「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
2/27(第111回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(2月第4週分・合同)
2/25(番外) 人文地理「続々・駒木博士の東京旅行記」(6) 2/21(第110回) 競馬学特論「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・暫定第1戦・フェブラリーS」 2/19(第109回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(2月第3週分・合同) 2/18(番外) 人文地理「続々・駒木博士の東京旅行記」(5) 2/15(第108回) 競馬法学「検証・競馬法改正案」 2/12(第107回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(2月第2週分・合同) 2/10(番外) 人文地理「続々・駒木博士の東京旅行記」(4) 2/7(第106回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(2月第1週分・合同) |
2003年度第111回講義 |
少々講義実施が遅れましたが、今週分のゼミを始めます。 しかし、今週は各方面から色々なニュースが入って来ましたね。確定情報じゃないモノもありますので、先にちょっとまとめてしまいましょうか。 1.島袋光年氏、復帰? 02年に児童買春(高校生相手の援助交際)で逮捕、起訴され、執行猶予付きの有罪判決を受けた島袋光年氏が、「スーパージャンプ」で復帰する事が確実視されています。「スーパージャンプ」次号予告に掲載のシルエットで隠されたキャラクターは、どう考えても『世紀末リーダー伝たけし』の主人公であり、確定ではないもののほぼ間違いないかと。 2.「週刊少年サンデー」にコナミへの謝罪広告掲載 ネット上でも話題になりましたが、「サンデー」の今週号(13号)に、誰にも発見されないような小さい謝罪広告が載り、その事を謝罪を要求したコナミが仰々しく発表しました(笑)。 3.「ジャンプ」次期新連載作品内定 2ch掲示板のジャンプ関連スレッドをよくご覧の受講生さんはご存知でしょうが、次々号からの「ジャンプ」で始まる、春の新連載シリーズのラインナップが決まったようです。もう既に来週号(14号)の次号予告と思しき誌面がネット上にアップされていますので、99%以上確定と見て良いでしょう。 まずは読み切り情報から。来週(14号)の「週刊少年ジャンプ」に『BULLET CATCHERS』(作画:夏生尚)が掲載されます。この作品は03年下期「赤塚賞」の準入選作品で、夏生さんは過去に「赤塚賞」佳作受賞と、その受賞作掲載を含む2度の代原掲載の経験があります。 次に連載終了の情報を。「週刊少年サンデー」の連載作品の内、『ファンタジスタ』(作画:草葉道輝)と『きみのカケラ』(作画:高橋しん)が次週で最終回となります。 最後に「サンデー」にギャグ系新人賞新設という話題を。 ……それでは、今週のレビューとチェックポイントへ参りましょう。レビュー対象作は、「ジャンプ」から読み切り1本、「サンデー」から新連載と新連載第3回の後追いレビューが各1本で、都合3本となります。 いつも忘れがちになるんですが、7段階評価の一覧表はこちらからどうぞ。 ☆「週刊少年ジャンプ」2004年13号☆ ◎読み切り『ハッピー神社 コマ太!』(作画:後藤竜児) 新連載シリーズを前に、若手作家さんの読み切りプチシリーズがスタート。今週は、現在高橋和希さんのスタジオでアシスタントを務めている後藤竜児さんが登場です。 では、作品についてお話してゆきましょう。 次にギャグなどについて。こちらは問題大と言わざるを得ないでしょう。 評価ですが、酷い出来ではあるものの、何とかマンガとして成立しているように思えますので、C寄りB−としておきます。ただ有り体に言って、今後の後藤さんの前途は多難と申し上げる他無いでしょう。 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週の巻末コメントには特記すべきモノは無かったですかね。「冨樫さん、本当にコメントに力入れてないな」と思ったくらいでしょうか。 ◎『アイシールド21』(作:稲垣理一郎/画:村田雄介)【現時点での評価:A/雑感】 稲垣&村田さんの演出力が遺憾なく発揮された回ですね。「小早川セナ 21番! ポジションはランニングバックです!」というカミングアウトを、丸々1回使って極限まで効果的に見せた技術には感服の一言です。 ◎『いちご100%』(作画:河下水希)【現時点での評価:B/雑感】 あんまりいると思えないけど、高校生以下の男子受講生諸君に言っておく。 ──こんな合コンは、高校ではまず有り得ないからな! ファンタジーだ!(笑) これはどう考えても合コンではなくてキャバクラですね……とか言って、駒木はキャバクラ行った事ありませんが(金払ってまで、他人を笑わせるために気を遣いたくないので)。 しかし、高校教員に復帰するとなると、この手のマンガ読んでも軽はずみに「駒木も高木君と同じく唯派です。趣味合いますなー」とか言えなくなりますなー(苦笑)。なんだか、異様に生々しい発言になってしまうのが自分でも解ります。シャレがシャレで通じなくなると言うか。これは受講生の皆さんのご理解を賜らなければ……。 ☆「週刊少年サンデー」2004年13号☆ ◎新連載『思春期刑事ミノル小林』(作画:水口尚樹) 昨年末からスタートした飛び石新連載シリーズもいよいよラスト。「サンデー」ギャグ系新人の出世頭・水口尚樹さんの登場です。 さて、それでは今回の内容についてお話してゆきます。 絵に関しては、純粋な画力で見た場合、やはりギャグ作品という事を差し引いてもギリギリで及第点レヴェルといったところでしょうか。ただ、いわゆる“マンガの文法”──絵を効果的に見せるテクニックは十分備わっていると思われ、総合すれば決して印象は悪くありません。 次にギャグに関して。まず純粋な「笑える、笑えない」は別にして、テクニックは一流の域に達していると思います。ページをめくった直後にオチを持って来る高等技術は相変わらず健在ですし、小ネタの挟み方や前フリの盛り上げ方も見事です。 ……それでは評価です。今回は結果として読み手の爆笑を引き出すには力至らず…という事になったようですが、その結果の奥に潜んでいる非凡な能力も決して見逃す事は出来ません。 ◎新連載第3回『こわしや我聞』(作画:藤木俊)【現時点での評価:保留】 続いて、同じ新連載シリーズの『こわしや我聞』について、第3回時点での再レビューをお届けします。 絵については、早くも週刊ペースに手が順応して来たのでしょうか、第1回に比べてソツが無くなって来ました。もっとも、絵柄が師匠の草葉道輝さんの劣化コピー状態に留まっているのも事実ですので、更なる精進を求めたいところですが。 ただ、ストーリー・設定に関しては、第1回時点で指摘させてもらった問題点は未解決のまま、更に減点材料が積み重なっていっている現状です。 評価はギリギリでBといったところでしょうか。上位〜中堅どころが高値安定し、その一方で昨秋以来の“不良債権”的作品が相次いで打ち切られている現状、安定長期連載を勝ち取るためには、あと一押し二押しが必要になって来ると思われます。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「他人に一番言われたくない言葉」。 ……さて、今週のチェックポイント、本当なら『怪奇千万! 十五郎』を大々的に採り上げたい所なんですが、また顰蹙買いそうなので自粛しときます(笑)。まぁ、簡単に言うと、心底オチの無い平坦な話を、3週にわたって、話が進めば進むほど尻すぼみになるよう展開していったんですけどね。 ◎『MÄR(メル)』(作画:安西信行)【現時点での評価:B】 この作品をここで採り上げるのは随分久し振りのはずなんですが、今回は残念ながら賛辞ではなくて苦言です。 今週、今回のバトルゲーム初の死者という事で、最終ページに「遊びなんかじゃない……これは戦争なんだ…!!」という煽りが付けられたんですが、これで「ああ、そうか」と納得した事がありました。 この作品も連載丸1年を過ぎ、中堅で安定しているような感がありますが、そこに甘んじず、今一歩のクオリティアップを目指してもらいたいところですね。 ◎『美鳥の日々』(作画:井上和郎)【現時点での評価:B+/雑感】 ちなみに「女の子キャラに男物Yシャツ」というシチュエーションについて真面目に考察してみますと、こういうのは“華奢”、“無邪気さ”、“恥じらい”という3つの要素を組み合わせないと、“萌え”の記号に成り得ず単なるギャグになっちゃうわけですね。その辺までちゃんと分かって、ギャグにしているこのマンガは凄いという事なんですが。
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番外 |
◎前回までのレジュメはこちらから→第1回/第2回/第3回/第4回/第5回 今週も東京旅行記の時間がやってまいりました。どうも皆さん、2日前、ふと預金残高を見た瞬間に春の東京行を断念した駒木ハヤトです(苦笑)。 ──そんなわけで、レポートです。今日は旅行3日目(12月30日)の朝から再開。文中は文体を常体に変えておりますので、どうぞ宜しく。 ◎3日目(12月30日) 携帯電話のアラーム音で目が覚めた。 果たして時計を見れば、8時30分を過ぎていた。大浴場付の宿に泊まった時の醍醐味と言えば朝風呂であるが、残念ながらそんな余裕は全く無くなってしまった。 ホテルを出て、とりあえずJR神田駅へ。そして、ここでしばし思案した。どうやって東京ビッグサイトへ向かうかのルート選択である。 ビッグサイト前に着いたのが午前10時過ぎ。ちょうど一般参加者の入場が始まったところで、駒木は待機列の最後尾にくっついた。 さて、この日は事前にチェックしてあるサークルが結構あり、更には当社会学講座がコミケに出展する場合の“本命”である評論ジャンルも視察しなければならない。幸い大蛇の列が伸びるサークルに縁が無いのは救いだが、テキパキと行動しなくては、いくら時間と体力があっても足りない。 そして東館。最終日は、前日までの女性向同人誌(=“やおい”本)は影を潜め、男性向同人誌(=いわゆる18禁モノ)やR-18指定のゲームを題材にした全年齢向けパロディ本がメインとなり、客層も一変する。元ネタのゲームがR-18なのにパロディ本が全年齢向けというのもおかしな話だが、飯島愛が服を着てゴールデンタイムのバラエティ番組に出ているようなものなのだろう。 ……と、呑気に俯瞰している場合ではなかった。駒木もいよいよ“参戦”である。 ちょっと短めですが、今日はこれまで。次回あたりで最終回になるんじゃないかと思います。延々と引っ張りましたが、あと1回どうかお付き合いを。(次回へ続く) |
2003年第110回講義 |
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年末年始、色々な事でバタバタしている間に早くも今年のG1戦線が開幕してしまいました(苦笑)。
逃げ含みの先行馬はユートピア、サイレントディール、ハタノアドニスの3頭。スンナリと折り合いがつかない可能性もある(むしろ高い?)ので、道中の並び順は流動的。ただし、行きたくなった馬1頭がハナを切る形で、競り合いにはならないのではないか。
●駒木ハヤトの「負け犬エレジー」● 先に謝っておきます。つまんない予想で申し訳無い!
単勝1.3倍だろうと、駒木博士と本命が被ってしまおうと(笑)、アドマイヤドンを本命にしたいと思います。去年のフェブラリーSでは大敗してますけど、これはスタート直後に大きな不利がありましたからね。もし1頭、この馬を負かす存在があったとしても、連軸は不動という見解です。
どもー、秋のチャンピオン・一色順子です♪
皆さん、お久しぶりです! 最近、あまり出て来る機会が無くて残念ですけど、元気に女子高生してますんで、安心してて下さいね!
なんか、よってたかって駒木の予想が目の敵にされてる感が有りますが、まぁどうせ負け犬ですから仕方ありませんね(苦笑)。
※駒木ハヤトの“勝利の雄叫び”(単勝・馬連・馬単的中) ※栗藤珠美の“喜びの声”(単勝・馬連的中) ※一色順子の“的中、失礼しましたー!”(馬連のみ的中) ※リサ=バンベリーの“ハッピー・ハッピー・グッドラック”(単勝・馬連的中)
(ポイント・順位の変動について) |
2003年度第109回講義 |
もの凄い勢いで『怪奇千万! 十五郎』の掲載順が下降している今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。今週も「現代マンガ時評」のお時間がやってまいりました。 ……それでは、今週も情報系の話題から始めましょう。今日は新作の話題が3件入って来ています。 1件目。「週刊少年サンデー」の次号(13号)から、『思春期刑事ミノル小林』(作画:水口尚樹)が連載開始となります。予定から1週遅れになりましたが、無事に連載開始に漕ぎ付けたみたいですね。 続いて2件目。次号(13号)の「週刊少年ジャンプ」では、読み切り・『ハッピー神社・コマ太!』(作画:後藤竜児)が掲載されます。 そして3件目。こちらは直近の話題というわけではありませんが、公式アナウンスがありましたので紹介しておきましょう。 ☆「週刊少年ジャンプ」2004年12号☆ ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週の巻末コメントは無難なモノが多くてちょっと残念。強いて挙げるなら、「この号の仕事中に24歳の誕生日を迎えました」という矢吹健太朗さんでしょうか。 ◎『スティール・ボール・ラン』(作画:荒木飛呂彦)【現時点での評価:A/雑感】 『SBR』版ディオ騎手の馬を追い抜かす理論、よくよく考えたら全然理屈合ってないんですが(苦笑)。一気に差を詰める方法って事なんでしょうが、2頭の素のスピードが計算に入ってないんでねぇ……。 ただ、キャラクターの使い方は抜群に上手いですよね。何て言うか、囲碁でいう所の捨てる石と生かす石の判断が絶妙と言いますか。 “エンゼル御前”、いいキャラクターだなあ(笑)。 で、お話の方ですが、早坂姉弟の望みは「母親の蘇生」という事になっちゃうんでしょうか。まぁ、少年マンガだし、インセストタブー方面は難しいでしょうからね。 ☆「週刊少年サンデー」2004年12号☆ ◎読み切り『教育チャンネル みんなのチャンポッピ』(作画:ピョンタコ) 水口尚樹さんの新連載が1週遅れになったからでしょうか、『D-LIVE』の取材休載で1つ空いた掲載枠に読み切りが掲載されました。 今回「サンデー」本誌初登場を飾った作者のピョンタコさんは、現在26歳。96年7月、18歳の時にゲーム物4コママンガでデビューし、それ以来ゲーム誌や「コロコロコミック」、「コミックGATTA」等で読み切りや連載作品を多数発表。「サンデー」系雑誌にも増刊で4作の読み切り掲載と約1年にも及ぶ連載を経験するなど、随分と豊富なキャリアを持つ作家さんです。 まず絵ですが、メジャー誌では余りお目にかかれない独特の絵柄ながら、見辛さは感じられません。個性がキツいだけに描けるジャンルが限られてきそうな嫌いはありますが、ギャグマンガの絵としてなら、なかなかの完成度だと思います。 しかしギャグの方は、少なくとも今回は難アリとせざるを得ません。 評価としては、とりあえず今回はB−くらいが適当かな、と思います。もう1回くらい別の作品を読んでみたいところではありますが……。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「二度としたくない! と思った苦労話をひとつ」。 ……ところで、今週も小学館漫画賞関連の企画ページが。まぁ『ジャぱん』が賞獲った事は、中邑真輔がIWGPヘビーのベルトを獲ったようなもんだと思ってもう諦めますが、『鋼の錬金術師』の荒川弘さんの名前のルビを間違えたらイカンでしょう。「あらかわ・ひろし」じゃなくて「あらかわ・ひろむ」ですからね。“他社枠なんか、どーでもええわ感”が滲み出過ぎです。 ◎『ワイルドライフ』(作画:藤崎聖人)【現時点での評価:B/雑感】 しかし、回を追うごとに“協力”の欄がバラエティ豊かになっていきますなあ(笑)。特別協力に取材協力に協力って、Vシネマの特別出演、友情出演じゃないんだから。 ◎『美鳥の日々』(作画:井上和郎)【現時点での評価:B+/雑感】 アニメ化を前にして、唐突な沢村の本音告白!
最終ページの柱に載っている担当さんの煽り文・「今後の憲二・青島・澄の三角関係はどうなるの? 乞うご期待」が、余りにも他人事感丸出しで爆笑。 |
番外 |
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◎前回までのレジュメはこちらから→第1回/第2回/第3回/第4回 もう間もなく春の青春18きっぷも発売開始という時期に、まだやってます東京旅行記です(苦笑)。もうちょっとでケリつけますので、今しばらくのお付き合いを。 しかし、この春シーズンの旅行はどうしようかと、少々思案中であります。モデム配りが契約終了になり、一時的とは言え収入が途絶えつつある身、いくら貧乏旅行とは言え無理が利かないわけですが、行きたい所はまだ残っていたりしまして。 ──それでは、レポートの続きへと参りましょう。 実数で2000人弱収容できる後楽園ホール。最近では中堅以上の団体でも観客席が埋まらないケースも少なくないが、この日は第1試合前からなかなかの客入り。最終的には9割方埋まっていただろうか。DDTプロレスのような中小団体では大健闘の部類だろう。 ただし、例外……というかプロレスに対する理解の格差を超えて、全く同じように観客全てを恐慌に陥れるレスラーがいる。そう、男色ディーノである。
……と、断末魔のようなアナウンスがホール一杯に響き渡る。しかし、前にも述べたが後楽園ホールは固定椅子。逃げてと言われても逃げられないのである。 さて、試合内容は、また長くなり過ぎるので割愛。 ……試合が終わったのは午後9時頃だったか。後楽園ホールを出てすぐさま早足で移動開始。今度の目的地は、秋にも行った水道橋駅近くのDDTステーキ。やはり後楽園ホールでDDTプロレスを観戦したとなれば、ここで夕食を摂るのが正しいファンの在り方だろう。 ──というわけで、これにて本日の行程は全て終了。午前4時台の東京着から休憩らしい休憩も摂らずに15時間以上活動していたわけで、さすがに疲労困憊だ。 ホテルは神田駅から歩いて数分の好立地。個室に風呂が付いていないが、その代わりにサウナ付大浴場があるという、よくよく考えたら標準以上に恵まれた施設のビジネスホテルである。しかもこの日はビジネス客が見込めない年末の閑散期とあって、宿代も消費税込みで5000円チョイという破格値。 チェックインを済ませ、部屋に荷物を置くと、すぐにホテル真向かいのコンビニで晩酌用の酒と肴を確保。既に疲れと眠気でフラフラなのだが、そこはせっかく社会学講座の業務から解放された貴重な日。意地でもくつろがなくては気がすまない。健康のためなら死んでもいいという人と似ているようで似ていない発想だが、我ながら荒んでるなと思う。 ……というわけで、長い長い2日目がこれで終了です。次回からは3日目、コミケ最終日の模様を中心にお伝えする事になると思います。では。(次回へ続く) |
2003年度第108回講義 |
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珠美:「こういう形ではお久し振りになりますね、栗藤珠美です。
……これだと、競馬をかじっている人なら完全に理解してもらえるかな。まぁ、そうじゃない人でも、控除率が20%どころか22%になってるって事は判ってもらえると思う。 |
2003年度第107回講義 |
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藤田和日郎さんの短編集第2弾『暁の歌』が発売になると言う事で、今週号の「サンデー」に広告が掲載されていました。それはそれで結構なお話なのですが、そこの宣伝コピーに いや多分(というか間違いなく)、広告担当者が“吹いた”のが偶然当ゼミの論評と一致しただけだと思うんですが(笑)、あの作品に敢えてそういう評価をした人って他に知らないので、一瞬狼狽してしまいましたよ。 ──さて、それではゼミを始めましょう。
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ……初受賞組ばかりだった前回とは対照的に、今回は2年越し、3年越しの“新人予備軍”の方々の活躍が目立ちました。 その名もズバリ「青マルジャンプ」。 コメント不可というか、コメントしたらキリがないような誌名ですが(笑)、創刊号では荒木飛呂彦ロングインタビューという目玉企画を筆頭に、実力派の新人・若手作家さんの作品も複数掲載される模様です。 さて、賞レースと言えば、今週号の「サンデー」で小学館漫画賞の正式な受賞者発表があったのですが、『鋼の錬金術師』と『焼きたて!! ジャぱん』が受賞した少年部門では、他に『アイシールド21』と『うえきの法則』がノミネートされていた事が判明しました。 ……ちょっと脱線しましたが、最後に読み切り情報を。「週刊少年サンデー」の次号(12号)に、ギャグ読み切り・『教育チャンネル みんなのチャンポッピ』(作画:ピョンタコ)が掲載されます。 ……それではレビューとチェックポイントへ。今週のレビュー対象作は「サンデー」の新連載1本のみということになります。 ☆「週刊少年ジャンプ」2004年11号☆ ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週は「ジャンプ」ヒロイン総出演でバレンタインデー大特集の趣。「表紙が恥ずかしくて買えない」という人が各方面にチラホラといらっしゃったようですね(笑)。 ところで、巻末コメント欄で最近やたらと威勢が良いのが空知英秋さん。毎週のように編集さんたちに新人らしからぬ文句をカマしていますが、これは逆に編集さんと上手く行っているからこその“内輪ネタ”なんでしょうね。ストレスをシャレに昇華できる作家さんと、その悪意の篭ったシャレを笑って受け止められるだけの度量のある編集さん。良いコンビじゃないですか。本当に仲の悪いコンビだとこうは行きませんからね。とてもじゃないですが公に出来ませんもの(笑)。 ◎『ONE PIECE』(作画:尾田栄一郎)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 デービーバックファイト1回戦終了。「メンバー1人離脱」というシナリオが公然の秘密になっている状態ゆえ、この勝ち負けも初めから読めてたんですが、それでもなかなか楽しめるエンターテインメントでした。 しかしこのまま行くと、2回戦もルフィチームの負けで、3回戦にルフィが勝った時に2人のうち誰を奪還するか迷う……という展開になりそうですね。ひょっとしたら、連載開始以来最大の修羅場になるかも知れません(笑)。
連載9回目で掲載順6位、そして次週にセンターカラー&増ページということは、ほぼ今期残留確定と考えて良いでしょうね。 ◎『武装錬金』(作画:和月伸宏)【現時点での評価:A−/雑感】 今回から始まった戦闘シーン、至る所で強い既視感があるなぁと思ったら、例の『Fate/staynight』でした(笑)。ネタバレになるので詳しくは言いませんが、「おお、このシーンは○○の××そっくりじゃないか!」…などといった場面も。
連載当初から色々な意味で迷走気味だったこの作品ですが、どうやら作品の方向性は固まって来たみたいですね。シナリオの重厚さを敢えて犠牲にし、ギャグマンガに近い作風に持っていっています。 ☆「週刊少年サンデー」2004年11号☆ ◎新連載『こわしや我聞』(作画:藤木俊) 「週刊少年サンデー」の新春飛び石新連載シリーズ第3弾は、増刊連載から昇格となった、藤木俊さんの『こわしや我聞』です。 藤木さんは元小学校教員という経歴を持つ(受講生さんから情報を頂きました。感謝!)方で、先月30歳になったばかり。 ──それでは、作品の内容について述べてゆきましょう。 絵については、まだ若干キャリア不足ゆえのアラが目立つものの、基本的なマンガ的表現については及第点を出せるのではと思います。アシスタント経験が活きているのか、背景等の画面処理も上手いですね。アシスタントの使い方も作家の技量の内ですから、これは評価しないといけないでしょう。 ストーリー・設定については、一言で表現すれば「一長一短」といったところでしょうか。 さて、評価ですが、今回はとりあえず保留とさせてもらいます。あと2回ほど拝見して、藤木さんがどこまで設定を練りこんでいたのかを見極めたいと思います。
巻末コメントのテーマは、「いま、一番欲しいプレゼント」。まぁ当たり前かも知れませんが、皆さんバラバラですね。 ◎『美鳥の日々』(作画:井上和郎)【現時点での評価:B+/雑感】 バレンタインウィークだというのに、堂々とオタクネタを展開して来るとは、さすが井上和郎!(笑)。しかしまぁ、初恋の相手が香ばしい感じに成長してますなー。 ◎『かってに改蔵』(作画:久米田康治)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 確かにバレンタインチョコを売る側は13日がピークなわけで、まさにフライングフィーバーなんですけどね。1年程前に講義でやりましたんで詳しくは喋りませんが、まぁ凄い修羅場ですよ、13日午後のデパ地下洋菓子コーナーは……。
◇駒木博士の読書メモ(2月第2週)◇ ◎『鋼の錬金術師』(作画:荒川弘/「月刊少年ガンガン」連載中) ……というわけで、今年の小学館漫画賞・少年部門の“他社枠”受賞作・『鋼の錬金術師』が当ゼミに登場です。 しかしこの作品、凄いです。単行本6巻収録分まで読んだのですが、全編褒める所しか見付かりません。 まず、扱っているテーマの重厚さ、スケールの大きさですね。死生観、政治、宗教などといったシビアなテーマを扱いながら、それらを見事に描き切っています。それも、無難に攻めるのではなく、本質に突っ込みながらもやり過ぎないという絶妙のバランス感覚で。 また、少し細かい所に目を向けても、荒川さんのテクニックの巧みさが光っています。 設定の完成度の高さ、そしてそれを読者に提示するタイミングの巧さも極めて秀逸です。シナリオの進展を優先すべき場面では設定の提示を必要最小限にとどめ、逆に設定をバラす事で大きな効果が得られる時には回顧シーンを交えて一気にバラす。あまりに効果的な演出のために、「設定を説明されている」という自覚すら消えてしまいそうです。 ……というわけで、全ファクターほぼパーフェクトの大傑作です。評価は完結を見てから確定させたいですが、現時点では少なくともA以上と言っておきます。クライマックスで更にもう一盛り上がりあれば、A+まで考えなくちゃならんと思っています。
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番外 |
2週間ぶりに“1人「水曜どうでしょう」”こと、東京旅行記のお時間がやって参りました。何度でも言いますが、03年末(12/28〜31)の旅行記です。1ヶ月以上もグダグダしている内に秋葉原も燃えてしまいました。(燃えたヤマギワソフト、今はソフマップ系列なんですってね。お見舞い申し上げます。ケガ人等でなかったのが不幸中の幸いでした) ──さて今日のレポートは、29日の午後、2日目のコミケ会場を離脱した直後から始まります。例によって文中は文体を常体に変えておりますので、どうぞ宜しく。 怒涛のようなコミケ体験から離脱し、現在時刻は14時過ぎ。旅行開始から約20時間、うたた寝のような仮眠を摂っただけでここまで来たが、これでもまだ、今日の予定の半分が終わったに過ぎない。この後、夕方から後楽園ホールで、秋の旅行でも観に行ったDDTプロレスの観戦を予定しているのである。 昼下がりのりんかい線・国際展示場駅は、コミケ帰りの客を、大当たりしたパチンコ台が銀玉を呑み込むように次々と吸収していた。しかし交通の分散化が進んでいるのか、さほど深刻な混雑でもない。これなら桜花賞開催日の阪急電鉄仁川駅(阪神競馬場の最寄駅)の方が混雑している感じもする。 そんなこんなで何とか水道橋駅まで逆戻りし、東京ドームシティまで駆け足で向かう。プロレスの試合開始は18時30分なので到着が早過ぎる位だが、この日・12月29日は大井競馬場でG1レース・東京大賞典があり、その馬券を南関東公営の場外馬券売り場(オフト後楽園)で売っているのである。どうせ後楽園まで行くのなら、こっちの馬券も買っておこうと思っていたのだが、電車を乗り過ごしたために馬券発売の締め切り時刻が迫って来てしまったのだ。大レース時の場外馬券売り場は混雑するため、かなり余裕を見ておかないとヤバい。 ──ところが。本場である大井競馬場の混雑がそうでもなかったのか、予定から5分延長されただけで馬券発売が締め切られてしまったではないか。おいおい、勘弁してくれ。放っておいても馬券が売れる数少ないレースだってのに、ここで売らんでどうするよ。いや、電車乗り過ごして遅刻した人間の言う事じゃないけれども。 陰鬱な気持ちになったところで、時計は16時。プロレスの方は、開場時刻ですら1時間以上の余裕がある。喫茶店で暇を潰すには勿体無い時間ではあるが、さりとてやるべき事も無し。晩飯を食うには早過ぎる。 ……と、また中途半端な所で切れてしまいましたが、次回へ続きます。今度はコミケ3日目の会場入りあたりまでを目標に頑張ります。ではまた近日。(次回へ続く) |
2003年度第106回講義 |
『Fate/staynight』も一息つき、9日ぶりの講義再開です。休講中は受講生の皆さんに多大なご迷惑をおかけしましたが、駒木にとっては非常に有意義な“研修”になりました。自分の価値観を再確認し、更に「良い作品とはどういうモノか?」、「良い作品を構成する要素とはどのようなモノか?」…などといった部分の認識も深められたような気がします。 ……さて、この話はまた別の機会を見つけて詳しくさせて頂くとしまして、マンガのお話を始めましょう。今日は今週発売の雑誌──「ジャンプ」、「サンデー」の04年10号についてのゼミとなります。 次号(11号)から新連載となるのは『こわしや我聞』(作画:藤木俊)。増刊号での短期連載作品の“昇格人事”ですね。藤木さんは(正確なデータが無いので詳細不明なのですが)01年頃から増刊で散発的に読み切りを発表し、03年には今作のプロトタイプとなる作品を4ヶ月連載。そして、今回が初の週刊長期連載というわけですね。層の分厚い中堅・ベテラン陣の中に食い込んで、どこまで存在感をアピール出来るのか注目ですね。 ……それでは、レビューとチェックポイントへ。今週は「ジャンプ」から新連載第3回の後追いレビューと、代原読み切りのレビューが各1本、そして「サンデー」から読み切りレビュー1本で、都合3本となります。 あ、以前リクエストされてそのままになっていました当ゼミの評価一覧表ですが、こちらからどうぞ。昨年に改定した基準に対応しています。(クリックで新しいウィンドウが開きます。評価一覧表を見ながら受講して頂こうという趣旨ですのでご理解を) ☆「週刊少年ジャンプ」2004年10号☆ ◎新連載第3回『スティール・ボール・ラン』(作画:荒木飛呂彦)【第1回掲載時点での評価:A】 今週のレビュー一発目は、早くも話題沸騰といった感のある『スティール・ボール・ラン』の後追いレビューです。 ……とはいえ、第3回となる今回でも未だプロローグの真っ只中という事で、まだシナリオの中身についてのレビューはやりようがないんですよね(苦笑)。短期打ち切りの心配が無いためか、かなり長いスパンでのシナリオ展開が構想されているようです。 そういうわけで、今回の評価も第1回時点から据え置きでA−寄りAとします。とりあえず本編突入後からしばらく様子を見て、その時にまた評価の変更を検討したいと思います。
今週は『ピューと吹く! ジャガー』が休載のため、代原掲載となりました。目次に断りも無いあたり、編集部も連載を飛ばす事に慣れが出て来たようです(出すなよ)。 今回登場したのは原淳さん。99年11号の初登場以来、今回が1年半ぶり8回目の代原掲載となりました。……というか、5年も代原作家やってどうするんだという声が聞こえて来そうですが(笑)。 さて、今回の内容について。 評価はB寄りB−としておきましょう。1年半前の前作から一歩二歩後退といったところでしょうか。前途は決して楽じゃないですが、頑張って欲しいものです。 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週の巻末コメントは、「ジャンプ」の新年会に関するコメントが中心。普通は年末に忘年会なんですが、「ジャンプ」は年明けてからやっちゃうんですね。年明け間もなくて作家さんのスケジュールが詰まらない内に(笑)。 ◎『BLEACH』(作画:久保帯人)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 今回の内容からして、改めて「あぁ、やっぱり久保さんは井上織姫が大のお気に入りなんだな」と実感してしまいました(笑)。しかし、思う存分翻弄される石田も良い感じですなあ。 ストーリーに関しては、なんか最近「一護負ける→試練を経てパワーアップ→一護リベンジ→次の敵に一護負ける→試練を経て(以下略)」の無限ループ状態が目立って来て、少々残念かなーといったところ。せっかくの高い演出力を、シナリオの単調さを誤魔化すだけに使ってしまっては勿体無いと思うんですけどね。
☆「週刊少年サンデー」2004年10号☆ ◎読み切り『ハヤテの如く』(作画:畑健二郎) 今週のサンデーでは若手作家さんの読み切りが掲載されました。久米田康治さんのアシスタント出身と言う畑健二郎さんが本誌初登場です。 まずは絵ですが、酷評するまでには至らないものの、他の「サンデー」連載作品などと比べると、見劣りしてしまうのは否めないところでしょう。特に今回は、女の子キャラが可愛くないと話にならない作品なのですから、これはかなり大きな減点材料となります。 ストーリー・設定に関しても、問題アリですね。 ……そういうわけで、残念ながら今回は問題点だらけの作品ということになってしまいましたね。評価はC寄りB−。一応ギリギリでマンガの体は成しているので“死刑宣告”には至りませんでしたが、本誌連載レヴェルには到底足りないと断ぜざるを得ません。画力、ストーリーテリング力に磨きをかけて、もう一度増刊から出直して貰いたいと思います。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 巻末コメントのテーマは、「続編が見てみたい映画」。 いきなりの新展開はテコ入れではなく、“投了”の形作りだった……というわけで、今回をもって打ち切り最終回になってしまいました。 |