「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
5/29(第26回) 社会調査「ヤフーBBモデム配りアルバイト現場報告」(3)
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2003年第26回講義 |
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◎前シリーズ(「潜入レポ」)のレジュメはこちらから→第1回/第2回/第3回/第4回/第5回/第6回 当講座の看板講義・「現代マンガ時評」をも凌ぐ人気シリーズとなってしまったこの「モデム配り現場報告」、1ヶ月ぶりの再開と相成りました。 さて、この1ヶ月で、モデム配りの現場の状況も色々と様変わりしてゆきました。 ──で、この貸与された制服なのですが、これがどこかの会社のADSL用モデムに似て非常に粗悪な出来なのが大変に困りモノだったりします。 まず、“紅衛兵仕様”の赤いシャツですが、これがポリエステル65%・綿35%のゴワゴワした布を、3回も着ればボタンが緩んでしまうような粗悪な縫製で仕上げた中国製(!)の品。洗濯すれば派手に色落ちするのは言うまでもなく、うっかり白いシャツなどと一緒に洗ってしまうと、瞬く間に色移りしてしまいます。 しかも、このユニフォームは、先程から述べているように“貸与”です。“支給”ではありません。ですので、離職の折には派遣会社経由で返却しなければならない事になっています。恐らくはネットオークションで転売するのを防ぐためだと思われますが、アンナミラーズの制服じゃあるまいし、どこをどうしたら売れても無いのに変装して電車に乗るB級アイドルのような勘違いが出来るのでしょうか、ソフトバンク株式会社。 さて、ユニフォームの話題はこれくらいにしまして、もうちょっとディープな話へと移りましょう。 もう既に新聞・ネット各媒体でゲップが出るほど報じられておりますが、連結決算の最終損益が999億円という、
……とまぁ、こんなところでしょうか。 しかしこれを見ると、駒木が最初の研修の時に聞かされた情報が、いかにソフトバンクに都合よく操作されていたか一目瞭然です。
今となってはもう笑うしかない、まさに「大本営発表━━━(゚∀゚)━━━ キター!!」…な話ですよね。冷静に考えたら、坂下千里子が「私、着痩せして見えますけど、実はDカップなんです!」と主張するくらい無理がある話なんですが、それでもこんなクソネタを一瞬でも信じかけた自分が非常に恥ずかしいです。冷たいプールで泳いだ後の縮み上がったチンチンを見られるくらい恥ずかしい。 ──さてさて、バカ言ってないで、発表事項の分析をしてみます。 まず、6月には“キャンペーン経費を除外した”損益分岐点を突破する…という話から。これはもう皆さんもお気づきと思いますが、少なくとも現時点では、「キャンペーン経費云々…という文言が入っている限り損益分岐もクソも無い」…と言わざるを得ません。
そしてその推測を裏付けるように、モデム配りキャンペーンにおける新規契約者数は、5月に入ってから物凄い勢いで落ち込んでいるようです。 この新規獲得数激減の傾向が来月以降も続くのかどうかはまだ未知数ですが(2月にも同様の現象があったが、3月・4月は現状維持で推移したので)、少なくとも今後は新規獲得のペースが落ちる事はあってもその逆はあり得ないと断言できそうです。 そんな状況にありながら、まだまだこのモデム配りキャンペーンは続行されるようで、なんでも今後回収予定のモデムレンタル料を事実上前借りしてキャンペーン経費を捻出するそうです。 ちょっと今日はシビアな話ばかりでしたので、次回は聞いてて気楽な話題をお届けするつもりです。どうぞ宜しく。(次回へ続く) |
2003年第25回講義 |
最近5号分の「ジャンプ」スクラップ作業のせいで右手がすっかり凝ってしまった駒木です、こんばんは(苦笑)。 ──さて、それでは今週もゼミの開始です。 まずは情報系の話題から。今週は読み切り情報を1件だけ。そろそろ以前から噂されていた大量(4作品?)の連載入れ替えが始まりそうな予感がするのですが、今は“嵐の前の静けさ”という事なんでしょうか。 そんな嵐の直前である次号(27号)に掲載される読み切りは、『未確認少年ゲドー』(作画:岡野剛)。 ☆「週刊少年ジャンプ」2003年26号☆ ◎読み切り『ゴールデンシュート鳥越』(作画:郷田こうや) もう第何弾なのかも忘れてしまいそうな、「ジャンプ」の読み切りシリーズ。今週は郷田こうやさんのギャグ作品が登場です。 ……さて、まずは絵からですが、今回は臨時アシスタントを使うほどのハードスケジュールだった影響か、ここ2〜3作よりもやや粗さが目立っています。それでもギャグ作家さんとしては十分通用する水準にはあると思いますが。 そして、この“リアル顔”の例にとどまらず、今回もギャグに関しては全般的にやや物足りなさが否めませんでした。 評価はB−としておきましょう。諸々の素質は感じさせる作家さんだけに、このまま燻って欲しくないものです。とりあえず次回作に注目してみます。 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ ◎『BLACK CAT』(作画:矢吹健太朗)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 ウワァ……(絶句)。 ◎『★SANTA!★』(作画:蔵人健吾)【現時点での評価:B−/雑感】 今回のバトルのオチ、これはギャグなのか真剣なのか、どう解釈したらいいんでしょうね?(苦笑) ◎『プリティフェイス』(作画:叶恭弘)【現時点での評価:B+/雑感】 前号の巻頭カラーから一転、掲載順が実質ブービーに。ストーリーも風雲急を告げるものですし、どうやら連載終了が間近と見て良いみたいですね。
……と、今日はアッサリ風味のボリュームですが、こんなところで。今週はゼミ以外の講義も充実させるつもりですので、どうかご容赦を。 |
2003年第24回講義 |
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駒木ハヤトです。「オークスやダービーぐらいは珠美ちゃんを交えて……」などとお約束していたのですが、申し訳有りませんが、今日も色気のまるで無い、駒木単独の短縮版講義となります。 ──では、時間がありませんので、早速出馬表と、駒木と珠美ちゃんの印をご覧頂きます。
またしても……という感じで、駒木と珠美ちゃんの本命&対抗がダブりました(苦笑)。2−3の決着だけは有り得ず、恐らくは万馬券決着になるんじゃないでしょうか(笑)。 ……と、冗談(?)はさておき、まずはレースの概況から。 ステップレースのレヴェルですが、やはり例年通り桜花賞直行組が最有力である事には疑いを挟む余地はありません。ただし、今年の桜花賞はいかにもマイラータイプの馬が上位に入線しているため、その辺りを見極める必要があると思われます。 展開は逃げ1頭で先行馬も少なく、スローペースから遅めの平均ペースといったところではないでしょうか。ただし、若い牝馬だけのレースでもありますし、何頭かの馬が掛かり気味に暴走……なんて事も十分考えられます。 それでは、例によって1頭ずつ簡単にコメントを付けてゆきます。 1番・ポップコーンジャズ。スイートピーS2着馬。新馬戦圧勝の後、休み明けでトライアル2着と非凡なセンスを窺わせる馬です。ただし今回は一気の相手強化に加え、いわゆる“二走ボケ”への懸念や距離・展開面での不安もあり、かなりの苦戦を強いられそうですね。 ……というわけで、以上が出走馬へのコメントでした。では最後にフォーカスを紹介して講義を締め括ります。 駒木は馬連2-3、2-4、3-4、2-6の4点。 では、皆さんの健闘を祈ります。レース後にまたお会いしましょう。
※駒木ハヤトの“敗戦の弁” ※栗藤珠美の“反省文” |
2003年第23回講義 |
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後半の部、スタートです。何とか今週はほぼ正常な日程で講義が実施できました。 さて、今日も早速情報系の話題から。 まずは「サンデー」以外の話題を。 さて、次は「サンデー」系の情報。月例新人賞・「サンデーまんがカレッジ」の3月期審査結果が出ていますので、受賞者・受賞作を紹介しておきます。
今回の受賞者さんたちのキャリアは以下の通りです。(名前で調査してますので、同姓同名の別人の可能性が僅かながらに残っています) ◎佳作の大塚志郎さん…02年6月の「ビッグコミックスピリッツ・増刊新憎」で読み切り発表。また、02年10月にはNHK教育の「真剣10代しゃべり場」に出演。
今回の「まんカレ」、「総評」では編集者代表と思しき方による「まんがのドラマはキャラクターが全て。設定や事件の目新しさに読者は感情移入してくれません」と豪快な決め打ちが。まぁ確かにキャラ立ちしてないストーリーの大半は駄作ですが、“全て”はさすがに言い過ぎじゃないかと思ったり思わなかったり。 ☆「週刊少年サンデー」2003年25号☆ ◎新連載第3回『売ったれ ダイキチ!』(作:若桑一人/画:武村勇治)【第1回掲載時の評価:A−】 短期集中連載時からのリニューアルが功を奏し、上々のスタートを切った…と、第1回のレビューで申し上げたんですが、第2回と第3回に関して言えば、最初に比べて若干パワーダウンしてしまったと言わざるを得ません。 こういう話は、途中に主人公が悪戦苦闘すればするほどクライマックスが盛り上がり、更にはリアル感が出て来るものなのですが、20ページ前後のボリュームでは、かなりご都合主義的に主人公が成功してしまわないとページ的に間に合わないんですよね。つまり、規定のページで収まるように上手く構成すればするほど、ストーリー展開が不味くなってしまうというジレンマが出て来てしまうわけです。 ただし評価は、近い内に数話完結型に移行するであろう事を考慮して、ほぼ据え置きのA−としておきます。ただし、あと5回ほど様子を見て良化の兆しが見えなければ、格下げも検討します。 ◎短期集中連載総括『黒松・ザ・ノーベレスト』(作画:水口尚樹)【第1回掲載時の評価:A−】 短期集中連載は5回目で終了となりました。同じ短期集中でも回数がまちまちなのはどういう事なんでしょうね、しかし。まぁ、水口さんは増刊で連載中なので、最初から1ヶ月限定という予定だったのかも知れませんが。 さて、内容についてですが、やや最終回で失速気味だったものの、なかなかのハイレヴェルを維持したままで5回を乗り切ったのではないかと思います。水口さん独特の“間”の良さに加えて、主要キャラクターがキチンと立っていたのも成功の決め手でしょう。特にキャラ立ちの点は、これまで短期集中連載された他の作品と比べてもかなりのアドバンテージを持っていると思います。 評価はB+寄りA−で据え置きとします。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週の巻末コメントのテーマは「初めてファンレターを貰った時の感想」。もはや手の施しようの無い(笑)久米田さんを除いては、皆さんボケる事も無く素直なお答え。 ◎『MÄR(メル)』(作画:安西信行)【現時点での評価:B/雑感】 ◎『ワイルドライフ』(作画:藤崎聖人)【現時点での評価:B/雑感】 瀬能のセリフが象徴するように、上手くツッコミ所を笑い所に変えるようになって来ましたね、この作品。まぁある意味、読者がいちいちツッコミを入れる気力も失せて来たという事もありますが(笑)。 ◎『KATSU!』(作画:あだち充)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 香月の親父さんがジム生に課したハードルがどれ位厳しいか、ちょっと検証。 これに比べたら、インターハイ優勝というのは確かに大分簡単と言えそうですね。このマンガの世界じゃなければ…の話ですが(笑)。 ……というわけで、最後はマンガ時評なのかボクシング関連講義なのか判らなくなってしまいましたが、これも社会学講座らしいってことでご容赦を。ではでは。 |
2003年第22回講義 |
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今週前半分のゼミをお送りします。最近「現代マンガ時評」ばっかりだな…とご不満をお持ちの受講生さん、申し訳ありません(苦笑)。 では、今日も情報系の話題から。今週は「週刊少年ジャンプ」系の月例新人賞・「天下一漫画賞」3月期の審査結果が発表されましたので、受賞者・受賞作を紹介しておきましょう。
今回最終候補以上に残った皆さんの、過去の受賞歴等は以下の通りです。 ◎最終候補の黒岩基司さん…02年5月期「天下一」で最終候補、02年度「ストーリーキング」ネーム部門で最終候補 ──最終候補の壁をなかなか越えられない人たちがいる一方で、初受賞でいきなり数年ぶりの準入選という17歳も……。今回の「天下一」は、まさに実力社会を象徴したものとなりました。 そして既報通り、「天下一漫画賞」は03年3月期をもって廃止され、それに代わって「ジャンプ十二傑新人漫画賞」が新設されました。「毎月必ず1名デビュー」という破格の“特典”の影響は大きく、既に締め切られた4月期には「手塚賞」に匹敵する数の応募作品が寄せられたとかどうとか。 そして今日は情報をもう1つ。次号の読み切りについてです。 ☆「週刊少年ジャンプ」2003年25号☆ ◎読み切り『World4u_』(作画:江尻立真) 今週号も読み切りは“新人・若手枠”。今回は実に4年ぶりの作品発表となる、現在は尾田栄一郎さんのアシスタントも務めている江尻立真さんの登場です。 ──では本題へ。 まず目に付くのが絵の綺麗さですね。キャラ絵は勿論、背景までも細かく、それでいて過剰にならない程度にキッチリ描き込まれていて、非常に好感が持てます。デフォルメ等のマンガ的表現も問題なく出来ていますし、「ジャンプ」系の新人・若手作家さんの中では間違いなくトップクラスの画力と言えるでしょう。 ストーリーは、かつての「ジャンプ」長期連載作・『アウターゾーン』(作画:光原伸)を思わせる、日常を舞台にしたショート・ホラー物。冒頭・中間・ラストで語り部が登場する辺りからはTVの「世にも奇妙な物語」の影響も強く感じますね。 評価は非常に迷ったんですが、A−寄りB+に留めたいと思います。地力そのものは既に連載作家さんのそれだと思いますので、次回作に期待しましょう。 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ ◎『プリティフェイス』(作画:叶恭弘)【現時点での評価:B+/雑感】 連載1周年巻頭カラーでお祝いムード……と思いきや、急展開&人気投票の結果発表が単行本回しという事で、一部では「次期打ち切り確定」などと囁かれる羽目に……。いや、実際のところは判らないんですが。 ◎『Mr.FULLSWING』(作画:鈴木信也)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 ところで、最近のこの作品はストーリー的にも大分骨太になって来た感がありますね。次に採り上げる時までこのテンションが持続していればB+への格上げも検討したいと思います。 ◇駒木博士の読書メモ(5月第4週前半)◇ ◎『覇王〜Mahjong King's Fighters〜』(作画:木村シュウジ/『近代麻雀』連載中) 今回は、近頃一部で大いに話題を振りまいた作品を紹介します。
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2003年第21回講義 |
久々の週内ゼミ後半実施となりました(ギリギリですけど)。そして今週は、これも久々にレビュー対象作ゼロという事に。講義する方としては楽なんですが、やっぱり拍子抜けすると言うか何と言うか……。 今週は特に情報もありませんので、早速講義の本題へと移りたいと思います。まずは「サンデー」のチェックポイントからお送りしましょう。 ☆「週刊少年サンデー」2003年24号☆ ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻頭の注目はミニモ……もとい、『金色のガッシュ(ベル)!』カードゲーム。何と言いますか、「そこに目をつけたか!」…と言いたくなってしまいますね(笑)。目指すはやはり、億単位のカードを売り尽くした「ジャンプ」の某作品でしょうか。 ◎『焼きたて!! ジャぱん』(作画:橋口たかし)【現時点での評価:B/雑感】 ◎『いでじゅう!』(作画:モリタイシ)【現時点での評価:A−/雑感】 この作品の皮村と林田のやりとりって、ティーンエイジャー男子の行動を結構リアルに表現してて、思わず微苦笑しちゃうんですよね。 ◎『かってに改蔵』(作画:久米田康治)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 以前の『神聖モテモテ王国』(作画:ながいけん)を思わせるような、投稿コーナー新設。当面の打ち切り回避を祝していいのやら、『うわ、縁起悪りぃ』と引くべきなのやら、分かりませんな(笑)。 ◎『天使な小生意気』(作画:西森博之)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 今回の格闘シーン&決めゼリフ、カッコいいなぁ。
◇駒木博士の読書メモ(5月第3週後半)◇ ……というわけで、今週は久しぶりに「読書メモ」の実施。今回のターゲットは、皆さんにレビューをお待たせしていたこの作品です。 ◎『魔法先生ネギま!』(作画:赤松健/「週刊少年マガジン」連載中)【現在まで評価未了/レビュー】 もう特別な説明は不要でしょう。『ラブひな』で一世を風靡した赤松健さんが新たに立ち上げた連載作・『魔法先生ネギま!』が当ゼミに登場です。 さて、この作品、赤松さんのウェブ日記によりますと、第1回から『ラブひな』を上回るアンケート結果をマークし続け、既に1年先まで見据えた構想を検討中との事。 ですが、まぁそれも内容を読めば理解出来ます。作者の赤松さんには多少失礼かも知れませんが、この作品は(前作・『ラブひな』と同じように)“名作”になる事を一番初めの段階から放棄されている代わり、全てのパワーが、“人気作”になるような方向性で注ぎ込まれているのです。具体的に言えば、複雑で起伏に富んだストーリーや先の読めない展開で読者を引き込むのではなく、読者の最大公約数的な意見を正確に掴んだエンターテインメント(ベタベタのラブコメ、萌えキャラ、ライトなお色気など)を提供する事だけに徹した作品…という事ですね。 普通、メガヒット作品を世に出した作家さんは、その成功に溺れて客観的な判断力を欠くようになってしまいます。その後に新作を描くにしても、そのメガヒット作で成功したと思われる部分を抽出し、記号化し、それを再構成する事しか出来なくなるのです。簡単に言うと、キャラクターの名前と舞台設定をマイナーチェンジさせただけの焼き直しした作品しか描かなくなり、しかもそれが正解だと信じて疑わなくなるわけです。それが読者の目にはどう考えても不正解に映る駄作だったとしても…です。 で、そういう意味で言えば、赤松健さんはそのような「2度のヒット作を生み出せる天才」の典型例という事になると思います。決して自分の過去の成功に溺れず極めて冷静な自己&現状分析を行う事が出来、その上、他のヒット作からも参考になる部分はどんどん取り入れていこうという謙虚な姿勢も窺えます。これは地味ながら間違いなく天賦の才と言えるものでしょう。 ……とはいえ、今回の作品そのものの評価は、先に挙げた理由からB+止まりです。これは当ゼミの評価基準からも譲れないところですので、もうどうしようもありません。ただし、“究極のB+評価”と言うべきものであると思います。 ──今週の講義は以上です。やっと1つ課題をクリア出来ました(笑)。次週も出来れば週内実施できればいいですね。ではでは。 |
2003年第19回講義 |
日付だけなら中4日も開いてしまったんですが、振替講義の加減で実質はあまり休めてません(苦笑)。キツいです、正直。 いや〜、先週の講義は疲れました(笑)。結局、全作品を真面目にレビューしたのと同じ形になっちゃいましたしねぇ。今日はレビュー1本とチェックポイントなんですが、「あれ? レビュー1本だけで良いんだ」…みたいな感覚ですよ(笑)。 しかし、「赤マル」やら本誌の読み切りやらのラインナップを振り返りますと、「ジャンプ」ってやっぱり新人・若手の層が分厚いですよねぇ。人材不足なのは「連載作家」であって、「作家」は溢れるほどスタンバイしているのがよく判ります。 そして今日はニュースをもう1本。「ジャンプ」の至る所をよく観察してらっしゃるような受講生さんはお気づきでしょうが、「ジャンプ」のオフィシャルな発売日が毎週月曜日に切り替わったようです。 ☆「週刊少年ジャンプ」2003年24号☆ ◎読み切り『GRAND SLAM』(作画:杉本洋平) 今週の読み切りは、本誌デビューとなる若手作家・杉本洋平さんの登場です。 ……では、まず絵からレビューしてゆきますが、恐らくはほとんどの方がパッと見の絵柄に「?」マークをつけたと思います。勿論、画風という部分も影響しているのでしょうが、それよりも基礎的な技術のいくつかが習得出来ていないような気がしてなりません。 次はストーリー・設定について。 しかし、そんな方たちには失礼ながら、この作品には、肝心の演出面に“キズ”があります。既に出揃った感のあるネット界隈の評判では、“賛否両論おしなべて不評”だったのも、ひょっとするとその辺が理由かも知れません。 まず、主人公の行動に一貫性がやや欠けている事が1点目です。 2点目。これはひょっとすると駒木だけなのかも知れないので遠慮がちに言いますが、最後の勝負で打った球がフォークボールっていうのは、どうかと思いませんか? 喩えでまとめてみますと、非常に活きの良い魚を仕入れて来て、そのまま刺身で出せば美味いものを、下手に火を通して失敗した…みたいな作品という事になりますか。素材は良かっただけに残念です。
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ ◎『テニスの王子様』(作画:許斐剛)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 ここまでやるなら、「11人いる!」までやらなくちゃ(笑)。この辺り、まだ許斐さん自身は「一応リアル路線だから」とか思ってるのかも知れませんね(ホントか?)。 ◎『アイシールド21』(作:稲垣理一郎/画:村田雄介)【現時点での評価:A/雑感】 なんつーか、本当に芸が細かいですなぁ。 ◎『ROOKIES』(作画:森田まさのり)【開講前に連載開始のため評価未了/解説等】 今週の展開は、ストーリーテリングの観点から見ると、とんでもない大冒険に踏み出したと言える凄いものです。完全に予定調和を排し、試合の勝敗も含めて混沌とさせてしまいました。 |
2003年第19回講義 |
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駒木です。またも珠美ちゃん抜きで申し訳ありません。 さて、それでは早速出馬表と予想印をご覧下さい。
久々に駒木と珠美ちゃんで印が割れました。今回は競馬専門紙でも各トラックマンで印がバラバラになっていますから仕方ないですよね。 しかし、番組編成上の問題で仕方ありませんが、G1なのにメンバーの大半が重賞未勝利というのはどうにかしてもらいたいものです。特に今年はクラシックでも通用するような大器が不在で、ただでさえ小粒なメンツが揃いがちのNHKマイルCがさらに“小粒揃い”になってしまいました。 ステップレース別のレヴェルですが、これも今回は横一線でしょう。ややアーリントンCのレヴェルが低いかな…程度で、クラシック組はオール2桁着順、毎日杯組もスローペースのレースとあっては参考にもなりません。この点も、予想を難しくしているポイントであるような気がします。 展開は逃げ馬3頭に先行馬が2〜3頭ですから、ハイペース必至の流れとなるでしょう。元々が差し・追込有利のデータとなっているこのNHKマイルC、今回も逃げ・先行馬には受難のレースとなりそうです。 では、今日も駆け足で18頭にコメントをつけていきましょう。 1番・ニシノシタン。3つのステップレースを皆勤しながらも、なかなか頭に突き抜けられません。ただ、前走は中山芝1600の外枠という悪条件が響いていますし、2走前に見せた差し戦法が成功すれば一発あるかも知れません。 ……というわけで、コメントが出揃いました。以下、フォーカスをお披露目して、講義を締め括りましょう。 駒木は8、3、2の馬連BOXと久々の3連複。 では、皆さんの健闘ををお祈りします。
※駒木ハヤトの“敗戦の弁” ※栗藤珠美の“反省文” |
2003年第18回講義 |
さて、中3日開けて再びゼミのお時間です。 ……ということで、今週のゼミは、「ジャンプ」と「サンデー」の合併号休みを利用した、恒例の「赤マルジャンプ」全作品レビューをお送りします。 ──では、早速全作品レビューをお届けしたいと思います。ただし、いつもみたいに詳細なレビューをやっていると時間と身が保ちませんので、どちらかと言えば「チェックポイント」の論調に近いようなスタイルで講義を進めて行こうと思いますので、どうか何卒。 ◆「赤マルジャンプ」03年春号レビュー◆ ◎読み切り『沙良羅』(作画:やまもとかずや) 巻頭カラーは、もはや「赤マル」名物となった“打ち切り作家枠”。今回は初連載作(そして初突き抜け作)『I'm
A Faker!』以来、約1年半ぶりの新作発表となる、やまもとかずやさんの登場です。 『I'm A
Faker!』の連載時はやや粗いと思われた絵柄が大分アカ抜けて来たのがまず目に付きます。アクションシーンや“異形の者”の描写もキッチリなされていて、ブランクがダテでなかった事を匂わせます。 ◎読み切り『バクハツHAWK !!』(作画:天野明) 天野明さんは2001〜02年まで「週刊ヤングマガジン」と系列雑誌で活動していた作家さんで、短期ながら2本の連載(『ぷちぷちラヴィ』、『MONKEY☆BUSINESS』)も経験しています。 絵に関しては、さすが元・連載作家、全く問題ありません。無駄な線を排除できているあたりにキャリアを感じさせます。ただ、少年誌向けのペンタッチを意識するあまり、“古臭い少年マンガ風”になってしまった気もしますが……。 ◎読み切り『少年青春卓球漫画ぷーやん。』(作画:霧木凡ケン) 3本目は「ジャンプ」の誇る(?)永遠の若手作家こと、霧木凡ケンさんの登場です。 絵柄は個性的ながら、一定以上の技量を窺わせるものと言えるでしょう。ただし動的表現に問題点があり、全体的に変な“間”が生じてしまうのが、やや気になるところです。(これも霧木さんファンにはたまらない点なのでしょうが)
さて、ここからはキャリアの浅い新人作家さんがしばらく続きます。 で、この作品を読んだ率直な感想は、「この作者、化けた!」…というところでしょうか。いつもながら分かり難い喩えで言いますと、フットボールアワーが第2回のM−1でブレイクしたような感じです。
続いてはこの作品がデビュー作となる梅尾光加さんの登場です。 絵は“新人さんの習作原稿にしては”という但し書きを付ければですが、十分に合格点だと思います。見た目で違和感を感じる場面はほとんど見られませんでしたし、背景や擬音効果の力量もなかなかのものです。ただ、ややタッチが独特すぎて好き嫌いが分かれそうな絵柄であることと、キャラの顔の描き分け(特に若い男の)が甘い部分が今後の課題となるでしょうね。 ◎読み切り『あかねの纏』(作画:落合沙戸) 続いては、先程の梅尾さんと同じく、02年下期の「手塚賞」で佳作を受賞し、今回デビューを果たした落合沙戸さんの作品です。ただし、落合さんの場合はこのデビュー作は受賞作ではなく、受賞後第一作という事になります。 絵は一言で言えば達者ですね。今回の「赤マル」は絵が上手い人が多くて表現に困ります(苦笑)。
こちらも今号デビューの作家さん、後藤真さんです。 絵は「天下一」で“画力◎”を獲得しただけあって、年齢・キャリアを感じさせない緻密な描き込みが特徴的です。ただ、マンガ的な表現や構図、背景と人物のバランスなどで不慣れな点がまだ見られます。描き込む線の取捨選択が出来るようになれば、連載作家さんたちと遜色ないレヴェルまで行けるのではないかと思います。 ◎読み切り『詭道の人』(作画:内水融) さて、残るは5作品。どんどん進めていきましょう。 この人も絵に関しては大丈夫そうですね。どうやら以前は「画力に難アリ」との評判だったそうなんですが、2年間の修行の成果が出ているという事になりますね。老人に化けた夷吾の体が、「肌まで老人」と言うには若々し過ぎた…という問題点もありますが、ギリギリでご愛嬌の範疇でしょうか。 中山さんは99年に弱冠15(6?)歳で「手塚賞」最終候補に残った後、01年に実施されたスカウトキャラバンで“スカウト”され、「赤マル」02年春号でデビュー。今回は1年ぶり2度目の作品掲載となります。 まず絵に関しては、画力云々という以前に、極めて完成度の高い少年誌向けの絵柄に仕上がっています。写真をトレースして背景を描く…というような緻密さは見られませんが、それも含めて極めて好感度の高いタッチだと言えそうですね。今回のヒロインはいわゆる萌え要素も高そうですし。
今号2本目のギャグ作品の登場です。作者の風間克弥さんは、02年9月の「天下一漫画賞」で最終候補に残って“新人予備軍”の仲間入りを果たした後、今回で晴れてデビューとなりました。 絵はまだ粗さと素人臭さが目立ちますが、ギャグ作品ですから、それほど目くじらを立てるものでもないでしょう。これでリアルな絵柄とのコントラストが出来るようになればギャグ表現に広がりが出て来るのでしょうが、まぁデビュー作からそれを求めるのは酷でしょうから、今後の課題という事にしておきましょう。
「月刊少年ガンガン」出身という、「ジャンプ」では異色の経歴を持つ瀬戸蔵造さんの、1年ぶりとなる「ジャンプ」2作目の登場です。今回も前作・『monochro stroke』に引き続いて卓球を題材にした作品となりました。「ガンガン」時代は野球マンガを描いていたそうなので、卓球に固執しているわけではなさそうですが……? まず残念なのが絵でした。全体的に線やデッサンが粗く、どうしても雑っぽい印象を抱かせてしまいます。特に動的な表現を狙った場面がことごとく止め絵のようになってしまうのはいただけません。何よりも、この1年で目立った画力の向上が見られない事が一番の懸念材料でしょう。現状に満足するにはまだ早過ぎると思いますが。
今回の「赤マル」のトリを務めるのは、これがデビュー作となる中島諭宇樹さん。現在『アイシールド21』の村田雄介さんの下でアシスタント修行をしているみたいですね。(『アイシル』2巻の巻末スタッフ紹介に名前あり) 今回、この作品を一読して抱いた感想は、 ※総評…今回は大豊作と言って良いでしょう。即連載級の作品が2つ3つ見られましたし、ゆくゆくは連載作家を目指していけそうな有力新人も複数いる事が確認できました。 ……というわけで、実質3日がかりの講義、いかがでしたでしょうか?(苦笑)。多分夏号以降は、レビューをするにしても前後半に分けたいと思います(笑)。 次週からはレギュラー通りの構成に戻ります。そちらもどうぞお楽しみに。ではでは。 |
2003年第17回講義 |
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またも週をまたいだゼミ後半の実施となってしまいました。毎週のように冒頭で陳謝してる有様で情けないのですが、今回は例の臨時講義がありましたので、どうかご理解を頂きたいと思います。 ──というわけで今回は、先週発売の「週刊少年サンデー」を中心とした講義という事で、宜しくお願いします。 では、例によって初めは情報系の話題から。まずはこの度新設された、応募者30歳未満限定のマンガ原作者新人賞・「サンデー原作・原案ドリームステージ」の審査結果からお伝えしておきましょう。
若年層を対象にした新人賞とはいえ、受賞者は20代後半がズラリと並びました。さすがに原作者新人賞ともなれば、やはり小説家と同様に学校を出て、ある程度の社会経験を積んだ人でないと“味”が出ないんでしょうか。 さて、今日はもう1つ、駒木がネット閲覧中にふとした事から入手した情報を紹介します。 その情報とは、昨年まで約1年間本誌で連載されていた『トガリ』で「サンデー」読者にはお馴染みの夏目義徳さんの動向について。
☆「週刊少年サンデー」2003年22・23合併号☆ ◎新連載『売ったれダイキチ!』(作:若桑一人/画:武村勇治) (短期集中連載を除けば)「サンデー」では久々の長期連載が今週から始まりました。『MÄR』以来ですから、ほぼ4ヶ月ぶりになりますか。 ……では、本題へ。 絵については全く問題無いでしょう。むしろ以前に比べて絵柄が少年誌っぽくなり、より好感の持てる絵柄になっています。特に良い味が出ているのがデフォルメ表現で、派手ながら嫌味の少ない描写になっているのが素晴らしいと思います。 そしてストーリーと設定についてですが、こちらもとりあえずは合格点を出せる仕上がりになっているのではないでしょうか。 1.作品で紹介される薀蓄に説得力があるか。 ……これらのどれが欠けていても、作品の魅力は激減し、ただ単に作者が読者に知識をひけらかしているだけのイヤミな作品になってしまいます。 また、目立たない所ですが、コマ割り等の構成力も相当なものです。今回は60ページ以上もあったのですが、冗長さを感じさせませんでした。このポイントについても高い評価をしなければいけないでしょう。 というわけで、今回の時点での暫定評価はA寄りA−。シナリオのオリジナリティ等で少し減点しましたが、なかなかの好発進です。ただ、真価が問われるのはこれ以降ですので、今しばらく注視しておきたいと思います。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントは「泣ける映画」について。思ったより皆さんベタですねー。さすがにマンガ家始めてからはマイナー映画とか観る時間が作れないんでしょうか。 あと、今週号は『MAJOR』でも『ふぁいとの暁』でも、身を賭して監督に逆らう主人公のライバルが描かれてましたが、ネット上で「『MAJOR』ではここまで3年かけたのに、『ふぁいとの暁』ではいともあっさり……」みたいな発言があったのには思わず吹き出しました(笑)。 ◎『ワイルドライフ』(作画:藤崎聖人)【現時点での評価:B/雑感】 いつの間にやら、すっかり中堅位置に固定されたようで。しばらくは安泰みたいですね。確かに読み易い雑誌向けの作品になっていると思いますが。 ◎『MÄR(メル)』(作画:安西信行)【現時点での評価:B/雑感】 ◎『からくりサーカス』(作画:藤田和日郎)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 ……というわけで、このゼミも次回へ続く…と。 |
2003年第16回講義 |
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今週はいつにも増して時間が押していますので、簡易版でお送りしたいと思います。
少なくともここ10年では最低レヴェルの寂しい天皇賞となってしまいました。例年は本命ムードが匂うレースではあるのですが、こういう混戦ムードの時には結構荒れたりする事もあるので、注意が必要です。 ステップレースの中では、阪神大賞典がややハイレヴェルで、それに大阪杯組が続くといったところでしょうか。日経賞組はややメンバー的に物足りません。 展開は、純然たる逃げ馬不在の上に差し・追込の馬がやたらと多く、奇襲の逃げ戦法やアクシデントが無い限りはラスト1000mまでは超スローペースで推移するのでは…と思います。その後は早仕掛け気味に捲っていく馬に瞬発力勝負に賭ける差し馬が急襲する形になるのではないでしょうか。 さて、後は簡単に講釈を垂れて早々に講義を締めたいと思います。 駒木の本命はダイタクバートラムとしました。単勝前売り2.0倍で、勿論1番人気。ここまで買われるとは思いませんでしたが、確かに好走する可能性は一番高い馬です。父・ダンスインザダーク譲りの瞬発力が炸裂することを期待しましょう。 フォーカスは馬連BOXで12、16、7の3点に、元返しの押さえで枠連2-6を追加します。 なお、珠美ちゃんは馬連3-12、12-16、3-16、7-12、4-12、5-12の6点です。 それでは簡単ながら講義を終わります。皆さんの幸運をお祈り申し上げます。
※駒木ハヤトの“敗戦の弁” ※栗藤珠美の“反省文” |
臨時講義(番外) |
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まず始めにお断りです。 ……さて、早速本題です。 昨日付のゼミ・「現代マンガ時評」でもお届けしましたように、「週刊少年ジャンプ」連載の人気作品・『ヒカルの碁』が、今週発売の21・22合併号を最後に、突然とも言えるタイミングで連載終了となりました。 しかしながら、今回の最終回が「ジャンプ」的に不可解なものであった事から、ネット界隈では流言とも言うべき噂がいくつか流布されてしまいました。 その中でも代表的なモノが、「『ヒカ碁』は韓国関係者の圧力によって潰された」…などという、口に出したり考えたりするだけで脳味噌が腐りそうな噂です。 第一、現在のアジアにおける囲碁の勢力図は、つい数日前に終了した第2回CSK杯囲碁アジア対抗戦で日本チームが劇的な優勝を飾るまでは、韓国勢の国際棋戦23連勝という状況にありました。韓国は約3年にわたって世界囲碁界で無敵状態だったのです。 勿論、ここで述べた事がこの噂を100%否定する根拠に成り得ない事は駒木にも判っていますが、「噂を鵜呑みにするには危険だぞ」…と思わせる材料くらいにはなるのではないかと思います。それに、元々この噂を100%肯定する根拠が無いのですから、メディアリテラシーの観点からして、こんなもんをハナから信じる方がおかしいわけなんですが。 ……とまぁ、噂の大半はこのように最初から欠陥を抱えた上に、すぐにでもある程度の反証を呈示できるものばかりなのですが、ここに来て1つ、よりタチの悪い話が表に出て来ました。
……読んで頂ければ分かると思いますが、かなり衝撃的なお話ですね。まぁフィクションだったら典型的なソープオペラなんですが、現実の話とすれば非常にアレな感じです。 ただ、駒木はこの記事に関しては初めから懐疑的でした。 そういうわけで「これは怪しいぞ……」と思っていたところ、フリーライターのARMさんが運営する「Office ARM」の日記コンテンツ「ARM(1475)の雑記帳ダッシュ」の5月2日付に、このような記事が書き込まれていました。こちらも該当部分を原文ママで引用します。
ご覧になれば一目瞭然ですが、これは先ほどの二階堂さんの記事を全否定したものです。 こうなれば問題はどちらの記事が信用できるかに掛かっているわけですが、どうですか? 皆さんはどちらの話を信用しますか? ただ、駒木はゴシップが結構好きなクチなんですが、今回の“ネタ”には辟易しています。笑えないゴシップほど醜いものはありません。ゴシップを公にする以上は、せめて「そういう事にしとこう。その方が面白い」という話であって欲しいものです。 このテーマに関しては、詳しい事情が判明すればまた追って講義を実施しますので、どうぞ宜しく。 (この項終わり?)
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2003年第15回講義 |
先週あたりからゼミの実施ペースまで遅れ気味になっており、申し訳ありません。説明し始めるとキリが無いような事情が山ほどあるのですが、ここで不満を言っても仕方が無いので止めておきます。まぁ要は、忙しい上にテンション下がる事ばっかり起こってると認識して下さい(苦笑)。 さて、皆さんもご存知のように、今週の「ジャンプ」では『ヒカルの碁』最終回というビッグサプライズがありましたが、それは「チェックポイント」のコーナーで詳しくお伝えする事にしまして、まずは情報系の話題からお届けしましょう。 最近の「ジャンプ」では、空いた連載枠の穴埋めの意味もあって読み切り攻勢が続いていますが、次号(24号)でも45ページの野球マンガ・『GRAND SLAM』(作画:杉本洋平)が掲載されます。 さて、それでは本日分のレビューとチェックポイントをお届けします。なお、レビュー対象作は読み切りの1作品のみとなります。 ☆「週刊少年ジャンプ」2003年22・23合併号☆ ◎読み切り『dZi:s』(作画:樋口大輔) このところ新人・若手の読み切りばかり載っていた感のある「ジャンプ」ですが、今週は『ホイッスル!』でお馴染みの樋口大輔さんが登場となりました。 さて、それではレビューの本題へと移りましょう。 いつもなら絵とストーリーに分けてお話するわけですが、連載入れ替えの激しいメジャー誌で長期連載を経験した作家さんを捕まえて、今更「絵がどうこう」…などというのも失礼なので、ストーリーと設定面に絞ってレビューしたいと思います。まぁ「絵は悠々と合格点以上」ということで。 で、そのストーリーと設定なのですが、こちらもさすがに長期連載経験者の地力と言うべきか、なかなか芸の細かい演出を要所要所で見せ付けてくれます。この辺りはさすがといったところでしょう。 ただ、残念だったのは、基本的なシナリオの出来がやや物足りなかったところでしょう。勿論、「赤マル」や新人賞レヴェルの作品からすれば一枚も二枚も格の違う完成度だと思うのですが、レヴェルの高かった演出面と主客が転倒してしまったような感が否めませんでした。 最終的な評価ですが、「見所のある作品ではあるが、良作・傑作には及ばず」というところで、A−寄りB+ということにしておきましょう。 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 『NARUTO』と『テニスの王子様』、両方とも分身技が決め手になっているんですが、片方は唸らされて、もう片方は笑わされるのは何故なんでしょう?(笑) ◎『ONE PIECE』(作画:尾田栄一郎)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 この作品、話が追いかけ易くなって見せ場の密度が上がると、クライマックスが近い事がすぐに判るので便利ですね(笑)。 ◎『ヒカルの碁 第2部(北斗杯編)』(作:ほったゆみ/画:小畑健)【現時点での評価:A/連載総括】 一部で噂されていましたが、「ジャンプ」では(第2部だけを見れば)異例の短期での円満終了となりました。 作品全体としては、やや北斗杯編が蛇足になった感もありますが、十分にマンガ史に残る名作の1つとしてカウントされるべきだと思います。同時期の「ジャンプ」作品でも、この作品より人気のある作品はいくつかありますが、作品の質という面では決して見劣りする事は無いと思っています。 |