「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
3/31(第100回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(3月第5週/4月第1週分・合同)
3/30(第99回) 人文地理「駒木博士の東京旅行記04’冬 コミケ67サークル参加挑戦の旅」(7) 3/26(第98回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(3月第4週分・合同) 3/17(第97回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(3月第3週分・合同) 3/13(第96回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(3月第2週分・合同) 3/10(第95回) 人文地理「駒木博士の東京旅行記04’冬 コミケ67サークル参加挑戦の旅」(6) 3/6(第94回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(2月第5週/3月第1週分・後半) 3/4(第93回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(2月第5週/3月第1週分・前半) 3/2(第92回) 人文地理・ギャンブル社会学「駒木博士の東京旅行記04’冬 コミケ67サークル参加挑戦の旅」(特別番外編) |
2004年度第100回講義 |
ほとんど反則ですが、日付上は月末実施……という事で、年度講義回数100回を何とか達成出来ました。今年度は公私多忙で講義回数が随分と減ってしまいましたが、ご愛顧有難う御座いました。 さて、本当ならこの冒頭挨拶で、「ライブドアとフジ・サンケイグループの攻防戦は、まるで『ジャンプ』のバトル系マンガみたい」という話をしようと思ったのですが、時間も気力も足りない状況ですので、また別の機会に。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では次号(18号)に『TEAM』(作画:宮本和也)が掲載されます。 ◎「週刊少年サンデー」では、次号(18号)より『うえきの法則プラス』(作画:福地翼)が連載開始(再開)となります。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年17号☆ ◎読み切り『ふるさとさん』(作画:郷田こうや) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 ただ、ツッコミが“ボケを説明しているだけ系”で、全般的に物足りなかったのと、ビジュアルで見せるギャグが今一つインパクト不足だったのではないでしょうか。折角のテクニックが、大きな笑いに繋げる事が出来ていなかったように思えるのです。 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 去年に色々話題を呼んだ「ジャンプ・イン・ジャンプ」が今年も登場。今週は『BLEACH』のゲームブック形式の尸魂界編復習企画と、7ページのショート番外編、そして雑多な企画諸々でした。 『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』は、どうやら以前の感動系ショートストーリーに回帰したようですね。大人の事情で軌道修正しかけたものを中断した…といったところでしょうか。 『魔人探偵脳噛ネウロ』は、ちょっととんでもない方向へ行ってしまいましたねぇ……。もうミステリ風味も何も素っ飛んでしまって、「今週の殺人鬼さん」を紹介してるだけのマンガになっちゃいました。今回のエピソード、トリックなんかどうだって良くなってますからね。 今週の『ユート』で最後に出て来た「スピードスケートじゃない」競技は、見たところショートトラックっぽいですね。ザッとネットで調べてみると、ショートトラックは北海道以外でも小学生の競技会が開かれているようです。ひょっとしたらショートトラック競技のマンガになってゆくんでしょうか? ☆「週刊少年サンデー」2005年18号☆ ◎新連載第3回『見上げてごらん』(作画:草場道輝) ●絵についての所見(第1回時点からの推移) ●ストーリー&設定についての所見(第1回時点からの推移) 結局のところ、この作品には「他に無いセールスポイント」と呼べる点が見当たらないのです。ソツなく必要最低限の水準はクリア出来ていたとしても、加点材料が無くては、「悪くない作品」ではあっても「良い作品」にはなり得ないでしょう。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週はまず、連載第10回になった作品の評価見直しから。 ◎『兄踏んじゃった』(作画:小笠原真) 作品の内容に変化が見られず、評価も変えようなし……という事になりました。個人的には数週間に1度くらいは笑える所もあるのですが、どのみち、その程度の頻度では厳しいですね。 さて、『MAJOR』は急転直下というか、これだけ長年引っ張っておいた割には簡単過ぎる幼馴染みカップル成立となりました(笑)。体育会系も行き着くところまで行くと、構造的にラブコメが成立出来ないのかな……などと考えてしまいました。この辺、『いでじゅう!』とは沢山の意味で好対照ですね。 あと、心底どうでもいい話とは思うのですが、『ブリザードアクセル』の扉ページ、吹雪の決めポーズがゴルゴ松本の「命!」にしか見えないんですが、どうすれば良いんでしょうか? ……どうやら目がおかしくなっているみたいですので、今週はここまでにしたいと思います(笑)。では、また来週。いよいよ新学期が始まって公務多忙になりますが、出来る範囲で頑張ります。 |
2004年度第99回講義 |
◎前回までのレジュメはこちらから→ 第1回/第2回/第3回/第4回/第5回/特別番外編/第6回 旅行や、その後の日程調整で3週間ぶりの旅行記となりました。改めて申し上げますが、こちらは昨年末の旅行記です。コレに出て来る「コミケ」は先日のコミケットスペシャルでなくて、04年の冬コミですので宜しく(笑)。 お待たせしている春旅行記は、冬旅行記終了後に引き続いて開始しますが、こちらもネタ満載といった感じで、今から「夏までに終わるのか?」と、戦々恐々であります。 ……それでは、今回は12月29日の午前10時すぎ、りんかい線・国際展示場駅前のコミケ一般入場待機列内からスタートです。レポート文中においては文体は常体、人物名は現地で実際にお会いした方以外は原則敬称略とします。 みぞれ混じりの雨は、いつしか雪に変わっていた。平均気温が都心部より低く、晴れていても重装備で臨まなければノックアウト必至な冬の有明。この仕打ちは不摂生と不健康が擬人化したような体にとって、非常に過酷なモノである。 ──どうして駒木がこんなに18年前の事情に詳しいかと言うと、すぐ隣の列に並んでいたベテラン参加者たちが、懐かしそうに昔話をするのを聞いていたからである。まさに歴史の語り部と言うべき人たちだが、このような含蓄のある話を聞いていても、まるで尊敬の念が沸いて来ないのは一体如何なる理由からであろうか。 さて、時刻は10時過ぎ。徹夜組・始発組から一般参加者の入場が既に始まっており、待機列は順次ビッグサイト方面へ誘導されてゆく。とは言っても、並んでいる人数が膨大で事故の恐れがあるため、移動はある程度の人数ごと区切られた“一個中隊”単位となる。よって、待たされたり、少し移動したり、また待たされたりで、結局なかなか進まない。 が、結局は正気を保っていられるギリギリの所で漸く場内へ誘導され、安堵。少しずつ歩いているだけでも随分と気分が違うもので、ビッグサイトへ続く長い階段を昇りきり、逆三角形の建物が見えた辺りでは既に「何とかなる」と思えるから不思議だ。 そして、物的な収穫の無いまま企業ブースを離脱し、階下の同人誌即売スペースへ。とはいえ、この日は女性向(いわゆる『やおい本』)中心のサークル配置、野外に列が伸びているような大手サークルに並ぶ気力も無し…という事で、“島”エリアをのんびりと巡回してみる。 そんなこんなで、西館、東館への通り道にある委託コーナー、そして喧嘩売られてるのかと勘違いする程に広い東館を順番に見て回る。途中、シャッター前サークル(大手中の大手。順番待ちの列を外へ無限大に伸ばす事を前提にした配置)の前を通りすがると、机に業務用のデカいゴミ袋が2つぶら下げられているのを見かける。 ……と、一通り回った所で午後2時過ぎ。夕方からの“夜日程”の事もあるし、それ以上に風呂に入りたくてたまらないので、未練なくビッグサイトを退出。いよいよ明日はサークル参加だ。どこをどう考えても不安が先立つ初参加だが、まぁどう転んでもネタにはなるのだし、場を目一杯楽しもう。 相変わらず雪の降る中、早足で駅まで戻り、りんかい線で大井町まで逆戻り。時間帯が早いせいか混雑もしていない。駅の構内にある10分100円のインターネットサービスで、社会学講座の談話室に簡単な報告。しかし、我ながら公衆の面前で見易いページじゃないなウチは(笑)。会社でコッソリ見ている受講生の方、くれぐれも後方確認を忘れずに。 しかし、そう風呂でのんびりとはしていられない。午後4時開始の“夜日程”が待っているのだ。今度のスケジュールは去年も赴いた、プロレスの超オフレコトークライブの観覧。このために、山手線のちょうど裏側・JR大塚駅近くにある会場まで出向かなければならない。 必死の思いで会場を探り当てたのが午後4時20分過ぎ。聞くと、会場が4時を回ってからで、今イベントが始まったばかりだと言う。今回ばかりは主催者のルーズさに助けられた格好だ。 イベントが終わった頃には雪も止み、寒さも峠を越した感。晩飯をどこで食おうかと考えた挙句、ふと新宿に立ち寄ってみたくなり、そこで二夜連続のラーメン晩餐を摂って、しばし夜の歌舞伎町を散策。 ホテルに戻ったのは、この日も日付の変わる一歩手前。本日3度目の入浴を済ませ、目覚ましをセッティングして、さてこれから晩酌タイム…といったところで、やはり疲れが一気に出て来て不意に昏倒。この旅行、不眠気味の方にお薦めです。(次回へ続く) |
2004年度第98回講義 |
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遅くなりましたが、旅行明け最初のゼミを行います。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では次号(17号)に『ふるさとさん』(作画:郷田こうや)が掲載されます。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の皆さんのキャリアは以下の通りです。
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) ◎入選の麻生羽呂さん…メールマガジン「まんカレ通信」の受賞者インタビューによると、「これが3度目の投稿で、前回は努力賞を受賞した」とのこと。01年11月の開講以来のデータに、麻生羽呂名義の受賞者は無く、別ペンネームを使用していたものと思われる。 ……「ストーリーキング」は2部門とも準キングが出ました。『アイシールド21』の稲垣理一郎さん以来(コアな所では中島諭宇樹さんや岩代俊明さんという“原石”も出ましたが)、ちょっと「ストキン」出身者はあまりパッとしない状況が続いていますんで、ここらでドカンと来てもらいたいモンですね。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年16号☆ ◎読み切り『RARE GENE4』(作画:夕樹和史) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 そして、先に少し述べましたが、キャラクターや世界観の設定についても、必然性の欠けた過去作から取って付けたようなモノが多かったように思えます。特に、主人公側が義賊をやっている事に対する動機付けが非常に甘く、読み手がなかなか主人公に感情移入出来ない状況が生まれてしまったのでは……と思います。 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週は時間の都合もあって『武装錬金』のみピックアップ。 ☆「週刊少年サンデー」2005年17号☆ ◎新連載第3回『ブリザードアクセル』(作画:鈴木央)《第1回時点の評価:B+》 ●絵についての所見(第1回時点からの推移) ただ、主人公・吹雪のキャラ設定が少々変わり者過ぎて、主人公らしくない(=読者の支持を集め辛い)面があるのは否定出来ないところでしょう。天然ボケ系の主人公は頻繁に見受けられますが、そのコントロールを失敗して連載も失敗する…というパターンも結構ありますので、今後とも気をつけて欲しい要素では有ります。 ●現時点での評価 ◎読み切り『父さんとオモチャ達』(作画:クリスタルな洋介) (受講生の皆さんへ:この作品は評価Cとなりました。結果的に読み手の感情を損ねる論調のレビューになっている恐れがあります。この作品のレビューをご覧になるかどうかは皆さんでご判断下さい。) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 何と言うかこの作品、変な人が変な事をする様子だけが淡々と描かれている…という、とんでもないマンガになってしまってますよね。アレな病院に強制入院させられそうなアレな人が好き放題暴れまわっていて、それを周囲が静止する事も出来ずに途方に暮れている物語。これでは笑うどころかドン引きじゃないでしょうか。 ギャグが全く描かれていないギャグ作品となれば、これは白紙答案も同然。評価としても、真っ白なページを眺めた時と同じ点数を付けざるを得ないでしょう。
◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 先程、「ジャンプ」のチェックポイントで、『武装錬金』のシリアスな場面におけるギャグの挟み方についてお話をしましたが、『金色のガッシュ!!』のウンコティンティンについても、個人的には「どうなのコレ?」…といったところでありました。まぁ、こちらは純粋なギャグとしても十分面白いので、それはそれで良しという話ではあるのですがね(笑)。 ところで、ミズノと『MAJOR』がタイアップしたり、桃屋と『ジャぱん』がタイアップしたりと、まるで制作費節約のために宿泊先のホテルとタイアップする大阪ローカルの深夜放送みたいな最近の「サンデー」。今週はセガと『ハヤテのごとく!』がタイアップする事になりました。
──突然失礼しました。講座助手の栗藤珠美です。諸般の事情により、駒木博士にはチョークスリーパーで眠って頂きました。ちょっと泡を吹いていますが、これも生きている証ですのでご心配なく(微笑)。 |
2004年度第97回講義 |
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昨日までの1泊旅行の疲れがまだ残っていて少々ヤバいのですが、最低限のノルマだけでも…ということで、今週のゼミを実施します。 レビューの質が荒れてしまわないよう頑張りますので、最後までどうか何卒。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では次号(16号)に『RARE GENE 4』(作画:夕樹和史)が掲載されます。 ◎「週刊少年サンデ−」では次号(17号)に『父さんとオモチャ達』(作画:クリスタルな洋介)が掲載されます。 ★新人賞の結果に関する情報
受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります。(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい) 今月の審査員は空知英秋さん。初めての審査という事もあってか、非常に詳細で力の入った講評が大変印象深かったです。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年15号☆ ◎読み切り『斬』(作画:杉田尚) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 ●今回の評価 ◎読み切り『ハピマジ』(作画:KAITO) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 とはいえ、実力的には既に代原作家の域を超えており、「ジャンプ」系若手ギャグ作家さんの中でも、5本の指には入る逸材と申し上げて過言ではないでしょう。このまま連載を狙っていってもらいたい逸材の1人です。 ●今回の評価 ◎読み切り『肉ガリ ─NIKUGARI─』(作画:大江慎一郎) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 まず、ページ数の割にネタの絶対数が少な過ぎます。終盤に、ほぼ2ページギャグ無しという場面がありましたが、これは勿体無さ過ぎでしょう。 ●今回の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 『アイシールド21』では、相変わらずの密度で新キャラ紹介と、インターミッションのプロローグを1回に納めてしまいました。新キャラ・陸なんて、かなりな後付け設定なんですが、これを違和感無くまとめてしまう力技はさすがです。 『ONE PIECE』は、漸く全ての主要な設定・伏線が揃ったようですね。それにしても大きな風呂敷を広げる作品になっちゃったもんです。それでも、とにかくシナリオの完成度が高いので、ほとんどケチのつけようが無いんですよね。 さて、先週辺りから、『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』では、第三者に解説させて主人公の能力の高さをアピールする…というパターンが多用されているのですが、これが余りにもわざとらしくて少々閉口。作者の西さんは、そういうのが上手い作家さんのアシスタントを務めていたはずなんですが……。 最後は『ピューと吹く! ジャガー』……の読者企画・『ピューと吹き出す! ジャガー』の方を。すいません、ヒネクレ者で(笑)。 ◎新連載『見上げてごらん』(作画:草場道輝) ●作者略歴(資料不足のため不完全な内容になってしまっています。ご了承下さい) ●絵についての所見 ●ストーリー&設定についての所見 今後しばらくの内に、どれだけ「この作品ならでは」という新機軸を打ち出せるかどうかが、成功か失敗かの分岐点になってゆくのではないでしょうか。逆に言えば、今のままでは誌面の後半で“その他大勢”として埋没していく可能性が極めて高いと思われます。
さて、今週の「チェックポイント」は、『あおい坂』の評価再検討からお送りします。実は先週で10回になっていたのを失念してたんですが(苦笑)、今回で1回戦が終了したという事で、ちょうどキリが良くなりました。 ◎『最強! 都立あおい坂高校野球部』(作画:田中モトユキ) 今回で1段階の下方修正となりました。 なお、この作品については、とりあえず今回で評価確定とします。今後は大きくテコ入れが入った時などに限って評価の見直しを行います。 ……あと、今週は色々と言いたい作品も多いのですが、また皆さんの心をザワつかせるのもアレですから、心から良かったと思えた『結界師』をピックアップ。戦闘シーンのモンスターデザイン・駆け引き描写・演出等全てがビシッとハマり、非常に見栄えしていて実に良い感じです。 ……というわけで、旅行前最後の講義を終わります。次回講義は週明けになりますが、どうか何卒ご了承下さい。 |
2004年度第96回講義 |
すいません、週が明けてからの講義実施となってしまいました。 まだ目の腫れが引いておらず、時々冷やしながらの講義準備ですが、短時間集中で乗り切りたいと思います。最後までどうぞ宜しく。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では次号(15号)に『斬』(作画:杉田尚)が掲載されます。 ※今週のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年14号☆ ◎新連載第3回『魔人探偵脳噛ネウロ』(作画:松井優征) ●絵についての所見(第1回時点からの推移) 特に気になるのが、線が不安定な上に細いという点。ロングショットからの構図での見栄えの悪さの原因になっていると思うのですが、これがペン使いの拙さを余計に目立たせている気がしてなりません。 ●ストーリー&設定についての所見(第1回時点からの推移) ただ、これは作者サイドも分かっているのでしょう。第1回ではネウロに「美味そうな謎」「なかなか香ばしい気配」と言わせていたものを、今回謎を食った後では「薄味だった」と“下方修正”させてしまっています。作者ご自身が、今回のネタで良しと思っていないのは救いではありますね。 ●現時点の評価 ◎読み切り『怪盗銃士』(作画:岩本直輝) ●作者略歴 ●絵についての所見 ただし、顔の造型のバリエーション、特に美少年・美少女系顔の描き分が今一つで、登場人物1人1人の印象がやや薄れてしまったのは残念でした。また、構図の取り方でアップとロングショットの使い分けが上手くなく、「どこに注目すべきか」という情報が読み手に伝わり難くなってしまっているのも減点材料です。 ●ストーリー&設定についての所見 ただし、こちらのファクターについても、そんな長所を相殺してしまうような短所がいくつか見受けられ、これまた非常に勿体無い事になってしまっています。 ●今回の評価
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 長かった準々決勝が決着した『アイシールド21』。喜びをストレートに絵で表現した扉ページを見てますと、やっぱり「ここぞ」という時には画力がモノを言うなぁ…なんて思ったりしますね。 『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』は、落ちこぼれキャラのロージーが潜在能力開眼…という一幕。ストーリーを大幅にテコ入れした以上、キャラ設定も大胆に弄るべし…といったところなのでしょうか。 そして、『武装錬金』は「ブラボー生きてました」という、正直言って脱力の展開へ。確かに武装錬金が作動している以上、生きていないとおかしいんですが、さすがにこのヌルさは……どうなんでしょうかね。「生死不明で姿を消す→主人公のピンチに突如復活」というフェニックス一輝パターンも確かにアレですけど(笑)。
☆「週刊少年サンデー」2005年15号☆ ◎新連載『ブリザードアクセル』(作画:鈴木央) ●作者略歴 ●絵についての所見 しかしながら、余りにもステロタイプな前半の“主人公空回り劇”といい、余りにも陳腐な後半の“小物感”漂う敵役をギャフンと言わせるスケートシーンといい、ストーリーの内容については不安の残るスタートになってしまっています。奇をてらい過ぎるのも問題ですが、余りにベタ過ぎるのも如何なものかと。 ●現時点での評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 「友を救うか、世界の人類を救うか」という、『HUNTER×HUNTER』の世界なら「回答しない」が正解になるような問題がテーマとなった『金色のガッシュ!!』。答えは予想通り「どっちも助ける」だったわけですが、ガッシュが余りにも気持ち良く他力本願を宣言したのには、笑っちゃいけないけど笑ってしまいました。 ……あぁ、他の作品についても喋りたいんですけど時間がありません(現時点で月曜日の朝5時です^^;;)。 ──とりあえず、今日はこれくらいで勘弁して下さい。今週のカリキュラムもまた変則的になりますが、また追って連絡します。では、ひとまず失礼します。 |
2004年度第95回講義 |
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◎前回までのレジュメはこちらから→ 第1回/第2回/第3回/第4回/第5回/特別番外編 先週は特別番外編ということで、いつもとは違った趣向でお送りしましたが、今日は正調の旅行記に戻って第6回です。 今回は12月28日の午後11時すぎ、雀荘「littlemsn」前からスタートです。レポート文中においては文体は常体、人物名は現地で実際にお会いした方以外は原則敬称略とします。 雀荘というスペースは、体感時間の流れが早い。あっという間に閉店時間の23時を迎えていた。 店を出て、またJR有楽町方面へ。今日だけでこの道を歩くのは往路・復路合わせて3回目だ。こういった所にも、この旅のメチャクチャさ加減が見え隠れしている。 逗留先のホテルに戻ると、もう日付が変わる直前。それにしても長い1日だった。夏の旅行ほどではないが、さすがに20代も終わろうかとしている人間のする旅じゃないなと反省する。もっとも、その反省も神戸に戻って2週間もすれば忘却の彼方へと運び去られてしまうのであるが。 最上階のロビーには、備え付けの自動販売機で買ったと思しき缶ビールで湯上りの一杯を楽しむビジネスマンの姿が目立つ。コミケ前日とはいえ、初日には夜行で来てその足で直行という人が多いのか、“らしい”人の姿は余り見られない。 「今日は思ったより(仕事は)楽ね」 ……すいません、ご迷惑かけます(苦笑)。しかし「アニメの」って、これほど簡潔でイヤゲな表現もあるまい。このホテルとコミケ客との戦いの歴史を感じる会話であった。 ◎3日日(12月29日) 風呂から上がったら、日付は29日。この旅行で初めて心の底からくつろげる時間帯になった。一眠りしたら寒空の中、コミケに突撃しなければならないのだが、だからこそ重要な安息の一時である。 人心地つくと、ベッドに寝そべった状態でテレビ番組をザッピング。無料でNHKBSが観られるのも有り難い。ただ、これだけ旅慣れても感覚が慣れないのが、西と東のチャンネルの違いだ。
……どうだ、この中途半端なシャッフル(笑)。使うチャンネルは変わらず、しかも8chが西と東で同じだったりするので、余計に“別物”という感覚が育たない。故に、テレビをザッピングしていると、4、6、10のチャンネルは7割の確率で間違える。 この日はどの番組を観たんだったっけか。全く記憶に残っていないのは、どういう番組か把握せずにバシバシとチャンネルを変えまくっていたからだろう。 さて、このコミケ初日、特に長蛇の列を並んでまで買いたいような目当てが無い事もあり、起床は8時前とした。昨年の3日目、朝10時頃に行列が大きく動き始めてからビッグサイト前に着き、結構あっという間に会場入り出来たという経験から弾き出した結論……だったのだが、これがすぐ後に大きな悲劇を呼ぶ判断となる。 すっかり頭も体も覚醒して、準備万端。身支度を整えて、いざ出発だ。同じ部屋でもう1泊するので、かさばる荷物は置き去りにし、手荷物はショルダーバッグ1つにまとめた。バックパックは余りにもオタクっぽくなるので避けたいという無駄な抵抗。 小一時間店内で粘ってみたものの、雨は強くこそなれ弱くなる気配が見えない。もはやこれまでと、意を決して大井町駅へと向かう。 正体不明の人だかり。 「えー、現在、列最後尾は駅前です!」 ……呆然とする駒木の目の前で、確かにリアルタイムで4列縦隊の待機列が形成されようとしている。おいおい、勘弁してくれ、何のための“時差出勤”なんだよー……。 とはいえ、ここまで来て今更後には引けない。風が吹けば折れ曲がりそうなガタの来た折り畳み傘を広げ、湯冷めするために温めたような体を、氷雨降り注ぐ有明の寒空に晒す。 |
2004年度第94回講義 |
一昨日に引き続いて、今週のゼミをお送りします。 ※今週後半のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年サンデー」2005年14号☆ ◎読み切り『キングさん』(作画:福井祐介) ●作者略歴 ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 しかし、そのテクニックを実際に読み手の笑いに繋げる手立てが余りにも至っていない印象がありました。 ●今回の評価
●作者略歴(資料不足のため不完全な内容です) ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 ●今回の評価 ◎『たまねギィィ!!!』(作画:突飛) ●作者略歴(資料不足のため不完全な内容です) ●絵についての所見 ●ギャグについての所見 ●今回の評価 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週は『D-LIVE』が100回記念という事で、いつもの“指定席”を離れて誌面前半でセンターカラー。おかげで、どこに載ってるのかと随分と探しました(笑)。 あと、最近ずっと気になってるのが、『クロザクロ』のビックリ人間路線。今週も、「うわ、すごーい」と、K−1の谷川プロデューサーのような気の抜けた声を上げてしまいそうになるビジュアルの人たちが6人も登場です。 ──などと、作者ご本人が見てる前でこんなネタ喋って大丈夫か? ……といった疑問を孕みつつ、今週のゼミを終わりたいと思います。では、また。 |
2004年度第93回講義 |
今週は、「サンデー」で読み切り3本掲載という修羅な編集方針のため、ゼミは2日に分割して実施したいと思います。 ところで、近頃ネット界隈を大いに賑わせた話題といえば、久米田康治さんが「週刊少年マガジン」で新連載を立ち上げるというニュースですね。『ネギま!』の赤松健さんも日記で公言していましたし、これは確定情報と見ていいでしょう。 もっとも、久米田さんの場合、『改蔵』の終わり方が終わり方だっただけに、小学館や「サンデー」編集部と険悪な関係に陥った可能性は大いにあるでしょう。その後の編集長が交代したとは言え、去年の段階で赤松健さんへの根回しが行われている事を考えると、それよりも早く「マガジン」の話がまとまっていた…と考えた方が妥当のような気がします。 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報 ★新連載&読み切りに関する情報 ◎「週刊少年ジャンプ」では次号(14号)に『怪盗銃士(シーフガンナー)』(作画:岩本直輝)が掲載されます。 ◎「週刊少年サンデー」では、次号(15号)より『ブリザードアクセル』(作画:鈴木央)が、次々号(16号)より『見上げてごらん』(作画:草場道輝)が、それぞれ連載開始となります。 ※今週前半のレビュー&チェックポイント ※7段階評価の一覧表はこちらから。よくあるご質問とレビューにあたってのスタンスは04年1月14日付講義冒頭をご覧下さい。 ☆「週刊少年ジャンプ」2005年13号☆ ◎新連載第3回『ユート』(作:ほったゆみ/画:河野慶) ●絵についての所見(第1回時点からの推移) ただ、河野さんにとって悲劇なのは、立場上どうしても、ほったさんの前作『ヒカルの碁』と比べられてしまう事でしょうね。小畑健さんと同じ土俵に上げて比較されるなんて、作家さんの立場からしたらたまったもんじゃないでしょう(笑)。 ●ストーリー&設定についての所見(第1回時点からの推移) ところで、凡百の作家がこのようなマイナーなジャンルを題材にした作品を描いた場合、作品序盤は説明的なセリフや過剰なウンチクが羅列され、読み手を辟易させてしまうものです。が、さすがは『ヒカルの碁』の原作者と言うべきか、この作品ではそんな無粋な要素は皆無に近いと言って良いでしょう。 そんな中、敢えて僅かな問題点を探すとすれば、作品全般に段取り臭さと言いますか、登場人物の言動の中に作者の意図があからさまに表れ過ぎている点。これは「過ぎたるは及ばざるが如し」といったところで、スキルが高過ぎるほど高い、ほったさんならではの短所ではないでしょうか。 ●現時点の評価 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 『DEATH
NOTE』は今週で第1部・完。しばらく休載の後、“L”の後を継ぐ“M”と“N”の2人がライトを追い詰める第2ラウンドが開始される事になりそうです。 先週、カズキVSブラボーが決着した『武装錬金』は、早くもブラボー退場と言うサプライズ。確かに、作品の中でブラボーが果たすべき役割は全て果たした感もありますが、『DEATH
NOTE』並に思い切った決断ですよね。 あと、マンガ以外では「十二傑新人漫画賞」の審査過程が公開されていて、大変興味深かったですね。 ──さて、とりあえず今日はここまで。明日は「サンデー」の若手作家ギャグ作品3連発。ちょっとした大仕事になりますが、頑張ります。ではでは。 |
2004年度第92回講義 |
◎前回までのレジュメはこちらから→第1回/第2回/第3回/第4回/第5回 今週も、いつまで経ってもコミケ67前日が終わらない旅行記のお時間がやって参りました。 さて、今日は東銀座のコスプレ雀荘「littlemsn」での模様をお送りする流れです。で、どうせならそこからフリー雀荘についての一般的な話にも振ってしまおう…と言う事で、当講座アルバイト・麻雀分野専攻の一色順子を交えての特別番外編とさせて頂きます。 駒木:「……というわけで、今日は久々の2人体制だ」 |