「社会学講座」アーカイブ

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講義一覧

9/15(第62回) 社会調査「ヤフーBBモデム配りアルバイト現場報告」(5)
9/13(第61回) 競馬学特論「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋プレシーズンマッチ第1戦・セントウルS」
9/12(第60回) 社会調査「ヤフーBBモデム配りアルバイト現場報告」(4)

9/11(第59回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(9月第2週分・合同)
9/10(第58回) 
文化人類学「2003年度フードファイター・フリーハンデ・中間レイト」
9/8(第57回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(9月第1週分・後半)
9/2(第56回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(9月第1週分・前半)
9/1(番外) 基礎演習「なんでも質疑応答大会・未公開質問スペシャル」

 

2003年第62回講義
9月15日(月・祝) 
社会調査
「ヤフーBBモデム配りアルバイト現場報告」(5)

◎前シリーズ(「潜入レポ」)のレジュメはこちらから→第1回第2回第3回第4回第5回第6回
◎今シリーズ(「現場報告」)のレジュメはこちらから→第1回第2回第3回第4回

 阪神タイガースが優勝して沸き返る中、受講生の皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
 この結果、明日からは京阪神の各デパート、商店街などで優勝記念セールが実施されるようで、電機量販店のモデム配りブースに勤務・明日出勤予定の駒木も、人出の多さが気に掛かるところであります。しかし我らがヤフーBBは、同じプロ野球チームでもパ・リーグで最下位爆沈中オリックスブルーウェーブと業務提携中。これで今回の盛り上がりのドサクサに紛れて商売するのは正直如何な物かと思うのでありますが、まぁソフトバンクからして、元々がネットバブルのドサクサに紛れて成り上がったような企業なんですから、それもまたお似合いかも知れませんね。

 というわけで、今日の講義は「モデム配り現場報告」。前回に引き続き、先週発売の「週刊文春」に掲載された「『街角の白装束軍団』ヤフーBBに高齢者・障害者の被害者続出」の内容を検証してゆく事にします。
 しかし、前回の講義の後に改めて講義レジュメを読み返して見ますと、どうも趣旨“記事の真偽を検証する”と言うよりも、“三流ライターの書いたスカタン記事から、その中に含まれた真実を抽出する”というモノに変わっているような気がしますね(笑)。ですので、皆さんもこの講義は、「『文春』の記事を通じ、モデム配りの“暗部”を知る」という目的で受講して頂ければ…と思います。

 それでは、前回の続きをやってゆきましょう。テキストをお持ちの方は、特集記事2ページ目の1段目を開けて下さい。そこから記されている、ヤフーBBに対する苦情の「ほんの一部」について細かく検証してゆきましょう。

 ◎ケース2 「鹿児島県の19歳女性」の場合

 ・6月、鹿児島市内の中央公園で、2人組のヤフーBBスタッフから「アンケートに答えてくれませんか?」と声をかけられ、簡単な質問に答えた。

 ・質問の後、「ありがとうございます。ここに名前を書いてくれませんか?」と言われてその通りにしたら、突然自宅に契約完了の通知が届いた

 ……キャッチセールスの常套手段である“アンケート戦術”ですね。こういうケースについて「引っかかる被害者の方が悪い」と言うつもりはありませんが、やっぱりこの手の街頭アンケートには答えちゃダメですね。
 こういう場合、自分が悪くなくても被害に遭ってしまっては元も子も無いのですから、危険に対応できる知識と力を持たないのであれば「君子危うきに近寄らず」が賢明です。

 ただ、ヤフーBBのキャンペーンでは、(少なくとも駒木が仕事を始めた2月下旬以降は)公式に勧誘用のアンケート用紙が配布されたり、アンケートを用いた勧誘についてのマニュアルが作られた事はありませんので、「全国で大々的にこういう事が行われているのですか?」と訊かれたら「No」と答えます。そんな勧誘をやらされるなら、駒木はとっくの昔にこの仕事辞めてます。
 しかしながら、このキャンペーンは最近になるまで、「どんな手段でも良いから、とにかく氏名、住所、電話番号を書かせたら勝ち!」…という認識で動いていた節がありますので(なにしろ本社サイドですら、“ネクサス佐藤方式”──『モデム配りレポ』第2回参照──を暗に推奨していたわけですから)タチの悪いスタッフがこういうこういう事を考えて実行に移しても、止める人は誰もいないでしょうね。
 皆さんにはゾッとする話ですが、ヤフーBBの申込書は印鑑不要なんで、氏名、住所、電話番号さえ手に入れれば、スタッフによる申込書の偽造は簡単なんですよ。NTTの116番で回線名義人を調べて申込書に転記の上、“モデムは後日配送”という事にしてしまえば“申し込み成立”になっちゃうんです(申込書は申込人自署が決まりですが、「そんなんで契約NGになったらアレだから」という理由で、スタッフが“一部代筆”しても咎められません)。ですからこの方法、「手段を選ばない」という前提でならば、効果的な“勧誘”手段とさえ言えますね。まぁ完膚なきまでに犯罪行為ですが。
 ただこのケース、信憑性の上では「極端な一例として存在したかも知れないケース」程度の物と思って頂ければ良いでしょう。スタッフというスタッフがこういう事をやっていると思われては駒木も迷惑です。

 その他、ケース2の類似行為等

 ・「あなただけに景品を差し上げます」、または「おめでとうございます。アンケート参加者の中からあなたに(モデムが)当たりました」…などと相手を喜ばせ、モデムを持ち帰らせる。

 ・(「モデムを)使わないから」と断っても、「タダでキャンセルできるんですから、持って帰って下さい」、とか「使わなければ、返せば済むんですから」…と粘られて、結局モデムを持ち帰らされた。

 ・数人のキャンペーンスタッフに囲まれた挙句、無言でモデムを渡され、恐怖を覚えた。

 まず最初のケース。何だか一時のスカパー加入キャンペーンを髣髴とさせる勧誘方法ですが、これを一部の路上キャンペーンで実際にやっていた…という話を聞いたような気がします。ちょっと記憶が確かでないので、「実際に見た!」という受講生さんがいらっしゃったら、メールかBBSでお教え下さい
 次に2つ目のケース。これに関しては、細かい表現に差はあれど、全てのキャンペーンスタッフが使った事のあるフレーズじゃないでしょうか。「お試し期間中ならタダでキャンセル出来る」というのが、ヤフーBB最大のメリットなんですから、これがNGと言われたら仕事になりません。キャバクラで女の子を使うのがNGと言われたら仕事にならないのと一緒です。
 もっとも、この記事で紹介されたのは、全く加入する意思の無い人にモデムを押し付けたケースでしょうから、行き過ぎは否めない所ですね。駒木にしてみれば、迷惑千万な上にエネルギーの使い道を間違ってると思うんですが、“仕事熱心な”スタッフの皆さんにしてみれば、こうしてモデムを押し付ける事こそが「イイ仕事」となるようです。ハイ。
 で、最後に「複数で取り囲んで強引にモデムを押し付けた」というケースですが、実は駒木、これと非常に似た方法で一時的に申し込み獲得件数を稼いだスタッフを直に知っています。要は2〜3人のスタッフで取り囲んで圧迫感を与え、それに乗じて申し込ませてしまうわけですが、そのスタッフは、そうやってお客様が困惑しながら申込書に記入するまでの様子を駒木に嬉々として再現実況してくれました。駒木はその実況を聞いてムカつきつつ、「これにムカつけるという事は、まだ自分も大丈夫だな」と思ったものです。

 
 ──さぁ、どんどん行きましょう。次は珠美ちゃんも通勤に利用している、神戸・大阪・京都を結ぶ関西の大手私鉄・阪急電鉄の駅で起こったトラブルについてです。

 ケース3 「大阪府・男性高校生T君17歳の場合」

 ・私服で学校帰りに塾へ向かう途中、阪急電鉄の駅前でモデムを渡された。

 ・急いでいたので駅構内にモデムを置いてホームへ入っていったところ、スタッフが「窃盗だ!」と大声で追いかけて来てブースまで連れ戻され、(契約の出来ない)17歳ということが分かったら、21歳と書かされて契約させられた。

 ──先に結論を言っておきますと、このケースは、実話(又はどこかで必ず実在したケース)であると考えて良いと思います。これと同様のケースは、スタッフの体験談として駒木も色々な所で聞いた事がありますので。(注:ただし、最後の「17歳ということが分かったら、21歳と書かされて契約させられた」という部分は実際にはあり得ません。何故なら申込書に年齢を書く欄は無いのです。なので、「高校生だと分かっても『21歳ということにしとけ』などと言われて構わず契約させられた」というのが真相でしょう。本当にこの記事書いたライターは取材不足ですね。普通、こういう記事を書くならば、実際に1人の客として勧誘されてみるべきなんですよ)

 ただ、この記事は“訳の分からない内に契約させられた高校生目線”で、実は事情をよく知らないライターが書いているモノですので、文面の方もやはり訳が分からなくなってしまっています。そこで、この「ケース3」をスタッフ側の立場に置き換えたモノを駒木が書きましたので、改めて以下に紹介したいと思います。

 ケース3−2 「大阪府・男性高校生T君17歳の場合(スタッフ目線バージョン)」

 ・阪急電鉄の某駅“駅パラ”で、「ネクサス・佐藤方式」を使ってモデム配りをしてたら、何だかチョロそうな兄ちゃんが通って来た。よっしゃ、これで1件ゲットできそうやな。
 兄ちゃんが目の前まで来た所で、すかさず「佐藤方式」の定石通りに“ハンドイン”でモデム入り袋を差し出した。兄ちゃんは戸惑いながら袋を受け取った。やった!

 ・ところが申込書に記入させようとしたら、その兄ちゃん、事もあろうにモデムを受け取った途端に駆け出して、そのまま改札口を通り過ぎて行ったやないか!
 このままモデムを持ち去られると、モデムは“スタッフ責任の紛失”扱いになって、4万円以上もするボッタクリ定価でスタッフが弁償する羽目になるんやなかったか? ……畜生、逃げられてたまるか! このドロボウ野郎、絶対とっ捕まえたる!
 で、大声で「窃盗や!」とか叫びながら追いかけていくと、ようやくホームで電車待ちをしていた兄ちゃんを発見。何故か手ぶらになっている兄ちゃんを捕まえて問い質してみると、「モデムは邪魔になったから、どこかそのへんに置いておいた」とか言いよる。ホンマこのアホ、信じられへん!
 ここまでされて黙って引き下がるわけにもいかんので、ブースまで連行して無理矢理に申込みさせることにする。
 ところが「身分証明書出せ」言うたら、高校の学生証なんぞ出しやがる。お前高校生やったんかい! しかも17歳て! ……確か高校生やと申込み出来へんかったなぁ。ホンマ、最後の最後まで使えへんヤツや!
 まあ仕方あらへん。「高校生やとホンマはアカンねんけど、大学生21歳ちゅうことにしとくわ」て言うて、申込書の身分証明欄には「学生証」の欄にチェックしとこ。手間取ったけどこれで1件ゲットや。

 ……大阪の阪急沿線という事なので文面も大阪弁にしたんですが、ちょっとガラが悪くなり過ぎましたかね?(笑) まぁでも実際、こんな感じだったんじゃないかと思います。
 一時期、香港におけるSARSに勝るとも劣らない猛威を振るった「ネクサス・佐藤方式」ですが、この勧誘方式最大の弱点が、「『無料です。持って帰って下さいね〜』と手渡したモデムを、何かの試供品と間違えられて単純に持って帰られてしまう」…という事です。よくよく考えたら当たり前の話なんですが、スタッフにしてみれば真剣かつ必死な問題ですので、この「ケース3」のような殺伐とした展開になってゆくわけです。
 こういうトラブルになると、スタッフは大体「アナタ、やってる事は窃盗と一緒なんですよ」とか抜かしやがりますが、その場合は思う存分ブチギレして下さって結構です。逮捕される前の鈴木宗男が役人を恫喝するシーンを思い出して怒鳴り散らしてやりましょう。ただし、モデムは申込み無しで持ち帰っても何の役にも立ちませんので、最後には「こんなモンいらんわ、ボケ!」と逆ハンドインして悠然とその場を立ち去って下さい。そこが“駅パラ”ならば、帰るついでに駅長室に怒鳴り込むのも効果的です。明日からそこのブースは綺麗サッパリ消え失せている事でしょう。

 
 ……で、本日最後は、少々深刻なこちらのケースです。

 ケース4 「大阪府・知的障害者施設の職員からのコメント」

・施設の生徒たちにヤフーBBから「試用期間を過ぎてもモデムを返却しなかった」という事で、モデムの弁償金4万円を請求する通知が来た。調べてみると、生徒たちはモデムをもらったものの、使い方が分からずにそのまま捨ててしまっていたという。

 こういった、知的障害者の人たちの判断力の未熟さにつけこんで契約件数を稼いでいた…という話は、これまで駒木は耳にした事はありません。そういう意味では信憑性の方も自信を持って「ありました」と断言出来るケースではありません
 ただこの場合、勧誘した本人もさすがに他人に公言するのは憚られるような(=スタッフ側からは漏れて来にくい)ですし、この記事を書くライターの立場から考えても、敢えてここだけ完全な創作でデッチ上げるというのは逆に不自然のような感じもします。(というか、この記事のライターにそんな創作能力があるのか疑問です)
 ですので、この件に関しては「真偽不明」とさせて頂きます。決して有り得ない話ではありませんが、事実であって欲しくない話でもありますね。

 こういう言い方をすると、「でも、本当にそんな事って有りえるの?」とおっしゃる方もいるでしょうから、以下、蛇足ですがこのケースが事実だった場合、どういう経緯でこうなったかを推測してみたいと思います。
 
まず、“試用期間”という言葉が使われていると言う事は、恐らく今年1月末まで行われていた、「無料お試しキャンペーン」でのトラブルだと思われます。このキャンペーンでは、2ヶ月のお試し期間終了後に継続利用の意思を確認する電話があり、ユーザーはその時に継続利用か利用終了かを選択できる…というモノでした。
 で、このケースでは、意思確認の電話が掛かってきてもマトモな遣り取りが為されたとは考え難く(間違い電話としてスルーされた可能性もあります)、そのまま何も無かったが如く放置される事になります。しかしその場合、ヤフーBB側のデータ的には「モデムを持ち帰ったまま、意思確認の電話にも応じない悪質な申込者」という扱いになってしまいますので、数ヵ月後には「モデム返せ。返せないなら弁償しろ」という旨の通知が届いてしまう…というわけです。
 あ、「もしも」の話でここまで具体的なお話をすると、ミスリードしてしまうかも知れないので再度強調しておきますが、このケースは真偽不明です。ここでは「全く有り得ない話じゃない」という事を証明するために、詳しい推測をしておいたまでです。


 ……というわけで、今日も終わり切れませんでした。ていうか、次から次へとエピソードが紹介出来てしまうという事実がある意味情けないです(苦笑)。
 とりあえず、次回も続きをやって、それでこの話題に関しては締め括りにしたいと思います。では、また。(次回へ続く

 


 

2003年第61回講義
9月13日(土) 競馬学特論
「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋プレシーズンマッチ第1戦・セントウルS」

 どうも、駒木ハヤトです。今日から秋の中央場所開催も始まり、いよいよG1レースの足音が近づいて来ましたね。
 さて、これまでならG1シーズンの到来を待って開始していた競馬学特論シリーズですが、この秋は一足先に今週から“開幕”です。講義タイトルをご覧になればお判りになると思いますが、当講座では今月末から、8月の記念式典で開催を予告していた駒木研究室メンバー全員参加でのG1予想大会をやります。で、それに先立ちまして、今週から試運転がてらのプレシーズンマッチをやろうじゃないか…というわけです。
 とりあえず、プレシーズンマッチは今週から再来週までの3回。予想対象レースは、阪神競馬場の日曜メインレースである、セントウルS・ローズS・神戸新聞杯の3レースです。プレシーズンマッチですので集計等は採りませんが、4人(特に新メンバー2人)の予想傾向などに注目して“観戦”して頂けると幸いです。

 ──では、さっそくプレシーズンマッチ第1戦・セントウルSの予想をお届けします。どうぞ最後まで宜しく。

プレシーズン第1戦・セントウルS(阪神1200芝)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

        ガンアンドローズ 佐藤哲
大型馬の超長期休養明け。素質は感じるも今回は大苦戦。

ビリーヴ 安藤勝

実力は文句無しのNo.1。展開も向くが、問題は仕上がりと57キロ。

    × ブルーコンコルド 秋山

距離短縮は明らかにプラス。あとは古馬との相手関係。

        マルブツタイクーン 石橋守

3歳になってから惨敗に次ぐ惨敗。早熟だったのか?

テンシノキセキ 横山典

益々成長を遂げる快速娘。体調も絶好だが、カギは直線の坂と同型との兼ね合いか。

        マルカサワヤカ 熊沢

果敢な格上挑戦も、セールスポイントに欠け。

アドマイヤマックス 福永

とにかく距離適性が唯一最大の問題。キングヘイローの再来となるか?

        ニホンピロハーレー 角田

年齢的にも上がり目薄く、苦戦。

        ギャラントアロー

調教本数やや足りぬか? 展開は明らかに不向きだが……

  × ×   10 デュランダル

池添

休養明けだが仕上がりはマズマズ。今回が今後を占う試金石。

    × × 11 カルストンライトオ 武幸

2年連続このレース3着の実力馬だが、今回は長期休養明けで復調途上。

        12 タガノラフレシア 和田

別定戦では絶対条件のハナ切りすら覚束なし。

  13 ネイティヴハート 石崎隆

このレース1着ならスプリンターズS出走権が。公営No.1ジョッキーを背に、これが勝負駆け?

●展開予想(担当:駒木ハヤト)

 逃げ馬4頭で超ハイペース必至のメンバー構成。ハナを切るのは、順当ならテンシノキセキだが、スピードだけならカルストンライトオも負けておらず流動的。ただし、この先頭グループの直後にビリーヴがつけて、これが絶好のポジションに。
 有力差し馬勢は、そこからやや距離を置いて追走か。アドマイヤマックスがどのあたりのポジションを確保できるかが1つのカギに。恐らく超ハイペースに戸惑って最後方辺りからの巻き返しだろうが……。
 開幕週のパンパン馬場だけに、直線だけの追い込みは決まり難そう。それを考えても展開面はやはりビリーヴが有利。実力を発揮できるコンディションなら函館の再現も。


●駒木ハヤトの予想●

 ライバルが続々と引退し、“安定政権”樹立を目論むビリーヴがここでも優勢。まさかのポカが怖いシチュエーションではあるが、マトモに考えるほどに勝つ確率は高い。
 2番手にはネイティヴハートを抜擢。1着ならスプリンターズS出走権獲得という条件下、わざわざ石崎騎手を関西に連れて来た陣営の勝負気配がいかにも狙い頃。地力向上著しいテンシノキセキは、ハードな展開と良績の無い阪神コースが懸念材料。逆にこれを乗り越えられれば本番に期待が。アドマイヤマックスは1200mへの対応が命運を分けるはず。常識的にはNGだが、キングヘイローという前例もあるだけに無視は出来ない。

 馬連2-13、2-5、5-13、2-7 3連複2-5-13


●栗藤珠美の予想●

 函館スプリントSでも破格の強さを見せつけたビリーヴには、今回も逆らえないでしょう。展開や実績面での比較でも他の馬を圧倒していますので、死角はほとんどありません。
 2番手にはアドマイヤマックスを。安田記念の時の恩返しというわけではありませんが(笑)、地力と実績から距離にも対応できるんじゃないかという判断です。
 その後が迷ったんですが、展開が向きそうなネイティヴハート、逆に展開は向きませんが進境著しいテンシノキセキ、意外性からデュランダルを狙ってみたいと思います。

 馬連2-7、2-13、7-13、2-5、2-10


●一色順子の予想●

 春の阪急杯でも大失敗してるビリーヴは、どうも負担重量57キロとか、ヘタれ気味の調教とかで、イマイチ信頼が置けないので▲にしちゃいました。
 で、わたしの本命はテンシノキセキ。ビリーヴが伸びて来ないんなら、この馬が逃げ切っちゃう可能性が高いですよね。スイスイ〜といって欲しいです(笑)。それからもっと面白いのがブルーコンコルド。最近の成績はパッとしないんですけど、1200mレースに強いですし、コンディションもどんどん良くなってるみたいなんで、狙い目だと思います。
 あとはアドマイヤマックスデュランダルカルストンライトオなんかを手広く。

 馬単 5=3、5=2、3=2、5-7、5-10、5-11


●リサ=バンベリーの予想●

 まだ日本の競馬にくわしくないワタシですけど、ビリーヴがこの中で一番強い馬ってコトくらいは分かります(笑)。テンシノキセキとコンビで「奇跡を信じて」みたいな感じで1、2着来てくれるとウレシイです!
 あとは競馬新聞とか参考にしながら、大きなレースでイイ成績を出してる馬に印を打ってみました。全然ためにならない予想でゴメンナサイですけど、これから勉強していくつもりですので、許して下さいね。押忍!

 馬連 2-5、2-7、5-7、2-13、2-3、2-11


 ……というわけ、4人の予想をお送りしました。ちょっとまだ皆、慣れない部分もありますのでアレなんですが、公式戦までには色々な面を整備させたいと思ってますので、どうか末永くお付き合いをば。
 では、レース後の回顧でお会いしましょう。


セントウルS 成績
1着 テンシノキセキ
2着 ビリーヴ
  × ×   3着 10 デュランダル
4着 アドマイヤマックス
  5着 13 ネイティヴハート

単勝5 350円/枠連2-4 360円/馬連2-5 370円/馬単5-2 820円/三連複2-5-10 1320円

 ※駒木ハヤトの“勝利宣言”(▲−◎馬連的中)
 うーん、予想は当たっても配当がこれじゃあ「勝利宣言」って言うのはおこがましいかな(苦笑)。
 しかし、全員の予想を眺めて思うのは「ビギナーズラック恐るべし」(笑)。「奇跡を信じて」で本命・対抗的中されたらタマランよなぁ。しかもオーストラリアから来日して半年の女子高校生に(苦笑)。順子ちゃんも結果オーライとは言え、馬単で高め当ててるし、これはG1でも油断できないなぁ……。
 レースの方は、テンシノキセキの強さだけが目立った感じ。控えてビリーヴから目標にされて、それであれだけ頑張れるんだから着差以上に強い感じ。まぁ本番ではビリーヴの方が上積みがあるんで、状況は全然違って来るんだろうけどね。

 ※栗藤珠美の“喜びの声”(△−◎馬連的中)
 私だけ押さえ馬券の的中。ちょっと悔しいですね(苦笑)。でも、これも私の実力不足なんですから、真摯に受け止めなければいけませんよね。
 でも、レースの展開予想って本当に難しいですねー。確かに誰もわざと不利なレースをしたくないんですから、騎手の皆さんも色々考えるんでしょうけど……。
 来週からも頑張りますので、どうかよろしくお願いしますね。

 ※一色順子の“的中、失礼しました!”(◎−▲馬単的中)
 やりました! テンシノキセキを本命にして大正解!
 ……でも、馬券を買い過ぎて、せっかく馬単当たっても損してる私ってどうなんでしょう?(苦笑) まあ3ケタ配当ですから仕方ないですけどねー。
 そういうわけで、これからも穴狙いで頑張りますので、応援よろしくお願いします♪

 ※リサ=バンベリーの“ハッピー・ハッピー・グッドラック”(○−◎馬連的中)
 競馬の予想は初挑戦だったんですけど、当たっちゃいました♪ でも馬券が買えないんで、全然実感がわかないんですけど……(苦笑)。
 それでも、やっぱり自分の考えた通りにお馬サンが走るのは気持ちイイですね〜。来週からもまたハッピーになれるようにガンバリます!

 


 

2003年第60回講義
9月12日(金) 社会調査
「ヤフーBBモデム配りアルバイト現場報告」(4)

◎前シリーズ(「潜入レポ」)のレジュメはこちらから→第1回第2回第3回第4回第5回第6回
◎今シリーズ(「現場報告」)のレジュメはこちらから→第1回第2回第3回

 いやはや、本当にお待たせ致しました。3ヶ月ぶりのシリーズ再開です。やんごとなき事情でお休みを頂いている内に夏も過ぎ、もうすぐスタッフの秋用新コスチュームが投入されようとしている今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか? ヤフーBB会員の方、ご自宅にあるゴキブリ色のモデムは元気にやってますでしょうか? まるでそびえ立つクソのように愛嬌の無いデザインのモデムでありますが、結婚退去した会社の寮の先輩から引き継ぐ羽目になった飯島愛出演の裏ビデオのごとく可愛がって頂けると幸いです。
 ……しかし正直な話、3月に前シリーズ(「潜入レポ」)をお送りした時には、まさかここまでキャンペーンが続行しているとは思いませんでした。古参のハロープロジェクト・ファンがコンサートでメロン記念日の姿を眺める時のような感慨が禁じ得ません。とりあえず現キャンペーンは11月15日までという事になっていますが、過去のパターンからして、今度もまた三流エロゲメーカーが発表する最新作の発売日よろしく再三の期日延長となるのではないか…という声が大勢です。今年もまたヤフーが紅葉シーズンの景観を台無しにしてしまうのかと思うと、受講生の皆さんもウンザリされる事でしょうが、スタッフも大概ウンザリしていたりしますので、どうかご理解を賜りたく存じます。

 ──それにしても、スタッフ歴が半年を突破し、派遣会社から「お前らなんぞに法律通りの有給なんか取らせるかボケ」という旨の「有給休暇取得のガイドライン」が届くまでになった駒木なんですが、未だにこの仕事やヤフーBBに愛着が湧くどころかその真逆…というのも我ながら凄いと思います。「石の上にも三年」とは申しますが、多分こんな仕事3年も続けていたら廃人になってると断言できますね。
 ……それでは、「じゃあどうしてそんな仕事続けてるのか?」という素朴な質問に、「金」と単刀直入に答えつつ、復活第1回目の現場報告をお送りしてゆきましょう。

 
 さて、そういうわけでようやく本題です。
 今日は本来ならば、タイトル通りの“現場報告”をするのが筋ではあるのですが、今週に入って突如、マイクロソフトのセキュリティ情報なら“緊急”クラスの大ネタが入って来ましたので、そちらを優先させて頂きます。
 で、その大ネタとは、今週発売の「週刊文春」に3ページに渡って掲載された、「『街角の白装束軍団』ヤフーBBに高齢者・障害者の被害者続出」という仰々しいタイトルの特集記事。そうです、あの政界のヤマピカリャーこと山崎拓自民党幹事長が「親子丼やりたいんや〜」と愛人に懇願した事をスクープしたのでお馴染みの「週刊文春」が、遂にヤフーBBを次なるバッシング・ターゲットに定めたのであります。
 この記事の存在を発売日当日の朝刊で知った駒木は、当然のごとくコンビニへ直行して当該誌を購入したわけですが、この記事がまたリアリティがあるので思わず大爆笑唸らされてしまいました。この手の記事の信用度など高が知れていると思っていた駒木でしたが、阪神の伊良部みたいに出来不出来の差が激しいだけなのかも知れない…と思ったりもしました。
 ただし、記事の細部まで読み込んでいきますと、若干疑問の残る点──ぶっちゃけ言いますと、記事書いたライターが世界柔道中継の加藤晴彦みたいに舞い上がってしまい、無用な脚色を施したり余計な事を書き足した部分があるようにも思えるのです。まぁ、仕入れたネタを他人に話す時に面白可笑しく誇張をしてしまうのは人間の悲しい性ではありますが、この勇み足のせいで、せっかくの事実部分までウソ臭くなってしまうのは非常に勿体無い話です。

 そういうわけで、今回から2〜3回に渡りまして、この特集記事の内容を、駒木の知り得る範囲の情報を元に検証してみたいと思います
 ただし、先に言っておきます。駒木は確かにヤフーBBとこの仕事には感情的に一物持ってますが、だからと言って事実を歪曲してまでヤフーとソフトバンクを叩こうと言う意図はありません。虫けらにも五分の魂がありますように、こんなポンコツ博士でも最低限の矜持ぐらい持っています。真実は真実、嘘は嘘、分からん事は分からんと、その辺はちゃんとやりますので、皆さんも色眼鏡をかけずに素直な気持ちで受講して頂くよう、お願いしたいと思います。

 それでは早速、順を追って記事の要点を紹介しつつ、その内容について検証してゆきましょう。まずは冒頭部分から……。

 ◎ケース1 「福岡県の会社員Uさん」の場合

 ・7月初旬に自宅の電話が突然使用不可に。NTTに問い合わせた時に「ヤフーBBと契約している」と告げられた。身に覚えの無い契約で驚く。

 ・Uさんの16歳の息子が、天神であったヤフーBBのイベントでスタッフから『これを使えばインターネットがタダになる』と言われ、家にモデムを持ち帰った事があった。モデムは10日ほど経って送り返したが、スタッフは息子が未成年と分かると保護者(Uさん?)名義で申込書を書かせていたらしい

 ・カスタマーサポートに「身に覚えの無い契約なので、元通りにして欲しい」と苦情を言うと、「キャンセルには1ヶ月かかるし、数万円の費用もかかります」と言い返され、更に「親の許諾無しでも未成年と契約を結ぶ事も、場合によってはある」と開き直られる。

 ・結局、回線は2日後に元通りにしてもらえたが、費用3050円は自腹で、苦情処理についても「内部調査をします」と言ったきり放置プレイ。

 さぁ、のっけからヘビー級の被害報告ですね(笑)。冒頭にドカンとぶちかまして読者を“掴む”のは、この手の記事の常套手段ですが、今回の場合も基本に忠実な構成であります。
 ただ、このケースの信憑性については、端的に言うと「ちょっと怪しい」と言わざるを得ません。読者に「ヤフーBBってこんなに非道な会社ですよ」というイメージを植え付けようとして、事実に作り話を混ぜた疑いが強いです。

 ただし、箇条書きにした4項目の内、2つ目と3つ目の内容は多分本当でしょう。特にネクサス系と思しきスタッフが口走った、「これを使えばインターネットがタダになる」というセリフなんか真実味が出ていますね。本当は最初の2〜3ヶ月の代金が無料サービスになるだけで、インターネット費用そのものがタダになるわけじゃないんですが、こういうセールストークを使った事で派遣会社から注意される事はまずありません。むしろネクサス系なんかだと奨励したりするんじゃないでしょうか。
 同様のセリフに、「無料モデムをお配りしています」なんてのもありますね。インターネットに関する知識が乏しいくせに仕事熱心な(=強引な)連中が多用するフレーズですので、街角でこの手の輩に出会った場合は、スキャンダルを報じられたタレントが空港でワイドショーのリポーターにそうするように、いかなる声も黙殺して足早にその場を立ち去りましょう。
 さらに、未成年者にも親の名義で契約を求める…なんてのも、タチの悪いスタッフなら平気でやっちゃうでしょう。何しろ、電話帳から適当に名前と住所を抜き出して契約書を捏造するような連中ですから、こんなのは悪事の内にも入りません。(勿論、ルール違反なんですけどね)
 あと、カスタマーサポートの逆ギレ対応も、応対したスタッフの大脳新皮質の量が窺い知れて良い感じですね。最近ではどこの企業でもそうなんでしょうが、カスタマーサポートのスタッフは、派遣会社を通じて集められた“十把一からげ”の人たちです。
 で、この人たちは、形ばかりの研修を受けた後に即デビューを強いられます。フーゾクや水商売のオネエチャンなら初々しいのも武器になりますが、受け答えも覚束ないカスタマーサポートなどクソの役にも立ちません。しかもタチの悪い事に、新人スタッフは答えられないような質問をされた時、虚勢を張ってとんでもないデタラメを口走る事が多々有るので困ってしまうのです。カスタマーサポートの苦情処理に関する苦情(!)は、往々にして駒木のような量販店のパラソルスタッフにぶつけられるケースが多く、現場のスタッフは本当に往生しています。

 ……とまぁ、そういうわけでして、強引な勧誘とスカタンなサポートの対応については、「事実、若しくは実際にあっても全くおかしくない事例」…と自信を持って断言できます。が、残りの2項目については「信憑性に乏しい、または本当だとしても稀なケース」と言わざるを得ません。

 まず、最初の項目「ADSL回線へ切り替えたので、普通の電話が使えなくなった」というニュアンスなのですが、NTTの局内工事を実施した後も、モデムを繋がずに普通の電話回線として使用する事は可能です。というか、そうでないと停電してモデムが使用不可になった場合に110番や119番すらかけられなくなってしまいます。
 また、一度ADSLに切り替えた回線が2日で元に戻るのは考えにくいですし、NTT工事費用3050円を払わされたというのも変です。このケースは、ヤフーBB的には“お試し期間中のキャンセル”扱いになりますので、工事費用はヤフーBBが負担する事になります。
 キャンセル工事費用が自己負担になるケースとしては、この福岡県のUさんがISDNを利用していた場合が考えられますが、その場合の工事費用は2800円であり、このケースの金額と矛盾します。
 ただ、ADSL工事の直後から回線そのものが不調になるケース駒木がお客様から直接聴いただけでも数件確認していますし、「ヤフーBBの事務処理の不味さは安倍麻美の歌唱力並」というのも(少なくとも現場では)有名な話ですので、今回のようなケースも「あり得ない」とは言い切れません「ひょっとしたらあるかも……」くらいは言ってもいいかも知れませんね。
 ですが、それを考慮しても、この場合は記事を書いたライターが、記事全体のインパクトを増すために“オイタ”をしてしまった可能性の方が高いでしょう。「アホがアホ会社について書いたアホバッシング記事」というわけでしょうか。しかし、そういう記事を更に検証している駒木は何なんでしょうか(笑)。

 ──さて、気を取り直しまして特集記事の検証を続けます。記事は“掴み”の後、ヤフーBBの躍進振りと、今回のバッシングの対象になっっているパラソルキャンペーンの概要について述べています。

 ◎ヤフーBBとキャンペーンについて

 ・ヤフーBBによるADSL事業が立ち上げられたのは01年9月。NTTに追いつけ追い越せとばかりに、低価格を売り物にしたキャンペーンで急成長を遂げる。

 ・会員数は02年秋に100万人を、それから4ヵ月後には200万人を突破。その原動力となったのが、“パラソル部隊”と呼ばれる街頭キャンペーン部隊。ヤフーBBのロゴを染め抜いた白いパラソルの下でモデムの入った紙袋を積み上げ、白いウインドブレーカーをユニフォームにしたスタッフと、ミニスカートをはいたキャンギャルが活動する姿は、既におなじみ風景。

 ・パラソル部隊はヤフーBBの子会社と代理店が行っており、孫正義ソフトバンク社長の意向に沿う形で、厳しいノルマが課せられているこのノルマを達成するための強引な営業は以前から問題になっていた。

 ・その強引な営業のために全国から苦情が殺到している。また、カスタマーサポートの電話番号が分かり辛いようになっており、消費者センターや警察・役所にも相談が持ち込まれている現状。

 こちらも4つの項目に分けましたが、順を追って検証してゆきましょう。

 まず項目1つ目。これは間違えようがない部分ですね。どうせなら、事業開始直後の“放置プレイ”トラブルについても一言くらい言及してくれても良かったんですがねぇ。
 まぁこの記事を書いた人は、次に紹介する2つ目の項目の内容から見て、どうも本質的にヤフーBB界隈について詳しい訳ではないようなので、それも致し方ないところでしょうか。

 で、その項目2つ目なんですが、ここではボーンヘッドが2つあります。キャンペーンが路上でのみ行われているように書いてある(現在では電器量販店がメイン)と、4月までしか使っていない“白装束”を未だに使っているように思わせる書き方です。
 「些細な事を……」とおっしゃられるかも知れませんが、ユニフォームの記述に関しては結構重要なんですよ。何故なら、このユニフォームに関する記述から、この記事の筆者がヤフーのキャンペーンについて取材したのは今年の春先以前と考えられるのにも関わらず、記事で紹介された被害報告はどれも6月や7月になっている…という矛盾点が焙り出されてくるのです。
 まぁ一番考えられるパターンとしては、「春頃に発表するつもりで取材していたネタを今頃使う羽目になり、タイムリーさが損なわれるのを恐れて時期だけを改ざんした」…というものでしょうけれども、かなり軽率ですね。ほんの少しの追加取材を怠り、せっかくのマジネタまで腐らせてしまうようではライター失格です。とはいえ、「文春」あたりに書く匿名記事に気合を入れるなんて、全精力を費やしてヤフーBBのモデムを配るような愚行なんでしょうけれども。

 3つ目の項目については満点ですね。まぁソフトバンク関係者のコメントなんですから当たり前ですが。
 ソフトバンク→代理店・派遣会社→SV(=スーパーバイザー)→平スタッフという構図で押し付けられる現状無視の厳しいノルマが存在し、それが強引な勧誘に繋がっているのは間違いありません。強引な勧誘で必ず名前の出て来るネクサスのスタッフも、視点を変えればこのノルマの被害者と言って良いと思います。
 ネクサスの平スタッフへの締め付けとして代表的なものには、春先まで猛威を振るった、1日で獲得件数0だったスタッフに対する「研修」という名のイビりが挙げられます。(契約獲得件数が突然激減した)2月頃にはSVからスタッフへ対する暴力行為も頻繁にあったようですし、プレッシャーが随分緩くなった現在でも、「4日連続で獲得0件の場合は無条件で解雇」という鬼のようなローカルルールが存在しています。

 4つ目の項目も事実ですね。消費者センターに苦情が殺到し、それが新聞で報じられてソフトバンクの株価が急落した…というのは、一時期ネット界隈でも話題になりました。
 こういう事件があったためか、株主側のパラソルキャンペーンに対する悪感情は拭い難い物があり、この夏から路上キャンペーンが大幅に規模縮小になったのも、株主からの強い要請の結果…と言われています。
 カスタマーサポートの電話番号はパンフレットにデカデカと載ってはいるのですが、このパンフレットを入手するためには、パラソルへ行ってスタッフと交渉しなければならないので結構大変です。ソフトバンクから「パンフレットは、新規加入者や見込み客以外には配らないように」と達しが出ているので、中には渋るバカもいます。
 また、申し込んだお客様にカスタマーサポートの案内をしないスタッフというのも路上を中心に多数実在しており、こちらも現場では問題になっています。

 ……というわけで、この特集記事が、「基本的には事実を書いてあるけれども、土台がかなり怪しい」という事はお分かりいただけたと思います。次回ではそれを踏まえて、今回の続きをやらせて頂きます。どうぞ宜しく。(次回へ続く

 


 

2003年第59回講義
9月11日(木) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評・分割版」(9月第2週分・合同)

 今週のゼミは前・後半合同で行います。別にサボりたいからというわけではなく、今週はゼミの題材が少ない上に、合同版でやっておかないと他の講義が出来ない…という事情ですので、どうか宜しく。

 それでは、今週は(というか今週も)情報系の話題もありませんので、「ジャンプ」&「サンデー」各誌のレビューとチェックポイントをお送りしたいと思います。
 今週のレビュー対象作は、「ジャンプ」の新連載作品1本のみ。その後、「ジャンプ」のチェックポイント→「サンデー」のチェックポイント…という感じでお送りします。

☆「週刊少年ジャンプ」2003年41号☆

 ◎新連載『戦国乱波伝 サソリ』作画:内水融

 今週から始まった、秋の新連載シリーズ。まず第1弾は、内水融さんの少年忍者アクション物・『戦国乱波伝 サソリ』です。
 内水さんは00年5月期の「天下一漫画賞」で審査員特別賞を受賞した後、「赤マルジャンプ」01年冬号(新年発売)でデビュー。その後は、にわのまことさんの下でアシスタント修行を積みつつ作家活動も継続し、02年冬と03年春の「赤マル」でそれぞれ作品を発表しています。
 そしてこの度、(恐らくは「赤マル」03年春号での評価により)遂に週刊連載を獲得という事に。前作は古代中国を舞台にしたミステリー風味の作品だっただけに、今回の題材選択は正直驚きなのですが、果たしてどういった作品になりますか──?

 まずですが、以前「赤マル」で作品を拝見した時より、若干タッチが粗くなっているのが気になりますね。これまでとは桁違いに増えた仕事量に少々戸惑い気味なのでしょうか。
 あと、顔ごとの表情のバリエーションが若干不足気味なのも心配ですし、アクションシーンも他の連載作品と比べるとやや見劣りしてしまいます。「赤マル」レヴェルならこれでも十分合格点を出せるのですが、さすがに本誌連載となると、“中の下”くらいの評価にせざるを得ないでしょう。

 次にストーリーと設定なんですが、今回は“長編作品の第1回”というよりも、“本編から独立した読み切り形式のプロローグ”といった体ですので、ちょっと評価に困ってしまいますね(苦笑)。まぁとりあえず、今回は第1回分のみのデキ具合についてレビューする事にしまして、作品全体のストーリーについては次々週の後追いレビューで詳しく述べたいと思います。

 ……というわけで、第1回のストーリーについて。
 今回のお話、一見すると「ジャンプ」でありがちな単純なシナリオに見えるのですが、実のところは目立たない所でキチンと技巧が凝らされている、なかなかの佳品だったりします。どうしても多くなりがちな説明的セリフをスンナリ読ませるネーム力、“噛ませ犬”的な悪役を敢えて配置せずにアクションバトルを絡めたシナリオを成立させる構成力、自己満足に陥らない程度に成熟させた世界観など、なるほど、連載を獲得してもおかしくないだけのストーリーテリング力が窺える仕上がりです。
 ただし、それらの長所をキャラクター造型の甘さが打ち消してしまっているのが残念です。特にサブキャラの弱さが懸念材料で、犬千代となずなの重要サブキャラ2人が単なるストーリー進行補助の役目しか果たされていない…というのは、どう考えても今後に不安を残す材料と言えますね。

 先ほど述べた理由により、今週時点での評価は保留ということにしておきますが、今回を1本の読み切り作品として評価するとすれば、B+といったところでしょうか。
 こういうタイプの作品って、作品の出来そのものよりも低い評価に甘んじる傾向があるので、ちょっと心配なんですよね。実力派の若手作家さんだけに、“突き抜け→振り出しに戻る”のコースは歩ませたくないのですが……。

◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆

 ◎『BLEACH』作画:久保帯人【開講前に連載開始のため評価未了/雑感など】

 本編の感想は先週と一緒ですので、ここでは割愛。今日は番外編について少々述べさせてもらいましょう。

 今回の番外編については、既にネット界隈でも賛否両論出ていますが、それにしても、これほど中身の無い話を“それっぽく”見せる表現力と言うのはやはり非凡だと思いますこれは皮肉ではありません。1ページ平均6コマが標準とされる今、たかが13ページで中身のある読み切りなんて描けるはずがないのです)。小説家でもストーリーテリング以上にレトリックの才能に恵まれた方がいらっしゃるんですが、久保さんはそのマンガ家バージョンといったところでしょうか。
 ただ、こういうタイプの作家さんは、『きみのカケラ』高橋しんさんのように、自分の才能に溺れて方向性を見失ってしまうケースがあったりしますので、やや心配ではあるのですがね(苦笑)。まぁ“大作家”になるまでは編集さんが手綱を放さないでいてくれるでしょうけども。

 ◎『アイシールド21』作:稲垣理一郎/画:村田雄介【現時点での評価:A/雑感】

 「問題:ムサシとは誰の事か?」
 ……まさかこのマンガで、ミステリ作品でいうところの“読者への挑戦状”が出されるとは思いませんでした。でも駒木、こういうのって苦手なんですよねぇ(苦笑)。単行本読み返したり、処分する直前だった「ジャンプ」のバックナンバーを漁ったりしたんですが、結局判らずじまい。
 ミステリの基本として、一番最初の“犯人候補”である室サトシは圏外。まもり姉ちゃんのセリフから考えると、ムサシが登場したのはモン太が入部してからって話になりますが……そんな人いたっけ?
 一応候補としては、部室増築の際に登場した大工の兄ちゃんがいるんですが、それだと色々と矛盾点も出て来ますしねぇ。まぁ、“解決編”に期待ってとこですか。


 ◎『遊☆戯☆王』作画:高橋和希【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】

 おいおい、結局決着はカードバトルなんかい!(苦笑)
 まぁ冷静に見れば、カードバトル世界の物語を先に描いておいて、後のカードバトル描写に深みを持たせるっていうのは確かに面白い手法ではあります。ただそれでも、前フリにかける時間とすれば、ちと長過ぎじゃないかと思うんですが……。


 ◎『いちご100%』作画:河下水希現時点での評価:/雑感】

 恋のライバル出現云々言う前に、そろそろ本命決めんかい淳平!(怒)


 ◎『キックスメガミックス』作画:吉川雅之現時点での評価:/連載総括】
 
 1クール13回。見事なまでの突き抜けでした。まぁ妥当なところでしょう。
 結局のところ、肝心のテコンドー格闘シーンが、第3回の後追いレビューで述べた「テコンドーの名を借りた、ただのケンカ」の域を超えなかったのが全てでしょうね。
 しかし、これまでの作家生活の全てを否定された感のある吉川雅之さん、これからどうするんでしょうね。ご本人は復帰の意欲十分なようですが、客観的に見て今後の見通しは極めて厳しいと思います。


☆「週刊少年サンデー」2003年41号☆

◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 

 巻末コメントのテーマは、「生まれ変わるならどんな動物になりたいですか?」。回答を見ると、人間をもう一度やり直すか、ノンビリ暮らせる動物(ペット系)になるかのどちらかみたいですね。
 駒木は「美人のお姉さんに飼われる家ネコ」。これしかありませんね(笑)。人間に生まれ変わるなら、今度はフェロモン含有量の高い男に生まれて来たいです(苦笑)。

 ◎『名探偵コナン』作画:青山剛昌【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】

 改めましてこんばんは。高木&佐藤編になると、途端に読み込む熱心さが増す駒木ハヤトです(笑)。こういう“イマイチな男が誠意を持って頑張るラブコメ”ってのに異様な共感を覚えるんですよねぇ(苦笑)。
 まぁ今回のシナリオ、犯人は誰だか判りませんが、高木君が鳥取へ行かなくて済むってのはお約束なんでしょうなぁ。


 ◎『MAJOR』作画:満田拓也【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】

 うわー、まさか「異国の地に単身降り立った主人公は荷物を盗まれる」の法則から始まるとは思いませんでしたよ。ここから大リーグのマウンドに立つまで何年かけるつもりなんでしょうか(苦笑)
 あと、ヒッチハイク拒否した日本人はストーリー上の伏線になるんでしょうね。でも初登場でオープンカーってのも凄いなぁ。恐らくは花形満以来ですよ、そんな人(笑)。


 ◎『売ったれダイキチ!』作:若桑一人/画:武村勇治【現時点での評価:A−/評価の変更】

 今回で更に迷走……。いつからこのマンガは『カイジ』みたいに命の遣り取りをするハードコアな作品になったんですか?(汗)  これが人気低迷のテコ入れ策なんだとしたら、激しく間違ってると思いますが……。
 とりあえず、A−という評価は、こういう作品のためにつけた評価ではないので、今回で一旦白紙撤回して保留ということにさせてもらいます。


 ◎『ファンタジスタ』作画:草葉道輝【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】

 んー、もうちょっと上手い見せ方が無かったもんですかねぇ、徹平のフリーキック直接ゴール最近は「チャンピオン」連載の『ORANGE』がとにかくアツいので、どうしてもそっちと比べてしまいます。
 勿論、“ヴァレンチノ監督に捧げるゴール”というドラマ性は素晴らしいんですが、この場合は巧いシュートよりも豪快なシュートの方がビジュアル的に良かったかも知れないですね。あと、ゴールが決まった瞬間からゴールに沸くシーンまでの“間”をもっと取った方が効果的だったように思います。せっかくの見せ場なんですから、もうちょっと演出面を凝って欲しかったですね。


 ……というわけで、今週はここまで。次回のゼミは来週水曜あたりになると思います。

 


 

2003年第58回講義
9月10日(水) 文化人類学
「2003年度フードファイター・フリーハンデ・中間レイト」

 本日より、かねてからお約束しておりました、“積み残し講義精算キャンペーン”を始動させて頂きます。
 今年4月の業務縮小の影響により、当講座では人気シリーズの「モデム配り現場報告」をはじめ、最終章を残すのみとなっている「埋もれた(かも知れない)名馬列伝」、さらには当講座のエエ加減さの象徴とも言うべき、今年春に観戦したプロレス興行のレポートなど、様々なジャンルの講義シリーズが頓挫したまま棚上げ状態になってしまっております。
 今回のキャンペーンは、そんな、まるで小腸にこびりついた宿便のような未完の講義シリーズにケリをつけようというモノです。早い話が腸内洗浄です。専用の機械に付属しているチューブを直接肛門に通して洗浄液を……と、そんな話はどうでもよくてですね、とにかく終わってない講義を終わらせてゆくと。まぁ簡単に言えばそういうわけです。

 そして、本日お送りするそのキャンペーンの第1弾は、当講座開講以来の主要講義の1つであります、文化人類学(フードファイト関連)講義。半年毎にお送りし、今回で4回目となる「フードファイター・フリーハンデ」をお送りします。 
 いわゆるテレビの“大食い番組”が姿を消した後は、すっかり“過去の人”になってしまったフードファイト選手たちですが、FFA(フードファイター・アソシエーション)所属メンバーを中心とした一線級の選手たちは、そんな逆境にもめげずに地道な活動を続けています。フードファイト愛好家の皆さんは勿論、そうでない皆さんにも、今回の講義を通じて彼らの奮闘振りを知って頂けると幸いです。

 ──さて、それでは講義の本題に入ってゆきましょう。
 今回お送りしますのは、今年上半期(ただし、7月上旬を含む)のフードファイト競技会における、各選手のパフォーマンスレイト(フリーハンデ値)の発表とその解説です。また、これまではフードファイト業界の動向に関する総括を別にお送りしていたのですが、今回はこれも解説文に含める形でお送りします。

 なお、この「フードファイター・フリーハンデ」についてご存知無い方は、以下の説明を一読された上、過去3回の講義レジュメを通読される事をお薦めします。(左フレームの「大食い関連」からどうぞ)

 元々の「フリーハンデ」とは、競馬の競走馬能力比較に用いられた能力数値化の試みです。その能力比較をしたい競走馬たちを、とある条件で全て同時に走らせた場合、ゴール前で全馬が横一線になるにはどうすれば良いのかを想定して各馬に負担重量を設定し(例:芝2400mでのハンデ…馬A:61kg、馬B:59.5kg、馬C:57kg)、その数値の高さで各馬の能力を測定・比較できるようにするものです。
 この「フリーハンデ」は、同じ条件で凌ぎを削った競走馬同士の実力比較だけでなく、活躍時期の違いや得意とする条件の違いにより直接対決が不可能な馬同士でも、その数値の高さによって実力比較が可能であるという利点があります。
 よって、この「フリーハンデ」をフードファイトに適用する事で、同じ年に活躍した早食い系選手と大食い系選手の実力比較や、直接対決の無い「大食い選手権」系選手と「フードバトルクラブ」系選手との実力比較、さらには昨年の活躍選手と今年の活躍選手との能力比較が可能になるわけです。

 それでは、以下に「フードファイター・フリーハンデ」を編集するにあたっての規定を記しますので、あらかじめよくお読み下さい。

◎数値は本家の「フリーハンデ」に倣って、競走馬の負担重量風のものを使用します。重量の単位は、最近ではポンド換算が主流ですが、ここでは旧来のキロ換算の数値を使用します。ただし、競馬と違って、キロという単位に意味は有りませんので、「〜ポイント」と呼ぶ事にします。数値は0.5ポイント刻みです。
 ポイント設定の大まかな目安としては、
 ・50ポイント……フードファイター(選手)と、大食い自慢(一般人)との境界線
 ・60ポイント……「フードバトルクラブ」「大食い選手権(オールスター戦)」決勝進出レヴェル
 ……と、します。ちなみに、常識外れのビッグパフォーマンスが無い限り、65ポイントを超える事は有りません。
(逆に言えば、65ポイントを超えると、普段から一般人離れしているフードファイトの世界においてでも、常識から外れた物凄いパフォーマンスという事になります)

 また、選手間のポイント差については、
 ・0.5ポイント差……ほとんど互角だが、僅かに優劣が生じている状態
 ・1ポイント差……優劣が生じているが、逆転可能な範囲
 ・2ポイント差以上……逆転がかなり困難な差

 ……と、解釈してください。

最終的に各選手に与えられるポイントは、「フードファイター・フリーハンデ」対象競技会における、ベストパフォーマンスの時の数値を採用します。
 そのため、直接対決で敗れている選手の方が、「フードファイたー・フリーハンデ」では高い数値を得ている場合もあります。その場合は、敗れた選手が他の競技会で、よりレヴェルの高いベストパフォーマンスを見せた、ということになります。

◎ハンデは以下に挙げる7つのカテゴリに分けて設定します。
 瓶早飲み/ペットボトル早飲み(以上、食材が飲料の競技)/スプリント(5分以内)/早食い(5〜15分)/早大食い(15〜30分)/大食い45分(30〜59分)/大食い60分(60分以上)(以上、食材が食べ物の競技)

最終的に各選手へ与えられるポイントは、7つのカテゴリの中で最高値となったポイントを採用します。
 
これにより、早飲み選手、早食い選手、そして大食い選手との間での、間接的な能力比較が可能になります。

◎他、細かい点については、その都度説明します。

 なお、今回の「03年中間レイト」のレイティング対象競技会は、

 ◎ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権
 ◎第2回Q−1グランプリ
 ◎FFA Formula battle 1
 ◎FFA Formula battle 2
 ◎FFA Formula battle 3

 ……の以上5競技会です。
 本来、「フードファイター・フリーハンデ」では、世界最高レヴェルの国際大会である「ネイサンズ国際」とフードファイト競技会としてテレビ中継された大会──いわゆる“メジャー系競技会”のみをレイティング対象とする…という基準を定めていますが、昨今の“大食い番組”自粛の折、それでは資料不足に陥る事が明白であります。そこで、出場選手の実力や記録管理などの競技運営の水準が「大食い選手権」や「フードバトルクラブ」に匹敵していると認められる競技会に関しては、“メジャー競技会に準ずる競技会”として、レイティング対象に加える事としました。
 また、先に挙げた5つのレイティング対象競技会は、いずれも「スプリント」、「早食い」カテゴリに属する競技会でした。ですので、その他5カテゴリ(瓶早飲み、ペットボトル早飲み、早大食い、大食い45分、大食い60分)については、“レイティング該当者なし”として今回の「中間レイト」からは除外させて頂きます。併せてご了承下さい。

 それでは、これから「スプリント」と「早食い」のフリーハンデ値とその解説をお送りします。なお、解説文では人物名を敬称略とし、文体を常体に変更させて頂きます。


「2003年度・フードファイター・フリーハンデ中間レイト」


◎SP(スプリント)…競技時間5分以内の記録
◎早食(早食い)…競技時間5分超15分以内の早食い

順位 ハンデ 選手氏名
(同順位五十音順)
SP 早食
66 小林 尊 66
64 山本 晃也 64 64
63.5 小国 敬史 63.5
62 射手矢 侑大 62 62
  62 エドワード=ジャービス 62
61.5 エリック=ブッカー 61.5
60.5 高橋 信也 60.5
  60.5 立石 将弘 60.5
60 ソーニャ=トーマス 60
  60 リチャード=レフィーバー 60
11 59 山形 統 59

※03年上半期の競技会とレイティング※

第2回 Q-1グランプリ
(試合形式:餃子100個完食競争)
記録詳細はこちらから

ハンデ
()は今期最高値

選手氏名
64《スプリント》 山本 晃也
62《スプリント》 射手矢 侑大
57.5(60.5)《早食い》 高橋 信也
56(60.5)《早食い》 立石 将弘
ネイサンズ 国際ホットドッグ早食い選手権
(試合形式:ホットドッグ12分タイムレース)

ハンデ/記録
(上位5名)

選手氏名
66/44本1/2 小林 尊
62/30本1/2 E・ジャービス
61.5/29本1/2 E・ブッカー
60/25本1/2 R・レフィーバー
60/25本 S・トーマス

FFA Formula battle 1
(試合形式:ハンバーガー10分タイムレース)
記録詳細はこちらから

ハンデ
()は今期最高値

選手氏名
63(63.5) 小国 敬史
60.5 高橋 信也

FFA Formula battle 2
(試合形式:ハンバーガー10分タイムレース)
記録詳細はこちらから

ハンデ

選手氏名
63.5 小国 敬史
60.5 立石 将弘

FFA Formula battle 3
(試合形式:ハンバーガー10分タイムレース)
記録詳細はこちらから

ハンデ

選手氏名
64 山本 晃也
62 射手矢 侑大
59 山形 統


 昨年夏に始まったテレビ各局の“大食い番組”放映自粛方針は、遂に今年2003年上半期にも解消される事はなかった。テレビ局主催のメジャー系競技会が1年以上開催されなかったケースなど、「大食い選手権」がスタートして以来、約15年にわたって皆無であり、フードファイト業界は今まさに未曾有の“暗黒時代”へ突入していると言って過言ではないだろう。
 一部では今秋から“大食い番組”の復活もあるかと噂されたが、業界筋によると、テレビ各局の態度は未だに硬く、『大食い選手権』などの復活は全くメドが立っていない状況であると言う。この事は、現在フードファイト選手がテレビ出演した際に必ず「危険なので真似しないように」という旨のテロップが放映されている事からもよく理解できる。たかがバラエティー番組の1シーンでも仰々しい注意書きが必要なのだから、フードファイト競技会の主催・放映など夢のまた夢である。
 
 そんな状況であるわけだから、フードファイト業界全体の動きも極めて鈍いと言わざるを得ない。特に最近では、選手たちの活動だけでなく、これまで業界を熱烈に支えて来たフードファイト・ファンたちの活動にまでも、明らかな衰微の傾向が見られるようになってしまった。各選手のファンサイトは次々と閉鎖または休止となり、何とか活動を続けようとする所でも、活動の材料が見当たらずに立ち往生を強いられている現状だ。そう言う駒木も、そんな立ち往生をしているフードファイト・ファンの一員である事は言うまでも無い。
 そんな中、かろうじて救いなのは、今や国内唯一のフードファイト関連団体となってしまったFFA(フードファイター・アソシエーション)が、この逆境の中においてなお、地道ながら確かな前進を続けている事だろう。“暗黒時代”到来と共に経済的・社会的な基盤が崩れ去り、本来なら活動停止に追い込まれても仕方の無い中でなお、現時点で出来得る限り精一杯の活動を続けているのは非常に好感が持てるものである。
 そんなFFAの活動の中でも特筆すべきものは、やはり小規模競技会・「FFA Formula battle」の自主開催が挙げられるだろう。これまで何やかんやと言っても結局はテレビ局に“おんぶにだっこ”だった所から、ようやく自らの足でプロスポーツ化への第一歩を踏みしめたのだから、その意義は大きい。勿論、FFAには経済的基盤などのあらゆる面で課題は山積しているのも事実ではあるし、「今後の『Formula battle』実施は未だ白紙の状態(業界筋)」という現状は依然として楽観できる状況ではないのだが、これからも最大限の努力を続けていって欲しいと思う。

 さて、そんなFFAの中にあって独自の活動を展開しているのが小林尊である。彼はTV局主催のメジャー系競技会が休止になって以来、活動の場を専らアメリカに求めており、今年も小林の競技会出場は、2年前からタイトルを保持している「ネイサンズ国際」のみとなっている。
 そして、その「ネイサンズ国際」で小林は、今年も2位以下に大差をつけて優勝し、日本人で初めて3連覇を達成した。しかし、これまで毎年更新を続けていた記録の方は昨年の50本1/2(実際は51本1/2だったそうだが)を6本下回る44本1/2に留まり、これは小林本人にとっても不満の残る結果だったようである。記録後退の理由としては色々考えられるが、長期間実戦から遠ざかった事による影響も多少なりともあっただろう。小林の“大食いイベント”嫌いは以前から有名で、“大食いブーム”時代ですらローカル系競技会には一切出場しなかったくらいであるのだが、せめて『FFA Formula battle』に出場し、最終調整を図るくらいの配慮はしても良かったのではないかと思う。
 今後の小林も、専らアメリカを主戦場にして活動を続けてゆくのであろう。しかし、何と言っても彼をここまで育てたのは日本のフードファイト界とファンたちなのだから、たまには“恩返し”をするのも良いのではないか、とも思うのだが……。

 このようにエースが国内不在という特殊な状況にあって、見事にその“名代”の役目を果たしたのが山本晃也であった。
 以前の山本は、白田信幸(今期レイティング対象外)・小林尊の“二強”に次ぐポジションに長らく甘んじていた節があったのだが、昨年末の「Q-1グランプリ」で圧倒的なパフォーマンスを演じてから、完全に一皮剥けた印象がある。今シーズンでも、射手矢侑大、高橋信也らFFAの主力メンバーを相手に2戦し、それぞれ力の差を見せ付けて完勝している。今期のハンデ値こそ昨年より3ポイント低い64と伸び悩んだが、これは競技に使用した食材に恵まれなかった(「Q-1」では作り置きの餃子、「Formura battle」に至っては、冷えて味の落ちたマクドナルドの80円ハンバーガーが使用された)要因が大きく、決して実力が減退したわけではない。
 もはや山本は、少なくとも早食い系カテゴリに限って言えば白田・小林と肩を並べたポジションに居ると言って間違いなく、“暗黒時代”の日本フードファイト界を支えるエース的存在と言っても過言ではない。その実力が発揮できる場が限られているのはつくづく残念であるが、今後に最も期待を抱かせてくれる選手の1人である。

 そして、その山本と共に、ここ最近急成長を遂げているのが小国敬史だ。彼も昨年末の「Q-1グランプリ」で躍進を遂げた1人であるが、今期もその好調さを維持し続け、『FFA Formula battle』では2戦2勝の好成績を挙げた。
 今ではもう、デビュー当初のひ弱さは完全に影を潜め、それどころか白田・小林の地位を揺るがす脅威とさえいえる存在にまで成長を遂げている。この小国もまた、下半期に更なる飛躍が望まれる選手と言えよう。

 ところで、“暗黒時代”に喘ぐ日本のフードファイト界とは対照的に、アメリカのフードファイト界はここに至って“高度成長期”に突入した。アメリカ国内のフードファイト競技を統括するIFOCE(国際大食い競技連盟)のリーダーシップの下、東海岸地方を中心に様々な食材をテーマにしたフードファイト競技会が開催され、続々とニューヒーローが登場しているのだ。
 その成果は今年の「ネイサンズ国際」でも如実に現れている。その最たる例が、今回準優勝を果たしたエドワード=ジャービスで、彼は米国フードファイト界の第一人者であったエリック=ブッカーを抑え、30本1/2のローカル(国内)レコードを更新したのだから立派の一言だ。また、この大会で5位にランクインしたソーニャ=トーマスは、赤阪尊子の保持していた「ネイサンズ国際」女性最高記録を更新した事で、こちらも話題を呼んだ。
 これらの記録を見る限り、アメリカのトップクラス選手たちは、既に日本のメジャー系競技会でも十分に通用する実力があるように思われる。長きに渡って“フードファイト大国”の名を欲しいままにしていた日本ではあるが、そうそう胡坐をかいてばかりもいられない時期がやって来たという事なのだろう。

 この他、今回のレイティング対象になった選手には、射手矢侑大、高橋信也、立石将弘、山形統といった日本人選手の“安定株”に加え、以前「フードバトルクラブ」に参戦したカーリーン=ドーン=レフィーバーの夫・リチャード=レフィーバーがいる。特にレフィーバーは58歳という年齢を考慮すると、その活躍ぶりは驚嘆に値するものである。
 また、今回はレイティング対象外になったものの、昨年以来、ローカル系競技会を中心とした地道な活動を続けている加藤昌浩も、日本のフードファイト界を支える重要人物の1人である。本来はここで紹介するのは筋違いではあるのだが、彼の行動力に賞賛の意を込め、敢えてここで名前を挙げさせて頂く。


 ……というわけで、今年上半期の「フードファイター・フリーハンデ」をお送りしました。このフードファイト関連講義に関しては、今後とも、業界に大きな動きがあれば随時実施してゆく予定です。
 それでは、今回の講義を終わります。(この項終わり)

 


 

2003年第57回講義
9月8日(月) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評・分割版」(9月第1週分・後半)

 さて、大変ご迷惑をおかけしましたが、講義再開です。今週は「フードファイター・フリーハンデ」なども実施できるように準備中なので、楽しみにしていて下さい。

 ではとりあえず、今日は先週分後半の「マンガ時評」から。とは言え、先週の「サンデー」は情報もレビュー対象作も無くて、チェックポイントだけの寂しい中身になってしまうのですが……。
 どうやら今週の「サンデー」も似たような状況なんですが、その時は時間もあるでしょうから、何か企画モノでも考えます。

☆「週刊少年サンデー」2003年40号☆

◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 

 巻末コメントのテーマは、「大事な人に向けてメッセージを一言」。このコーナーで巻末コメントを扱うようになってから、一番デキの良い質問じゃないかと思います。メッセージの対象を限定しないところがミソですね。
 で、連載陣の皆さんの回答を見ると、過半数が「大事な人=読者」で、次に「大事な人=家族」の模様。ギャグ作家のお2人は、「大事な人=自分」という病みっぷりが見事ですね(笑)。
 駒木は……照れくさいから止めときます(笑)。

 ◎『MAJOR』作画:満田拓也【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】

 巻頭カラー・高校編のエピローグですね。
 しかし、本当にヒロインとライバルと友人が報われませんな、このマンガ(苦笑)。特に正ヒロイン・清水薫の恵まれなさといったら、もう……。
 今週なんて、高校3年生なりに目一杯オシャレしてる所なんて可愛らしいじゃないですか。たとえ、これがもし実写だと、体育会系の体で服がパツンパツンになってるであろうとしても(笑)。

 来週からはアメリカ編ですが、どういうスタートになるんでしょうか。一番考えやすいのは、既にトライアウトを受けて、マイナーリーグに馴染んでる…という時点までタイムワープさせるパターンでしょうけど。


 ◎『売ったれダイキチ!』作:若桑一人/画:武村勇治【現時点での評価:A−/雑感】

 もう完全に迷走始めちゃってますね……。せっかく文化祭編で良い感じだったのに、サブキャラを放棄してまでして、どうしてトンデモバトル物に方向転換を…。
 以前、評価の上方修正を検討していると述べましたが、とりあえずそれは無かった事に


 ◎『モンキーターン』作画:河合克敏【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】

 点数計算、合ってましたね(笑)。でも、先週の引きとの不自然さがありますから、先週分の原稿を上げてから気付いたという可能性も無きにしも非ずかと。

 それにしても、波多野が予選スベったのは驚きでした。いや、実は駒木、この賞金王決定戦で連載終了と思ってたんで(笑)。
 しかし、もう6年半もやってて、更に劇中時間で1年やるってのは凄いモチベーションですね。ここから色々なキャラの伏線処理とかをやっていったら連載500回も現実問題になって来そうです。
 

 ……と、今日は本当に短いですが、復帰明けと言う事でこれくらいにさせて頂きます。正直、今週号の「サンデー」は特筆すべきポイントが少なくて、チェックポイントを探すのに往生しました。(で、結局探し出せず)

 それにしても、毎週毎週「今週の『きみのカケラ』は高橋しん先生が体調不良のため休載します」と載せ続ける「サンデー」編集部の執念たるや、ある意味凄いモノを感じますね。そんな執念があるなら、もっと良い新連載作品立ち上げろや、と言いたくもなって……いやいや(苦笑)。

 


 

2003年第56回講義
9月2日(火) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評・分割版」(9月第1週分・前半)

 今週は、駒木が4日早朝から東京へ“1人研修旅行”へ行く関係上、ゼミを1日前倒しして実施します。こういう時に限ってレビュー対象作が2つあったり、紹介しなきゃいけない情報が結構あったりするんですから皮肉です。まるで麻雀で高い手が入った途端に親からリーチが……って、それは今日の駒木自身でしたか(苦笑)。

 ……というわけで、11面待ち・絶好形のイーシャンテンが6巡ツモれず、挙句に18000点放銃した講師がお送りする「現代マンガ時評」、スタートです。

 ──ではまず、情報系の話題から。4週連続新連載シリーズの余韻も覚めやらぬ「週刊少年ジャンプ」ですが、来週発売の41号から3週連続で秋の新連載シリーズが開始されます。

新連載シリーズ・今回のラインナップ

 ◎第1弾・41号より新連載
 …『戦国乱波伝サソリ』(作画:内水融)
 ◎第2弾・42号より新連載
 …『サラブレッドと呼ばないで』(作:長谷川尚代/画:藤野耕平)
 ◎第3弾・43号より新連載
 …『神撫手』(作画:堀部健和)

 ……3組4人の作者の皆さんは、いずれもこれが初の週刊連載となるフレッシュな顔触れです。先の新連載シリーズが中堅・ベテラン作家さん中心のラインナップだったのと比べると正に好対照ですね。
 作者の皆さんのプロフィールについては来週以降のレビューの中で詳しく紹介させて頂きますが、いずれもほぼキャリア3年程度の若手作家さんで、少々小粒な感が否めない所ですが、果たしてどうなりますか。個人的にはプロトタイプ読み切りのレビューで、
 『完成度が低い割には妙に読後感が良い作品なので、ひょっとすると連載化されたりする可能性もありますが、現状の力量で連載になっても突き抜けるのが関の山ではないでしょうか』(当講座03年3月13日付より)
 ……という厳しい評価を下した『神撫手』が、本当にアッサリと連載を獲得してしまったのが非常に心配なのですが(苦笑)。まぁ、この心配を裏切ってくれるような快進撃を期待しておきましょう。

 そして情報をもう1つ。先述の新連載シリーズの始まる「ジャンプ」41号では、『BLEACH』作画:久保帯人)が番外編との2本立て・センターカラーで掲載されます。
 『BLEACH』も、ここ最近は単行本の売上げも伸び、一時期は打ち切り候補の一角に挙げられていたという事が不思議なくらい快調ですね。こちらの番外編はページも少ないですし、レビュー対象作からは外しますが、チェックポイント等でコメント出来れば…と思います。

 ……では、情報系の話題はこれくらいにしまして、レビューとチェックポイントへ移りましょう。レビュー対象作は読み切り2本です。

☆「週刊少年ジャンプ」2003年40号☆

 ◎読み切り『エキゾチカ』作画:武井宏之

 それでは、まずは現役連載作家さんに敬意を表しまして、武井宏之さんの作品・『エキゾチカ』のレビューからお届けします。

 武井宏之さんは1972年5月生まれの現在31歳。デビュー前から、当時『しあわせのかたち』を連載中だった桜玉吉さんのアシスタントを務めつつ、「ジャンプ」デビューを目指して修行。その甲斐あって94年下期の手塚賞で佳作を受賞し、“ジャンプ新人予備軍”の仲間入りを果たします。
 それからは当時『るろうに剣心』連載中の和月伸宏さんの下でアシスタント修行を積み、手塚賞入賞から2年後の96年に、現在の「赤マルジャンプ」にあたる、季刊の増刊号で遂にデビューを果たします。そして、その後にもう1度増刊で作品を発表した後、デビュー作の『仏ゾーン』をリメイクした作品で97年12号から連載を開始。この時は残念ながら2クール19回で打ち切りとなりますが、その1年後に連載開始された『シャーマンキング』では、見事に5年以上の長期連載&スマッシュヒットを決め、現在の地位を不動のものとしたのは皆さんもご存知の事でしょう。
 そして今回は意外にも、武井さんにとって本誌で始めての読み切り掲載となります。先週号(40号)の巻末コメントを見る限りでは随分と“難産”の末に生み出された作品のようですが、さて──?

 まずですが、これはもう何も口を挟む事はありませんよね。人物キャラは勿論のこと、この作品の“生命線”と言って良い、自動車やカーチェイスシーンの描写も(少なくとも“その道”の素人である駒木の目には)達者であったと思います。

 ただ、ストーリー&設定については、若干の苦言を呈さなければなりません。
 この作品、対象年齢が低い少年誌と言う事で、作中に登場する自動車やエキゾチックカーについての解説がかなり詳しくなされています。勿論、それはそれで良いのですが、限られたページの中では、当然の事ながらその分だけシナリオの充実度が犠牲になってしまった感は否めません。また、ストーリーにテンポとスピードを持たせるために大ゴマを多用したのも、この“シナリオ平板化”の原因になってしまったでしょう。
 結局のところ、そこまで題材についての解説をしないと「ジャンプ」のメイン読者層がついて来れないのなら、この作品は「ジャンプ」で描くべきではなかったのではないかと思います。説明的な内容をクドく感じさせない構成やネームなどには「さすが長期連載作家」と思わせてくれるだけの地力を感じるのですが、せっかくの才能をこういう部分で浪費して欲しくなかった…というのが正直なところですね。

 ──とまぁ、ネガティブな事も言いましたが、それでも全体的に見れば、(平板なシナリオを除けば)卓越した構成&ネーム力がキラリと光る、爽快なエンターテインメントになってはいたと思います。よって評価は“名作崩れの惜しい作品”と言う事でB+。今度は連載の合間とかではなく、ジックリと腰を据えて描いた短編を読んでみたいですね。


 ◎読み切り『超便利マシーン・スピンちゃん』作画:大亜門

 続いては、このゼミでもすっかりお馴染みとなりつつある、若手ギャグ作家・大亜門さんの作品です。
 この方に関しては、もうこのゼミでは4度目のレビューとなりますので、キャリアについてはごく簡単に紹介するに留めます。
 大亜門さんは、02年4月期「天下一漫画賞」最終候補を経て、同年に代原で2回本誌に登場。今年に入って「赤マル」03年春号で、今回の作品のプロトタイプとなる『スピンちゃん試作型』(題名までまさにプロトタイプですね)を発表し正式デビュー。そしてこの度、晴れて本誌に“凱旋”となったわけですね。いわゆる代原作家さんとしては、異例のハイペース出世だと思われます。

 ……さて、それでは内容について述べてゆきましょうか。
 については、ギャグマンガとしては許容範囲のレヴェルながら、正直な所、まだまだ改善の余地は残されていると思います。今後も精進して欲しいですね。
 ただ、未熟な画力なりに1人1人のキャラクターの外見の描き分けやマンガ的表現がキッチリと出来ていますので、全体的な印象としては現時点でも悪くは無いと思います。この人、意外と得な画風してますよね。

 そして肝心のギャグの出来映えですが、「赤マル」に引き続いて今回も一定以上のレヴェルに達しているのではないでしょうか。特に2箇所あった、同じテーマのギャグを立て続けに連発するシーンには、(笑わされながら)唸らされました
 ネット界隈で指摘されている通り、少々マニア度が過ぎるネタもありましたが、キャラクターの個性を生かしたオーソドックスなギャグもキチンと出来ており、既に完成度は連載作品並と申し上げて良いでしょう。惜しむらくは序盤の数ページと終盤の数ページでギャグの密度が若干薄かった点でしょうか。良い部分は抜群に良いだけに、こういう“ムラ”があるのが非常に残念に思えます。

 ということで総合評価ですが、若干の改善点を残しながらも、A−を出すだけの価値は十分にあるでしょう。今後は連載も視野に入れての活動に期待したいところですね。

◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆

 今週の掲載順は実に絶妙でしたね。とりあえず最初の3作品でグッと読者のハートを鷲掴みにしておいて、そこからまた3作品を費やして絶妙のクールダウン(笑)。読み切りをニュートラルな姿勢で読んでもらえるように誘導できていて良い感じです。
 で、読み切り2作品の後は実力派3作品で「さすが『ジャンプ』、層が分厚い」と思わせておいて、次の作品で「でも、そろそろ巻末です。これからはこういう作品が続きますんで、ちょっと覚悟しててね」…と気付かせる。いやー、センスあるわ(笑)。ただ、そのセンスを新連載ラインナップを決定する時に発揮して欲しいと激しく願うんですが(苦笑)。

 ◎『アイシールド21』作:稲垣理一郎/画:村田雄介【現時点での評価:A/雑感】 

 人気投票の結果発表。早速、といいますか、予想外の高ランクを獲得した“ハァハァ三兄弟”長男・十文字が本編でもクローズアップされてますね。このあたり、いかにも「ジャンプ」です。まぁ、作家さんとしても、読者に好かれているキャラクターには自ずと愛着が湧いて来るでしょうしね。
 で、今回のラストシーンでは、いよいよキッカー候補登場。しかしアンタ、髪をセットしながら「スマートだぜ」って、出て来るマンガとやるスポーツ間違えてませんか?(笑)

 ◎『ONE PIECE』作画:尾田栄一郎【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】
  
 今回も圧巻でした。いや、やっぱり凄いです尾田さん。
 何だかここ2週は、連載開始当初の、「『ジャンプ』を暗黒期から脱出させるのはこのマンガだ!」…と思わせてくれたインパクトが戻っていましたね。熱いセリフの応酬のことごとくに説得力があるんですよ。これはもう天賦の才ですね。恐れ入りました。

 ◎『武装錬金』作画:和月伸宏【現時点での評価:A−/雑感】

 巻末コメントでは高らかに“突き抜け回避宣言”。今年の「ジャンプ」は新連載作品の不作が続いただけに、これは素直に喜びたいところですね。
 さて、今回注目したいのは259ページ(作品としては9ページ目)蝶野攻爵の独白ですね。「盗人にも三分の理」じゃないですが、こういう部分がストーリーに厚みを持たせてくれるんですよね。ただ、今週は『ONE PIECE』が凄すぎたので、ちょっと霞んで見えてしまうんですが(苦笑)。

 ◎『BLEACH』作画:久保帯人【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】

 こちらはこちらで見せ場タップリの内容。幸福を強調させておいたキャラを不幸のどん底に沈ませる…と言う、オーソドックスながらストーリーテリング力が無いと出来ないシーンをキチンと描き切っていましたね
 ただ、雛森と藍染の心の繋がりを強調するなら、過去の出来事を回顧するシーンも織り交ぜた方がより効果的だった気がします。1回しか使えない手だけに、ギリギリまで完成度を突き詰めて欲しかった…というのは贅沢に過ぎるでしょうかね。


 今週はこの他にも『NARUTO』『H×H』など、実力派作家さんの作品のデキが地力通りで非常に良かったように思います。ただ、その分だけ酷い作品の酷さも際立つわけなんですが……(苦笑)。

 ──それでは、今日はこれまで。次回の講義は旅行から帰って来た後になりますので、週末になりますかね。受講生さんたちには申し訳なく思うのですが、しばらく骨休みさせて頂きます。ではでは。

 


 

番外編
9月1日(月) 基礎演習
「なんでも質疑応答大会・未公開質問スペシャル」

 さて、前々から予告していた通り、今月は“積み残し講座・精算強化月間”です。中途半端な形で頓挫している講義シリーズにケリをつけるべく、講義回数を大幅に増やしてお送りする予定です。
 勿論、週2回のゼミ・「現代マンガ時評」や週末の競馬学関連講義も並行して行いますし、時間が許せば新しい講義シリーズも立ち上げてみたいと思っています。至らぬ点もあるでしょうが、どうか何卒。

 ……というわけで今月1回目の講義なんですが、今日は“番外編”としまして、先月実施した記念式典の質疑応答大会で、時間の都合でお答え出来なかった質問の回答をお届けしようと思います。
 勿論、受講生さんの中には「そんなの、もういいじゃない」と思われる方もいらっしゃるでしょう。が、先の式典の中でも「答えきれなかった質問にも後日返答します」とお約束しておりまして、これも一種の“積み残し講座”になっております。そういうわけですので、どうか趣旨をご理解頂き、今日一日お付き合い願えれば…と思います。

 では、早速質疑応答へ移りましょう。まずは駒木ハヤト個人へ出された質問から。

・小説家志望との事ですが、漫画原作者になってみたいという気持ちはないのでしょうか?
(kasa☆haraさん)

 以前、ゼミの中で申し上げた事があると思うんですが、マンガの原作者っていうのは、非常に門戸が狭い上に需要が小さい仕事なんですよね。普通は『ヒカルの碁』とか『アイシールド21』のように、ある程度の専門性のある題材じゃないと原作者は必要とされないんです。
 そもそも、どこにでもある普通のお話ならマンガ家本人が描くわけですし、第一、日本のマンガ界には武論尊(=史村翔)さんというビッグネームが鎮座してらっしゃるので、ポッと出の新人が入り込む余地は全然無いんですよね。少なくともネームを描ける画力すら無い駒木には無理な話です。
 結局のところ、マンガ原作者になれる一番の近道は、『ロードス島戦記』『スレイヤーズ』みたいにマンガ化・アニメ化されるようなライトノベルを書くことなんじゃないですかね(笑)。だから小説家になる方が先です。

・地方競馬(とくに園田競馬)には行かれるのですか?
・競馬・競輪・競艇場などの、関西と関東における気質の違いについて伺いたいです。(ヤジが多い、など)

(雀バル雀さん)

 学生時代ほどじゃありませんが、年に何回かは園田競馬場に足を運びます。あと、今月4日からは大井競馬のトゥインクル開催を観るために東京へ“研修旅行”へ行く予定だったりします。
 本当は学生時代に全国の競馬場めぐりをしたかったんですが、塾講師バイトをしていた関係上、長期間の“旅打ち”は無理だったんですよね。そうしている間に中津、益田、足利…と廃止されていってしまい、無念を隠し切れません。

 関西と関東における客層の違いですが、関東のギャンブル場には立川競輪しか行った事が無いので、よく分からない…といったのが正直なところです。
 ただ、阪神地区にあるギャンブル場(阪神競馬、園田競馬、西宮競輪《廃止》、甲子園競輪《廃止》、尼崎競艇)を全て巡ってみて判ったのは、客層は“場(または種目)”ごとに違う…という事ですね。阪急電車でほんの2〜3駅行っただけの阪神競馬、園田競馬、西宮競輪では、それぞれ客層がガラリと入れ替わります。
 関東のギャンブル場でも、野次のキツい所とそうでない所があったりしますので、地方ごとの格差はそれほど関係ないのかも知れません。
 あ、ちなみに野次が強烈だったのは西宮&甲子園競輪場でしたね。今日限りで競輪場が無くなる…という日ですら、不甲斐ないレースをした地元選手には「アホンダラ、ボケ、カス」などと罵詈雑言をぶつけてましたから(笑)。

・現在の矢井田瞳と椎名林檎の関係についてどのようにお考えになられていますか?
(民芸さん)

 一言で申し上げると、「全く別物」です(笑)。
 椎名林檎さんも矢井田瞳さんも、デビュー当時とはかなりスタンスを変えた音楽活動をしていますし、“背中合わせにくっついていた2人が、正反対の方向へ歩んでいった”状態だと思います。
 特に林檎さんは、デビュー当初の“バンド音楽至上主義期”から、「本能」からセカンドアルバムまでの“デビュー以前の貯金吐き出し期”を経て、今は“J-POP&オーケストラ音楽融合期”に突入しています。デビュー当時の椎名林檎と現在の椎名林檎の関係すら「無関係に近いです」という状態なんですよね。

・将来、大食い番組が復活する可能性はあると思いますか?
(samuraさん)

 あると思います。テレビ局は我々が考えている以上に節操がありませんので、何かのきっかけがあれば復活するでしょう。フードファイト番組には安上がりに面白い番組が作れるというメリットがありますしね。
 ただ、以前のようなブームに近い状態に戻るまでには、少なくとも5〜10年くらいかかるでしょうけれども。

・当ゼミはコンパ(という名のOFF会)はしないのですか(笑)?
(青木@ブルーツ・リーさん)

 正直、オフ会(というかゼミコンパ)には興味があるのですが、講師主催兼幹事のゼミコンパってのは聞いた事がありませんのでねぇ(笑)。
 どなたか受講生有志の方が主催・運営して下さるなら駒木は喜んで出席させてもらいますが、駒木が陣頭に立ってオフ会をやる予定は、今のところありません。

・YahooBBをはじめソフトバンク全般にいえる、ADSL工事放置をはじめ、ラグナロクオンラインの冤罪による強制アカウント削除等…サポートや運営の悪さをどうお考えでしょうか?
(ぷかぷかさん)

 まぁ確かに酷いですね、ソフトバンク系の運営は。ただもうコレは「どうにかしろ」と言っても、現実的には無理な相談ですので(苦笑)、今後は「ソフトバンク系の有料サービスは、少なくともトラブルが減って来たと思われる時期まで利用しない」という姿勢で臨む必要があると思います。


 ……と、これで駒木宛の質問は終了しましたので、ここで一旦、珠美ちゃんと順子ちゃんにバトンタッチしたいと思います。では、お2人さんよろしく。


珠美:「ハイ。駒木博士、お疲れ様でした。」
順子:「で、こっちは休日出勤の一色順子です(笑)。じゃ、時間も無いですし、とりあえず珠美先輩宛の質問からいきましょうか?」
珠美:「あ、はーい」

・もし過去に戻れるとして、生でその走りを見てみたい競走馬はいますか?
(kasa☆haraさん)
・お給料はどこから、どれくらい支給されているのですか?
(複数の方からの質問)

珠美:「そうですねー……。あまり昔、というわけではないですけれども、私が競馬のことを勉強するようになる少し前に三冠を達成したナリタブライアンの活躍はリアルタイムで見てみたいですね。
 あと、お給料ですが、私は仁川経済大学の職員という事になっていますので、大学からちゃんと頂いてます。金額については、ちょっと……(苦笑)」

順子:「駒木博士より稼いでることは確かだと思いますけどねー(笑)」
珠美:「…こんなところでしょうか。では、順子ちゃんにも質問が来てますので、そちらも紹介しますね」

・麻雀以外に燃えるものはありますか?(萌える、は却下の方向で)
(文左衛門さん)
最近、コミケで女装が多くなってきてるようですが、どうお考えでしょうか?
神魔理音さん)

順子:「えーと、後の方の質問は何なんですか?(苦笑) 麻雀以外に燃えるもの…そうですね、この秋から研究室で予想大会が始まるので、今はちょっと気合入れて競馬の勉強しています。あとはそうですねー、最近周りの同級生とかが彼氏作り始めたので、良い相手いないか探してみようかと(笑)
 で、女装ですか(苦笑)。ま、彼氏は女装しない人を選ぶって方向で(笑)

珠美:「ハイ、ご苦労様(笑)。あ、そうそう。私たち2人に、っていう質問も届いてるんです。そちらもこの際お答えしておきましょうか」

・お二人の「写真」は、誰に撮ってもらっているのですか?
(hurryさん)
・コミックでなくてもかまいません。小説でもドラマでも映画でもアニメでも、好きなものはありますか?
(FLATさん)

珠美:「1つ目の質問についてですけど、私たちのイベント等での衣装などは、開講以来、『Winter Garden』の藤井ちふみさんにお願いしています」
順子:「仁経大付属高校って、制服がブレザーなので、1周年記念式典の時のセーラー服は嬉しかったですね。ちょっとデザインは変わってましたけど(笑)」
珠美:「2つ目の質問ですが、私は駒木博士から貸していただいた村山由佳さんの小説・『翼 〜cry for the moon』でしょうか」
順子:「わたしは映画の『少林サッカー』ですね。映画館でやってる時は3回くらい観に行きました」

珠美:「……というところで、最後に『3人への質問』というモノもありますので、ここで駒木博士に再登場して頂きます」
駒木:「はいどーも。そうか、珠美ちゃんは僕より稼いでいたか(笑)。その割には、喫茶店とかでも当たり前のように僕にオゴらせているのはどういうわけだか」
珠美:「(苦笑)」
駒木:「まぁ、いいんだけどね(笑)。じゃあ、3人への共通質問、いっちゃおうか。ちょっと数が多いので、まずは前半戦」

・もし今、十分な時間とお金があったらまず何をしますか?
・オススメのゲームはありますか?
・皆様のタイピングの早さってどれくらいなんですか?
(ぷうぷう星人さん)  

珠美:「……じゃあ、博士、私、順子ちゃんの順番で」
順子:「体重順、ですか?(笑)」
珠美:「じゅーんーこーちゃ〜ん?」
順子:「きゃー、珠美先輩がキレた時の斗貴子さんみたいにー!(汗)」
駒木:「まぁここは年功序列ってことでね(笑)。えーと、まずは『十分な時間とお金があったら何するか?』…か。僕は賞獲れるまで小説書きたいね」
珠美:「私は世界一周旅行でしょうか」
順子:「ものすごく高いレートの麻雀打ちたいです。『むこうぶち』に出て来るようなビンタ付のルールで(笑)」
駒木:「順子ちゃん、彼氏探すんだったらもうちょっとマシな回答しなくちゃダメだぞ(笑)。
 『オススメのゲーム』…は、やっぱり『月姫』かな。同人18禁ビジュアルノベルゲームだけど、これはやっておかないと人生損するよ」
珠美:「私はゲームをしないですので……」
順子:「麻雀より面白いゲームは無いですから、麻雀ということで……」
駒木:「ありゃりゃ、マトモに答えたのは僕だけかい?(苦笑) ……じゃ、最後の『タイピングの早さ』。僕はスピードそのものはソコソコだと思うんだけど、とにかくミスタイプが多いから、それで大分損してると思う」
珠美:「ブラインドタッチが何とか出来る程度です(苦笑)」
順子:「ブラインドタッチ、出来ません(笑)
駒木:「すいません。“理系が苦手なので文系”が揃ってるのが駒木研究室なんで(苦笑)。
 ……じゃあ、次の質問。これでラストだね」

・自分自身を競走馬に例えるとどんな馬だと思われますか?
・小さい頃(現在でも結構ですが)呼ばれていたあだ名などはありますか?
(海保青陵さん)

駒木:「最初のは良い質問だよね。僕は……どうだろう。マイナー志向で、苦労してる割に報われない器用貧乏な馬ってことで、公営のネイティヴハートかな(笑)。本当はステイゴールドみたいになりたいところだけどね」
珠美:「私は……あ、学生時代の友達からキョウエイマーチみたいって言われたことがありますね」
駒木:「パッと見は可憐な女のコタイプだけど、実はバリバリのキャリアウーマン…ってところかな(笑)。でも気をつけないと、もうすぐイクノディクタスみたいって言われるようになっちゃうぞ」
珠美:「(苦笑)」
順子:「わたしも友達からサクラエイコウオーみたいだって言われたコトがありますね。自分でどういう馬か知らないんですけど……」
駒木:「(爆笑)」
珠美:「(笑)」
順子:「??」
駒木:「あ、大丈夫。そのまんまだから(笑)。後でGoogleとかで検索してみたらいいよ(笑)。
 で、最後の質問。アダ名は……そうだなぁ、今は“先生”ってのがそうなるかな」
順子:「いや博士、それはアダ名じゃないでしょ(笑)」
駒木:「まぁ“先生”なんて肩書き、アダ名くらいに受け止めておいた方が良いんだよ。これを額面通り受け取ると、人間どこかおかしくなるから。
 ……珠美ちゃんと順子ちゃんは、やっぱり名前の一部を取って呼ばれてたりしたのかな?」
珠美:「えーと、私は中学生の時は、珠美の“珠”を音読みして『ジュミ』って呼ばれてましたね」
順子:「わたしは、日本中の順子ちゃんと同じく『ジュンちゃん』でした(笑)」
駒木:「なるほど(笑)。そういや昔、僕の同級生には『ジャック』ってアダ名のヤツがいたな」
順子:「あ、カッコいい!」
駒木:「いや、落語家の桂雀々に似てるからジャック(笑)」
順子:「あ、カッコ悪い(苦笑)」
駒木:「まぁ男のアダ名ってカッコ悪い方が多いからね。
 ……というわけで、質問は以上。ちょっと駆け足だったけど、時間の都合もあるので、これでご容赦を。それでは今日の講義を終わります。では、2人もご挨拶」
珠美:「お疲れ様でした」
順子:「お疲れでーす!」
駒木:「はい、ご苦労様。受講生の皆さんもお疲れ様です」(この項終わり)


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