「社会学講座」アーカイブ(演習《現代マンガ時評》・9)
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講義一覧
6/25(第25回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」
(6月第4週分・合同) |
2004年度第25回講義 |
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……冒頭からとりあえず叫んでみました(笑)。ご機嫌如何でしょうか、駒木ハヤト(これでも教員)です。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ★新人賞の結果に関する情報 ※「ジャンプ」25号で発表済みながら採り上げるのを忘れていた、第11回「ストーリーキング」の審査結果を紹介しておきます。
受賞者の皆さんのキャリアは以下の通りです。 ◎マンガ部門最終候補の久保咲さん…02年「ストーリーキング」ネーム部門で奨励賞。 ……最近では「手塚賞」に代わって、ストーリー系新人の登竜門的存在になっている「ストキン」ですが、今回は残念ながら不作に終わった模様ですね。まぁ去年から年2回開催になってますし、たまにはこういう事もある…ということで。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年30号☆ ◎新連載第3回『地上最速青春卓球少年 ぷーやん』(作画:霧木凡ケン)【第1回時点での評価:C寄りB−】 ●絵についての所見(第1回からの推移)
●現時点での評価
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週号から『HUNTER×HUNTER』が連載復帰。しかし「さすが冨樫義博」というか、いきなりネーム状態ですなぁ。1ヶ月以上も時間貰ってコレなんですから、相当にアイディアが煮詰まってるんでしょうねぇ……。まぁそれでもネームを人前に出す以上は、キチンと内容のあるネームになっているあたりも「さすが冨樫義博」ですが。 ところで、最近また気になっているのが『武装錬金』のバトルシーンにおける中身の薄さ。ぶっちゃけ、他の誰もが「この作品ダメだ」という事になっても「いやいや、まだまだ」と言うであろう駒木が物足りなさを感じているという事は、他の読み手の方はもっと物足りなさを感じているはずですので、これは本当に心配です。 で、レビュアーの習性で、今の『武装錬金』に何が物足りないかと色々考えてみたのですが、 ●作者サイドに「少年マンガなんだから、大掛かりなバトルシーンを入れなければならない」という思いが強過ぎて、シナリオを引き立てるためのバトルではなく、バトルとバトルを繋ぐためだけのシナリオになってしまっている──即ち、シナリオとバトルシーンの主客転倒。 ●バトルが単なる必殺技の応酬がメインになっていて、戦っている登場人物の内面描写が(一応なされてはいるが)甘くなっている。間延びを避けたいのは分かるが、過去編を積極的に入れないと、戦っている登場人物に感情移入出来ず、当然バトルにも感情移入出来ない。 ●主人公・カズキの戦う理由付けが曖昧かつ受動的で、「戦わされている」感が否めない。具体的かつ確固たる信念や己の存在意義ごと敵にぶつけてこそ内容に“厚み”が出る。 ●メインヒロイン・斗貴子さんがストーリーに全然絡めていない。それどころか、カズキとのパワーバランスまで崩れ気味で存在感が無くなる一方。作品中で最大のキーパーソンを冷遇しては成功するはずの作品も成功しない。 ……などといったシャレにならない“緊急”クラスのセキュリティホールを次々と見つけてしまいました(汗)。作品の方向性を完全に見失ってる感じすらして、ハッキリ言ってヤバいですね。パピヨン編後半の“貯金”を勘案してもA−評価維持が精一杯といったところでしょうか。 「週刊少年サンデー」2004年30号☆ ◎読み切り『ベースボールエンジェル』(作画:清水洋三) ●作者略歴(資料不足のため不完全な内容になってしまっています。ご了承下さい) ●絵についての所見
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「幼かった頃の自分に言ってやりたいセリフは?」。 連載作品で気になった作品と言えば、やはり『モンキーターン』でしょう。“正々堂々と二股をかける主人公”という新機軸、果たしてどういう結末が待っているのか目が離せませんなぁ(笑)。 ……というわけで、今週はここまで。漸く精神的負担も軽くなりそうなので、来週からは積極的な講義実施が出来そうですのでお楽しみに。 |
2004年度第23回講義 |
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今週は、この期に及んで『MAJOR』アニメ化…という微妙な情報がネット界隈を駆け抜けたかと思えば、椎名高志さんの『絶対可憐チルドレン』短期集中連載が決定…というこれまた微妙な情報が作者ご本人からリークされたりと、何かと微妙な1週間となっていますね。 それともう1件、当講座とも縁の深い(?)夏目義徳さんが、6/28発売の「増刊モーニング」に原作付の作品を発表するそうです。昨秋「サンデー」に発表した『オロチ』以来の復帰作という事になりますね。 ……と、期せずして前フリのはずが情報系の話題コーナー出張版になってしまいました(笑)。まぁ雑誌の公式アナウンスじゃない情報ですし、たまにはこんなのも良いんじゃないか、という事で何卒。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ……今月の十二傑賞は、“新人予備軍”暮らし苦節2年半、特別賞3回受賞の苦労人・川口幸範さんに。講評を見る限りではストーリー面を中心に課題も残されていそうですが、頑張って来た甲斐があったというものですよね。 ──あ、そうそう、実は『ストーリーキング』04年上期の審査結果が既に25号で発表されていたのですが、紹介するのをウッカリ忘れておりました。準キング以上の受賞作が無かった事もあって注目度も低かったのですが、怠慢と言われても仕方ないですね。申し訳ありません。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 「週刊少年ジャンプ」2004年29号☆ ◎新連載第3回『D.Gray-man』(作画:星野桂)【第1回時点での評価:B+寄りB】 ●絵についての所見(第1回からの推移) まずは設定。主人公をはじめとするキャラクターや、AKUMAと千年伯爵などのメインアイディアについて、読み手の興味を引く努力が完全に不足しているのではないでしょうか。ただ小難しい設定を羅列しただけ…といった感じで、肝心の“人間”が描かれていないように思えます。語弊覚悟で喩えるなら、キャラに魅力の無い『ツバサ』と言いますか……。 そのため、ストーリーにも魅力が出て来ないんですね。今週号では主人公の過去編が出て来たわけですが、主人公がどういう人物かが描かれていないのに、過去を描かれても共感のしようがありません。先にキャラを立て、感情移入させてからなら高い演出効果が得られたと思われるだけに残念です。 ……と、かなりメチャクチャに言ってしまいましたが、それでも作品を盛り上げようという作者サイドからの意図は感じられますし、その意図を実現させようと色々な演出も為されてはいます。ですから、この作品も一度ツボにハマれば大化けする余地もあると思うのですが、現状ではその“ツボ”を作れていないようにも思えるのです。 ●現時点での評価 ◎代原読み切り『オレがゴリラでゴリラがオレで』(作画:ゴーギャン) ●作者略歴 ●絵についての所見
とにかく、今作のギャグにおける問題点を挙げてくれと言われたら、「全部」としか答えようが無いです。この作品がいつ脱稿したものか分かりませんが、現時点ではこの問題点がいくらかでも解消している事を祈るばかりです。 ●今回の評価
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週は掲載順半ば、『アイシールド21』、1つ飛ばして、『BLEACH』、『武装錬金』と、期せずして実力派作家さんによる涙腺刺激テクニック競演となりました。しかもそれぞれがプロの仕事がキチンと出来ていて「さすが」の一言なのですが、やはりこういうのって作風というか性格が出ていて面白いですよね(笑)。 「週刊少年サンデー」2004年29号☆ ◎読み切り『タマ!!!! 〜真夏のグランドスラム〜』(作画:小山愛子) ●作者略歴 ●絵についての所見 ……しかし04年15号に載った『HOOK!』(作画:鹿養信太郎)もそうでしたが、最近の「サンデー」の編集サイドは、1つのスポーツと、そのスポーツとは全く関係ない別の事柄を強引に結び付ける作品を好む傾向があるようですね。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「ビックリした時、つい出てしまう言葉」。 連載作品については、どの作品もいつも通り良かったり悪かったり薄っぺらかったり最終回へ向かって突き進んだり…という感じで特にコメントしたい作品は少ないんですが、そんな中でも「やっぱり凄ぇなぁ」と思えてしまうのは『からくりサーカス』。 ……といったところで今週はこれまで。とりあえずあと1週間は現状のペースで我慢して下さい。ではでは。 |
2004年度第23回講義 |
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どうも皆様、他人の名前を使って「週刊少年ジャンプ」の「もくじ川柳」に載るという地味で陰湿な嫌がらせを思いついてしまった、最近精神が荒む一方の駒木ハヤトです(笑)。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」次号(29号)には、読み切り『タマ!!!! 〜真夏のグランドスラム〜』(作画:小山愛子)が掲載されます。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ※手塚賞 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 ☆「週刊少年ジャンプ」2004年28号☆ ◎新連載『地上最速青春卓球少年 ぷーやん』(作画:霧木凡ケン) ●作者略歴 ●絵についての所見 ──結局のところ、いわゆるアシスタント的な技術は身に付いているのに、マンガ家としての技術はサッパリという有様。ちょっとこれは辛いですねぇ……。 作品のクオリティを上げようとして設定をこねくり回したは良いものの、気がついたら逆にクオリティを下げてしまっていた…というのは、プロの作家さんでもスランプに陥るとままあるケースだそうですが、この作品の場合は新連載第1回でそれにハマってしまった感じですね。非常に不幸なケースと言えそうです。 ●現時点での評価 ◎新連載第3回『家庭教師ヒットマン REBORN!』(作画:天野明) ●絵についての所見(第1回からの推移) で、これでこの設定をストーリーに上手く絡められれば良かったのですが、何だか逆にストーリーの出来がどんどん悪くなって来ているようにしか……。 何と言いますか、第1回とは別なパターンの“読み切りを連載化して失敗した作品の典型例”を見せられたような感じです。最近の「ジャンプ」新連載作品の不調を象徴するような見切り発車という感じです。 ●現時点での評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週は時間が無いのでサッパリ目に。それにしても、この期に及んでデッサン教室に通う村田雄介さんは色々な意味で凄いですな。いくら原作別とはいえ、どれだけ速筆なんだよ……。 その村田さんの描く『アイシールド21』は、人物を変えて“凡人、天才に挑む”王城ホワイトナイツの章。今回は勤勉な天才こと進に挑む桜庭のお話。けど桜庭だって女の子にモテるという面では明らかに天才なんですけどね。……やっぱり雪光を応援したくなるなあ先生は(笑)。 さて、今週は『少年守護神』(作画:東直輝)が打ち切り終了となりました。何と言うか、見事なまでに“突き抜け”らしい“突き抜け”を見たような感じですね。 ☆「週刊少年サンデー」2004年28号☆ ◎読み切り『ブリザードアクセル』(作画:鈴木央) ●作者略歴 ●絵についての所見 シナリオに関しても技術の豊かさを感じさせてくれますね。「格闘技のセンス=フィギュアスケートのセンス」という確信犯的なトンデモはさておき、結構“料理”の難しい諸々の設定をストーリーの中で巧みに活かし切っており、地味ながらも良い仕事をしています。 ●今回の評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「オリンピックに出るならどの種目?」。 さて、作品について。まずは拷問のような競馬編がようやく終了した『ワイルドライフ』。ここまで杜撰な取材・構成をした競馬(をテーマにした)マンガは空前絶後でしょうなぁ。 さて、口直しに『いでじゅう!』を久々に採り上げましょう。 最後に『モンキーターン』。好事魔多しという事で、波多野のエースペラがダメになっちゃって大変……という展開になりそうですね。しかしこれ、競艇ファンにはともかく、少年誌の読者をターゲットにする内容じゃないよなあ。普通、プロペラより青島さんだろう!(笑) ……さて、遅くなってすいませんでした。あと2週間ほどこんな調子になりますが、ご勘弁を。ではでは。 |
2004年度第21回講義 |
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6月、祝日無いのダルいから、適当に祝日作ろうよ。ほら、4日休みだったら3連休になるよ、虫歯予防デー。……などと言いたくなる今日この頃、如何お過ごしでしょうか。『スピンちゃん』が打ち切りになってヤケのヤンパチ状態の駒木ハヤトです。 ……まぁ、また駒木が言ってるよ、みたいな感じで聞き流して下さい(笑)。それでは、今週のゼミを始めます。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」次号(28号)には、読み切り『ブリザードアクセル』(作画:鈴木央)が掲載されます。 ……ところで、増刊サンデーの夏号のラインナップ、新人・若手に混じって、「週刊少年チャンピオン」で『ORANGE』を連載していた能田達規さんの名前が小さく載ってますね。能田さんが実は以前から「サンデー」と繋がりがあった…という噂は耳にしていたのですが、まさか本当に作品が掲載されるとは。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ……今回は全体的に小粒で即戦力ゲットならず…といったところでしょうか。しかし、入選作の選評を見ていると、何だか「赤マル」に載ってそうな作品みたいに思えてならないんですが(笑)。
※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 ☆「週刊少年ジャンプ」2004年27号☆ ◎新連載『D.Gray-man』(作画:星野桂) ●作者略歴 ●絵についての所見 別に凝った設定が多いというのが悪いわけではありません。『エヴァンゲリオン』然り、一連の奈須きのこ作品然り、異様に凝った設定連発の作品の中にも、多くの人が名作と認めるものだって多く存在しますしね。 それでも、ストーリーの展開させ方や演出に全くセンスが感じられないというわけではありません。今回も、本来ならばギブアップ者が続出しそうな程の“読み辛さ要素”を含んだ作品ではあるのですが、一応最後まで読ませ切るだけの勢い、力は感じさせてくれました。これが短所のフォローではなく強力な長所になった時こそが、星野さんが一流のマンガ家さんになる時なのだと思います。今後の成長に期待します。 ●現時点での評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ いつも通り巻末コメントから……とは言え、今回はあまりネタが無い感じなんですが。 さて、作品についての話。 そして、講義冒頭でもお伝えした通り、今期打ち切り第一号は『無敵鉄姫スピンちゃん』(作画:大亜門)でした。ここで連載総括しておきましょう。 ☆「週刊少年サンデー」2004年27号☆ ◎読み切り『緋石の怪盗アルバトロス』(作画:若木民喜) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「仕事中のBGM」。 さて、作品について。まず『金色のガッシュ!!』はビクトリーム外伝のギャグ特集。無責任な提案をしてしまうと後々大変…という典型例ですな(笑)。しかし、「復活を検討」って、こういう意味での復活を望んでたわけじゃないでしょうに(笑)。 ……さて、今日は時間も詰まり気味ですので、この辺で失礼します。来週は若干時間に余裕が取れそうなのですが、果たして体力に余裕があるかどうか。まぁ様子見ながら頑張ります。 |
2004年度第19回講義 |
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今週もゼミ実施が遅れたのは、打ち切りサバイバルレースの3番手候補がいきなり先頭でゴール板を突き抜けるらしいという事がショックだったから…というのはナシですか? どうも、駒木ハヤトです(苦笑)。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」次号(27号)には、読み切り『緋石の怪盗アルバトロス』(作画:若木民喜)が掲載されます。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 ☆「週刊少年ジャンプ」2004年26号☆ ◎新連載『家庭教師ヒットマン REBORN!』(作画:天野明) ●作者略歴 ●絵についての所見 ただ、作品を通して見てみると、どことなく全体的に少しずつ手を抜いているように見えてしまうのが気になります。 ……ですが、そうやって手間をかけて練りに練った設定のデキが良いのかと言えば、「?」マークがついてしまうのが苦しいところです。 ……というわけで、今回の時点では、典型的な「読み切り作品の連載化失敗パターン」にハマってしまっているような気がしてなりません。第1回のデキそのものとしては悪くないのですが、弱含みの要素を大きく含んでいる設定と言えそうです。 ●現時点での評価 ◎読み切り『HIP☆HOP☆HOP』(作画:大石浩二) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ いつも通り巻末コメントから。 あと、「“蜂蜜”という言葉を聞くだけで『くまのプーさん』を思い出す」というのは矢吹健太朗さん。そういや駒木の家にもありました、プーさんの絵本が。 次に作品について。 ☆「週刊少年サンデー」2004年26号☆ ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「選挙に出馬するとすれば、どんな公約を掲げますか?」。 さて、作品についてのコメントを。
……という、「この人だから許される」というモノでした(笑)。そうかー、藤田さんでもそうやってたのかー…などと思える辺りがこの人の人徳と言うか、作家として積み重ねて来たモノの大きさと言うか。これを「ジャンプ」のYさんとか、「サンデー」のAさんとかFさんとかが言ったらシャレになりませんな。 あと『ワイルドライフ』は、激しく殺意を抱きましたがもうどうでもいいです。というか、このマンガが世に出る寸前にハルウララが気力振り絞って2着…といった辺りは微笑ましい出来事だなと。あの馬、極端に臆病なのが問題なんですよね。 最後に『美鳥の日々』ですが、着々と円満完結に向けたフラグが立ってますね。一応のタイミングとしてはアニメ終了の6月末があるんですが、果たしてどうなんでしょうか。打ち切りが定期化されてない「サンデー」はタイミングが読みにくいです。(あれ? 同じような事を少し前に話したかな?)追記:前の週に言ってました(笑)。健忘症もいいとこです^^;; ……といったところで今週のゼミはここまで。週末はダービーでお会いしましょう。 |
2004年度第17回講義 |
……ということで、駆け足気味に今週後半分のゼミを実施させて頂きます。明日は高校講師の仕事も半ドンでありますし、こちらも競馬学特論がありますし……。 自分も人の子だなあと、今更ながらにバカな自覚をしたりしております。至らない点ばかりで恐縮ですが、どうか何卒。 「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ※今週は特記すべき公式アナウンス情報はありませんでした。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 ☆「週刊少年サンデー」2004年25号☆ ◎新連載第3回『道士郎でござる』(作画:西森博之)【第1回掲載時の評価:保留】 ●絵についての所見(第1回時点からの推移) あと、ちょっと注目しているのが、読み手に不快感を喚起するような不良ザコキャラを無数に出しておきながら、作品全体の不快感は存外高くないという点です。他の不良系ザコキャラが出て来る作品よりも展開が泥臭くないんですよね。 ともかく、もうちょっとストーリーが動いていかないと、その場凌ぎで読み手の興味は維持出来ても、大きなインパクトを与える事は出来ないのではないでしょうか。ともかく今後の展開に注目&期待ですね。 ●現時点での評価 ◎読み切り『天国の本屋』(作:松久淳&田中渉/画:桐幡歩) ●作者略歴 ※桐幡歩さん ●絵についての所見 ●ストーリー・設定についての所見 また、ページ数の制約と桐幡さんの演出力不足のためでしょう、今回のストーリーは展開が各所で唐突だったような気がします。行き当たりばったりで幾つかの出来事が起こっている内に、気が付いたら御都合主義的にハッピーエンドになっていた…といった感じがしました。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「人生で1つだけリセットするなら、どんなことですか」。 ……では、連載作品に少しずつコメント。 いつの間にか『焼きたて! ジャぱん』よりも正統派の料理マンガっぽくなってしまってる『結界師』。やっぱり地味なんですが、それでも奥の深い作品ではありますよね。 『ワイルドライフ』については「もう敢えて何も申しますまい」なのですが、中央競馬の新馬戦から3連勝する馬って、実はその時点で凄いんですよね。十分エリートなんですよ。 ここに来て動向が気になるのが『美鳥の日々』。なんだか重要サブキャラがどんどん“卒業”しつつあるんですよね。まぁ元々展開がイレギュラーな作品ではありますが、ひょっとして、アニメ終了と共に円満終了? ……なんて憶測をしてしまいたくなりますよね。 で、最後に『かってに改蔵』。
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2004年度第16回講義 |
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とりあえず今週前半分、「週刊少年ジャンプ」25号についての「現代マンガ時評」をお送りします。 ……いきなりですが、ここで前フリ部分を利用して、2ch界隈等で囁かれている「ジャンプ」打ち切りサバイバルレース・未確認ホット情報を。当講座のBBSでも次期打ち切りについての話がよく出ているので、改めて講義で紹介しておこうかなと。 で、2ch界隈では既に次号の掲載順情報が流れていたりするわけですが、それによると動向が注目されていた『武装錬金』は3週連続で掲載順が中堅クラスで、いよいよ安全圏に抜けた格好です(3週連続中堅ランクの直後に「不人気のため打ち切り」というケースは皆無に近い)。土俵際の魔術師ぶりは今期も健在ですね。 ……とまぁこんなところでしょうか。それにしても今の「ジャンプ」の打ち切り争いは厳しいですなぁ。これだけメンツが揃っている時に、わざわざ3作品入れ替えをやらなくても良いと思ったりするんですが……。 では、戯言はこれくらいにしておきまして、マジメにゼミを進めてゆきたいと思います。 「週刊少年ジャンプ」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」の次期新連載シリーズが次週発売の26号から開始となります。
今期も“標準モード”の3作品。全員が初の週刊連載枠獲得ですが、「ヤングマガジン」からの移籍組あり、前作の読み切りで他作品からのトレースが指摘された人あり、デビュー13年目の“永遠の若手”ありと、見る人が見ればフレッシュさよりも“濃さ”を感じさせるようなラインナップになりましたね(笑)。 ……というわけで、次週から『家庭教師ヒットマンREBORN』(作画:天野明)がスタートします。 ★その他公式アナウンス情報 ◎最近また休載が目立っていた『HUNTER×HUNTER』ですが、今週号(25号)に30号まで休載する旨の告知がありました。
※今週前半分のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 ☆「週刊少年ジャンプ」2004年25号☆ ◎読み切り『賈允』(作:内水融) ●作者略歴 ●絵についての所見
特に評価したいポイントは、謎解きとエンターテインメントのバランスが上手く取れているところですね。
また、ストーリーの展開も無理を生じさせないように配慮した様子が窺え、好感が持てました。やや盗賊団の能力設定が軽過ぎた感もありますが、ページ数やエンターテインメント要素との兼ね合いを考えると、これくらいでも仕方ないかなぁとも思います。策略合戦になってしまうと、余計中途半端な話になってしまったでしょうし。 セリフ回し等の演出面も良いですね。単調になりがちなセリフの遣り取りを、上手く場面転換を織り交ぜて緊張感を維持させており、絵と同様に研究・努力の跡が窺えて良い感じです。 一方、問題点となるのは主人公の設定でしょうか。キャラクターが『封神演義』の太公望に似ている・・・というのはさておき(笑)、やたらに“ご陽気”で、昼行灯的な性格が少々とってつけたような感じになってしまったかも知れません。 ●今回の評価
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ まずはいつも通り巻末コメントから少々。 さて、連載作品について少しずつコメントを。 まず巻頭カラーで人気投票結果発表の『ボボボーボ・ボーボボ』。意外と……と言っては失礼ですが、この作品って、主人公の票が伸び悩んで主要脇役がトップを占める…という、超人気作パターンの投票結果なんですね。しかし首領パッチ、この大差は凄いな……。 1週限りのカジノ編となった『アイシールド21』。いわゆるインターミッション的なエピソードだったんですが、読んでて「今回の話、結構奥が深いな」と。何と言うか、この作品全体の方向性が圧縮されたような構成だったんですよね。 そして『DEATH NOTE』は、いよいよ話が社会全体に波及。ここに来て風呂敷が一気に広がって来ていますが、果たしてこの収拾難易度の高い場面でどんな展開を見せてくれるか、今後に注目ですね。 『無敵鉄姫スピンちゃん』のエロビデオの森、この報われない努力が素晴らしい!(笑)。よくぞここまでネタをひり出したもんだと心底感心しました。ちなみに個人的なヒットは『自慰帝王』。何の事と思ったら、『GTO』なんですよね(笑)。他誌の作品挙げて大丈夫? …などと訊きたくなってしまいます。 ……というわけで、前半分を何とかお送り出来ました。出来れば明日、「サンデー」の内容を採り上げた後半分をお送りしたいと思います。体力と気力が保てればの話ですが……。 |
2004年度第15回講義 |
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またしても遅くなってしまいましたが、今週分の「現代マンガ時評」をお送りします。さすがに月曜発売の雑誌のレビューを木曜や金曜の夜中にやるというのはマズいと自分でも判ってはいるのですが……。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ……今月はやたらと最終候補作が多いと思っていたら、過去の経歴が出るわ出るわ(笑)。あと、佳作の原野洋二郎さんについては、アニメーターで同姓同名の人がいらっしゃるようです。 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」次号(25号)には、読み切り『天国の本屋』(作:松久淳&田中渉/画:桐幡歩)が掲載されます。
※7段階評価の一覧表はこちらから。 ☆「週刊少年ジャンプ」2004年24号☆ ◎読み切り『PMG-0』(作画:遠藤達哉) ●作者略歴 ●絵についての所見 ただ、今回の作品は少なからず課題も残されていて、これが非常に惜しい所です。 まずシナリオ。55ページでも何とかギリギリ収まったというような凄いボリュームで、それでいてダレる場面無しのハイテンション、しかもアクションシーン満載というモノでした。 次に設定について。 ●今回の評価 先程も申し上げましたが、遠藤さんは週刊連載向きの技術を持った作家さんですので、未熟な面には目を瞑って、週刊連載に抜擢するのも面白いのではないかと思います。ただし、その際には今以上のシナリオや設定の練りこみが必要になって来ますけどね。
●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントでは、岸本斉史さんと和月伸宏さんが故・横山光輝さんへ追悼のコメント。駒木からも改めてご冥福をお祈りさせて頂きます。どんな優れた歴史教育者よりも偉大な方だったと思います。個人的には『バビル2世』のストイックなストーリー展開が非常に印象的でした。 さて、作品についても少々。 『アイシールド21』は「死の行進」編が終了。いわゆる“特訓編”としては、内容のボリュームや展開のテンポなど諸々含めてなかなかの好バランスだったんではないかと。次回からはカジノ編ですが、現実のアメリカの法律では21歳未満のカジノ立ち入りは不可となっています、念のため。 あと今週号では、奇しくも『NARUTO』、『武装錬金』、『BLACK CAT』の3作品で“敵キャラ一気に殲滅”というストーリーでした。誰がどうとは言いませんが、3者の(というか主に2者と1者の)実力差が、それこそカズキとホムンクルス蝶・成体の力量差くらいハッキリしていたなぁと思いました(笑)。 ☆「週刊少年サンデー」2004年24号☆ ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「ひとつだけ超能力がもらえるなら、何を選びますか」。 さて、作品についてもコメントを少々。 苦言ばっかりで終わらせるのもアレなので、最後に今回も見事な後付けが炸裂した『からくりサーカス』で口直しを。 ……と、自己反省したところで今週はこれまで。来週も体調と相談しながらの講義実施となりますが、どうか何卒。 |
2004年度第12回講義 |
何やかんやでやっぱりやってしまう、合併号休み恒例の「赤マルジャンプ」全作品レビューをお送りします。 毎回疲れた頭と体にムチ打って全部の作品にレビューをつけてはネット界隈の顰蹙を買うの繰り返しで、本当自分でも大概考えろと思うんですが、やっぱり何やかんやで全部の作品に一言以上言いたくなってしまうんですよね。特に今回は毎年A級評価の作品が出る春号ですし。……まぁそれだけ作家さんからの(正&負もしくは腐の)パワーがこちらに伝わって来るだけの何かが「赤マル」にあるという事なんでしょう。 ……というわけで、「赤マルジャンプ」04年春号のレビューを始めます。いつものように連載作品の番外編はレビューから除外させてもらいます。あと、講義準備時間短縮のため、レビューはいつもよりアッサリ風味な部分もあると思います。 ※7段階評価の一覧表はこちらから。 ◆「赤マルジャンプ」04年春号レビュー◆ ◎読み切り『ALL THE WAY DOWN』(作画:森田まさのり) ●作者略歴 ●絵についての所見 ところで今回のシナリオ、何だか既視感があったので記憶を巡らせて見ると、どうやら名作・『まんが道』に出てくる“作品中作品”の1つと題材やプロットが似ていました。まぁ細かい内容は全然違うので、偶然似たアイディアが数十年のタイムラグで天から降って来たのでしょう。 あ、余談ついでに今回のストーリーについて述べておきますが、実際のプロボクシングでは、今時こんな面倒臭い八百長は一切行われていないはずです。(八百長で連敗中の)落ち目な日本人ボクサーよりも、タイあたりの国内ランカー選手を呼んで来て噛ませ犬やらせた方が手堅いですし(東南アジア人噛ませ犬ボクサーのお仕事振りは閉口するくらい徹底してます)、勝たせた選手の出世にも効果的ですからね。 ●今回の評価 ●作者略歴 ●絵についての所見 “敗因”となったのは、恐らくキャラクターの数を必要以上に増やし過ぎ、そのせいで“ラスボス”との戦闘が淡白になってしまった所でしょう。このせいで“直球”の球速が落ち、単なるハーフスピードの棒球になってしまったのではないでしょうか。 ●今回の評価 ●作者略歴 ●絵についての所見 ただ、この作品はそういった欠点だけが目立つ作品ではなく、セールスポイントもあるのが嬉しい所です。 ●今回の評価 ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ●作者略歴 ●絵についての所見 欠点としては、ページが足りなくなったのでしょうか、依頼人である女生徒の心理描写が不足しており、クライマックスの展開がやや強引になってしまった所でしょうか。シナリオの持っていき方自体は問題なかったのですが、そのせいで説得力を欠いてしまいました。そこを押さえていればほぼ完璧だっただけに惜しかったですね。 ●今回の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ●作者略歴 ●絵についての所見 ……まぁそれはさておき、シナリオと設定の完成度はかなりの水準に達していると思います。特に主人公の能力(動物と会話できる)がストーリーによく活かされているのが良く、スムーズに読み込んでいけます。また、設定やその描写についても上手くまとめられていますね。 ●今回の評価 ●作者略歴 ●絵についての所見 で、シナリオについてですが、オーソドックスな格闘技モノ読み切りのストーリー──伸び悩んでいる主人公が、リング内外で苦闘の末に怖いもの知らずの強豪に逆転勝ちする──ですね。随分と使い古されたパターンですが、“偉大なるマンネリ”という言葉もありますし、キッチリと読み手のカタルシスを喚起するシナリオになっていますから、これはこれで良いんじゃないでしょうか。むしろ、デビュー2作目にしては手堅くまとめた方だと思います。 ●今回の評価 ●作者略歴 ●絵についての所見 というわけで、ギャグについてですが、わざわざスラップスティックと“公式発表”しているだけあって、非常に小気味良いテンポで話やギャグが展開していってますね。しかも時には間を持たせて緩急をつけてもいますので、一本調子に陥る事も避けられています。 ちなみに個人的に爆笑モノだったのは、「この銃弾がヤツを貫く確率100%ォオオオ!!!」でした。そんな「青マル」読者にしか判らんようなネタをわざわざ織り込まんでも(笑)。 ●今回の評価 ●作者略歴 ●絵についての所見 「こういう話を描けば読み手は良い気持ちになれる」というところのセンスはバッチリなのですから、今後はそのシナリオに説得力と重厚さを増す努力をしてもらいたいと思います。 ●今回の評価 ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ●作者略歴 ●絵についての所見 率直な感想を言わせて頂くと、今回のお話は『武装錬金』を矢吹健太朗&イワタヒロノブ合作で描いたようなシナリオだったと思います。そういうのが好きな人には申し訳ないですが、当ゼミの評価基準に照らし合わせると最低に近い点数をつけざるを得ません。 ●今回の評価 ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ●作者略歴 ●絵についての所見 ただまぁ、こういう特殊な事情で超高速ストーリー展開したからこそ、これだけレヴェルの高い完結編になったとも言えるわけで、ケガの功名と言えば良いのか、エネルギーを注ぐベクトルが違うと言えば良いのか……。 ●今回の評価
……というわけで、今回も何とか乗り越えられました(笑)。来週からの、いつもの内容のゼミもどうか宜しく。ではでは。 |
2004年度第9回講義 |
2日連続のゼミ実施となります。 本日分は「週刊少年サンデー」22・23合併号の内容についてのゼミです。「ジャンプ」については前日分講義レジュメをご覧下さい。 「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 今週は新人賞の結果発表、新作掲載の公式アナウンスはありませんでした。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 ☆「週刊少年サンデー」2004年22・23合併号☆ ◎新連載『道士郎でござる』(作画:西森博之) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ◎読み切り『グッドラックノストラダムス』(作画:武村勇治) ●作者略歴(武村さんの公式サイト等による) ●絵についての所見 ●ストーリー・設定についての所見 あと、どうでもいい話ですが、素手であんな強烈なパンチを繰り出していると必ず拳をぶっ壊してしまうので、せめてオープンフィンガーグローブくらいは着けさせましょう(笑)。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「もし祝日が作れるなら、何の記念日にしますか」。 さて、それでは連載作品についての雑感を。 久々にコメディ色を強くした『結界師』、良い感じです。やっぱりこういうのは、シリアス系エピソードの間に挟む“箸休め”だからこそ効果的なんですよね。全体的に絵柄をディフォルメにしたのも気が利いてます。 物語の“軸”と言えば、序盤の迷走を乗り越えて立ち直り気配をみせているのが『こわしや我聞』ですね。ベタな路線ではありますが、我聞と国生さんの関係をクローズアップするようになってから徐々に良くなって来たように思えます。まだ全体的に洗練する余地は残っていますが、この調子で頑張ってもらいたいものです。 『焼きたて!! ジャぱん』、もはや文句をつける気力も失うくらいの惨状ですが、「コミックビーム」5月号よりも回収すべき雑誌がここにあると申し上げたいと。 ……というわけで、今週の感想は以上なんですが、最後にペンディングしていた『怪奇千万! 十五郎』の作者情報と連載総括を。 まず昨日の講義冒頭で少し述べた川久保栄二さんの過去についてですが、どうやら駒木が以前から聞いていた噂──約10年前に週刊本誌で短期集中連載経験アリ──は本当の話だったようです。(情報元は2ch掲示板の『十五郎』追悼スレ→「恐怖の追跡 〜あの人たちは今?〜」漫画編特別部門04年4月分。もっとも、実際に掲載誌を確かめようが無いので、確定情報にはならないのですが……) で、それはさておき『十五郎』の連載総括へ。……とは言っても、この作品の総括とは即ち、「この作品のどこが一番マズかったのかを探す作業」になるわけですが(笑)。あ、そういうの嫌な人はスルー推奨です。 ──というわけで、最終評価はやっぱりCと言う事で。しかし、この作品に関しては怒りを通り越してむしろ哀れみすら覚えてしまいますね(苦笑)。準備期間1年置いてこれだもんなぁ……。 |
2004年度第8回講義 |
駒木も噂を小耳に挟んだだけだった川久保栄二氏の過去が、ここに来てどうやら遂に判明! ……というニュースが2ch掲示板の片隅をコッソリと駆け抜ける中、いかがお過ごしでしょうか。「現代マンガ時評」のお時間がやって参りました。今週は前・後半に分けてお送りします。 ──それではゼミを始めます。今日は前半分ですので、「週刊少年ジャンプ」22・23合併号に関する内容に限定してお送りします。 「週刊少年ジャンプ」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 ☆「週刊少年ジャンプ」2004年22・23合併号☆ ◎読み切り『雨女、晴れ男』(作:長谷川尚代/画:藤野耕平) ●作者略歴 ※藤野耕平さん ●絵についての所見 あと、どうでもいい話ですが、主人公のクラスの応援旗に描かれていたキャラクターはHTB(北海道テレビ)の“onちゃん”ですね。これは、HTBの看板番組「水曜どうでしょう」のファンだと公言していた長谷川さんのアイディアなんでしょう。 ●今回の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー・設定についての所見 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 時間短縮を考え、今回からしばらく雑記形式でダラダラやってみるテスト。見辛いようなら、また以前の形式に戻します。 はじめに巻末コメントから。 しかし今週、各方面で話題沸騰だったのが『DEATH NOTE』の、異様に気合入りまくったテニスシーン。また次の掲載順が『テニスの王子様』だったので、余計に趣を増幅させていたという(笑)。しかし、本職のテニスマンガが、リアリティではサスペンス作品のたかが1シーンのテニスシーンに明らかに負けているというのは……。 そして最後はすっかり中堅の風格が出て来た『銀魂』。今週は内容よりも欄外の作者紹介(by大西編集)の方が巷の話題に。いや、内容も良かったんですけどね。 ……というわけで、とりあえず前半分をお送りしました。金曜までには後半をお送りしますので、今しばらくお待ちを。 |
2004年度第7回講義 |
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ギリギリの日程、ギリギリのコンディションの中、ようやく実施に漕ぎ付けました、今週の「現代マンガ時評」です。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ……あと、“足立真一”という名前で検索すると、4〜5年前に活躍していた美少女系プロ作家さんがヒットしたんですが、まぁこれは明らかに別人でしょうね。 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎また、同じく「週刊少年ジャンプ」次号(22・23合併号)には、読み切り『雨女、晴れ男』(作:長谷川尚代/画:藤野耕平)が掲載されます。 ◎「週刊少年サンデー」の次号(22・23号)からは新連載『道士郎でござる』(作画:西森博之)がスタートします。 ◎また、この「週刊少年サンデー」の次号(22・23合併号)には、読み切り『グッドラックノストラダムス』(作画:武村勇治)が掲載されます。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。 ☆「週刊少年ジャンプ」2004年21号☆ ◎読み切り『Mosquito Panic』(作画:中西まちこ) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 時間の都合で今回は「ジャンプ・イン・ジャンプ」の特別企画──『ボーボボ』と『デスノート』のコラボ企画についてのみ。 ……いやー、しかし面白いながらシビアな企画でしたよね。大筋の内容やネーム・構図が既に決まっている中で、それでも僅かに裁量権が残された部分だけで自分の個性をアピールしなくちゃいけないわけで。何と言うか、プロ作家としての資質も問う試みですよね。しかも、2人の作家さんはそれを見事に成し遂げたんですから、心から賞賛を贈りたいところです。 ☆「週刊少年サンデー」2004年21号☆ ◎読み切り『地球防衛バッパパーマン』(作画:森尾正博) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ◎読み切り『もみあげキャプテン』(作画:大塚じんべい) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 しかし、この作品のギャグが優れていると思えるのかと言うと、正直、首を捻らざるを得ません。 その理由を見つけるために何度も読み直してみたのですが(嫌な作業ですね^^;;)、やはりツッコミが弱いのではないか…という結論に辿り着きました。この作品のツッコミの多くはボケの状況を説明しているだけで、本当の意味のツッコミにはなっていないんですよね。
……今週も「十五郎」を語る余裕が無くなってしまいました。まぁ、もはや敢えて語らなくても良いような気がしないでもないですが(苦笑)。 |
2004年度第5回講義 |
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覚悟はしていましたが、今回の“二足のワラジ”は非常に履き難いワラジのようです(苦笑)。これまでの社会学講座が、真っ当な社会生活を犠牲にして成り立っていた事を改めて痛感したりしています。 さて、それではお待たせしました、今週の「現代マンガ時評」をお送りします。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ……しかし、武井さんや編集部からの講評を見るにつけ、今月はかなりの大不作だったのかな、という気がします。十二傑賞にしても、「次は別のジャンルの作品を」とか「もっとキャラクターを作って、感情移入出来る要素を」とか、本誌や増刊に掲載させる作品に出すコメントとは思えませんもんね(苦笑)。 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎また、「週刊少年ジャンプ」次号(21号)には、読み切り『Mosquito Panic!』(作画:中西まちこ)が掲載されます。 ◎「週刊少年サンデー」の次号(21号)には、読み切り『もみあげキャプテン』(作画:大塚じんべい)が掲載されます。 ◎また、同じく「週刊少年サンデー」の次号(21号)には、読み切り『地球防衛バッパパーマン』(作画:森尾正博)も掲載されます。 ※今週のレビュー(今週もチェックポイントはお休みします。ご了承下さい。なお、『怪奇千万! 十五郎』の連載総括については次週以降にお送りします) ※7段階評価の一覧表はこちらから。 ☆「週刊少年ジャンプ」2004年20号☆ ◎読み切り『BLEACH番外編(−17話) 逃れゆく星々のための前奏曲』(作画:久保帯人) ●作者略歴 ●絵についての所見
●今回の評価
●作者略歴 ※叶恭弘さん ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 他に重要なポイントとしては“天啓”についての設定がありますね。これについては、既製の作品からかなり露骨なアイディア流用があったと指摘する声もあがっているようですが、個人的には特定の作品の“パクり”というよりも、少年マンガの定番パターンに独自の名前を付けて新品扱いにしたようなモノだという気がします。 ●今回の評価 ☆「週刊少年サンデー」2004年20号☆ ◎読み切り『ゴーストロジック』(作:浜中明/画:ネモト摂) ●作者略歴 ※ネモト摂さん ●絵についての所見 ●今回の評価
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2004年度第3回講義 |
罰ゲームで負ったダメージも癒えましたので(笑)、今週の「現代マンガ時評」をお送りします。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」の次号(20号)には、読み切り『ゴーストロジック』(作:浜中明/画:ネモト摂)が掲載されます。 ※今週のレビュー(物理的事情により、今週のチェックポイントはお休みします) ※7段階評価の一覧表はこちらから。 ☆「週刊少年ジャンプ」2004年19号☆ ◎新連載第3回『少年守護神』(作画:東直輝)【第1回掲載時の評価:C寄りB−】 (受講生の皆さんへ:この作品は評価Cとなりました。結果的に読み手の感情を損ねる論調のレビューになっている恐れがあります。この作品のレビューをご覧になるかどうかは皆さんでご判断下さい。) ●絵についての所見(第1回からの推移) ●ストーリー&設定についての所見(第1回からの推移) ●現時点での評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 まず頂けないのが、前半から中盤にかけて演出の乏しい説明的なセリフ、モノローグが延々と続いてしまう点ですね。短編作品なら、ある程度は文字による設定説明を入れるのも仕方ないですが、それにしても工夫が無さ過ぎではないでしょうか。 ●今回の評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価 ☆「週刊少年サンデー」2004年19号☆ ◎新連載(シリーズ再開)第3回『DAN DOH!!〜ネクストジェネレーション〜』(作:坂田信弘/画:万乗大智)【現時点の評価:B+】 ●絵についての所見(第1回からの推移) ●ストーリー&設定についての所見(第1回からの推移) ●現時点での評価
●作者略歴 ●絵についての所見 ●今回の評価
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2004年度第1回講義 |
年度は改まりましたが、内容はこれまでと変わらぬ「現代マンガ時評」のお時間です。いい加減、有名無実になった「分割版」のタイトルをどうにかしようかとも思ったんですが、いつでも分割して出来るようにという事で、このままで行かせてもらいます。 では今週も情報系の話題から。次週発売の「ジャンプ」、「サンデー」(それぞれ19号)はそれぞれ読み切りが掲載されますので、その情報を紹介しておきましょう。 まず「ジャンプ」からですが、今週号から始まった綴じ込み付録・「ジャンプ・イン・ジャンプ」、第2弾は『BLACK CAT特別編』(作画:矢吹健太朗)です。今回はスパイクと……じゃなかった、トレインとスヴェンの出会いを描いた“第0話”的な作品になるようです。 ……というわけで、情報系の話題は以上。レビューとチェックポイントに移りましょう。 ※7段階評価の一覧表はこちらからどうぞ。 ☆「週刊少年ジャンプ」2004年18号☆ ◎新連載第3回『無敵鉄姫スピンちゃん』(作画:大亜門)【第1回掲載時の評価:A寄りA−】 春の新連載シリーズ第2弾・『無敵鉄姫スピンちゃん』も、今回が“節目”の第3回センターカラーという事で、後追いレビューを実施します。 で、ここまで3回ですが、まぁ一言で「極めて順調」という事で良いんじゃないでしょうか。読み切り版以来の確かな技術、ツッコミの巧さは未だに健在ですし、今回などは“間”でギャグを獲るといった、若手作家さんとは思えない渋いテクニックも光っていました。 現状、あとの問題はネタ切れだけですね。まぁ、今くらいスピンちゃんの表情で遊ぶだけの余裕があればしばらくは大丈夫だと思いますが、なるべく長く、このままぶっ壊れない程度に頑張って欲しいと思います。
今週から始まった現役連載作家限定の読み切り企画ですが、トップバッターは武井宏之さんの『麻葉童子』。これは現在連載中である『シャーマンキング』の外伝で、主要キャラの1人であるハオの幼少期にあった大きな出来事を描いた話、という事になりますか。 まず絵に関しては何も言う事無しですね。「水木しげるの21世紀版」とでも言いますか、殺伐とした中に一カケラの愛嬌が混じった画風が作品の内容とマッチしていて、大変良い雰囲気を醸し出しているように思えます。 次にストーリーと設定についてですが、こちらも現役長期連載作家としての実力が遺憾なく発揮されていると申し上げて良いでしょう。完成度の高いプロット、ネーム量が凄まじく多いにも関わらず、それを読み手に負担を感じさせないだけの高い文章力、更には世界観を描写しながら読み手の関心を一気に“持って来”た冒頭のシーンの演出力など、その卓越した技術には唸らされっ放しでした。 評価はA−寄りのB+というところで。『シャーマンキング』本編も最終章突入という事ですから、今度は連載を抱えていない状態で腰を据えて描いた読み切りを拝読してみたいものですね。 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 空知英秋VS大西編集の舌戦は、巻末コメント欄と編集後記欄をも巻き込んでエスカレート。……もう仲が良いのは分かったから、楽屋オチはこれくらいにしといた方が良いと思いますよ、ええ。 ◎『アイシールド21』(作:稲垣理一郎/画:村田雄介)【現時点での評価:A/雑感】 思いも寄らぬポイントで新ヒロイン出現!? ◎『いちご100%』(作画:河下水希)【現時点での評価:B+寄りB/雑感】 登場シーンから「そこまでされたら、もう何も言えません」だった新キャラ・こずえ嬢ですが、その設定がまた強烈無比! いや〜、参りました色んな意味で(笑)。 ◎『HUNTER×HUNTER』(作画:冨樫義博)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 で、『いちご100%』の次にこの作品ですよ。ちょっとは考えて目次作れよ編集部も(苦笑)。 しかし冨樫さん、“王”が登場してからノリノリですなぁ。ノリノリになればなるほど残酷に人が殺されていくのはどうかと思いますが(笑)。前回あたりからまた下書き原稿が目立ってますが、それでも時間の限界までキッチリ描こうという気持ちが原稿の端々から感じられます。相当モチベーションが高いんでしょうね。
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「好きなファストフード」。 ……とか言う駒木も、ファストフードというかB級、C級グルメは大好きでして、公営ギャンブル場の“旅打ち”の際にも、必ず何かファストフード系を買い食いしていますしね。 ◎『美鳥の日々』(作画:井上和郎)【現時点での評価:A−寄りB+/雑感】 アニメ開始記念巻頭カラー、まさか、かの怪作・『葵ディストラクション』とのセルフ・コラボレーション企画で来るとは(笑)。物凄い内向けのアピールもあったもんですなあ。この手の企画と言えば、『ドラえもん』の「ぼく桃太郎のなんなのさ」が、原作では『バケルくん』とのセルフ・コラボレーション企画でしたね。 ◎『いでじゅう!』(作画:モリタイシ)【現時点での評価:B+寄りA−/雑感】 駒木の所属していたSF研究部みたいな怪しい文化系クラブにとっては、新入部員を確保出来るかどうかは生命線ですので、現役の頃は毎年苦労させられました。男子部員ばかりで演台に昇ったら「ヲタ系のイタい部活だ」という事で(半分正解なんですが^^;)人が寄って来なくなるし、逆に女子部員を投入したらしたで、いわゆる腐女子が集まって来て異様な雰囲気のクラブになっちゃうしで、サジ加減が難しかったですね(笑)。 ◎『モンキーターン』(作画:河合克敏)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 ……えーと、今回の喫茶店でのアレ、シチュエーションや詳細はかなり違いますが、駒木も似たような体験があります(苦笑)。 ……というわけで、今週はここまで。近い内に、現在連載中の作品の評価再検討とかやりたいんですが、時間取れそうに無いですね。結構作品間の序列付けとかややこしい問題もありそうですし、これは今後の課題でしょうかね。 |