「社会学講座」アーカイブ

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講義一覧

11/29(第91回) 競馬学特論「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第7戦・ジャパンカップ」
11/28(第90回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(11月第5週分・合同)
11/26(第89回) 
教科教育法(高校地歴)「某私立学校・教員採用試験自戦記(2)」
11/22(第88回) 
競馬学特論「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第6戦・マイルチャンピオンシップ」
11/21(第87回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(11月第4週分・合同)
11/20(第86回) 
教科教育法(高校地歴)「某私立学校・教員採用試験自戦記(1)」
11/15(第85回) 
競馬学特論「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第5戦・エリザベス女王杯」
11/13(第84回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(11月第3週分・合同)
11/6(第83回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(11月第1〜2週分・合同)
11/1(第82回) 
競馬学特論「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第4戦・天皇賞(秋)」

 

2003年第91回講義
11月29日(土) 競馬学特論
「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第7戦・ジャパンカップ」

 今年のジャパンカップは、好メンバー揃いの上に11年ぶりの道悪馬場での開催という事で、前日から何やらキナ臭い空気が漂っていますね。中山競馬場近辺のピンポイント天気予報によると、30日も朝から雨模様という事で、恐らくは不良馬場のままでしょう。果たしてこの条件がレースにどのような影響を与えるか、この辺りが予想のカギになって来そうですね。
 ちなみに、我々の予想も不良馬場対応で行っています。もっとも、そんなの関係ないってメンバーも1人か2人いるみたいですが(笑)。

第7戦・ジャパンカップ(東京2400芝)
馬  名
(外国調教馬は赤字)
騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

      タップダンスシチー 佐藤哲
あっと言わせた有馬記念から早くも1年弱。既にG1主役級の風格を身に付け、今回も単騎逃げで真っ向勝負を挑む。ただし、本質的に道悪は苦手なタイプで不良馬場は大誤算。
      デノン ナカタニ
米G1を4勝も、近況はやや失速気味。3ヶ月の調整休養で再起を期すも、果たして首尾は? 地力そのものは通用して良い器だが……。

 

×     サクラプレジデント 武豊

春クラシックの主役の一角も、すっかりミソをつけた感。ただし前走は実力負けでないし、度外視できるのも確か。今回は2400の距離と道悪馬場が課題。

 

    フィールズオブオマー キング

久々のオセアニア勢参戦。意気込みは認めるものの、輸送条件の悪さを乗り越えるだけの地力があるかどうかは疑問で。

シンボリクリスエス ペリエ

日本調教馬の大将格が昨年の雪辱誓い、堂々参戦。実力最右翼は誰もが認めるところで、仕上がりも絶好。残る懸念は実質初めての道悪競馬のみ。

        アナマリー ルメール
エリザベス女王杯では日本競馬に全く対応できず。道悪で多少スピードは緩むだろうが、相手も格段に強くなり苦戦は確実。
      × ツルマルボーイ 横山典

追込一辺倒とは思えぬ安定した戦績で、ターフを沸かす有力馬。だが、不良馬場は切れ味勝負の馬にとっては致命傷。

    ネオユニヴァース デム

クラシック二冠馬の隠れた一面は稀代の道悪巧者。条件的には前走よりも格段に上で、実力的にはギリギリ互角ながら、宝塚記念のリベンジまであり得る。

×     アンジュガブリエル ジャルネ

下馬評では「道悪苦手な欧米勢のナンバー3」だが、戦績を見れば日本の芝馬場なら不良でもこなせそう。先行粘り込みで他の上位馬との差をどれだけ詰められるかがカギ。

  10 ザッツザプレンティ 安藤勝

底力勝負でもぎとった菊花賞。得意の道悪馬場は更なる飛躍のチャンスに。将来の力関係を占う意味でも一応の試金石になりそうな一戦だ。

        11 アクティブバイオ 武幸

アルゼンチン共和国杯からの定番“格下馬挑戦コース”。道悪は得意だが、メンバー的にそれ以前の問題になりそう。

        12 ダービーレグノ

夏のローカル重賞を道悪で1着、2着と健闘。ただ、今回は相手が違いすぎる。

× 13 ジョハー ソリス

コタシャーン以来のブリーダーズCターフ馬参戦。地力は外国勢随一の評判も、調整過程の大誤算と未知数の道悪適性で評価微妙に。

×   ×   14 イズリントン ファロン

牝馬にして欧州勢のトップを張る男勝りの女傑。ジャパンカップに合わせたローテーションも好感だが、超一流牡馬との兼ね合いや多頭数競馬にやや懸念材料を残す。

        15 スルーヴァレイ シャヴェス

他の外国調教馬に比べ、全てのファクターでやや劣る感。余程のアクシデントが無い限りは出番は来なさそう。

    × × 16 サラファン エスピノーザ
昨年のこのレースで波乱の立役者に。ハナ差惜敗のリベンジ目指して2年連続参戦も、昨年と条件違い、実績を過信は出来ず。

 

      17 タイガーテイル ジレ

エリザベス女王杯3着は率直に言って実力以上の大健闘。デキ落ちは無さそうだが、相手関係は非常に厳しい。

 

      18 サンライズペガサス 柴田善

1年の休養明けで0.7秒差の前走は健闘の部類。調教をキッチリ積めているのも好材料だが、再度の本格化はまだ先になりそう。道悪も大きなマイナス。


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 天皇賞の展開をブチ壊した2頭の姿は無く、替わって参戦のタップダンスシチーが単騎で逃げそう。道悪馬場にノメるなどのアクシデントがあればアンジュガブリエルが代役か。ペースは速くはならないだろうが、後続に脚を使わせるためにもスローまでには落としたくないところ。
 有力馬は比較的後ろでレースを進める馬が多いものの、各自手の内が分からない不確定要素の多いレースだけに、展開はかなり流動的になるかも。特に道悪を意識せざるを得ないシチュエーションである以上、いつもより早め早めのケイバをしたい馬も出て来るだろう。
 ただ、結局は不良馬場に負けなかった馬同士が直線で叩き合う底力勝負になりそうな予感。ジョハーら追込馬は、競り合いで疲れた馬をターゲットにゴール前急襲を狙う格好。
 レース全体の傾向からすれば、道中で好位〜中位あたりをキープしていた馬の勝率が高い。追い込みも届くには届くが、余程の実力馬でない限りは直線入口時点でのビハインドが堪えるようだ。また、2番手からの押し切りは比較的多いが、純然たる逃げとなると活躍例は極端に減る。最後の逃げ馬による連対は、なんと1984年。そう、かのカツラギエースが炸裂させた乾坤一擲の大逃げまで遡らなくてはならない。ジャパンカップはアクシデンタルな展開でペースが上がりやすい上、終始目標にされる不利が大きいのだろう。

●駒木ハヤトの「逆張り推奨フォーカス」●
《本命:シンボリクリスエス》
 

 このレース史上最悪の馬場状態の中で行われる今年のジャパンカップ。当然、道悪適性が有力馬の取捨選択における最重要ファクターになってくるだろう。ここまで条件が変わってしまえば、これまでの実績はまるで役に立たないと言っても言い過ぎでは無いほど(まぁ明らかに地力不足の馬は地力不足のままだろうが)。
 日本の有力馬で不良馬場が得意なのは、ネオユニヴァースとザッツザプレンティ。逆に苦手なのはツルマルボーイ、タップダンスシチー、サクラプレジデント。タップダンスは少しの渋化なら我慢できるだろうが、ここまで悪化したらさすがにノメってしまうだろう。シンボリクリスエスは本格化前に府中の不良馬場を体験していてクビ差2着。前後の戦績から考えると「得意ではないがこなす」程度だろうが、かつてのタイキシャトルがそうであったように、実力の図抜けた馬ならばその程度で十分だろう。
 一方、難しいのが外国馬。これまでの常識なら「外国馬=力馬=道悪得意」と考えるのが普通だったが、今回のメンツを見ると、どうも出走馬選択に際し、良馬場・高速馬場の適性を意識しすぎているような気がしてならない。なので、少なくとも今年に限ってはマイナス要因にはなっても逆は無いような気がするがどうか。特にアメリカ勢には直線の坂も加わって、かなりヘヴィーな負担がかかりそうだ。

 馬券的には地力抜群で不良馬場にも対応できるシンボリクリスエスを全面的に信用し、道悪得意の日本勢から3歳2頭を当面の相手に指名する。宝塚記念の結果からすると抜擢し過ぎの感もあるが、そこは外国の有力馬をヒモとして押さえて憂いを断つ。これで外れたら仕方ないよ、うん。

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 2.1
馬連 5-8 100円 6.9
  5-10 100円 15.2
  8-10 100円 35.2
  5-9 100円 12.4
  5-13 100円 15.1
  5-14 100円 21.1
馬単 5→8 100円 9.3
  5→10 100円 19.8
三連複 5-8-10 100円 20.0


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:シンボリクリスエス》

 先ほど、駒木博士の本命馬と対抗馬を聞かされて、ちょっと眩暈がしている栗藤珠美です(苦笑)。
 でも、外国馬トップのジョハーが調整過程で頓挫してしまった以上、本命は日本のトップ・シンボリクリスエス以外に考えられませんものね。展開も融通の利く馬ですし、逆らえません。これでこの馬が原因不明の凡走をしたら、それは駒木博士のせいということで(笑)。
 2番手候補なんですが、不良馬場と私なりの展開予想から先行馬有利と見て、比較的前の方でレースを進める実績馬を優先して指名してみました。

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 2.1
馬連 5-8 100円 6.9
  5-13 100円 15.1
  8-13 100円 55.8
  1-5 100円 9.7
  5-9 100円 12.4
  3-5 100円 29.0
馬単 5→8 100円 9.3
  5→13 100円 20.9
三連複 5-8-13 100円 27.4


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:デノン》

 外国馬が大量に混じってて何が何だか分からないメンバー構成ですけど、わたしはいつも通り穴狙いで行きます。
 本命は、外国馬で人気の盲点になっている感のあるデノンから。デキ落ちで休養に入ってたらしいですけど、逆に言えば全然疲れの無いリフレッシュした状態から出走するわけで、仕上がってさえいれば休養はプラス材料だと思ってます。
 で、○印以下はちょっとだけ日和らせてもらいました(苦笑)。そろそろ的中させておかないとマグレで優勝したみたいに思われちゃいますからねー。わたしなりに手堅くってところです……って、あれ? 万馬券ばっかりですね(苦笑)。私の感覚ってヘンなのかな?

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 19.9
馬連 2-10 100円 140
  2-13 100円 108
  10-13 100円 125
  2-5 100円 24.1
  2-14 100円 156
  2-16 100円 273
馬単 2→10 100円 307
  2→13 100円 267
三連複 2-10-13 100円 821

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:フィールズオブオマー》

 もう、ジャパンカップの本命馬は先週から決めてました! ここは当然、「オージー! オージー!」です(笑)。競馬についてあんまりよく知らないワタシでもコックスプレートってレースの名前は聞いたコトありますし、そのレースを勝ったんですから、きっと強いんでしょう。よく知りませんけど(苦笑)。でも、オーストラリア代表に恥じないレースをしてくれると思います! 頑張れ、フィールズオブオマー! 

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 6.4
馬連 4-5 100円 56.1
  4-13 100円 276
  5-13 100円 15.1
  4-10 100円 393
  4-16 100円 630
  4-7 100円 193
馬単 4→5 100円 155
  4→13 100円 814
三連複 4-5-13 100円 232

 今回も印が散らばり気味になりました。駒木の予想を乗るも良し、逆張りするも良し、それはお任せする事にします(笑)。とにかく、良いレースを期待しましょう。


ジャパンカップ 成績

      1着 タップダンスシチー
  2着 10 ザッツザプレンティ
3着 シンボリクリスエス
    4着 ネオユニヴァース
        5着 11 アクティブバイオ

単勝1 1380円/馬連1-10 7020円/馬単1-10 15660円/三連複1-5-10 4210円

 ※駒木ハヤトの“敗戦の弁”(不的中)
 勝ち馬の遥か後方で、馬連、三連複をバッチリ決めていた駒木です(苦笑)。これで後検量違反で1着失格とかだったら、当たったはいいけど大顰蹙だったろうなぁ。
 まぁ今回の大逃げ劇については色々言われてるけれども、19年前のカツラギエースをリスペクトして絶妙の大逃げを打った佐藤哲三騎手の度胸に脱帽するしかないだろうね。前半の1000mで巧みにペースを揺さぶって他馬を翻弄したかと思えば、ラスト1000〜800mでペースを落として息を整えて磐石の構え。素晴らしい。多分、佐藤哲三騎手にとって生涯最高の騎乗だったんじゃないだろうか。日頃から競輪で1点ン十万ぶち込むのも、こういう時のための度胸育成だったのかも(笑)。
 ただ、いくら馬場の良い所を通ったからと言って、道悪こなせるシンボリクリスエスですら凡走するような状態で、道悪下手なはずのこの馬がスイスイと走れるのはどういう事なんだろう(苦笑)。ひょっとしたら、以前の道悪下手はメンタル的な問題だったのかもなぁ。でも、お願いだから、今後は「良馬場だったら買ってたのに」ってタイミングで激走するのはご遠慮願います(笑)。まぁ今後は道悪でも関係なく買うけどさ。
 後続の敗因については、やっぱり展開と道悪に集約されちゃうんだろうね。タップダンスシチーが道悪下手(なはず)なのはファン以上に熟知していただろうし、「とりあえず放置」って考えるのは自然と言えば自然。で、佐藤哲三騎手はそれを逆手にとって大逃げ打ったわけだから、やっぱり勝った方を褒めるべき。
 2番手のザッツザプレンティにしても、残り1000mから逃げを捕まえるためだけにスパートかけて自滅するのは勘弁ってところだろうし、それならタップダンスシチーが大バテしてくれる事に望みを繋ぐしかないわな。大体、ああいう展開で逃げ馬を捕まえに行くのは1番人気の仕事なんだけど、さすがにペリエ騎手もその辺の暗黙の了解までは知らなかったんだろう(笑)。

 しっかし、競馬って難しいなぁ(苦笑)。少なくともモデム配りと他の講義の片手間で当てられるモンじゃないね。

 ※栗藤珠美の“反省文”(不的中)
 シンボリクリスエスが2着を確保出来たなら的中だったんですが……。あの3/4馬身差は多分、駒木博士が◎印を打ってしまったせいだと思うんですが、皆さんはどうお考えでしょうか?(笑)
 先行有利という予想は当たっていただけに、ちょっと悔しいですね。ザッツザプレンティの評価をもっと高くしておくべきだったと反省しています。あ、文字通りの反省文になってしまいましたね(苦笑)。

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 デノンは8着。何だかわたしの本命馬って、最近よく8着前後に入ってばかりいるような気がするんですけど、思い過ごしですかね?
 8着でも賞金1500万円ですか……。こっちは全額スってるのに、ちょっと不公平だと思いません?(苦笑)
 何だかムシャクシャするので、今晩はバイト先の雀荘で客打ち(店員がお客として麻雀を打つこと)徹夜麻雀でもやりたいと思います。 
 

 ※リサ=バンベリーの“イッツ・ア・ハードラック・デイ”(不的中)
 フィールドオブオマーは9秒5差のシンガリ負け……。
 レース中継では直線に入ってから全然姿も形も見えなくて、どうしちゃったのかなって思っていたらコレですか……。何だかとても悲しいです。
 ところで、昔、オセアニアからとっても強い馬が来た時代があったらしいって駒木博士から聞いたんですけど、その頃ワタシがまだ2〜3歳だったって言ったら、メチャクチャ驚かれました(笑)。ジェネレーション・ギャップですね(笑)。
 

第7戦終了時点での成績

  前回までの獲得ポイント
(暫定順位)
今回獲得したポイント 今回までの獲得ポイント
(暫定順位)
駒木ハヤト 2640
(3位)
0 2640
(3位)
栗藤珠美 7040
(2位)
0 7040
(2位)
一色順子 29540
(1位)
0 29540
(1位)
リサ=バンベリー 2190
(4位)
0 2190
(4位)

 (ポイント・順位の変動について)
 4番人気のタップダンスシチーが逃げ切った上に、大本命シンボリクリスエスが3着に敗れた事が響き、今回は的中者ゼロ。それにしても駒木ハヤトの不振は深刻で、回収率は遂に40%を切ってしまった。果たして今後の大逆転はあり得るのか?

 


 

2003年第90回講義
11月28日(金) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評・分割版」(11月第5週分・合同)

 またしても遅くなりましたが、今週のゼミを始めます。「ジャンプ」の発売日からほぼ1週間経って「今週のレビュー」なんて言ってるのもアレなんですが……。

 さて、そういうわけで時間がありません。まずは先週から溜め込んだ分もある情報系の話題から。

 まずは受講生の皆さんも注目しているであろう、「ジャンプ」年末(雑誌的には04年新年)新連載シリーズのラインナップが発表されましたので、こちらでも改めて紹介しておきます。

新連載シリーズ・今回のラインナップ

 ◎第1弾・新年1号(次週発売)より新連載
 …『DEATH NOTE』(作:大場つぐみ/画:小畑健)
 ◎第2弾・新年2号より新連載
 …『銀魂』(作画:空知英秋)
 ◎第3弾・新年3号より新連載
 …『LIVE』(作画:梅沢春人)

 ネット界隈の噂では、今年2回目の新連載4本か…という説もありましたが、とりあえずオフィシャルでは“標準モード”の新連載3本ということに。
 ただ、だからと言って打ち切りも3本で断定できるかと言うと微妙な所なんですよね。前回の改変では新連載3本で打ち切り2本でしたので、今回はその逆で打ち切りが1本多くなるかも知れませんし。掲載順などを見ても、今期の新連載の生き残り2本(『サラブレッドと呼ばないで』&『神撫手』)が“瀕死状態”なのは明白ですし、場合によると4本打ち切りもあり得ます。まぁ3本入れ替えで片方が生き残るにしても、ぶっちゃけ『闇神コウ─暗闇にドッキリ─』と同じパターンになるのは目に見えてますが……。

 で、新連載のラインナップですが、有り体に言えば、「『ジャンプ』の僅かな“残弾”を惜しげも無く投入して来たなぁ…」という感じですね。小畑健さん、梅澤春人さんといった固定ファンの多いベテラン作家さんに加えて、ネット界隈でも評判の高い若手・空知英秋さんをぶつけて来るとは思い切ったモンです。
 しかし、現在のラインナップの中に初連載の若手作家さんが飛び込んでいくのは大変ですよねぇ。ライバルが小畑&梅澤両氏に加え、『ごっちゃん』、『ミスフル』あたりになりますから……。生き残るにはハンパじゃないパワーが必要になると思いますが、新人・若手が育たないと「ジャンプ」はどうにもなりませんので、そういう意味でも空知さんには頑張ってもらいたいものです。

 なお、次週発売の「ジャンプ」新年1号には、読み切り『ダー!!! 〜便所の壁をブチ破れ〜』作画:吉田慎矢)が掲載されます。
 吉田さんは03年6月期『十二傑新人漫画賞』で最終候補まで残ったのが“最高位”の新人さんで、勿論これがデビュー作。6月時点で17歳ということですので、現在は現役高校生でしょうか。題名や次週予告のカットでは一体どんな作品か全く判らないのですが、ページ数から言ってストーリー系作品のようですね。

 ……さて、先週のゼミで扱う予定だった「ジャンプ」系の新人賞・「ストーリーキング」03年下期の審査結果が発表になってしますので、こちらの受賞者・受賞作を紹介しておきましょう。

第10回ストーリーキング(03年下期)

 ◎マンガ部門
 キング=該当作無し
 準キング=1編
 ・『みえるひと
』=「赤マル」掲載決定
  岩代俊明(25歳・東京)
 《講評:とにかく見やすいのが印象的。コマ割りもキッチリされていて絵柄にも好感が持てる。前半のストーリー展開が淡々とし過ぎているのでリズムに気をつけて欲しい。迫力ももっと欲しいところ》
 奨励賞=該当作なし
 最終候補(選外佳作)=7編
  ・『FANNY STORY』
   森田将文(23歳・東京)
  ・『蹉跌』
   雪田鉄蔵(26歳・京都)
  ・『HIGH SPEED GIRL』
   福代ゆりか(18歳・島根)
  ・『僕とお面』
   佐倉茶太郎(19歳・千葉) 
  ・『料理や』
   西誠(17歳・千葉)
  ・『one armed abyss』
   西島麗(17歳・宮城)
  ・『ぶ霊んますたあ』
   岸のりこ(19歳・栃木)   

 ◎ネーム部門
 キング=該当作無し
 準キング=1編
 ・『いのちやどりしは

  高野勇馬(25歳・兵庫)
 《講評:文楽という馴染みの薄いジャンルに挑戦し、その面白さを演出出来ていた点を大きく評価した。あとは主人公が文楽に興味を持つ理由の弱さ等、キャラクターをじっくり描く意識を高めて欲しい》
 ・『桐野佐亜子と仲間たち

  二戸原太輔(21歳・福岡)
 《講評:「能力バトル」という設定自体はそれほど新鮮ではなかったが、戦闘場面におけるレベルの高いアイディア力と、キャラの“強さ”を確実に演出する力を感じさせた。ただし「能力とは何か」という部分の説明が不足していたのが残念》
 奨励賞=該当作なし
 最終候補(選外佳作)=6編
  ・『羽ばたく音楽』
   大館貴子(33歳・埼玉)
  ・『ROGUE』
   陽祐(20歳・兵庫)
  ・『一つ結び』
   山本春助(18歳・長崎)
  ・『霊飼いの宿』
   赤羽潔(27歳・東京)
  ・『鬼丸王』
   黒犬のしっぽ(36歳・東京)
  ・『長靴を履いた猫』
   宮田英俊(23歳・兵庫)

 受賞者の皆さんのキャリアは以下の通りです。

 ◎マンガ部門最終候補の森田将文さん01年11月期、02年1月期、02年7月期、03年1月期の「天下一漫画賞(現:十二傑新人漫画賞)」で計4回最終候補。
 ◎ネーム部門最終候補の黒犬のしっぽさん02年度、及び03年上期「ストーリーキング」でも最終候補。

 なお、マンガ部門準キングの岩代俊明さんは、活発に同人活動もしていたようで、Googleで名前を検索すると所属サークルのウェブサイトに飛べたりします。
 そこでは18禁マンガも描いた事があったような記述が載っていましたが、まぁ「ジャンプ」では成人誌出身の真倉翔さんが活躍していたりしてますので、これは問題にならないでしょう。大事なのは、これから商業媒体で優れた少年マンガが残せるかどうかです。講評を見る限りでは、まだまだ課題が残っているような感じですが、恐らく来春の「赤マル」に掲載されるデビュー作の出来映えに注目してみたいところですね。

☆「週刊少年ジャンプ」2003年52号☆

 ◎読み切り『ぷーやん』作画:霧木凡ケン

 今週の読み切りは、知る人ぞ知るベテラン下積み作家・霧木凡ケンさんが登場です。
 間もなくデビュー12周年となる霧木さんのデビューは1991年、霧木さんが弱冠15歳の時。これまでのキャリアは『シェルター』さんの『霧木凡ケン作品リスト』に詳しいので、そちらを参照して頂ければ…と思いますが、これまでに「ホップ☆ステップ賞(現:「十二傑新人漫画賞」)」入選「赤塚賞」準入選増刊号に作品掲載6回週刊本誌に作品掲載2回…というキャリア相応の実績を残しています。
 そして今回は3年ぶり3度目の本誌掲載。悲願の連載獲得へ向けて、文字通り三度目の正直なるか…といったところでしょうか。

 まずについてですが、どうも全体的にシックリ来ません。致命的なミスは無いのですが、所々でデッサンが崩れている所があったり、表現が上手くいっていない所があったりします。「赤マル」春号で初めて霧木作品をレビューした際には、「これも霧木さんの“味”なのかな……」とも思いましたが、今作の絵柄を見てみると、それだけで片付けてはいけないような気がしてきました。
 デビュー12年にして、まだ絵の技術的な面で課題が残っているというのは、やはり頂けませんね。正直な所、「同期・後輩がどんどん追い抜いて行ってる中で、一体これまで何やってきたんだ」という話になるわけですから。

 スト−リーにも問題がありますね
 話の展開は最初から最後まで不条理そのものなんですが、作中の登場人物全員が(そして恐らくは霧木さんも)、全くこの筋書きを不条理だと実感していないんですね。本来ならツッコミ役を配置してギャグマンガにならなきゃおかしいくらいの不条理な筋書きなんですが、スタイルそのものは純然たるストーリー作品なんですよ。だから読み手にとっては得も言われぬ違和感を感じてしまうわけです。作品世界に没入していけないんですね。
 ストーリーテリング力が云々…ということよりも、むしろ作者視点が読者視点と大きく乖離している事の方が問題ですね。これは作者の霧木さんが気付かない限りは、そして気付いたとしても12年分のノウハウを放棄してゼロからリスタートしない限りは修正出来ないものだけに、非常に辛いところでしょう。
 あ、あと作風が「週刊ビックコミックスピリッツ」の『π』に似てしまってるのもヤバいですね。「スピリッツ」も読んでいるような高年齢層読者──おそらくこの作品で最も支持を集める可能性の高い読者層──は、「あ、似てる」と感じた時点で、この作品を二番煎じ扱いしてしまうでしょうから。

 評価はギリギリでB−というところでしょうか。正直言って、連載に耐えられるクオリティとは思えません。

 

◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆

 巻末コメントについて箇条書き形式で雑感。

 ・稲垣理一郎さんジャンプフェスタとクリスマスボウルが日程と時間帯まで一致した事に大ショック。そりゃショックでしょうなぁ(苦笑)。ていうか、誰かスケジュール調整してやれよって話なんですが。
 まぁアレですよ、鶴の一声でジャンプフェスタの日程がズラせるくらい偉くなって下さい、稲垣さん。
 ・つの丸さん…分裂前の全日って、何度目の分裂なんだろう…とかマニアな疑問を抱いたんですが、まぁ先週に三沢モドキのキャラを出してる所から考えると2度目の分裂(現ノア勢離脱)なんでしょうね。でも、良い環境で仕事してるなあ(笑)。 
 ・高橋和希さん…で、ここにもプロレス・格闘技ファンが1人(笑)。今年は駒木の地元神戸で猪木祭があるんですが、こっちも他のイベントが気になって生観戦なんて行ってられませんからね(笑)。
 ・うすた京介さん「うまい棒の人」とか言われてますね、多分(笑)。コンビニの店員さんって、それほどお客さんの顔を覚えてないって話を聞いた事ありますけど、大の大人が頻繁にうまい棒を買いまくってたら、さすがに覚えられてるでしょう。

 あと、今週は『BLACK CAT』の人気投票結果発表があったんですが、発表された票数が全て4の倍数だったという事が2ch掲示板で話題になりました(笑)。確かに偶然にしては出来過ぎですなぁ、これは。
 まぁ、この手の人気投票が実勢を現していないというのは以前から指摘されている所ではあるんですが、編集部ももうちょっと気遣えよと(苦笑)。

 ◎『戦国乱波伝 サソリ』作画:内水融【現時点での評価:B/連載総括】 

 残念ながら1クール打ち切り。いわゆる“突き抜け”となりました。
 数話完結のエピソードがそれぞれ盛り上がりきる前に終わってしまったり、キャラクターが立つ前に一旦退場してしまったりと、全般的に非常に勿体無い展開に終始しましたね。もし早い段階で打ち切りが確定していたのなら、それも仕方ないと思うのですが……。
 ただ今回の作品は、元々からして内水さんの持ち味が出せるような題材では無かったですからね。ミステリ要素を交えた“知能派”のストーリーで実績を得て連載を獲得したのに、連載でいきなり“肉体派”ストーリーに転向ですからね。上手くいく方がおかしいです。
 とりあえず次回作は自分の持ち味を遺憾なく発揮できるような題材で勝負してもらいたいものです。
 最終評価はBということでいいでしょう。読み流すだけなら不満は無い作品でしたので、これくらいが妥当でしょう。

☆「週刊少年サンデー」2003年52号☆

◆「サンデー」今週のチェックポイント◆

 巻末コメントのテーマは、「今までで一番怖かった体験は?」。
 やはり答えがバラけましたね。ただ、出題者が一番期待していたであろう、オカルト的な恐怖体験はほとんどゼロで、多くは物理的な命の危機と締め切りの危機についてのエピソードになったようです。
 個人的に「うわ、怖ぇ!」と思ったのは、「締め切り1日前にネーム未完成」のモリさんと、「インコがササミ状になって生きてる夢を見た」田辺さんの各エピソード。あ、でもモリさんの場合は、締め切りって言っても「モリさんが聞かされてる締め切り」ですからね(笑)。ひょっとしたら本当にギリギリの締め切りから考えると数日余裕があったかも知れません。
 「ジャンプ」とかどうしてるんでしょうかね。いくら編集が「先生、明日の朝イチで印刷所に突っ込まないと落ちます!」って言っても、冨樫義博さんに電話で問い合わせられたらオシマイのような気がするんですが(笑)。「え? もう来週号の原稿やってるの?」とか言われたりして。

 
 ◎『いでじゅう!』作画:モリタイシ【現時点での評価:A−/雑感】

 この作品の面白い所は、体育会系の部活を舞台にしていながら、キャラクターの人間関係は限りなく文化系に近いという事ですね。体育会系がベースなので印象は明るくて健康的になりますし、それでいて人間関係が文化系で等身大スケールなので幅広い支持が期待出来ると。
 ラブコメに偏り過ぎ…という意見も確かにあるんですが、ここまでそういうキャラ構成になったら、そっちに流れないとむしろおかしいような気がします。あと、恋愛というのは物語を構成する要素としては基本中の基本ですしね。

 ◎『美鳥の日々』作画:井上和郎【現時点での評価:B+/雑感】

 で、この作品も巧い。今回は物凄くコアな題材なんですが、ギリギリの所で一般人の感覚から外れていないので(つまり、一般人から見たらおかしい事は、キチンとおかしい事として描けている)いわゆる“オタク臭”が漂って来ないんですね。しかも、ディティールもほぼ正確に押さえているので、“そっち系”の人が見ても「知ったかぶりしやがって」という批判はほとんど出て来ないと思います。
 しかし、この作品で一番の善人は間違いなく高見沢くんですね(笑)。暴走&事後承諾癖があるのは問題ではありますが。

 
 ◎『からくりサーカス』作画:藤田和日郎【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】
 
 「彼の人生は死んだのだ。ナルミにとって彼の人生は、もう彼のものではないのだ」
 ……こういう重いフレーズがスッと出て来るところが凄いんですね、藤田さんは。ここまで人の命の価値ってのを実感させられる筆力というのはやはり稀有だと思います。
 少年マンガの古典的な設定として、主役に「不殺」を守らせるってのがあるんですが、これは命の価値を重んじているようで、実はそうでもないんですよね。どちらかと言うと、命の価値について考える事から逃避しているわけで、その辺を作者自身が理解していないと薄っぺらい作品になってしまうんです。
 

 ……さぁそして、次週は『ふぁいとの暁』が最終回。ここに来て激しい“大量粛清”の予感がしますが、その次に打ち切られる作品、そして入れ替わる新連載は一体誰なんでしょうか。注目ですね。

 さて、今週で11月分のゼミは終了。これで今年の「仁川経済大学コミックアワード」の審査対象期間(02年12月〜03年11月)が終了した事になります。
 そこで、次週のゼミでは評価保留中の作品に暫定または最終評価を下し、ノミネート予定でまだレビューが済んでいない作品についての「読書メモ」を実施します。そして最後に、各部門のノミネート資格保持作品を発表する予定です。
 なお、今年の「コミックアワード」は12月中旬(場合によっては下旬)に開講2周年式典として実施予定です。そこで改めて最終ノミネート作品(=各部門の優秀作品賞)を発表した後、各部門の最優秀賞&グランプリを選出したいと考えています。部門によっては、駒木の頭の中では既に内定が出ている作品もありますが、イベント当日までのお楽しみ…ということで何卒。

 


 

2003年第89回講義
11月26日(水) 教科教育法(高校地歴)
「某私立学校・教員採用試験自戦記(2)」

 ※前回までのレジュメはこちら→第1回

 試験直後のタイミングでスタートし、そして当講座のパターン通り、本題に入る前に“次回へ続く”となったこのシリーズですが、この6日のタイムラグの間に採否の結果が早くも郵送されました
 さすがは某有名企業が経営母体の私立学校、文面は非常に丁寧でありましたが、これを公立学校採用試験の通知風に翻訳すれば、

 あなたは不合格と判定されました。

 ……という結果に相成りました。やはりあのメンバー構成で15人中1位の成績を獲るのはかなり無茶だったようです。
 よく考えたら公立の2次試験でもそこまで難しい条件ではないわけで、まぁ納得の結果かな…などと、こちらも当然の如く五輪出場権獲得を逃したバレーボール男子日本代表の見事なヤラレっぷりを観ながら思ったりしました。

 ……ところで全くの余談ですが、今回のW杯バレーでは、中継を担当したフジテレビが日本代表選手たちにそれぞれキャッチフレーズみたいなモノをつけましたが、あれ苦しかったですね。しかも長くて覚え辛い(苦笑)。
 今や昔のTBS系「フードバトルクラブ」でフードファイト選手たちにつけられたキャッチフレーズも大概苦しかったですが(赤阪尊子=「飢えるジャンヌダルク」とか)、今回はそれ以上。大食い選手より選手のキャラが立ってないっていうのが、今のバレー界の沈没振りを象徴してると言うのは言い過ぎでしょうかって、言うまでも無く言い過ぎですね、ハイ。
 でも、元々ああいうのって、選手のキャラクターが立ってから名付けるもので、無理矢理に選手をプロデュースするために付けちゃいけないんですよね。だから似たようなニュアンスで、苦し紛れで、どこかで見たようなフレーズで、しかも長ったらしくなっちゃう。
 キャッチフレーズ界(?)の古株・プロレス業界でも、実は変なの多いですからね。駒木が知ってる中で一番笑えたのは、故・ロッキー羽田選手の「和製アメリカンドリーム」でしょうか。徹頭徹尾意味不明なのが素晴らしい。
 まぁ今後、スポーツ中継で選手にキャッチフレーズをつける時は、まずキャラを立ててからという事で何卒。例えば、こんな6人+1(リベロ)が先発メンバーのバレー日本代表なら、テレビの音声を消してでも(消すのかよ)駒木も応援したくなると思いますが

 「孤立無援のスーパーエース」
 「帰って来た爆笑王」
 「10男6女・肝っ玉父ちゃん」
 「戦え! 下町の名コック」
 「西日暮里の殺人兵器」
 「バレーボール界のヤマタク(=山崎拓)」
 「哀愁のパンチドランカー」

 ……心底使えない他の6人をフォローするために滅私奉公するスーパーエースの奮闘する姿が一番の見所ですね。何しろ守備の要・リベロがパンチドランカーで足下フラついてますから。ちなみに「肝っ玉父ちゃん」は現在離婚調停中。ヤマタクは直前の健康診断で糖尿病と診断されたそうです。

 ──って、横道に逸れすぎましたね、失礼。いや、さすがに負け戦をレポートするには、ある程度の勢いが無いとやってられんのです(笑)。
 では、以下よりレポート本文です。文体は例によって常体とさせて頂きます。


 視聴覚教室は、大学の講義室を“お子様サイズ”にしたような雛壇型の部屋だった。こういう教室で試験を受けると、忌まわしき浪人受験生時代が蘇って来て、ちょっとしたデジャヴを味わう。しかし、普通の部屋にビデオ・テレビと映写機を置けば視聴覚教室になってしまう公立とは、やはり一味違う。
 担当の女子職員から試験内容の説明の後で、なんと今日の分の交通費を支給すると言われる。一律1000円で、駒木では少々足が出るが、それでも正直これは有り難い。これも、身内にならないと(あるいはなっても)ビタ一文払わない親方日の丸では考えられない事だ。この辺り、“お客さん”に気を遣う一般企業(私立)と、身内に優しい役所(公立)の感覚差がよく出ている。うーむ、何だか本当に社会学の講座みたいだな。

 で、職員が交通費の入った封筒を1人ずつに渡して、領収書と交換していくのだが、その中で数人の受験生が封筒を渡されていないのに気が付いた。不思議に思って注視していると、何やら「支払いは今月の給料として」云々…といか言われている。
 どうやら彼ら、この学校の現役非常勤講師らしい。常勤講師への昇格を賭けて、外部の人間に混じって試験を受けているというわけだ。実力十分の猛者揃いの上にアウェイ。有り体に言って最悪のシチュエーション。東南アジアで東洋太平洋タイトルに挑戦する日本人ボクサーでも、もう少し勝ち目はありそうだ。
 久々に強烈な「何してるんだろう、俺」感を味わいつつも、専門教養試験の問題用紙が配られて来た。まぁ今更悩んでも仕方ない。落ちても損なし、受かれば儲けモノなのだから、今日は実戦勘を取り戻すための訓練だと思って開き直るしかないか。

 専門教養の試験は、全て論述式の問題で制限時間60分。問題用紙が試験後に回収されてしまった上、一部選択式だったので、問題文を完全に採録する事は出来ないが、駒木が選択・回答した問題は以下の通りである。

 ◎十字軍運動の開始までの経緯と、その後の運動の展開について述べよ(500字程度)
 ◎アヘン戦争以後の中国の改革運動について述べよ(500字程度)
 ◎古代ローマで平民が貴族との政治的平等を勝ち取った経緯を述べよ(300字程度)
 ◎中国・宋王朝時代の社会と文化について簡潔に述べよ(300字程度)

 ……世界史に詳しい方ならお分かりになると思うが、問題の難度そのものはそんなに高くない。いや、教員採用のための試験としては平易な方だろう。「世界史B用語集」に赤字で載っているような重要語句を関連付けるように文章を作れば勝手に答になってしまうようなレヴェルである。
 ただ、「制限時間60分で合計1600字」という条件では、60分ずっと鉛筆を動かしておかないと間に合わないし、制限字数もやや厳しい。これらの問題で、詳細な回答をしようと思えば少なくとも1.5〜2倍くらいの字数が要る。
 しかも、こちらは出題側がどのようなまとめ方を望んでいるのかを知らないので、最終的にはほとんど運任せの世界である。例えば最初の十字軍問題なんて、“(十字軍)開始以前”と“開始以後”どちらをメインに据えるかで回答内容が全く違って来る。で、そのどちらが模範解答に近いのかは知る由も無い。この辺が論述式テストの怖さである。客観的な採点基準が存在しないのだ。
 そういうわけで、自分としてはほぼノーミスでクリアした感覚はあるのだが、それが果たして本当にノーミスだったのかは全く判らない。いや、さすがに満点取ってたら受かってると思うので、どこかで細々と減点されていたのだろう。

 専門教養の試験終了後、まだ正午前にも関わらず昼食休憩。朝に説明された通り、学校側から弁当とお茶が支給された。
 弁当は和洋折衷のいわゆる仕出し弁当。それほど値が張る物ではなかろうが、最近の駒木の“主昼食”であるホカ弁に比べると中身のグレードはまるで違う。大体定価800〜900円と見たがどうか。
 ただ、こういう時にボリュームのある弁当食わされても、気持ちが張り詰めてるのでゆっくり味わえず、正直言って有り難迷惑なのだ。実際、半分以上残していた受験者もいた。まぁ学校側にしてみれば、「お客様に変な物をお出ししては……」というところだったのだろうけれども。

 それでも一応、どんな状況でも食欲だけは衰えない駒木は弁当を速攻で完食。あとはもう直前対策などしようもないので、小説本など読んで過ごす。それでも気が付いたら面接のイメージトレーニングをしている辺り、駒木らしいのだけれども……。 (次回へ続く

 


 

2003年第88回講義
11月22日(土) 競馬学特論
「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第6戦・マイルチャンピオンシップ」

 秋のG1レースも佳境へ。今週は今シーズン最も混戦模様が伝えられるマイルチャンピオンシップです。外国馬を交えたフルゲート18頭と難解なレースとなりましたが、果たして駒木研究室スタッフ4名の予想は以下のようになりました。どうぞご覧下さい。

第6戦・マイルチャンピオンS(京都1600芝外)
馬  名
(外国調教馬は赤字)
騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

        オースミコスモ 常石
1600〜1800mが得意。G3級でも活躍できるようにはなったが、さすがにG1では荷が重そうだ。
サイドワインダー 福永
9ヶ月半ぶりの復帰戦で豪快な末脚を披露。叩いての上積みは絶大で、G1初挑戦も気配は互角以上だ。

 

      ギャラントアロー

どんな相手や舞台でも真っ向勝負の逃げ一本。スワンSでテンシノキセキ以下を完封したパフォーマンスはマイルの厳しい流れでも通用するか?

 

      テイエムサンデー 秋山

春のスプリント戦線での健闘光るも、マイル戦では末脚分のスタミナを道中で浪費させられそう。

      × スペシャルカルドゥーン ブフ

G1未勝利と、遠征馬にしては実績が物足りず。4走前の勝ち時計と3走前にテレグノシスと接戦した材料をどう評価するか。

        ウインクリューガー 武幸
NHKマイルC勝ちも、様々な面で恵まれた感有り。このレースが今後を占う試金石になるだろうが、果たして……?
×     マグナーテン ペリエ

ジャパンC小差4着など、実績はメンバー中ピカイチ。休み明け2走目で、どこまで復調しているかに尽きる。

    ×   イーグルカフェ 藤田

春までの充実がウソのようなスランプ突入。ロスの無い乗り方をしてどこまでか……?

        ロサード 角田

幾度となく果敢な挑戦をする姿は立派の一言。しかし、能力的には入着争いがやっとの情勢か。

  ×   10 バランスオブゲーム 田中勝

永遠のG2大将返上へ、余裕を持ったローテーションで三度西下。課題の長距離輸送と決め手不足は克服なるか?

    11 デュランダル 池添

短距離の女王・ビリーヴを退けたスプリント新王者。距離は大丈夫なはずで、あとはレースの流れにどこまで乗っかれるか。

      × 12 トゥスール ファロン

2歳時は英G1制覇、3歳春も2000ギニーで入着などの実績あるが、ここに来て勢いは尻すぼみ気味。日本の馬場の適性と鞍上の手綱捌きに期待してどこまでか。

× 13 ミレニアムバイオ 四位

これ以上なく展開のハマった前走は鮮やか過ぎる勝ちっぷり。このメンバーなら優勝争いまであるが、安定感が無いのが泣き所。

      14 エイシンチャンプ 安藤勝

サクラプレジデント、ネオユニヴァースらと好勝負演じた実績は認めるものの、まだ復帰後完調とまではいかず。

        15 イルバチオ 川島信

鋭い決め脚が魅力の追い込み馬。1000m戦にも対応できるスピードは評価できるが、果たしてこの距離がどうか。

        16 マイソールサウンド 本田
1800m〜2200mで活躍する中距離馬。マイル戦の適性もありそうだが、一線級とはスピードの絶対値で差がありそう。

×

    17 テレグノシス 勝浦

充実のフランス遠征から帰国・検疫後初めての出走。この後、香港遠征を控えて、どこまで態勢が整っているかが焦点に。

×

18 ファインモーション 武豊

現役最強牝馬も、夏の復帰以後は信じ難い急失速。決して得意とは言えなさそうなマイル戦、タチが悪くなる一方の気性難、今一つの調整過程と悪材料は山積み。実績・地力は誰もが認めるところだが、無条件の信頼は捧げ難いのが現状だ。


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 逃げ馬はギャラントアロー1頭。行き渋るタイプでもないし、十中八九以上はこの馬が平均以上のペースで飛ばす。ただし、大外枠のファインモーションが行きたがるとレース展開は一気に崩壊するだろう。
 先行馬よりも追込馬の方が多いという、最近の競馬では珍しいメンバー構成で、道中の隊列は3〜4コーナーまで縦長に広がる形。おのおのが最も得意とする位置から虎視眈々と勝負所を窺う。
 後方待機の馬ほど瞬発力に勝るタイプが揃い、最後の直線では内外に広がったダイナミックな追い比べが見られそう。脚質別に展開の有利不利は特に無いが、スパートのタイミングを自分で選べる先行〜好位の馬が若干有利か。追込馬は仕掛け遅れだけは避けて欲しいところだが……

●駒木ハヤトの「逆張り推奨フォーカス」●
《本命:サイドワインダー》
 

 カテゴリ全体を牽引するエースが不在で、混迷が深まる一方の芝マイル戦線。今夏のローエングリン&テレグノシスのフランス遠征の戦績から見て、それほどレヴェルが低いわけでは無いのだろうが、確固たる軸の不在は、予想する上で非常に悩ましくさせる障害と言わざるを得ない。
 そんな中、ようやくニューヒーローの誕生を思わせる逸材がG1の舞台に辿り着いて来た。サイドワインダーである。前走9ヶ月半ぶりの復帰戦となった富士Sでのパフォーマンスは鮮烈で、実績不足を補って余りある能力を窺わせるものだった。前の止まり難い平坦コースが一抹の不安材料も、絶好調のコンディションとスピードの絶対値でカバーしてくれるだろう。
 相手候補としては、昨秋から今春にかけて大活躍のマグナーテンが面白い。どこまで体調が戻っているかに尽きるが、決して格負けはしていない。鞍上の騎乗にも注目。

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 5.5
馬連 2-7 100円 39.8
  2-13 100円 8.0
  7-13 100円 47.7
  2-11 100円 14.0
  2-17 100円 37.1
  2-18 100円 18.2
馬単 2→7 100円 71.5
  2→13 100円 15.5
三連複 2-7-13 100円 48.4


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:ファインモーション》

 先週の的中の勢いを借りて、今週も頑張りたいと思います。
 私の本命は、やっぱり実績重視ということでファインモーションです。前走の大敗も、能力というより気性の問題だったみたいなので、改めて期待してみようと思います。ちゃんと折り合いがつけば、上がり3ハロン33秒台前半の脚が使える馬ですし、瞬発力の勝負になっても負けないと信じています!
 相手はスプリンターズSでビリーヴを破ったデュランダルに。私はこの馬が、サイドワインダーよりも強いって信じているんですけど、どうなんでしょうか。

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 18 100円 4.6
馬連 11-18 100円 34.4
  13-18 100円 19.5
  11-13 100円 14.5
  2-18 100円 18.2
  7-18 100円 49.6
  10-18 100円 33.8
馬単 18→11 100円 58.4
  18→13 100円 34.9
三連複 11-13-18 100円 52.6


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:エイシンチャンプ》

 オッズを見て「あれ、こんなにオッズつくの? どうして?」…と思ったのが本命をつけたエイシンチャンプでした。だって、クラシックに出てる馬と皐月賞までいい勝負してた馬ですよ! そりゃ前走は4着になっちゃいましたけど、休み明けで+30kgなんですから走る方がおかしいです! 穴党のわたしが言うのもアレですけど、ここは格の差で勝てるでしょ〜。
 そういうわけで、エイシンチャンプに◎。当たったらまたわたしの一人勝ちですね(笑)。

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 14 100円 14.3
馬連 14-18 100円 49.1
  14-17 100円 128
  17-18 100円 72.0
  2-14 100円 36.3
  8-14 100円 324
  10-14 100円 73.4
馬単 14→18 100円 109
  14→17 100円 195
三連複 14-17-18 100円 387

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:ミレニアムバイオ》

 う〜ん、ワタシもビギナーの割には結構頑張ってると思うんですけどねー。なかなか最下位から脱出できなくて困ってます。ペナルティって何なんでしょうね……。
 そういうわけなので、今日は点数を稼がせて下さい(苦笑)。トライアルの富士ステークスで強いレースしてた2頭から狙っていきたいと思います。本命は駒木博士の逆を突いてミレニアムバイオから(笑)。
 とりあえず後は、何があるか分からないのでヨーロッパの馬も押さえときます。

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 13 100円 6.4
馬連 2-13 100円 8.0
  13-18 100円 19.5
  2-18 100円 18.2
  10-13 100円 16.9
  5-13 100円 75.1
  12-13 100円 193
馬単 13→2 100円 17.3
  13→18 100円 44.6
三連複 2-13-18 100円 25.2

 以上、予想が出揃いました。果たしてどんな結果になるか、ご注目下さい。


マイルチャンピオンシップ 成績

    1着 11 デュランダル
× 2着 18 ファインモーション
        3着 ギャラントアロー
  ×   4着 10 バランスオブゲーム
× 5着 13 ミレニアムバイオ

単勝11 810円/馬連11-18 3240円/馬単11-18 6920円/三連複3-11-18 34480円

 ※駒木ハヤトの“敗戦の弁”(不的中)
 うわー、どうしよう、本当に予想が当たらなくなって来たぞ(苦笑)。
 しかし、4コーナー時点では「うわ、これってどう考えても2−7で決まりやん」と思ったんだけどなぁ(苦笑)。マグナーテンが終始マークの態勢からギャラントアローに並びかけも出来ないってのには参った。ああなったら最後、逃げ馬と追込馬の変則マッチレースになっちゃうからねぇ。中途半端な先行・差し馬は、早めの平均ペースで余計な脚を道中で使わされてる分、末が鈍ってしまうし……。展開の予想が外れると結果が全部ズレるっていう典型例だね、これは。
 で、これでデュランダルはタイキシャトル以来の秋短距離二冠達成か。安田記念なんかはハイペースになりやすいから、順調なら来年も楽しみだね。ちなみに安田記念も勝ったら、これもタイキシャトル以来。
 ファインモーションも、まだ少し危なっかしいけど、まぁこれなら今後が楽しみかな。サイドワインダーは……悔しいけど格負けなのかなぁ。中途半端な前付け、終始馬場の悪いインで揉まれた不利も大きかったはずだけど、ちょっと現時点では勝ち切るまでは力が無かったのかも知れないね。

 それにしても、僕の予想のピークはプレシーズン戦だったんだろうか(苦笑)。オープン戦で首位、レギュラーシーズンで低迷って、まるで2年前までの阪神じゃないか(苦笑)。

 ※栗藤珠美の“喜びの声”(馬連のみ的中)
 久しぶりの穴馬券的中です! 今年はマイルのG1で相性が良いですね(笑)。この調子で2歳G1も上手くいけば良いんですけど……。
 2着に終わりましたけど、ファインモーションが漸く本調子に近づいたようで安心しました。次に◎印つけた時は1着でお願いしますね(笑)。

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 ◎のエイシンチャンプは7着。最近、本命がこういう中途半端な成績に終わってしまってストレス溜まりますね(苦笑)。まあ、まだまだダントツトップですから良いんですけど。麻雀と違って点数が減る事もありませんし(笑)。
 でも、このままだと一発屋って言われそうなんで、そろそろまた大きいのを当ててみたいと思います。来週のジャパンカップもがんばります!
 

 ※リサ=バンベリーの“イッツ・ア・ハードラック・デイ”(不的中)
 こんなはずじゃなかったんですけどねー(苦笑)。「当てに行ったらハズれるもんだよ」って博士から聞いてたんですけど、本当、そういう不吉なアドバイスは当たりますね。珠美センパイが言ってた通りでした。
 来週はジャパンカップ。ワタシの故郷、オーストラリアからもエントリーしている馬がいるそうなので、とっても楽しみです!

第6戦終了時点での成績

  前回までの獲得ポイント
(暫定順位)
今回獲得したポイント 今回までの獲得ポイント
(暫定順位)
駒木ハヤト 2640
(3位)
0 2640
(3位)
栗藤珠美 3800
(2位)
3240 7040
(2位)
一色順子 29540
(1位)
0 29540
(1位)
リサ=バンベリー 2190
(4位)
0 2190
(4位)

 (ポイント・順位の変動について)
 栗藤珠美が○−◎で32倍の馬連を的中させて更に加点。いわゆるウラ目で惜しくも大量加点は逃したが、他に的中者が無く、これで2位争いから一歩抜け出した格好。
 一方、菊花賞から不適中が続く駒木ハヤトは本格的にスランプ突入か。本人が「相性の悪いレース」と語るジャパンカップや2歳G1を控える中、いよいよ正念場が訪れた。

 ※なお、次週はジャパンカップ(ターフ)のみが“公式戦”となります。

 


 

2003年第87回講義
11月21日(金) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評・分割版」(11月第4週分・合同)

 いつもながら想定外の時間的“押し”が入っております。どれくらい押しているかと申し上げますと、この冒頭部分を準備している時点で、既に次号の「ジャンプ」がコンビニに並びつつある……という有様です。最終回になった作品名とか次期新連載のラインナップも言えますが黙っときます(苦笑)。
 今週号(月曜発売)の『H×H』のトビラに描かれている絵が先週号の『ボーボボ』だったことで、「“落ちる”“落ちない”の瀬戸際って本当にギリギリなんだな」と判明したわけですが、当講座もそんな所は見習わないように頑張らなければいけません。最近毎日謝ってる気がしますが、本当に申し訳ありません。

 そういう事情もありまして、今日は情報系の話題は割愛させて頂きます。「ストーリーキング」の受賞者と過去の履歴紹介は次週分に回させてもらいます。
 あと、次号(土曜発売)の読み切り『ぷ〜やん』(作画:霧木凡ケン)は、今年の「赤マル」春号に掲載された『少年青春卓球漫画ぷーやん。』のリメイク作品です。これも詳しくは次週分のゼミで紹介しますが、霧木凡ケンさんは来月でデビュー丸12年を迎える“マンガ家版・永遠の若手”。念願の連載獲得なるか、注目の読み切りと言えるでしょう。

 ……それでは、今週は「サンデー」が合併号休みのため、レビューとチェックポイントは「ジャンプ」のみとなります。レビュー対象作は読み切り1本のみ
 ただし、それだけではアレですので、一部翌日振替になる事を覚悟で『読書メモ』をお送りしたいと思います。今回は、年末予定の「第2回仁川経済大学コミックアワード」に“ワイルドカード”としてエントリーさせるための簡易レビューを行います。慌しくて恐縮ですが、最後までどうぞ宜しく。

 
☆「週刊少年ジャンプ」2003年51号☆

 ◎読み切り『家庭教師ヒットマン REBORN』作画:天野明

 今週の読み切りは、これが「ジャンプ」本誌初登場となる天野明さんの新作が登場です。
 天野さんは、「ジャンプ」ではルーキー扱いながらも、既に01〜02年にかけて「週刊ヤングマガジン」の本誌や別冊で短期ながら2度も連載を経験しています。キャリアだけならば、中堅に足を踏み入れかけの若手ということになるでしょうか。
 天野さんの「ジャンプ」でのキャリアは、02年11月期の「天下一漫画賞」で最終候補(ただし別ペンネーム)が最初。翌々月に「最終候補まであと一歩リスト」に名を連ね(てしまっ)た後、「赤マルジャンプ」03年春号で「ジャンプ」デビューを果たしました。今回はそれ以来の新作発表となります。
 しかし、青年誌とはいえ他誌で連載まで持った人を月例新人賞の予備選考で叩き落すとは、さすがマンガ家の世界はシビアですよね。

 それでは、内容についてお話をしてゆきましょう。

 まずですが、とりあえず大きな問題点は無いと思います。さすが連載経験者だけあって、ディフォルメ、特殊効果、背景なども含めて普通のルーキーに比べると一枚上手の実力を認める事が出来ますね。
 敢えて注文をつけるならば、主役級のキャラにもう少しアクが欲しいところですね。特にヒロインなんか、何だか鈴木央さんの作品に出てくる脇役女子キャラみたいでしたし(苦笑)。

 続いてストーリー&設定について。
 「赤マル」に載った前作は、「ジャンプ」を意識しすぎたのか、先週紹介した“王道フォーマット”をなぞっただけで終わってしまった感があったのですが、さすがに今回は独自色を出して来ましたね
 シナリオのスタイルは、古くは『ドラえもん』などの藤子F作品、「ジャンプ」では『まじかる☆タルるーとくん』(作画:江川達也)などで見られた、“異世界からの訪問者”タイプですね。ダメ主人公がその訪問者の力を借りて強く生まれ変わってゆく…というお話がセオリーです。
 で、この手の作品では、いかにその“訪問者”を自然に作品内の現実世界に取り込むかが大きな関門となるわけですが、この作品では若干の強引さが否めないものの、何とかギリギリでクリア出来ているように思えます。主人公のダメっぷりや、それを改善するための手段もなかなかよく練られています。このアイディアなら連載化されても十分対応可能でしょう。巧いです。

 ただ、惜しむらくは主人公のライバルの設定ですね。ハッキリ言いますと、この作品はここで物凄く損をしてます。ウチの評価で言うなら2段階以上の減点材料です。
 というのも、ライバルの器量と実力って大事なんですよ。主人公が乗り越えるハードルが高いほど、それを乗り越えた時のカタルシスが大きいわけで、この作品のように、姑息なだけで実力の無い小悪人が相手だと、主人公がそんな奴を乗り越えた所で全然爽快感が得られないんです。
 あと、『BOYS BE…』じゃあるまいし、学園の高嶺の花がアッサリと主人公に振り向くってのも、ちょっとご都合主義じゃないですかね。まぁ、あのシーンを無くしちゃうと作品として成立しなくなってしまうので、難しいところではあるんですが……。

 評価はB+設定を練りに練れば、ひょっとすれば連載で大化けする可能性のある作品ですが、現時点では完成度が低いのが残念です。ただ、今の天野さんの実力で、その「設定を練りに練る」事が出来るのかと言うと、ちょっと疑問なんですよね。今後の奮起に期待したいところなのですが……。

◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆

 今週も巻末コメントについて箇条書き形式で雑感。

 ・久保帯人さん「ルキア強いなー」って、何を今更(笑)。でも、作家さんは案外読者の好きなキャラって読めないものらしいですけどね。
 ・長谷川尚代さん…足が攣ったのは、年のせいじゃなくて運動不足だと思います…って、同じような事を少し前にも内水融さんに言った気が(笑)。やっぱり週刊連載始めると引き篭り気味で運動不足になるんでしょうなー。
 ・冨樫義博さん…こんなところにも加治佐修さんの名前が! うーむ、神出鬼没だなぁ。これからもあちこちの作家さんのコメントに登場したら面白いですね。


 ◎『武装錬金』作画:和月伸宏【現時点での評価:A−/雑感】 

 あー、いかん。この作品、楽しすぎる!
 「テイクアウト」の部分に精一杯の自己主張をするアルバイト店員さんに少し萌え(笑)。

 しかし今回は、カズキやその周辺の人たちの“ローカル常識”は、この作品世界の中でも常識の埒外にある事が判明して少し安堵しました。一般人まで皆が皆、蝶野やキャプテン・ブラボーを平然と受け入れられても困りますんでね(笑)。

 
 ◎『ごっちゃんです!』作画:つの丸【現時点での評価:B+/雑感】 

 函館商船大学の先輩の1人が、どうみても三沢光晴なのに爆笑。しかし、そこまで似せるなら、「ハッキリ言って」とか「異様に」とかの口癖までパクって欲しかったなぁ。「アレ」だと長州力になっちゃいますよ、縁起でもない(笑)。

 ◎『神撫手』作画:堀部健和【現時点での評価:B−/雑感】 
 
 うわー、凄ぇ分かり易いテコ入れ!(苦笑)
 こんな露骨なやり方、『旋風の橘』以来久々に見ましたね(笑)。
 しかしなぁ、この中途半端な絵柄でお色気路線やられても、セックスレスに悩む奥様がダンナの気を引くためにエッチな下着とスケスケのネグリジェを着て誘惑しているような感じで、逆に痛々しいんだよなぁ(苦笑)。もっとエロを追求するのか、それとも寸止め感を追求するのか、どっちかにしてくれと言いたくなっちまいますね。


 ◎『神奈川磯南風天組』作画:かずはじめ【現時点での評価:B/連載総括】 

 少しは粘ったんですが、敢え無く2クールで打ち切り。やっぱりこの人、長編連載になると脆いですよねぇ。

 結局のところ、この作品は確固たるテーマが不在のままダラダラと続いてしまったのがマズかったですよね。なので、読者が作品世界に感情移入出来ないまま、いつの間にか終わってしまったと。
 最後のエピソードも、何だか敗戦処理感が滲み出ていて、ちょっと読むのも辛かったです、正直。
 最終評価はB−ということにしておきましょう。最後のページに「次回作にご期待下さい」の文言もありませんし、どうやら週刊本誌のかずはじめ作品はこれが見納めですかね。

◇駒木博士の読書メモ(11月第4週)◇

 ◎『ツバサ』作画:CLAMP/「週刊少年マガジン」連載中

 高校や大学で漫研やそれに近い部活に所属していた人ならばよく分かるでしょうが、その年代のマンガ家・小説家志望の中には、筆力も無いのにやたら意欲だけが空回りしたヤツってのがいます。で、そういうヤツに限って、必要以上にキャラクターや世界観の設定に凝りまくった、“(自称)独創的かつ壮大なスケールのファンタジー”を描き始めます。
 しかし所詮は力量不足のアマチュアの悲しさか、そういう作品の大半は途中で頓挫してしまうのがオチで、よしんば描き上がって公募の新人賞に投稿されたところで、第1次選考でハネられて終わりです。何故なら、その手の作品というのは、作り手側の思い入ればかりが強くて、読み手の意思を無視した自己満足に終始してしまうからなんですね。
 『なぁゲームをやろうじゃないか』作画:桜玉吉)の単行本2巻の中で、わざとそんな“独創的なオリジナルファンタジー”が描かれているのですが、まさにアレがそんな感じですね。

 ……で、前置きが長くなりましたが、この『ツバサ』。この作品は、そんな“独創的かつ壮大なオリジナルファンタジー”を、プロとして水準以上の技量を持った作家さんがやってしまったモノです。しかも、本来ならば一読の下で読み捨てられるようなクオリティに終わるはずが、プロの力業によって、とりあえずは“読めてしまう”デキになってしまったという、極めてレアな作品なのです。
 ですから、これは俗に言う「駄作」とはちょっと違います。映画で言うなら、「根本的にダメな脚本を、豪華キャストや演出で必死にフォローしよう頑張ったものの、結局は頑張りきれなかった準A級ハリウッド映画」みたいな感じでしょうか。「ゴールデンラズベリー賞」にノミネートされそうな作品…と言えば分かり易いですかね。駒木は以前から「この作品は『ラズベリーコミック賞』の候補です」と公言して来ましたが、まぁそれはそういうわけなんです。

 作品の内容について具体的な“ダメポイント”を挙げるとすると、まずはキャラクターですね。
 名前と外見を他の作品から流用(パラレルワールドという設定らしいですが)するのは別に構わないんですが、やり方が不味過ぎます。次から次へとキャラクターを出しまくったために、“ご新規さんは”キャラクターの名前と顔が一致できないわ、“常連さん”は「え? このキャラがこういう設定?」と混乱するわで、せっかくの試みが完全に裏目に出ているんですよね。
 また、登場人物が多過ぎるために、各キャラの描写が消化不良に終わってしまっています。見えて来るのは作者の自己満足的“オリジナルな”設定ばかりで、ちっとも感情移入出来ないんですよね。

 またシナリオも、愛着のあるキャラを苛めきれないのか知りませんが、どうも起伏が緩くて平板なんですよね。初めから主役ご一行様が強すぎて、シナリオ上に設定された“障害”が全然障害になってないんですよ。
 勿論、「ジャンプ」式の能力インフレバトルをやられても辟易するしか無いのですが、それでも“実質ゼロ成長”では、シナリオを楽しめと言われても楽しめないわけです。ゲームでも、いきなり最強装備から始めたら、あっという間に飽きが来てしまいますが、それと同じですね。

 そして、何よりも世界観や設定の諸々が、全然読者の感情移入を促す方向に働いていないんです。駒木の価値観が歪んでいるせいなのかもしれませんが、この作品を読んでいると、つまらないアイドルタレントがつまらない話をして一人で笑って、「これって面白くないですか、キャハハ」とやっている所を見ているような、そんな錯覚を覚えてしまうんですよね。

 ただ、繰り返して言いますが、これだけ致命的な欠陥を抱えていながら(そりゃそうです、本来なら新人賞1次選考落選するような題材ですから)、一応は最後まで読み切れるだけの作品になっているのが恐ろしいというか、何と言うか。同種の作品に『きみのカケラ』作画:高橋しん)がありましたが、地力のある作家さんは、“負け戦”が確定してからも、実際に敗北宣言をするまでに長期間引っ張れてしまう分だけ、後から来るダメージも大きくて悲劇的ではありますよね。
 まぁCLAMPさんの場合は、並行して多種多様な雑誌での活動している分だけ、この失敗で喰らったダメージも分散出来てまだマシですよね。高橋しんさんなんて、「体調不良のため休載」とやってしまった以上、他の雑誌で連載始めるわけにも行かず、エラい事になってますから(苦笑)。

 『ツバサ』の評価ですが、作品全体のクオリティをデジタルに総合するとB−寄りBあたりになりますかね。先に言った通り、単なる駄作では終わっていませんので、評価もそれなりのモノになります。勿論、読者の立場としての「面白い、面白くない」は、また全然別の話になりますが。

 ……というわけで、今日のゼミはこれまで。本当はまだ「読書メモ」で採り上げるべき作品が残ってるんですが、それは次週以降の宿題とさせてもらいます。

 


 

2003年第86回講義
11月20日(木) 教科教育法(高校地歴)
「某私立学校・教員採用試験自戦記(1)」

 昨日付「観察レポート」で既にお話した通り、駒木は来年度の教職復帰に向け、某私立学校の採用試験を受験して参りました。自身、これが初の“私学受験”です。
 で、今回の講義シリーズは、その採用試験の模様を差し障り無い範囲で皆さんにお話させて頂こう…というものです。受講生の皆さんには、昨年7月に実施しました講義・「実録! 平成15年度兵庫県教員採用試験レポート」でお話した公立学校の採用試験の模様と比較対照しながら受講して頂くと、この業界のリクルート事情についての理解が深まるかと思います。

 ……さて、先ほど「これが初の“私学受験”」と申し上げましたが、駒木はこれまでも私学の採用試験(非常勤講師の、ですが)を受ける寸前まで話が進んだ事は何度となくありました。が、そういう時は何故かいつも公立から臨時講師採用の緊急オファーがありまして、止むを得ずキャンセルする羽目になっていたのでした。公立学校の場合、臨時講師を採用する際は簡単な面談だけで無試験の上、大抵の私立よりも待遇が良いために、どうしても流れ流されてしまうのですね(苦笑)。
 でもまぁ、それは私学側も心得てらっしゃるようで、先方の校長先生に電話で丁重にお断りする旨を申し出ると、
 「あ、そうですか。あー、そりゃ公立の方が何かとエエやろうからね。どうぞ頑張って下さい」
 ……などと、異様にあっけらかんと応対され、拍子抜けしてしまったりします。まぁ早い話が「代わりはいくらでもいる」というわけで、超買い手市場の現状が浮き彫りにされる1シーンでありますね。

 ……とまぁ、そういうわけで、これまで駒木は私立学校と縁が有るようで無かったわけですが、この度、とある学校から「社会科教員の枠が1つ空いたので試験をします。良かったら受験しませんか?」という旨のオファーを頂きました。しかも採用条件は常勤。1年契約の講師という身分ではありますが、事実上の正規採用試験です。
 今の時期は、まだ次年度の公立学校講師募集が始まる直前で、しかも来春まで待ったとしても“お声”がかかる確証など全くありません。こちらはただでさえ浪人中で、傘張りならぬモデム配りで食い繋いでいる身。そんな時に降って沸いて出たこんなオファーを断れるわけもなく、急遽1週間ほどで態勢を整えて、受験する事になった次第なのでした。

 ──それでは、これからこの試験に関する自戦記というか受験レポートをお届けするわけですが、その前に、ここで私立学校で教員が採用されるまでの基本的な流れについてお話をしておきたいと思います。

 私学における教員の採用は、公立のような一括募集&一括採用方式ではなく、各学校が独自に求人・採用を実施します。その方法は各学校によってそれぞれですが、ポピュラーなパターンとしては、その学校の卒業生などから縁故採用をしたり、公立学校で高い評価を受けている教員をヘッドハンティングするなどが挙げられます(特に後者は、いわゆる有名私立進学校でよく見られます)
 しかし、中には「外部からイキの良い新人・若手を公募の形で採用したい」という学校もあります。こういう場合は、近隣の大学に求人票を出したり新聞の求人欄で募集をかけたりするそうですが、これでは必ずしも能力・経験に富んだ人材が集まるとは限りませんので、今一つ確実性に欠けます。
 そこで、我が兵庫県をはじめとする1都5県(兵庫の他に東京、静岡、愛知、広島、群馬)では、その自治体にある私学協会が、全県(都)規模の公募による筆記試験──「私学教員適性検査」なる試験を実施し、これを事実上の“共通一次試験”にしています。つまり、公立学校の教員採用一次試験に似たモノを民間でやってしまおうというわけです。
 この試験を受けた教員志望者の氏名と略歴は、各科目別に成績順で“受検者名簿”に登載されて、各私学の校長の下へ、「教員採用の際は、この名簿に掲載された者を優先にされるようお願いする」旨の要望書と共に送付されます。そして、公募で教員採用を行いたい学校の校長は、その名簿の成績上位の志望者を中心にオファーを出して最終試験を実施。その試験の合格者が晴れて採用…となるわけです。
 このシステム、採用する側からすれば非常に有益である事は間違いありません。が、こちら側・志望者の立場からすると、最初の「適性検査」で失敗すれば最終試験のオファーすら得られませんし、オファーを受けたら受けたで、今度はその都度、各校で最終試験を受けなければなりません。特に働きながら就職活動をしている既卒者の場合は、非常に負担が大きくなるのが難点です。まぁ、エントリーシート記入から始まって何段階にも分けて行われる大手民間企業の就職試験に比べると、それでも相当楽なのかも知れませんが。
 で、今回駒木が受験した試験も、この「適性検査」ルートでやって来たお話なわけですね。
 しかしよく考えれてみれば、小・中・高と一貫して公立学校で育って来た駒木ですから、こういう試験でも無ければ私学の採用試験など、そうそう受けられるわけもないんですよね。ですから、この「適性検査」、確かにシビアではありますが、なかなか有り難いシステムでもあります。


 ──さてさて、では、ボチボチ“自戦記”本編をお送りする事にしましょう。諸々の事情で、今日の内容は試験開始直前までで、以後は来週の第2回に…ということになると思います。ご了承下さい。
 なお、自戦記中の文体は常体に変えさせて頂きます。


  試験会場──合格した場合の来春からの勤務先となる学校までは、自宅から電車等を乗り継いで約2時間ほどかかる。即ち、自宅からの通勤に片道2時間・往復4時間かかる…というわけで、“もしも”の場合の生活が早くも思いやられる。学校勤務の場合、拘束時間はあって無きが如くなので、この条件でフルタイム勤務だと始発で出勤、終電で帰宅…なんてケースも平気でありそうだから怖い。
 なので、その時は恐らく勤務先近くにワンルームかアパートを探す事になるのだろうが、関西は保証金(関東で言う敷金・礼金みたいなもの)がワンルームでも30万以上かかるので、どっちみちしばらくは自宅通勤だろう。長距離通勤のメリットと言えば、休日レジャーの時の電車移動も通勤定期で賄える事だろうが、平日にそんな生活をしていて、休日に外出する気力が残っているだろうかと考えると、メリットもモッズヘアーもラックス・スーパーリッチも無い話だ。

 まぁそれも現時点では獲らぬ狸の皮算用。とりあえず試験を受けて、それに通らねば文字通りお話にならないのだ。
 何しろこちらは、「常勤講師枠が1つ空いたので試験を実施しますが、貴方も受けてみませんか?」というオファーを貰っただけで、よくよく考えたらその1つの枠に対して何人が受験するのかも知らされていなかったのである。冷静に振り返ってみれば、なんて不確実な話にマトモに乗っかってしまったのだろう。しかもそんな大事な事を当日になって気付くなよ自分
 この話、喩えてみれば、実際に会うのは初めての人ばかりのオフ会に招待され、誘われるがままに「行きます」と言ってみたは良いものの、よくよく考えたら少し無警戒すぎやしないか俺? …と、当日、オフ会のために上京するため乗った新幹線で気付いた…みたいなもんである。浮かれている場合ではなかった。反省。
 だがしかし、賽は投げられてしまったのだ。後はいつも通り「野となれ山となれ」しかあるまい。せめてオフ会で1人くらい可愛い女の子がいる事を祈っておこう……って、いつの間に話が入れ替わってしまったのだ。

 馬鹿話はさておいて、やがて駒木は試験会場の最寄駅に到着した。ここまではスムーズだが、方向ド音痴の駒木にとっては、ここからが正念場である。
 前にも講義で述べた事があったかも知れないが、駒木の方向音痴ぶりは往年の斉藤清六クラスであって、これまでも致命的なミスを何度もやっている。初めて公立高校に講師として採用された時、打ち合わせのためにその学校へ向おうとして、1時間以上迷った挙句に全く関係の無い他の高校へ迷い込んでしまい、大遅刻&大迷惑をかけた事もあった。その時は親方日の丸の大らかさで不問になったが、今から考えても背中から冷や汗が吹き出るエピソードだ。
 なので、今回も徒歩数分の所を30分余裕を見てスケジュールを組み、しかも道順を詳細に暗記するくらい地図をチェックして来た。だが、それでも不安は否めない。さて、どうしたものだろうか……

 と思っていたら、いた。“お仲間”がいた。閑静な住宅街のど真ん中にある駅に、朝の中途半端な時間からスーツを着た駒木と同年代の男性。どこをどう見ても、駒木と同じ試験を受ける人としか思えない。というか、去年か今年の採用試験で見たことあるぞコイツ(笑)。
 これは好都合…というわけで、この人を尾行する形でスムーズに会場となる学校まで辿り着く。今から考えたら、その人も方向音痴だったら恐ろしい事になったのだが、幸いにしてそうではなかったらしい。

 校門の警備員さんに指定された受付に行くと、受験番号が配布された。駒木の受験番号は。「うわ、最低でも7人いるのかよ」…と思っていたら、駒木が尾行して来た人の受験番号はなんと2ケタだった。おいおい、1人採用するのに一体何人呼んでるんだよ〜。
 早くもブルーになりつつも、気を取り直して受験者控室のドアを開けてみると、いるわいるわ、ここ数年、必ず採用試験会場で顔を見る“猛者”たちが勢揃いしているではないか。空前の就職難の中、職を得られないまま脂が乗り切ってしまった20代後半〜30代前半の“教員予備軍”が兵庫県中から集って来ていたのである。その数、実に15人。恐らくは全員、今年の「適性検査」で駒木と互角以上の好成績をマークしているはずである。
 ここに至って、早くも己の落選を確信する駒木
 これが『ドラゴンボール』の世界ならば、ヤムチャが賞金稼ぎしようと思ってマイナーな格闘技大会にエントリーしたはいいが、控室に入ってみたら何故かクリリン天津飯がいて、しかも「あれ? 子供が混じっているぞ」と思ってよく見てみたら、髪の毛の尖がり具合からして、どう考えてもサイヤ人…というシチュエーションである。
 そもそも、ある程度の水準以上にいる15人の中でトップになるなんて、言ってみればプロ野球のオールスターでMVPを獲るようなものだ。たとえ先発投手が3イニングを9人パーフェクトで抑えたにしても、リリーフ投手が相手チームにサヨナラホームランでも打たれたらアウトなのである。あ〜あ、皮算用した自分が馬鹿だった。獲らぬ狸どころじゃない。獲らぬロシアンセーブルで皮算用するくらい甘かったよ。

 ……と、すっかり打ちひしがれた気分で、担当の職員さんからオリエンテーションを受ける。
 試験は午前に各自の専門教科についての試験(駒木の場合は当然ながら世界史)、そして昼食を挟んだ午後にSPI検査と面接が行われると言う。試験の案内に「弁当持参」という文言が無かったので昼食ナシの短期決戦を想定していたが、弁当は学校側が用意するので載っていなかっただけで、実は昼食後の方が長く時間を取ってあったのである。
 おお、昼食支給か。さすが経営母体のしっかりした私立学校、太っ腹だ! …とは思ったものの、長期戦に弱い(時間が経つにつれて神経が参ってしまう)駒木にとって、これは更なる悪条件。しかも会場に来る途中には、「昼過ぎまで保てば良いや」とか考えて、栄養ドリンク(しかも安物)なんぞ飲んでしまっていたのである。これじゃ、どう考えても面接のあたりで効き目が切れてしまうに違いないやる事為す事、全部裏目。もう苦笑いするしかない。この時点での駒木の心境は、「まぁ、いい講義の題材が出来たし、それで御の字としておくか」だった。改めて振り返ると、全く御の字でも何でも無いのであるが。

 説明が終わると、早々に試験会場となる視聴覚室(懐かしい!)に連行される我々15人。駒木が戦意ゼロのまま、いよいよ戦いの火蓋は切って落とされたのである。(次回へ続く

 


 

2003年第85回講義
11月15日(土) 競馬学特論
「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第5戦・エリザベス女王杯」

 いよいよこの企画も折り返し地点の第5戦を迎えました。今週は3歳、古馬、外国調教馬が入り混じる実力伯仲のメンバー構成になり、激しいレースがが期待出来るエリザベス女王杯。果たして今年度牝馬No.1の栄冠に輝くのはどの馬か、そして当講座スタッフから的中者は出るのか? どうぞご期待下さい。

第5戦・エリザベス女王杯(京都2200芝外)
馬  名
(外国調教馬は赤字)
騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

×  ◎ アナマリー スミヨン
昨年のジャパンC有力馬・ブライトスカイの好敵手。牝馬限定なら能力的にも十分通用。あとは日本の高速馬場の適性次第。

 

      オースミハルカ 川島

相手強化、距離延長で陣営ムードが極めて弱気。ファインモーション、スティルインラブを負かした意外性は怖いが。

×

×   レディパステル 蛯名

一昨年のオークス馬。牡馬のG2・G3級と互角に戦える地力は未だ健在。前走後の頓挫の影響だけが不安材料。

        メイショウバトラー 武幸

高橋成調教師・ホースマン人生の集大成、再び果敢にG1挑戦。しかし秋華賞で先着許した6頭を逆転できる術は?

× スティルインラブ
史上2頭目の三冠牝馬が世代の枠を飛び出して勇躍挑戦。力は互角以上だが、やはり前走でピークは過ぎた感。
        ヘヴンリーロマンス 松永

平場1000万下快勝も、このメンバーでは勲章にならず……。

アドマイヤグルーヴ 武豊

明らかに成長窺える秋シーズンのレース振り。ここに来て更に充実した感有り、G1初制覇を古馬混合で達成する可能性も十分。カギはやはりスタートと折り合い。

  ×     ヤマカツリリー 安藤勝

牝馬三冠ロードを4、4、3着は立派の一言に尽きる。だが、勝ち切るだけの力強さに欠けるのもまた事実で……。先行から流れ込んだ時の三連複要員?

  ×   ダイヤモンドビコー ペリエ

前年の2着馬がベストパートナーを鞍上に登場。ここに来て体調良化の気配も窺え、引退レースを勝利で飾れるか?

        10 シンコールビー 佐藤哲

オークス3着馬も秋シーズンはレース以前の調整で大苦戦。陣営の戦意も上がらぬままで、苦戦は必至。

        11 ショウナンバーキン 四位

3歳時にG3クイーンC3着の実績あるも、現在は1000万条件の身。バリバリのオープン相手に通用するとは考え辛い。

        12 トーワトレジャー 上村

充実一途の昨年とは雲泥の差の臨戦過程。やや持ち直しの気配はあれど、得意のスローペース・決手勝負は望めなさそうで……。

    × 13 スマイルトゥモロー 吉田豊

追い込みで昨年のオークスを制したこの馬が、新戦術・大逃げを引っさげてG1戦線に復帰。直線平坦の京都コースを味方にどこまで粘るか?

      14 タイガーテイル ジレ
2000mの持ち時計2分00秒3で、高速馬場への対応は問題無さそう。だが、アナマリーとの直接対決で3戦して3つとも完敗で、地力の面で問題が……。

  × 15 ローズバド 横山典

昨年は超スローペースに沈むも、このメンバーに入っても十分主力クラス。唯一最大の懸念は、豪快な末脚を持ちながら何故か勝ち味に遅いところ。ある意味、鞍上も不安材料か。


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 逃げても不思議の無い馬は何頭もいるが、前走・府中牝馬Sで豪快な大逃げを披露したスマイルトゥモロー陣営からハナ切り宣言。天皇賞でミソをつけた吉田豊騎手だが、今度は大丈夫だろう。というより、あのパフォーマンスを見せられては、他の騎手には鈴を付けに行こうという発想すら出て来ないだろう。
 とはいえ、前走のスマイルトゥモローの大逃げは、意図的というよりも抑えが利かなくなっての“暴走”。1800mのレースでさえ最後はバテバテだったのに、2200mで同じ手が通用するとも思えない。よって、今回は離し逃げを打つにしても常識的な範囲に落ち着くのではないか。(勿論、再度暴走したら話は別だが、その場合は3コーナーで脱落するので、話は余計簡単になる)
 展開は全体的に縦長。ほとんどハナを切るような態勢で2番手につけるのが、恐らくヤマカツリリー。オースミハルカ、トーワトレジャーも先行策を採るだろう。本来ならこの位置にいるはずのダイヤモンドビコーだが、ペリエの作戦次第では中団くらいまでポジションを下げる事も考えられる。
 スティルインラブ、アドマイヤグルーヴといった有力馬は中位前後に固まり、3〜4コーナーで差を詰めて行くだろう。その後ろからローズバドはいつも通りの“独自の戦い”。ここ最近、G1で「届かず2着」の目立つ横山典騎手だが、今回は果たしてどうか。
 縦長の隊列・やや速めのペースで流れるレースは、展開不問の地力勝負になり易い流れ。しかし、敢えて言うならば、先に抜け出さざるを得ず、後続から格好の目標にされてしまう先行馬は、直線入口で相当リードを広げておかないと不利は否めないところだろう。

●駒木ハヤトの「逆張り推奨フォーカス」●
《本命:ダイヤモンドビコー》
 

 賢明な受講生の皆さんなら既に承知だろうが、このレースの予想におけるポイントは、“3歳世代VS古馬世代”と“日本馬VS外国調教馬”の2点。もっと言えば3歳と古馬と外国馬のうち、どのグループが一番強いねん? …という話である。これをどう判断するかで、馬券の買い方が大きく異なって来るだろう。そして、馬券の売れ行きから推測するに、どうやら巷では“3歳>古馬>外国馬”という順位付けが為されているらしい。
 だが、駒木個人のジャッジは“3歳=古馬=外国馬”。つまり横一線だ。三冠を達成したスティルインラブも、昨年のファインモーションに比べれば小粒な印象は否めず、せいぜいテイエムオーシャン級といったところだろう。それなら古馬勢でも十分相手になるはずである。外国勢も、ブライトスカイと良い勝負の出来るアナマリーなら地力は互角だろう。(あくまでも駒木の見立てが合っていればの話だが)
 しかし困った事に、この横一線に並んだ各カテゴリの有力馬がどれもこれも一長一短で、どの馬を本命視するか非常に迷うところである。外国勢は日本の馬場の適性が問われるし、レディパステルとダイヤモンドビコーは臨戦過程が万全ではない。人馬共に“2着病”な上に絶えず不発と隣合わせの追込馬であるローズバドも連軸には推し辛いし、アドマイヤグルーヴも気性難が危なっかしくて堪らない。スティルインラヴに至っては、全てのピークが秋華賞だった事を考えると絶好の“消し頃”ですらある。許されるなら馬連6頭ボックス15点買いでお茶を濁したい衝動に駆られる。本当に参った。
 で、散々迷った挙句、ここに来て最も勝負気配の感じられるダイヤモンドビコーを危険承知で推す事にした。アドマイヤで日和りたいところだが、ここは覚悟を決めてアグレッシブに行く。ベストパートナー・ペリエ騎手が鞍上で、しかも後の事を考える必要の無い引退レース。ここで買わねばいつ買うと言うのだ。
 

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 8.1
馬連 7-9 100円 21.5
  1-9 100円 59.2
  1-7 100円 36.8
  9-15 100円 22.3
  5-9 100円 19.4
  3-9 100円 22.3
馬単 9→7 100円 56.1
  9→1 100円 127
三連複 1-7-9 100円 124


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:アドマイヤグルーヴ》

 フルゲートには届かなかったですけど、目移りするような実力馬揃いのレースになりましたね。でも、その分だけ予想が難しくて困ってしまいます(苦笑)。
 それでも、直前追い切りの気配が絶好で、展開も味方しそうなアドマイヤグルーヴが頭半分抜けている…と判断して、本命にしました。怖いのはやっぱり出遅れですけど、秋の2戦を見る限りでは、ちょっとは精神的に成長したんじゃないかって思えるんですよね。
 でも、こういう時に限って出遅れとかしてしまいそうで、ちょっと怖いです(苦笑)。どなたかの影響で、すっかりネガティブに考える癖が付いてしまったみたいですね、私も(苦笑)。……あ、いえ、博士、何でもありませんよ(笑)。

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 4.0
馬連 5-7 100円 5.6
  3-7 100円 15.5
  3-5 100円 12.0
  7-15 100円 11.8
  1-7 100円 36.8
  7-8 100円 37.1
馬単 7→5 100円 11.8
  7→3 100円 29.4
三連複 3-5-7 100円 12.8


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:アナマリー》

 今週も天皇賞と一緒で、どの馬も穴馬のような人気馬のような……って感じで結構迷っちゃいましたけど、最後はほとんど名前で決めちゃいました。穴…じゃなくてアナマリー。良い名前じゃないですか(笑)。フランスでもG1実績あるみたいですし、日本の馬場がこなせたら、呆気なく勝っちゃうかも…なんて思ってるんですよ。
 で、相手は人気馬中心になっちゃうんですけど、○印だけ欲張ってスマイルトゥモロー。これは馬券抜きにしても、どこまで面白い逃げをしてくれるのか楽しみにしてるんです。

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 15.1
馬連 1-13 100円 152
  1-5 100円 29.5
  5-13 100円 53.3
  1-7 100円 36.8
  1-3 100円 54.2
  1-9 100円 59.2
馬単 1→13 100円 213
  1→5 100円 66.7
三連複 1-5-13 100円 218

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:スティルインラブ》

 ただでさえ競馬のコトがよく判らないのに、ヨーロッパの馬が来るってどういうワケですか?(苦笑) しかも駒木博士に質問したら「外国馬かー。強いかも知れないし、そうじゃないかも知れないなー。少なくとも1頭は多分強いと思うんだけど、強いだけじゃ日本で通用しないかも知れないし……」とか、優柔不断な答えが返って来ちゃいましたし(苦笑)。絶対責任逃れしようとしてますよねー。
 でも仕方ないので、知ってる3歳馬とヨーロッパからの馬に、大逃げが忘れられないスマイルトゥモローの6頭で狙ってみます。本命は、勝つところを見てみたいスティルインラブで。 

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 3.3
馬連 5-7 100円 5.6
  1-5 100円 29.5
  1-7 100円 36.8
  5-14 100円 81.8
  5-15 100円 9.5
  5-13 100円 53.3
馬単 5→7 100円 10.4
  5→1 100円 48.8
三連複 1-5-7 100円 31.0

エリザベス女王杯 成績

1着 アドマイヤグルーヴ
× 2着 スティルインラブ
      3着 14 タイガーテイル
× ×   4着 レディパステル
  × 5着 15 ローズバド

単勝7 360円/馬連5-7 530円/馬単7-5 1070円/三連複5-7-14 9570円

 ※駒木ハヤトの“敗戦の弁”(不的中)
 正に痛恨のミスチョイス。しかし、アドマイヤグルーヴがマトモで、ダイヤモンドビコーが出遅れるってどういう事だよ(苦笑)。いくら展開に融通利く馬でも、直線入り口でローズバドより後ろなんだから勝てるわけないじゃないか。
 ただ、今回に関しては、不利が無かったとしても3着が精一杯だったと思うので、まぁ仕方ないかな。3歳の2頭をテイエムオーシャン級って言ったけど、テイエムオーシャンなら、今回の古馬勢には勝つよな、普通(苦笑)。どこか冷静さを欠いてたね。来週また仕切り直しだ。

 ※栗藤珠美の“喜びの声”(単勝、馬連、馬単的中)
 ローズS、秋華賞とアドマイヤグルーヴの取捨選択を惜しいところで間違えていましたので、やっと報われた気がして本当に嬉しいです! タイガーテイルがいなければ……と考えると、やっぱり少し勿体無い気持ちもするんですけど、ま、これは仕方ありませんね。
 私の予想スタイルで、順子ちゃんに追いつけるかどうか分からないですけど、後半戦も出来るだけのことはしてみたいと思います。

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 アナマリーも一瞬だけは良い脚を使ってくれたんですけど、8着ですか……。自分だけ賞金持って帰ってわたしは大ハズレ。自業自得ですけど、何だか悔しいです(苦笑)。
 ていうか、穴狙いならタイガーテイルから狙うべきでしたよね。まあ、それならそれで強烈に悔しいタテ目だったりするので、結局わたしの勝ち目はゼロだったわけなんですけどねー(苦笑)。
 後半戦、このままでも逃げ切れちゃいそうですけど(笑)、出来ればあと1回くらいは万馬券当ててみたいですね。あと5戦、「10倍以下の馬券は馬券じゃない」をモットーにがんばります!
 

 ※リサ=バンベリーの“ハッピー・ハッピー・グッドラック”(馬連のみ的中)
 ハナ差で馬単の的中逃しちゃいました……。せめて残念賞とかもらえないんでしょうか(笑)。
 馬券成績の方は、とりあえず駒木博士の背中が見えて来たので、3位を目標に頑張りたいと思います。これからも応援ヨロシクです!

第5戦終了時点での成績

  前回までの獲得ポイント
(暫定順位)
今回獲得したポイント 今回までの獲得ポイント
(暫定順位)
駒木ハヤト 2640
(2位)
0 2640
(3位)
栗藤珠美 1840
(3位)
1960 3800
(2位)
一色順子 29540
(1位)
0 29540
(1位)
リサ=バンベリー 1660
(4位)
530 2190
(4位)

 (ポイント・順位の変動について)
 これまで的中回数の割に点数を重ねられなかった栗藤珠美が初の本線的中で暫定2位に浮上。トップとの差は依然として大きいものの、この結果を今後に繋げたいところ。リサ=バンベリーも3ケタ得点ながら2戦連続の加点をしている。
 一方、アグレッシブさが裏目に出て3連続不的中の駒木ハヤトは、いよいよ尻に火が点いて来た。ホスト役の名誉にもかけて、最下位転落は避けたいが……。

 


 

2003年第84回講義
11月13日(木) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評・分割版」(11月第3週分・合同)

 ……気がついてみたら、1週間ぶりの講義になってしまいました。開講以来初。本当に申し訳ありません。
 講義をしていなかった1週間も、講義の内容は色々と練っていたのですが、プライベートでの多忙も重なり、今一つまとまり切らずに時間だけが過ぎておりました。これが以前ならとにかく見切り発車で講義を開始していたのですが、さすがに2周年ともなるとモチベーション維持も辛くなっている我が身を痛感します。
 今後は、ボリュームは小さくとも、可能な限り週2回は講義を実施するよう心掛けますので、どうか何卒。講義休止中も毎日来校下さった3000人以上の皆さん、申し訳ありませんでした。

 ──それでは、無理矢理気を取り直して今週のゼミを始めましょう。まずは情報系の話題から。「週刊ジャンプ」の月例新人賞・「十二傑新人漫画賞」9月期の審査結果発表がありましたので、こちらでも受賞者等を紹介しておきます。

第6回ジャンプ十二傑新人漫画賞(03年9月期)

 入選=該当作無し
 準入選=該当作無し
 佳作=該当作なし
 十二傑賞=1編
 ・『ストリンガー』
(=本誌か増刊に掲載決定)
  田中顕(27歳・東京)
 
《村田雄介氏講評:今回の応募作品の中では一番“揺ぎ無い主人公像”が描けている。見開きや雑誌面のような演出も効果的》
 
《編集部講評:写真で悪人を倒すアイディアが面白い。だが展開が早すぎるために、その爽快感があまり伝わらないのが難点。作品を客観視し、意図を判りやすく、効果的に伝える工夫が必要)
 最終候補(選外佳作)=5編

  ・『One Summoner』
   高岸彰(24歳・埼玉)
  ・『LOVE IS! BATTLEFIELD』
   鬼団子(19歳・大阪)
  ・『からくり地蔵』
   船津雄史(19歳・大阪)
  ・『サンタクロース物語』
   門脇由(17歳・鳥取)
  ・『ストリゴイ』
   佐野正明(22歳・愛知)

 受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい)

 ◎十二傑賞の田中顕さん…「週刊少年サンデー超増刊」01年9月号より『スクープ!』(原案:池上正樹)を短期連載の経験あり。
 
現在、村田雄介さん(今回の審査員!)のスタジオでチーフアシスタント。また、『ろくでなしBLUES』連載時から森田まさのりさんのスタジオで、『ARMS』連載時には皆川亮二さんのスタジオでもアシスタント。
 ◎最終候補の船津雄史さん…01年5月期&02年3月期&03年3月期「天下一漫画賞」で最終候補
(今回4度目の最終候補)

 ……今回最高評価を獲得してデビューの権利を掴んだのは、アシスタント歴(最低でも)7年以上、しかも月刊連載経験もアリという異色のキャリアを持つ田中顕さんでした。
 しかし今回気になるのは、受賞者が審査を担当したマンガ家のチーフアシスタントという事ですよね。とんでもなく密接な人間関係です(苦笑)。実際のところは判りませんが、あまり見ていて気持ちの良い話ではありませんねぇ、これは。
 元々「ジャンプ」の月例賞は、その受賞者の多くが既に担当もついている人だったりしますので、公募の新人賞と言うより内輪のコンペテイションを公開でやってるようなモノだったりします。ただ、さすがに受賞者が審査員のチーフアシというのは……。まぁもっとも、この件で一番可哀想なのは、外野から邪推の対象にされてしまう田中さん本人なんですが……。

 せめて編集部サイドも、審査員のアシスタントの作品は翌月回しにするとか、その位の配慮があって然るべきだと思います。実際に審査結果が人間関係に左右される事が有るのか無いのかは別にして、「コネで受賞?」と受賞者が疑われてしまう風評被害だけでも防止する必要があると思います。(それとも、こんな考えを抱くのは駒木だけでしょうか^^;;)

 ──次に読み切り等の話題を手短に。
 まず、「週刊少年ジャンプ」の次号(51号)には『家庭教師ヒットマン REBORN』(作画:天野明)が掲載されます。作者の天野さんは「週刊ヤングマガジン」系列の雑誌で短期連載も経験した“中途採用組”の若手作家さん。「ジャンプ」系列では今年の「赤マル」春号以来2度目の登場となります。
 「週刊少年サンデー」では新連載・読み切りの情報はありませんでしたが、早めの年末進行突入で今週号が合併号のため、次号の発売は2週間後になります。購買読者の受講生さんは、どうぞお気をつけて。

☆「週刊少年ジャンプ」2003年50号☆

 ◎読み切り『KING CRIMSON』作画:西公平

 今週の読み切りは、これが1年5ヶ月ぶりの登場となる西公平さん。毎週のように読み切りが掲載される「ジャンプ」でも、こうも“順番待ち”の若手・新人さんが多いとなると、なかなか再登場もままならないようですね。
 「赤マルジャンプ」ですら、掲載を賭けたプレゼンにも相当数の作品がエントリーされると聞いた事がありますし、西さんのように本誌に複数回読み切りを載せられるだけでも、まだ恵まれている方なのかも知れません。

 そんな西さんは、この秋でデビュー3年目に突入したばかり。00年9月期の「天下一漫画賞」で最終候補に残って“新人予備軍”入りした後、受賞歴の無いまま「赤マル」01年夏号でデビュー。その後、「赤マル」同年冬号にも作品を発表、そして翌02年31号で初の本誌進出を果たしました。
 ここまでは順調な“出世”を果たして来たのですが、残念ながらそのチャンスを連載獲得に活かす事が出来ず、今週に至るまでの長いブランクを経験する事になってしまいました。なお、現在は『神奈川磯南風天組』連載中のかずはじめさんのスタジオでアシスタントをしているようです。(今号のかずさんの巻末コメントにて確認)

 ……では、作品のレビューを。

 に関しては、「若手作家さんとしては」という限定付になるでしょうが、及第点はつけられるでしょう。一部で「『H×H』のようだ」と言われた白っぽい画風も、決して手抜きではありませんので、これで良いと思います。
 ただ、集中線の使い方がマズいのでしょうか、「ここが見せ場!」というコマに限って動きや迫力が感じられず、何だか止め絵っぽく見えてしまった場面が多々有りました。これは残念でしたね。
 また、今回は話の性質上仕方ないのですが、魅力的な女の子キャラもデザイン出来るようになってもらいたいところです。(この先ずっと横山光輝『バビル2世』的な超硬派路線で行くと言うなら別ですが……)

 ストーリー・設定では、「意識して「ジャンプ」の王道路線のアンチテーゼを目指すぞ」…という意欲的な試みが成されていて、これは興味深いです。

 今年の「赤マル」夏号レビューの際にも指摘しましたが、実は「ジャンプ」の(特に若手・新人さんの)読み切りには一種のフォーマットのようなものがあり、大半の作品はそれに乗っかってプロットが作られています。
 具体的に説明すれば、こんな感じですね。

冒頭:モノローグで作品世界の大雑把な紹介等があり、次の見開きで扉絵とタイトル。
     ↓
序盤:“掴み”になるような“事件”
発生、それが一段落ついた後には、ギャグ等も交えながら、キャラクターと世界観の設定説明がしばらく続く。
     ↓
中盤:ところが平和な一時もここまで。先の“事件”よりも深刻かつ、作品の核となる“大事件”が起こって一気にクライマックスへ。
     ↓
終盤:主人公、又は主人公の身近な人物が命の危機に晒されて大ピンチ。敵役、得意の絶頂。
しかし、そこから何らかのきっかけで主人公が一気にパワーアップ(超サイヤ人化)し、一気に問題が解決
     ↓
エピローグ:基本的には大団円
。しかし、カッコよく決めた主人公が最後の最後でズッコケて、これがオチになる。

 ……まさに王道、まさに起承転結といった感じですね。このフォーマットを使うと、どんな出来の悪い作品でも流し読む分には“読めて”しまうので、特に「絵は上手いがストーリー考えるのは苦手」という若手・新人さんに重宝されています。
 ただ、それはぶっちゃけ「グダグダのシナリオを誤魔化しているだけ」だったりしますので、このフォーマットはある意味「駄作製造機」になっていたりするのです。もっとも、このフォーマットをベースに独自色を出して成功している実力派作家さんも多数いらっしゃるので、一概に悪いとは言えないんですけどね。

 ──で、この『KING CRIMSIN』では、このフォーマットが、完全にとまでは言いませんが、かなりの部分で無視されているんですよね。特に“終盤”では安直な「大ピンチ→超サイヤ人化」を全く使わず、それどころか主人公サイドが全くピンチに陥らないままで、読者にカタルシスを与える事に成功しています。これはナニゲに凄い事だったりします。
 また、主人公の設定も非常に巧みです。根っからのアンチヒーローでありながら、“絶対的な強さ”という要素で読者に魅力を感じてもらえるような工夫が成されています。最後に正義感を少しだけ萌芽させて救いを持たせるのも憎い演出ですね。(ただ、『こんなやつの血で刀を汚す必要はない』は少しやり過ぎだと思いますが)

 ただ惜しむらくは、1年5ヶ月前の前作にも見られた、ストーリー展開の強引さが未だ改善されていない点でしょう。
 まず序盤で不良相手のケンカと兵法を結びつけたのもかなり強引ですし、終身刑以上の罪人が子供にホイホイと従う所に至っては相当な無理があると言わざるを得ません。また、敵役が余りにも簡単に主人公・一徳の平凡な兵法にハマってしまうのも、ややご都合主義ではないかと思われます。
 これらの失策のため、せっかくの絶妙なプロットやキャラクター設定が上手く活かせずに終わってしまいました非常に勿体無いと思います。今後はプロットからネームに落とし込む時に、もっともっと練りこんで欲しいところです。

 評価は非常に迷うところですが、短所が長所を上回ってしまっている…と見なしてB+にしておきます。個人的には、“王道フォーマット”を無視しているという時点でかなりポイントが高いんですが、こればかりは仕方ありませんね。その分、次回作に期待したいと思います。

 

◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆

 今週から時間の許す限り「ジャンプ」でも巻末コメントについて雑感を少々。箇条書きで失礼。

 ・澤井啓夫さん……駒木の経験上、喫煙率の高い職場は労働条件が過酷である確率が極めて高いのですが、やはりここのスタジオもそうなんでしょうか?(笑)
 ・稲垣理一郎さん……連載1年にして初の栄養ドリンク(しかも効き目弱いヤツ)というのは健全すぎて凄いですね。大抵の作家さんはユンケル中毒、エスタロンモカ中毒だったりするんですが。分業制は作者の健康維持にも貢献するようですね。
 ・つの丸さん……アシスタント募集に関する御礼ですか。と言う事は、「アシスタント新規採用=連載まだまだ続行」という判断で良いんでしょうかね。
 ・武井宏之さん……う〜む、加治佐修さんの居酒屋ぶっちゃけ発言が聞いてみてぇ(笑)。
 ・内水融さん……辞書的な意味で冷徹に判断すればするほど、あなたの作品の掲載位置は打ち切り濃厚なんですが(涙)

 ◎『いちご100%』作画:河下水希【現時点での評価:B/雑感】

 皆さんが注目したであろう、新キャラ・ちなみの“あざとさハイパーインフレ”は敢えて放置。それよりも文化祭で上映した映画のストーリーが知りたい駒木だったりします(笑)。だって凄く面白そうじゃないですか。いや、河下さんも全く考えてないと言う事は薄々判ってますけれども(苦笑)。

 ◎『武装錬金』作画:和月伸宏【現時点での評価:A−/雑感】 

 恥ずかしながら、今回は読んでる最中、ずっと顔がニヤケっ放しでした。斗貴子さん、苦手のギャグ部分で大活躍! ブラボー!
 しかし、「ののしって下さい!」/「このブタ野郎 !!」のコンボにはシビれたなぁ(笑)。「僕にも『ブタ野郎』とののしって下さい」と言い出したヤツが全国で1万人はいるはず。いや、駒木は言いませんよ?
 ストーリーの方は、まさに怒涛の展開。一見安易に見えた蝶野(孫)の蘇生は、カズキの錬金戦士エントリーの動機付けに繋がってたんですね。ここからどう見せていくのか、純粋に楽しみです。


☆「週刊少年サンデー」2003年50.51合併号☆

 巻末コメントのテーマは、「自分で法律が作れるなら、どんな法律を作りますか?」。
 答えがバラけるかな……と思いきや、「1週間を8日に」という“週刊連載締め切り延長法案”が雷句誠、青山剛昌、福地翼の3氏から提出されました(笑)。似たようなニュアンスの法案もいくつか出されており、やはり週刊連載最大の敵は、アンケートでも編集者でもなく締め切りである事をヒシヒシと痛感してしまいました。
 しかし、恐れながら申し上げますが、今でも締め切りに追われている人は、1週間を8日にしようが10日にしようが、また必ず締め切りに追われると思います(笑)。えぇ、人間ってそんなもんですよ。
 駒木の希望する法案は、やはり「ギャンブル全面解禁」でしょうかね。少なくとも公営ギャンブル関連法の「学生・生徒・未成年者は投票券の購入・譲受が出来ない」という憲法違反の条文はどうにかしたいところです。

 
『いでじゅう!』作画:モリタイシ【現時点での評価:A−/雑感】

 ミウラさんとベリ子のキスシーンを目撃した皮村の発想の飛躍し具合が、まさにリアル男子高校生そのもので大爆笑でした。「どいつもこいつも、陰ではヤリまくっとんやー!」みたいなね(笑)。
 ここでは何度も言っていますが、本当にモリさんって高校生キャラ心境描写は天才的に上手いですよね。たとえそれがこのマンガのクオリティに直接には結びついていないとはしても(笑)。

 ◎『結界師』作画:田辺イエロウ)【第1回掲載時の評価:A/雑感】

 先週の第3回後追いレビューで、「主人公が甘党だという伏線が張られていない」と言ったんですが、その後受講生さんから「卵焼きが砂糖入りの方が好きだったり、メシと一緒にコーヒー牛乳飲んだりしてますけど?」……というご指摘を頂きました。確かにそうですね(苦笑)。
 しかし、見落としてた人間が言う事じゃ無いですが、それをキャラ付けに発展させるなら、もっと極端な演出をするべきだと思うんですよね。先週にも同じような事言いましたが、コーヒー牛乳にガムシロップをドボドボかけるとか、砂糖入り卵焼きに更に砂糖をまぶすとか、そこまでしてようやく読者全員に気付いてもらえると思うんですが、どうでしょうか。

 ◎『モンキーターン』作画:河合克敏【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】

 キター! 河合“ムッツリスケベ”克敏流・寸止めセミヌードキター!
 その上、回りくどく波多野と接触する理由を探す青島さんメチャ萌えであります。こういう男好きのする葛藤(笑)を、ファンサービスも兼ねてアイドルキャラに裸で独白させるというのは、さすがとしか言いようがありませんな!(←何を興奮してんだ)


 ……というわけで、今週のゼミは以上。最後がアレですが、目次の順番でチェックポイントを採り上げているので気にしないように。
 来週は「サンデー」が合併号休みですから、「読書メモ」でもやってみましょうか。ボチボチとご期待をば。

 


 

2003年第83回講義
11月6日(木) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評・分割版」(11月第1〜2週分・合同)

 今年も早いもので11月に突入。今月末には当講座も開設2周年になるわけですね。我ながら(呆れる意味で)よくやったもんだと思いますが、これもひとえに受講生の皆さんのお蔭です。改めまして今後とも何卒。
 で、“周年記念”となると、当然やらなくてはいけないのが「仁川経済大学コミックアワード」。昨年に引き続き、今年もこの“世界で最も権威もヘッタクレもないマンガ賞”を実施予定です。まだ構想段階ですが、今回からは部門賞の数も増やし、より内容の濃いイベントにしたいと考えています。ご期待下さい。

 ──さて、ではゼミを始めましょう。まずはいつも通り情報系の話題から。今週は「ジャンプ」の読み切り情報が入っていますので紹介しましょう。
 「週刊少年ジャンプ」の次号(50号)に掲載されるのは『KING CRIMSON』作画:西公平)。西さんはデビュー3年目の若手作家さんで、02年31号以来の本誌登場となります。それ以来、何人も連載レヴェルの有望若手・新人作家さんが登場していますし、西さんとしては“先輩”として負けられないところでしょう。新作の出来に期待したいところです。

 なお、「サンデー」関連の情報で、特にここで採り上げるべきモノはありません。ただ、今年分下期の「新人コミック大賞」の1次選考結果発表が掲載されたり、早くも来週から合併号だったりと、年の瀬を感じさせるあれやこれやが見受けられたのが印象深かったですね。

 …それでは、今週もレビューとチェックポイントをお送りしましょう。今週は新作の掲載が無く、「サンデー」の新連載第3回後追いレビューが1本のみという、少し寂しい内容になりますが、その分チェックポイントでいくらか補完できれば…と思います。

☆「週刊少年ジャンプ」2003年49号☆

◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆

 今週は巻末コメントが“豊作”でしたね。作品が行き詰まった上に担当交代でぶっ壊れ、井上和郎さんの作品世界に迷い込んでしまったような人とか、車上荒らしを捕まえて自分がハンターになってしまった人とか、娘が『ボーボボ』のサービスマンのモノマネをするようになったのを真剣に悩む父親とか、下手な読み切りよりも面白かったような気が(笑)。でもまぁ、息子ならまだしも娘が「サービス!」ってやらかした日にゃ、確かに気が気じゃないですよね。
 あ、あと少食になっても体重が減らないという内水融さん原因は運動不足だと思います。余った時間で踏み台昇降など如何でしょうか。

 ◎『NARUTO』作画:岸本斉史【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 

 ちょっとここ数回、個人的には不満が残るんですよね、この作品。
 というのも、敵がわざわざ最弱の刺客からよこしたり、わざわざ手加減状態から戦い始めたり、更には敵がそれを後になっていちいち言い訳したり…って、コレって20年以上前の「ジャンプ」セオリーじゃないですか(苦笑)。駒木、『キン肉マン』のキン肉マンVSステカセキングの辺りを思い出しちゃいましたよ(笑)。
 まぁ王道と言えば王道なんですが、もうちょっとヒネっても良かったんじゃないかと思うんですが。普段から期待している作品だけに尚更そう思ってしまいましたね。

 
 ◎『HUNTER×HUNTER』作画:冨樫義博【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 

 いやー、それにしても電波な人の描写をさせると上手いですなぁ、冨樫さん。喫茶店でコーヒー飲みながら会話させるだけで、そのキャラがどれだけ異常か判るようになってるってのは、やっぱり凄いですよ。良い作品っていうのは、こういう技術の積み重ねから出来上がるもんだとしみじみ思います。
 で、巷で話題のネフェルピトーが開発しようとしてる“修理”の力。一見、「ジャンプ」王道の“ドラクエ式蘇生路線”導入を思わせる話ではあるのですが、冨樫さんの作風から考えると、どう考えても一筋縄ではいかない気配が(苦笑)。そもそも、生き返すのが目的じゃなくて、何度でも殺すのが目的なんですから、それを考えただけでも“黒い”ですよね。
 しかし驚いたのは、ネット界隈の論調を俯瞰してみても、既に「ただ生き返すだけとは思えない」という意見が主流になっている事。ようやく冨樫さんの思惑が読者に浸透しつつあるようですね(笑)。


 ◎『いちご100%』作画:河下水希【現時点での評価:B/雑感】

 この期に及んで第5のヒロイン登場。どうやら唯の二軍降格に伴う人事のようで、駒木はショボーンです(苦笑)。でもまぁ、とりあえずの打ち切りは逃れたと言う事なんでしょうから、お喜び申し上げなくてはなりませんか。
 で、今度の名前は端本ですか。真中の対極として端本…ということなんですね、きっと。個人的には東南西北に続く三元牌シリーズ(白発中で、中は真中)を期待していたのですが、残念でした。
 

 ◎『こちら葛飾区亀有公園前派出所』作画:秋元治【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 

 確かに深夜とかCS放送ならウケそうです、「冥曲ノ調」。現実にマンガのようなコアなチャレンジャーが集結するかは別にして。
 ところで、以前は確かに「民放各局で放送を自粛すべき曲(=要注意歌謡曲)リスト」という意味での放送禁止歌というものはあったんですが、最近は解禁傾向にありますよね。かけた瞬間に抗議が殺到するような曲でない限りは、ほぼフリーパスになりつつあるようです。(とは言え、ゴールデンからプライムタイム辺りでは「金太、マスカット切る、痛そう」あたりからアウトになりそうですが)
 この流れで嬉しかったのは、カラオケでも放送禁止歌が歌えるようになった事ですね。例えば、なぎら健壱『悲惨な戦い』とか。この調子で、映画スター時代の梅宮辰夫が若気の至りで出した『シンボルロック』とかも解禁になってもらいたいもんです。

☆「週刊少年サンデー」2003年49号☆

 ◎新連載第3回『結界師』作画:田辺イエロウ)【第1回掲載時の評価:保留】

 「サンデー」で今年開始の新連載3本が掲載順ワースト3を独占する中、そろそろ身の上がヤバくなって来た編集長派社員の皆さんも期待する(?)、新鋭・田辺イエロウさんの新連載・『結界師』が第3回を迎えました。お約束通り、後追いレビューを実施します。

 ──それにしても、この作品は隙が無いですねぇ。敢えて回を改めて採り上げなくてはならないようなポイントが見当たらなくて困ってしまいます(苦笑)。
 にしても、全くクオリティが落ちていませんしねぇ。また、単なる画力だけじゃなくて、コマ割の構成も十年選手のように手馴れているのが末恐ろしいです。むしろ手馴れが過ぎて画面が淡白になり、逆にそれで損しているぐらいかも知れません。
 ストーリー面にしても、丁度痒いところに手が届くというか、展開の緩急のつけ方が絶妙なんですよね。読者が刺激を求め始める3回目から数話完結型に移行したりとか、ちょっとミステリ風味を絡ませて次週への“引き”まで上手くまとめるとか。この辺の感覚が天才的なのか、それとも良い担当さんやブレーンに恵まれているのか、そのどちらともなのか、いずれかでしょうね。
 ただ惜しむらくは、伏線の使い方が苦手なのか、新しい設定を提示する際に、どうしてもとってつけたような感じになってしまう所でしょうか。例えば主人公・良守が超甘党なんて部分は、前2回でいくらでも伏線を張る機会があったと思うんですよね。学校で食う昼メシを大量の菓子パンにしたりとか、休み時間にチョコレート食わせたりとか。キャラ設定を立てる時に、あらかじめそういう“遊び”の部分を作っておけば、いくらでもストーリーの導入に使えたと思うんですが。

 ただ、全体的に見れば、この作品は(少なくとも現時点では)十分秀作の範疇に入ると思います。評価はA−寄りA
 勘案すべき問題としては、最近の「サンデー」の新連載が、どれもこれも回を追うごとにヘタれていく傾向にある事くらいでしょうか。特に最近に『ダイキチ』がフリーフォールしたばかりですので、ちょっと心配です。今回のエピソードはまだ良いとして、この次のエピソード辺りが今後を占うカギになって来そうですね。

◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 

 巻末コメントのテーマは、「ストレスが溜まってきたら何をしますか?」。
 一見して良い質問だと思ったんですが、それ以上に難しい質問だったようで、作家さんたちの回答は抽象的な答えでお茶を濁すかボケに回るかに分かれてしまいました。まぁ、あだち充さん「溜まるたびに何かしてたら仕事になりません」というのが正鵠を射ている気がしますね。
 駒木の場合は、やはり「麻雀を打つ、又は普段やらないギャンブルをする」「格闘技の生観戦をする」でしょうか。これをダブルでやって、しかもギャンブルでプラス収支になった日には、ストレスなんか初期状態に戻っちゃいますね(笑)。あと最近は「東京へ貧乏旅行へ行く」が加わりましたか。あ、でもやってる事は一緒だな(笑)。
 でも、一番ストレスが溜まっていたであろう去年の今頃は、貧乏暇ナシでそれどころじゃなかったんですよね。確かあの頃は「甘い物+コーヒー大量摂取しながら読書」で代用してたのかな。そりゃ、踏み台昇降で5〜6kg絞れるくらい太るわな。

 ◎『モンキーターン』作画:河合克敏【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】

 やはり「特報」はアニメ化決定のニュースでしたね。しかし、紹介されたアニメ版のキャラデザインは……(涙)。何か、何か顔の輪郭がみんな変だよぅ……

 そしてマンガ本編では“女の戦い”ついに決着ナニゲにこの作品の中でも屈指の名勝負だったような気がするのは駒木だけでしょうか。まぁ何はともあれ、青島優子選手、優勝&SG出場決定オメデトウございます。ついでに、ペア旅行の権利を獲得した3着の櫛田千秋選手もオメデトウございます(笑)。
 しかし、優子&クッピー先輩の海外旅行って、いかにも珍道中になりそうなんで、是非見てみたいところです。河合さん、単行本巻末のオマケ企画とかでやってくれないもんでしょうか。

 ◎『うえきの法則』作画:福地翼【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】

 今週の内容はスッキリしていて、それでいて読み応えもあって良かったと思います。こういう展開なら、ずっと応援したくなるんですけどね、この作品も。
 せめてもうちょっと例の、「あーなってこーなってこうだ!」系バトルが影を潜めてくれれば良いんですが、それやっちゃうと、もはや『うえきの法則』じゃなくなっちゃいますからねぇ。


 ◎『売ったれ ダイキチ!』作:若桑一人/画:武村勇治現時点での評価:保留中/解説など】

 3週に渡って続いたカシノ編も終了。最後まで、現実感皆無のストーリー展開でしたね。特に最後の「風が吹くかどうかの確率は1/2」って、何ですかそれ?

 あと、博識な皆さんは既にご存知でしょうが、現実世界ではルーレットの出目をコントロールできるようなディーラーは存在しません。というより、そんな技術は全く使い道が無いので、身に付けよう思うディーラーさえほとんど存在しないはずです。
 だって考えてみて下さい。出目を自由に操れるディーラーがいるカシノで大金を賭けるバカがいると思います?(笑) カシノに利益が出るどころか、「あそこでルーレットは賭けるな」って風評が伝わって、たちまち閑古鳥が鳴いてしまいますよ。ですから、もし奇跡的に出目を操れるスキルを持てたとしても、その瞬間、そのディーラーは永遠の失業が確定してしまうのです。
 カシノを運営する側、そしてゲームの進行を担当するディーラーが最も気を使う事は、“ゲームの公正確保”と“悪質な客の見極めと管理”です。また、それがカシノ側にとっても、客の側にとっても一番望ましい事なんですよね。

 ……しかし、本当にこのマンガってトンデモ系に針が振れちゃったんですね。連載当初のノリなら、ここは確率論に基づいたギャンブルの攻め方をネコ先生が講義するような形になったと思うんですが、いやはや。


 ……というわけで、今週のゼミを終わります。
 ところで、今週辺りから再来週前半まで身辺が慌しくなりますので、あまり頻繁に講義が出来なくなると思います。ご了承を。

 


 

2003年第82回講義
11月1日(土) 競馬学特論
「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第4戦・天皇賞(秋)」

 一色順子の万馬券的中により、突如として風雲急を告げる状況となった今回の予想ラリー。いよいよ中盤に突入の第4週・秋の天皇賞予想の模様をお届けします。
 前日時点の馬連オッズが全ての組み合わせで10倍以上と言う混戦ムードの中、4人はどのような結論を下したのか、どうぞジックリとご覧下さい。

第4戦・天皇賞(秋)(東京2000芝)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

       × サンライズペガサス 柴田善
言わずと知れた、中長距離シーンの強豪馬。しかし、屈腱炎による丸1年の休養明けでは……。
× エイシンプレストン 福永
アメリカ生まれの香港巧者という変り種。地力は誰もが認めるところだけに、4年ぶりの国内G1制覇を果たしたいところだが。

 

      トーセンダンディ 江田

臨戦過程、距離、コース適性、そして地力の差。不利な条件が揃うだけ揃った中、体調の良さだけでどこまで?

 

      テンザンセイザ 藤田

府中巧者血統・トニービン産駒組のエース。地力不足をどこまで補えるか注目だが。

  ローエングリン 後藤

フランス帰りも仕上がり良好。自分のペースを作って、実績上位馬に正面から堂々と戦いを挑む。

        ダービーレグノ
夏のローカル開催で不振脱出。かつての醜態は度外視すべきも、やはりここでは家賃が高そうで。
× ×   ツルマルボーイ 横山典

追い込み一辺倒ながら、比較的安定した成績を残せるのは強み。しかしトライアルを叩けなかった誤算は少なからず響きそう。

  ×     モノポライザー 武豊

かつてのダービー馬候補が、屈辱の準オープン陥落を乗り越え再びメインステージへ。まだまだ課題も残されているが、そこを鞍上がどうフォローするかも見もの。

        ロサード 武幸

前走で重賞制覇も、臨戦過程でデキ降下。好走条件の注文も多く、ここで多くを期待するのは酷か。

      10 ファストタテヤマ 安田

京都のスペシャリストから、全国区のダークホースへ。相手関係は厳しいが、長い直線を活かして、父に2週連続のG1勝利をプレゼントできるか?

11 アグネスデジタル 四位

オペラオーを屠った一昨年の激走は未だに鮮烈。相変わらずムラ駆けの傾向はあるが、現役最多勝・G1レース6勝の実績は有無を言わせぬ重みが。

×       12 カンファーベスト 安藤勝

昇り馬が勇躍G1初挑戦。相手関係は不利だが、鞍上がいかにも頼もしい。緩みの無い展開になればチャンスはある。

        13 ゴーステディ 吉田豊

オープンで勝ち星未だ無し。本調子欠く調教にも不満が残り、理想の単騎逃げでも果たしてどこまで?

        14 トレジャー 五十嵐冬

重賞クラスでは決め脚不足に悩まされる日々。待望の岡部騎手復帰もならず、ここで多くを望むのも酷か。

      15 トーホウシデン 蛯名

かつての菊花賞2着馬が漸く復調の兆し。昨年の0.4秒差5着から、どこまで差を詰められるか。

    × 16 イーグルカフェ 田中勝
昨秋以来の“確変”モードも、いよいよ終焉ムード? 内ラチ沿いから抜け出すパターンが得意なだけに、この外枠も不利。不気味さだけは漂うが……。

 

      17 ヤマノブリザード 勝浦

マル地・期待の星も、ここ最近はすっかり沈滞ムード。存在感示したいところだが、強調材料も乏しくて。

×

  18 シンボリクリスエス ペリエ

年度代表馬、満を持して登場。仕上がり万全、地力も抜群、鞍上も文句なし。しかし、この18番枠が全てを帳消しに……。

 

●展開予想(担当:駒木ハヤト)

 逃げ宣言はゴーステディ。しかし、事実上のペースメーカーはローエングリンが務めることになるだろう。前が余りに行き渋るようなら、自らハナを切るのも躊躇しない構え。末脚が鈍らない程度、澱みの無い流れの平均ペースで、道中は流れてゆくだろう。
 そのローエングリンを好位からマークできるのがアグネスデジタルとシンボリクリスエス。絶好の目標を前に見据え、タイミング良く抜け出しを計る。ただし、シンボリクリスエスは大外枠の捌き方を間違えると大きく後手を踏む恐れも。
 差し・追込は決め脚よりも位置取りに融通が利くかどうかがカギになりそう。前が完全に止まる事は考え辛いだけに、追い込み一辺倒のようなタイプは少々辛い。中位前後から経済コースを通ってスルスルと抜け出すようなレースがしたいところ。

●駒木ハヤトの「逆張り推奨フォーカス」●
《本命:アグネスデジタル》

 前年の年度代表馬・シンボリクリスエスが万全の態勢で戦線復帰。メンバー中で実力最右翼でもあり、本来ならば“魔の1番人気”でも逆らえないところだが、枠順抽選で痛恨のミスフォーチュン。改修されたとは言え、未だ阪神芝1600m並の外枠不利を誇る府中の芝2000m。大外18番枠を引いた以上、少なくとも連勝馬券の軸には推せなくなってしまった。ここは押さえに留めたい。
 代わって本命に抜擢したのはアグネスデジタル。相変わらずのムラ駆け傾向には一抹の不安が残されるが、ここぞという時の力強さは今春の安田記念で証明済み。ルドルフ、オペラオーに続くG1レース7勝の偉業へ再び挑む。
 しかし対抗以下はドングリの背比べで非常に難解。展開利と地力の高低を重視して、出来る限り手広く狙ってみる事にする。

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 11 100円 7.1
馬連 5-11 100円 29.2
  2-11 100円 22.1
  2-5 100円 18.4
  7-11 100円 27.5
  11-18 100円 17.5
  11-12 100円 71.5
馬単 11→5 100円 62.8
  11→2 100円 48.2
三連複 2-5-11 100円 46.8


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:アグネスデジタル》

 2年前、あのテイエムオペラオーを一刀両断にしてしまったアグネスデジタルを本命に推します。その実績はもちろん、距離適性や展開も絶好ということで、私の馬券も含めて安田記念の再現を狙ってみたいところですね。
 大外枠を引いてしまったシンボリクリスエスですが、私は上位争いは出来るんじゃないか…と予想しています。実は、こっちを本命にしようかどうか、最後まで迷ったんですけどね。博士と本命が被るのも不安ですし(苦笑)。

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 11 100円 7.1
馬連 11-18 200円 17.5
  2-11 100円 22.1
  2-18 100円 12.9
  5-11 100円 29.2
  7-11 100円 27.5
  8-11 100円 49.9
馬単 11→18 100円 37.4
  11→2 100円 48.2
三連複 2-11-18 100円 29.0


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:イーグルカフェ》

 先週に続け! …ってことで、今週もバシバシ穴を狙いに行きます! せっかく大きくリードしたんですし、ここはもう、他の3人がギブアップしちゃうくらいに点数差を広げてしまいたいですね〜。

 というわけで今週も穴予想です。
 今年の天皇賞は混戦ムードみたいですけど、こういう時って、過去にG1実績があるのに、なぜだか評価が低くなっちゃってる馬が2頭まとめて来る事がるんですよね〜。終わってみたら「あるある〜」って感じの。
 なので、今回はそういう馬ばかりを選んでみました。一番穴馬っぽいのはファストタテヤマですけど、2着か3着で止まっちゃいそうなので、ここは単勝オッズも高くて1着と縁が深そうな(?)イーグルカフェを本命にします。展開? そんなの、こんな大荒れの結果になった時に展開がスンナリ行ってるはず無いじゃないですか(笑)。
 ……うわ、馬連は全部万馬券、馬単・三連複は10万馬券ですねー。う〜ん、さすがにちょっとやり過ぎかな?(苦笑)
 

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 16 100円 58.7
馬連 10-16 100円 653
  15-16 100円 746
  10-15 100円 111
  11-16 100円 296
  2-16 100円 317
  7-16 100円 351
馬単 16→10 100円 1740
  16→15 100円 1948
三連複 10-15-16 100円 3167

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:シンボリクリスエス》

 いつの間にか、ワタシがビリになっちゃってますねー(苦笑)。皆さん、初心者の高校生相手に本気出すなんて大人気ないですね〜(笑)。

 今週は去年のチャンピオンホースが出て来るっていうコトで、楽しみにしてたんです。枠順がどうこうって言われても良くわからないですので、構わず本命にしちゃいました(笑)。
 で、あとは日本以外のレースとか、ジャパンカップとかで活躍した馬を抜き出してみました。やっぱり、世界標準って言うんですか? そういう馬って一味違うと思うんですよね〜。あ、でも、よく知らないですけど(笑)。
 あーあと、サンライズペガサスは、一番名前がカッコいいと思ったからです(笑)。

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 18 100円 3.3
馬連 2-18 100円 12.9
  11-18 100円 17.5
  2-11 100円 22.1
  5-18 100円 12.5
  16-18 100円 183
  1-18 100円 98.8
馬単 18→2 100円 18.9
  18→11 100円 28.9
三連複 2-11-18 100円 29.0

 以上、4人の予想でした。しかし、これだけたくさんのフォーカスを挙げても、スルリスルリと買い目が抜けて、全員不的中とか平気でありそうで怖いですね(苦笑)。特に3頭出し厩舎同士のワン・ツーで7-18とか、十分過ぎるくらい考えられますからねぇ。
 でも、こういうレースは、出来るだけ点数を絞って、「当たれば大儲け、外れても損害少々」という買い方が一番良いんですよね。皆さんも大怪我なさらぬよう、お気をつけて。ではでは。


天皇賞(秋) 成績

×   1着 18 シンボリクリスエス
× ×   2着 ツルマルボーイ
        3着 テンザンセイザ
× 4着 エイシンプレストン
×       5着 12 カンファーベスト

単勝18 270円/馬連7-18 1310円/馬単18-7 1900円/三連複4-7-18 12870円

 ※駒木ハヤトの“敗戦の弁”(不的中)
 展開予想が大ハズレで、その時点でアウト。うん、典型的な敗戦パターンだね(笑)。まぁ、真実はどうであれ、逃げ馬2頭に後藤と吉田豊が乗っている時点でキナ臭い何かを感じ取らなきゃギャンブラーとしては失格だよなー。ちょっと反省。
 あ、ちなみに後藤騎手と吉田豊騎手の因縁については、Googleで「後藤 吉田 木刀と検索すれば関連記事が出て来ます。まぁ検索しないでも事の次第が判りそうなキーワードではありますが。

 しかし、本当に3頭出し厩舎のワン・ツーになるとは思わなかったなぁ……。シンボリクリスエスが15番枠までだったら勿論本命だったし、展開がこうなるなら当然ツルマルボーイも本命候補だったんだけど、この辺は駒木の博才の無さが遺憾なく発揮されている感じ(笑)。アグネスデジタルも、競走以前の無気力凡走で問題外だったし。どうして印重くした時に限って来ないかなキミは(苦笑)。
 でもまぁ、シンボリクリスエスは強かった。今日のレースを観る限りでは、「ネオユニヴァースでも、ザッツザプレインティでも、隙があったらかかって来んかい!」的なオーラが出てたもんなぁ。これでまたジャパンカップと有馬記念がスポーツ的に楽しみに。あー、でも結果は荒れてくれないと、順子ちゃんに追いつけないんだよな(苦笑)。

 ※栗藤珠美の“反省文”(不的中)
 あーもう、本当に自分がイヤになります。どうしてシンボリクリスエス本命にしておかなかったんでしょう……。駒木博士って、確かに色々教えて下さるんですけど、直接馬券に結びつくことって少ないんですよね(苦笑)。でも、無視するとその通りになってしまったり……。
 来週から土曜日は順子ちゃん勤務にシフト変更させて頂こうか、ちょっと真剣に考えます(笑)。

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 やっぱりダメでした(笑)。イーグルカフェは9着。ちょっと狙いすぎでしたねー。展開がズタズタになるっていうのは当たってたんですけど、シンボリクリスエスが勝っちゃったら、わたしにはどうしようもありません。
 でもまあ、まだまだリードはたくさんありますし、次回も余裕を持って大穴予想してみたいと思います。応援よろしくお願いします!
 

 ※リサ=バンベリーの“ハッピー・ハッピー・グッドラック”(単勝のみ的中)
 的中……ですけど、やっぱりあんまり嬉しくないですねー(苦笑)。もうちょっと一生懸命考えた方がいいのかなー、なんて思うんですけど、どうするのがベストなんですかねー?

第4戦終了時点での成績

  前回までの獲得ポイント
(暫定順位)
今回獲得したポイント 今回までの獲得ポイント
(暫定順位)
駒木ハヤト 2640
(2位)
0 2640
(2位)
栗藤珠美 1840
(3位)
0 1840
(3位)
一色順子 29540
(1位)
0 29540
(1位)
リサ=バンベリー 1390
(4位)
270 1660
(4位)

 (ポイント・順位の変動について)
 配当だけなら本命サイドの決着も、見事なまでのタテ目連発で馬連、馬単、三連複の的中者は無し。
 唯一ポイントを挙げたのは、シンボリクリスエスを本命に指定し、単勝配当のポイントを獲得したリサ=バンベリー。1番人気の単勝配当なので加点は少ないものの、3位の栗藤珠美に180ポイント差と肉薄。依然一人旅の一色順子を除く3人による最下位争いが、ますますヒートアップしそうな気配。


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