まで確認出来たので、賑やかしのタレント勢を含めて最低でも100人弱の参加者があったのではないか。
◎山本卓弥…21歳。3年前のデータでは169cm56kg。 ◎藤堂敬太…21歳。 ◎嘉数千恵…3年前のデータでは155cm50kg。 ◆大会本戦◆ ☆1回戦(本戦初日午前)・宇都宮「みんみん」ギョーザ30分勝負 ※ルール:6個1皿(150g)のギョーザを30分でどれだけ完食出来るかを競う。最下位1名が失格。 スタート直後から各選手勢いよくギョーザを口に運んでゆくが、中でも土屋、泉、藤堂の3選手が速い。目まぐるしく順位を入れ替えながら皿を重ねてゆき、10分も経たない内に藤堂が10皿1番乗り。土屋、泉も続く。
藤堂・泉の東・西ルーキー2人が1、2位を分け合った。30分でギョーザ3kg台は極めて平凡な記録ながら、終盤のスローペースを見る限りでは、まだまだ余裕残しの戦い振り。この時点では能力の底が知れない。
☆2回戦(本戦初日夜)・前橋「とんとん広場」キャベツ千切り45分勝負 ※ルール:本来は豚カツの付け合せとして出されるキャベツ(1皿150g)を、45分でどれだけ完食出来るかを競う。最下位1名が失格。なお、キャベツと一緒に豚カツも供されるが、こちらはいくら食べても記録には無関係。 大量に食べている所を観ても、全く羨ましく思えない食材を…という、「日曜ビッグスペシャル」時代からの伝統を受け継いだテーマ食材で争われる2回戦。各選手、豚カツには目もくれず、ひたすらキャベツを塩やドレッシングで味付けしてバリバリと噛み砕いてゆく。
今度は東西の予選トップの2名、山本と泉が首位を分け合った。特殊な食材だったために記録は伸び悩んだが、このラウンドも余裕綽々の通過といったところ。特に山本は、3年前に大会初日で無理をし過ぎてリタイアに追い込まれた経験から、意識的にセーブしているようにも見受けられた。 ……といったところで今日のところは時間切れ。また週明けに3回戦から決勝までの模様をお届けします。どうぞお楽しみに。(次回へ続く) |
2005年度第2回講義 |
||
無性に血が騒いでしまいまして、今夜は急遽、業務縮小前のような講義を軽く一発カマしてみたいと思います。2年以上前からのベテラン受講者の方は、昔を懐かしんで、最近から受講されている方は当時のチャランポランなヌルい空気を今日の講義から感じ取って頂きたければ幸いであります。 さて、今日の講義は、タイトルにも挙げました通り、プロ野球の外国人助っ人選手のお話であります。それも“放火魔”投手、つまり優れたリリーフ投手であるところの“火消し役”と対極の立場にある、勝ちゲームを力技で負けにしてしまうピッチャーについて、今昔を語ってみようかなと、まぁこういうわけです。 ……あ、どこからともなく「ミセリ」という声が聞こえてきましたね。それも35年ローンで買った新築の家が欠陥住宅だった事を知らされたお父さんのような悲痛な声です。ゲート直後に馬券の軸にしてた馬から騎手が落馬した時の悲鳴にも似たトーンですね。 すっかりネタバレしてしまいましたが、まずお話する“今”の話が、巨人の新入団外国人投手・ミセリの散々な働きぶりについてであります。 このミセリ、メジャーリーグで35Sという微妙なキャリアを背負って来日したのでありますが、開幕前の早い段階からケチが付き始めました。何しろオープン戦8試合に登板して防御率5.63、しかもオープン戦終盤の西武戦では押し出し四球などで1回5失点という悲惨な成績。このままミセリを公式戦のマウンドに登板させた場合の行く末は、森進一・昌子夫妻の今後と等号で結ばれるであろうと容易に想像出来るものでありました。 ……と、ちょっと話が逸れましたが、こうして開幕前からダメ外人の烙印が押される寸前のミセリだったのですが、これが何の因果か抑えの切り札役に任命されてしまいます。多分、巨人ファンの皆さんは、渡辺満里奈ファンが名倉潤に対して抱いたのと同じ感情を持たれたことでしょう。なんでお前やねん、と。 この全身全霊を捧げてネタまみれになったミセリを、ネット界隈が放っておくわけがありません。2ch掲示板には、たちまち秀作のアスキーアートが乱舞してゆきました。
……というわけで、天空の城も崩壊させる勢いのミセリでありますが、実は日本のプロ野球史には、彼をも凌ごうかという勢いの迷プレーヤーが存在しました。今から16年前、ヤクルトスワローズに入団したアイケルバーガーがその人です。 今でこそ野村克也─古田敦也の師弟の尽力によって優勝争いも出来る球団になったスワローズですが、80年代のこの球団は典型的な弱小球団で、6位で当然、5位で御の字、4位は優勝に等しい大健闘…といった有様。幼少の頃からヤクルトファンだった駒木は、随分と肩身の狭い少年時代を過ごしたものでした。 ──ところで今回講義をするに当たり、ミセリ&アイケルバーガー級のダメ投手を探してみたのですが、やはりそこまでの“逸材”はなかなか見つかりませんでした。 あ、それでも全く違う意味で「使えない」選手が見つかりましたので、この講義のサゲ代わりに紹介したいと思います。 その選手は62年に大毎(現:ロッテ)に来日した登録名をマニーという投手。登板成績も12試合29イニングに登板して勝ち負け無しの防御率3.72とパッとしなかったのですが、もっと使えなかったのは無難な登録名に隠された本名の方でした。その名も、
フランク・マンコヴィッチ
……いやはや、凄い名前ですね。コとヴの間を区切って読んでしまうと取り返しが付きません。しかもご丁寧に、上の名前も太めのソーセージを連想させる語感と来ています。さすがに実況中継(特にラジオ)の事を考えると本名は使えないですよね。 ──などとオチが付いたのかどうか微妙ではありますが、これで講義を終わりたいと思います。失礼致しました。(この項終わり) |
2005年度第1回講義 |
今年度最初の「現代マンガ時評」をお送りします。今年度から有名無実と化していた“分割版”のフレーズを削除致しまして、原則週1回の講義実施とさせて頂きたいと思います。 ……さて、固い話はここまでにしまして。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では次号(19号)に『大泥棒ポルタ』(作画:北嶋一喜)が掲載されます。 ◎「週刊少年サンデ−」では次号(20号)に『絶体絶命でんじゃらすじーさん』(作画:曽山一寿)が掲載されます。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年18号☆ ◎読み切り『TEAM』(作画:宮本和也) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 それでも、主要登場人物の設定は(ステロタイプには変わりありませんが)よく練られていると思います。天然ボケ系・野生児的ながら好感度の高い性格&使い勝手の悪い能力を持つ主人公がいて、この主人公と様々な面で相互補完関係にあるパートナーを配置する…という発想は、なかなか気が利いていると思います。 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 最近今更ながら「何やかんや言ってても、このマンガ凄ぇなあ」と思いながら読んでるのが『ONE
PIECE』です。スケールの大きな、しかも綿密に練られたプロット、シリアスとコメディのバランス、読み手が混乱を来たさないギリギリの線を追求した登場人物数と、なるほど伊達に「ジャンプ」の看板背負ってるわけじゃないなぁ…なんて感じる事が多くなりました。 連載開始以来最長のエピソードが終わったばかりの『銀魂』は、前回までのエピローグも兼ねて久々の一話完結型コメディ。これまで築き上げた設定をフルに活用しての、総決算的エピソードといったところでしょうか。腕の良い若手芸人のショートコントのような“傍観者からのボキャブラリー豊かなツッコミ”が冴えまくっていて、楽しませてもらいました。 ☆「週刊少年サンデー」2005年19号☆ ◎新連載(連載再開)『うえきの法則プラス』(作画:福地翼)《正編終了時の評価:B+寄りB》 ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ただ、惜しむらくは、相変わらずバトルが小細工的な駆け引きに終始していて、“戦い”というより“底抜け脱線ゲーム”になってしまっているところ。もっと高度な戦略性や、戦力的劣勢を気迫でカバーしての大逆転劇など、今後はもっとスリリングな攻防が展開される事を望みます。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週巻頭カラーの『名探偵コナン』では、平次から「お前の周り、事件起き過ぎとちゃうんか?」という、読者なら誰もが思っている事を代弁してくれる名ゼリフが出現して爆笑。やっぱり作者ご本人も同じ事を考えていたんですね。 『ワイルドライフ』には、どこをどう見ても最近ラジオ局のオーナーになった小デブな人をモチーフにしたキャラが登場。ただ、このマンガの悪い所はネタを考えたら、その「思いついた」という時点で止まっちゃう所なんですよね。モデルにした人物像の掘り下げが甘くていけません。 何だか手仕舞いのようにも見えた最近の『こわしや我聞』ですが、どうやら次のエピソードに続くことになりそうですね。それにしても、せっかく集めた仙術使いの面々がまるで影の薄いまんまだったのは残念でした。この辺の構成力を付ける所なども、掲載順巻末脱出のカギになって来ると思うのですが。
|