「社会学講座」アーカイブ
※検索エンジンから来られた方は、トップページへどうぞ。
講義一覧
3月15日(金) 文化人類学 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
※昨日の講義を受講されていない方はこちらからお読みください。 まず、昨日の講義の訂正から。札幌大会で2位になった須藤明広選手の名前が複数箇所において間違っておりました。謹んでお詫びして訂正させていただきます。 今日の講義も、昨日に引き続いて「全国大食い選手権・日本縦断最強新人戦」の地区予選の模様と、それを踏まえての決勝大会の展望をお送りします。 それでは以下からレポート本文になります。レポート文中は文体を常体に変え、選手名も敬称略とします。偉そうに語っているように見えますが、文章の性格上柔らかい文体では合わないのです。どうかその辺りをご了承ください。 ◆大阪(近畿・中国・四国)地区予選◆ 大阪予選に関しては、以前「なにわ大食い選手権」としてTV放映された際にレポートを行っているので、詳細はそちらを参照して頂くとして、ここでは記録とプロフィール等の紹介に留めることにする。 ☆1回戦・ジャンボたこ焼き30分勝負 ※ルール:5個1皿(=200g)のジャンボたこ焼きを、30分以内にどれだけ食べられるかを競う。参加者は書類審査通過の31名。2回戦に勝ち抜けるのは3名。 競技内容の詳細についてはレポート(2/14付講義)参照。
※楊木田は予選4位タイだったが、3位選手の辞退か、若しくは番組側の事情で繰り上がり。 それでは、1回戦通過3名の簡単なパーソナルデータを。 ◎山本卓弥…18歳、169cm56kg。どことなく射手矢侑大を思わせる風貌。典型的な大食い体型。 ◎舩橋聡子…23歳、158cm40kg。風貌だけなら、中学生とも見紛うような小柄。こちらも典型的な大食い体型。 ◎楊木田圭介…19歳、183cm80kg。白田(193cm86kg)は例外として、大食い選手としては大柄な方だろう。 ☆2回戦(地区代表決定戦)・ぜんざい30分勝負 ※ルール:1杯50gの白玉入りぜんざいを、30分でどれだけ食べられるかを競う。最下位1名が脱落。 競技内容の詳細についてはレポート(2/14付講義)参照。
トップで地区代表を決めたのは山本卓弥だった。30分5.2kgという、甘味大食いタイトルホルダーの赤阪尊子と同格かそれ以上のハイスコアを叩き出しての圧勝。しかもまだ完全に余裕残しというから恐れ入る。満腹感が増幅される甘味での記録だけに、数字以上に価値のあるパフォーマンスと言える。 ☆地区大会決勝・カレーうどん60分勝負 ルール:カレーうどん(重量未発表だが、かなりのビッグサイズ)を60分以内にどれだけ食べられるかを競う。ただし、スープは残しても良いという「大食い選手権」ルールが適用される。 競技内容の詳細についてはレポート(2/14付講義)参照。
山本卓弥が、地区代表決定戦に引き続いての圧勝で地区チャンピオンの座に輝いた。 ◆福岡(九州)地区予選◆ ☆1回戦・明太子イス取り勝負 ※ルール…第1から第3までの3つのテーブルが用意され、それぞれ明太子関連の食材が置いてある。用意された食材は、第1テーブル・明太子&ご飯(計1.0kg)、第2テーブル・明太子シューマイ(700g)、第3テーブル明太子ウインナー(400g)。 複雑な競技形式だが、これも名古屋大会と同じく、大食い能力よりも早食い能力を問う競技だと言えよう。しかし福岡大会では、名古屋大会のような不始末は起こらなくて済んだ。だがこれは、競技形式が優れているわけでも何でもなくて、余りの低レヴェルのために、早食いが早食いにならなかっただけだ。「早食い」とは全員が完食を前提とした争いなので、完食できない者が多いと早食いとしての競技が成り立たないのである。
では、例によって、地区代表決定戦進出者の簡単なプロフィールを紹介しよう。 ◎嘉数千恵…32歳、155cm50kg。 ☆地区代表決定戦・焼き餃子45分1本勝負 ※ルール…1皿10個・70gの焼き餃子を、45分間でどれだけ食べられるかを競う。上位2名が決勝大会に進出。 序盤戦、中林が好スタートを決め、約2分で5皿完食一番乗りを果たす。しかし間もなく嘉数がトップに立ち、8分経過の時点で10皿完食1番乗り。後続からは白勢が追い上げ、水で流し込む作戦で追随する。中林は早々に3番手まで後退し、残る安楽は独自のペースで追走。
地区チャンピオンは嘉数千恵。相手に恵まれすぎて平凡な記録に終わったが、終盤の様子からもまだまだ余裕が窺え、さらに記録の上積みが期待できる。
◎決勝大会展望◎ さてここからは、地区代表10選手による決勝大会の展望及び優勝者予想を行う。
ここに挙げた記録の中で、余裕残しでマークされた記録は東京2位の久保、大阪1位の山本、福岡1位の嘉数のもの。 ……と、以上の点を踏まえた上で、決勝大会の展望に移ることにしよう。 まずは決勝大会の内容だが、これは今までの慣例から考えると、比較的容易に想像がつく。 この推測が当たると仮定すると、まず2.5kgの完食が難しい選手は第1ラウンド通過すら覚束ない。それを考えると、ここで福岡2位の白勢がかなり危ない。他に北海道2位の須藤、そして名古屋組の羽生と近藤も際どいところだろう。 今回の大会では5つの地区大会が行われたが、これはこれまでの「大食い選手権」最大の問題点であった、“予選の段階で本戦の展開が読めてしまう”という点を是正するために行われたものではないかと推測している。要は「フードバトルクラブ」対抗策の一貫である。 決勝大会の放映は3月21日(木・祝)。受講生の方で「TVチャンピオン」が視聴可能な方は、是非、ニューヒーロー誕生の瞬間を確かめて頂きたいと思う。 ……以上が今回のレポートでした。今後、4月初頭まで断続的に文化人類学の講義が続きます。他の講義共々、どうかよろしく。 |
3月14日(木) 文化人類学 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
さぁ、いよいよ春のフードファイト・シーズンが始まりました。これから2週間ほどの間に、「大食い選手権(新人戦)」と、「フードバトルクラブ3rd」の両メジャー大会の模様がTV放映されます。 今日から2回の予定で、14日に放送された「全国大食い選手権・日本縦断最強新人戦」の地区予選の模様と、それを踏まえての決勝大会の展望をお送りします。 以下からレポートになります。レポート中は選手名は敬称略・文体を常体に変えます。 ◆札幌(北海道・東北)地区予選◆ ☆1回戦・コロッケ25個早食い勝負 ※ルール:5個1皿(=400g)のコロッケ5皿25個(総重量2kg)の完食タイムを競う。 45分で2kgという条件は、一人前の選手なら楽勝の条件で、トップクラスの選手なら5分前後でクリアしてしまう数字と言える。だからこそ、番組側も「早食い勝負」というフレーズを用いたのだろう。
以下、地区代表決定戦進出者の簡単なパーソナルデータを紹介する。ただし、今回は出場者PR用のVTRが製作されなかったため、ごく簡単なものにさせて頂いた。 ◎河津勝…29歳、182cm74kg。 ◎大山康太…24歳、175cm107kg。 ◎金田浩司…30歳、173cm94kg。 ☆地区代表決定戦・鮭茶漬45分間おかわり勝負 ※ルール…1杯350gの鮭茶漬を、45分間でどれだけ食べられるかを競う。上位2名が決勝大会進出決定。 フードファイトに使用される食材の中では、最も食べ易いものであるお茶漬け。かつて山本晃也が、5.2kgを3分余りでクリアしてしまった事もある、“好記録メーカー”の食材である。
河津が格の差を見せつけ、楽勝で地区王者の座に就いた。やはりこのメンバーでは力が違い過ぎた感がある。ただし、食材が水分中心のお茶漬けという事を考えると、この記録にはやや不満が残る。ある程度の大食い適性は示したが、トップクラスと伍すためには、やや実力不足は否めないところ。
◆東京(関東・北信越)地区予選◆ ☆1回戦・カレーパン途中下車勝負 ※ルール…都電浅草線の貸切車両に乗り込み、駅から駅までの間(1〜2分間)にカレーパンを1個(=80g)ずつ完食してゆく。次の駅に停車するまでに完食できなければ失格。ただし、10個までは「5駅先に進むまでに5個完食」のパターンを2セット行う。 後で述べる名古屋大会と共に、今回から予選に採用されたサバイバル形式。大食い力だけでなく、ある程度のスピードを要求するもので、恐らく「フードバトルクラブ」を意識したものであるといえる。 胃に溜まりやすく、早食いに向かない事では定評のあるカレーパンだけに、総重量1kg前後で脱落者が相次ぐ。予選段階ゆえの選手間の能力のバラつきもあったのだろう。最終的に20個完食の時点で規定の5人に絞られて競技終了となった。 ●チェックポイント毎の通過人数状況● スタート(21名)→5個(20名)→11個(19名)→12個(16名)→15個(15名)→16個(14名)→17個(9名)→19個(6名)→20個(5名=終了)
以下、東京地区代表決定戦進出者の簡単なパーソナルデータを。 ◎碓井高貴…31歳、170cm64kg。 ☆地区代表決定戦・玉子焼き45分食べまくり勝負 ※ルール…1皿あたり卵5個使用の玉子焼き(=350g)を45分間でどれだけ食べられるかを競う。上位2名が決勝大会進出。 玉子焼きは、噛みやすく柔らかいため、比較的食べ易い食材といえる。今回は350gひとかたまりのビッグサイズゆえに早食いは難しく、大食い選手権にふさわしいテーマ食材となった。 序盤戦。まず皆川が、1皿目を1分21秒でクリアして勢いよく飛び出す。以下は久保、碓井、佐藤、西林の順。
東京地区チャンピオンは皆川貴子。胃の限界を圧してのラストスパートは立派であった。しかし、3.1kgという記録は、「大食い選手権・新人戦」では本戦進出ギリギリのレヴェルであり、大威張り出来るものではない。決勝大会のハイペースにどう対応してゆくかがカギになりそうだ。
◆名古屋(中部・北陸)地区予選◆ ☆1回戦・天むすび太鼓打ちサバイバル勝負 ※ルール…1個50gの天むすを、15秒間隔で打ち鳴らされる太鼓と太鼓の間に完食してゆく。15秒後、次の太鼓が鳴るまでに1個完食出来なければ失格。 競技会収録直後から、一部参加者の間で不満が爆発していたのがこの1回戦であった。 まず最終的に、この名古屋大会1回戦の通過条件となった条件の問題。これが天むす1.6kgを8分でというもので、明らかに早食い競技の範疇である。「大食い選手権」の予選としては明らかにおかしい条件だ。 さらに、この形式ではフードファイトに必要な基礎能力である「胃の容量」を正確に見極める事が出来ない。これは大問題である。 さらに問題点がもう1つ。この形式だと、ちょっとしたアクシデントで15秒時間切れ→失格になってしまい、本来実力を持つ者がオミットされてしまう可能性がある。事実、この大会で1回戦敗退した嘉数千恵が福岡大会で地区チャンピオンになるなど、あってはならない逆転現象が起こっている。予選というものは、優れた者を選抜するよりも、明らかに実力で劣った者を振るい落とす役割を果たすべきであり、この点もやはり大問題であった。 …が、何はともあれ、このような問題点を噴出させながらも、競技会として一応成立したとは言える。 では、この1回戦の競技状況と、地区代表決定戦進出者の簡単なパーソナルデータを以下に記す。 ●競技の進行状況● スタート(30名)→10個(29名)→15個(20名)→25個(10名)→29個(7名)→30個(6名)→32個(5名=決定)
◎羽生裕司…23歳、174cm78kg。 予選のあり方が杜撰だった割には、というか、スレンダーの大食い体型を持つ選手が揃った。これで1回戦の内容は悲惨だったが、何とか形にはなったかと思われたのだが…… ☆地区代表決定戦・きしめん45分おかわり勝負 ※ルール…1皿300gのきしめんを、45分間でどれだけ食べられるかを競う。上位2名が決勝大会進出。 スタート早々、近藤を除く4選手が、制限時間を無視したハイペースでガンガン飛ばす。先手を取ったのは羽生で、初めの1杯を45秒でクリア。しかし2杯目から大石が逆転し、彼女が序盤戦のペースを握る。2番手に羽生、以下は原田、夏目、近藤。近藤は唯一、ハイペースに乗らずに独自のペースでチャンスを窺う格好。
名古屋大会は、前代未聞の3人リタイヤという後味の悪い結末になった。これには色々な見方があるだろうが、やはり1回戦の構造的欠陥が少なからず影響しているだろう。 ……というわけで、3つの地区大会の模様をお送りしました。明日は残る2つの地区大会のレポートと、決勝大会の展望をお送りします。 |
3月13日(水) 演習(ゼミ) |
||
さて、演習のお時間です。
先月、「なかなか佳作以上が出ませんなあ」とか言っていたら、早速出ました(苦笑)。今更な話ですが、佳作以上はデビューさせなくちゃいけないので点が辛いんですね。消費者からお金を頂く“商品”になるかどうかを判断するとなれば、そりゃあ採点も厳しくなりますよねえ。
☆「週刊少年ジャンプ」2002年15号☆ ◎新連載第3回『少年エスパーねじめ』(作画:尾玉なみえ)《第1回掲載時の評価:A》 尾玉作品の絶好調時を知る人間にとっては戦々恐々の3週間が終わりました(苦笑)。なにせ、ここまでのデキとアンケート結果で打ち切りかどうかが決まるわけですからね。 ◎読み切り(2回連続・後編)『アイシールド21』(作:稲垣理一郎/画:村田雄介)《前編掲載時の評価:B》 先週に引き続いての後編となります。作者お2人の経歴や前編の詳しい評価については先週分のレジュメを参照してください。 後編はアクション部分、つまりアメフトのシーンが中心でした。やっぱりここでも村田さんの優れた画力が光っていて、ラインズマン同士の激しいコンタクトを上手く表現しているなど、多くの点で唸らされます。村田さんはスピードと迫力で勝負するシーンを描かせたら本当に上手いですよね。 この作品、アンケート次第では連載になる場合もあるのですが、その時こそ、しっかりディティールまで設定とプロットを組んで、練りに練ったシナリオで勝負してもらいたいと思います。このノリのままで勝負した場合、あっという間に化けの皮が剥がれる事は目に見えていると思いますので。
☆「週刊少年サンデー」2002年15号☆ ◎読み切り『なにがなんだかモリマッチョ』(作画:カルーメン野口) 今週も「サンデー特選GAG7連弾」が2作品。本誌での掲載順にレビューしてゆきましょう。 で、中身なんですが、これが題名の通り「なにがなんだか」でして。狙ってる場所とかは、まぁそれなりに分かるんですが、どれもこれも魂のこもっていない小手先のギャグなんですよね。セリフをちょっと変にしてみたり、キャラの絵面をちょっとイジってみたら、すぐに読者に笑ってもらえると勘違いしている気がしてなりません。 ◎読み切り『4649! どヤンキーラーメン』(作画:水口尚樹) 引き続き「サンデー特選GAG7連弾」。今度は新人作家さんの登場です。 おっと、今回評価するのは『普通えもん』ではありませんでした。『4649! どヤンキーラーメン』の方です。 …この作品、なかなか面白いんですが、あるポイントで非常に損をしています。 評価はB−に近いB。惜しいんですけど、総合的な評価をすると、こうなってしまいます。 ◎読み切り『背番号は○[マル]』(作画:あおやぎ孝夫) 今週から5週連続でストーリーマンガの読み切りも始まりました。レビューが大変ですが、頑張ります。 作者のあおやぎ孝夫さんは、昨年休刊になった「コミックGATTA」で既に連載経験済み。キャリアから考えると中堅マンガ家さんということになりますね。「週刊少年サンデー」本誌には初進出とのこと。 では作品の評価へ。
《その他、今週の注目作》 ◎読み切り(週刊コミックバンチ15号掲載・世界漫画愛読者大賞・最終審査エントリー作品『エンカウンター ─遭遇─』(作画:木之花さくや) このシリーズも7作目。いよいよ佳境に入った感があります。たった1話の読み切りで、作家さんの現時点での力量を分析しなければならないので、こちらとしても輪にかけてヘヴィーな作業になるんですが、それはそれでやり甲斐がありますね。 さて、『エンカウンター…』の作者・木之花さくやさんは、2人合作のペンネーム。その正体(?)は、現役マンガ家の西野つぐみさんとDenjiroさん夫妻のセンが濃厚です。少なくとも、西野さんが主になって作品に関わっている事は、ご本人もご自身のウェブサイトで発表されていますし、絵柄も過去の作品のタッチと酷似していますので、まず間違いないと思われます。 では、作品について。まず絵の面ですが、これはもう、現役で活躍されている作家さんですから、注文する点はありません。見る人によって好き嫌いは出るでしょうが、絵において基本的な点で批判すべき箇所は無いですね。 しかしストーリー面には問題が大いにあります。 ストーリーで指摘すべき点は、もっと根本的な所にあるのです。ズバリ言うと、設定が複雑かつ説明不足な上に、話そのものが破綻しているのです。 まず、主人公が子供時代にUFOに出遭って宇宙人にさらわれた結果、特殊な帯電体質になる、これは前提条件として構いません。話を立てる上では、計算された偶然は必然と同じですので。 さらに、ストーリー上で因果関係が破綻している部分が、まま見受けられます。 ……以上、細かい事を色々書いてきましたが、これは一見すると“面白そう”な作品であるからこその注文なのです。ハナから箸にも棒にもかからない作品ならここまで書きません。これらの課題を克服できれば、間違いなく名作候補になるだけに、非常に残念に思ったのです。 この作品、言い方は悪いですが、読者を雰囲気で誤魔化してしまえば、大賞まで手が届くかもしれません。ただし、今のままで連載に踏み込めば、早かれ遅かれ破綻してしまうでしょう。それが非常に惜しい。 ……以上、いつにも増して高ボリュームの演習になりました。次回は『ヒカ碁』番外編・奈瀬さん編なのですが、どうも恋の話らしいんですよね(慟哭)。うぅ、梅沢さんに続いて奈瀬さんもか…。 まぁ、評価は客観的にいきます(笑)。とにかく来週をお楽しみに。(来週に続く) |
3月12日(火) ギャンブル社会学特殊講義 |
今日で最終回です。いつにも増して馴染みの無いテーマの講義で恐縮です。 N君対応の場内案内及びホルモン焼試食を終え、いよいよレース観戦に復帰。 第7レース、A級の決勝戦。(競輪には選手の強い順にS、A、Bと3階級あって、この日の“記念競輪”ではS級とA級のレースが組まれている) 競輪場が非常に幸せなムードになる中、レースは粛々と進行する。N君にはラインと選手の並び順だけ教え、後の車券検討は彼自身に任せることにしたが、なかなか当たらない様子。 そしていよいよ最終11レース、S級決勝。競輪ファンなら誰でも知っているが、一般人は誰も知らないようなメンバーが揃っている。この「社会学講座」でお馴染みの題材に喩えれば、競馬の騎手なら横山典・松永幹夫、フードファイターなら高橋信也、立石将弘といったランクの選手たちが集まっている。……ううむ、余計にワケが分からないかもしれないな。 全レースが終了後、S級決勝の表彰式と、西宮競輪の閉幕セレモニー。これまでが通夜だとしたら、これは告別式ということになるのだろう。いよいよ最後のお別れである。普段には無い事だが、大半の兵庫県所属選手がセレモニーに出席していた。 表彰式が終わってセレモニーへ。とうとう本当の本当に最後の最後である。 全てのイベントが終了しても、なかなか帰ろうとしない客たち。やはり名残が惜しいのだ。 外野席を出て、スタジアム出口へと向かう。当然のことながら、例のホルモン焼屋も、廃業寸前の状態で踏みとどまっていた予想屋のジイさんたちも店じまいしていて、場内は閑散としていた。 しかし、この日の全体的な印象は爽快そのものだった。最後の最後を素晴らしいレースで締めくくってくれた選手の皆さんには心から敬意を表したいと思う。 そして帰宅後、深夜。 ……と、いうわけでレポートも終了です。時間と体調不良に追われて、必ずしも満足の行くレポートとは行かなかったのですが、これはこれで、時間を置いた後に読み返せば味わい深いモノになるんじゃないかと、勝手に思っていたりします。 |
3月11日(月) ギャンブル社会学特殊講義 |
|
入口手前で競輪新聞売りのバアさんから『競輪研究』を買う。値段は競馬新聞と同様、税込で410円なのだが、バアさんから買うと何故だか400円で買える。また、昼の2時過ぎからは、帰った客から50円だか100円だかで回収した新聞を250円でリサイクルしていた。 最後まで場違いに容姿レヴェルの高かった切符モギリ嬢の間をすり抜け、場内に入場。メモリアルデーで、更に記念競輪決勝日でもあり、客の数はここ1年で一番多いような気がする。1日入場者数6000〜7000ペースといったところか。いつもは問答無用でガラガラの特別観覧席も、今日ばかりは午前中で完売寸前だ。 駒木が入場したとほぼ同時に第2レースがスタートしていた。レースの様子を横目で見ながら、早速第3レースの予想を立てる。 (以下、競輪についての解説。難解かも知れないが、ここを理解できないと、何も見えてこないので、是非ご一読願いたい) ……こんな複雑な前提条件を頭に叩き込んで、9人がどのようなラインを組み、どういう順番で並び、そしてどういうレースをするかという事を考えるのが競輪の予想である。もちろん、選手の能力がレースの勝敗に最も影響を与えるのだが、いくら能力が高くても弱いラインしか作れない選手は、明らかにレースでは不利になる。この辺のサジ加減が難しい。 ややこしい話ばかりで恐縮だが、もう1つ。この日の「西宮競輪最後の日」という事実も、レースの予想に影響する特殊な条件となる。 長々と難しい説明をして恐縮だった。ここで話がようやく戻る。これだけ前もっての話をしておかないと、ビギナーに話が通じないというのだから、競輪がどうしてマイナーなギャンブルになってしまったのか、非常に良く分かる気がする。 続く第4レース、これも兵庫県の選手が出走する。しかも2人。彼らが例によって即席で結成する“近畿ライン”には、出走9人中実力最右翼の“自力型”布居寛幸が出走する。普通にレースすれば、まず布居が勝ち、同じラインの選手が2着、3着を独占しそうな組み合わせだけに、尚の事、期待が高まる。オッズを見ればもちろん、布居と兵庫県選手との組み合わせの車券が売れに売れている。 ここで、前日チャットで誘っていた某MLの知り合いN君が合流。なんとN君はこの日が初めての競輪。彼にとっては最初で最後の西宮競輪場となるのだが、当然のように全く実感が無いようだ。まるで、大して親しくも無い親戚の通夜と葬儀に連れて来られたような感覚なんだろう。号泣する遺族の後ろで、為す術無く数珠を片手に立ち往生している様子が思い浮かんできた。駒木が誘っておいてナンだが、ちょっと酷な事をしてしまったのかもしれない。 さて、N君を案内したこの店は、駒木も西宮競輪に来るたびにホルモンを買いに行っていて、その結果、顔を覚えてもらって時々オマケしてくれた事もある位の顔なじみであった。
何度かこの手のキャッチセールス的な電話を受けた事があるが、これがピカイチであった。普段は目や耳にする機会が無いだけで、実は女のナンパも大概は“寒い”という事実に気付かされたものだった。 余談から話を“オバチャンの「男前」話”に戻そう。 |
3月10日(日) ギャンブル社会学特殊講義 |
初めに少しばかり前口上を。 ……こんな小洒落た口上を書いておいてナンですが、本文のテイストはいつも通りですので、安心してください。気楽に楽しんで、もしよければ頭の隅にでも引っ掛けておいてくださるなら幸いです。 情けない話から始めるが、実はこの日、駒木が競輪場に到着したのは第2レースの発走直前であった。要は遅刻である。密かに狙っていた、オリジナルクオカードが当たるラッキーカード(クジみたいなもの)も先着3000名に届かず、ゲットできなかった。 この日の朝、自宅を出る寸前のところで、1月まで勤めていた職場(某公立高校)から電話があった。もう7割方諦めていた、世界史講師の仕事の打診である。 自宅から西宮競輪場(=西宮スタジアム)までは、電車等を乗り継いで1時間ほどかかる。しかし、駒木が初めて西宮競輪に行った時は震災直後で(近畿地方の競輪ファンには『松本整の番手捲り』で有名な、かの『震災復興競輪』だ)、阪急電車が一部不通状態のため、途中から代替バスに乗り換えて西宮北口駅に辿り着いたのだった。 そうこう考えている内に競輪場にやって来た。 |
3月9日(土) 競馬学概論 |
駒木:「ちくしょー、ネタが無いぞー!」 |
3月7日(木) 法学(一般教養) |
えー、毎回毎回間隔の開くこの講義ですが、意外と評判が良いようで驚いております。 さて、未受講及び、講義内容を忘れたと言う方はレジュメへの直リンクを用意しておきますので、まずそちらからどうぞ。 あと、受講生の方から質問が有りました。 では、講義の方へ移らせて頂きます。 ドイツ王国並びに神聖ローマ帝国を構成する数百の領邦君主たちが、自分たちの勢力維持のため無力なドイツ国王・ローマ皇帝を選出しようとした挙句に訪れた“大空位時代”。これを現代日本で喩えると、自民党の派閥抗争による過度の牽制から、一番権力に程遠い、保守系無所属の西川きよしが総理大臣に選ばれるようなものでして、自業自得とはいえ、さすがの領邦君主も大いに反省したのでした。 ……前回の講義から、この神聖ローマ帝国皇帝の話を日本の総理大臣の話に喩えることが多いと思われているでしょうが、この喩えが一番シックリくるんですよね。 ……とまぁ、そうしてドイツ・神聖ローマ帝国では、“領邦君主中心主義”と言っても良いような、独特の政治制度が確立します。 しかし、ここからがややこしい話なのです。 ハプスブルク家に初めて神聖ローマ帝位が“タライ回されて”来たのは1273年。そう、大空位時代後の初代皇帝として、ハプスブルク家のルドルフ1世に白羽の矢が立ったのです。当時は「金印勅書」制定前ですが、有力領邦君主の談合で皇帝が決まっていたのは当時からの話だったようです。 では、どうしてその後、再びハプスブルク家に皇帝位が巡ってきたかと言いますと、数百年経過して、ハプスブルク家がすっかり没落していたからなのでした。分かり難いようで分かり易い話ですよね。なんだか、男が最愛の妻をさておいて浮気するに至る一見複雑な感情が、「実はヤりたいだけ」という分かり易い一言で説明できてしまうのと似て……いるかどうかは皆様の解釈にお任せしましょう(笑)。 まずハプスブルク家ですが、こちらは帝位奪還以後、急速に勢力を拡大してゆきます。 次に神聖ローマ帝国全体に関わる事情の変化です。 ……と、歴史のマニアックな話をしている内に、またしても大幅に時間オーバーとなりました。これから「法学」じゃなくて「歴史学」にしようか、などと考えつつ、また近日実施の第7回講義に続きます。 (この項続く) |
3月6日(水) 演習(ゼミ) |
えー、日誌の方ではお見苦しい場面がありました(笑)。すいませんね、どうも。 さて、時間も無いので、早速レビューの方へ行かせてもらいます。7段階評価の表はこちらを。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年14号☆ ◎新連載第3回『いちご100%』(作画:河下水希)《第1回掲載時の評価:B+》 第1回掲載時には、今後の方向性に期待をこめて高い評価をつけたのですが、どうやら駒木の意に反して、シナリオのクオリティ無視・ベタベタのラブコメ路線へ向かう模様ですね。まぁ、河下さんの作風でもありますので、それはそれで仕方ないのですが。 ◎読み切り(2回連続・前編)『アイシールド21』(作:稲垣理一郎/画:村田雄介) 昨年度の「ストーリーキング」ネーム部門キング(大賞)受賞作品のマンガ化です。 さて、原作とマンガ担当が分かれた作品ですから、絵のクオリティについて述べるのは野暮な話です。村田さんの画力については既に『怪盗COLT』のレビューで述べていますし、ここでは割愛させて頂きます。一言で言うなら、「プロの作家として十分合格点」というところでしょう。 問題のシナリオ部分についてお話をしましょう。 この作品全体に漂うムードは「逃げ」なんです。 ☆「週刊少年サンデー」2002年14号☆ ◎読み切り『新型機動携帯シモべえ』(作画:木村聡) 今週と来週は「サンデー特選GAG7連弾」が2本立てということで、レビューも2作品ずつ、ということになります。 では、まずは“第3弾”のこの作品から。 ◎読み切り『煩悩寺のヘン!』(作画:黒葉潤一) 「──特選GAG7連弾」の第4弾は、かつて本誌で『ファンシー雑技団』を連載していた黒葉潤一さんです。 《その他、今週の注目作》 ◎読み切り(週刊コミックバンチ14号掲載・世界漫画愛読者大賞・最終審査エントリー作品『142cmのハングオン』(作画:大西しゅう) シリーズ6回目にしてようやく、この作品がデビュー作となる新人作家さんが現れました。20代前半という年齢は、マンガ家デビューにしてはやや遅い方ですが、まぁマンガ家の作風は年齢よりもキャリアに影響されますから、あとはいかに生活を維持しながらマンガを描き続けていくかでしょうね。緒方ていさんみたいに、サラリーマンのかたわら同人誌で腕を磨いた後に連載デビューというケースもありますので、是非頑張ってもらいたいものです。 さて、作品のレビューなんですが……。 一方、ストーリーの方ですが、これはまぁ、ある程度は話作りの基本を押さえた上で、さらになかなかの勢いがついています。絵の稚拙さをある程度はカバーするようなモノには仕上がっているのではないかな、と思いますね。何よりも、自分の好きな題材を独り善がりにならないように留意して描こうとしている姿勢に好感が持てます。 ちなみに、これまでの5人のエントリー作家さんは、「元甲子園球児の草野球選手(地区予選級の実業団選手)が入団テストを受けに来た」ような感じでしょうかね。「良いモノはあるけど、手垢が付き過ぎちゃってるよなあ」という印象です。 さて、次回の演習ですが、ジャンプの方は新連載ラッシュも落ち着いて一段落になります。ただ、サンデーでは来週から5週連続新人読み切りシリーズが始まるとのことで、そっちの方にかなり忙殺されそうです。特に来週は「ギャグ7連弾」も2本立てですし、何だかまた大変になりそうです(苦笑)。 |
3月5日(火) 教育心理学(教職課程) |
いつの間にか3月。卒業シーズン真っ只中ですね。 卒業シーズンというのは、すなわち別れのシーズンでもあります。これまで会えるのが当たり前だった人との別れが待っています。卒業式の時は「どうせ近所だし、また会えるよね」と思っていても、卒業してしまうと不思議なほど会えないものです。 駒木にも卒業シーズンの思い出が色々あるのですが、やはり一番印象に残っているのは、塾のバイトを大学卒業と共に引退して約1年後のことです。
数週間後、新聞の三面記事に「学習塾教室長・生徒のスカートを盗撮」という記事が。
…………………………………
まさか、こんなところで永久の別れになるとは。 あ、生徒と教員・講師との別れで思い出したんですが、駒木も勤務先を転々としている関係上、生徒との別れも頻繁に起こるわけでして、その都度、印象深い出来事が起きたりもします。 つい先日も、約10ヶ月教室を共にした生徒から、「お別れの手紙」みたいなものをもらいました。 かくのごとく、どうも「生徒と先生の別れ」というのは、双方のギャップが激しくて、お互いに印象に残っている部分が違いすぎる事が多いようです。 例えば、塾時代にお世話になった上司(永久の別れじゃない方)のエピソードで、こんなものがありました。 ……この話を聞いた当時は笑っていられたんですが、今となっては、もう笑えなくなってしまいました。同窓会行く時には覚悟を決めて行かなくちゃなあ、などと考えております。 受講生の皆さんも、同窓会に参加する時には、恩師をこの手の昔話で詰問するのは止めてあげてください。意外と忘れるモノなんですよ、言ってる事。 ……と、自業自得ながら風向きがヤバくなったところで、今日はこの辺で講義を打ち切りたいと思います。 |
3月4日(月) メディア表現論 |
|
3日付講義の振替実施に引き続き、今度は4日付の講義です。振替講義からの連チャン講義になりますので、多少ボリュームに難があるかもしれませんが、ご了承を。 さて、今日の講義は駒木に関わりの深いマンガ喫茶についての話題です。 ……それにしても、この年で職種を約10ほど経験しているのもナニな話ですが。今、駒木が何らかの犯罪を起こすと、「元教員が」とか「職を転々とし」とか「ギャンブルが好きで」などというネガティブ常套句が新聞紙上を飾る事はほぼ確実です。 …まぁ個人的な話はそれくらいにしておいて。
要するに、マンガ喫茶でもレンタルビデオ店のように、他と隔離された“アダルト・ゾーン”を設定するように条例改正へ動き出す、というニュースです。 このニュース、色々とツッコミ処満載なのですが、それにしても大阪府庁というのはヒマ人の集団なのでしょうか? まぁ、今の知事が府の財政再建よりも大相撲大阪場所の土俵に上がる事の方に御執心ですから、部下も部下なら上司も上司、といったところなのでしょうが。本当に返す返す、あの毛布搭載の選挙カーさえなければと思ってしまったりします。 まぁ、済んでしまった事は仕方ありません。脱線する時間も有りませんし、本題へと急ぎましょう。 また、最近のマンガ喫茶はインターネットカフェを兼ねているケースが多いですので、エロマンガは隔離されても、パソコンの方で洋モノ無修正画像見放題、という逆転現象も見られる事になりそうです。 しかしそもそも、いわゆる“ポルノコミック”が中高生に悪影響を与える、というのはどういう理屈なんでしょうかね。悪影響といって、どんな悪影響が出るのか、是非後学のためにも拝聴したいところですが。 駒木の考えるところでは、むしろ性に関する情報が堰き止められるほうが問題だと思われます。 最後に。このニュースでは一切触れられていませんが、大半のマンガ喫茶は経営難に喘いでいます。設備投資に資金がかかる上に、客単価が低く(およそ700円程度)収益性も低いマンガ喫茶は、すでに斜陽産業なのです。駒木がバイトしていた店も去年閉店してしまいました。 では、今日の講義はこの辺で。本家ゴールデンラズベリー賞は、やっぱり『パールハーバー』に獲ってもらいたいですね。(この項終わり) |
3月3日(日) 現代文化特論 |
講義の実施がズレ込み、申し訳ないです。どうもここしばらく、気力が低下していまして……。しばらくバタバタする日が続くと思いますが、なるべく休講しないようにしますので、よろしく。 さて、今日は金曜日の講義の続きです。前回の講義内容については、何よりもレジュメを読んでいただいた方が早いと思いますので、未受講の方はこちらをどうぞ。 ……… というわけで、今日は「将棋界の一番長い日」の本題へと入っていくことにしましょう。 A級順位戦最終局は、10人のA級在籍棋士が一斉に人生を賭けた大勝負に関わるわけですから、観る者にとっても、色々な楽しみ方があります。 かく言う駒木も、普段は神戸須磨出身の谷川九段を陰ながら応援させて頂いているのですが、この最終局の時ばかりは、いささか事情が異なってきます。谷川九段よりもさらに注目すべき棋士が存在するのです。 それは、若手・中堅棋士が中心のA級順位戦の中、異彩を放つ存在である超ベテラン棋士・加藤一二三(ひふみ)九段その人であります。なんと御年62歳。中学生の時にプロデビューを果たすや、“名人”1期を含む多くのタイトルを獲得し、いまなお第一線で活躍している業界随一の老雄です。長年の棋士生活の中では、A級順位戦からは5回陥落していますが、その度に1つ下のB1順位戦(『鬼の棲家』と呼ばれるメンツの濃いリーグ戦)から復帰という、そちらの方でも偉業を成し遂げています。 その加藤九段、今年も残留を賭けた大一番に望むことになりました。NHKBSの生放送では応援FAXの数が第1位となるなど、駒木のみならず全国の将棋ファンの注目も大きかったのですが、残念ながら今年は大事な対局に敗れ、B1陥落ということになってしまいました。 他の対局では、自力優勝のかかった森内八段が見事に勝利を収めて名人挑戦権を獲得。しかしその一方で、自力残留のかかっていた先崎八段は、現役実力No.1の羽生五冠に敗れてB1陥落となるなど、やはり今年も悲喜こもごもの最終戦となりました。 ところで将棋界には、順位戦とはまた別の、人生のかかったリーグ戦が存在します。 その名は奨励会三段リーグ。プロへの最終関門のリーグ戦です。マンガ『月下の棋士』1〜2巻で、30歳の子持ち奨励会員・鈴本永吉が救急車で運ばれたり小便漏らしたりしながら戦った、あのリーグ戦です。 状況がなかなか掴めない方には、離婚届を挟んで対峙する壊れかけの夫婦が10組以上ズラリと並んでいる状況を思い浮かべて頂ければ良いでしょう。ハイ、思い浮かべてください。右から順番に、明石家さんま&大竹しのぶ、川崎麻世&カイヤ、田代まさし夫妻、そのまんま東&かとうかずこ………。 さて、その三段リーグ、今期(平成13年度後期)のリーグ戦も既に佳境。年齢制限による退会確定者も出ており、プライベートライアンの前半のように壮絶な状況になっています。また、現在昇段ボーダーライン上にいる遠山三段がまた問題です。彼は寝坊が原因で不戦敗1を献上しており、このまま行くと「人生寝坊でパァ」。何というか、遠山三段の将来は、4度結婚4度離婚し、その度嫁の財産を蕩尽し続ける“文学界の坂本龍一”こと高橋源一郎の人生並に波乱万丈なものになりそうです。 順位戦や三段リーグの情報は、ウェブサイト「将棋順位戦データベース」が詳しいですので、興味のある方はそちらをどうぞ。読み応えタップリの良サイトです。 ところで、今回の講義を進めていまして、思ったんですが。 ……なんだか気が滅入ってきたところで、講義を終わらせてもらいます。また、明日付けの講義からハリキッて行きますので、どうぞよろしく(この項終わり) |
3月2日(土) 競馬学概論 |
駒木:「この講義も8回目になるんだね。題材に困るかなとも思っていたんだけど、まだしばらくは大丈夫そうだ(笑)」 |
3月1日(金) 現代文化特論 |
毎年3月初旬には、将棋のプロ公式戦・A級「順位戦」最終戦が行われる、別名「将棋界の一番長い日」と呼ばれる日があります。 「順位戦」とは、プロ棋士の公式戦の中でも根幹をなす重要なリーグ戦です。このリーグ戦は、最下層のC2リーグから順に、C1、B2、B1、Aという5段階に分かれていて、毎年各リーグの上位と下位数名ずつが規則(細かいので割愛)に従って、入れ替わっていく仕組みになっています。マンガ『月下の棋士』にも出てきましたので、雰囲気だけはお分かりの方も多いでしょう。 さて先程、「公式戦の根幹」という表現をしましたが、これはどういう事かといいますと、この「順位戦」は将棋界最高のタイトルである“名人”位の挑戦者決定リーグであると同時に、段位決定から対局料のランク付け、さらには現役生活の続行まで絡んでくるからなのです。 まず、“名人”位挑戦者決定リーグとしての「順位戦」ですが、これは、そもそも「順位戦」が“名人”位の挑戦者決定戦として開始されたという経緯があります。 次に段位決定などについてですが、プロ棋士に与えられる段位(四段〜九段)は、ほぼ「順位戦」のランクと連動しています。 ……と、まぁこのように、プロ棋士たちが全てを賭けて戦う棋戦といっても過言ではないのが、この「順位戦」というわけです。 その中でも、特に極上の人間ドラマが見られるのが、最上級・A級「順位戦」です。 ・森内八段VS藤井九段 ……と、いった感じです。これでも例年に比べると、まだ争いが絞られている方、というのが恐ろしいですね。 以上のように、余りにもリーグ終盤戦の勝敗がシビアなために、公平を期すため全9戦の対局のうち、第8局と最終第9局は同日に行います。特に最終局は同日同時刻に東京の将棋会館で行われるため、非常に注目度が高くなります。 ……しかし、冒頭の3行を説明するだけでこの文章量はどうしたものでしょうか。まぁ、大学の講義なんてこんなモノでしょうけど、それにしても自分の文章の長さに呆れ返る気持ちです。申し訳ない。 そして、もう1つ申し訳ないことに、講義時間が終わってしまいました。笑い所もロクに確保できないままで申し訳有りませんが、以下次回ということで。明日は競馬学概論ですので、続きは明後日に。 (続く) |