「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
10/31(第40回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(10月第5週分) 10/22(第39回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(10月第4週分) 10/21(第38回) 競馬学特論「ディープインパクト三冠なるか? 菊花賞直前プレビュー」 10/15(第37回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(10月第3週分) 10/7(第36回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(10月第2週分) |
2005年度第40回講義 |
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丸一週間遅れで失礼しております。先週末はどうしてもこちらに時間を全く割けない状況になってしまい、止む無く「レポート」の方で告知をさせてもらいました。 では取り急ぎ、既に先週分となってしまった10月5週分のゼミを始めます。今日の講義で対象となるのは「ジャンプ」47号、「サンデー」48号ですので、お間違えの無いようにお気を付け下さい。なお、今回も「ジャンプ」増刊レビューはお休みさせて頂きます。まったく、『HUNTER×HUNTER』や『うえきの法則』に文句言う資格無いですね……。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ※今週は、新連載及び読み切りの情報はありませんでした。 ★新人賞の結果に関する情報 この週は、「サンデーまんがカレッジ」の審査結果発表がありました。夏休みと重なる時期だけに、応募作はかなり多かったそうですが……。
受賞者の皆さんのキャリアは以下の通りです。 ……応募作の割には入賞作は少なく、最終候補作品すら4編という大不作。新人不況が続く「サンデー」の現状を表すような8月期結果となりました。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年47号☆ ◎新連載第3回『大泥棒ポルタ』(作画:北嶋一喜)《第1回掲載時の評価:B−》 ●絵についての所見(第1回時点からの推移) ●ストーリー・設定についての所見(第1回時点からの推移) とにかくシナリオにしろ、脚本にしろ、熟考に熟考を重ねるべき所で、それを明らかに怠っているように思えます。ストーリーを形として成立するところで終わっている、絶対妥協してはいけない所で妥協しているような作品…といったところでしょうか。これでは、いくらストーリーが形として成立している作品とはいえ、高い評価を出せるはずがありません。 ●今回の評価 ◎読み切り『キャディーガール瞬』(作画:後藤竜児) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 ●今回の評価 ◎読み切り『番長(バカ)決定戦』(作画:相原成年) (受講生の皆さんへ:この作品は評価Cとなりました。結果的に読み手の感情を損ねる論調のレビューになっている恐れがあります。この作品のレビューをご覧になるかどうかは皆さんでご判断下さい。) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 正直な所、いくらノルマとは言え、この作品を熟読した上で評論するのは大変に苦痛な作業でした(苦笑)。 ●今回の評価
──というわけで、今週は3作品レビューしてB−評価が最高という、喋ってる方も苦痛極まりないゼミになってしまいました。よく誤解されるんですが、駒木は出来る事なら全作品ベタ褒めしたいと思ってるんです。ただ、現実がそれを許してくれないという……。 まぁ愚痴っぽくなってしまいましたが、何とか1回分のゼミを終える事が出来ました。この調子で遅れを取り戻して行きたいと思います。では、また今週中にお会いしましょう。 |
2005年度第39回講義 |
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ご存知の方も多いでしょうが、第3回「コミックアワード」特別金賞受賞作・『絶対可憐チルドレン』が遂に単行本化となりました。どうやら既に中小規模の書店では売り切れ続出、小学館でも早々に増刷を決定するという、まずまず好調なスタートを切った模様です。 次に「コミックアワード」のグランプリ枠推薦ですが、先週辺りから特定の1作品が票を重ねて頭1つ抜け出した形となりました。その候補作品はまだ未読なのですが、今から“審査”が楽しみです。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では、次号(47号)に、読み切り『キャディーガール瞬』(作画:後藤竜児)が掲載されます。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年46号☆ ◎新連載第3回『べしゃり暮らし』(作画:森田まさのり)《第1回掲載時の評価:A−寄りB+》 ●絵についての所見(第1回時点からの比較) ●ストーリー・設定についての所見(第1回時点からの比較) あと、ここまで気になる点としては、主人公・圭右に読み手が感情移入するための“取っ掛かり”が少ない点ですね。“人の迷惑顧みず、変人の域まで辿り着いた笑わせたがり”というキャラクターに共感させるというのは、かなり難しいテーマだと思うのですが……。 ●現時点での評価 ◎読み切り『闘魂パンダーランド 〜学業立志編〜』(作画:ポンセ前田) ●作者略歴 ●絵についての所見
……から殆ど変わっていません。そろそろ絵柄が良くも悪くも固まって来た感もありますね。 ●ギャグについての所見 ポンセ前田さんの作品は、学校が舞台になると『クロマティ高校』に雰囲気が酷似する特徴を持っていますが、今回も“パンダ版メカ沢”みたいなコンセプトの作品になりました。が、悪い意味で「似て非なる」を地で行く内容になってしまっています。 あとはこれも相変わらずなのですが、ネタの密度が薄いのです。笑いに繋がらないような遣り取りも律儀過ぎるぐらい律儀に描いてしまうため、ページ辺りのネタ数がが減ってしまうのでしょう。 ●今回の評価 ◎読み切り『たいして良い思い出もできそうにない学校生活』(作画:伊藤直晃) ●作者略歴 ●絵についての所見 が、今回掲載分では、残念ながらそうも行かず、絵のマズさがギャグにも悪影響を与える程になってしまいました。動的表現や集中線などの特殊効果があまりにも拙く、せっかくの動きが有るはずのオチが映えないネタが目立つ結果に。 ●今回の評価 ☆「週刊少年サンデー」2005年47号☆ ◎読み切り『織田信夫』(作画:飯島浩介) ●作者略歴 ●絵についての所見 今作で問題なのは、肝心なネタの内容。余りにもベタ過ぎるというか、先の読める予定調和な展開ばかりだったような気がします。また、ページ配分やコマ割りのテンポがギクシャクしており、本来盛り上げるべき所で盛り上がらず、終わり方も中途半端に映りました。 ●現時点での評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週のチェックポイントは、『見上げてごらん』の連載30回評価見直し。確かに掲載順は上を見上げなきゃならない位置に落ちて来ましたが…… ◎『見上げてごらん』(作画:草場道輝) 今回も評価据え置きとしました。
──というわけで、今週のゼミを終わります。正直、代原のレビュー2つというのは精神的にキツいです(苦笑)。“させられてる感”が物凄いので、出来る事なら勘弁してもらいたいのですが……。 |
2005年第38回講義 |
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珠美:「講義の場では、随分とご無沙汰しておりました。当講座助手の栗藤珠美です。
珠美:「まずは博士、このメンバーを俯瞰しての雑感をお願いします」 |
2005年度第37回講義 |
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現在募集中の「コミックアワード」ワイルドカード推薦ですが、既に2票獲得=予備審査推薦決定が3作品出ております。ただ、昨年度の『おおきく振りかぶって』のように票が集中する作品はなく、票は完全に割れ気味ですね。 なお、推薦の募集は11月末まで続行します。推薦要件を満たす良い作品をご存知の方は、是非とも熱き1票を駒木のメールボックスへ。 ──それでは、ゼミを始めます。今週も「ジャンプ・ザ・レボリューション」のレビューをお送りするつもりですが、時間と駒木の余力の関係上、先週同様に日曜〜月曜に追加振替の形を採るか、独立したミニ講義を実施する事になると思います。ご了承ください。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では、次号(46号)に、読み切り『闘魂パンダーランド 〜学業立志編〜』(作画:ポンセ前田)が掲載されます。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ◎十二傑賞の平方昌宏さん…04年11月期「十二傑」で最終候補。04年3月期「十二傑」にも投稿歴あり。また、現在通学中の専門学校のサイトに写真とインタビュー掲載中(9/27付)。 ……今回は、過去の最終候補者の再チャレンジ大会となった模様です。偶然か、慣例か、こういう月が年に数回ありますよね。まぁ7〜8月は学生さんにとっては夏休みなので、「総合的に応募作が多くなる→手馴れた投稿経験者がどうしても上位に来る」という図式なのかも知れませんが。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年45号☆ ◎新連載『大泥棒ポルタ』(作画:北嶋一喜) ●作者略歴 ●絵についての所見 ただ、顔面・バストアップのコマが多めで構図は相変わらず単調に映りますし、集中線の引き方がズレているのか、動的表現に迫力が全く感じられないのは大きな問題ですね。全体的にどのコマも止め絵臭いので、決めのシーンの見栄えも今ひとつ。インパクトに欠ける画面構成に陥っている感は否めません。 ●ストーリー・設定についての所見 次にプロトタイプ版以来、この作品の“肝”の部分となっているトリックですが、今回は「赤マル」掲載版の焼き直しとなる牢破りでした。当時からネット界隈の評判は今ひとつだったと記憶していますが、まぁ見たところ致命的な矛盾は無いようですので、これ自体を減点材料にする事はありません。 また他にも、主人公・ポルタの“偽悪人”描写の中途半端さなど、誌面の至る所から“生温さ”のような物が漂う第1回だった…という感が強く残りました。新連載不作の続いた02〜03年にタイプスリップしたかのような錯覚を覚える、前途多難の船出と言えそうです。 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週は『タカヤ』の連載20回評価見直しです。 ◎『タカヤ -閃武学園激闘伝-』(作画:坂本裕次郎) 打ち切られた“同期”2作品を尻目に3クール目に突入したこの作品ですが、ここへ来て唐突に格闘技トーナメントが開幕するテコ入れが実行されるなど、順調とは言えない現状のようです。この分かり易いテコ入れ、以前は「ジャンプ」のセオリーだったのですが、最近では珍しいですね。 さて、その“勝負”テコ入れ後の内容ですが、残念ながら、やや低調と言わざるを得ません。どこからどう見ても『DRAGON
BALL』の天下一武闘会か『グラップラー刃牙』の最強トーナメント編、というオリジナリティの欠如は拭い難く、それをさておいても、登場選手のキャラクターの弱さ、先の読めてしまうトーナメントのマッチメイク構成、更には戦闘シーンそのものの淡白さと、ネガティブな要素満載な内容に終始しています。 評価の上方修正は、バトルの特化で低水準のドラマが無くなった分だけ減点材料が消えたから…と解釈して下さい。悪意と受け取られたら不本意なのですが、まぁ駒木はそれぐらいこの作品をクオリティ面で買ってないと考えてもらっても構いません。 ☆「週刊少年サンデー」2005年46号☆ もう御馴染みという感じで、『うえきの法則プラス』が休載&代原掲載。最近の「サンデー」は、カテナチオな編集方針なので、貴重なレビューの機会ではあるんですが……。でもどうせレビューするなら連載経験者の重厚な読み切りが読みたいんですよね。 ◎読み切り『天晴れ! 半ケツ侍』(作画:遊眠) ●作者略歴 ●絵についての所見 ネタのクオリティも疑問が残りますね。ボケよりも何の工夫の無いツッコミの方が強調される構成になっていたり、言葉の使いまわしの工夫が乏しかったりと、笑いの間口を狭めよう、狭めようとしているように見えてしまいます。とにかくネタの見せ方で大きく損をしているという印象ですね。 ●現時点での評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週のチェックポイントは、連載第30回を迎えた『ブリザードアクセル』の評価見直しです。 ◎『ブリザードアクセル』(作画:鈴木央) 相変わらず微妙な評価の表現で恐縮ですが、実質0.5ランクの上方修正です。ビギナーが成長していくスポーツ物作品にとっては難関の序盤を突破して、完全にお話が軌道に乗って来た感じです。 現在はまだ地味な佳作…といったところですが、今後一気に大化けする可能性も秘めた、期待の一作です。世間的には全く注目されていない作品ではありますが、こういうマンガこそ、当ゼミがプッシュしていきたいですね。
──というわけで、とりあえずレギュラー企画はここまで。この後は、「ジャンプ」増刊レビューをお送りします。今週は2作品のレビューとなります。 ◆「ジャンプ the REVOLUTION」レビュー(2)◆ ◎『マジシャンズ ジャッジメント』(作画:尾崎裕一) ●作者略歴 ●絵についての所見 ただ、動的表現にぎこちない面もあり、アクションが必要な所で迫力に欠けるなど、手放しで褒めるには躊躇を覚えてしまいます。また、老若・美醜の描き分けが極端過ぎ、リアル系の絵柄とマンガっぽいディフォルメの施された表現が混在しているのも、余り良いとは思えません。 また“『必殺仕事人』型復讐モノ”のシナリオにしては、読み手に与えるストレスとカタルシスの振り幅が小さかったように思えます。あんまり大き過ぎると、それはそれで読み手がエグさに引いてしまうので問題ですが、エンターテインメント性を追求するなら、ある程度の残酷さも必要不可欠なはずです。 ●今回の評価 ◎『World 4u_』(作画:江尻立真) ●作者略歴 ●絵についての所見 しかし、この手の都市伝説や怪談話はショート・ショート的な簡潔さが求められ、その分ホラーやスプラッタとしてはキャラクターの作り込みやシナリオの練りこみが不足しているモノが殆どです(勿論例外もありますよ)。実在する語り手がいて、「本当にあった話である」というノンフィクション性・現実味があって初めて成立するエンターテインメントであります。 そういうわけで、とりあえず今回はマンガ形式の“企画募集PR記事”と判断した方が良いのかな…という印象です。こんなコンセプトで描かれたマンガにエンターテインメント作品としての評価を下すのはちょっと気の毒ですね。 ●今回の評価
……何とかかんとか、今週分もお届けする事が出来ました。全ての面において限界が切迫しているのを感じるこの頃ですが、今の自分のモチベーションでやれる事を、許される最大限の範囲で、やりたいように積み重ねていきたいと思っています。どうか何卒。 |
2005年度第36回講義 |
今週も世を忍ぶ仮の本業の方へエネルギーを削り取られて消耗しきっている駒木です。中間テストの試験問題作りが修羅場状態でして、どないにもならんわという状態で……。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では、次号(45号)より『大泥棒ポルタ』(作画:北嶋一喜)が新連載となります。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年44号☆ ◎新連載『べしゃり暮らし』(作画:森田まさのり) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー・設定についての所見 ……しかし、どうなんでしょう、今回に限って言えば、何とも言えぬ話のスケールの矮小さと演出過剰の“クサさ”が気になって仕方ありませんでした。 あと、主人公が次々と放つギャグの扱いも難しいところですね。森田さんはコメディ要素の高い作品も難なくこなす、ギャグのスキルも高い作家さんではあるのですが、それでも本職で専業のお笑い芸人やギャグ作家さんと伍して行こうとするには限界があるでしょう。 ●現時点での評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週のチェックポイントは、まず先週ウッカリとチェック漏れしていた『ムヒョ』の連載40回評価見直しから。それから『太臓』の連載10回評価見直し、そして残念ながら今回で連載終了となった『切法師』の連載総括を実施します。 ◎『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』(作画:西義之) 高い水準での評価据置としました。 ◎『太臓もて王サーガ』(作画:大亜門) こちらも評価は据置としました。 ◎『切法師』(作画:中島諭宇樹) 2クール・18回で無念の打ち切り終了。クオリティそのものは、第10回時点から大きな変化はありませんでしたが、ストーリーが尻切れトンボで終わったのを重く見て評価を更に1ランク下げました。 ──それでは、この後は増刊レビューの第1回目をお届けしましょう。今回は目次順で3作品のレビューです。 ◆「ジャンプ the REVOLUTION」レビュー(1)◆ ◎『エンバーミング -DEAD BODY and BRIDE-』(作画:和月伸宏) ●作者略歴 ●絵についての所見 数少ない問題点としては、美醜のコントラストが大き過ぎる、捨てキャラ的な悪役の造型がインパクトの割に適当さがにじみ出ている…など、『るろうに』時代からの傾向が未だに抜けきっていない事が挙げられるでしょうか。しかしそれも微細なもので、総合的に見れば十分「ジャンプ」のトップクラスに位置する水準だと申し上げて良いでしょう。 それはさておき、今作のデキ具合についてですが、 特に目を引くのが脚本と演出の上手さ。 ただ、今回は作者ご本人が「所謂パイロット版のつもりなので投げっ放しな所が多々ある」と認めておられるように、ストーリーに関して言えば、やや中途半端な内容で終わってしまったかな…といったところです。シナリオ、世界観、キャラクター、戦闘シーンの各要素いずれもが掘り下げ不足で、それぞれの魅力を描ききる前にページが尽きてしまったように感じました。ワンフレーズでまとめれば「消化不良」の一言に尽きるでしょう。 ●今回の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 長所・短所併記の原則から、少しでも指摘できる問題点でも有るかなと探してみたのですが、見つからなかったですね(笑)。読み手の好き嫌いの問題に委ねられる点を除いた技術的な面では、敢えて挙げるような欠点は無いのではないでしょうか。 ●ストーリー・設定についての所見 しかしその間の、冒頭シーン後からクライマックスの戦闘シーンまでの中盤部分では、一転してクオリティが急落した感があります。 とにかく、今回は下ネタに頼り過ぎたのが最大の敗因で、その次が御都合主義の看過でしょうか。下ネタ・お色気そのものに対して「志が低い」とかベタな事を言いたくはありませんが、それがストーリーのクオリティを押し下げてしまったら、「そりゃ本末転倒だよ」とは言いたくなってしまいます。 ●今回の評価
●作者略歴(参考:河下水希・桃栗みかんファンサイト「OVER
DRIVE」他) “河下水希”名義でのデビュー作は週刊本誌00年19号の『りりむキッス』で、これは同年48号より連載化されたが、2クール24回で打ち切り終了となる。 ●絵についての所見 ●ストーリー・設定についての所見 当ゼミで言えば典型的な“名作崩れの人気作”ですね。この手の作品には、完成度の高さとプロのお仕事を認めつつも、否定的なニュアンスで評論を行うのが常なのですが、今回は番外編ということでもありますので、これくらい軽いノリの方がむしろ良いのかも知れません。 そもそも、本編よりもよく出来たシナリオをここで投入されても逆にアレですからね(笑)。 ●今回の評価
──というわけで、今週は都合4作品のレビューをお届けしました。今後も週に1〜2作品のペースでお届けできればと思います。それでは、また。 |