「社会学講座」アーカイブ(演習《現代マンガ時評》・16)
※検索エンジンから来られた方は、トップページへどうぞ。
講義一覧
2/28(第58回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」
(2月第4週分)
2/21(第57回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」 (2月第3週分) 2/12(第56回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」 (2月第2週分) 2/7(第55回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」 (1月第5週/2月第1週分) 1/31(第54回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」 (1月第4週分) 1/22(第53回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」 (1月第3週分) 1/14(第52回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」 (1月第1週後半/第2週分) 1/5(第50回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」 (1月第1週分・前半) 1/2(第49回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」 (12月第5週分) |
2005年度第58回講義 |
2月最終週のゼミをお送りします。「赤マル」レビューも、「コミックアワード」関連も無くなってホッとしたのも束の間、読み切りは載るわ代原は載るわで、いきなりレビューが指折り数えて4本。30符以上なら満貫確定です。本当、楽したい時に限って楽させてくれませんなぁ。 一足先に休載に入った『HUNTER×HUNTER』なんかでも、よく「サボってる」と非難されますが、大手出版社経由のカネとマンパワーさえあれば、原稿を間に合わせるだけなら何とでもなっちゃうんですよ、実は。編集とアシスタントが協力すれば完全代筆だって出来ちゃうわけです。実際「ジャンプ」でも、公然の秘密状態になってる『きまぐれオレンジロード』や、秘密にすらなってない本宮ひろ志作品全般など前例もありますからね。 ──それはそうと、既にネット界隈では広く話題になっていますが、凄かったのが「小学館漫画賞」の作者受賞コメントでしたね。あれほど正視に堪えない文章は、綾辻行人のスプラッタ・ホラー『殺人鬼』シリーズ以来でした。消火器のホースを口に突っ込まれ、その中身を一気に胃と肺に噴射されて爆死した看護士のシーン以来の衝撃がここに。 「編集の書いたシナリオに従って絵を描けば、印税で億万長者!」 酒井ようへいさんの前途にエールを送りつつ、2月最終週のゼミを開始します。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」では、次号(13号)より、『妖逆門(ばけぎゃもん)』(ばけぎゃもん)』(ばけぎゃもん)』(作画:田村光久/原案強力:藤田和日郎)が新連載となります。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2006年12号☆ ◎新連載第3回『ツギハギ漂流作家』(作画:西公平)《第1回掲載時の評価:B−》 ●絵についての所見(第1回掲載時からの推移) まず1点目が、顔のアップばかりで単調な構図。動きが感じられない絵が延々と続くので、説明的なセリフの連続が輪にかけて冗長に感じられてしまいます。 決して見苦しくは無い絵柄なのですが、もう少し細かい配慮をしてもバチは当たらないと思います。 ●ストーリー&設定についての所見(第1回掲載時からの推移) また、1話ごとの小エピソードの内容も、総じて内容希薄で、しかも一本調子。第3話のウナギ鮭を掴まえる話にしても、「何故ウナギ鮭なのか」というギミックが皆無なために、話を楽しむ以前に「何故?」という風になってしまいます。最後の見せ場は上手く決まっていただけに、余計に勿体無いですね。 ●今回の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 まとめますと、全体的な印象としては、細かい“ジャブ”ばかりに終始し、文字通りパンチ力不足の20ページ余だったように思えました。ギャグ作品の評論には大きく主観が入ってしまうので、果たして読者全体の多数意見になっているかどうかは分からないのですが……。 ●今回の評価 ◎読み切り『タロ・ザ・フューチャー』(作画:大江慎一郎) ●作者略歴 ●絵についての所見 背景処理や動的表現などはソツが無くなって来ましたね。ただ、トーン貼りやそれに準ずる表現がまだ少々粗いのは気になりました。特にスクリーントーンは種類の少ない手持ちで何とか工夫しようとして、それが出来ていないのが分かってしまい、ちょっと興醒めです。 ●ギャグについての所見 磨けば良くなりそうな部分もあるのですが、そこを悪い意味でカモフラージュしてしまう要素が多い現状でしょうか。プッシュしたくてもうーんちょっと……と思わせてしまう、そんな作品になってしまいました。まぁそんな作品だから代原でもないと載らないのだ、という事なのでしょうが……。 ●今回の評価
◎新連載『ハルノクニ』(作:浜中明/画:中道裕大) ●作者略歴 ※中道裕大さん ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ストーリーの展開のさせ方では、伏線を盛んに用いた演出や、決めゼリフを要所に盛り込んだ脚本など、こちらもなかなか良くまとめられています。全体的な技術レヴェルも高いと言えます。 まだ全体としてはプロローグ的なエピソードの最中ですので、今後一気に作品の見方が変わる事態が起こるかも知れません。が、今のところは「一定の水準にあり、よくまとめられたストーリー・設定ではあるが、オリジナリティの欠如が著しく、全てを借り物で組み合わせたような作品」という評価をせざるを得ませんね。 ●現時点の評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週は『聖結晶アルバトロス』が10回の区切り。この忙しい時ですから、評価変更なしならパスしたかったのですが……。 ◎『聖結晶アルバトロス』(作画:若木民喜) 1段階の下方修正としました。根拠としては、延々と設定の提示が続く間延びした展開、またなかなかストーリーの軸が見えて来ないまま、毎回同じようなパターンが続くシナリオ構成などです。
──というわけで、2月分のゼミも一応これで終了し(正確に言えば3月第1週に2月最終週が混じってるのですが……)、いよいよこの後は「コミックアワード」となります。 |
2005年度第57回講義 |
||||
たびたびの1週遅れで失礼しております。 ゼミを始める前に、先に今後の日程について。 ──それでは、ゼミの模様をお送りします。今回も変則進行で、レジュメの準備が出来た分から随時追加してゆくという形を採らせてもらいます。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では、次号(12号)に読み切り『新・沖田はつらいよ 〜空次郎サラダ記念日〜』(作画:ポンセ前田)が掲載されます。 ◎「週刊少年サンデー」では、次号(12号)より、『ハルノクニ』(作:浜中明/画:中道裕大)が新連載となります。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ◎十二傑賞の藍本松さん…05年10月期「十二傑」にも投稿歴あり。 ──さすがは「ジャンプ」というか、今回も10代〜20代前半の受賞者が目立ちます。文字通りの青田刈りですね。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2006年11号☆ ◎新連載『メゾン・ド・ペンギン』(作画:大石浩二) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 ただ、純粋なテクニックやセンスに関しては非凡な所も多々見受けられました。絵だけでなく文字をビジュアルとして見せる表現や、いわゆる考えオチのレヴェルの高さは特筆モノ。更に“間”の使い方や起承転結のつけ方、「ツンエロ」などといった飛躍した発想など、その端々にポテンシャルの高さを窺わせてくれる作品ではありました。 ●今回の評価 ☆「週刊少年サンデー」2006年11号☆ ◎短期集中連載最終回総括『グランドライナー』(作画:吉田正紀)《第1回掲載時の評価:A−寄りB+》 ●絵についての所見(第1回掲載時からの推移) ●ストーリー&設定についての所見(第1回掲載時からの推移) あと気になったのが、先述した内容と多少被るのですが、脚本でした。セリフのことごとくがストーリーを進行させるための手段になっていて、人間味が全然感じられなかった点。小学館の編集者は、作家を無視して好き勝手にセリフを書き換える…なんてエピソードが『失踪日記』(作画:吾妻ひでお)に載ってましたが、そういうのも疑ってしまいたくなるような、無機質なセリフの羅列ばかりが目立ちました。 全体的に見て、シナリオ・世界観の高い完成度がエンターテインメント性に繋がっていない、大変に勿体無い作品になってしまったな……といったところでしょうか。 ●今回の評価
──さて、引き続きまして第4回「仁川経済大学コミックアワード」の最終ノミネート作品発表に移りたいと思います。 まずは皆さんから推薦を頂いた、グランプリの“ワイルドカード”枠ノミネート作品の発表からお送りしましょう。既に再三お知らせしていますが、「得票2票以上」という推薦要件を満たした作品は以下の5作品となりました。
……今回も多数の推薦、誠に有難うございました。日々のノルマに追われて視野が狭くなりがちな現状、このような形で多くの名作・佳作を知る機会を与えて下さったこと、改めて御礼申し上げます。 では、これよりノミネート作品となりました2作品のレビューをお送りします。それでは一気にどうぞ。 第4回「仁川経済大学コミックアワード」 ◎『皇国の守護者』(作:佐藤大輔/画:伊藤悠/「ウルトラジャンプ」連載中) ●作者略歴 ※伊藤悠さん ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 まず特筆すべきは、オリジナリティ溢れる世界観。現実世界では近代にあたる時代の軍事技術をベースに架空戦記としての設定を作り上げ、そこへ天龍や導術といったファンタジー的な要素も大胆に取り込んで、極めて完成度の高い“リアリティのある架空世界”を構築しています。 そして何よりこの作品の優れている点は、「戦争」というモノに内包されている様々な要素──格好良さ、惨めさ、残酷さ、厳しさ、ユーモラスさ──を、そのいずれも欠かすことなく描き切っている事でしょう。そこには陳腐なイデオロギーは微塵も無く、ただただ戦争という極限状態のありのままが読み手の前に提示されます。 ●現時点の評価
◎『ヴィンランド・サガ』(作画:幸村誠/「週刊少年マガジン」→「アフタヌーン」連載中) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 また、キャラクター設定も素晴らしい完成度です。 これらの極めて完成度の高い設定にも支えられ、シナリオの内容にもスキが有りません。設定上、ヴァイキングたちの戦いに次ぐ戦いの連続がストーリーの中心となるのですが、そこへ主人公・トルフィンと敵役・アシェラッドの複雑な関係がもたらす人間ドラマや、一筋縄ではいかない輩同士の権謀術数の凌ぎ合いなど、様々な要素を絡ませ、立派で重厚なストーリーに仕上げています。 そして何よりも魅力的なのが、迫力あるバトルシーン。「息詰まる攻防」とはこの事を言うのか…と思わせるような、スピード感溢れるアクションと高度な駆け引きが、僅かな緩みもスキもなく展開されています。 誰でも素直に作中世界に没入でき、肩の力を抜いて楽しめるエンターテインメント。しかしそれだけでは終わらせず、目の肥えたマニア層や、本格的な歴史好きの高度な要求にも耐え得る奥の深さも兼備。これもまた、名作と呼ぶに相応しい作品と申し上げておきましょう。 ●現時点の評価
……それでは、他の部門賞も含めて、最終ノミネート作品を発表することにしましょう。
……以上のようになりました。授賞式当日をどうぞお楽しみに。それでは、今日のゼミはこれで終わります。 |
2005年度第56回講義 |
|
今回も変則進行で参ります。日付は12日付としますが、限られた時間を有効に使いながら、何日かに分けて追加振替の形でレジュメを完成させていくつもりです。 ……それでは、ゼミを始めます。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」では、次号(11号)より、作者負傷のため休載中だった『金色のガッシュ!!』が連載再開となります。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2006年10号☆ ◎新連載『ツギハギ漂流作家』(作画:西公平) ●作者略歴 ●絵についての所見 その一方で、新人時代以来の欠点である動的表現の拙さが、ここに来てまた酷くなっているのが大変気になりました。人物のポーズが固いのと、動作の起点と終点の間の過程を省いて描いているのが原因でしょうが、大ゴマで決めたシーンまで迫力不足になってしまうのは、演出上大きな問題と言えます。 ●ストーリー&設定についての所見 また、この懸念材料を目立たせてしまったのが脚本の拙さでした。とにかく読み手に伝えたい事を全て文字にして、それを余さず登場人物のセリフに転化しまっている状態で、まるで『渡る世間は鬼ばかり』か調子の悪い時の『DEATH
NOTE』みたいです。 そして、設定を語る事に力点を置き過ぎた結果、当然の事ながらシナリオは全く物足りないクオリティに。一応小じんまりながらまとまっているものの、「小悪党がひとしきり悪態をついた挙句、主人公にアッサリ退治される」という、こちらも出来損ないの読み切り作品のような薄味の内容となってしまいました。 奇抜な設定にいわゆる「面白さ」を感じた読み手には一定の評価を得られるでしょうが、それだけで誤魔化すにしても限界があるでしょう。次回からの数話でどれだけ内容のあるシナリオが描けるかどうかが、この作品の連載回数を決定付ける重要なカギとなって来そうです。 ●今回の評価 ☆「週刊少年サンデー」2006年10号☆ ◎読み切り『タイムチャンプルー』(作画:麻生羽呂) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー・設定についての所見 あ、あと、過去からやって来た侍に見せかけて、未来からやって来たサイボーグだった…というギミックとミスディレクションは良かったと思います。こういう趣向が1つ有ると、作品の内容にグッと深みが出て来ますよね。 ●今回の評価 ◆「赤マルジャンプ」06年冬号レビュー(4)◆ 必要以上に長々とお送りして来た「赤マル」レビューですが、今回が一応の最終回。残る作品の作者略歴紹介と短評をお届けします。 ◎読み切り『BUG』(作画:西嶋賢一) ●作者略歴 ●短評 ◎読み切り『SKET DANCE』(作画:篠原健太) ●作者略歴 ●短評 ◎読み切り『バクリアン』(作画:普津澤画乃新) ●作者略歴 ●短評 ◎『トライ・アゲイン』(作画:宮田大介) ●作者略歴 ●短評 ◎『格闘王子RIKIDO』(作画:松雪ヨウ) ●作者略歴 ●短評 ◎『刀無』(作画:平方昌宏) ●作者略歴 ●短評 ◎読み切り『ワンダー少年和ん田〜さん』(作画:田辺洋一郎) ●作者略歴 ●短評 ……というわけで、4回になってしまいましたが、「赤マル」レビューをお送りしました。今回は巻頭に『武装錬金ピリオド』が載るという、かなり若手作家さんにとっては厳しい誌面構成でしたが、それでもA−評価が2作品、B+も2作品と上々の内容だったと言えるでしょう。
去年までの若手作家さんが軒並み連載作家になってしまったので、その分新人作家さんの読み切りがタマ不足になってしまったのが残念でしたが、長編作品賞やグランプリなどでは骨太の作品が揃い、なかなかの好勝負になりそうです。どうぞ発表をお楽しみにお待ち下さい。 それでは、今週のゼミを終わります。 |
2005年度第55回講義 |
今回も無念の周回遅れです。まったく、落としてるジャンプ作家さんを馬鹿に出来ませんね。 もう愚痴ばかり吐いてないで、とりあえず、さっさと進行しましょう。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では、 ◎「週刊少年サンデー」では、次号(10号)に読み切り『タイムチャンプルー』(作画:麻生羽呂)が掲載されます。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2006年9号☆ ◎読み切り『イケてる便器』(作画:伊藤直晃) ●作者略歴 ●絵についての所見 まぁ、デビュー前の作品ですから、今となっては過去の過ち。この時の反省を踏まえて、今後の創作活動に繋げてもらいたいと思います。 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週のチェックポイントは連載終了となった『大泥棒ポルタ』の総括を。 ◎『大泥棒ポルタ』(作画:北嶋一喜) 『ぷーやん』以来、久々の1クール打ち切り。溜まりに溜まっている掲載順低迷作品をごぼう抜きにして、文字通りの“突き抜け”となりました。 ☆「週刊少年サンデー」2006年9号☆ ◎読み切り『THROW OFF』(作画:佐久間力) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー・設定についての所見 ただ、惜しむらくは前半と後半で主人公がまるっきり別人格の人間になってしまっている事。冒頭からハンドボール部入部までの傍若無人ぶりと、試合シーンで見せた心境の吐露を繋げる伏線が全く無いために、心の動きが不自然というか作者の都合丸出しになってしまいました。 ●今回の評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週は『クロスゲーム』が第2部20回を迎えました。ストーリーの動きの小さい作品で、語るポイントを見つけるのも一苦労ではあるのですが……(苦笑)。 ◎『クロスゲーム』(作画:あだち充) 連載が通算30回を迎えて、漸く一軍×二軍の紅白戦が始まると言う、相変わらずの超スロー展開。『おおきく振りかぶって』が高速展開に思えるスピードですね(笑)。大御所作家だからこそ許される所業であります。 ◆「赤マルジャンプ」06年冬号レビュー(3)◆ 今回は3回目。評価B+以上作品のレビューの後半をお送りします。残りの作品は次週分にて、作者略歴と短評を掲載する予定です。 ◎読み切り『ISSUN』(作画:魔球通司郎) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ただし、ギャグとしか思えない主人公のシークレットブーツを、シリアスな主要設定として引っ張ってストーリーを展開させたのは強引に過ぎた感があります。これに限らず、かなり非現実な内容を含むお話だったので、読者を選ぶ作品かも知れません。 ●今回の評価 ◎『ネコロマンサー』(作画:松本直也) ●作者略歴 ●絵についての所見 少しだけ気になる所を敢えて抜き出せば、アクションシーンのインパクト(「衝突」の方)の瞬間が省略され過ぎる所でしょうか。これで大ゴマで見栄えのする決めのシーンが描けるようになったら、すぐにでも連載にゴーサインが出せるでしょう。 物足りない部分としては、猫のキャラが活き過ぎていて、主人公の影が薄くなってしまった点が1つ。そして先述の通り、シナリオが単調で一本調子なところがあった事がもう1点です。 ●今回の評価
|
2005年度第54回講義 |
||||
風邪と眼精疲労も峠を越しまして、ようやく業務再開となりました。年を重ねる度、体調を崩してからリカバーするまでの手間と暇が増えているのを感じます。否応無しに年齢を痛感させられます。 さて、こういう事になってしまいましたので、今週もスクランブル体制でお送りします。とりあえずは今日(31日深夜)準備できた所までを公開し、残りは明日にでも追加振替講義とさせて頂きます。(追記:講師多忙につき追加振替は2/2以降に延期させて頂きます) ……あ、講義遅延のワリを食って開催が遅れております、第4回「仁川経済大学コミックアワード」ですが、水面下で地味に準備は進行中です。こちらも今しばらくお待ち下さい。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ※30日発売の「ジャンプ」9号掲載の情報については、次回ゼミ(1月第5週/2月第1週分)にて紹介します。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ※「十二傑新人漫画賞」 ※「まんがカレッジ」 今月はこの他、確証が取れずに掲載を見合わせた情報として“「コミックバンチ」掲載歴があるかも知れない選外の人”もおり、他誌での活躍を経て“メジャー挑戦”を狙う新人さんの多い月度でありました。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2006年8号☆ ◎読み切り『宇宙商人ポメットさん』(作画:風間克弥) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 ただ、光明というわけではありませんが、「惜しい」と思えるポイントも見出せた作品ではありました。まだ“打率”は低いですがセリフの言い回しで狙う小ネタを見せたり、活かし切れていないものの登場人物のキャラクターが笑いに繋がる“良い味”を出していたり。 ●今回の評価 ☆「週刊少年サンデー」2006年8号☆ ◎読み切り『護って騎士』(作画:福井あしび) ●作者略歴 ●絵についての所見 この他、トーンの選択ミスで暗くなってしまった画面構成や、ロングショットの絵の粗さなど、いかにもデビュー作らしい荒削りな面もいくつか見受けられました。ただ、これは新人賞の受賞作掲載ですから、ある程度は仕方ない部分でしょう。 ●ストーリー・設定についての所見 また、「作品のメインはキャラクター描写とストーリーである」という少年マンガの大原則を忘れず、主人公の心の動きを描こうとした姿勢にも好感が持てます。ヒロインと敵役のキャラクター設定がやや記号的でステロタイプだった事、序盤の主人公の行動が酷すぎて“正義の騎士”的キャラを気取るには説得力に欠けた事など、問題点も見受けられますが、見据えているベクトルが間違っていないので致命的な欠陥にはなっていません。 ただ、個人的に残念だったのがストーリー。確かに持ち前の構成力で上手くまとめられてはいるのですが、イマイチ食い足りなさが残りました。 ●今回の評価 ◆「赤マルジャンプ」06年冬号レビュー(2)◆ 2回目の今回は、正規レビュー実施予定のうち2作品を紹介します。お待たせした(実はこの部分は土曜公開です)割に少なくてすみません。今のコンディションではこれが精一杯です……。 ◎読み切り『ジュウオウムジン』(作画:水野輝昭) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ストーリーも、適度に練りこまれた世界観や各キャラの設定に矛盾しないよう配慮されているので展開が実に自然で、テンポも良いですね。そんな自然な流れの中でキチンとヤマ場も作れていますし、これはかなりポイントが高いです。 また、3人称視点のスタンスにも関わらず、主人公が動物になっている様子は主人公の1人称でしか描かれていないというのにも若干の違和感が残りました。 ●今回の評価 ◎『生きてた。』(作画:小山祐太) ●作者略歴 ●絵についての所見 背景処理や特殊効果といったマンガ独特の表現技巧についてはデビュー作から及第点レヴェルをキープしているなど、全くセンスが無いわけではないのでしょう。まだ若い作家さんですし、ともかくもプロ意識を持って技術の練磨に励むのみでしょうね。 ただし、プロット・シナリオの内容の充実度や、世界観・登場人物設定の緻密さなど、本格的な長編ストーリー作品を描く上で最低限必要な要素が大きく欠けているのも事実です。この歪なストーリーテリング力を“異彩の才能”と賞するか、“荒削り”とまとめるか、“片手落ち”とネガティブに判断するかは意見が分かれるところでしょうね。 ●今回の評価 ……それでは、「今週分」としてはひとまずここまで。引き続いて1月最終週〜2月第1週分のゼミ準備に移ります。しばしの間失礼します。 |
2005年度第53回講義 |
1週間のご無沙汰になってしまいました。いやもう、毎日昼間でエネルギーを完全に使い果たしてしまいまして……。 さて今週は、「週刊少年ジャンプ」は合併号休みで、その代わり「赤マルジャンプ」06年冬号が発売になっています。例年は年末発売なのですが、今冬は「GO!GO!ジャンプ」が05年末に発売されたこともあって、変則的なスケジュールになっています。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★今週の誌面では、読み切り・新連載、及び新人賞関連の公式アナウンス情報はありませんでした。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年サンデー」2006年7号☆ ◎読み切り『ギョッとする! おととさん』(作画:橋本時計店) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 課題としては、ややセリフのギャグが練り込み不足で流れ気味だった点が挙げられるでしょうか。セリフそのものは無駄なく練り込まれており、意図する所は理解出来るのですが、ここからもう一歩ハジけてもらいたいと思います。ただ、これもレヴェルの高い注文です。 ●今回の評価 ◆「赤マルジャンプ」06年冬号レビュー(1)◆ 1回目の今回は、巻頭カラーの『武装錬金ピリオド』のレビューを兼ねて、『武装錬金』シリーズの総括もまとめてお送りします。新人・若手作家さんの作品については、レビューの骨子は出来上がっているものの、評価A−とB+の振り分けで迷っている作品が複数あるのです。お待たせして申し訳ないですが、次回ゼミまでお待ち下さい。 ◎『武装錬金ピリオド』(作画:和月伸宏) 旧評価:保留→最終確定評価:A− ビジュアルノベル風に言えば、「斗貴子さんグッドエンド」という事になるのでしょうか。若干強引でヌルめの辻褄合わせが認められるものの、読み手に陽性のカタルシスを十分与えてのハッピーエンド決着となりました。 そして、先ほどは“若干強引でヌルめ”と述べましたが、それでもプロットの充実度は素晴らしかったです。可能な限り伏線を回収し、脇役たちそれぞれの物語にも決着をつけ、見せ場の演出・脚本も全くスキ無しのクオリティ。打ち切りで過剰に広がり切っていた“風呂敷”を畳み切る事に成功しています。 ……ただ、それでも如何ともし難いのがページ数の絶対的不足。今回のプロットなら、最低でも単行本1冊分丸々のボリュームは欲しい所なのですが、この辺が円満完結でない悲しさなのでしょうね。蛇足や“遊び”の部分を削るだけでは事足りず、戦闘シーンや場面・時系列を飛ばすのに必要な“間”まで削ってようやく詰め込んだ…といったところでしょうか。 さて、最後に連載全体の総括をして、締めくくる事としましょう。 |
2005年度第52回講義 |
今週には旅行記外伝を終わらせる予定だったのですが、想像以上に世を忍ぶ仮の本業のストレスが酷く、こちらに取り掛かる気力が確保出来ませんでした。長期間心身をリフレッシュさせてしまうと、その揺り戻しも酷いという典型例であります(苦笑)。 まぁ、旅行記も骨子は頭の中で完全に出来てますので、しばしお待ちを。 さて、それでは早速ゼミを始めましょう。今回は先週土曜日発売の「週刊少年ジャンプ」6・7合併号の内容についてと、「GO!GO!ジャンプ」レビューの第2回をお送りします。なお、前回のゼミの中で「『週刊少年ジャンプ』系作家の作品は4つ」と申し上げましたが、5つの間違いでした。よって、レビュー対象作もその分増えて全部で5作品となります。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では、次号(8号)に読み切り『宇宙商人ポメットさん』(作画:風間克弥)が掲載されます。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2006年新年6・7合併号☆ ◎読み切り『FOREST』(作画:内水融) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ストーリーの方は、悪党が無垢な少女に心を癒されて改心するが……という手垢が付いたパターンではあるのですが、その“材料”の料理の仕方が巧いという印象ですね。扱いの難しい“善・悪の逆転”というテーマを堂々と描き切り、シビアながら人情味溢れる“後味の良い悲劇”に上手く仕上げられています。 ただ、惜しむらくは脚本。やや事務的で説明的なセリフが多く、決め台詞も冴えていたとは言い難いもので、折角の良作も画竜点睛を欠いた感が否めませんでした。クライマックスでも一連のセリフがあと少し洗練されていれば、文句無しで名作だと推せたのですが、これだけが残念でしたね。 ●今回の評価 ◆「GO!GO!ジャンプ」レビュー(2)◆ ◎読み切り『恋するサボテン』(作画:長宏樹) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 特に中盤で随分とページを浪費したのが終盤に響いています。主人公のキャラクターを描き切れなかったためにクライマックスのカッコ良い行動に説得力が全く出て来なかったですし、覆面ヒロインもその魅力を最大限発揮出来たとは言い難い演出でした。 ストーリーの破綻はギリギリの所で避けられてはいるものの、それも矛盾点を潰すだけで精一杯。設定・ストーリーの練り込みは落第点レヴェルとあっては、いくらデビュー作である事を考慮しても、厳しい評価は避けられないでしょう。 ●今回の評価 ◎読み切り『REVOLVER大和』(作画:久米利昌) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 一方、設定やストーリーといった“今作限り”の要素についてですが、何とも言えないもどかしさが残ってしまいました。必殺技や不良まみれのサッカー部といったベタでトンデモな設定を使っておきながら、何とかそのトンデモ色を消して正統派の青春モノに見せたい…という配慮が露わになってしまい、逆に不自然でした。 懸命に矛盾点を潰し、トンデモ色を消そうとした努力の結果、確かにストーリーはよくまとまっており、ラストも形としては上手く決まってはいるのですが、逆に言えば「まとまっているだけ」という言い方も出来てしまう作品でした。駒木が言うのもアレですが、欠点を指摘してツッコむという評論家的な視点で作品を創っても成功するわけではない…という典型例と言えるのではないでしょうか。 ●今回の評価 ◎読み切り『レマ宇宙探検隊』(作画:東元俊也) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ●今回の評価
それでは、また来週。次週は「赤マル」の発売となりますが、今回は評価上位の5作品程度をレビュー対象として、あとは略歴と簡単な評価のみの掲載に留めようかと思っています。語る価値も意義も薄い作品のレビューがトラブルの種になるのはもうウンザリですしね。 |
2005年度第50回講義 |
今週は4日に「サンデー」、そして7日に「ジャンプ」がぞれぞれ発売になる、ちょっと変則的な日程です。翌週月曜が成人の日のための「ジャンプ」前週土曜発売ルール適用なわけですね。 ……それでは、今週のゼミを始めます。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」では、次号(7号)に読み切り『ギョッとする! おととさん』(作画:橋本時計店)が掲載されます。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年サンデー」2006年新年5・6合併号☆ ◎新連載第3回『地底少年チャッピー』(作画:水口尚樹) ●絵についての所見(第1回掲載時からの推移) ●ギャグについての所見 また、ネタ元がゲストキャラの外見や行動の判り易過ぎる変さに集約し過ぎているのも問題ではないでしょうか。馴染みの無い人物が、馴染めないような外見・行動をしているのでは、どうしても読み手は引き気味のスタンスになってしまいますしね。 こうして見ると、どうもこの作品は、根本的な部分から失敗している可能性が濃厚ですね。読み手に笑いを提供できない主人公と相手役では、良いギャグ作品になりようがありません。今のこの作品は、バカボンパパのキャラが非常に地味な『天才バカボン』みたいなモノですからね。 ●今回の評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週のチェックポイントは、『道士郎でござる』の最終回総括です。 ◎『道士郎でござる』(作画:西森博之) 04年5月開始ですから、連載期間は約1年7ヶ月。半年〜1年弱で打ち切られるか、2年以上の長期連載になるパターンが多い「サンデー」にしては、やや中途半端という気がしますね。 さて、作品全体の内容を振り返ってみると、“少年版『最強伝説黒沢』”みたいな話でしたね。本家『黒沢』と違い、主人公が人生に行き詰まったオッサンではなく前途ある少年である分だけ、前向きで、将来にも希望があって、恋愛も成就出来て…と、明るいトーンの話になりましたが、まぁそれはそれで良かったのではないでしょうか。連載終了の真相はどうあれ、爽やかなハッピーエンドであった事も確かです。 ◆「GO!GO!ジャンプ」レビュー(1)◆ ◎読み切り『蟋蟀 -KOHROGI-』(作画:樋口大輔) ●作者略歴(参考:他) ●絵についての所見 ●ストーリー・設定についての所見 ただ、残念なのはプロット・シナリオが平凡かつ簡単に先が読めてしまうモノであったため、ストーリーを追いかける妙味には著しく欠けた作品になってしまった事でした。もう少し読み手の意表を突く要素があっても良かったはずです。 まぁそういったキズを目立たせないだけのストーリーテリング力は流石と言う他無いのですが、これらの欠点に目を瞑ってまで褒められるかというと、躊躇を覚えてしまいます。 ●今回の評価 ◎読み切り『ハットリ』(作画:矢部臣) ●作者略歴 ●絵についての所見 結局のところ、アシスタントとしてのスキルはアップしたものの、肝心のマンガ家としての作画技術は未だ発展途上だという事なのでしょう。今後、週刊本誌進出や連載獲得を目指す上においては、魅力的な人物を描くための作画技術の習得が急務であると言えます。 どうも現在の矢部さんは、いわゆる“設定厨”状態にハマっているのではないでしょうか。読者が求めているのは難解な設定ではなく、心を打つドラマであるという事を失念しないで頂きたいなと、僭越ながら諫言申し上げたい次第です。 ●今回の評価
……以上、1月第1週前半分のゼミをお送りしました。後半分は週明けに実施する予定です。それでは。 |
2005年度第49回講義 |
新年明けましておめでとうございます。 さて、12/30のコミケット69・「駒木研究室」スペースには相変わらず多数のご来訪、有難うございました。 ……それではゼミを始めます。今日は東京旅行などで先週実施できなかった、年末発売の「ジャンプ」4・5合併号関連の内容で軽めにお送りします。増刊レビューとかは今しばらくお待ちを。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では、次号(6・7合併号)に読み切り『FOREST』(作画:内水融)が掲載されます。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2006年新年4・5合併号☆ ◎読み切り『氷姫奇譚』(作画:河下水希) ●作者略歴(参考:河下水希・桃栗みかんファンサイト「OVER
DRIVE」他) “河下水希”名義でのデビュー作は週刊本誌00年19号の『りりむキッス』で、同年48号より連載化された(2クール24回で打ち切り終了)。「赤マル」01年夏号で読み切り掲載を挟んだ後、02年12号より『いちご100%』を連載開始。これがスマッシュヒット、05年35号まで全167回の長期連載(&05年秋発売の「ジャンプ
the REVOLUTION」にて番外編も掲載)となり、CDドラマやテレビゲーム、更には深夜枠でのアニメ化など複数のメディアへの進出も果たした。 ●絵についての所見 ●ストーリー・設定についての所見 まぁそんな事はさておき、作品の中身について。 まぁこの作家さんと作品の主軸が、ストーリーの内容よりもヒロインのキャラ描写やお色気シーンの方に向いているのは百も承知なんですが……。それでも、もっとシナリオを練り込めば、正統派のストーリー系作品としても十分通用するような素材だと思えるだけに、残念さの方が先行してしまいます。呪いの原因となった過去のエピソードを、もう少しジックリ描くだけでも随分と違った印象の作品になったと思うんですけどね。 ●今回の評価
……といったところで今日はひとまずこれで終わります。なお、今週は週末にもう1回ゼミを実施する予定です。 |