「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
2/26(第91回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(2月第4週分・合同) 2/23(第90回) 人文地理「駒木博士の東京旅行記04’冬 コミケ67サークル参加挑戦の旅」(5) 2/19(第89回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(2月第3週分・合同) 2/17(第88回) 人文地理「駒木博士の東京旅行記04’冬 コミケ67サークル参加挑戦の旅」(4) 2/12(第87回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(2月第2週分・合同) 2/10(第86回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(1月第6週/2月第1週分・合同) |
2004年度第91回講義 |
『ハヤテのごとく!』の単行本が売れ行き好調で、早々に重版が決定したみたいですね。 ──などと、1年前の今頃は郊外の寂れた電器量販店でモデムを配ってた現役高校講師がお送りする、今週の「現代マンガ時評」です。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」では次号(14号)に「サンデーGAGフェスタ2005」として、 ……正直、増刊レビューでもないのに若手さんのギャグ作品を3つも一気にレビューするのは、かなり精神的に厳しい作業なのですが(苦笑)、まぁなんとかやってみたいと思います。 ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年12号☆ ◎新連載『魔人探偵脳噛ネウロ』(作画:松井優征) ●作者略歴 ●絵についての所見 総合的に見れば、「『ジャンプ』の週刊連載作品としては、赤点スレスレの及第」…といった辺りになりますか。 ●ストーリー&設定についての所見 ただ、これらの加点材料をゴッソリ帳消しにした上に、更に減点せざるを得ないのが、この作品の重要な要素であるミステリ部分のお粗末さ。読み手によって評価の分かれる部分ではあるでしょうが、これを「完成度の高いミステリ作品」と断言するのは、さすがに無茶ではないかと思います。 まず、“事件発生→即、解決編”という流れがもたらす、ドラマ性の薄さという構造的欠陥は、今回の“喫茶店の殺人”でも露呈してしまいました。いくら特殊なタイプの作品とはいえ、ストーリー性を完全に無視しても良いという理屈にはならないでしょう。読み手の気持ちを作中世界へいざなう為にも、せめて挿話の体を成す程度のシナリオは用意して欲しいところです。 そして、それ以上に拙いのがメインの謎解き部分……いや、これはもう既に謎解きですらありませんね。むしろ“謎造り”と言うべきものです。 ──確かにこの作品は、巧みな設定構築と高度な演出によって、ミステリ要素抜きでもキャラクターや作品の雰囲気を楽しめるような造りにはなってはいます。ですが、やはり“謎解き”を作品の柱に据えた作品である以上、その柱がグラグラでは、作品全体の価値も大きく揺らいでしまうというものです。 ●現時点の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ やはり巷に流れたネタバレ通りの衝撃展開となった『DEATH NOTE』。いずれ行き着く所はココしかなかった…という着地点ではありますが、本当にそこに着地させちゃって良かったの? …という話のような気も。冷静に見ると、余りにも救いの無いストーリーですしねぇ。 一方で、『アイシールド21』は異様にアツい展開に。最近やや間延び気味だっただけに、結果的に物凄いメリハリがついた形になりました。本来一番冷静なキャラを心底焦らせて、読者にも危機感を伝える…というテクニックは見事ですね。 『武装錬金』は、カズキVSブラボーが決着。フィジカル面で足りない力をメンタル面で補完するという、熱い戦闘シーンの鉄則が貫かれているのは良かったとは思います。ただ、これだけの因縁の対決ですから、もうちょっとシーソーゲームを展開させてもバチは当たらなかったような気も……。 そして今週で最終回となった『未確認生物ゲドー』。序盤から巻末近くの掲載順を維持したまま4クール。往年の『ノルマンディーひみつ倶楽部』を彷彿とさせるような、長期低空安定飛行でしたね。 ☆「週刊少年サンデー」2005年13号☆ ◎短期集中連載・最終回総括『あやかし堂のホウライ』(作画:金田達也《原案協力:藤田和日郎》) ●絵についての所見(第1回時点からの推移) ●ストーリー&設定についての所見(第1回時点からの推移) 設定面では、増刊版の登場人物のほとんどを引き継いだ割には、踏み込んだキャラ描写が出来ず、アヤカとホウライ以外の扱いが極めて中途半端に。特にホウライの性格描写が非常に甘く、肝心のクライマックスシーンが完全な御都合主義になってしまいました。 藤田和日郎直伝の演出・戦闘シーンの盛り上げ方など、見所も多分にあったのですが、それも作品のクオリティを上げるどころか、何とか下げ止めるので精一杯といったところ。残念ながら、今回の短期集中連載は失敗と断ぜざるを得ません。 ●最終評価
(受講生の皆さんへ:この作品は評価Cとなりました。結果的に読み手の感情を損ねる論調のレビューになっている恐れがあります。この作品のレビューをご覧になるかどうかは皆さんでご判断下さい。) ●作者略歴(シェルターさんの「週刊少年ジャンプデータベース」を参考にさせて頂きました。管理人の高円寺Qさん、お気に入りの作家さんにいつも低い評価をつけてしまってすみません^^;;) なお、坂本眞一さんや、いとうみきおさんのスタジオでアシスタント経験アリとの事。 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 まずは設定。キャラクター設定と場面設定のほぼ全てにおいて現実感が希薄で、更にその無理っぽさを捻じ伏せるだけの説得力が皆無と来ています。 ストーリーも、要約すれば「(得体の知れない3人組が)来た、見た、勝った」で終わってしまう、カタルシスの薄い内容に終始。何の苦労も駆け引きも無く、ただ突撃プレイを掛けたら10点差をひっくり返して勝ちました、女の子にもモテました…というこのシナリオで、飯島さんは一体何を伝えたかったのでしょうか? ●今回の評価 さて、初めて評価Cのレビューに触れて、気分を悪くされた方、申し訳ありません。今回みたいにストーリー・設定において褒める要素が全く無い場合、こういう事になってしまいます。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 『MAJOR』が今週で連載500回の節目を迎えました。まぁ色々とツッコミ所のある作品ではありますが、小学生編・中学野球編・海堂高校編・聖秀学園編・米3A編…と、長編作品6本分のストーリーを全うした上に、ここから更にもう一花咲かせようというのは、やっぱり凄いですよ。 『ハヤテのごとく!』は、余りにもベタな天然ドジ系メイドさん登場。涙目で睨むところで萌えを誘う所なんて、本当にあざといんですが、それでも畑さんが描くと許せてしまう何かがありますね。 ……というわけで、今週はここまで。先週から1本レビューを準備するのに3〜4時間かかってしまって、大変往生してます。細かい事をあれこれ考えるより、「コミックアワード」の時みたいに一気にバーッとやっちゃうのが一番だとは、大脳新皮質では分かってるんですけどね……。 |
2004年度第90回講義 |
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◎前回までのレジュメはこちらから→第1回/第2回/第3回/第4回 どうも、心は既に春の旅行に翔んでいってる駒木です(笑)。次から次へ旅行記の題材が貯まりつつあり、嬉しいやら大変やら。
……と、こんな具合です。ちょっとキツめの日程になりますが、これくらい充実してるぐらいが丁度良いでしょう(笑)。どうせ一人旅ですから、日程変え放題ですし。 ──と、告知をしたところで旅行レポートへと参りましょう。今回は12月28日の正午過ぎ、秋葉原駅を発った所からスタートです。レポート文中においては文体は常体、人物名は現地で実際にお会いした方以外は原則敬称略とします。 正午を過ぎ、いよいよ暇潰しも限界に達した感。ここで一旦、ホテルのある大井町駅へ戻る事にした。チェックインは14時からだが、まず駅前の銀行で、本を売る時に必要な500円玉(釣銭)の確保をして、その後はホテル近くのブックオフを回ったりしている内に時間が来るだろう…という腹づもりである。 15分の“小休止”は瞬く間に終わり、大井町駅のクソ長い階段を昇って外へ。まずは予定通り、駅前の銀行密集地帯へと向かう。 閑話休題。 やっとの事で大井町駅に戻った頃には、時刻は既にチェックイン可能な14時を過ぎていた。フラフラの足どりでホテルのフロントへ歩を進め、チェックインを済ませて二晩お世話になる部屋のキーを受け取る。 そして17時過ぎ、仮眠明けの眠い目を擦りつつ逗留先を出立。またしてもJR京浜東北線で、午前中に足を踏み入れたはずの有楽町駅へ向かう。 |
2004年度第89回講義 |
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今年の「小学館漫画賞」、既にBBSの方では児童部門の『ケロロ軍曹』誤記問題で一盛り上がりしたのですが、こちらで採り上げるのをすっかり忘れておりました。 そして今週になって、小学館の各マンガ誌で詳細が発表されていますが、少年部門で惜しくも落選となった“対抗馬”は「マガジン」代表『魔法先生ネギま!』と、「サンデー」代表『MÄR(メル)』だった模様です。まぁ読者の立場から有り体に言ってしまえば、“商品”色の強いマンガの中から一番“作品”っぽいモノが選ばれたのかな? ……といった感じですね。 ──それにしても、『ネギま!』が「小学館漫画賞」ノミネートなんて大ネタ、「講談社漫画賞」ノミネート作家・久米田康治さんなら絶対に放っておかないはずなんですが、勿体無いですねぇ……。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年サンデー」では次号(13号)に『蹴闘男 最強蹴球野郎列伝』(作画:飯島潤)が掲載されます。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) 今月の十二傑賞は、3度目の最終候補エントリーの杉田尚さんがゲット。念願のデビュー権獲得となりました。 ★その他公式アナウンス情報 ◎「週刊少年ジャンプ」の不定期連載(長期休載中)作品『スティール・ボール・ラン』(作画:荒木飛呂彦)の「ウルトラジャンプ」誌移籍&連載再開が、このたび同誌公式ウェブサイト上で発表されました。(公式サイト:『スティール・ボール・ラン』スペシャルコーナー※音が鳴りますので注意)公式アナウンスによると、05年4月号にプロローグ編が掲載、そして5月号より本格連載開始になるとの事です。 ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年11号☆ ◎新連載『ユート』(作:ほったゆみ/画:河野慶) ●作者略歴 ※河野慶さん ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ただ、今回はプロットとストーリー展開の中で、2点ばかり不自然な箇所が見受けられました。 ●現時点の評価 ◎読み切り『サムライ手芸部』(作画:楽永ユキ) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグ(及びストーリー&設定)についての所見 ──というわけで、様々な角度から内容を吟味した上で感じた事は、「実に中途半端な作品だな」…と。物凄く小さい風呂敷を広げかけたかと思ったら、すぐに手仕舞いしてしまったような、そんな印象を受けました。 ●今回の評価
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ さて、今週の「チェックポイント」は、この号で連載10回となった『ムヒョ』の評価再検討からお送りします。 ◎『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』(作画:西義之) 今回から新展開という間の悪さで、今回も暫定評価という事になってしまいました。まぁ1クール打ち切りが無かっただけでもヨシとすべきなんでしょう。 他の作品については、時間が時間ですので今週は割愛します。“嵐の前の静けさ”的なエピソードが多かったので、敢えて今週に採り上げなくても、次号以降いくらでも語る機会はあるでしょうしね。特に『DEATH
NOTE』は、ネット界隈で流れているネタバレが本物なら、とんでもないお祭りになるはずですから……。 ☆「週刊少年サンデー」2005年11号☆ ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週で『KATSU!』が、やや唐突な最終回となりました。いかにも中途半端な完結のさせ方は色々な類推を呼びますが、作家さんの“格”や連載期間などから考えると、編集部からの打ち切りは考え辛いでしょう。あだち充作品としては商業的に成功したとは言い難いですし、作者サイドから手仕舞いに入ったとしても不自然では有りません。 他の作品については、こちらも時間が無いので大幅に割愛しますが、『いでじゅう!』の「初めて彼女が出来た男子高校生の舞い上がりっぷり」の微笑ましいリアリティには、自分の10数年前を思い出して身悶えました(笑)。「ビッグコミックスペリオール」の『漫歌エロチカ派』(作画:相原コージ)に登場する“秘密結社”風に言えば、鳴り物・大太鼓まで引っ張り出しての大喝采です。 ……さて、取り急ぎ…という感じでしたが今週はここまで。来週は時間がたっぷり取れますので、もうちょっと早い段階で何とかしたいと思います |
2004年度第88回講義 |
お待たせしました。「コミックアワード」に労力を奪われて、気がついたら何と約1ヶ月ぶり。旅行記の4回目をお送りします。 しかし、こうしてノロノロと年末の旅行を云々している内に、春休みの旅行の準備を進めないとならない時期に突入してしまいました。本当に月日の流れは早いものですねぇ。 それでは、旅行記の続きへ。今回は28日の午前9時前、築地市場から銀座へ向かう道すがらからスタートです。レポート文中においては文体は常体、人物名は現地で実際にお会いした方以外は原則敬称略とします。 築地市場に別れを告げた駒木は、再び銀座方面へ向けて歩き始めた。往路に利用した道と多少ズレた筋から築地を出たために多少迷ったが、最近は方向音痴なりに「大まかな東西南北さえ間違わなかったらゴールから遠ざかる事は無い」、「道が判らなくなったら表札で住所を調べてコンビニで地図を立ち読みしろ」…という危機管理(?)が出来るようになっていたので大事には至らず。 これが少し前までの駒木だったら悲惨だった。自分の居場所が判らなくなると、直進するのが怖くて(どんどん目的地から遠ざかっている気がするから)デタラメな右折・左折を繰り返すわ、根拠の無いUターンをして目的地寸前で引き返すわで、本当にもうどうしようもなかった。何の変哲も無い郊外の一角が、駒木にとってはクノッソス宮殿も真っ青の大迷宮になってしまうのだ。京都とか札幌みたいな条坊制の都市に生まれなくて本当に良かったと思う。 さて、銀座のメインストリートに復帰した後は、元来た新橋方面ではなく、逆方向の有楽町方面へと向かった。ここからは一本道なので迷いようが無い。日が明るい時間帯の繁華街特有の味気なさが全面に滲み出たビル街を歩く。昔、“コンクリート・ジャングル”なんて言葉があったが、季節柄もあって、ジャングルというより枯れ木ばかりの雑木林といった趣だ。 さて、ここまでほぼ予定通りに行程をクリアして来たわけだが、実はこれから夕方までの予定は全くの空白状態になっていた。いつもなら競馬なり競輪なりに出かけるのだが、前回のレポートでも述べたように、今回の旅行のポリシーは「コミケ以外では並ばない」だ。それを考えた場合、年末年始の混雑した公営ギャンブル場は御法度なのである。
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────秋葉原の朝は、遅い(「野生の王国」久米明調で)。 しかし、ただ立ち尽くしていても仕方ないので、運動がてら駅周辺を散策し、暇と体脂肪を消費する。最近、秋葉原に本格的なレプリカ武器・防具屋が出来たというので探してみたのだが、地図と住所を控え忘れてた事もあって発見ならず。世界史の授業のネタにでも…と思っていたのだが、まぁ仕方あるまい。 ──その後も暇を持て余し、神田方面まで足を伸ばして本屋巡りなどしている内に、気が付けば正午を過ぎていた。これで漸く長い長い旅の半日を消化したわけだ。 |
2004年度第87回講義 |
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どうも、この時期になると、何故か17年前のファミコン版「ドラクエ3」発売日前後の事を思い出す駒木ハヤトです。17年前なんて、今、高校講師として駒木が授業を受け持っている生徒が生まれた頃なんですよね。そりゃ年も取るはずだなあ。 当時駒木は小6で、発売日は平日の水曜・2月10日。当時はTVゲーム専門店自体が殆ど存在せず、ゲームといえば電器量販店かデパートの“おもちゃ売場”で買うというのが相場。予約も出来ません。 ……とまぁ、長々と昔話をしましたが、この話で駒木が一体何を言いたかったかと申しますと、「世の中変わらないなぁ。ついでに俺も」という事で(笑)。30前にもなって毎週「ジャンプ」と「サンデー」を熟読して批評までしちゃってるバカな野郎ですが、今後ともどうか何卒。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では次号(11号)より『ユート』(作:ほったゆみ/画:河野慶)が、次々号(12号)より『魔人探偵脳噛ネウロ』(作画:松井優征)が連載開始となります。 やや例年に比べて時期が早いですが、今年度最初の新連載シリーズが開幕です。今回は久々の複数作品開始という事で、ヒット作連発に甘えない「ジャンプ」の積極的姿勢が窺えます。 まず『ユート』は、『ヒカルの碁』で大ヒットを飛ばした原作者・ほったゆみさんの「ジャンプ」2作目。囲碁を扱った前回に引き続いて今回もマイナージャンルであるスピードスケートを題材にチョイスして来ました。 次に『ネウロ』は、「赤マル」→本誌で読み切り連続発表からの連載という、最近では『スピンちゃん』や『ムヒョ』と同じコースを通っての連載獲得となりました。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ◎努力賞の小川公世さん…03年4月期「まんがカレッジ」であと一歩で賞 ……今回は10代受賞者が4名…という話でしたが、うち3名は過去にも入賞歴のある“新人予備軍”の皆さんでした。とはいえ、10代前半の身でキチンと2作目を完成させたというのも凄い事には変わり無いんでしょうけどね。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから(←今週、少し加筆してます)。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年10号☆ ◎読み切り『FULL COAT』(作画:池田圭司) ●作者略歴 ●絵についての所見 総合的に判断すれば、画力は「ジャンプ」では何とか及第点クラス…という水準でしょうか。 ●ストーリー&設定についての所見 あと、今回の問題点として挙げられるのは主人公のキャラ設定でしょうか。 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 一昨日のこのコーナーでも述べましたが、今週も冴えに冴えていたのが『銀魂』。こうして見ると、脚本力と演出力というのがマンガにとって如何に大事なものかがよく分かります。現状、この作品の評価はあまり高くしていないのですが、こういう話が月1〜2ペースで量産されるようになったら、A−への上方修正というのも考えるつもりです。 そして久々の“確変”に入りそうな気配の『武装錬金』。最近はおざなりな敵キャラの扱いと物足りないバトル描写の連続で、正直どうしたもんかと思っていたのですが、漸くの復調気配です。 ☆「週刊少年サンデー」2005年11号☆ ◎新連載第3回『兄踏んじゃった』(作画:小笠原真) ●絵についての所見(第1回時点からの推移) ●ギャグについての所見(第1回時点からの推移) ●現時点での評価 ◎読み切り『トイレの怪人』(作画:佐藤将) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 ●今回の評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週のトピックスと言えば、やはり遂にカップル成立となった『いでじゅう!』でしょう。もうちょっと今の微妙な関係で引っ張るかな…と思ったのですが、間延びするぐらいなら…と、バレンタインを機に話を大きく動かして来ましたね。 それにしても今週傑作だったのが『道士郎でござる』の開久三高カツアゲ理論。 あと今週は『MAJOR』もマイナーリーグ編のクライマックスという事で渾身の一本でした。力勝負でバットを砕くという定番の決着も、画力が伴っているので説得力がありますし、そこに挿入されたサンダースのモノローグが良い味を出してますね。こういう、盛り上がってる所で客観的な状況の俯瞰を入れるのは個人的に大好きな表現技法の1つです。 ……というわけで何とか「コミックアワード」で出来た時差が解消出来ました。この調子だと来週は旅行記もお送り出来そうです。それでは、また数日中に。 |
2004年度第86回講義 |
「コミックアワード」後、最初の講義をお届けします。まずはその準備で遅れに遅れてしまった、先週分のゼミからです。 ……ところで、「コミックアワード」では2日目の表彰式が後半分翌日順延になるという不始末をしでかしてしまい、本当に申し訳有りませんでした。 ……さて、前口上はこれくらいにしまして、ゼミを始めます。ただ、1週遅れという事情がありますので、情報系の話題は週末実施予定の2月第2週分に全て回す事にします。今日はレビュー1本とチェックポイント少々の“簡易版”という事で何卒。 ※1月第6週/2月第1週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから(←今週、少し加筆してます)。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年9号☆ ◎読み切り『征次郎の道』(作画:長友圭史) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 また、“メイン主人公”・征次郎の性格や行動パターンが悪い意味で主人公らしくなかったのも気になりました。悪役の設定をかなり陰湿なキャラにし、何とか釣り合いを取ろうとはしているのですが、それでも結局は“どっちもどっち”といったところに落ち着いてしまったような……。 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」05年9号のチェックポイント◆ この号から『NARUTO』は第2部開始。時間を進めて違和感無く主人公の能力インフレを実現…といったところなのでしょうが、ビジュアル的&内面的にはドラスティックな変化は無いみたいですね。 さて、この号は何と言っても『銀魂』。ギャグと人情噺のバランスが非常に良かったです。最後に2人が「ありがとう」と声を重ねる所なんか、いかにも名作映画のワン・シーンでありそうな場面で、心底唸らされました。 あと、『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』は今回のエピソードも上手く“泣かせ”のツボを押さえていましたね。読み切り版や連載当初はその辺のツボが微妙にズレていたように思えたんですが、見事に修正して来ました。連載を進める内に作家さんの技量が上がっていくというのは、見ていてとても気持ちが良いものです。 それはそうと『いちご100%』。もうここまで来たら、淳平とヒロイン様御一行は一夫多妻制の国に移住するくらいしか丸く収める方法は無いんじゃないかと思ったりするのですが(笑)。 ◆「サンデー」05年10号のチェックポイント◆ この10号、既に次号の内容を知っている段階になると、逆に話がし辛いですねぇ。特に『いでじゅう!』あたり(笑)。 まず誌面前半で目についたのが『結界師』。今回は今後に向けてのネタ振りで、ストーリーそのものは殆ど進行が無かったんですが、その分、見た目で読者に印象付けるために至る所で思わせぶりな演出が効かされてましたね。こういう“良い誤魔化し”が出来るのは、やはり一流の才能というヤツなんだと思います。 あと、誌面後半で目に付いたのが『D-LIVE』。駒木より随分先に「C-WWW」さんが指摘されていたのですが、今回のロコのはしゃぎっぷりってのは、完全に“ツンデレ系”ヒロインですよね(笑)。何だこのキャラクターの破天荒な転がし方は…と思わず笑ってしまいました。 ……といったところで、アッサリ風味で先週分の「現代マンガ時評」をお送りしました。この連休中に、今週分のゼミもやって、遅れをリカバーしたいと思います。 ……まぁそんなこんなで、今後とも何卒。さしあたり、また週末にお会いしましょう。 |