「社会学講座」アーカイブ(競馬学関連・11)

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講義一覧

6/26 競馬学特論「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・最終戦・宝塚記念」
6/5 競馬学特論 「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・第9戦・安田記念」
5/29 競馬学特論 「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・第8戦・東京優駿(日本ダービー)」
5/22 競馬学特論 「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・第7戦・優駿牝馬」
5/11 競馬学特殊講義 「駒木博士の高知競馬観戦旅行記」(4)
5/8 競馬学特論 「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・第6戦・NHKマイルC」
5/4 競馬学特殊講義 「駒木博士の高知競馬観戦旅行記」(3)
5/1 競馬学特論 「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・暫定第5戦・天皇賞(春)」
4/17 競馬学特論「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・暫定第4戦・皐月賞」
4/10 競馬学特論 「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・暫定第3戦・桜花賞」
4/2 競馬学特殊講義 「駒木博士の高知競馬観戦旅行記」(2)
3/29 競馬学特殊講義 「駒木博士の高知競馬観戦旅行記」(1)

 

2004年第26回講義
6月26日(土) 
競馬学特論
「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・最終戦・宝塚記念」

 いやはや、何とか辿り着きました。今期最終戦の宝塚記念です。
 今期は朦朧とした意識の中で編集作業をしていた記憶ばかりが残っているのですが(苦笑)、漸く最終戦にしてマトモな精神状態で講義に臨めそうです。……まぁだからといって、予想が当たるのかと言えば、やはり“負け犬”だけあって、むしろ逆になりそうな予感がします(笑)。杉本清の夢か駒木の予想かといったところでありましょうか。

 ところで今回は最終戦という事で、前期同様ポイントを倍付けで計算します。ただし、今回は最下位の罰ゲームはありません。赤星先生は再登場にやぶさかでないそうですが(笑)、珠美ちゃん以外の3人が「もう勘弁」と言っておりますので……。
 まぁ、赤星先生には年末のコミックアワードあたりで出演してもらいましょう。


最終戦・宝塚記念(阪神・2200・芝)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

        シルクフェイマス 四位
重賞2つを含む5連勝+天皇賞3着で、いつの間にやら勝ち馬候補の一角に。今回は、そんな名目上の実績に中身が伴っているかどうかの試金石。
        トレジャー オリヴァー

前走の16番人気2着は確かに鮮烈だったが、ハンディキャップホースの印象が未だに拭えず。3kg増でG1級相手にどこまでやれるかは、やはり疑問。

  ゼンノロブロイ 田中勝

ビッグタイトルこそ無冠だが、G2・G1が主戦場でデビュー以来全て4着以内の堅実さは出走馬中で群を抜く。瞬発力不足を咎められない展開なら勝機も十分。鞍上の乗替は微妙(笑)。

× ×     ローエングリン 横山典

永遠の善戦マンが2年ぶりの宝塚記念参戦。強力な同型を背後にどこまでマイペースを貫けるか。それでも勝ち切るまでには有形無形の恵まれが必要そう。

× ザッツザプレンティ デムーロ
ムラ駆けの傾向が強まる近況だが、ツボにハマった時の“破壊力”はやはり脅威。瞬発力勝負を避け、叩きあいに持ち込みたいが……。新パートナー・デムーロの奮起に期待。
    ×   サイレントディール 池添

昨年のこのレース以来の芝戦線参戦。適性云々に不安は無いが、ドバイ遠征明けで強力メンツが相手で果たしてどこまで?

    ×   ダイタクバートラム 小牧太
復帰3戦目。生粋のステイヤーのようで、中距離にも実績あり。復調の気配が顕著だし、問題は初顔合わせの強豪との実力比べ。
× × リンカーン 武豊
天皇賞の大敗は能力が原因ではなく、度外視したいところ。特異の阪神コースに戻って巻き返しを狙う。カギは一線級相手で実績に乏しい中距離がどうかだが。
        チャクラ 柴田善

春一連の成績は立派だが、着順を鵜呑みに出来ないレースばかりというのが悩ましいところ。これまで入着圏ギリギリだったG1の舞台で、今回どこまで上積みあるかは未知数だが……

        10 メイショウドメニカ 松永

一応は重賞ウイナーとは言え、このタイミングでG1初挑戦とは唐突な感が否めず。調教の動きも緩慢で、ここは1周回って来るだけで終わりそう。

        11 スティルインラブ
前年度三冠牝馬だが、同期のライバルの近況を見る限り、牡馬の一線級とは実力に差がありそう。デキもまだ復調途上で苦戦必至の情勢。
        12 ホットシークレット 福永
かのテイエムオペラオーと壮絶な2着争いを演じた3年前の宝塚記念は語り草。本来ならばマイペース条件に伏兵の評価もアリだが、年齢や臨戦過程から見てここは苦戦。
× 13 ツルマルボーイ 安藤勝
安田記念で念願のG1初制覇。最後方からのレースは不利ではあるが、周囲のマークが弱まるのは好都合。マイペースな展開からの追い込みで、2年連続2着の雪辱を狙う。
        14 ダービーレグノ 秋山
中〜長距離G2専門のブロンズコレクターというレアな役割を追求しつつある(?)昨今だが、G1では入着すらままならぬのが現状。この相手ではキツい。
15 タップダンスシチー 佐藤哲
金鯱賞は着差以上の完勝劇。有馬記念大敗の影を完全に断ち切った。今はもうマイペースの逃げ・先行は許されまいが、「4角回って先頭なら影を踏ませぬ」の構え。怖いのは差し馬の出し抜けを喰らう事。


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 まずは天候と馬場状態。天気予報によると、阪神競馬場周辺は終日曇るものの雨はほとんど降らないだろうとのこと。土曜夕方時点では芝コース稍重の発表だったが、どうやら極端な道悪馬場は回避出来そうだ。
 そしてレース展開の方だが、逃げ馬2頭のうちハナを叩きそうなのはローエングリンの方か。タップダンスシチーが逃げるならば大逃げ狙いだろうが、今回の情勢ではさすがにマイペースの競馬は許されまい。普通に考えて2〜3番手待機だろう。
 後続では好位集団にゼンノロブロイとシルクフェイマス、そのすぐ後ろあたりにザッツザプレンティにリンカーンと、馬群の前半に有力馬が固まって牽制しながら仕掛け所を窺う構え。後方のツルマルボーイはマイペースで己の末脚に賭ける。
 ペースは澱みの無い流れで平均ペース。馬混みは混雑しない程度の縦長で、典型的な力勝負で決着する流れになりそう。

●駒木ハヤトの「負け犬エレジー」●
《本命:ツルマルボーイ》
 

 金鯱賞のタップダンスシチーは強かった。着差こそ頭差だったものの、ハナにこだわらず、先行抜け出しで堂々と押し切った横綱相撲だった。これなら今回ダントツの1番人気に支持されても……って、ゼンノロブロイと競ってるがな(笑)。
 良いんですか、競馬ファンの皆さん? 勝春が乗った杉本清の夢ですよ?(笑) そんな馬の3倍台の単勝買って……まぁいいや。とにかくタップダンスシチーは強くて、これなら本命に推すのも当たり前の話。しかしながら、よく考えたらこの馬と互角以上に戦っている馬がいる。
 それがツルマルボーイ。ハナで笑うなかれ、これでも立派な宝塚記念2年連続2着馬だ。
 この馬、2年前が4番人気、去年は8番人気ながら後方待機からの追い込みで穴馬券の立役者になっている。そして今回も4番人気で、展開も多分同じ。メンバー構成も一昨年と同じくらいで、去年よりは明らかに軽い。そうだ、我々はいつまで経っても学習していないというわけだ(笑)。まぁ学習しないから毎週毎週、控除率25%強のバクチなんぞやってるわけなのだが、とりあえず今回は少しばかり学習しておこうではないか。

 ただ、懸念はやはり馬場状態。これでもう一雨降った場合、プライベートの馬券は○印以下の馬を1ランクずつ繰り上げるつもり。不良馬場になったらタップダンスシチーも外す。 

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(27日未明時点)
単勝 13 200円 8.8
馬連 13-15 200円 13.7
  3-13 200円 15.4
  3-15 200円 7.9
  5-13 200円 36.0
  8-13 200円 24.7
  4-13 200円 55.5
馬単 13→15 200円 33.6
  13→3 200円 40.7
三連複 3-13-15 200円 16.7


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:タップダンスシチー》

 安田記念で良い結果を出せたお蔭で、大変気分良く最終戦を迎えることが出来ました。勿論、ここも皆さんのお役に立てれば…と思います。
 本命は1番人気でしょうけど、タップダンスシチーで。金鯱賞のレースを見る限りでは、やっぱりこの馬が実力で頭一つ抜けている気がします。ここを勝って、堂々と凱旋門賞にチャレンジしてもらいたいとも思いますし。
 これに続くのが、やはり4歳世代トップクラスの3頭。天皇賞のレース振りが気になりますけど、実績を比較すると他の有力馬とは差がありますし、これ以上評価を下げられないといったところでしょうか。安田記念でお世話になったツルマルボーイにも頑張ってもらいたいのですが(笑)、やっぱりこのメンバーでは押さえまでかな、という気がします。

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(27日未明時点)
単勝 15 200円 3.7
馬連 8-15 200円 14.4
  5-15 200円 17.8
  5-8 200円 23.8
  3-15 200円 7.9
  13-15 200円 13.7
  4-15 200円 21.8
馬単 15→8 200円 26.2
  15→5 200円 27.0
三連複 5-8-15 200円 38.8


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:ザッツザプレンティ》

 結局このシリーズは最初の方で本命馬券を当てただけ。こんなはずじゃなかったんですけど……。
 それでも穴党の良い所はここからでも逆転優勝が狙えるところ。今回は7番人気までソコソコ人気しちゃってるので大きな穴は狙えないんですけど、ポイント2倍と馬単・3連複のボーナスで頑張ってみたいと思います!
 ……で、今回の本命は、去年の菊花賞からお世話になってるザッツザプレンティ。もっとお世話になってるリンカーンと迷ったんですけど、リンカーンは変に人気しちゃってるので○印にしておきました。ザッツザプレンティのデムーロ騎手に乗り替わりも面白い材料ですしねー。
 敢えて大きな穴を探すならサイレントディールかな。ダービーの成績とかから考えると、単勝60倍ってちょっとおかしいと思うんですよね。プライベートで少しだけ買っておきたい馬券です(笑)。

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(27日未明時点)
単勝 200円 10.8
馬連 5-8 200円 23.8
  5-15 200円 17.8
  8-15 200円 14.4
  5-13 200円 36.0
  5-6 200円 312.7
  5-7 200円 98.2
馬単 5→8 200円 55.3
  5→15 200円 42.7
三連複 5-8-15 200円 38.8

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:タップダンスシチー》

 やっとイイ感じになって来たところで最終回なんて、「サンデー」のマンガみたいで悲しいんですけど(笑)、ガンバって優勝を狙いたいと思います!
 今日は、去年の秋からこれまで見てきたG1レースで印象に残っている強い馬から順番に印をつけていきました。ジャパンCでスゴい差をつけて勝ったタップダンスシチー、トリプルクラウン(ティアラ?)のスティルインラブ、そして3週間前のツルマルボーイ……といった感じです。
 あ、企画が変わる秋からも競馬の講義には参加させてもらえるそうなので、またヨロシクお願いしますね〜♪ それでは皆さん、See you!

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(27日未明時点)
単勝 15 200円 3.7
馬連 11-15 200円 130.9
  13-15 200円 13.7
  11-13 200円 207.5
  3-15 200円 7.9
  5-15 200円 17.8
  8-15 200円 14.4
馬単 15→11 200円 199.2
  15→13 200円 21.7
三連複 11-13-15 200円 240.5

 ……というわけで最終戦の予想をお送りしました。秋からはまた別の企画で競馬学特論を実施する予定でいます。また9月の再開をお楽しみに。ではでは。


宝塚記念 成績

1着 15 タップダンスシチー
        2着 1 シルクフェイマス
× × 3着 リンカーン
  4着 ゼンノロブロイ
× 5着 ザッツザプレンティ

単勝15 350円/馬連1-15 1930円/馬単15-1 3190円/三連複1-8-15 4140円

 ※駒木ハヤトの“負け犬の遠吠え”(不的中)
 どうして駒木が買った時だけ来ないんだツルマルボーイ(涙)。このペースならせめて2着には来いよぉ……。
 それにしても“4歳4強”軍団の決め手の弱さと言ったらないねえ。揃いも揃って瞬発力が無いんだもの。エアシャカールかホッカイルソーのクローンが走ってるような錯覚を覚えるよ。でも、同じようなタイプでもキッチリ結果を出してたのがヒシミラクルだったんだよな。
 とにかくこの春はキツかった。予想する時間以外の時間がキツかった(苦笑)。秋にはもうちょっと何とかなってたらいいなぁ……。

 ※栗藤珠美の“喜びの声?”(単勝のみ的中)
 一応、単勝は当たっているんですけど、正直言ってガッカリです(苦笑)。3〜5着に重たい印を打った馬が来ただけに、脱力感が物凄いですね……。
 でも、総合優勝ということで、それは素直に喜びたいと思います。2期連続で駒木博士にも勝ちましたしね(笑)。2年半、一生懸命勉強して来た甲斐がありました。勿論、これからも頑張りますのでどうか宜しくお願いしますね♪

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 惜しいことは惜しいんでしょうけど、○▲で14倍ソコソコの馬券当てても仕方ないんで、もう仕方ないですね(苦笑)。
 結局この春は、去年の秋で作った貯金を食い潰しちゃっただけで終わっちゃいました。最下位の罰ゲームが無くて良かったです(笑)。でも、回収率5%って、逆に凄いですよね。自分で笑っちゃいますよ(笑)。

 ※リサ=バンベリーの“ハッピー・ハッピー・グッドラック?”(単勝のみ的中)
 今週も「やった!」…と思ったんですけど、リンカーンが伸びなくて……(苦笑)。
 でも、とりあえず当たって良かったです。本当は駒木博士にも勝ってみたかったんですけどね(笑)。

全10戦終了後の最終成績

  前回までの獲得ポイント 今回獲得したポイント 最終獲得ポイント
(確定順位)
駒木ハヤト 7000
(2位)
0 7000
(2位)
栗藤珠美 13760
(1位)
700 14460
(優勝)
一色順子 570
(4位)
0 570
(4位)
リサ=バンベリー 4560
(3位)
700 5260
(3位)

 (ポイント・順位の変動について)
 1番人気のタップダンスシチーが圧勝するも、2着に4人ともノーマークのシルクフェイマスが入線し、いかにも駒木研究室らしい盛り下がる結果で終了した。
 優勝は栗藤珠美。前半戦は苦戦したが、第9戦の安田記念での大量加点が決め手になった。2位は駒木だが、回収率70%弱の成績では不本意だったろう。

 


 

2004年第22回講義
6月5日(土) 
競馬学特論
「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・第9戦・安田記念」

 盛り下がる事この上ない展開の中、いよいよラス前となりました。よりによって一際疲れてる時に、一際難しいレースなんですが、結果オーライでも当たればいいや、などと投げやりに考えております(笑)。受講される方も、(いつもそうかも知れませんが)、まぁそれなりでお願いしたいと(笑)。


第9戦・安田記念(東京・1600・芝)
馬  名
赤字は外国調教馬
騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

× ファインモーション 武豊
2年前の世代最強牝馬にして、昨秋のマイルCS2着馬。実績は十二分だが、今回は半年の休み明けで調整途上。どこまで地力でカヴァーできるか。
  ×   マイソールサウンド 本田
前走でローエングリンを競り落とし、一躍注目の的に。ただし、いくらか恵まれた面もあっただけに、多頭数でメンツの揃った今回はまさに試金石。
        オーゴンサンデー 吉田豊

昨秋のオープン入り後、果敢な挑戦が続くが、結果が伴わず。1400mベストの現状からも、ここは苦しい。

        ミデオンビット 岡部幸

本来はベストの条件だが、明らかに精彩を欠いている現状。同型も揃ったし、今回は苦戦必至。

× ウインラディウス オリヴァー

京王杯SCの走りを見るまでもなく、充実一途の近況。枠順と騎手の力も借りて、グリーンベルト地帯を縦横無尽に駆け巡るか。

  アイランドファッション ブーグリシ
アメリカ国内での力関係は「牝馬限定戦の枠を飛び越えた強豪」とのこと。芝戦績の乏しさ、厩舎・騎手含めて日本初参戦というハンデはあるが、今回のメンツなら地力は通用しそうだ。
×   ローエングリン 横山典

長年、安定した地力をバックボーンに実績を積み重ねてきたが、日本のG1レースでは3着が最高。瞬発力不足と過酷な展開を乗り越えての悲願達成は果たして成るか?

        イーグルカフェ 蛯名
歴戦の強者も、さすがに近走はお疲れ気味。連戦続きで状態の上積みも見込めぬし、入着が精一杯の情勢か。
  テレグノシス 勝浦
勝ち鞍全て東京コースと言う、典型的なトニービン産駒のスペシャリスト型。昨年はプレッシャーに押し潰された形だが、海外で揉まれた経験活かして久々のG1戴冠なるか。
        10 メイショウボーラー 福永

ダービーを蹴って、異例の3歳馬の安田記念挑戦。4kgの斤量差はプラスだが、万全とは言えぬ状態で最後の直線を持ち応えられるかは極めて微妙。

        11 ジョウテンブレーヴ 内田博

ここ2走に復活の兆しは確かに窺える。だが、往時ですら歯が立たなかったG1に、7歳の今になって通用する見込みは……?

        12 ユートピア 四位
なかなか復活の糸口見出せず、迷走気味の3歳ダート王者。今回も勝ち負け云々よりもキッカケ探しの方が優先か。
        13 メジロマイヤー 武幸
前走、オープン緒戦を逃げ切りで快勝。しかし道悪が空ッ下手な上、同型が揃い過ぎている。実質昇級戦のようなものだし、ここで多くを期待するのは如何なものか。
×   × 14 ツルマルボーイ 安藤勝
これまでの実績と格で言えば、メンバー中随一。展開も向きそうで、稍重までなら道悪も対応できそうだが、マイル4戦全て着外と言う部分は気になる。あと、新パートナーのアンカツの腕も注目。
        15 ダンツジャッジ 柴田善
距離、臨戦過程、地力といかにも微妙な条件が出揃った感じ。道悪だけは滅法上手いだけに、何よりも大雨が欲しいところ。
    ×   16 バランスオブゲーム 田中勝
永遠のG2大将が、G1レース7度目の挑戦。昨秋のマイルCSの成績(4着)からすると、今回は連対圏と言える。得体の知れぬ勝負弱さは気になるが、間隙を突ければ勝ち負けまで。
        17 マイネルモルゲン 後藤浩
前走で悲願の重賞初制覇なるも、ハンデ戦での実績では家賃完済とは言えなさそう。万全の仕上げとは思えぬし、ここは静観が妥当か。
    ×   18 セルフフリット ライ

名伯楽・アラン師の日本ラストラン。御祝儀的な狙いも一考だが、さすがに格不足が否めない地力では……。ここはあくまでも「出走=引退セレモニー」的な扱いか。


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 まずは気になる天候と馬場状態だが、雨は降っても小雨程度で、馬場渋化は限定的なものに終わりそう。最悪でも稍重に留まりそうだ。よって、道悪適性を過剰に予想に加味するのは逆に問題と言えよう。
 さて、逃げ馬候補はメジロマイヤー。メイショウボーラー、ローゼングリン、ミデオンビットの4頭。ガツガツとした競り合いにはならないだろうが、どの馬がハナを切るにせよハイペースは必至の情勢。
 後続は縦長の展開に。有力馬ではバランスオブゲームが好位、マイソールサウンド、アイランドファッション、ファインモーションが中位前後、後方にウインラディウス、テレグノシス、ツルマルボーイといったところ。
 直線は仮柵を外した部分、いわゆるグリーンベルトを巡る攻防で、情勢は極めて混沌。何頭かは致命的な不利で実力を発揮できない馬も出て来るだろう。また、東京1600はハイペースになれば差し・追い込み絶対有利になるが、不思議とこのレースは人気薄の先行馬が残るケースが多い。結果的にスムーズにレースが出来た馬が穴を開けた……というケースがいかにもありそう。

●駒木ハヤトの「負け犬エレジー」●
《本命:ウインラディウス》
 

 大本命になるはずだったデュランダルが無念のリタイアで、情勢は混沌。過去にも似たような状況のG1があったが、一筋縄ではいかないレースばかりだった。ましてや今回はグリーンベルトを巡る攻防で文字通り混戦必至なだけに、予想も非常に難解。下手に当てに行かず、大胆にフォーカスを定めたい。
 
 ……というわけで、本命は昇り馬・ウインラディウス。斤量増となる今回は普通に考えれば情勢不利だが、こういうレースでは、善戦マンタイプを差し置いて、この手の馬がタイトルを奪ってしまうもの。テン乗りの外国人騎手を起用したあたりにも勝負気配が窺えるし、最後の直線で不利を受けなければ面白い。
 それでも2番手は、やはり府中巧者のテレグノシス。この馬にとっては京王杯SC→安田記念が稼ぎ時だけに、ここがメイチの仕上げだろう。ただし、いつものようにバカの一つ覚えで大外ブン回しの追い込み一辺倒では苦戦だろう。勝浦騎手には機転を利かせた騎乗を望みたい。
 ローエングリンはタテ目狙いというより3着の三連複要員といったところ。アイランドファッションは地力だけなら足りているだけに、人馬共に戸惑わなければ一発ある。ファインモーション、ツルマルボーイの実績馬2騎も一応は押さえておく必要があろう。

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(6日未明時点)
単勝 100円 6.4
馬連 5-9 100円 16.8
  5-7 100円 14.3
  7-9 100円 14.8
  5-6 100円 49.1
  1-5 100円 22.5
  5-14 100円 32.5
馬単 5→9 100円 33.8
  5→7 100円 29.3
三連複 5-7-9 100円 20.2


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:ツルマルボーイ》

 本当に今回は印を打つのに迷ってしまいました(苦笑)。実績のある馬は仕上がりが万全では無さそうですし、かといってG1レースで穴人気している昇り馬を狙うのも躊躇を覚えますし……。
 でも最後は、私のポリシー通り、これまでの実績と展開重視でツルマルボーイ本命ということになりました。外枠気味なのが気にならないと言えばウソになるのですが、ここは新パートナーの安藤勝己騎手の腕にも期待したいところです。
 そして騎手の腕と言えば、やはり武豊騎手のファインモーションにも期待を寄せたいところですね。休養明けということで2番手評価にしましたが、昨年のマイルチャンピオンシップ2着で実力は証明済みだけに、逆転まであると思っています。
 3番手以下は、差し・追い込み有利と見て、後ろから行く馬を狙いました。先行して残るとすればローエングリンぐらいではないかと思うのですが……。 

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(6日未明時点)
単勝 14 100円 9.6
馬連 1-14 100円 31.4
  9-14 100円 27.6
  1-9 100円 24.9
  5-14 100円 32.5
  2-14 100円 50.6
  7-14 100円 24.0
馬単 14→1 100円 70.0
  14→9 100円 58.9
三連複 1-9-14 100円 79.4


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:アイランドファッション》

 他の人は知りませんけど、わたし、こういうレースは大好きです(笑)。馬連オッズのどこを見ても10倍以上って、なんて素晴らしいんでしょうか(笑)。
 さてさて、わたしの狙い目ですけど、安田記念で穴を開けると言えば外国馬。……というわけで、アメリカの強豪牝馬・アイランドファッションを狙ってみます。6番枠だったらグリーンベルトを外さないでしょうし、差し馬たちがゴチャつく中でスルスルと抜け出せば……って思ってます。
 対抗はマイソールサウンド。穴馬券好きの人は知ってると思いますけど、タマモクロスの仔って、少し人気が無いくらいの方がよく走るんですよね。
 で、あとは内枠の差し馬と、何かしでかしてくれそうな8枠の2頭を。特にバランスオブゲーム、騎手からしてセキテイリュウオーが2着した天皇賞・秋っぽいんですよ(笑)。

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(6日未明時点)
単勝 100円 14.9
馬連 2-6 100円 87.2
  1-6 100円 52.5
  1-2 100円 33.1
  5-6 100円 49.1
  6-16 100円 102.3
  6-18 100円 119.8
馬単 6→2 100円 200.3
  6→1 100円 122.4
三連複 1-2-6 100円 206.7

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:テレグノシス》

 先週、今度はマジメに考えます! ……って言ったのはいいんですけど、今週のレースってメチャクチャ難しくて何がなんだか……(苦笑)。
 ワタシの知識の量だと、競馬新聞を見るたびに頭から煙がプスプス出てくるような感じで、ワケの分からない状態に……。
 30分以上、そうやって頭がプスプスいった後、最後は「日本以外の大レースで活躍してる馬って強いんじゃ……?」ってことで、ムリヤリに印を打ってみました。あとは自分がレースを見た中で強かった馬を。でも、こんな感じで決めた予想って全然当たらないんですよね。どうなっちゃうんでしょう?(苦笑)

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(6日未明時点)
単勝 100円 7.2
馬連 7-9 100円 14.8
  6-9 100円 60.4
  6-7 100円 51.5
  1-9 100円 24.9
  5-9 100円 16.8
  9-14 100円 27.6
馬単 9→7 100円 29.6
  9→6 100円 103.1
三連複 6-7-9 100円 88.5

 4人でかなり印が割れてしまいました。これだけ買い目がバラつけば、誰か当たりそうなもんなんですが、さぁどうなるでしょうか。駒木はちっとも当たる気がしません(笑)。ではでは。


安田記念 成績

×   × 1着 14 ツルマルボーイ
  2着 テレグノシス
    ×   3着 16 バランスオブゲーム
        4着 12 ユートピア
×   5着 ローエングリン

単勝14 1130円/馬連9-14 3120円/馬単14-9 6470円/三連複9-14-16 10630円

 ※駒木ハヤトの“負け犬の遠吠え”(不的中)
 ウインラディウス14着かぁ……。差し馬本命にした時に不発は付き物だけど、やっぱり物悲しいものがあるよねー(苦笑)。しかもわざわざ善戦マンを避けて印打って逆目突かれただけに。……しかしアンカツという人は恐ろしい人だなあ。
 ──というか、珠美ちゃんに逆転されてるのか? うわー、立場ねぇなあ(笑)。宝塚記念でどうにかしないと、こんな中途半端な負けは色々な意味でヤバ過ぎる(苦笑)。

 ※栗藤珠美の“喜びの声”(単勝、馬連、馬単的中)
 
去年、万馬券を的中させた安田記念で、今年も穴馬券的中! 本当に嬉しいです。競馬の神様は私の頑張りをちゃんと見て下さってたんですね(笑)。
 ……これで暫定トップですか? どうやら馬券ラリーは今回が最後みたいですから、このチャンスを活かして優勝したいですね。宝塚記念も頑張ります!

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 アイランドファッション、道悪がメチャクチャ下手だったみたいです(苦笑)。「先言うとけよ」みたいな感じですね〜(苦笑)。
 しかも、いつもは本命狙いメインの珠美先輩に65倍の馬単当てられて、わたしは面目丸潰れですよ。このままじゃ終われませんので、最後の宝塚記念では何としても大穴当てたいと思います。だからレースは荒れてちょうだいね(笑)。

 ※リサ=バンベリーの“ハッピー・ハッピー・グッドラック”(馬連のみ的中)
 やりました! 30倍の馬連的中ですよ〜! ゴール前、「え? あれあれ? 当たったの?」ってしばらくパニック状態だったのはナイショです(笑)。
 こういうのがたまにあるから、競馬ってやめられないんだろうと思いますね〜。日本に留学して、一番よく理解したのが競馬の面白さです(笑)。
 あ、ここまで来たら駒木博士に勝ちたいので、最後のレースもガンバリます! 応援ヨロシクお願いします!

第9戦終了時点での成績

  前回までの獲得ポイント 今回獲得したポイント 今回までの獲得ポイント
(暫定順位)
駒木ハヤト 7000
(1位)
0 7000
(2位)
栗藤珠美 3040
(2位)
10720 13760
(1位)
一色順子 570
(4位)
0 570
(4位)
リサ=バンベリー 1440
(3位)
3120 4560
(3位)

 (ポイント・順位の変動について)
 

ここまでの沈滞したムードを一気に覆す、栗藤珠美の会心の一撃炸裂! 今期黒字確定の大量加点で一気に駒木ハヤトを逆転、暫定首位に立った。安泰ムードだった駒木は一転、6000ポイント以上のビハインドを抱えて追い詰められた格好に。
 また、今回はリサ=バンベリーも今期初の中穴的中を果たしている。次回、宝塚記念でビギナー高校生による下剋上は果たして成るか?

 


 

2004年第20回講義
5月29日(土) 
競馬学特論
「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・第8戦・東京優駿(日本ダービー)」

 色々な意味でイッパイイッパイになりながらも、ようやくやって来ました、第8戦・日本ダービーであります。
 ダービーといえば、競馬関係者にとっては悲願とも言うべきレースで、どう転んでも好レースになる事は必至。それに何とか見劣りしないように我々も良い予想をしたいところですが、この週末の駒木は体調を崩し気味でいきなり意気が阻喪しております(苦笑)。せめて結果だけでも出したいと思っているのですが……。


第8戦・東京優駿(日本ダービー)(東京・2400・芝)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

    マイネルマクロス 後藤浩
皐月賞は出遅れで大顰蹙を買ったが、本来は先行してこその馬。役割はコスモバルクのペースペーカーだが、楽な展開になった時の粘り腰は脅威的。
        ヴンダー 柴田善
13戦がかりでようやく掴んだダービーへの出走権。前走の末脚・3F33秒5は目を引くが、重賞実績の乏しさは大きな不安材料で。
      マイネルブルック 藤田

前走不振は展開不向と復調途上のためで全く度外視。スプリングSでブラックタイドを粉砕した実力は再評価すべき存在だ。

×   ダイワメジャー デムーロ

展開恵まれとは言え、強豪を完封しての皐月賞制覇は軽視出来ないところ。ベストパートナー・デムーロの続投もあり、この大舞台でもやはり主力の一角。

×        ハーツクライ 横山典

他力本願な脚質も、ツボにハマった時の末脚はメンバー中屈指の存在。府中コースを味方につけて、最後の直線追い比べに全てを賭ける。

  ×   アドマイヤビッグ 武豊
無念の戦線離脱から半年、ギリギリでダービーに間に合った。前走の青葉賞は急仕上げで参考外。有力馬との力関係は未知数だが、それがかえって魅力にも。
        マイネルデュプレ 内田博

一見地味な存在も、脚を貯めきった時の切れ味は特筆モノ。ただし、今回は皐月賞を叩いた後も調子が上がって来ないのが……。

        メイショウムネノリ 福永
兵庫チャンピオンシップで賞金追加→ダービー出走権獲得…という“究極の裏街道”組。意気込みだけは認めるが、勝ち鞍全てがダートという現状では……。
  コスモバルク 五十嵐冬
道営、いや公営競馬関係者全ての夢を乗せて、いざダービーの大舞台へ。皐月賞は敗れたものの一番強いレースで、ここに混じっても実力は最右翼。強行軍日程と一週前追い切りの誤算がどこまで響くかがカギだが。
      10 フォーカルポイント 田中勝

キングカメハメハに土を付けた唯一の存在ながら、最近は地味なレース振りに終始。地力を考えると不気味な存在ではあるが、イマイチ信用できないのも確かで……。

        11 グレイトジャーニー 小牧太

負かした馬、負かされた馬の相手関係を見ると、いよいよ苦しくなって来た感じ。上積みも望み辛いし、ここは苦戦しそう。

  12 キングカメハメハ 安藤勝
NHKマイルCの圧勝で一気に優勝候補の筆頭へ。距離延長は大きなプラス材料で、展開も向きそう。あとはコスモバルクの執念をどう実力で捌き切るかだろう。
      13 スズカマンボ 武幸
前走・京都新聞杯は健闘したが、宿敵・ハーツクライにまたも交わされて2着。G1レースは2ケタ着順しかないのも気になるところで、台頭には何らかの恵まれが欲しいところ。
        14 キョウワスプレンダ 佐藤哲
皐月賞(13着)は度外視出来るものの、ここまで勝ち鞍から遠ざかると実力の程を疑われるのも仕方の無いところ。末脚の使い所も悩ましいレースになりそうで、いかにも苦戦の気配。
      15 コスモサンビーム 四位
NHKマイルでは2歳チャンプの意地を見せ付けて2着。ただ、この強行日程、更には距離延長で一転して厳しい立場に。ここは僚馬・コスモバルクのサポート役に徹するか?
        16 ホウキパウェーブ 岡部幸
府中2400の条件で1着、2着。ただ、青葉賞はイン突きで恵まれた上にハイアーゲームには完敗。休養中ガレ気味の馬体も気になる所で……
× × × × 17 ハイアーゲーム 蛯名
あと一歩の所で皐月賞出走権を逃した悔しさをバネに、見事青葉賞を圧勝。弥生賞で負かされたコスモバルクとの相手関係が微妙だが、スローペースでも問答無用で差し切る瞬発力はやはり魅力。
        18 ピサノクウカイ オリヴァー

プリンシパルSで、遂に新馬戦以来の勝ち鞍。3着を外した事の無い堅実さは注目に値するが、一気の相手強化にどこまで対応できるかは……?


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 マイネルマクロスの実質逃げイチ。今度ばかりは出遅れようがどうなろうが、中途半端に控えるケイバをするわけにはいかないだろう。
 平均からやや遅めのペースの中でダイワメジャーが2〜3番手、それをコスモバルクがマークする形。キングカメハメハはその後ろから更にそれをマークする展開になるだろう。立場的には、積極的に動くであろうコスモバルクを目標にできるカメハメハが絶対有利で、これに他のコスモ・マイネル軍団がどこまでプレッシャーを与えられるかがカギになるはず。ここで易々とマイペースなレースをさせるようでは5頭出しの意味がない。
 今回も差し・追い込み勢にとっては有り難くないペース・展開になりそうだが、スローペースでも差し馬に出番があるのがダービーの特徴。ダイワ、バルク、カメハメハによる競り合いがもつれれば、大外から一気に奇襲する馬がいてもおかしくはない。

●駒木ハヤトの「負け犬エレジー」●
《本命:コスモバルク》
 

 出走馬の“勝負気配率”が一番高いレースと言えば、年末の有馬記念と、やはりこのダービーということになるだろう。特に騎手にとっては人生を左右するレースだけに意気込みもひとしお。普通のG1レースとは一味違う、緊張感のある攻防が見られると信じたい。
 そんな中、勝負気配の高さが尋常ではないのはコスモバルク陣営…というか岡田オーナー。公営所属馬云々という一般向けの話題が霞んでしまうくらいの、ただ純粋な“「ダービー勝ちたい」オーラ”が満ち溢れている。距離適性やコンディション不問でダービー出走可能な僚馬を掻き集め、今回も実質同一オーナー5頭出しを実現した。展開やコンディション面を考えるとキングカメハメハに一歩譲るのだが、ここまで持ち駒を揃えてきた以上、決してスンナリとは終わらせないだろう。
 皐月賞馬・ダイワメジャーの取捨選択も悩ましい。前走の勝ち方はフロックに見えなくもないが、ああいうレースから突然本格化してしまう馬もいるので軽視は禁物。ましてや地元のダービーを蹴って来日したデムーロ騎手が鞍上とあっては尚更だ。
 伏兵候補は、皐月賞で着外に沈んだ差し・追い込み勢。特に皐月賞では調整が間に合わなかった感のあるマイネルブルックが面白い。きさらぎ賞でブラックタイドを撃沈した底力がどこまで通用するか楽しみだ。

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(30日未明時点)
単勝 100円 2.8
馬連 9-12 100円 5.1
  4-9 100円 11.1
  4-12 100円 14.2
  3-9 100円 64.8
  9-17 100円 9.1
  5-9 100円 22.2
馬単 9→12 100円 11.0
  9→4 100円 17.6
三連複 4-9-12 100円 11.8


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:キングカメハメハ》

 本命はキングカメハメハです。どうしても先週のダンスインザムードの姿が脳裏をよぎってしまうのですが、それでもNHKマイルCの勝ち方はダービー制覇を確信してしまうだけのものがありました。距離も2400mになって更に良さそうですし、何よりも絶好の展開に恵まれそうな気配です。直線半ばでコスモバルクを競り落として抜け出す形になるのではないかと思います。コスモバルクにも頑張ってもらいたいんですけどね(苦笑)。
 コスモと言えば、ちょっと人気を落としているコスモサンビームを穴で狙ってみたいと思っています。確かに距離適性には不安がありますけど、体調の維持も出来ているようですし、決して勝ち目が無いとは思えません。……あ、コスモ−コスモの組み合わせで○▲的中というのも良いですね(笑)。
 

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(30日未明時点)
単勝 12 100円 4.2
馬連 9-12 100円 5.1
  12-15 100円 77.1
  9-15 100円 55.7
  4-12 100円 14.2
  12-17 100円 9.8
  6-12 100円 48.3
馬単 12→9 100円 9.0
  12→15 100円 99.9
三連複 9-12-15 100円 49.8


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:フォーカルポイント》

 「競馬はロマン」的な展開は他の人に任せておいて、わたしは今日もロマンを台無しにするような結末を予想してみたいと思います(笑)。
 で、ダービーの狙いはフォーカルポイント。そうです、キングカメハメハを負かしたただ1頭の馬。確かにハイペースの展開でハマった感じもあったんですけど、それは今回もそういう展開になればいいだけであって(笑)。なんだかペースはマッタリしそうな感じなんですけど、そんなペースだとどう考えても本命ガチガチの決着になりそうなんで、そういったケースは最初ッから無視です(笑)。
 ですから、2番手はハイペースで逃げ粘るマイネルマクロス。これで軽〜く馬単10万馬券でも当ててみたいなと(笑)。……あー、もし逃げなかったら2chで糾弾スレ立てる予定です(笑)。

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(30日未明時点)
単勝 10 100円 47.4
馬連 1-10 100円 543.0
  10-12 100円 122.5
  1-12 100円 97.3
  9-10 100円 70.1
  4-10 100円 200.4
  10-17 100円 170.8
馬単 10→1 100円 1327.7
  10→12 100円 394.9
三連複 1-10-12 100円 1104.7

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:スズカマンボ》

 予想の印を見てビックリした人もいるかも知れませんけど(笑)、フォーカスの数字を見たらピンと来る人もいるんじゃないですか? ……そうです、NHKマイルC、オークスと2レース連続で13番-1番-6番の決着になってるので、思い切ってそれを狙ってみるコトにしちゃいました。予想を見せた時、駒木博士に「……ホントにそれでいいの?」って言われたんですけど、2度あるコトは3度あるって言いますしね。ことわざが本当かどうか確かめてみるつもりです(笑)

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(30日未明時点)
単勝 13 100円 66.9
馬連 1-13 200円 449.5
  6-13 200円 389.8
  1-6 200円 300.0
  ── ── ──
  ── ── ──
  ── ── ──
馬単 13→1 100円 771.7
  13→6 100円 1327.1
三連複 1-6-13 100円 526.9

 今回は久し振りに4人の個性が滲み出た予想になったんじゃないかと思います。これでリサちゃんの一人勝ちになったら、それはそれで悲しい話なんですが(笑)、まぁどういう結果になったとしてもそれが競馬だという事で。
 ……では、またレース終了後にお会いしましょう。


東京優駿 成績

  1着 12 キングカメハメハ
×       2着 ハーツクライ
× × × × 3着 17 ハイアーゲーム
        4着 14 キョウワスプレンダ
      5着 13 スズカマンボ

単勝12 260円/馬連5-12 2490円/馬単12-5 3250円/三連複5-12-17 3460円

 ※駒木ハヤトの“負け犬の遠吠え”(不的中)
 やっぱり気持ちだけでは勝負事はどうにもならんなあ(苦笑)。やっぱり競馬は地力と展開だ。ましてや、あんなハイペースで縦長隊列のレースになったら基本的には地力の順番に決まっちゃうもの。
 でも、コスモバルクもあれだけマイネルマクロスにペースを作ってもらって、勝機が無かったわけじゃないんだよなぁ。折り合いを欠いたのが敗因みたいだけど、キチンと地力が発揮できる状態なら、必ず勝ち負けになったはずなのに……。今日は人も馬も気持ちが先走っちゃったかな。そういう星が巡って来ちゃう人っているよね(笑)。

 ※栗藤珠美の“喜びの声?”(単勝のみ的中)
 ここに来て、また
1着−3着なんて……(溜息)
 でも、本命以外の印を打った馬がここまで走らなかったら不的中も仕方ないですよね。展開も読み違えてしまいましたし、これも「負けに不思議の負け無し」ということなのでしょう。
 あと2戦、今回みたいにせめて軸馬だけは間違えないように頑張りますので、どうか宜しくお願いします。

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 展開は結構読み通りだったんですけど、肝心のフォーカルポイントが11着……。やっぱりG1で田中勝春騎手の馬に本命打っちゃダメですよね(笑)。
 次の安田記念は、結構伏兵ぞろいでわたしにとっては面白いレースになりそうです。なんだかこのままだとズルズルとラスを引いちゃいそうですので、そろそろ何とかしなきゃと思ってます(苦笑)。

 ※リサ=バンベリーの“イッツ・ア・ハードラックデイ”(不的中)
 ことわざはアテにならない、というコトはよ〜くわかりました(笑)。それにしてもマイネルマクロスってムチャクチャでしたよね(笑)。
 来週はどうしましょう? 今週ちょっとフザけすぎたので、とりあえずマジメにやってみようかなって思ってはいますけど……。

 

第8戦終了時点での成績

  前回までの獲得ポイント 今回獲得したポイント 今回までの獲得ポイント
(暫定順位)
駒木ハヤト 7000
(1位)
0 7000
(1位)
栗藤珠美 2780
(2位)
260 3040
(2位)
一色順子 570
(4位)
0 570
(4位)
リサ=バンベリー 1440
(3位)
0 1440
(3位)

 (ポイント・順位の変動について)
 ポイント加算は、栗藤珠美のキングカメハメハ1着の単勝のみ。駒木ハヤトは軸違いの○−×、栗藤珠美は痛恨の1着−3着で中穴馬券を当て損ねた形。
 盛下がり極まりない展開の中であと2戦、果たして結末は如何に。

 


 

2004年第18回講義
5月22日(土) 
競馬学特論
「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・第7戦・優駿牝馬(オークス)」

 何やかんやと第7戦まで到達しました。しかも地味ながら駒木が暫定首位を維持したまま。
 ……しかし、首位を走ってて気付いたんですが、この企画って駒木がトップだと面白くも何とも無いですね(笑)。かといって下位に甘んじるのも講師としてアレですし、今更ながらに、この企画が失敗だった事を痛感しております。1年近くやってから気付くなよって話ですが(苦笑)。

 ──まぁとりあえず宝塚記念までは現体制で。秋からはまた何か考えます。

第7戦・優駿牝馬(オークス)(東京・2400・芝)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

× ×   × スイープトウショウ 池添
展開に泣かされた格好の桜花賞(5着)。末脚の切れ味はこのメンバーでもトップクラスだが、問題は距離適性。父・エンドスウィープの代表産駒はことごとくが短距離馬。
        セカンドノホシ
芝5戦未勝利も、前走G2で3F34秒0の末脚で入着と健闘。ただし、さすがに三冠レースでは敷居が高そう。
        ラグレスロマニー 小野

前走平場500万で出遅れ・凡走。好走実績の先行策に活路見出すが、長い直線のどこまで粘れるか……

      × ドルチェリモーネ 安藤勝

注目の忘れな草賞勝ち馬も、そこまでにオープンで大敗を繰り返し、今一つ大物感に欠ける。ヒシミラクル型の捲り脚を武器にどこまでやれるか。

ダンスインザムード 武豊

ただただ圧巻の快勝劇だった桜花賞。今回も展開に恵まれそうで、4角先頭から問答無用の抜け出しが炸裂しそう。怖いのは競馬につきものの好事魔急襲だけか。

      ヤマニンアラバスタ 江田照
馬体減りもあって本調子と行かぬ近走だが、今回は調整も好調で上昇ムード。休み明けでダンスインザムードに食い下がったフラワーCの内容が本物なら今回も。
ヤマニンシュクル 四位

勝負気配の桜花賞だったが、詰め甘く3着。今回もコンディションは維持できており、府中の長い直線とスタミナでどこまで上積めるかがカギ。

× アズマサンダース 蛯名
チューリップ賞、桜花賞連続2着。好位スンナリなら実に渋太い。ただし、未だ1勝というあたりに瞬発力不足も懸念され、奇襲を受ける立場になった今回は少々心配か。
      × ギミーシェルター 柴田善
いかにも珍しい“指定オープン2着コレクター”。賞金400万の身ながら、優先出走権で春シーズン皆勤賞。ただし、G1だとさすがに格負けが心配で……。
        10 フレンチアイディア 勝浦

出走ボーダーラインに恵まれ、待望のG1初出走。オープンでもソコソコの勝負は出来る実力はあるが、入着以上となると瞬発力の差が大きく出そう。

  × × × 11 メイショウオスカル 後藤浩

逃げ・先行で強豪相手に食い下がって来た経験が、前走のフローラS逃げ切りに繋がったか。スローペースに落とし込んでどこまで粘れるか。

×     12 ウイングレット 田中勝
8ヶ月ぶりの復帰戦完勝後も、反動無くますます好調。未知の魅力で言えば一番だが、距離を考えると父タイキシャトルはいかにも不安材料で。
      13 ダイワエルシエーロ 福永
桜花賞は大外枠でレースにならず、今回は人気を落として改めてのG1チャレンジ。クイーンS時と同様の後方待機策がハマれば面白いが、距離延長に一抹の不安も。
        14 マルカフローリアン 吉田豊
中1週のローテーションで畳み掛け、力づくでもぎとった出走権。とはいえ、戦績を見ると出走までで精一杯の感が。調教内容もここでは物足りない出来で……。
        15 レイナシンフォニー 石橋守
相手なりに走る堅実さは何とも不気味。トライアル4着で最低限の“挑戦資格”もあるが、このメンバーでも相手なりといけるのかどうか。
        16 グローリアスデイズ 岡部幸
3月の復帰からわずか3戦でクラシック戦線の伏兵に。スローペース好位待機からの末脚は、このレースでも武器になりそう。問題はやはり相手関係か。
        17 レディインブラック 北村宏
展開不向きとは言え、相手強化のメンバーに思い切りブタれた感の桜花賞10着。万全の仕上げ期しての直行ローテーに意気込み感じるが、どこまで巻き返せるか……。
        18 シルキーフレンド 菊沢徳

未勝利脱出直後にオークス出走とは、幸運と言うべきか可哀想と言うべきか……。ともかく無欲で良い着順を目指すしかあるまい。


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 確固たる逃げ馬は不在。メイショウオスカルあたりがハナに行って、ウイングレットらあと数頭の先行馬を挟んでダンスインザムード。グローリアスデイズやアズマサンダースがこれをマークする役目だが、どこまで積極的にやれるか。ペースはスローか、遅めの平均ペース。
 後方待機組の有力馬、ヤマニンシュクルは10〜12番手、スイープトウショウはやはり最後方付近からのレースになるだろう。仮柵でコース内側の荒れ具合が緩和された府中コース、ペース次第ではまたも苦しい展開になるだろうが、差し馬は自分を信じて末脚に賭けるしかあるまい。

 ちなみに過去10年のデータを見ると、圧倒的に差し・追い込みが優勢で逃げ馬の連対は皆無。相当の実力馬か、展開利が無ければ先行馬は厳しそうだ。

●駒木ハヤトの「負け犬エレジー」●
《本命:ダンスインザムード》
 

 競馬に絶対は無いとはいえ、桜花賞のレース振りを見る限りでは「ダンスインザムード鉄板」としかコメントのしようが……。というわけで、単勝1.3倍の超一本被りながら、この馬に◎を。
 問題は相手探しだが、やはりチューリップ賞→桜花賞上位組のレヴェルが高く、再戦ムードが濃厚。そこへ桜花賞を大外枠で棒に振ったダイワエルシエーロや、休み明けでスイートピーSを完勝したウイングレットあたりがどこまで食い込んで来るか。
 ……まぁ、馬券的に面白いレースにはならなさそうなので、ギャンブルとしてはお遊び程度で楽しもう。

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(23日未明時点)
単勝 100円 1.3
馬連 5-7 100円 6.1
  5-13 100円 12.9
  7-13 100円 68.1
  5-8 100円 7.4
  1-8 100円 9.2
  5-12 100円 37.4
馬単 5→7 100円 7.0
  5→13 100円 14.6
三連複 5-7-13 100円 23.4


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:ダンスインザムード》

 この春シーズンは、なかなか◎を打った軸馬が期待通りに来てくれないのですが、今回だけは大丈夫……だと、思います(笑)。どうせ信じるなら、ということで、思い切って▲を付けずに点数も絞って勝負してみます。こういう時に限ってタテ目があるので怖いんですけどね(苦笑)。
 フォーカスも至って普通の組み合わせになってしまって、何だかこんな所で発表するのも申し訳無いくらいなのですが、若干展開がスロー気味になるようなので、先行有利を意識してみました。
 

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(23日未明時点)
単勝 100円 4.2
馬連 5-8 200円 7.4
  5-7 200円 6.1
  1-5 100円 9.2
  5-11 100円 21.4
  ── ── ──
  ── ── ──
馬単 5→8 100円 8.1
  5→7 100円 7.0
三連複 5-7-8 100円 10.1


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:ヤマニンアラバスタ》

 ……ホント、こういうガチガチのレースはカンベンしてもらいたいです(苦笑)。
 それでも穴馬を見つけないわけにはいかないですから、一生懸命探しましたよ〜。で、ヤマニンはヤマニンでもアラバスタの方に。この春で一番のデキの良さみたいですし、桜花賞は出遅れでお話になってませんから、巻き返せないかな…と。
 でも、単勝オッズがどの馬もとんでもないことになってますよね(笑)。こういう時って、オッズ表を眺めているだけで楽しくなるから良いですよね(笑)。

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(23日未明時点)
単勝 100円 23.2
馬連 5-6 100円 12.4
  6-12 100円 346.7
  5-12 100円 37.4
  6-7 100円 51.0
  6-8 100円 89.3
  6-11 100円 223.1
馬単 6→5 100円 36.8
  6→12 100円 388.5
三連複 5-6-12 100円 186.2

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:ダンスインザムード》

 桜花賞のダンスインザムード、スゴかったですよね〜。ワタシも色々と昔の名レースのビデオを見せてもらったりしてますけど、それが目の前で……って感じでした。
 ……ですので、今日もダンスインザムードから。2着にならないことはあり得ないと思うので、あとは他の強そうな馬との組み合わせで当ててみたいと思います。いくらビギナーのワタシでも、ここまでしたら当たるんじゃないかと思うんですけどねー。

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(23日未明時点)
単勝 100円 1.3
馬連 5-8 100円 7.4
  5-7 100円 6.1
  1-5 100円 9.2
  4-5 100円 24.7
  5-9 100円 17.6
  5-11 100円 21.4
馬単 5→8 100円 8.1
  5→7 100円 7.0
三連複 5-7-8 100円 10.1

 ……というわけで、何のヒネりも無い予想ばかりになってしまいましたが、文句はダンスインザムードに言ってあげてください(笑)。では、またレース後に。


優駿牝馬 成績

      1着 13 ダイワエルシエーロ
× ×   × 2着 スイープトウショウ
      3着 ヤマニンアラバスタ
4着 ダンスインザムード
5着 ヤマニンシュクル

単勝13 2140円/馬連1-13 10080円/馬単13-1 30430円/三連複1-6-13 63460円

 ※駒木ハヤトの“負け犬の遠吠え”(不的中)
 今日のレースはボクシング会場でラジオ中継をチェックしてたわけですが、ダイワエルシエーロが抜け出したと実況が叫んだ瞬間、思い切り的中を確信してしまいました(笑)。映像見えないと都合のいい想像しますな人間は。しかし、まさかあそこからダンスインザムードが伸びないとは……。
 まぁ、伏兵の先行押し切り勝ちがあるとは全く想定してなかったので、どっちにしろ「ダメだこりゃ」だよね。
 それにしても、上位3着までの馬番号、NHKマイルCと全く一緒なんだよね。馬券の出目が全部一緒という珍事。そういや10年くらい前に、桜花賞・皐月賞で連続して馬連1−7になって、その次のG1だった天皇賞・春の馬連1-7が何の脈絡も無くバカ売れした事あったけど、来週のダービーでもあるんだろうか、こんな事(笑)。

 ※栗藤珠美の“反省文”(不的中)
 
タテ目どころではなかったですね……。ちょっと見通しが甘過ぎました。
 こんな調子でダービーに突入して大丈夫なんでしょうか……。これは本気で予想のやり方を見直さなくてはいけないかも知れませんね。申し訳ありませんでした。

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 あーもう、本当にチグハグで腹立ちますよね(苦笑)。
 ヤマニンアラバスタは頑張ってくれたんですけど、肝心の1着、2着が無印って、何やってるんでしょうわたしは。どうやたって当たらないじゃないですか(苦笑)。
 せっかく万馬券の結果を用意してくれているのに当たらないのって、悔しくて悔しくて……。まあ、万馬券の組み合わせって、とんでもないくらいあるのは知ってるんですけどね(笑)。

 ※リサ=バンベリーの“イッツ・ア・ハードラックデイ”(不的中)
 最近、あまりにも予想が当たらないんで、ちょっと競馬見るのがイヤになって来つつあります(苦笑)。駒木博士に聞いたら「予想が全然当たらなくなるのは、初心者から普通の競馬ファンにステップアップしつつある証拠だよ」って言われたんですけど、そんなものなんでしょうか(笑)。

第7戦終了時点での成績

  前回までの獲得ポイント 今回獲得したポイント 今回までの獲得ポイント
(暫定順位)
駒木ハヤト 7000
(1位)
0 7000
(1位)
栗藤珠美 2780
(2位)
0 2780
(2位)
一色順子 570
(4位)
0 570
(4位)
リサ=バンベリー 1440
(3位)
0 1440
(3位)

 (ポイント・順位の変動について)
 本命馬4着撃沈、伏兵の上位独占で的中者ゼロ。ダイワエルシエーロに▲を打っていた駒木にとっては、スイープトウショウの扱いも含めて悔いの大きく残る結果となってしまった。
 残り3戦、企画倒れムードの漂う中、大きな動きは果たしてあるのか──?

 


 

2004年第14回講義
5月11日(火) 
競馬学特殊講義
「駒木博士の高知競馬観戦旅行記」(4)

 ◎前回までのレジュメはこちらから→第1回第2回第3回

 世間様よりも長かった駒木のGWも今日で終了。これだけ休んでおいて言うのもバチ当たりですが、非常に憂鬱であります(苦笑)。どうあがいても解決不能な問題が横たわっていると、仕事って本当にキツいですよね。
 まぁそういうわけで、結局積み残しの講義シリーズはほとんど消化出来ず終いでした。講義そのものは結構やってた感覚があるんですが、マンガ時評と競馬ばかり……。
 楽しみにしてらっしゃった方、申し訳無いです。スキを見て時間を確保したいのですが、果たしてどうなる事やら……。最悪、夏休み(高校の期末考査終わりで突入なので7月中旬〜)までズレ込む事を覚悟しておいて下さい。

 ──それでは、今日のレポートは旅行初日(3月22日)の午前11時過ぎ、高知競馬場のスタンド内・前売馬券販売窓口前から再開します。例によって文中は常体でお送りします。


 ハルウララの単勝馬券を求めて開門直後から前売り発売窓口に並んだものの、発売開始から1時間経っても順番が回ってこない。何故だ?

 ……ここで「坊やだからさ」という答えが頭を掠める貴方は年がバレますよという事はさておき(笑)、しばし予想の手を止めて前の様子を窺ってみた。すると、すぐに謎は解けた。

 皆さんもご存知のように、ハルウララの単勝馬券は、ギャンブル用の勝馬投票券としてではなく、一種のグッズとして認識されている。だから、1000円分の馬券を買うとしても、額面1000円の馬券を1枚ではなくて、1枚100円の単勝馬券を10枚購入するという形になる。
 実はこの馬券の買い方、現在のユニット馬券が導入される以前──昭和50年代前半までのスタイル(買い目1つごとに窓口に並び、購入金額分だけの枚数の馬券を買っていく)とよく似ているのだが、このやり方が非常に効率が悪いのは、競馬シロウトの方でも少し考えればお分かりになるだろう。同じ金額の馬券を買うのに、10枚発行するのを待つのと1枚発行するのを待つのとでは、単純に考えても時間は1/10だ実際、「もっと効率的に馬券が買えんのか」という長年のニーズに答える形で導入されたのがユニット馬券なのだ。
 しかもこのユニット馬券、1枚発行までに時間がかかる。機械でマークシートを読み込んで、そのデータを競馬場内のメインコンピューターに送信し、更にその場で1枚ずつ印刷して発行する…という手順を踏むので、どうしても時間を要する事になるのだ。特に高知競馬場の場合、約10年前の旧型・マークシート導入初期の機械が未だに使われているために余計時間がかかる。1枚発行するのに要する時間、およそ4秒
 何だ、たかが4秒で大袈裟な…と言うなかれ。今回の場合、特に希少価値のある馬券という事で、1人あたりの購入枚数がハンパじゃなかったのである。駒木はプレゼント用、頼まれた分含めて15枚ほど購入したのだが、これでも随分と少ない方だった。20、30は当たり前50枚以上という人も結構いて、酷いのになると100とか200とか、アンタそれは「買う」というより「仕入れる」じゃないのか、と言いたくなる枚数をオーダーする猛者までいる始末である。そりゃあ、いつまでたっても順番が回って来ないはずである。

 ……ここまでの話でピンと来ない人のため、実際に計算式を立てて説明する事にする。
 1枚あたりの馬券発行に要する時間は4秒、そして1人平均の購入枚数を30枚とする(実際の所はよく判らないが、駒木が実際に確認した限りはこれくらい)。そして馬券発行以外の手続き(マークシート、馬券の受け渡し、代金の遣り取り等)にかかる時間として1人あたり15秒を加算しよう。
 ……以上の事を踏まえて式を立てるとこうなる↓ 

1人あたりの所要時間=4秒×30枚+15秒=135秒(2分15秒)

 1人あたり2分15秒ということは、10人で22分30秒20人で45分30人で1時間7分30秒になる。駒木の前に並んでいたのは20〜30人ほどだから、これだと多少の誤差を考えると辻褄が合う。
 しかし、たった30人の待ち客を消化するのに1時間。いやはや、とんでもない話だ。

 結局、あと3人で駒木の順番というところで1レースの締め切りを迎えたが、前後に並んでいた人の厚意により、直前にすぐ側の当回売馬券発売窓口(直前のレースの馬券のみを売る窓口。この場合は1レースの馬券)に駆け込んで事無きを得た。ハルウララ馬券を買うために並んでいる人が多過ぎて、当回売の窓口はガラガラだったのだ。
 言うまでもない話だが、行列の中モニターテレビで観戦した1レースの馬券は当然のように外れた。今回のように駆け込みで馬券を買って外す事を「飛び込み自殺」と言うのだが、まったく上手い事を言う人がいたものだ。「お馬で人生アウト」もそうだが、ネガティブなキャッチコピーを作らせたら競馬ファンの右に出る民族はいないだろう。

 ……というわけで、第1レース終了後間もなくして順番が回って来て、ようやく馬券購入を達成。この旅行最大の難問が午前中に解決して、とりあえずは目出度い。
 しかしこの馬券には「ハルウララ」という馬名が印刷されていない。今は大抵の競馬場では馬名入り(中には騎手名入りも)の馬券が購入できるようになっているのだが、先述の通り高知競馬は財政難により未だに旧型の機械を使っているので、馬券には馬のゼッケン番号しか印刷されないのだ。
 せっかくの馬券もこれでは……というわけで、高知競馬場では、番号しか印刷されていない馬券でもハルウララの単勝馬券だと判るようにするために、「ハルウララ」の馬名スタンプを用意している。その情報をあらかじめ知っていた駒木も、近くに立っていた競馬場職員を捕まえてスタンプの押せる場所が資料展示室だと教えてもらい、そこへ向かう事にした。

 その資料展示室は入場ゲートの脇にある。よって一旦スタンドを出て、入場ゲート付近まで逆走しなくてはならないわけだが、スタンドを出るなり駒木は目に映った光景の物凄さに思わずのけぞった。

「えぇっ!? ここって、東京ビッグサイト?」

 勿論違うここは確かに高知競馬場だ。しかし、この行列は何だ? もう何百人というレヴェルじゃないのかこの列の長さは。赤松健の同人誌売ってるんじゃないんだぞ。
 この日、高知競馬場では「ハルウララ関連馬券専用窓口」なるモノまで用意してニーズに対応しようとしていたのだが、ハッキリ言って焼け石に水にもなっていない。いくつもある窓口全てに数十メートルの行列が出来上がり、もはや収拾不可能な状況に陥ってしまっていた。
 先程の所要時間計算式からすると、行列100人を消化するのに3時間45分かかってしまう。200人だと7時間30分だが、それでは文字通り日が暮れてしまう。あと5時間もすればハルウララの出走する最終レースは終わってしまうのだ。
 この行列を見ると、もし判断を誤ってハルウララ馬券購入を後回しにしていたら…と思うと、正直言って背中が凍えた。こんな行列に参加していたら、せっかくの高知競馬が列に並んでいるだけで終わってしまう。
 しかし、その行列と同じくらい目に付くのが、まるで普通の平日開催のごとく閑散とした当回売窓口である。競馬場はあくまで競馬場であってハルウララ馬券売場でないわけで、建前として当回売窓口を多く配置していたわけだが、結果的に完全に客の行動を読み間違えたと言わざるを得ない。まるでモーニング娘。のサイン会の横で森三中のサイン会をやってるようだった。
 まぁ、高知競馬場サイドとしては、ハルウララで客を釣って来て、何とかハルウララ関連以外のレースでも馬券を買ってもらおうと思っていたのだろうが、全ては水泡に帰したわけだ。いかに今日の客が普通の競馬ファンと違うのかというのが、これだけを見てもよく判る。競馬マスコミは今回の騒動に色々苦言を呈していたようだが、ンなもん、誰も聞いちゃいねえ苦言を耳にしなくてはならない人たちは、競馬マスコミの存在そのものを知らないのだ。

 さて、資料展示室には、いくつかの机と椅子のセットが置いてあり、その机ごとに1つずつ♥ハルウララという文字がスタンプ出来る、極めてチープ感溢れるゴム印が置かれてあった。これが“公式”馬名スタンプである。
 ……正直言って、現物を見た誰もが一瞬は「うわ、値打ち無ぇ〜」と思ってしまう代物だが、壁には「スタンプを持ち出さないで下さい。新しいスタンプの補充は出来ません」という注意喚起が貼られていた。しかし、気持ちは判らんでも無いが、持ち帰る奴も持ち帰る奴だよなぁ。100円ショップで売ってる年賀状用スタンプより数段ショボいぞ、これ。
 馬名スタンプの案内が不徹底なのと、まだ馬券を買えた人は少ないためか、室内は机1つごとに2〜3人の順番待ちにとどまっていた。ジックリと時間をかけてスタンプを押す。馬券プレゼントに当選したラッキーな貴方、あの取って付けたようなスタンプは、こうやって駒木が1枚1枚押したものなのである。大事にしてやって下され。

 資料展示室を出て、再びスタンドへ。当然の事ながら行列は全く消化されてはいない。断続的に雨が降り、ただでさえ物憂げな空気が漂う高知競馬場。間もなく第2レースを迎える場内は、得も言われぬ微妙な雰囲気に支配されようとしていた──。 


 ……というわけで、相変わらず内容が進んじゃいませんが、とりあえず1つのヤマ場が消化できたかな、という感じです。しばしのお休みを頂きますが、どうか気長にお待ち下さいませ。(次回へ続く

 


 

2004年第13回講義
5月8日(土) 
競馬学特論
「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・第6戦・NHKマイルC」

 ついに「暫定」の文字を取りました。いや、最後までやれる目処がついたわけではなくて、もはやいつでも「今回で打ち切り」と言ってもいい回数になってしまったので……(笑)。
 まぁそれはさておき、「この成績じゃ優勝者該当ナシだろ」と言われないように頑張ります。

第6戦・NHKマイルC(東京・1600・芝)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

コスモサンビーム 四位
一見長距離血統ながら、実績はマイル前後中心に。朝日杯でメイショウボーラーを葬り去ったあの豪脚が復活すれば一気に台頭。過密ローテーがどうかだが、調教の動きは絶好。
        トラッドスキーム 江田照
500万下脱出に時間がかかり、前走でようやく平場を勝ち上がり。ここに入るとスピード不足に悩まされそう。
        ダイシンチャンス 太宰

芝初挑戦の前走は全く勝負にならず完敗。最大限プラス思考で考えても、入着一杯がいいところ。

  × ×   ナイストップボーイ 岡部幸

展開がハマったとは言え、前走は久々の芝でキッチリ結果を出せた。再度展開が向きそうな今回も期待持てるが、臨戦過程には若干の疑問が……。

シーキングザダイヤ 武豊

有力馬でほぼ唯一、このレースを最大の目標に据える馬。初めての強敵相手、微妙に狂った調整過程に不安残るも、展開を味方につけてトライアルに続く差し切りを窺う。

  メイショウボーラー 福永
距離不安が囁かれた中、弥生賞〜皐月賞を大健闘。地力アップも窺わせる春シーズンとなった。2ハロン短縮の今回は当然更に期待できそう。驚異的な粘り腰は今回も健在だ。
      × アポインテッドデイ 柴田善

キツい展開でも相手なりに粘りこむのが魅力だったが、ここに来てややジリ貧気味。先行脚質が展開上不安も、得意の府中コースに戻って巻き返しを狙う。

        ダイワバンディット 北村宏
新潟2歳チャンピオンも、なかなか復調の糸口掴めず。得意の左回りに望みをかけるが、まずは休み明けで減っていた馬体の回復が絶対条件。
  ×     タイキバカラ 蛯名
クリスタルCまで3連勝の快足馬。テンのスピードは随一だが、一本調子では通用しない府中のマイル戦には少なからず不安が残る。道中で後続にどこまで脚を使わせられるかがカギ。
    ×   10 ビッグファルコン 吉田豊

展開の産物とはいえ、クリスタルCの2着は立派な実績。しかし、ニュージーランドTの惨敗が“フロック感”を滲ませて……。

        11 ロードインザスカイ 後藤浩

オープン入り後の2走が共に惨敗。500万条件の勝ち星もローカル線の人気薄でマークしたものだけに強調できず。ここは苦戦。

×     12 シゲルドントイケ 赤木
一走ごとにオープン慣れして、ついに前走の勝利へ。実績では明らかに見劣りするも、人気薄と展開利、そして抜群のデキでどこまで食い込めるか。
× 13 キングカメハメハ 安藤勝
青葉賞3着のシェルゲームらを文字通り一蹴した毎日杯のインパクトが強烈。大目標はダービーだが、一応の態勢は整った。マイルで皐月賞組との地力比べになってどうなるか見もの。
        14 ハードランドカフェ 武幸
条件戦ながら、前走の勝ち時計1分33秒5は出色。しかし逃げが理想の瞬発力に欠ける脚質はここではマイナス。どこまで新味が見出せるかだが……。
×       15 エイシンマルカム 渡辺
ここまで今一歩の成績ながら、相手なりに走れるのは一つの魅力。ハイペースで上がりのかかる泥仕合になれば上位に雪崩れ込む目も……?
        16 ムーンシャイン オリヴァー
時計を1秒以上詰めるも、クラスの壁にブチ当たった前走。調整過程は順調だが、更なる強調材料は見出し難くて……。
        17 ローランジェネルー 田中勝
条件戦で仕切り直して再度のオープン挑戦。しかし相手は余りにも手強く、陣営も弱気ムードに終始し……。
      18 フリーダムホーク 横山典

先行馬に厳しい流れでも大崩れしなかった前走は一応の評価が出来る。ただし、再び先行馬に厳しそうなのは今回も同じ。2勝目を挙げた時の差し競馬が出来れば少しは楽しめそうだが。


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 ハナを叩くのはメイショウボーラーだろうが、テンのスピードならタイキバカラが抜群なだけに、抑えが利かないと行ってしまう可能性もある。どちらにしろ、2〜3番手を欲しがる先行馬が揃っているのでペースが落ち着くケースは考え辛い。
 有力馬には先行脚質が揃ってはいるが、脚質に融通の利く馬なら中団以降に待機して直線勝負に賭けたいと思うのが人情。前に行く2頭の他はガツガツ行かずに5〜6番手以下で我慢するのではないか。
 今開催の東京コースは全開催日Aコースでこの日が6日目。いわゆるグリーンベルト地帯は存在せず、直線は各馬内外大きく横に広がってのダイナミックな追い比べになるはず。最大の見所は、府中初見参のメイショウボーラーがどこまで粘れるかという事になるだろう。
 逃げ馬の連対は01年2着のグラスエイコウオーだけで、先行馬もエルコンドルパサーとウインクリューガーの2頭のみ。府中でも特に追い込みが決まり易い条件だけに、伏兵を狙うなら差し・追い込みから。 

 ちなみに東京競馬場の天気だが、発走時刻あたりまではギリギリ曇で持ち応えそうな気配

●駒木ハヤトの「負け犬エレジー」●
《本命:コスモサンビーム》
 

 毎年、確固たる実力馬不在(若しくは2番手候補不在)で頭を痛めさせられるこのレースだが、今年は期せずして皐月賞組とダービー目標の実力馬が参戦し、なかなかの粒揃いとなった。しかし、これらの馬はこのレースが最大の目標というわけではないだけに、取捨選択が極めて悩ましい所だ。かと言って、典型的な短距離血統でここ目標のシーキングザダイヤにしてみても、経験不足と手緩い調整過程を見るに本命までは推し辛い。
 そこで逡巡した挙句、皐月賞の結果を踏まえて急遽ダービーからこちらに目標を切り替えた、朝日杯の覇者・コスモサンビームを狙ってみる事にした。幸いにも体調のピークを上手く持って来れたようだし、微妙に人気の盲点にもなっているのでレースもし易いだろう。
 対抗にはメイショウボーラー。このレースで逃げ馬を狙うのはタブーに近いが、2000mのレースでもゴール寸前まで食い下がった粘り腰を見ると、とても軽視は出来ない。超ハイペースになった場合がどうかだが、逆に平均ペース程度まで落ち着くと逃げ切りも十分だ。
 進境著しいキングカメハメハだが、大目標・ダービーを前に無茶なレースは出来ない上に人気が被り過ぎた嫌いもある。アッサリ勝たれても驚かないが、馬券戦略上では脇役に留めたい。
 あとは地力不足を承知で追い込み馬で穴狙い。

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(9日未明時点)
単勝 100円 7.5
馬連 1-6 100円 11.9
  1-13 100円 13.7
  6-13 100円 11.7
  1-5 100円 12.1
  1-15 100円 311.8
  1-12 100円 316.5
馬単 1→6 100円 24.7
  1→13 100円 31.9
三連複 1-6-13 100円 16.9


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:シーキングザダイヤ》

 最近ずっと不調でちょっと困ってます(苦笑)。でも、そういう時こそ自分の基本に立ち返って、展開重視・実績重視で予想を立ててみることにしました。でも、展開と実績を組み合わせると余計にややこしくなってしまい……(苦笑)。
 というわけで結構迷ってしまったのですが、最後はここが大目標で差し馬というシーキングザダイヤに決めました。ニュージーランドトロフィーの時のように、ゴール前寸前でピッタリ差し切ってくれるのではないかと期待しています。
 2番手以下も迷いながら、有力馬に絞って印をつけてゆきました。これで流れが変わってくれると嬉しいんですけど……。 
 

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(9日未明時点)
単勝 100円 4.2
馬連 1-5 100円 12.1
  5-13 100円 7.9
  1-13 100円 13.7
  5-6 100円 10.0
  5-9 100円 20.2
  4-5 100円 21.4
馬単 5→1 100円 20.3
  5→13 100円 14.6
三連複 1-5-13 100円 15.6


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:シゲルドントイケ》

 さんざん前からアオっておいてアレなんですけど、今年のこのレース、穴馬らしい穴馬があんまりいなくて、ホント最後まで迷っちゃいましたよ〜(苦笑)。普通に印つけたら穴でも何でもなくて本命サイドになっちゃうので、何度も予想をボツにしちゃいました。
 で、結局本命にしたのは、ちょっと名前がアレな(笑)シゲルドントイケ。展開ハマって、チャンスに飢えている赤木騎手が直線追いまくって差し切り……! と行けばいいんですけどねー。
 本音を言うとコスモサンビーム本命で……って、それは博士と一緒ですか。いよいよ八方ふさがりですね(苦笑)。

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(9日未明時点)
単勝 12 100円 46.8
馬連 1-12 100円 316.8
  5-12 100円 194.4
  1-5 100円 12.1
  12-13 100円 210.5
  4-12 100円 365.0
  10-12 100円 1924.6
馬単 12→1 100円 829.0
  12→5 100円 650.7
三連複 1-5-12 100円 344.1

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:シーキングザダイヤ》

 最近、他の人に質問とかして勉強しながら予想しているせいか、「ぜんぜんビギナーズの予想じゃない」とか言われるようになってしまいました(苦笑)。こっちはこっちでガンバってるんですけどね。
 そういうわけで、今回は自分だけで、しかも出来るだけいい加減に予想してみました(笑)。このレースで一番たくさん勝っている武豊ジョッキーのシーキングザダイヤを◎にして、2着が一番多い横山典ジョッキーのフリーダムホークを○に。で、あとは名前を知ってる馬から(笑)。
 これで当たったら本当に競馬って面白いですね(笑)。

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(9日未明時点)
単勝 100円 4.2
馬連 5-18 100円 104.9
  5-6 100円 10.0
  6-18 100円 171.7
  1-5 100円 12.1
  5-7 100円 41.7
  5-13 100円 7.9
馬単 5→18 100円 137.7
  5→6 100円 17.4
三連複 5-6-18 100円 160.1

 ……というわけで、予想が出揃いました。しかし当たる気しませんなあ(苦笑)。果たしてどうなる事か、レースをどうかお楽しみに。


NHKマイルC 成績

× 1着 13 キングカメハメハ
2着 コスモサンビーム
  3着 メイショウボーラー
        4着 ダイワバンディット
    ×   5着 10 ビッグファルコン

単勝13 360円/馬連1-13 1340円/馬単13-1 2140円/三連複1-6-13 1580円

 ※駒木ハヤトの“勝利の雄叫び”(馬連、三連複的中)
 馬単でウラを喰ったので、馬券的には全然雄叫べないわけですが(苦笑)、まぁ三連複フォーカス1点的中は嬉しいよね。
 それにしてもキングカメハメハのワンマンショーだったねぇ。確かに内ラチ沿い数頭分の馬場が微妙に悪くなっていて、その差が出たとも言えるんだけど、それにしても1番人気背負って大マクリで5馬身じゃあ問答無用の強さと言っていい。ナリタブライアンみたいだったもの。
 これでダービーでは更にギリギリの仕上げで勝負に来るわけだから、これはダイワメジャーの二冠とか、コスモバルクの雪辱とか言ってる場合じゃなくなったんじゃないだろうか。菊花賞終わってみて、「どうして皐月賞出さなかったんだ」というバッシングが噴出するにウーロン茶50本(笑)。
 シーキングザダイヤ以下、短距離戦線組は純粋に力不足だった感じ。やっぱり本物のG1級の馬がここに来ると格違いだね。

 ※栗藤珠美の“喜びの声”(馬連のみ的中)
 
○▲のいわゆるタテ目的中。ちょっと素直に喜べない気もしますけど、ま、良い結果は出せたのでホッとしています。
 それにしても、ここ数回のG1レースは、ずっと武豊騎手が最後の直線を諦め半分で追っている様子を見てばかりのようで、何だか胸が詰まる思いですね(苦笑)。

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 う〜ん、今度は1番人気の1着で決着……。
 何だかヤな流れですね〜。何とか親のリーチをしのぎ切って、「よしこの局は和了るぞ!」と思ったら、配牌が十三不塔寸前だった…みたいな(苦笑)。
 あとはオークス、ダービー……うわー、これは一番人気強そうですねー(苦笑)。安田記念と宝塚記念で挽回できるようにがんばります。というか、そこまで博士の体力が続くように祈ります(笑)。

 ※リサ=バンベリーの“イッツ・ア・ハードラックデイ”(不的中)
 やっぱりいい加減な予想じゃダメっていう、当たり前の結果になっちゃいましたね(笑)。次からはせめて、マジメに予想することにします(笑)。

第6戦終了時点での成績

  前回までの獲得ポイント 今回獲得したポイント 今回までの獲得ポイント
(暫定順位)
駒木ハヤト 4080
(1位)
2920 7000
(1位)
栗藤珠美 1440
(2位タイ)
1340 2780
(2位)
一色順子 570
(4位)
0 570
(4位)
リサ=バンベリー 1440
(2位タイ)
0 1440
(3位)

 (ポイント・順位の変動について)
 首位の駒木ハヤトが、本命2着ながらも渋太く馬連、そして3連複のボーナスを獲得してリードを広げた。セーフティリードではないが、本命サイドの的中ではなかなか追いつかれない程度の差は広げた。
 2番手から追う栗藤珠美も、タテ目で馬連を的中させて食い下がる。なかなかリズムに乗れない前回覇者・一色順子の大逆転は果たしてあるのか……?

 


 

2004年第11回講義
5月4日(火・休) 
競馬学特殊講義
「駒木博士の高知競馬観戦旅行記」(3)

 ◎前回までのレジュメはこちらから→第1回第2回

 お待たせしました。1ヶ月ぶりに復活の高知旅行記です。当社会学講座の常とはいえ、すっかりタイムリーさを逸してしまい恐縮ですが、まぁ素直に楽しんで頂ければ幸いです。
 なお、旅行当時の駒木はまだギリギリでモデム配りやってる頃ですので、原則的に当時の状況に即した内容になります。皆さんも今年3月末にタイムスリップした感覚で受講してもらえると幸いです。

 ──それでは、レポート本文へと参りましょう。時は旅行初日(3月22日)の午前7時40分過ぎ、場所はJR高知駅前です。……しかし、レポート2回で旅行初日の午前7時台までしか行ってないってどういう事だ(苦笑)。


 高知駅に着いたはいいが、競馬場行き無料バスの臨時始発は午前8時半。まだ小一時間ほどの余裕がある。
 この時間を無駄に過ごす手は無いだろうという事で、駒木は雨降りしきる中、駅から歩いてすぐの所にある高知中央郵便局へ向かった。目的は言うまでもなく、昨夜の麻雀で時間以上に潰してしまった財布の中身の補充である。
 いくら地方とはいえ、県庁所在地の中央郵便局クラスなら7時台からATMも動いているだろう…とチェックを入れておいたのだが、果たしてビンゴ。行動に不自由しない程度の金額(ギャンブル場に行く時は余分な金を持っていかないのがセオリー)を引き出す事に成功し、速やかに駅前へ戻る。
 それにしても、早朝・夜間、土・日・祝日問わず手数料ナシで貯金を引き出せるから郵便局のATMは有り難い。これまでも公営ギャンブル場や雀荘近くの郵便局に何度お世話になった事だろうか。いやまぁ、お世話にならないのがベストなのだが。

 そして場所は再び高知駅前。雨の中立ち尽くすのもアレなので、長距離バスのチケットセンターを兼ねた簡素な待合室で時間を潰す
 同じ事を考える人も多く、待合室はかなり混み合っていたが、それでも長椅子に1人座れるスペースを確保し、腰を下ろす。待ち時間で何かやりたいところだが、月曜の早朝では「ジャンプ」も売っておらず、駅売りの競馬新聞も早々に完売で、全くの手持ち無沙汰に追いやられてしまった。
 こうなると、やる事と言えば周囲の観察ぐらいしか残されていない。そこで、挙動不審にならない程度に高知競馬場へ向かうであろう人々の構成や動向をチェックしてみる事にした。
 まず客層連休明けの平日という事で、ちょうど春休みの真っ最中である学生客が多いのではと予想していたのだが、それほど多くない。どうやら高知という、本州の大都市圏からは気軽に行けない地理的条件がネックになったのだろう。
 意外と多いのは20代後半〜40、50代の女性グループ客。いわゆる主婦の皆さんである。なるほど、ハルウララの話題を採り上げたTV番組──朝〜昼のワイドショー、夕方の情報番組──を一番よく観ているのはこの人たちだ。本来は競馬場に最も縁遠い層なのだが、これぞハルウララ効果というヤツなのだろう。もっとも、この人たちがハルウララ抜きでリピーターになってくれる見込みは、ヅラを取った高橋克実の頭くらい薄いのだが……。
 次に会話等から遠方からの来客を探ってみたのだが、やたらと関西弁が聞こえて来て思わず苦笑。近畿圏の人間は、どこへ行っても躊躇無く関西弁で、しかも大声で会話するのでとにかく目立つ。そのせいで関西弁以外の会話があまり聞き取れず、参考にならなくなる(笑)。……まぁ実際、高知競馬にやって来る県外からの客の内訳を見ると、交通の便の悪い四国3県からよりも、長距離バスが充実している京阪神圏からの人の方が多いくらいだったりするのだけれども。
 で、勿論、そんな一見客に混じって地元のオッチャンたちもパラパラとは確認できる。ただ、さすがにこんな大混雑が予想される日に、しかも朝イチで競馬場へ向かおうという人は少なそうだ。ただ、そもそも高知競馬の固定客の絶対数からして今日の予想来場者数の1/10程度で、普段は送迎バスも乗客10人未満らしいから、“地元勢劣勢”になるのは自明の理ではある。

 駒木が乗って来た電車から、無料バスの発車までに到着する電車が少ない(平日の朝だというのに、上り・下り合わせて僅かに3本。さすがこの辺がローカル線)こともあって、バスを待つ人の数はそれほど増えてはいないようだった。しかし、外のバス停から待合室に伸びる列に並ぶ人以外にも近くでバラバラに雨宿りをしている人も多くいて、実際にはどれくらいの人数がバスを待っているのか分からない。人員整理をする人もいないようで、これはちょっと危ない気がする
 他の公営ギャンブル場ならばバス乗り場に警備員が2人くらい常駐しているものなのだが、そもそも危機管理の必要がない競馬場だけに、どうやらそこまで頭が回らなかったらしい。幸いにもパニックになるほどの人数ではなかったので良かったが、事故が起こるのはこういう主催者側がタカを括った対応をしたケースの時が多いだけに、今後は気をつけてもらいたいものだ。高知競馬に限らず、公の機関が万単位の人を集めるイベントをする際は、職員を一度コミケに派遣して人員整理の実地研修させるべきだと思う。これは真面目な話。
 果たして、午前8時半前に1台のバスがやって来た時、ホラー映画で主人公たちに迫るリビングデッドのように、ゾロゾロと人がバスに群がり始めた。しかもバスがバス停ではなくロータリーの中途半端な位置に止まってしまったからタチが悪い。これでは早い者勝ち、ヨーイ・ドンの競走ではないか。
 こうなったら、もうどうにもならない。鉄火場の掟は「トロい奴はバカを見る」だ。乗り遅れた後で「俺は40分前からキチンと並んでいたのだ」と文句を言っても聞いてくれる相手すらいない。かくなる上は待合室を飛び出し、バス乗降口めがけてダッシュ。2000年の有馬記念のテイエムオペラオーのように群集を掻き分けて、どうにか車内へ乗り込んだ。バスはギリギリまで乗客を詰め込んだが、それでもかなりの積み残しが出たようだ。次のバスまで30分。後から起こった出来事を考えると、この差は非常に大きかった

 バスは市街地を抜け、郊外を延々とひた走る。所要時間約25分と聞いていたが、雨の平日通勤時間帯という事で、更に時間がかかっているようだ。窓ガラスが曇っていて外の様子が見えないのがもどかしい。
 車内の会話を聞いていたが、やはり目立つのは関西弁。偶然隣に立っていた中年女性も「尼崎から来た」ということで、何だか園田競馬場行きの送迎バスに乗ったような感じだ(笑)。それでも客層が“薄い”のがこの日の特徴で、その女性は昨日の阪神大賞典で武豊(リンカーン号)が勝った事を「今日の景気付けになる」と素直に喜んでいた。馬連1.5倍のレースで心底喜べるのは競馬初心者しかいない。ちなみに、こちらはザッツザプレンティから馬単流しで2着−1着、3着、4着で手痛い不的中を喫していたので、心中はジャイアンとしずかちゃんにまでソッポを向かれた時のスネ夫の顔みたいに複雑に歪んでいたと申し上げておく(笑)。

 やがてバスは競馬場から数百m離れた道路に停車。どうやらここから歩けと言う事らしい。「何だよ、入口前まで乗り付けるんじゃないのか」と思ったが、すぐに理由が判った。既に入場待ちの列が物凄い長さになっていて、競馬場前に乗り付けても混乱を招くだけだったのだ。
 始発バスに乗れば普通に“先頭集団”だろうと思っていたが甘かった。バスの運行前にタクシーでやって来たグループ夜中に自家用車でやって来た徹夜組、それに加えて「観戦バスツアー」の参加客と思しきオバチャンの集団が既に開門待ちの列を作っており、駒木たちバスで来た客は完全な“後発組”であった。
 確かに競馬ブーム全盛期の中央競馬場には、指定席やゴール前最前列の席を狙った徹夜&始発組の客が大勢いた。けれども、まさか(ハルウララ&武豊目当てとはいえ)雨の高知競馬場でこういう事態になるとは思ってもみなかった。いくらなんでも必死過ぎないか?(笑)

 仕方なく列の最後尾に着くと、間もなくして客入れが始まったらしく、行列が大きく動き始めた。後から聞いた話によると、警察から「これ以上の放置は危険」という勧告が出て開門時刻前倒しに踏み切ったそうだが、これは英断だったと思う。雨も降っていたし、行列客の体調を考えれば、もっと早くても良かったくらいだろう。
 行列で駒木の1つ後ろに並んでいた男性客2人の会話が聞こえて来る。片方は5年がかりで全国競馬場制覇を達成したサラリーマン、もう片方はサッカーファンもやっている若者で、週末に関東でJリーグ公式戦を生観戦したその足で高知までやって来たのだと言う。うわ、“薄い”客ばかりだと思っていたら、やっぱり局地的には恐ろしい“濃度”のファンがいるもんだ。

 やがて辿り着いた入場門付近では、外向馬券前売発売所(入場門前にある場外馬券売場)で既にハルウララ馬券を求める列が出来ていて、その脇には特観(特別観覧席)の入場券を求める行列もある。ダメモトで特観の空席状況を聞いてみたが、今から並んでもタッチの差で間に合わないとの事。特観を確保出来れば、こういう日でも余裕を持って観戦出来たのだが残念だ。
 入場はコイン式ゲート方式。電車の自動改札で切符の代わりに100円玉を入れる…と言えば判りやすいか。最近の公営ギャンブル場では主流になって来ているが、高知競馬で大枚叩いてこれを導入しているとは思わなかったので、正直意外。ただ、この日のシチュエーションで入場券を買ってもぎってもらう方式だったら混乱必至なので、これは非常に助かった。まぁそうなったらそうなったで、ゲートで箱にでも100円を投げ入れてもらって入場する事になったのだろうが(事実、この日も混雑時には自動ゲートを止めてそうしていたそうだ)

 さて、いよいよ入場だ。時刻は午前9時30分頃だったろうか。
 競馬場に入ったからには、より一層効率的な行動が求められる。ここは観光地じゃなくて鉄火場だ。先に述べたように、ギャンブル場ではトロい奴はバカを見る。何事も迅速に行わなければならないのだ。
 まずは競馬新聞の購入から。他の競馬場と同様、入場ゲート付近に売店が出ており、そこで専門紙を購入する。「専門紙はシェアの高い物を買え」というポリシーに則って、高知では有名である(らしい)、日本最古の競馬新聞・『中島競馬号』を購入する。普通の競馬新聞と違い、中綴じの小冊子形式で扱いやすい。馬柱も横組みで、普段「競馬ブック」派の駒木には大変有り難いのだけれども、やはり「所変われば品変わる」で微妙に読み辛い。
 競馬新聞を購入した後、小走りでスタンドへ。向かうは朝から最終レースの馬券まで発売する、前売馬券発売窓口だ。そう、場内がまだそれほど混み合わない第1レース前にハルウララの馬券を確保してしまおうというわけである。
 駒木が窓口前にやって来ると、既に前方には20〜30人くらい並んでいただろうか。それでも入場で幾分出遅れた事を考えると許容範囲だ。その直後から列が異様に伸び始めて、あっという間にカウント不能な長蛇の列に成長してしまったので、かなり危なかったと言える。この辺は競馬場慣れしていない“薄い”客層に助けられたところだろう。この日はマークシートの塗り方や馬券をどこで買うのかすら知らない人も大勢いたようだ。
 順番が来るまでは、先程購入した競馬新聞でレースの予想。競馬では場ごとに馬や騎手の顔触れ等が全く異なるので、初参戦の時は予想に手間取り困惑するものだ。……が、第1レースの馬柱に思わぬ馬名を見つけた途端、そんな困惑は一気に吹き飛んだ。

NHK杯(G2)2着馬
マイネルガーベ

しかも御年12歳
 

 ……いやあ、ビックリしたねぇ。12歳にもなって現役を続けている事も知らなかったが、最果ての地・高知競馬の、しかも下級条件で入着一杯のレースを続けているとは全く思いもしなかった。何しろ野球で言えば、50代も半ばを過ぎた往年の大リーガーが、独立リーグの破産寸前のおんぼろチームで敗戦処理投手をやっているようなものなのだ。
 「うあぁぁ……」
 思わず呻き声が漏れる。ナリタブライアン世代以前からの競馬ファンにはこの気持ちが判ってもらえると思う。そうでない方にも、昔お世話になったバイト先の社長が偶然乗ったタクシーの運転手をやっていたシチュエーションとか、高校の時に世界史を教えてもらった学校の先生がヤフーのモデム配ってた……ってそれは俺か

 そんな感慨にふけりながらも、駒木はレース予想を進めていった。涙を飲んでマイネルガーベは予想から叩き切った。2レース、3レースと時間をかけながらもフォーカスを定めてゆく──っておい、何分待たせるんだ?
 午前10時くらいから馬券の発売自体は始まっているのだが、1時間経っても列が進まない。今は昔、旧社会党の牛歩戦術みたいだ。気がついたら第1レースの締切時刻が迫っているではないか。おいおい、一体どうなってるんだ──? (次回へ続く

 


 

2004年第10回講義
5月1日(土) 
競馬学特論
「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・暫定第5戦・天皇賞(春)」

 いつの間にか折り返し地点。そろそろ何とかしないと寒い結果になりそうな第2回馬券ラリーを今回もお届けできました。
 いつまで「暫定」なんだ、という声が聞こえて来そうですが、あともうちょっとお待ちを。多分次辺りには外せると思うんですけどね。まだ自分の体調に自信が持てないのです。申し訳無い。

暫定第5戦・天皇賞(春)(京都・3200芝)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

ザッツザプレンティ 安藤勝
収穫と課題の両方を得た阪神大賞典をステップに、菊花賞以来のG1勝利を目指す。大敗癖は気になるが、長距離戦での実力はメンバー中最右翼。
        ナリタセンチュリー 吉田稔
年明け時点は1000万条件だったが、今やバリバリの重賞クラス。しかし大阪杯は一線級の壁にブチ当たった感があり、更なる相手強化はやはり大きな不安材料に。
        ダービーレグノ

近走ではチャンピオンディスタンスでの健闘ぶりが光る。今回はデキも最高潮だが、G1レースで何度となく大敗重ねた馬だけに過度の期待は?

        ウインブレイズ 木幡

6歳冬に本格化した超晩成型。このメンバーでも入着以上の期待は持てる地力はあるが、大型馬の休み明けはやはり大きなマイナス。

      サンライズジェガー 福永

昨年の2着馬。スピードでは見劣り否めぬも、スタミナ・底力勝負の泥仕合になれば父・リアルシャダイの“ステイヤー力”で台頭する。現状、有力馬の凡走待ちだが侮れぬ。

        イングランディーレ 横山典
今やダートグレード競走の常連も、“本職”は芝のステイヤー。昨年9着完敗の過去は気になるが、さりとて完全無視は出来ぬスタミナはあって……。
      × ウインジェネラーレ 蛯名

前走の日経賞で大金星。人気薄で強いタマモクロス産駒の面目躍如だった。今回はマイペース逃げで後続になし崩しに脚を使わせたいところだが、やや厳しい注文か。

  ×   × シルクフェイマス 四位

このシーズン最大の昇り馬。5連勝&G2レース連勝で一躍表舞台の住人に。一気の相手強化と2ヵ月半のブランクをどう克服するか。今回が今後を占う試金石に。

        チャクラ 後藤浩

昨年末のステイヤーズS覇者。有馬記念、日経賞のパフォーマンスは不満だが、「天皇賞がこの春最大の目標」と陣営の士気は高い。好位〜中団からどこまで食い下がるか。

    ×   10 ファストタテヤマ 安田

阪神大勝典は見せ場十分。菊花賞2着の実績を思い出させる好走だった。メンバー強化で厳しいレースになるが、展開向くペースなら一気に怖い存在へ。

× 11 ネオユニヴァース デムーロ

大阪杯は辛勝も格好はつけた。三冠阻止された淀の長距離戦だが、挑戦者に立場を変えて攻撃的な競馬でライバルたちの隙を窺う。ただし3200mの距離は適性ギリギリか。

        12 マーブルチーフ 池添

日経新春賞、京都記念と好走したが、このメンバーに混じると瞬発力不足は明らか。出来の良さで果たしてどこまで。

        13 ナムラサンクス 渡辺

万葉S、ダイヤモンドSと連勝して上り調子だったが、阪神大賞典の完敗で一線級との力関係が疑われる結果に。スローペースの決め手勝負になれば強い馬だが、果たして……?

14 リンカーン 武豊

阪神大賞典の走りは、もう人気薄のフロックとは呼ばせないほどのインパクトだった。1番人気、2kg増、相手強化と克服すべき条件はいくらでもあるが、勿論優勝候補の一角だ。

        15 カンファーベスト 藤田

掲示板を決して外さぬ堅実さ、相手なりに食い下がる底力は十分に感じられる。懸念材料は、これまで2200m戦までしか経験の無いキャリア。

16 ゼンノロブロイ オリヴァー
最後の直線での伸びあぐねが目立つ最近だが、力関係上位は明らか。比較的マークの緩い気楽な立場を利して、ライバルたちを出し抜く。
        17 ヴィータローザ 岩田

セントライト記念後、煮え切らない結果が続いていたが、前走でようやく弾みが。相手関係は厳しく苦戦は必至だが、デキそのものはメンバー中随一。

        18 アマノブレイブリー 小牧太

ドンカスターSの覇者で、距離適性は問題なし。しかし58kg定量戦でこの相手。地力の差は大きそう。


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 ハナはウインジェネラーレかイングランディーレが濃厚。しかし多頭数の長距離戦、序盤の位置取りはかなり流動的だろう。有力馬では、ザッツザプレンティ、リンカーンが好位から、ネオユニヴァースとゼンノロブロイは中位から勝負どころで捲り気味に追い上げる。
 ペースそのものは比較的ゆったりした流れで、道中は淡々と進んでいくと思われる。ただし、決め手勝負を望む馬よりロングスパートの底力合戦を好む馬が多く、3〜4コーナーあたりからレースが一気に動き出しそうだ。逃げ馬だけはさすがに不利だが、他の脚質なら能力次第で何とか勝負になりそう。ただし、ギリギリまでエネルギーを温存できる好位組が一番有利には違いない。

●駒木ハヤトの「負け犬エレジー」●
《本命:ザッツザプレンティ》
 

 多頭数でレヴェルの低さが指摘されそうだが、昨年の末期状態のメンバーに比べると雲泥の差。昨年の菊花賞1〜4着馬を中心に、現時点では最高に近いメンバーが集まった。これならハイレヴェルの攻防を期待できるだろう。
 さて、今回本命に抜擢したのは菊花賞馬・ザッツザプレンティ。前哨戦は2着に敗れたものの、斤量2kg差、苦手だった折り合いをつけての決め手勝負…という厳しい条件が揃っていた。人気をやや落として気楽な立場になった今回は期待出来る。安藤勝己騎手のこの馬に対する気持ちも高まっているし、ここは勝負駆けとみた。
 相手はやはり菊花賞上位組。印をつけた4頭が、やはり地力の上で図抜けている。ネオユニヴァースもゼンノロブロイも、まだ長距離戦で見限るには材料不足。むしろ今回は“買い”の時だとみる。ただし分不相応な“暫定チャンピオン”の格でマークが厳しくなるリンカーンはギリギリの2着候補までと考えた。

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(2日未明時点)
単勝 100円 5.2
馬連 1-11 200円 10.3
  1-16 200円 21.6
  11-16 100円 14.8
  1-14 100円 4.9
  ── ── ──
  ── ── ──
馬単 1→11 100円 22.3
  1→16 100円 43.6
三連複 1-11-16 100円 27.2


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:リンカーン》

 予想するにあたって、色々と難しい材料の多いレースになりましたが、こういう時こそ基本に立ち返って実績重視、阪神大賞典組重視ということで。
 本命はリンカーン。昨年の段階ではまだフロックかなと思っていたのですが、前走の様子を見るとどうやら本格化のようですね。武豊騎手の手綱捌きにも期待大です。
 面白そうな穴馬が見付からなかったのは残念ですけど、何かと物入りなGW、ここはとりあえず手堅くお小遣いを増やしておきたいですよね(笑)。

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(2日未明時点)
単勝 14 100円 2.1
馬連 11-14 200円 5.3
  1-14 100円 4.9
  1-11 100円 10.3
  14-16 100円 9.8
  8-14 100円 15.4
  ── ── ──
馬単 14→11 100円 8.7
  14→1 100円 7.7
三連複 1-11-14 100円 6.1


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:サンライズジェガー》

 こういった、本命サイドでガッチガチなレースはあんまり好きじゃないんですよねー。……でも、似たような雰囲気の菊花賞で万馬券を当てたりしてますので、アグレッシブさを忘れずにガンガン攻めて行きたいです。
 ……というわけで本命は去年の2着馬サンライズジェガー。人気馬がボロボロ凡走した場合、この馬に出番が回るんじゃないかと思うんですよね。
 流す相手は、やっぱり4頭もいたらどれか来そうな菊花賞組の4頭に、サンライズジェガーと同じくヒシミラクルの片棒を担いだファストタテヤマを。でも、ちょっとムリヤリ国士狙いにいったような感じかな?(苦笑) 本当はさんざんお世話になって来たリンカーンに本命打ちたいんですけどねー。

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(2日未明時点)
単勝 100円 62.4
馬連 5-14 100円 66.6
  5-16 100円 278.8
  14-16 100円 9.8
  1-5 100円 101.1
  5-11 100円 137.3
  5-10 100円 242.2
馬単 5→14 100円 304.8
  5→16 100円 928.8
三連複 5-14-16 100円 191.2

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:ネオユニヴァース》

 距離が3200m、メルボルンカップの日本版みたいな感じで、春の天皇賞とても好きなレースです♪
 でも予想は相変わらずどうしていいのか……(苦笑)。ちょっと強そうな馬を色々教えてもらって、で、「ガイジンの騎手って、大一番で良い騎乗するよ」って博士が言ってたのも参考にして、デムーロ&オリヴァー狙いということにしました。あとは相変わらず競馬新聞見て、強そうな馬を選んでみたりしました。ワタシなりに一生懸命ガンバった予想なので当たって欲しいです。

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(2日未明時点)
単勝 11 100円 4.7
馬連 11-16 100円 14.8
  11-14 100円 5.3
  14-16 100円 9.8
  1-11 100円 10.3
  8-11 100円 27.4
  7-11 100円 45.6
馬単 11→16 100円 26.2
  11→14 100円 11.5
三連複 11-14-16 100円 10.6

 やはりというか、微妙に偏った予想になりました、駒木研究室(笑)。しかしリンカーン絡みの馬券、安過ぎませんか?(苦笑) 点数絞っても絞っても儲からないような気がするんですが……。
 まぁ駒木は別に困らないんですけどね。あ、リンカーンが1着に来られたら困るのか(笑)。
 ……そういうわけで(?)、またレース後に。


天皇賞 成績

        1着 イングランディーレ
2着 16 ゼンノロブロイ
  ×   × 3着 シルクフェイマス
        4着 チャクラ
        5着 ナリタセンチュリー

単勝6 7100円/馬連6-16 36680円/馬単6-16 75650円/三連複6-8-16 211160円

 ※駒木ハヤトの“負け犬の遠吠え”(不的中)
 また展開大外し。申し訳無いです。ウインジェネラーレの騎手のアレな部分を失念してました(苦笑)。
 でもまぁペース云々よりも、2番手、3番手に勝ち目の無い馬がいた事の方がイングランディーレの勝因としては大きかったと思いますよ。逃げ馬の天敵は、勝負どころでプレッシャーをかけて来る先行馬ですから、それが逆にバテてくれるのは天の助けです。
 有力馬はゼンノロブロイ、シルクフェイマス以外は惨敗。まぁあそこまで惨敗してくれると、逆にノーカウント扱い出来て気が楽なんですけどね。実力負けじゃないんで、また人気が微妙に下がったところを狙い撃ちさせてもらう事にします。

 ※栗藤珠美の“反省文”(不的中)
 レース直後、「このやるせない気持ちはどこかで……」
と思ったら、2週間前の皐月賞の時でした(苦笑)。
 ……何を言っても反省どころか愚痴にしかなりませんので、今日は布団を被って寝てしまうことにします(笑)。

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 あー、そっちだったかー……というのが率直な感想ですねー……って先々週も言いましたっけ?(苦笑)。
 追い込み馬じゃなくて、逃げ馬だったんですねー、◎印つける馬はー。あーあ、そっちだったら10万点追加だったんですけどねー。
 でもまぁ、ハナからこのレースは捨ててましたから、来週頑張ります。NHKマイルCは穴党の出番だと思ってますので!

 ※リサ=バンベリーの“イッツ・ア・ハードラックデイ”(不的中)
 ん〜〜〜〜〜(頭を抱えている)
 どうしてどの馬もイングランディーレを追いかけて行かないのか、不思議で不思議で……。駒木博士とか珠美サンに質問したら、色々と教えてくれたんですけど、ワタシの知識では何がなにやら……(苦笑)。
 あ、順子サン、どうしてイングランディーレは……え? どうしようもなくハズれたレースを後からグジグジ考えてもムダ? そうですね、そういうコトにしときます(笑)。

暫定第5戦終了時点での成績

  前回までの獲得ポイント 今回獲得したポイント 今回までの獲得ポイント
(暫定順位)
駒木ハヤト 4080
(1位)
0 4080
(1位)
栗藤珠美 1440
(2位タイ)
0 1440
(2位タイ)
一色順子 570
(4位)
0 570
(4位)
リサ=バンベリー 1440
(2位タイ)
0 1440
(2位タイ)

 (ポイント・順位の変動について)
 前回に続いて的中者ゼロ。イングランディーレの“怪走”の前に、またも4者討ち死にとなった。これでついに全員の回収率が100%を割り、昨年の天皇賞(春)並の低レヴェル混戦ムードということに……。

 


 

2004年第6回講義
4月17日(土) 
競馬学特論
「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・暫定第4戦・皐月賞」

 今週も何とか開催に漕ぎ付けられました、G1予想をお送りします。来週G1レースが1週休みなのが正直有り難いくらいのコンディションですが、出来る限りの事はしたいと思います。

暫定第4戦・皐月賞(中山・2000芝)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

        マイネルマクロス 後藤浩
逃げても先行しても差しても善戦マンという印象。今回はコスモバルクのペースメーカー役?
        メイショウムネノリ 武幸
ダート路線経由で果敢なる挑戦。大トビの走法は芝適性を感じさせるが、果たして根本的なスピードがここで通用するかは……?
× コスモサンビーム バルジュー

不利に泣いたトライアルの雪辱に燃える2歳王者。未知数の距離適性に一抹の不安が残るが、叩いて上向いたコンディションもあり、堂々たる優勝候補。

        カリプソパンチ 岩田

短距離戦線からの裏街道組も、父ダンスインザダークがいかにも不気味。問題は重賞未勝利、G2以上初挑戦というキャリア不足の方。

×     フォーカルポイント 横山典

不可解な凡走に終わった弥生賞が気掛かりも、最後方からでも上位に届く強烈な末脚はやはり魅力。主力級には一歩見劣る実績ながら、無欲の追い込みが届けば馬券の対象まで。

      × キョウワスプレンダ 佐藤哲
久々にこの馬らしいところを見せたスプリングS。それでも勝ち切れなかった辺りに脚の使い所の難しさが……。休養明け2走目の上積みあれば面白い存在だが……。
× ブラックタイド 武豊

人気を背負っては惜敗続きだったこの馬も、漸く前走で重賞初制覇。脚質に自在性が出て来たのも強みで、コスモ・マイネル勢打倒の一番手に踊り出た。

  ×   × メイショウボーラー 福永

デビュー以来、連対率100%を維持して来たスピードスターに大きな正念場到来。前走より厳しいペースに距離適性と、他の17頭よりも厳しい“敵”にどう相対するか?

×   ×   ミスティックエイジ 池添

前走はコスモサンビームと接触して暴走で度外視。コスモバルク相手に善戦した実績は侮れず、人気の盲点になれば大駆けも十分可能。

        10 アポインテッドデイ 江田照

条件戦でもG1でも相手なりのレースをしてしまう馬。今回、過去最強の相手関係の中ではジリ貧となる公算が大きくて……。テン乗りの穴ジョッキーに一縷の期待。

      11 グレイトジャーニー 小牧太

思うようなレースが出来ないと、馬自ら走る気を失ってしまうムラ駆けタイプ。好位からスムーズな競馬が出来れば面白いが、その辺りは展開がゴチャつきそうなだけに……。

      12 マイネルブルック 藤田

ブラックタイドを差し切った、きさらぎ賞の実績がキラリと光る。順調なら主力の一角だったが、2ヶ月のブランクに加えて追い不足では強調材料も帳消しに。

        13 メテオバースト 内田博

トライアルは完敗の3着だが、朝日杯以来の休み明けでは致し方ないか。しかし、キャリアや実績不足は否めず、逆転望める材料まで探すのは難しそう。

        14 ダイワメジャー デムーロ

格上挑戦の不利を跳ね返しての出走権獲得は見事。調教の動きは特筆に価するもので、鞍上も魅力。ただし、前に有力・強豪馬を置いてのレースで差し切るだけの力まであるかは疑問。

        15 マイネルデュプレ 柴田善

上がり3F最速33.3秒の瞬発力は出色。しかし持ち味生きるスローペースは望めない上にデキ途上での出走となった今回、さすがに1着争いまでは荷が重そう。

  16 ハーツクライ 安藤勝
デビュー以来わずか3戦ながら、濃密なキャリアを積んで来た。相手関係は決して楽ではないが、未知の魅力はメンバー中一番で。
        17 スズカマンボ 蛯名

若葉S2着は善戦健闘の部類。本格化と見るか精一杯の大駆けと見るかで評価は変わって来るが、一筋縄ではいかない相手関係であるのは確かで……。

18 コスモバルク 五十嵐冬

公営所属初のクラシック制覇の悲願目指して勇躍参上。ダービー出走には4着以内が最低条件だけに、目標は先でも仕上がりに抜かりは全くなし。中央勢の激烈なマークを捌けるかどうかがカギに。


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 ハナを切るのはスピード優位のメイショウボーラーでほぼ間違いなさそう。問題はどれ程のペースになるか。
 まず最内枠のマイネルマクロスは、馬込みを避けるため、そして実質同一馬主のコスモバルクのペースを作るためにもメイショウへ競り掛けて行く。コスモバルクはそこから距離を置いた3番手が理想だが、先行〜好位を望む馬も多く、一筋縄で行くかどうか。前からのプレッシャーが強いので、ペースは速めの平均ペースからハイペースまで上がりそうだ。
 後続の有力馬では、コスモサンビームが好位勢の後ろ、そのすぐ後ろあたりにブラックタイドやハーツクライがマーク。フォーカルポイントは後方待機から4コーナー大外捲りの作戦に。コスモバルクは外々追走から正攻法を強いられそうで、まさに正念場と言えそう。
 過去の皐月賞における脚質別の実績は、ズバリ「先行脚質の実力馬、差し・追込の人気薄」。特に人気薄の追い込み馬が2着に飛び込んで馬券が荒れるケースが目立つので要注意。コース形態からして内・外枠の有利・不利は無いが、レースがし易くて距離損の小さい2〜4枠からの連対が目立つ。 
 

●駒木ハヤトの「負け犬エレジー」●
《本命:コスモサンビーム》
 

 それにしてもコスモ・マイネルで5頭出しとは凄いですね。何だか競馬シミュレーションゲームの末期状態のような様相で(笑)。シルク会員としては羨ましい限りだなぁ。駒木の3歳馬は未だに入厩できずに育成牧場止まりだというのに……。
 それはさておき、今回の皐月賞は「“コスモ・マイネル”革命帝国軍VS連合軍」みたいな感じ。いくら厩舎が違うとは言え、事実上の同一馬主5頭出しで意識するなって方が無理だよねえ。

 ……ただ、話題&人気のコスモバルクを過信するのは如何なものか。確かに実力、デキ共に上位ではあるものの、ライデンリーダーの桜花賞のようにJRA勢の徹底マークに遭ってかなり厳しい展開を強いられそうで……。これまでのJRA3戦は全て楽なレースだっただけに余計心配。
 むしろ勝機は、同じコスモでもサンビームの方へ。展開も向きそうだし、距離や早熟度を考えるとダービーよりもむしろ皐月賞目標の感もあるがどうか。
 相手候補はデータに則って差し・追込馬を中心に。しかし一番面白そうなのは、先行脚質ながら前走大敗で人気の盲点になっているミスティックエイジ。

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(18日未明時点)
単勝 100円 11.6
馬連 3-18 100円 16.5
  3-7 100円 16.7
  7-18 100円 6.4
  3-16 100円 61.4
  3-5 100円 47.0
  3-9 100円 102.7
馬単 3→18 100円 43.4
  3→7 100円 42.9
三連複 3-7-18 100円 17.7


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:ブラックタイド》

 純粋な競馬ファン目線から見ると、コスモバルクを応援したいところなんですけど、やっぱり展開がかなり厳しくなりそうということで、ここはブラックタイドから。多少ペースがゆっくりになっても融通の利きそうな脚質ですし、どうにか格好はつけてくれるのではないかと期待しています。
 そう言えば、今年はJRA発足50周年だそうですけど、40周年の時にはナリタブライアン、30周年の時にシンボリルドルフ、10周年の時にはシンザンが出ているそうですね。ひょっとしたら今年の皐月賞馬は未来の三冠馬になるんでしょうか?(笑)

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(18日未明時点)
単勝 100円 3.9
馬連 7-18 100円 6.4
  7-16 100円 19.9
  16-18 100円 22.2
  7-12 100円 26.9
  3-7 100円 16.7
  7-8 100円 23.4
馬単 7→18 100円 14.4
  7→16 100円 33.3
三連複 7-16-18 100円 20.3


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:コスモサンビーム》

 アイタタタタ……博士と本命一緒かー。当たる気しませんねー(苦笑)。でも、ここまで実績があって展開も向きそうな馬が単勝10倍以上なんて、オイシイ馬券もいいとこなんですよねー。
 あと、このレースで穴を開ける馬って、「前々走で好走→トライアルで実力を出し切れずに凡走」…というパターンが多いんですよね。コスモサンビームもそうですし。なので、ここはそのパターンの馬を徹底的に狙って行きたいと思います。万馬券になる組合わせが少なくてアレですけど、今日はわたしなりに手堅い勝負をしてみます。

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(18日未明時点)
単勝 100円 11.6
馬連 3-5 100円 47.0
  3-18 100円 16.5
  5-18 100円 22.8
  3-11 100円 449.2
  3-7 100円 16.7
  3-9 100円 102.7
馬単 3→5 100円 100.6
  3→18 100円 43.4
三連複 3-5-18 100円 68.5

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:コスモバルク》

 オーストラリア人のワタシとしては、中山グランドジャンプの方が興味をそそられたんですけど……(笑)。
 でも、ローカル競馬から来たコスモバルクの話題も面白そうですね。予想もコレを本命にしてみます。
 あとは、いつもみたいにトライアルとか大レースで1着、2着に来た馬から狙ってみることにしました。でも、これって意外とカタい倍率ですか? ひょっとして偶然正解選んじゃいました?(笑)

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(18日未明時点)
単勝 18 100円 2.5
馬連 7-18 100円 6.4
  3-18 100円 16.5
  3-7 100円 16.7
  16-18 100円 22.2
  6-18 100円 42.0
  8-18 100円 19.1
馬単 18→7 100円 10.5
  18→3 100円 23.2
三連複 3-7-18 100円 17.7

 4人中、コスモバルクに◎を打ったのがリサちゃん1人だけというあたり、いかにも駒木研究室ですね(笑)。さて、結果はどうなるか、どうぞお楽しみに。


皐月賞 成績

        1着 14 ダイワメジャー
2着 18 コスモバルク
  ×   × 3着 メイショウボーラー
× 4着 コスモサンビーム
×   ×   5着 ミスティックエイジ

単勝14 3220円/馬連14-18 4660円/馬単14-18 15290円/三連複8-14-18 20610円

 ※駒木ハヤトの“負け犬の遠吠え”(不的中)
 いやー、だんだんと負け犬っぽくなって来ましたなー(笑)。予想外のスローペースになった上、本命馬が絶好の展開を差せず4着。もう言い訳する要素全部摘み取られちゃったじゃないか。
 でも今回の掲示板載った馬を見ると、何だかダービーでは(掲示板に載る馬が)総取ッ換えになりそうな気がしてならない。唯一頑張れそうなのはコスモバルクだけれども、ここまで目一杯の仕上げで来ておいて、JRAの馬が本当に目一杯で来るダービーでもう一度頑張れるのかは……。でもまぁ、負け犬の心配なんて、どうってことないよね(笑)。

 ※栗藤珠美の“反省文”(不的中)
 ……えー、今日は私じゃなくて、後藤騎手に反省文を書いて頂きたいと思ったりするんですけど(引攣笑)。
 もう何も言いたくない気分なのですが、一言だけ。関西テレビの競馬中継で映っていた、最後の直線で100%負けを悟りながらブラックタイドの手綱をしごいていた武豊騎手の寂しい背中。それを観ていると、何だか私、泣きそうになりました(苦笑)。

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 あー、そっちだったかー……というのが率直な感想ですねー。コスモバルク2着で馬単万馬券なら、むしろ素直にデムーロ騎手の腕に頼った方が潔かったですよね。
 再来週の天皇賞は、穴党のわたしにとっては一回休みみたいなもんですけど、ちょっと点数状況がヤバいんで、どういう作戦で行くか、2週間かけて考えてみることにします。

 ※リサ=バンベリーの“イッツ・ア・ハードラックデイ”(不的中)
 最後のコーナーを曲がったところで抜け出した馬が、一体どの馬なのかを競馬新聞を見ているうちにゴールが来ちゃってました(笑)。2着の馬と3着の馬で決まっていたら、私だけ的中だったのに、ちょっと残念ですね。
 あ、再来週は日本版・メルボルンカップみたいなレースだと聞いてるので、とっても楽しみにしています。ワタシも予想ガンバりますので、どうかヨロシクです。

暫定第4戦終了時点での成績

  前回までの獲得ポイント 今回獲得したポイント 今回までの獲得ポイント
(暫定順位)
駒木ハヤト 4080
(1位)
0 4080
(1位)
栗藤珠美 1440
(2位タイ)
0 1440
(2位タイ)
一色順子 570
(4位)
0 570
(4位)
リサ=バンベリー 1440
(2位タイ)
0 1440
(2位タイ)

 (ポイント・順位の変動について)
 今期初の的中者ゼロ。2着のコスモバルクには全員重い印を打っており、ダイワメジャーの扱い次第では大量加点のチャンスもあっただけに、痛恨の抜け目といったところか。特に穴狙い専門の一色順子は勝機を1つ潰した格好。
 4戦終わってトップの駒木ハヤトが回収率100%ギリギリという低調な展開だが、果たしてこの状況を打破するのは一体誰か?

 


 

2004年第4回講義
4月10日(土) 
競馬学特論
「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・暫定第3戦・桜花賞」

 何とか生きております、駒木ハヤトです(笑)。
 今度の職場では、非常勤講師は原則週休2日制とのことで、どうやら土曜深夜は夜更かし可能、競馬学講義も実施可能という流れになりそうです。
 ただ、未だに流動的な部分も多いので、とりあえずはまだ“暫定”の文句を外さない事にします。

 ……というわけで、今シリーズの暫定第3戦はクラシック開幕戦の桜花賞。今年は阪神競馬場の桜も開花が早過ぎ葉桜賞の様相ですが、出走メンバーの方は見事なまでにレース名を体現した“十八花繚乱”の趣。華やかさの一方で予想は難解を極めますが、どうにか皆さんのお役に立てるよう、研究室メンバー一同、精一杯頑張りたいと思います。

暫定第3戦・桜花賞(阪神・1600芝)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

        エイシンヘーベ 熊沢
収得賞金800万円組の枠1つはこの馬に。強運を味方に波乱起こしたいが、オープンクラスで惨敗続きで無計画な連闘策ではそれも望み薄。
        ヤマニンアラバスタ 江田照
息の長い末脚を武器に賞金積み重ねて来たが、ここに来て馬体減りが深刻な問題に。調教手控えて配慮はしたが、長距離輸送に調整の狂いはレースに響いて来そう。
    ×   ギミーシェルター デムーロ

休み明けのアネモネSでは手堅く正攻法で2着。今回はイチかバチかの後方待機策で更に上を目指す。鞍上が非常に不気味、最内を突けばアッと驚く出し抜けも。

× × スイープトウショウ 池添

致命的な不利に泣いたジュベナイルFの悲劇から立ち直って堂々の2連勝。3歳牝馬離れした豪脚は他馬にとっては最大の脅威。あとは新勢力との力関係と道中のスムーズさ。

×   マルターズヒート バルジュー

前走は後方からのレースを覚えさせるための試走で、完敗2着も度外視可能。大きな幅の出た脚質で、レースの流れに添った作戦を立てて勝利を目指す。

ヤマニンシュクル 四位
ご存知、強力な差し脚を持つ2歳女王。3着に終わった前走は満足出来る結果ではないが、勝ち馬とは順調度で差があったのも確か。叩き2走目の上積み乗せて狙うは再戴冠。
        クリスタルヴィオレ

クイーンCでは渋太く2着に食い下がったが、いかにも展開がハマった感。強力なライバルに囲まれた今回は、どうにも苦戦必至のようで……。

        ホシノピアス 後藤浩

デビュー以来まだ1勝ながら、相手なりに走れる渋太さで重賞でも健闘。しかし渋太さだけでは、厳しいG1の流れではジリ貧に終わりそう。

×   ダンスインザムード 武豊

兄姉譲りのポテンシャルが早くも開花。圧勝に次ぐ圧勝で、あっという間にこの世代の中心的存在に。シビアなレースは未経験ながら、今回もスムーズならばアッサリ勝つところまで十分。

      × 10 レディインブラック 北村宏

前走アネモネSは直線巧みにインを突いて圧勝。持ち時計だけ走れば上位進出も可能だが、一気の相手強化にどう立ち向かうかがカギに。

        11 ウェディングバレー 松永

テンのスピードはメンバー中随一だが、実績は1200m戦に集中。調教の動きも今ひとつだし、どうにも苦戦は否めない。

        12 ロイヤルセランガー 吉田稔

2歳秋には主役級の一角として活躍したが、年明けから酷いジリ貧傾向に。堅実さは認めるものの、ここに来て速い時計への対応に戸惑い気味で不安は否めず。

    13 アズマサンダース 蛯名

前走は休み明け&+10kgで2着健闘という上々の出来。叩いての上積みと、人気の盲点になった身軽さを利して上位陣への食い込み図る。

        14 フィーユドレーヴ 藤田

復帰戦の3着は見せ場十分も、休養後も馬体に成長見られず早熟の傾向が。相手が強化される中、どこまで新味を見出せるかは極めて微妙。

      15 コンコルディア 柴田善

前走13着大敗は、致命的な不利によるもので度外視すべし。阪神JF3着の実績からも油断出来ないが、瞬発力に難あり、展開恵まれてどこまで…といったところか。

        16 ヤマニンアルシオン 和田
外枠から果敢に逃げて2着に粘った阪神JFの記憶は未だ新しいところ。しかし、今回は臨戦過程に難ある上に、当時ほど展開は恵まれなさそうで……。
  17 ムーヴオブサンデー 安藤勝

正攻法で力強く抜け出したフィリーズレヴューの圧勝劇は鮮烈の一言。外枠を引いたのは痛恨の一言だが、展開予想と高いポテンシャルを考えると、悪条件の克服は充分可能だ。

 

×   × 18 ダイワエルシエーロ 福永

ハマったにせよ、先行馬が差し切りで重賞制覇はお見事。懸念されていた馬体減りも解消の気配で期待も高まるが、メンバー強化と大外枠は大きな不利と言わざるを得ない。


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 「桜花賞ペース」という言葉があるように、先行激化・超ハイペースの印象があるこのレースだが、意外にも近年は平均ペースに収まる傾向が強まっている。そして、今年もどうやらそうなりそうだ。
 逃げ馬はウェディングバレーとヤマニンアルシオン。逃げたいのは後者だが、テンのスピードで勝るのは前者。ただ、枠順が枠順だけに、2頭で競り合うよりも折り合う公算が大だ。
 その後ろにはダンスインザムード、ムーヴオブサンデーの2頭。気性の激しいタイプではないだけに、こちらも折り合って行くだろう。前が競り合っても追いかけていく事は無いはずだ。動向が注目されるマルターズヒートだが、スタートさえ決まればアズマサンダースら他の先行馬数頭に混じって好位〜中団のレースになりそう。
 一方、後方でジッと待機するのはスイープトウショウ、ヤマニンシュクル、フィーユドレーヴといったところ。その前にダイワエルシエーロ、レディインブラック。どの馬もキメ脚自慢なだけに、ハイペースでなくとも台頭は可能。
 全体的な傾向としては、これも意外なことにペースに関係なく先行・好位からレースをした馬が健闘している。差し・追込よりもむしろ先行馬を狙うべきかも。ただし、逃げ馬の連対は過去10年でロンドンブリッジ(98年2着)1度きり。目標にされる立場はさすがに厳しいか。
 また、16番枠以降の外枠はやはり大きな不利で、ピンクの帽子の馬は1ランク下げて考えるべき。ただし、キョウエイマーチのように突出した存在ならば克服も可能。実力の見極めを慎重に行って結論を導き出したい。
 

●駒木ハヤトの「負け犬エレジー」●
《本命:ムーヴオブサンデー》
 

 いやー、参った。本当に難しいわ、今年の桜花賞。
 そもそもこういう“初顔合わせ”系のG1レースは大の苦手なのに、その上こんな混戦模様と来てるから、もう本当にお手上げ寸前といったところ。
 で、迷いに迷った挙句、敢えて外枠17番のムーヴオブサンデーから。前哨戦の勝ちっぷりを見て、キョウエイマーチ級の逸材と判断した。いかにも先行馬に勝って下さいという展開になりそうだし、ここも正攻法から直線半ばで力強く抜け出すと見る。
 相手は、前哨戦を余力残しで済ませ、ここに照準を合わせて来たと思われるマルターズヒートとヤマニンシュクルの2頭を。トライアル2着ながら人気の盲点となっているアズマサンダースも配当的に妙味あり。
 人気を集めているスイープトウショウとダンスインザムードだが、前者は前走が勝負駆けだったとみて、後者は人気過剰の上に厳しいレースをまだ未経験であるところを問題視して2着候補に留めた。しかし印を付けた6頭ならどれが飛び込んで来てもおかしくない。ハッキリ言ってこんなレース、G1じゃなかったら馬券買いません(笑)。

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(11日未明時点)
単勝 17 100円 4.9
馬連 5-17 100円 40.2
  6-17 100円 27.2
  5-6 100円 31.1
  13-17 100円 65.1
  4-17 100円 12.5
  9-17 100円 9.7
馬単 17→5 100円 69.9
  17→6 100円 54.1
三連複 5-6-17 100円 89.5


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:ダンスインザムード》

 高松宮記念同様、実力伯仲で目移りしてしまうんですが、ここは未だ底の見えない強さが魅力のダンスインザムードを本命にします。今年は展開がそれほど速いペースにならなさそうですし、武豊騎手のこの馬に対する入れ込みようを見ていると、推さずにはいられませんでした。でも1番人気になるとは思っていなかったので、少し驚きましたね(苦笑)。
 相手探しは実績重視でまとめてみました。特にトライアルの勝ち馬2頭は逆転まであると考えています。

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(11日未明時点)
単勝 100円 3.3
馬連 4-9 100円 7.4
  9-17 100円 9.7
  4-17 100円 12.5
  6-9 100円 15.0
  5-9 100円 25.1
  9-18 100円 17.7
馬単 9→4 100円 14.8
  9→17 100円 16.8
三連複 4-9-17 100円 13.0


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:ヤマニンシュクル》

 先に言っときます。今回のわたしは本気ですよ〜(笑)。こういうソコソコ人気の馬がたくさんいるレースってわたし大好きなんですよ。結構強い馬から狙っていっても、割と高い配当がついたりするんで「えーと、これだと10倍以下の組み合わせ出来ちゃうからパス」とか考えなくていいですしね(笑)。
 ……というわけで、今回の狙いはヤマニンシュクル。2歳チャンピオンが、休み明けのトライアル3着に負けただけで少し離された4番人気ですから、これは狙わずにはいられませんね。同じようにトライアル上位馬で、プラス材料の多い馬を絡めて、万馬券寸前の穴を狙ってみます。

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(11日未明時点)
単勝 100円 7.4
馬連 5-6 100円 31.1
  6-13 100円 44.9
  5-13 100円 82.9
  6-15 100円 220.0
  3-6 100円 91.4
  4-6 100円 11.4
馬単 6→5 100円 53.9
  6→13 100円 65.2
三連複 5-6-13 100円 137.3

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:ムーヴオブサンデー》

 ここまで2回連続的中なんて、自分でもあまり信じられないくらいなんですけど、今回も調子に乗っていきたいと思ってます(笑)。
 で、今回はとにかく大きいレースで勝ったことのある馬に、えいっ、えいって感じで印を付けていきました。そうしたら、研究室の皆さんから「ちゃんとした予想になってる」って言ってもらえました(笑)。本当にちゃんとした予想なのか、自分ではサッパリなんですけどね(苦笑)。

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(28日未明時点)
単勝 17 100円 4.9
馬連 4-17 100円 12.5
  6-17 100円 27.2
  4-6 100円 11.4
  9-17 100円 9.7
  10-17 100円 151.5
  17-18 100円 25.3
馬単 17→4 100円 27.0
  17→6 100円 54.1
三連複 4-6-17 100円 28.0

 今回は見事に4人の印がバラけました。誰かが抜け駆けを果たすのか、それとも枕を並べて討ち死にか、どうぞ15時40分からのレース本番を楽しみにお待ち下さい。


桜花賞 成績

×   × 1着 ダンスインザムード
    2着 13 アズマサンダース
3着 ヤマニンシュクル
  4着 17 ムーヴオブサンデー
× × 5着 スイープトウショウ

単勝17 290円/馬連9-13 3540円/馬単9-13 4460円/三連複6-9-13 6540円

 ※駒木ハヤトの“負け犬の遠吠え”(不的中)
 いやはや、ダンスインザムード嬢に恐れ入りましたと言うしかねぇですね(苦笑)。こういう結果になる事も当然、頭の片隅にはあったわけだけれども、まさかあんな横綱相撲で直線遊びながらブッ千切るとは……。現時点で姉ちゃんのダンスパートナーより強いんじゃないか?(笑)
 ムーヴオブサンデーは、フタを開けてみればやっぱり外枠の不利がモロに出ちゃった感じかな。結果的に駒木の見立て違いだったという事なんだろうなぁ。差し馬は、先行〜好位勢にあれだけの時計で走られると苦しいね。後ろからのケイバは原則的に他力本願だから、こういうレースになると手も足も出ないんでしょう。 
 あ、余談ですが、阪神競馬場の桜は今日が満開だったそうです。そちらでも失礼しました。  

 ※栗藤珠美の“喜びの声?”(単勝のみ的中)
 1着−3着、4着、5着……
○| ̄|_
 当たったつもりで馬券を確認したら13番がありませんでした(苦笑)。しかも35.4倍でしょう? もうショックで痩せそうです。
 でもダンスインザムードの圧勝は素直に嬉しいです。次からも人気になりそうですけど、牝馬G1は全部この馬から狙うつもりです。ケガだけ気をつけて頑張って欲しいですね。 

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 うーん、1番人気の馬にあんなレースされちゃうと、私は出番ないですねー。ヤマニンシュクルも頑張ったんですけど3着が精一杯でしたし……。
 ちょっと不安になって来ましたけど、他のみんなもハズれてる内にどこかで挽回したいと思ってます。

 ※リサ=バンベリーの“イッツ・ア・ハードラックデイ”(不的中)
 今日学んだことは、「ちゃんとした予想は意外と当たらない」ですね(笑)。どうしたら当たる予想が出来るのか、誰か教えて欲しいです。……あ、教えられるくらい上手い人がいたらギャンブルにならないですか?(苦笑)

暫定第3戦終了時点での成績

  前回までの獲得ポイント 今回獲得したポイント 今回までの獲得ポイント
(暫定順位)
駒木ハヤト 4080
(1位)
0 4080
(1位)
栗藤珠美 1440
(2位タイ)
290 1730
(2位)
一色順子 570
(4位)
0 570
(4位)
リサ=バンベリー 1440
(2位タイ)
0 1440
(3位)

 (ポイント・順位の変動について)
 栗藤珠美が唯一ダンスインザムード本命で躍進のチャンスだったが、痛恨の抜け目で大量加点ならず。馬連的中なら一気に首位へ浮上していただけに、これは痛恨事だろう。
 他の3人は上位5着までに印を打った馬が複数入着したものの、的中には至らず。こういう時の的中の難しさを体現するような結果になったと言えよう。

 


 

2004年第2回講義
4月3日(土) 
競馬学特殊講義
「駒木博士の高知競馬観戦旅行記」(2)

 ◎前回までのレジュメはこちらから→第1回

 高知競馬レポの第2回をお送りします。いつまでたっても競馬場に辿り着かない事にお怒りの方もいらっしゃると思いますが、そういう部分も含めての「観戦旅行記」ですので、どうかご理解の程を。

 あ、間もなく締め切りのハルウララ馬券プレゼントですが、現在のところ競争率は3倍程度になっております。遅刻の場合は100%アウトになりますので、まだの方は早めのご応募を。

 今回のレポートは旅行初日の午前2時頃、夜行快速「ムーンライト山陽・高知・松山」の車内から始まります。文体は常体、人物名は原則敬称略としますのでどうか宜しく。


 午前2時半。意識は未だ明確であった。
 緩やかな眠気を頼りに仮眠を摂ろうとしたのは前回ラストの通りだったのだが、そうしていざ寝ようと目を閉じたら、何故か脳が眠りに落ちる事を拒否してしまう。お決まりの“夜行不眠症”である。
 まぁよく考えたら、今は「寝過ごしたら広島直行」と、絶えず脳を脅迫している状態なわけで、そんな中で寝られるのなら、いつもだって簡単に寝られるはずなのだ。3列シート・高角度リクライニングの夜行バスで眠れない人間が、こんな時に仮眠を摂ろうとしたのがバカだった。
 仕方ないので、覚悟を決めて岡山まで起きて行く事にする。『風と共に去りぬ』はまた中途半端な眠気を招く恐れがあるので、「週刊競馬ブック」を引っ張り出し、今日のメインレース・黒船賞の予習をしてみる。

 黒船賞高知競馬唯一のダートグレード競走(全国交流重賞レース)1着賞金3000万円。普段、大レースでも1着45〜250万円の賞金で遣り繰りしている高知競馬では破格も良い所の大レースである。中央競馬で喩えると、賞金2億5000万のジャパンCの上に、賞金30億円のレースがあるようなものだ。
 この極端過ぎる賞金格差のせいで、高知競馬では黒船賞の1着になった馬(と騎手と調教師)が、そのままその年度の高知競馬年間賞金王になってしまう。2着(賞金1050万)も年間賞金獲得額2位になるのがほぼ確実だろう。テレビのクイズ番組で、「現在トップは出川哲郎さんの500点ですが、最後の問題に正解すると10000点プラスされます。皆さんに優勝のチャンスがありますので、頑張って下さい」…なんてのがあるが、それとよく似ている。
 そんなもん、出川じゃなくても「お前らつくづくだよ!」なのだが、これが廃止寸前・高知競馬の現実だ。JRAからの補助金(賞金の半額)や、全国交流ゆえの馬券全国発売が無くては、中央競馬のどの重賞より低い賞金すら捻出出来ないのである。
 当然、高知競馬関係者はこのレースに並々ならぬ意気込みを秘めて臨んで来るのだが、中央競馬や他地区の地方競馬からの遠征馬は余りにも強力で、地元・高知所属馬はなかなか上位に食い込む事が出来ない。その地区における競走馬の強さは、その地区の賞金額にほぼ比例する。全国最低ランクの賞金額である高知競馬に集まって来る馬の強さは、やはり全国最低ランクなのである。だからこそ、ハルウララみたいな馬がいるわけだ。
 何故こういう事になったのかは、余りにも込み入った話なので割愛するが、まぁ親方日の丸のお役所連中が、利権を貪る片手間に競馬を運営してたらこうなったと考えれば良いだろう。迷惑なのは、ただ一生懸命仕事をして来た競馬関係者と、訳のわからないままに劣悪な環境で走る羽目になっている馬たちである。

 閑話休題。
 そういうわけで、今年の黒船賞も遠征組の優勢は否めない。
 まず中央競馬からはJRAG1馬2頭・ノボトゥルーウインクリューガーに、ダートグレード競走G1勝ち馬で昨年の覇者・ノボジャック、交流重賞上位の常連・ディバインシルバーの計4頭。文句ナシの強豪馬ばかりである。順当ならば、この4頭が上位を独占する事になるだろう。有り難い高額賞金が、一番有り難味の薄い所へ流れてゆくどこまでも世知辛い話だ。
 地方競馬からは園田のホクザンフィールドと岩手のタイキシェンロンあたりが有力だが、これでもギリギリの2着候補。4頭の出走枠を持つ地元・高知勢は、廃止になった上山から移籍後12連勝中のベストライナーが大将格も、これも中央競馬ではどうやら中級条件クラスの能力。ギリギリ5着があれば御の字といったところである。もはや「庇を貸して母屋を取られる」ではなく、「うやうやしく母屋を献上仕る」といった状況になってしまっている。ガチンコ勝負の厳しさというか悲しさがここにある。

 ──などと、レースの予想をやっている内に、どうやら時刻は午前3時。間もなく岡山駅到着である。
 時刻が時刻だけに、既に眠っている乗客も多い。周囲を刺激せぬよう、静かに身の回りを整理し、列車の到着を待って慎重に座席を離脱する。今回は0泊2日の旅なので、荷物が極端に少ないのが幸いだ。実はこの日のカバンの中身は、普段、家から近所に散歩しに行く時と大して変わらなかったりする。この手の旅行は軽装なのに越した事は無い。
 岡山から阿波池田まではグリーン車だ。2時間弱ながら、快適に過ごせるのは歓迎である。しかも、ここで嬉しい誤算。駒木の持つチケットで割り当てられた座席は「カーペットカー」という特殊車両で、フェリーの2等船室みたいにゴロンと横になれる座敷席だったのだ。そこにはフェリーと同じように枕と毛布が備え付けられており、これなら駒木のような“夜行不眠症”体質でも存分に仮眠が摂れる。ここを逃すと、神戸に帰るまで横になって寝る機会は無いだけに、これは非常に有り難い。
 どうやら「ムーンライト高知」のグリーン車は、禁煙の「カーペットカー」と喫煙のリクライニング座席に分かれているようで、当然のように禁煙車を指定した駒木には必然的に「カーペットカー」が回って来たという理屈らしい。神戸から乗るには割高で使えない(同じ横になれるならフェリーの方が断然安い)「カーペットカー」だが、こういうシチュエーションなら願っても無い話。改めて携帯電話のアラームを午前5時10分に設定して、横になって毛布を被る。今度は正真正銘、心地良い眠気が全身を包み込んで来た。

 …………

 予定通りの時刻に起床。気持ちが張り詰めているせいか、半端な睡眠時間ながらも寝起きは良好だ。他の乗客が熟睡している中、またも駒木だけそそくさと荷物をまとめ、静かに退席する。
 どうやら寝ている内に雨が本格的に降って来たようで、車両と車両の間の連結部分では、粗末な覆いから漏った雨が床を水浸しにしていた。天気予報が当たった形ではあるが、これからの旅の多難さを考えると気持ちが重くなる。満員の競馬場で雨に降られるというのは、心身両面でかなり厳しいのである。

 定刻通り、阿波池田駅に到着。降りる客は駒木を含めて僅かに数名。夜明け前の駅構内はやはり閑散としていて肌寒い。
 発車してゆく「ムーンライト高知」の普通指定席を外から眺めてみると、やはりと言うか“飼い殺し”にあって空席状態になった座席がいくつもある。誰かキチンとキャンセルの手続きを取ってくれれば、駒木もこんな面倒なマネをしないで済んだのだが、怒りのやり場はどこにもない。
 数分後、乗り継ぎに利用する始発の鈍行列車が入場して来た。早速乗り込んではみたが、どうやら乗客は駒木1人のようで、どうにも心細い。念のため車掌さんに尋ねてみたところ、やはり高知方面へ向かう鈍行で合っているとの事。
 ならばこの列車は駒木の貸切同然というわけだ。堂々と4人掛けのボックスシートを占領して、靴を脱いで足を対面の椅子まで伸ばす。真っ暗で車窓からは何も見えないし、車両もそんなに新しくないしで、何だか銀河鉄道の乗客になったような気分だ。これで横にメーテルがいたら完璧だが、そうなったらそうなったで最後は機械の体(というかネジ)に変えられてしまうので、完璧じゃない方が良い(笑)。

 列車は快調に山道を走り抜けてゆく。停車駅の多くは無人駅のようで、中には「こんな所に駅作ってどうすんだ?」…と、思わず問い掛けたくなる駅もある。そりゃこんな採算の取れなさそうな路線を全国中張り巡らせたら旧・国鉄も大赤字になるわな、などと思ったりした。
 段々と窓の外は明るさを増し、綺麗な景色が次々と目に飛び込んで来る。何と言うか、リアル版「世界の車窓から」である。雄大な景色を眺めながら、出発前に用意していたパンと缶コーヒーで早めの朝食。侘しい食事も、こういうオプションが付くと何だか豪華だ。
 午前7時前になると、停車駅から出勤・通学客が少しずつ乗り込んで来る。印象的だったのが、女子学生のルーズソックス率がゼロだった事(笑)。この素朴さが極めて新鮮だ。地方に行くと、場所によっては都会より派手なメイクをした女子高生に遭遇したりするが、高知は至って正常な文化が築かれているらしい。

 午前7時41分、列車は定刻通り高知駅着。駅構内は県庁所在地らしからぬローカル感溢れる佇まいだった。
 しかし改札を抜けて、バス乗り場へ歩いてゆくと、いるわいるわ、人、人、人。こんな時刻だというのに、既に100人近くはいるだろうか。明らかに8時半始発の高知競馬場行き無料送迎バスを待つ人の群れである。
 聞き耳を立ててみると、標準語やら関西弁もあちこちから聞こえて来る。やはりと言うか、駒木と同じく遠方からやって来た人も相当数いるようだ。
 バスのロータリーには大きなビデオカメラを抱えたテレビクルーと思しき人が既にスタンバイ。群衆整理のために高知県警の警察官もやって来ていた。異様な雰囲気の中で、恐らく日本の競馬史に永く残るであろう日が、今まさに幕を開けようとしていた──。


 すいません、まだ競馬場に着いてませんね(苦笑)。次回からはもうちょっとピッチを上げますので、勘弁して下さい。ではでは。 (次回に続く

 


 

2003年第119回講義
3月29日(月) 
競馬学特殊講義
「駒木博士の高知競馬観戦旅行記」(1)

 予告通り本日から「総受講者数200万人突破記念講義シリーズ」の開幕です。要は講義回数が増えるだけなんですが(笑)、本格的に忙しくなる前の最後の一仕事という事で、出来る限り頑張ってみたいと思います。どうか何卒。

 ……というわけで、本日はその第1弾として、高知競馬場観戦記の1回目をお送りします。勿論、あの3月22日、ハルウララ号が武豊鞍上で出走して全国的にニュースで報道された、あの日の高知競馬です。
 ニュースでの報道は“外野目線”といいますか、「非・競馬ファンによる非・競馬ファンのためのハルウララレポート」みたいな感じだったのですが、この旅行記では「10年モノの競馬ファンから見た高知競馬withハルウララレポート」という感じで行きたいと思います。“外野目線”と“競馬ファン目線”とのギャップや、ニュース報道と現実の乖離振りを楽しんでもらえると嬉しいです。
 それ故、多少専門的なお話もする事になりますが、競馬ファンではない人でも楽しんで頂けるような作りにはしたいと思ってますので、皆様方もどうか最後まで宜しくお願い申し上げます。

 そしてこれも予告しておりました通り、ここで受講生の皆様へ「200万アクセス御礼プレゼント」を実施いたします。
 この3月22日、駒木が結構必死な思いをして買って来ましたハルウララの単勝馬券(高知競馬場発行の“純正品”)5名の方にプレゼント致します。
 「決して当たらない」という事で、一般的には交通安全のお守りとしても重宝されているそうですが、ご利益を拡大解釈すると色々な意味のお守り(食中毒防止、麻雀の放銃防止、嫌いな作家にファンを装って送り付けてヒット作防止etc…)になるでしょうから、どうぞドシドシご応募下さい。
 応募はメールでお願いします。他のメールと区別するため、タイトルに「ハルウララ馬券希望」と書いたものだけ受け付けます。当然1人1通まで。ハンドルネームとアドレス変えて複数応募する、なんてのは2通以上当選した場合、非常に恥ずかしい思いをするので止めましょう。
 で、メールへの記入事項ですが、これは応募されたメールの中から厳正な抽選の上、こちらから当選者の皆さんにのみ改めて発送先(ご本名、ご住所)を問い合わせるメールを送付しますので、応募のメールには特に必要事項はありません。ただし、駒木のモチベーションが上がるような激励などを頂けると、この単純なバカは大変に喜びますので宜しければ何卒。締め切りは4月5日の0時必着。遅刻の場合は、応募者少数で“定員割れ”になった場合以外は一切救いませんのでお気をつけて。

 ……では、前置きが長くなりましたが、レポートを始めます。例によってレポート中は文体を常体、人名等は原則敬称略にしております。
 なお、レポートは21日夜に自宅を出るところから始めますが、旅行自体は22日0時39分に三ノ宮駅を発つ夜行列車から始まる…という事で、最初は“0日目”からのスタートとさせてもらいます。そして、いつものパターンからいくと、本日分のレポートでは競馬場まで辿り着けないであろう事を、あらかじめ申し上げておきます(笑)。


 ◎0日目(3月21日)

 出発は19時前。夕食もそこそこに最寄駅までの徒歩の行程が腹ごなしの運動になるという慌しい旅行の幕開けとなった。0泊2日の弾丸旅行に相応しいといえば相応しいのだが、実はこの早出は不可抗力だったりする。
 というのも、この旅行の数日前からモデム配りやら何やらで忙しく、肝心の「青春18きっぷ」を入手し損ねていたのである。これまでなら随分前に購入して備えていたのだが、この度は1枚(5日分)の正規購入ではなく、2日分だけ金券ショップで短期レンタルしようと考えていて、後回しにしていたら後回しにし過ぎたという次第。何と言うか、幸先悪過ぎである。
 幸先が悪いと言えば、この日は体調を考慮して夕方まで自宅で静養し、競馬も電話投票で済ませていたのだが、その電話投票が見事なまでの裏パーフェクトで、専用口座の残高がほとんど尽きる結果になってしまっていた。何だかリングシューズの紐が切れたのを発見したテリーマンはこのくらい不安だったのだろうかと思うくらい不安になって来た。別に悪魔超人とかと戦うわけでもないのにだ。

 それでも閉店寸前の金券ショップで「青春18きっぷ」2日分を何とか入手し、時計を見ると19時30分。夜行までは5時間も余っている。時刻と言い、余った時間の長さと言い、実に中途半端である。
 5時間何するでもなく時間を潰すなんてのは耐えられないので、夜でも開いてて適当に時間が潰せる所は……と一思案した結果、フリー雀荘マンガ喫茶が思い浮かぶ。ここで「映画館の最終上映」とか「行きつけのバーで軽く一杯」とか出て来ないのが駒木の冴えない所である。
 で、「マンガ喫茶で5時間っていうのも、料金考えたら無駄遣いの極みだな」と考え、3時間半程度を雀荘、それ以降をマンガ喫茶で過ごす事にした。
 ──賢明な受講生の皆さんは既にお気づきだろうが、本当に無駄遣いの極みなのはフリー雀荘で負けるパターンだったりするわけだが、それに駒木が気がついたのは1回目の半荘の清算中の事であった。やる前から負ける事考えるヤツがいるかよ、というのはアントニオ猪木の名言だが、たまには考えた方が良い時もあるというのが、この日駒木が学んだ教訓である。

 
 ◎初日(3月22日)

 ……と、そうやって、すっかり心を荒ませた状態で、駒木は旅行初日をJR三ノ宮駅の駅構内で迎えた。旅行前から既に懐具合の心配をしているという、何とも締まらないというか情けない出発直前の佇まいである。
 周囲を見回すと、飲み会帰りと思しき人たちの姿が多くを占める中、バックパックに飲み物と軽食を詰めたコンビニ袋という、いかにも夜行列車客っぽい格好の人たちもチラホラと見受けられる。恐らくは駒木と同じ列車に乗る人たちだろう。ひょっとしたら、この中にも高知競馬を観に行く人もいるのかも知れない。

 さて、この旅行で駒木が利用する列車は「ムーンライト高知」。京都─高知間を7時間20分ほどで結ぶ夜行快速だ。
 この列車、あくまで「快速」であって特急じゃないので「青春18きっぷ」でも利用できるというのがミソである……のだが、実はこの「ムーンライト高知」、原則的には全車グリーン席(指定席料金が高額の上、「18きっぷ」使用不可で極めて運賃割高)で運行されており、「18きっぷ」の使える普通指定席は「18きっぷ」シーズンのみ、しかも1両64席しか提供されないので、路線のマイナーさと相反してかなり座席の確保し難い列車だったりする。それを証拠に、駒木は指定席券発売日である1ヶ月前に「みどりの窓口」へ駆け込んだが、三ノ宮─高知間の座席が確保出来たのは復路の高知発の便のみで、往路は数度のキャンセル待ちトライも空しく、とうとう買いそびれてしまったのである。
 ……などと言うと、「あれ、じゃあアンタどうやって高知まで行くのさ」という話になるのだが、何事でも裏道はあるのである。この辺の話を詳しくやると、何だか似非鉄道旅行マニアの薀蓄話みたいになってアレなのだが、今後高知競馬へ「18きっぷ」で行こうと思われている方へのレクチャーの意味も込めてじっくりやる事にしよう。
 実はこの時期の「ムーンライト高知」は、岡山まで「ムーンライト山陽」(京都─下関)「ムーンライト松山」(京都─松山)という同様の夜行快速が連結されており、そこまでは「ムーンライト山陽・高知・松山」という合併したての銀行みたいな呼ばれ方で運行されている。で、この中の「ムーンライト山陽」は、4両編成236席が全て普通指定席になっていて、座席確保が非常に簡単なのだ。で、今回高知へ行くに当たってはこれを最大限利用する

 つまりはこういう事だ。まず三ノ宮─岡山間を「ムーンライト山陽」の指定席で行き、「青春18きっぷ」を利用する。ただし午前3時過ぎ着の岡山で2時間以上も始発を待っていてはラチが開かないので、ここからは必要最小限の区間(岡山─阿波池田間)だけ追加料金(2800円)を支払って「ムーンライト高知」のグリーン車に乗車する。細かい話だが、この区間ならグリーン席の料金は“短距離割引”と言う事でかなり格安になっている。
 指定席券の効力が切れる阿波池田駅では、「ムーンライト高知」の10分後に始発の鈍行が発車するという、列車本数の少ない四国エリアでは奇跡的なアクセスがあるので、今度はそれに乗って高知を目指す。勿論この区間は「18きっぷ」でフリーパスだ。この場合、「ムーンライト高知」より到着が30分ほど遅れるが、まぁ許容範囲だろう。
 ただ、この行程には大きな落とし穴がある。朝の3時過ぎと5時半頃に失敗絶対不可の乗換えを強いられるので、ほぼ徹夜必至になってしまうのだ。特に岡山で寝過ごしてしまうと、「ムーンライト高知」の車両から切り離された上に広島直行…という物凄い惨事が待っている。しかも、ここまで苦労して料金面では夜行バスと大して変わらない(乗車駅や「18きっぷ」の使い方によっては割高かも)という衝撃の事実まである(笑)。まぁお薦めはしないが、一応参考までに。

 そんなゴクドーなアクセスだけ紹介してもアレなので、ここで蛇足ながら、京阪神圏又は首都圏からの高知までの真っ当なアクセスも紹介しておこう。
 まず京阪神から高知までのアクセスから。金に糸目をつけないなら、伊丹─高知間の航空便だろう。離陸したと思ったら着陸しているという、有り難味があるようで薄い高速アクセスである。
 安上がりに済ませるなら、「ムーンライト高知」のほかにもバスがある。バスは京都、大阪、神戸(三ノ宮)からそれぞれ高知への昼行、夜行便が出ていて、運賃は片道6500〜5500円程度は高知港と大阪南港を結ぶ航路で、料金は雑魚寝の2等船室で片道5000円。ただし、各港からキーステーションまでは別の交通機関を利用する必要がある。バスは利便性が高く、船は曲がりなりにも横になって眠れるというのが長所といったところか。
 東京方面からは、余程の物好きか貧乏旅行希望者か鉄道好きでない限りは、飛行機(羽田─高知間)夜行バス(東京・新宿─高知)の選択が賢明だろう。特に飛行機の場合、航空各社の大幅割引サービスでチケットが取れた場合は夜行バスより割安になる事もある。夜行バスは片道12500円が相場。ただし、所要時間約12時間の“地獄の旅”になるので根性と覚悟が必要になるかと。
 どうしても「18きっぷ」で安上がりに行きたいという人は、東京駅から昼間の東海道線を乗り継いで京都まで行き、そこから「ムーンライト高知」を使うという方法がある。この場合だと、費用は「18きっぷ」2日分+指定席券で計5110円。随分と割安になる代わりに、京都まで休憩無しで乗り継いでも最低18時間余りの所要時間がかかる。高知競馬場到着まではほぼ丸1日かかる。そんな状態では、第1レースの時点で恐らく廃人同然だろう。
 もし駒木なら、東京を朝10時半頃に出て大阪まで「18きっぷ」で行き、そこから南港まで行ってフェリーで高知まで行くルートを採る。更に所要時間は延びるが、これなら夜は横になって寝られるので疲労度は比じゃないはず。後は同じ船室にイビキをかく輩がいない事を祈ろう。費用は「18きっぷ」1日分+フェリー運賃+キー駅〜港までの運賃で8000円弱
 また、高知駅周辺は結構多くのビジネスホテルが軒を連ねているので、余程の事が無い限り宿の確保には事欠かないだろう。今回のハルウララ騒動でも駅周辺のホテルがパンクしたという話は聞かなかった。飛行機で前日午後に乗り込んで、軽く高知城等を観光して1泊、翌朝ゆったりと競馬場へ…なんてのも考え得るパターンである。

 閑話休題。旅行レポートに戻ろう。
 そういうわけで、とりあえずは「ムーンライト山陽」の指定席に潜り込むと、例によって読書タイムの開始である。今回の“旅のお供”は、かの名作『風と共に去りぬ』
 じゃじゃ馬なお嬢様とキザな皮肉屋の相手役という、未だに例の絶えないベタな組み合わせの主役による物語だが、その元祖的な存在とあって、さすがと唸らせられる内容。また、奴隷解放宣言直前の黒人奴隷が、どうやって白人社会に溶け込んでいたのかが細かく描かれていて、そっちも興味深かった。

 そうする内に列車は、明石、加古川、姫路と兵庫南西部のキー駅を次々と通過して、いよいよ岡山方面へ。ここに来て、未だ前日までの睡眠不足が抜けきらない上、乗車以来ずっと細かい活字を追いかけていたので駒木も徐々に眠たくなってきた。ヤバい。広島直行か?
 高知競馬へ行こうとしたが宮島競艇行ってた
、なんて話になったらシャレにならな……いや、シャレにはなるか。ハルウララの馬券買いに行って、もみじ饅頭持って帰ったら笑いは取れそうだ。絶対やらないけど。
 仕方ない、ちょっと危険だが岡山直前で猛烈な睡魔に襲われない内に軽く仮眠を摂っておくか。携帯電話をマナーモードのまま午前3時でアラーム設定をして、リクライニングシートを倒して目を瞑った。岡山手前で起きろよ自分、と強く脳ミソに言い聞かせながら。


 ……というわけで、やはり行きの車中で終わってしまいました(苦笑)。まぁ、高知競馬場までのアクセス講座もやったんで、どうかご容赦を。次回は何とか競馬場まで辿り着けるはずです。お楽しみに。(次回へ続く


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