「社会学講座」アーカイブ(演習《現代マンガ時評》・10)
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講義一覧
9/24(第51回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」
(9月第4週分・合同) |
2004年度第51回講義 |
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もう9月もあと1週間になってしまいました。 さて、それでは今週分のゼミをお送りします。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデ−」では次号(44号)に読み切り『88の陣八』(作画:桜井亜都)が掲載されます。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) 今月の編集部講評は「ストーリーとか設定はいいから、とにかくキャラクターを立てなさい」というもの。なんか「ジャンプ」の新人賞みたいな講評ですが、よっぽど難解な設定を文字情報で並べ立てる応募作が多かったのかな…と思ってみたりします。
※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年43号☆ ◎読み切り『鬼より申す!』(作画:原野洋二郎) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 あと、問題点として挙げられるのは演出面でしょうか。余りにも全ての事を文字で説明しようとしていて、少々回りくどかったように思えました。せっかく絵だけで事象を表現出来る画力を持っているのに、これはちょっと勿体無かったですね。 今後はもっともっとストーリーテリング力を洗練させていって欲しいと思います。 ●今回の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ まずは巻頭カラーページ。明確な作者からの悪意を感じる『銀魂』のキッツイ絵から始まり、『BLEACH』のアニメ告知ページを経て、いかにも読み飛ばされそうな所に『リングにかけろ』のアニメ化告知を発見。テレビ朝日系で水曜深夜2時42分から放映とのことで、DVD化して手堅く稼ぐ事を念頭に置いた戦略のようですが、さすがにコレは如何なもんでしょうか(笑)。……まさか『星矢』の女性ファン層を狙ってるわけじゃないでしょうね? さて、今週も『DEATH NOTE』の話題を少々。ただし今回は直接作品の内容についてというわけではなくて、先日発売になったサブカル系隔月刊誌・「クイックジャパン」誌の特集記事の話を。 他の連載作品は、軒並み良い意味でも悪い意味でも持ち味発揮…といったところで特筆事項無し。『D.Gray-man』などは、もうちょっと場面転換や演出が改善されれば良い作品になる見込みも有ると思うのですが……。実質掲載順がラス3ですから、いよいよ打ち切り黄信号点灯でしょうか。 「週刊少年サンデー」2004年43号☆ ◎読み切り『断罪の炎人』(作画:吉田正紀) ●作者略歴(資料不足のため不完全な内容です) ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ただ、問題があるのが主人公たち“改造人間”の特殊能力の設定に関して。設定そのものにケチをつけるつもりは全く無いのですが、それらをお話の中で上手く消化させるだけの練りこみが足りなかったのではと思います。 ●今回の評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「好きな四字熟語は?」。 ……さて、連載作品の方は思わず毒吐きたくなる作品をオミットすると随分喋る材料が少なくなってしまうのですが(苦笑)、それでも久々に大きくページを割いたギャグが炸裂した『金色のガッシュ』や、漸く主人公が主人公らしい自然な自己主張を始めた『クロザクロ』など、キチンと読ませてくれる作品もありました。 ……まぁそんなところで今週はここまで。もうしばらく、このようなカリキュラムが続きます。どうかご容赦を。 |
2004年度第50回講義 |
さて、今週の「サンデー」裏表紙に『まいっちんぐマチコ先生』のTV版全話収録DVDの広告が掲載されているのを見て、このDVD担当の社内での行く末を思わず案じてしまった駒木ハヤトがお送りする「現代マンガ時評」のお時間がやって参りました。今日は後半分、「週刊少年サンデー」についての内容でお送りします。 で、その『マチコ先生』DVDセットなんですが、16枚組で税込99,750円ですよ。ヤフーBBの糞モデムを最低9日間は配り続けないと買えないという結構なお代です。 ……さて、そんなしょうもない事言ってないで、とっととゼミに移りましょうか。 「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデ−」では次号(43号)に読み切り『断罪の炎人』(作画:吉田正紀)が掲載されます。
※今週後半のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年サンデー」2004年42号☆ ◎短期集中連載総括『絶対可憐チルドレン』(作画:椎名高志) ●絵についての所見(第1回時点からの推移) ●ストーリー&設定についての所見(第1回時点からの推移) ◎読み切り『UPPERS』(作画:寺嶋将司) ●作者略歴(資料不足のため不完全な内容です) ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ただ、この作品においては、そんな良質のアイディアを上手く活かし切れていなかったように思えます。話の流れが過度にナンセンスなのは「独特の世界観ゆえに」というエクスキューズを採用する余地があるにしても、セリフやモノローグといった脚本面がちょっと拙過ぎたように感じられました。各所で見られた、とても喋り言葉とは思えない説明的なセリフを解消させられたら、もう少し全体的な印象も変わって来るのではないかと思うのですが……。 ●今回の評価
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「子供の頃に大好きだったアニメソングは?」。 さて、今週のトピックスは何と言っても『こわしや我聞』の「前号まで(=ここまでのあらすじ)」ですね。 「果歩達は我聞と陽奈をくっつけようと計画中」 ……これですよ、この簡潔な記述! 今回が第30話ですが、第28話までのお話を無かった事にする潔さがグルービーであります。 ──といったところで、今週は時間切れ。ボリューム的にアレですが、ちょっとスランプ気味なので今日はこれくらいでご勘弁を。では。 |
2004年度第49回講義 |
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オリコンの週間シングル売上ランキング、我らが椎名林檎女史率いる東京事変の『群青日和』が、よりにもよってゴリエに負けて2位という事態に、「ジャンプ」今週号の『武装錬金』における戦士・剛太のように呆然としてしまう今日この頃、受講生の皆さんは如何お過ごしでしょうか。 先週のゼミでも一応予告していましたが、今週は代原やら何やらでレビュー対象作が増えてしまいましたので、久々に前・後半分割でお送りします。まず今日は、「ジャンプ」関連の話題をお送りする前半となります。 「週刊少年ジャンプ」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ……この他、非公式レヴェルで、もう1本の読み切り掲載も決まっている…との情報が入っているのですが、とりあえずこの場では控えておく事にします。
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) 7月期は、『ネウロ』が準入選を受賞した3月期で最終候補に残った佐藤真由さんが十二傑賞となりました。同じく3月期で最終候補だった西嶋賢一さんの名前も見えており、それを考えると3月期は随分とレヴェルが高かったという事なんでしょうね。 ※今週前半のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年42号☆ ◎新連載第3回『Wāqwāq』(作画:藤崎竜) ●絵についての所見(第1回時点からの推移) ●ストーリー&設定についての所見(第1回時点からの推移) ──そういうわけで、ここまではストーリー・設定の失点を無くそうとして、図らずも専守防衛を強いられている…といったところです。ここから可及的速やかに攻めへ転じる事が出来るかどうかが、(連載存続の可否を含めて)この作品の大きなキーポイントとなって来るでしょうね。 ●現時点の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 もっとも、強いコメディ要素の影響からストーリー自体はかなり理不尽な部分も出てしまいましたし、肝心の剣道関連の描写がなおざりになっていたのも否めません。また、主人公のキャラクターがあまり読み手の感情移入を促す要素が多くないだけに、読者を選ぶ作品になってしまったかも知れませんね。ストーリーを真面目に追いかけようとすればするほど作品世界に入っていけない…という、大きなジレンマを抱えた作品とも言えそうです。 ●今回の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 ●今回の評価
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントに『アイシールド21』の対戦カード誤記についての訂正とお詫びが。おかしいなぁと思っていたら、やはりトーナメント表の通り、西部ワイルドガンマンズの相手は恋ヶ浜キューピットでした。柱谷ディアーズはデビルバッツが勝ち進んだ時の相手ですよね。 一方、今週は国際プロレス・プロモーションを彷彿とさせるチェーンデスマッチで盛り上がった『DEATH NOTE』ですが、ここ最近は、これまでその他大勢の域を脱し切れなかった捜査員たちのキャラクターを掘り下げようという意図が見え隠れしていて興味深いですね。しばらくは今のメンバーで固定して、若干のコメディ要素を交えながらマッタリと第3のキラ探しに勤しむ…という展開になるんでしょうか。まぁ固定ファンを大量に掴んだところで、安定飛行に入るというのも一つの見識だとは思いますが、どうなるんでしょうね。 で、最後はやっぱり『武装錬金』を。冒頭でもネタに使わせてもらった通り、戦士・剛太の少年マンガ史上に残る放置プレイが余りにも痛々しいですが、どうやら『錬金』は次週臨時休載とのことで、作品内時間を超えた責め苦が続くようです。 ……それでは、とりあえず前半分をお送りしました。後半分は金曜日を目標に準備を進める事にします。 |
2004年度第48回講義 |
先週の「チェックポイント」・『武装錬金』での自虐カミングアウト&談話室(BBS)でのネタ発言を受けて、物凄く深刻な反応がいくつか返って来て、戸惑うやら恐縮するやらの駒木であります(^^;)。 ──って、なんなんだ、この前フリ(笑)。 もう何が何だか分かりませんが、とにかく今週のゼミをお送りします。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデ−」では次号(42号)に読み切り『UPPERS』(作画:寺嶋将司)が掲載されます。 ……それにしても来週は確定分だけでレビュー4本。更に「ジャンプ」で代原が載るという話も聞いていますので、そうなると5本……。しかも、祝日の関係で翌週分の「ジャンプ」が土曜日に出るので、それまでにゼミを完了させなければならないわけですか……。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年41号☆ ◎読み切り『魔人探偵脳噛ネウロ』(作画:松井優征) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 しかしながら、この作品はコンセプト──事件発生後、全く間を置かずに即解決編に入る“非本格・娯楽系ライトミステリ路線”──そのものに、大きな“構造的欠陥”を抱えていると言わざるを得ません。「赤マル」の時は作者サイドの意図が読み取れない部分があったので敢えて採り上げなかったのですが、この欠陥はストーリー系作品として致命的とも言えるものです。 ●今回の評価
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 毎週つくづく思い知らされる事ではあるのですが、『BLEACH』の演出ってのは凄いですなぁ。『NARUTO』の岸本さんは、下積み時代に映画を観まくって演出力の基礎を独学で身に付けたそうですが、久保さんはどうやってノウハウを学んだんでしょうね。 この他、今週絶好調だったのは『銀魂』、『ピューと吹く! ジャガー』といったコメディ・ギャグ勢。もうどのシーンもいちいち笑いのツボを突きまくられて、仕事帰りにドトールコーヒーで読んでて思わずアイスコーヒーを噴出しそうになりました。 そんな中、ひっそりと『ぷーやん』が1クール突き抜けの最終回。苦節12年で掴んだチャンスでしたが、あっさりと手放す羽目になってしまいました。 「週刊少年サンデー」2004年41号☆ ◎読み切り『吉田ジャスティス(激闘編)』(作画:福井祐介) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 この作風、何か既視感が有るなと思ったら、「ジャンプ」系若手作家の夏生尚さんの描いた代原に、ちょうどこんな意気込みが空回りした作品がありました。“爆笑王”が「ジャンプ」の代原と同レヴェルというのは悲しい話ですが……。 ●今回の評価
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「自分を動物に喩えたら?」。 さて、先週色々と問題点を指摘した『クロザクロ』ですが、今週は女子高生蒐集者・薊(あざみ)に対する夏目義徳さんの愛情が伝わって来て、「他の登場人物もこの調子で動かせばいいのになぁ」…などと思ってしまいました(笑)。ただ、“子供扱いに怒る女の子”というシチュエーションは『絶対可憐チルドレン』とネタ被りになってしまって不運でしたね。 さて、今週最後は『モンキーターン』から競艇豆知識。ここでストーリーについては一切触れないのが駒木流であります。 ……というわけで、まだまだ語り足りない部分もありますが、今週はこれくらいにしておきましょう。それでは、また週明けにお会いしましょう。 |
2004年度第47回講義 |
いつの間にか29歳になっていました。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報
※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年40号☆ ◎新連載『Wāqwāq』(作画:藤崎竜) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 シナリオはプロローグとしては相当のボリュームがあり、メリハリも効いている労作です。さすがにキャリア相応の“プロのお仕事”を見せてもらったなぁ…といったところですね。 ●現時点の評価
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週ネット界隈で話題になったのは、何と言ってもセンターカラーで最終回を迎えた『シャーマンキング』。まぁ、通常は円満終了・大団円であるはずのセンターカラーで、まるで“ロケットでつきぬけた”ような打ち切り色の強い尻切れトンボ最終回をブチカマしてしまったら、そりゃあ話題にもなるわな…といったところではありますが。 さて、まだ連載中の作品についても少々。 『武装錬金』は急展開に次ぐ急展開から、スクランブル的に新章に突入してゆきそうですが、それにしても気になるのが戦士・剛太の噛ませ犬っぷり。惚れた女性のためにした努力が全てその女性と別の男の恋愛成就のために浪費されてゆくというこの有様、嗚呼…これは……、 まるで駒木ハヤトのプライベートそのものじゃないか! ……というわけで、剛太少年に感情移入したくなる気持ちもあるんですが、ただ、こういうファンタジーの世界で現実を忠実に再現されると応援する気が無くなってしまうというか(笑)。せめて夢の世界だけでも夢見させてくれよと。
◎新連載第3回『東遊記』(作画:酒井ようへい) ●絵についての所見(第1回時点からの推移) ●ストーリー&設定についての所見
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「対談するなら誰と? またその理由は」。 ──さて、今週は第3回後追いレビュー以来、とんとご無沙汰になっていた『クロザクロ』について。 さて、この『クロザクロ』が、シナリオ構成の上でかなり特殊な作品であるという事は、皆さんもお判りになっているのではないかと思います。この作品は長編モノのセオリー──数話〜数十話で完結する“小エピソード”を連ねて1つの大エピソードを描いていく──を踏襲せず、1話目からページ数を費やして、“大エピソード”を淡々と進めていく手法を採っているんですね。 では、このタイプの作品に全く勝ち目がないのかと言えば、決してそうでは無いはずです。確かにストーリーだけでは効果的な“集客”は難しいものの、それを他のファクターで補完する事も可能でしょう。 それでは、『クロザクロ』は現状、このストーリー面の脆弱性を登場人物のキャラクターでリカバー出来ているのでしょうか? ……そういうわけで、少なくともストーリーが盛り上がって来て、それだけで読者を惹き付ける事が出来るようになるまでは、登場人物の魅力で引っ張る必要性があるでしょう。新キャラを出すも良し、現有戦力のパワーアップを図るも良し、とにかく登場人物のファンを作るような試みを期待します。 しかし「サンデー」では、超A級のキャラクターを確保していながら今一つ伸びきれない『こわしや我聞』みたいな作品もあるわけで、本当にマンガって奥が深いと思いますね。
……というわけで、今日の講義はここまで。 |
2004年度第46回講義 |
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いよいよ夏休みも最終週後半……というか、社会人にもなってこの時期まで夏休みというのが恵まれ過ぎているわけではありますが、それでもいよいよ『げんしけん』の笹原妹みたいなのが教室中に一杯溢れる職場に強制送還されるのかと思うと、背筋に冷たい物が走ります(苦笑)。 なお、冬コミ用の原稿は既に進行中です。どうやら余りの分厚さに頭がクラクラしそうな本になりそうですが、汚名返上及び読み応えのある内容にすべく鋭意努力中ですので、こちらもどうか何卒。 ──では、今週のゼミをお送りします。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ……というわけで、最高ランクの「爆笑王」受賞者が出ました。週刊本誌登場も既に決定という事で、編集サイドのかなりのイレコミ具合が伝わって来ますね。……あ、でもそう言えば審査員は三上編集長だったはずですので、職権を行使しただけとも言えるわけですか(笑)。 ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年39号☆ ◎読み切り(「第1回ジャンプ金未来杯」エントリー作品)『切法師』(作画:中島諭宇樹) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 さて、中島さんお得意の世界観作りは今回も好調で、数多くの設定が矛盾無く1つの作品世界に集束してゆく様は壮観でありました。設定提示はページ数の加減もあって、セリフなど文字による“説明”が中心になりましたが、これを主人公の時代背景相応の持って回ったセリフ回しと上手く噛み合わせて嫌味無くクリアさせており、大変な工夫の跡が窺えます。 一方、シナリオに関してですが、こちらは残念ながら少々物足りない完成度だったように思えました。プロットはよくまとまっており、好感度は低くないと思われるのですが、ページ配分が……。設定提示とキャラクターを掘り下げるのに労力とページ数を費やしてしまったために、起承転結の“転”と“結”がボリューム不足になってしまったような気がしてなりません。 ●今回の評価
(あくまで個人的な観点での話で恐縮ですが、)A−評価が1作品、更にはあと一歩でAクラスに届くB+評価が3作品と、なかなかの粒揃いだったとは言えると思います。昔行われた「黄金の女神杯」の時と比べても、全作品の平均点の比較なら随分とこちらの方が上ではないでしょうか。 さて、蛇足ながらここで優勝予想を。 ──以上、「金未来杯」関連の話題をお送りしました。またレビューとチェックポイントに話題を戻します。
◎読み切り『トイレ競走曲〜序走〜』(作画:吉原薫比古) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 巻頭カラーは『武装錬金』。しかし新連載第1回以来ようやく通算2度目、しかも「連載1周年突破記念」という微妙なタイミングの巻頭カラーというあたりに“大事にされてない感”が漂ってはいるのがアレですね(苦笑)。 ──しかし、今週の「ジャンプ」は雑誌全体でまとめて“確変”に入ったような感じで大変読み応えがありました。『ONE PIECE』、『アイシールド21』、『DEATH NOTE』、『BLEACH』、『銀魂』と、掲載順上位の作品のほとんどが持ち味出しまくりの好内容で唸らされっぱなしでした。 そんな中、とんでもない“やらかし”方をしてくれたのが『ぷーやん』ですね(苦笑)。卓球なのにテニス式の点数カウント、しかもテニス式としても勝負のつけ方が間違っているという、「お前暑さでドタマやられたんか?」と言いたくなるような異次元空間がそこに。 そして『スティール・ボール・ラン』は今週で第2クールが終了。しかしこの作品、2ndステージになってレース的要素が薄まった途端、一気に間延びしてしまった感がありますね。せっかくキャノンボール物にしたんですから、レースならではのスリリングな展開をもっと織り交ぜて貰いたいんですが……。
「週刊少年サンデー」2004年39号☆ ◎短期集中新連載『絶対可憐チルドレン』(作画:椎名高志) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「何回も繰り返し聞く、お気に入りの一曲」。 さて、ちょっと講義が長引いて来ましたんで、こちらの連載作品の方はちょっとアッサリめに。……とは言っても、採り上げるのは話が「天下一品」のスープくらいにコッテリしている『モンキーターン』なわけですが(笑)。 ……というわけで、今週のゼミは以上です。来週は藤崎竜さんの新連載に『東遊記』の第3回後追いレビュー。難しそうな作品ばかりが対象で大変そうですが、何とか頑張ります。では。 |
2004年度第45回講義 |
大変お待たせしました……というか、お待たせし過ぎてもう誰も待っていないような気がしますが、年3回の恒例行事、「赤マル」全作品レビューをお送りします。 ……しかし、今回の「赤マル」は『DEATH NOTE』4コマに全部持っていかれたような気がしてなりませんね(笑)。「そういう事じゃないんですよ」と「そんな事言ってるんじゃないんですよ」は、極私的今年度最高の名セリフになりました。 ──まぁバカはこれくらいにしまして、レビューを始めます。今回も読む人によって評価が分かれそうな作品が多そうですが、あくまで数多の評価のワンオブゼムとしてお楽しみ下さい。 ※7段階評価の一覧表はこちらから。 ◆「赤マルジャンプ」04年夏号レビュー◆ ◎読み切り『しーもんきー』(作画:叶恭弘) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ◎読み切り『あかねの末』(作画:落合沙戸) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ◎読み切り『冒険王』(作画:後藤竜児) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ●今回の評価 ◎読み切り『ニライカナイより』(作画:田村隆平) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ●今回の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 さて、ストーリーの根幹を担うミステリー部分に関しては、正直言ってかなりの問題アリとせざるを得ません。 とにかく、アイディアを思いついたまま採用するのではなく、キチンと説得力を持たせる努力を惜しまないで欲しいですね。ここさえ良くなれば、松井さんはとんでもない傑作を生み出す余地のある才能の持ち主だと思いますので。 ●今回の評価
◎読み切り『狗童』(作画:岩代俊明) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ただ、大ゴマを多用した演出でページ数を食ってしまったため、シナリオのボリュームが若干薄くなってしまったのは、やはり見逃せないウィークポイントでしょう。 ●今回の評価
◎読み切り『味覚師ツムジ』(作:宇水語/画:佐藤雅史) ●作者略歴 ※佐藤雅史さん ●絵についての所見 それにしても、一昨年の手塚賞の結果発表時に掲載されたカットは、ここまで酷くなかったように思えたんですが……。そのカットが“奇跡の一枚”だったのか、それともアシスタント先で変な手癖がついてしまったのか、どちらかなんでしょうね。 ●ストーリー&設定についての所見 メインシナリオに入ってからも、ストーリー展開はやや迷走気味。名店が流行らなくなった理由が、店主未亡人の技術不足からいつの間にかスープの問題に摩り替わっていますし、そのスープの秘密にしても「物凄い山奥にある水源から毎日スープに使う分だけ水を汲んでいた」というかなりトンデモな内容。揚げ足取りは避けたいのですが、そんな大掛かりな仕事やってたら普通は気付くやろ、と思ってしまいました(笑)。 一応、起承転結の付け方など最低限のストーリーテリング力はあると思うのですが、それにしてもシナリオの質が貧弱過ぎです。ましてや専業原作者の作品でこれというのは、その存在意義すら問われかねない失敗作と言わねばならないでしょう。 ●今回の評価
◎読み切り『アンサンブル』(作画:神海英雄) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ただシナリオは、上手くまとめているものの、やや手垢の付き過ぎた内容だったかな、というところです。ノリの軽い世界観が、本来必要だったはずの緊迫感を削いでしまった感も否めないでしょう。どちらかと言えば、マンガよりも演劇向けの脚本・演出だったかも知れないですね。 ●今回の評価
◎読み切り『リアクション!!』(作画:岩田崇) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ●今回の評価
◎読み切り『空中図鑑』(作画:田中靖規) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ●今回の評価
◎読み切り『大石浩二を1匹見かけたら30匹はいると思え!』(作画:大石浩二) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 ●今回の評価
◎読み切り『解体心書』(作画:岩本直輝) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ●今回の評価
……大変遅くなりましたが、以上、夏の「赤マル」レビューでした。今週分のゼミは週後半に合同版でお送りする予定です。 |
2004年度第44回講義 |
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旅行記にもケリがつきまして、ようやくこちらの仕事にとりかかれます。ゼミだけ受講されている、推定400人の皆さん、大変お待たせ致しました。 「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 『絶対可憐チルドレン』の情報は先週のゼミでご報告しましたので、今週はナシという事で。次号から4回の短期集中連載です。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年サンデー」2004年38号☆ ◎新連載『東遊記』(作画:酒井ようへい) ●作者略歴(資料不足のため不完全な内容になってしまっています。ご了承下さい) ●絵についての所見 こういう“企画先にありき”で偉大なる先人の後を追いかけた場合、「真似出来たのは上辺の格好だけ」……というケースが非常に多いのですが、しかしながらこの作品は、現時点では意外にも(と言っては失礼ですが)上手くやれているようです。 ◎読み切り『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』(作画:曽山一寿) ●作者略歴(インターネット百科事典・ウィキペディアによる) ●絵についての所見
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「好きな夏のデザートは?」。 『史上最強の弟子 ケンイチ』は、ここに来ていきなり美羽に“幼馴染み”の萌え要素が追加されました(笑)。うわー、後付けくせぇ…などと思いつつ読んでいたら、どうやら本編シナリオにもリンクしている模様。一石二鳥狙いですか。 ──といったところで本日はここまで。これから取り急ぎ、「赤マル」レビューに取り掛かります。では。 |
2004年度第41回講義 |
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旅行と旅行の合間を縫って、今週分のゼミをやっておくことにします。しかし、またこういう週に限ってレビュー対象作が4本ってのはどういう事なんだろう(苦笑)。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」次号(39号)では、「金未来杯」最終第5弾となる読み切り『切法師』(作画:中島諭宇樹)が掲載されます。 ◎「週刊少年サンデー」では次号(38号)より、『東遊記』(作画:酒井ようへい)が新連載となります。 ◎「週刊少年サンデー」では次々号(39号)より、『絶対可憐チルドレン』(作画:椎名高志)が短期集中新連載となります。
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ……今回はかなりの“凶作”だったようで、講評で「ストーリーや演出はまだまだ」/「世界観に説得力が無い」と随分な言われようの作品が十二傑賞受賞となってしまいました。恐らくドングリの背比べの中から画力優先で選んだものと思われますが、それにしても、ここまで扱き下ろしておいて増刊に載せるってのも凄い話ですね(笑)。
※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年37・8合併号☆ ◎読み切り(「第1回ジャンプ金未来杯」エントリー作品)『ムヒョとロージーの魔法律相談所』(作画:西義之) ●作者略歴
また、あまり目立たない部分ではありますが、脚本(ネーム)・演出・構成でも確かな技術を感じられます。説明的なセリフを排して設定の“描写”をする事が出来ていますし、見せ場の迫力ある演出も上々です。また、その見せ場に多くページを割けるような構成が施されているのもお見事。 ただ、1つ残念だったのは、シナリオ上の肝である、「相談者の少女・カヤが霊となった同級生・ノブオをストーカー扱いしている事実」を強調して読み手に伝える事に失敗しており、作品全体の説得力を不用意に欠いてしまった事ですね。
……という、カヤがノブオをストーカーだと認識していた事を証明する会話がある事から、シナリオ構築上の過失はゼロに近いのですが、それが読み手に伝わり難いような描き方をしてしまったのは、やはり減点材料にせざるを得ないでしょうね。もう一度、当該シーンのコピーを貼り付けてでも強調すれば良かったのに…と思います。 ●今回の評価 ◎読み切り『TRANS BOY』(作画:矢吹健太朗) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今期の新連載作品は掲載順が安定しない事もあって、サバイバルレースの情勢が全く不明なんですが、12回目で掲載順7位の『家庭教師ヒットマンREBORN!』はさすがに生き残り当確でしょうか。 で、当講座の談話室(BBS)でも指摘があった、『テニスの王子様』。最大の見せ場でスマッシュを打つリョーマの指が6本あるという物凄いミスがありました。これ、リョーマは豊臣秀吉の生まれ変わりという伏線でしょうか(笑)。
「週刊少年サンデー」2004年37号☆ ◎新連載第3回『クロザクロ』(作画:夏目義徳)【第1回時点での評価:保留】 ●絵についての所見(第1回からの推移)
◎読み切り『大久保嘉人物語』(作画:草場道輝) ●作者略歴(資料不足のため不完全な内容になってしまっています。ご了承下さい) ●絵についての所見
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「オリンピックで注目の競技・選手は?」。 さて、連載作品は『結界師』から。もう作者が楽しんで設定を創ってるのがよく分かる、爺さんと婆さんの青春ストロベリートーク炸裂!(笑) いやー、良守君、やっぱりキミの前途は厳しいようだぞ。 『ワイルドライフ』は、先週から『じゃじゃ馬グルーミンup!』の“あぶみさん争奪戦”を彷彿とさせる展開でしたが、やっぱりと言うか何と言うか、この作品らしいお定まりの方向にあっさり収束していっちゃったなあという印象。まぁこの辺が逆にライト読者層の支持を集めているのかも知れませんが……。 そして今週で『暗号名はBF』が最終回となってしまいました。当講座のBBSでも連載終了を惜しむ声が上がっているようですが、確かに短期打ち切りには少々惜しい作品ではあったかな、という感はありますね。
……いやー、長かった今日の講義は(笑)。皆さんもお疲れ様でした。それでは、東京に行って参ります。皆さんもお盆休みを満喫して下さい。では。 |
2004年度第40回講義 |
お待たせしました。今週のゼミをお送りします。 先週、『焼きたてジャぱん!』のTVアニメ化情報をお届けしたばかりですが、今週は「ジャンプ」連載中の『BLEACH』のアニメ化が決定という情報が入って参りました。放送枠はテレビ東京系18:30からという事で、なんと『ジャぱん』と同じ曜日の30分前(つまり直前の枠)から放送という超ニアミスの事態に。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」次号(37・38合併号)では、読み切り『TRANS BOY』(作画:矢吹健太朗)が掲載されます。 ◎「週刊少年サンデー」の次号(37号)には、『大久保嘉人物語』(作画:草葉道輝)が掲載されます。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年36号☆ ◎読み切り(「第1回ジャンプ金未来杯」エントリー作品)『BULLET TIME −ブレットタイム−』(作画:田坂亮) ●作者略歴
まず読み切り作品にしては細かい設定が多過ぎます。ストーリーを成立させるために必要な範囲を超えた設定を捌き切れず、お話を読んでいるというより、設定を詰め込まれているような気分になった方もいらっしゃるのではないでしょうか? しかも、その悪性の設定過多が脚本、つまりネームの方にも悪影響を与えてしまっているようです。本来絵で描写しなければならない部分は当然のように、更には絵で描写出来ている部分までも逐一セリフやモノローグで説明してしまっているために、とにかく全編文字だらけになってしまいました。立てた設定は全て情報として提示しないと気が済まなくなってしまったのでしょうか、ちょっと異常な量のネームだったように思えます。 シナリオ面も今回は不満が残る出来でした。凝った構成にしようという気持ちが勝ち過ぎて、それが逆にストーリーの判り辛さに繋がってしまっています。加えて、クールな雰囲気を醸し出す事に力を注ぎ過ぎたのか、全般的に緊迫感に欠ける展開になっているのも頂けない部分ですね。 ●今回の評価
今週はサプライズ展開があった2つの作品から。 そしてもう1つのサプライズ展開は、やはり『DEATH NOTE』。竜崎Lを殺すのでなく、“そっち”に行ったか…というところでしょうか。しかし、段々と展開が前提条件無視の無理のある展開になって来ましたね。そりゃ、ほとんど伏線も張らずに事件を起こせば読者の意表を突く事は出来ますが、果たしてそれでどこまで破綻無く切り抜ける事が出来るやら……。
「週刊少年サンデー」2004年36号☆ ◎読み切り『福原愛物語』(作画:あおやぎ孝夫) ●作者略歴(資料不足のため不完全な内容になってしまっています。ご了承下さい) ●絵についての所見
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「冷蔵庫にいつも入れておきたい物は?」。 さて、連載作品はアッサリめにやっときましょう。 ……では、今週はこの辺で。来週は旅行の合間を縫って、何とかゼミだけでもやりたいと思っています。 |
2004年度第36回講義 |
ゼミの内容とは直接関係ないのでこちらで喋りますが、『焼きたて!! ジャぱん』のアニメ化が決定しましたね。 ……といったところで、やや遅くなりましたが今週分のゼミ後半をお送りします。やっぱりここに来てプレッシャーかかってます(苦笑)。 「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」の次号(36号)には、『福原愛物語』(作画:あおやぎ孝夫)が掲載されます。最近「サンデー」ではご無沙汰になっていた、有名人実録モノの読み切りですね。 ※今週後半のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年サンデー」2004年35号☆ ◎新連載『クロザクロ』(作画:夏目義徳) ●作者略歴 ●絵についての所見
一方、シナリオの方ですが、どうやら現時点はプロローグのプロローグといったところで、ストーリーの方は全貌どころか取っ掛かりすら見えて来ません。よって、シナリオに関しての評価は保留せざるを得ないでしょう。
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「口癖はなんですか?」。 さて、連載作品の方は『結界師』から。 話変わって今週の『いでじゅう!』、貴方は林田君の事を素直に笑えましたか? 駒木は結構身につまされて気まずく半笑いでした。 で、気まずいと言えば『モンキーターン』。どうしてここまで地味に嫌な緊迫感を持たせようとするんでしょうか、しかも競艇に関係ないところで(笑)。 ……とっいったところで今週のゼミはここまで。しかし、『かってに改蔵』が無いと、読む取っ掛かりが無くて困ってしまいますね。何やかんやで「サンデー」にとって重要な存在だったのかも知れません。 |
2004年度第34回講義 |
どうも、積み残しの講義だらけで、何から手をつけたら良いのか自分でも分かってない駒木です(笑)。せめて春の高知旅行記は盆休み前に完結させたいですね。 「週刊少年ジャンプ」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ※今週前半のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年35号☆ ◎読み切り(「第1回ジャンプ金未来杯」エントリー作品)『タカヤ −おとなりさんパニック!!−』(作画:坂本裕次郎) ●作者略歴
それはさておき、ストーリーを全体的に概括すると、とりあえずは起承転結のメリハリの効いたお話に仕上がっていたとは思います。演出を効かせたカタルシス十分の仕上がりにもなっていますし、読み手に良い読後感を与える、エンターテインメント性の高い作品ではないでしょうか。 ●今回の評価
今週はいきなり連載作品について。 そして、巻頭付近でデスノートを巡る静かな戦いが続く中、真ん中あたりで少年マンガらしからぬデスエロス(byOHPさん)を炸裂させているのが『ぷーやん』。こっちはノリが「スーパージャンプ」の『DESIRE』みたいになって来ました(笑)。 最後は今週も『武装錬金』。本当は毎週同一作品を採り上げるのは控えたいんですが、こんなもん見せられたらどうしょうもないですわ(笑)。 ……といったところで今週前半分はこれまで。後半は金曜日あたりになると思いますが、出来ればそれまでに積み残しの講義シリーズを1回挟めれば…と思っています。では。 |
2004年度第33回講義 |
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さて、今週分の後半、「週刊少年サンデー」35号の内容についてのゼミを始めます。 まぁそんなわけで、今回は内容が薄いんだか濃いんだか判らない内容になると思います。先々週のように、ノリが良すぎて変な事を口走っても気にしないでおくように(笑)。 「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」では次号(35号)より、『クロザクロ』(作画:夏目義徳)が新連載となります。 ──さて、夏目さんには以前、読み切り作品『オロチ』が掲載された時にも、当講座の受講生さんへのコメントを頂いた事がありましたね。で、今回も忙しい執筆の合間を縫ってコメントを頂きましたので、紹介させて頂きます。
……あと、この後に受賞者を紹介する「まんがカレッジ」の編集部講評──「たとえ読者の8割に嫌われても2割の熱狂的なファンがつくような強い個性・主張のある作品が今後の漫画界の新しい力になると思います」──になぞらえたんでしょうか、
…というコメントも頂いています(^^;)。でもまぁこれも、いつもの夏目義徳作品だというアピールだと解釈するべきだと勝手に思ったりなんかしていますが。 「サンデー」の週刊本誌で新連載という事は、当然レビュー対象作になるわけですが、それにあたっては夏目さんから「くれぐれも手加減無用で」という注文を受けています(笑)。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい)
※今週後半のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「どんな役で映画に出演したいですか?」。 ──さて。それではそろそろ本日のメインイベントへ参りましょうか(笑)。 この最終回の解釈については、ネット界隈では文字通り諸説紛紛といった趣になっていたようですが、確かにそれも仕方が無いというくらい“深い”作品だったと思います。恐るべし、久米田康治ですよ! ……あ、先ほどの「計算ずく」で思い出したんでちょっとここで大声で言えない小耳に挟んだ話を。 閑話休題。 ……まぁそんなわけで、この最終回は久米田康治という作家のポテンシャルを遺憾なく発揮した大傑作だと思います。作品全体としては、設定の場当たり的な変更やストーリー性に欠けるワンパターンな構成など、若干の減点材料も見受けられますが、それでもこの最終回の出来振りを加点するなどすれば、総合評価A−は十分にあるかと。いまはただ、本当にお疲れ様でしたと申し上げたいところです。 ……さてさて、『改蔵』に完全に食われてしまった形になりましたが、井上和郎さんの『美鳥の日々』も今週号で最終回となりました。 ……ああ、今週は他の作品にも色々言いたい事有ったんですが、もう時間がありません。体ボロボロです(苦笑)。とりあえず今週はこれでお許し下さい。では、また。 |
2004年度第32回講義 |
採用試験中だというのに、今週は前・後半分けての講義実施であります(笑)。ただ、これは切羽詰り具合がまだ軽い週の前半に重たい仕事をやっておこうという、そういう目論見だったりするわけで。 ……あ、あと、もうあちこちで(というかご本人発信でも)漏れ始めていますが、今週の後半分では皆さんに嬉しいニュースをお伝え出来そうです。そちらの方もどうぞお楽しみに。 「週刊少年ジャンプ」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎詳報はありませんでしたが、「週刊少年ジャンプ」次号(35号)では、以前話題を呼んだ『DEATH NOTE』と『ボボボーボ・ボーボボ』のコラボ企画が再び実施される模様です。(どうやら扉ページだけのコラボ企画ではないか…という情報も出ていますが……)
※今週前半のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年34号☆ ◎読み切り(「第1回ジャンプ金未来杯」エントリー作品)『プルソウル』(作画:福島鉄平) ●作者略歴
ただ、惜しむらくは、その高い技術が作品の完成度に繋がりきっていない所ですね。格闘技で“上手いけど強くない選手”なんてのがいますが、福島さんの場合も残念ながらそういう傾向が見られます。 ●今回の評価 ◎代原読み切り『教授百々目木』(作画:夏生尚) ●作者略歴 ●絵についての所見
●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 先週あたりから巻末コメントには担当編集者交代についてのものが目立つようになりました。同じ一ツ橋系の「サンデー」もそうらしいんですが、7月は人事異動のシーズンなんですね。今期は『テニスの王子様』、『未確認少年ゲドー』担当の島田氏がライトノベル部門へ異動、その影響でしょうか、『武装錬金』も担当さんが代わるみたいですね。 作品については、時間も無いのでその『武装錬金』だけ。やっぱり今週はこの作品でしょう。バトルより日常シーンの方が高評価というのは、「ジャンプ」作家の立場からしたら微妙なんでしょうが、良いもんは良いで仕方が無いですよね。
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2004年度第31回講義 |
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今週も講義が滞って面目ありません。 ……というわけで、今週の「現代マンガ時評」です。今週は「サンデー」がお盆先取りの合併号休みなんですが、「ジャンプ」関連でかなり興味深い話題が多いですから、そちらを重点的に扱いたいと思っています。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 では、ここでエントリー作家・作品と、掲載スケジュールを紹介しておきましょう。
……さて、この「金未来杯」、ベテラン受講生さんならすぐにピンと来たと思います。そうです、この企画は、かつて「ジャンプ」で実施され、山のように短期打ち切り作品を輩出するわ、有望作家の出世を遅らせるわで惨憺たる結果に終わった、あの「ジャンプ新人海賊杯」のリメイク版です。 ただ、唯一救われるのは、今回エントリーした若手作家さんたちがハンパじゃない逸材揃いだという事ですね。これは個人的な目利きなんで他の方が見た場合どうかは判りませんが、駒木が見る限りでは、これなら「金未来杯」がどんな結果になってもまぁ大丈夫だろうな、と思ったりなんかしています。何しろ当講座でAクラス評価を獲得した人ばっかりですからね。個人的には今年度「コミックアワード」の短編作品賞と新人賞の決定戦みたいな感じに理解しています。
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ……今月も佳作以上の受賞者は無しという結果に。まぁ「ジャンプ」には色々な新人賞がありますから、こういう谷間みたいな時期があっても仕方ないですかね。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年33号☆ ◎読み切り(前・後編総括)『機動球児山田 〜めぐりあい稲木〜』(作画:ポンセ前田) ●作者略歴 ●絵についての所見
一方の課題となるのが、大ゴマを乱発し過ぎな上に、ページが進むにつれて展開が単調&ワンパターンになってしまった事ですね。正直な話、後編は前編のネタ焼き直しだけでしたし、蛇足だったように思えます。せっかくの大チャンスなんですから、もっとネタを練りこんで欲しかったですね。 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 先週号の武井宏之さん、そして今週号の和月伸宏さんの巻末コメントに登場する「山形から送られて来たさくらんぼ」。これ、どうやら故・しんがぎんさんのご実家から“和月組”の作家さんに毎年贈られて来ている品物みたいですね。良い話だー……。 さて、作品の方ですが、今週大きな動きがあったのは『D.Gray-man』ですね。とはいえ、1回分のページを全部費やして主な設定を吐き出しただけですが(笑)。それにしてもこの設定、『BASTARD!!』と『新世紀エヴァンゲリオン』を足して2で割って何か大切な物を差し引いたような感じがするのは駒木だけなんでしょうか……。 |
2004年度第30回講義 |
何やかんやとズルズル遅れてしまいましたが、今週分のゼミをお送りします。レビュー対象作ゼロ、しかも情報系の話題も殆ど無し…という、1年でも1回あるかどうかの内容の薄いゼミとなりますが、肩の力を抜いて受講して下さいまし。 ……ところで先日、ゼミで作品をレビューした某マンガ家さんからメールを頂きました。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 「週刊少年サンデー」次号(34号)で、『美鳥の日々』(作画:井上和郎)、『かってに改蔵』(作画:久米田康治)の2作品が最終回となります。2作品の長編連載作品が同時に最終回というのも異例ですね。 ……駒木が各方面、ソースの明かせないような所も含めて聞いた話を総合すると(だから以下は話半分で聞いて下さい)、『美鳥の日々』はアニメ終了まで完結のタイミングを引き伸ばした上での円満終了だとか。それが本当だとすると以前の『ARMS』等と同じパターンですね。 「週刊少年ジャンプ」2004年32号☆ ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ まず、「テニプリマンガテクニックスクール」は……えーと、物凄く毒吐きそうなのでノーコメントという事で(笑)。 さて、連載作品に関してのお話をいくつか。 作品変わって今週の『銀魂』、こんな下品な題材で平然と人情噺が描ける空知さんのすっかりベクトルを間違えた才能の発露に感激しました(笑)。ギャグも冴えまくってますし、もうすっかり「ジャンプ」の中堅に定着した感じですね。 最後に『武装錬金』、今週もストロベリー全開で心響きまくりの展開でした。ただ、せっかくの見せ場なんだから、もう少しあざとい位の演出で魅せてもバチ当たらないんじゃないかと思うんですけどね。嗚呼、これで演出だけ『BLEACH』並だったら…なんて、気ィ悪い事を考えてしまう今日この頃です(^^;;)。 「週刊少年サンデー」2004年32・33合併号☆ ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「子供時代に流行ったギャグは?」。 ……あーそうだ、ギャグじゃないけど「アミダババァ」の最終回は子供心でも非常に感銘を受けたのを覚えてます。 ──とまぁ、それはさておき連載作品について。 最近すっかり正統派柔道マンガになりつつある『いでじゅう!』ですが、実際問題この路線って皆さん的にはO.K.なんでしょうか? しかしそれにしても、ここ最近の『こわしや我聞』は、すっかり國生さんのマンガになっちゃいましたなぁ(笑)。もう解体とか本業とかはどうでも良くて、とにかく國生さんが動いてたらそれでヨシ、という開き直りもいいとこな流れになりつつ。 最後に一部で青島優子サゲマン説が噴出しつつある『モンキーターン』ですが、やっぱり生々しい恋愛してますキノコ頭カップル! つーか、あの感じから行くと、発覚してない“前科”が絶対あるぞあの2人は。「ペラ小屋で何やってるんだ!」「ナニやってました」的な経験があるんじゃないだろうか……と思わず邪推全開ですよ。 ──というわけで、今週はここまで。なんか物凄く恥ずかしい締めですが、全く気にしない方針で来週以降も邁進していきますので、どうか何卒。 |
2004年度第28回講義 |
最近、勤務先の試験問題作成の締め切りに追われて、微妙にマンガ家気分の駒木ハヤトです。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年31号☆ ◎代原読み切り『星十二学暴』(作画:大石浩二) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週は、日頃から駒木が好意的に見ている作品が、それぞれ本来の持ち味を出し切った絶好調の回で、個人的に非常にご満悦といったところでした(笑)。 まずは『アイシールド21』。今回のような前フリ的エピソードが非常に印象的な仕上がりになっている辺り、作品的に“旬”なんだろうなぁと思ったり思わなかったり。 で、次に先週“セキュリティホール”をいくつも指摘した『武装錬金』ですが、今週の1回だけでその“セキュリティホール”のほとんどが解消される、「恐るべし和月」的展開に驚愕。やっぱりカズキと斗貴子さんはストロベリってナンボですよ。主人公とメインヒロインはこうでないと、話が上手く回ってゆきません。 『いちご100%』は、さつきの最終ターン&戦線離脱の回。いよいよ最終回を念頭に入れてるのかなぁ…と思ったりもするんですが、今期新連載や掲載順の低迷している『ゲドー』を残してまでしてこの作品を切るのか? と考えると、それはかなり微妙な気が。 ……う〜ん、何だか最近採り上げる作品が固定化されてるなぁ。でも、新連載が個人的に不振気味で、看板作品がヤマ場手前で、それでもってダメな作品が相変わらずダメだと、どうしてもこうなっちゃうんですよね。今更『MAJOR』の夢島編やられても…みたいなね(笑)。 「週刊少年サンデー」2004年31号☆ ◎読み切り『ミッションX』(作画:我妻利光) ●作者略歴(資料不足のため不完全な内容になってしまっています。ご了承下さい) ●絵についての所見
こうなった原因は、厳しい言い方をすると、我妻さんがマンガというモノの本質を見ず、上辺だけを見て創作活動をしているからではないでしょうか。 ◎代原(あだち充氏休載による)読み切り『ハルマキ』(作画:瀬尾結貴) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「好きだった給食のメニューは?」。 さて、本誌の内容ですが、今週はやはり『MAJOR』アニメ化決定記念・満田拓也×伊集院光対談が見ものでしたね。……あ、念のため言っておきますが、“×”印は攻・受の記号じゃありませんよ。想像すると物凄い構図になっちゃいますんで、それは禁止と(笑)。 『結界師』は色々な伏線を張りつつ、主人公に大目標が出来て…という回。読み切り・短編用の設定から連載用の設定に上手にシフトチェンジ出来て来てますね。 で、センターカラーで競艇シーン殆ど無しという思い切った構成の『モンキーターン』は、お約束の御邪魔虫が入るというベタな展開に(笑)。しかし、この二重恋愛は結構心身ともに堪えそうですなあ。やっぱり少し羨ましいけど(笑)。 ……というわけで、今週はこれまで。来週はまだ大丈夫ですが、ボチボチ採用試験の方もあるので、どうか何卒。 |