「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
2/28(第58回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(2月第4週分)
2/21(第57回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(2月第3週分) 2/12(第56回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(2月第2週分) 2/7(第55回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(1月第5週/2月第1週分) |
2005年度第58回講義 |
2月最終週のゼミをお送りします。「赤マル」レビューも、「コミックアワード」関連も無くなってホッとしたのも束の間、読み切りは載るわ代原は載るわで、いきなりレビューが指折り数えて4本。30符以上なら満貫確定です。本当、楽したい時に限って楽させてくれませんなぁ。 一足先に休載に入った『HUNTER×HUNTER』なんかでも、よく「サボってる」と非難されますが、大手出版社経由のカネとマンパワーさえあれば、原稿を間に合わせるだけなら何とでもなっちゃうんですよ、実は。編集とアシスタントが協力すれば完全代筆だって出来ちゃうわけです。実際「ジャンプ」でも、公然の秘密状態になってる『きまぐれオレンジロード』や、秘密にすらなってない本宮ひろ志作品全般など前例もありますからね。 ──それはそうと、既にネット界隈では広く話題になっていますが、凄かったのが「小学館漫画賞」の作者受賞コメントでしたね。あれほど正視に堪えない文章は、綾辻行人のスプラッタ・ホラー『殺人鬼』シリーズ以来でした。消火器のホースを口に突っ込まれ、その中身を一気に胃と肺に噴射されて爆死した看護士のシーン以来の衝撃がここに。 「編集の書いたシナリオに従って絵を描けば、印税で億万長者!」 酒井ようへいさんの前途にエールを送りつつ、2月最終週のゼミを開始します。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」では、次号(13号)より、『妖逆門(ばけぎゃもん)』(ばけぎゃもん)』(ばけぎゃもん)』(作画:田村光久/原案強力:藤田和日郎)が新連載となります。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2006年12号☆ ◎新連載第3回『ツギハギ漂流作家』(作画:西公平)《第1回掲載時の評価:B−》 ●絵についての所見(第1回掲載時からの推移) まず1点目が、顔のアップばかりで単調な構図。動きが感じられない絵が延々と続くので、説明的なセリフの連続が輪にかけて冗長に感じられてしまいます。 決して見苦しくは無い絵柄なのですが、もう少し細かい配慮をしてもバチは当たらないと思います。 ●ストーリー&設定についての所見(第1回掲載時からの推移) また、1話ごとの小エピソードの内容も、総じて内容希薄で、しかも一本調子。第3話のウナギ鮭を掴まえる話にしても、「何故ウナギ鮭なのか」というギミックが皆無なために、話を楽しむ以前に「何故?」という風になってしまいます。最後の見せ場は上手く決まっていただけに、余計に勿体無いですね。 ●今回の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 まとめますと、全体的な印象としては、細かい“ジャブ”ばかりに終始し、文字通りパンチ力不足の20ページ余だったように思えました。ギャグ作品の評論には大きく主観が入ってしまうので、果たして読者全体の多数意見になっているかどうかは分からないのですが……。 ●今回の評価 ◎読み切り『タロ・ザ・フューチャー』(作画:大江慎一郎) ●作者略歴 ●絵についての所見 背景処理や動的表現などはソツが無くなって来ましたね。ただ、トーン貼りやそれに準ずる表現がまだ少々粗いのは気になりました。特にスクリーントーンは種類の少ない手持ちで何とか工夫しようとして、それが出来ていないのが分かってしまい、ちょっと興醒めです。 ●ギャグについての所見 磨けば良くなりそうな部分もあるのですが、そこを悪い意味でカモフラージュしてしまう要素が多い現状でしょうか。プッシュしたくてもうーんちょっと……と思わせてしまう、そんな作品になってしまいました。まぁそんな作品だから代原でもないと載らないのだ、という事なのでしょうが……。 ●今回の評価
◎新連載『ハルノクニ』(作:浜中明/画:中道裕大) ●作者略歴 ※中道裕大さん ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ストーリーの展開のさせ方では、伏線を盛んに用いた演出や、決めゼリフを要所に盛り込んだ脚本など、こちらもなかなか良くまとめられています。全体的な技術レヴェルも高いと言えます。 まだ全体としてはプロローグ的なエピソードの最中ですので、今後一気に作品の見方が変わる事態が起こるかも知れません。が、今のところは「一定の水準にあり、よくまとめられたストーリー・設定ではあるが、オリジナリティの欠如が著しく、全てを借り物で組み合わせたような作品」という評価をせざるを得ませんね。 ●現時点の評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週は『聖結晶アルバトロス』が10回の区切り。この忙しい時ですから、評価変更なしならパスしたかったのですが……。 ◎『聖結晶アルバトロス』(作画:若木民喜) 1段階の下方修正としました。根拠としては、延々と設定の提示が続く間延びした展開、またなかなかストーリーの軸が見えて来ないまま、毎回同じようなパターンが続くシナリオ構成などです。
──というわけで、2月分のゼミも一応これで終了し(正確に言えば3月第1週に2月最終週が混じってるのですが……)、いよいよこの後は「コミックアワード」となります。 |
2005年度第57回講義 |
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たびたびの1週遅れで失礼しております。 ゼミを始める前に、先に今後の日程について。 ──それでは、ゼミの模様をお送りします。今回も変則進行で、レジュメの準備が出来た分から随時追加してゆくという形を採らせてもらいます。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では、次号(12号)に読み切り『新・沖田はつらいよ 〜空次郎サラダ記念日〜』(作画:ポンセ前田)が掲載されます。 ◎「週刊少年サンデー」では、次号(12号)より、『ハルノクニ』(作:浜中明/画:中道裕大)が新連載となります。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ◎十二傑賞の藍本松さん…05年10月期「十二傑」にも投稿歴あり。 ──さすがは「ジャンプ」というか、今回も10代〜20代前半の受賞者が目立ちます。文字通りの青田刈りですね。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2006年11号☆ ◎新連載『メゾン・ド・ペンギン』(作画:大石浩二) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 ただ、純粋なテクニックやセンスに関しては非凡な所も多々見受けられました。絵だけでなく文字をビジュアルとして見せる表現や、いわゆる考えオチのレヴェルの高さは特筆モノ。更に“間”の使い方や起承転結のつけ方、「ツンエロ」などといった飛躍した発想など、その端々にポテンシャルの高さを窺わせてくれる作品ではありました。 ●今回の評価 ☆「週刊少年サンデー」2006年11号☆ ◎短期集中連載最終回総括『グランドライナー』(作画:吉田正紀)《第1回掲載時の評価:A−寄りB+》 ●絵についての所見(第1回掲載時からの推移) ●ストーリー&設定についての所見(第1回掲載時からの推移) あと気になったのが、先述した内容と多少被るのですが、脚本でした。セリフのことごとくがストーリーを進行させるための手段になっていて、人間味が全然感じられなかった点。小学館の編集者は、作家を無視して好き勝手にセリフを書き換える…なんてエピソードが『失踪日記』(作画:吾妻ひでお)に載ってましたが、そういうのも疑ってしまいたくなるような、無機質なセリフの羅列ばかりが目立ちました。 全体的に見て、シナリオ・世界観の高い完成度がエンターテインメント性に繋がっていない、大変に勿体無い作品になってしまったな……といったところでしょうか。 ●今回の評価
──さて、引き続きまして第4回「仁川経済大学コミックアワード」の最終ノミネート作品発表に移りたいと思います。 まずは皆さんから推薦を頂いた、グランプリの“ワイルドカード”枠ノミネート作品の発表からお送りしましょう。既に再三お知らせしていますが、「得票2票以上」という推薦要件を満たした作品は以下の5作品となりました。
……今回も多数の推薦、誠に有難うございました。日々のノルマに追われて視野が狭くなりがちな現状、このような形で多くの名作・佳作を知る機会を与えて下さったこと、改めて御礼申し上げます。 では、これよりノミネート作品となりました2作品のレビューをお送りします。それでは一気にどうぞ。 第4回「仁川経済大学コミックアワード」 ◎『皇国の守護者』(作:佐藤大輔/画:伊藤悠/「ウルトラジャンプ」連載中) ●作者略歴 ※伊藤悠さん ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 まず特筆すべきは、オリジナリティ溢れる世界観。現実世界では近代にあたる時代の軍事技術をベースに架空戦記としての設定を作り上げ、そこへ天龍や導術といったファンタジー的な要素も大胆に取り込んで、極めて完成度の高い“リアリティのある架空世界”を構築しています。 そして何よりこの作品の優れている点は、「戦争」というモノに内包されている様々な要素──格好良さ、惨めさ、残酷さ、厳しさ、ユーモラスさ──を、そのいずれも欠かすことなく描き切っている事でしょう。そこには陳腐なイデオロギーは微塵も無く、ただただ戦争という極限状態のありのままが読み手の前に提示されます。 ●現時点の評価
◎『ヴィンランド・サガ』(作画:幸村誠/「週刊少年マガジン」→「アフタヌーン」連載中) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 また、キャラクター設定も素晴らしい完成度です。 これらの極めて完成度の高い設定にも支えられ、シナリオの内容にもスキが有りません。設定上、ヴァイキングたちの戦いに次ぐ戦いの連続がストーリーの中心となるのですが、そこへ主人公・トルフィンと敵役・アシェラッドの複雑な関係がもたらす人間ドラマや、一筋縄ではいかない輩同士の権謀術数の凌ぎ合いなど、様々な要素を絡ませ、立派で重厚なストーリーに仕上げています。 そして何よりも魅力的なのが、迫力あるバトルシーン。「息詰まる攻防」とはこの事を言うのか…と思わせるような、スピード感溢れるアクションと高度な駆け引きが、僅かな緩みもスキもなく展開されています。 誰でも素直に作中世界に没入でき、肩の力を抜いて楽しめるエンターテインメント。しかしそれだけでは終わらせず、目の肥えたマニア層や、本格的な歴史好きの高度な要求にも耐え得る奥の深さも兼備。これもまた、名作と呼ぶに相応しい作品と申し上げておきましょう。 ●現時点の評価
……それでは、他の部門賞も含めて、最終ノミネート作品を発表することにしましょう。
……以上のようになりました。授賞式当日をどうぞお楽しみに。それでは、今日のゼミはこれで終わります。 |
2005年度第56回講義 |
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今回も変則進行で参ります。日付は12日付としますが、限られた時間を有効に使いながら、何日かに分けて追加振替の形でレジュメを完成させていくつもりです。 ……それでは、ゼミを始めます。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」では、次号(11号)より、作者負傷のため休載中だった『金色のガッシュ!!』が連載再開となります。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2006年10号☆ ◎新連載『ツギハギ漂流作家』(作画:西公平) ●作者略歴 ●絵についての所見 その一方で、新人時代以来の欠点である動的表現の拙さが、ここに来てまた酷くなっているのが大変気になりました。人物のポーズが固いのと、動作の起点と終点の間の過程を省いて描いているのが原因でしょうが、大ゴマで決めたシーンまで迫力不足になってしまうのは、演出上大きな問題と言えます。 ●ストーリー&設定についての所見 また、この懸念材料を目立たせてしまったのが脚本の拙さでした。とにかく読み手に伝えたい事を全て文字にして、それを余さず登場人物のセリフに転化しまっている状態で、まるで『渡る世間は鬼ばかり』か調子の悪い時の『DEATH
NOTE』みたいです。 そして、設定を語る事に力点を置き過ぎた結果、当然の事ながらシナリオは全く物足りないクオリティに。一応小じんまりながらまとまっているものの、「小悪党がひとしきり悪態をついた挙句、主人公にアッサリ退治される」という、こちらも出来損ないの読み切り作品のような薄味の内容となってしまいました。 奇抜な設定にいわゆる「面白さ」を感じた読み手には一定の評価を得られるでしょうが、それだけで誤魔化すにしても限界があるでしょう。次回からの数話でどれだけ内容のあるシナリオが描けるかどうかが、この作品の連載回数を決定付ける重要なカギとなって来そうです。 ●今回の評価 ☆「週刊少年サンデー」2006年10号☆ ◎読み切り『タイムチャンプルー』(作画:麻生羽呂) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー・設定についての所見 あ、あと、過去からやって来た侍に見せかけて、未来からやって来たサイボーグだった…というギミックとミスディレクションは良かったと思います。こういう趣向が1つ有ると、作品の内容にグッと深みが出て来ますよね。 ●今回の評価 ◆「赤マルジャンプ」06年冬号レビュー(4)◆ 必要以上に長々とお送りして来た「赤マル」レビューですが、今回が一応の最終回。残る作品の作者略歴紹介と短評をお届けします。 ◎読み切り『BUG』(作画:西嶋賢一) ●作者略歴 ●短評 ◎読み切り『SKET DANCE』(作画:篠原健太) ●作者略歴 ●短評 ◎読み切り『バクリアン』(作画:普津澤画乃新) ●作者略歴 ●短評 ◎『トライ・アゲイン』(作画:宮田大介) ●作者略歴 ●短評 ◎『格闘王子RIKIDO』(作画:松雪ヨウ) ●作者略歴 ●短評 ◎『刀無』(作画:平方昌宏) ●作者略歴 ●短評 ◎読み切り『ワンダー少年和ん田〜さん』(作画:田辺洋一郎) ●作者略歴 ●短評 ……というわけで、4回になってしまいましたが、「赤マル」レビューをお送りしました。今回は巻頭に『武装錬金ピリオド』が載るという、かなり若手作家さんにとっては厳しい誌面構成でしたが、それでもA−評価が2作品、B+も2作品と上々の内容だったと言えるでしょう。
去年までの若手作家さんが軒並み連載作家になってしまったので、その分新人作家さんの読み切りがタマ不足になってしまったのが残念でしたが、長編作品賞やグランプリなどでは骨太の作品が揃い、なかなかの好勝負になりそうです。どうぞ発表をお楽しみにお待ち下さい。 それでは、今週のゼミを終わります。 |
2005年度第55回講義 |
今回も無念の周回遅れです。まったく、落としてるジャンプ作家さんを馬鹿に出来ませんね。 もう愚痴ばかり吐いてないで、とりあえず、さっさと進行しましょう。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では、 ◎「週刊少年サンデー」では、次号(10号)に読み切り『タイムチャンプルー』(作画:麻生羽呂)が掲載されます。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2006年9号☆ ◎読み切り『イケてる便器』(作画:伊藤直晃) ●作者略歴 ●絵についての所見 まぁ、デビュー前の作品ですから、今となっては過去の過ち。この時の反省を踏まえて、今後の創作活動に繋げてもらいたいと思います。 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週のチェックポイントは連載終了となった『大泥棒ポルタ』の総括を。 ◎『大泥棒ポルタ』(作画:北嶋一喜) 『ぷーやん』以来、久々の1クール打ち切り。溜まりに溜まっている掲載順低迷作品をごぼう抜きにして、文字通りの“突き抜け”となりました。 ☆「週刊少年サンデー」2006年9号☆ ◎読み切り『THROW OFF』(作画:佐久間力) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー・設定についての所見 ただ、惜しむらくは前半と後半で主人公がまるっきり別人格の人間になってしまっている事。冒頭からハンドボール部入部までの傍若無人ぶりと、試合シーンで見せた心境の吐露を繋げる伏線が全く無いために、心の動きが不自然というか作者の都合丸出しになってしまいました。 ●今回の評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週は『クロスゲーム』が第2部20回を迎えました。ストーリーの動きの小さい作品で、語るポイントを見つけるのも一苦労ではあるのですが……(苦笑)。 ◎『クロスゲーム』(作画:あだち充) 連載が通算30回を迎えて、漸く一軍×二軍の紅白戦が始まると言う、相変わらずの超スロー展開。『おおきく振りかぶって』が高速展開に思えるスピードですね(笑)。大御所作家だからこそ許される所業であります。 ◆「赤マルジャンプ」06年冬号レビュー(3)◆ 今回は3回目。評価B+以上作品のレビューの後半をお送りします。残りの作品は次週分にて、作者略歴と短評を掲載する予定です。 ◎読み切り『ISSUN』(作画:魔球通司郎) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ただし、ギャグとしか思えない主人公のシークレットブーツを、シリアスな主要設定として引っ張ってストーリーを展開させたのは強引に過ぎた感があります。これに限らず、かなり非現実な内容を含むお話だったので、読者を選ぶ作品かも知れません。 ●今回の評価 ◎『ネコロマンサー』(作画:松本直也) ●作者略歴 ●絵についての所見 少しだけ気になる所を敢えて抜き出せば、アクションシーンのインパクト(「衝突」の方)の瞬間が省略され過ぎる所でしょうか。これで大ゴマで見栄えのする決めのシーンが描けるようになったら、すぐにでも連載にゴーサインが出せるでしょう。 物足りない部分としては、猫のキャラが活き過ぎていて、主人公の影が薄くなってしまった点が1つ。そして先述の通り、シナリオが単調で一本調子なところがあった事がもう1点です。 ●今回の評価
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