「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
3月31日(日) 行動社会学 |
さて、日付は既に4月1日に変わっていますが、これから31日付の講義を実施します。狙いもクソも無い不可抗力のモノですが、これが当講座のささやかなエイプリル・フールイベントだと菩薩のような慈悲深い心で考えて頂ければ、と思います。 当講座を頻繁に受講されている方はご存知でしょうが、特にこの1週間は講義の実施が遅れに遅れて御迷惑をおかけしました。この振替講義も、そのツケが最終的に回ってきたようなものです。 しかし、そんな代償を払っただけの甲斐のある充実した1週間ではありました。この短い期間で楽しい事も辛い事も含めて様々な体験をし、また、色々な事を考える機会にも恵まれました。 レポート文中は文体を常体に変更します。 3月25日(月) 朝9時、現場到着。とにかく眠い。 間もなくして社員のHさん登場。面接の時からこのイベントを独りで仕切っている現場責任者である。大体年恰好は30代半ばから40歳位といったところで、子ども相手の商売をするよりも、大阪の大国町界隈で10日1割の利息を取り立てているほうが似合いそうな強面の男性だ。必要な時には、たとえ年下相手であろうと丁寧な態度をとる事の出来る人なので、特にそんな印象を抱いてしまう。世の中、本当に怖い人ほど普段は物腰が穏やかなものなのである。ただ、今から考えてみると、Hさんの場合は、怖いのは顔だけの“悪役商会”タイプなのかもしれないが。
テントの組み立てが終わったら、今度は景品などを陳列する棚や机などの準備。もう仕事内容は軽作業しか残っていないようだ。楽は楽だが、ちょっと拍子抜け。まぁ、時給750円で丸1日重労働だったら、それはそれで訴訟モノだけれども。 昼食の時間になった。近くには食事できる店が多すぎるくらいあり、かなり迷ったが、結局は勝手知ったるミスドに決定する。 ……と、ここまで書いてきたんですが、毎度の事ながら、ものすごくボリュームが膨らむ事が分かってきたので、一旦ここで切ります。で、しばらくは椎名林檎さんの現代社会学特論と交互交互、1回おきに講義を実施する事にします。(水・土は除く) |
3月30日(土) 競馬学基礎論 |
こんばんは。講師の駒木ハヤトです。 さて今日の講義は、当講座では初めてとなる「競馬学基礎論」。一部公営競馬では今春から、JRAでも今年6月の福島開催で試験導入され、翌7月から本格導入される“新賭式”馬券──馬番連勝単式、馬番三連勝複式馬券──についての検証を行おうというものです。 ……では、改めて“新賭式”馬券発売に至る経緯の解説から講義を進めていきたいと思います。 “新賭式”馬券は、文字通り、日本の競馬ではこれまでに無かった新しい種類の馬券で、昨年2月の競馬法施行規則改正により実現するところとなりました。 ところで、新しい種類の馬券で思い出されるといえば、1999年末に導入された“ワイド(拡大連複)”です。 そんな“ワイド”馬券の失敗に追い撃ちをかけるように、深刻化した大不況が競馬ファン、特に高額購入者の懐を直撃。馬券売上高は減少の一途を辿り、さしものJRAも事業縮小の憂き目に遭ってしまいます。競馬ファンの方なら、ここしばらくの間にJRAのファンサービスが微妙に悪くなっている事にお気づきではないかと思います。 と、そうしたジリ貧傾向に歯止めをかけるべく、満を持して登場したのが、今回の“新賭式”馬券なのです。 これまで、特に昭和時代の日本の公営ギャンブルでは、“いかに高額配当が出ないようにするか”というのが運営側のテーマになっていました。 ちょっと話が逸れましたか。 まぁしかし、何はともあれ事態が好転するのは喜ばしい事です。過程はどうであれ、こうして我々が利益を享受できるのは幸せな事なのですから。 それでは、いよいよこの“新賭式”馬券についての検証を行ってゆきましょう。新しく発売される種類の馬券のメリットとデメリット、そして正しい活用法を講義していきたいと思います。 ◆馬番連勝単式馬券(略称:馬単・二連単)◆ この馬券は、従来までの“馬番連勝(複式)馬券”のマイナーチェンジ型で、レースの上位2頭を着順通りに当てなければ的中にならない方式のものです。この馬券の発売に従い、これまで「馬連」という略称で呼ばれて来た“馬番連勝複式馬券”は、「馬複」と呼ばれるようになります。 まず、この馬券の最大のメリットは、やはり配当が“馬複”に比べて高くなるという事でしょう。単純に考えても、馬券の組み合わせが“馬複”の2倍なのですから、配当もざっと2倍になるというわけです。さらに、上位2頭の組み合わせの内、人気が低い方が1着になった場合は“裏目”で、配当はさらに高くなります。 反対にデメリットはと言うと、当たり前の事ですが的中する確率がガクっと下がります。特に、これまでは意識しないでも済んだ“裏目”での不的中が増え、ストレスが溜まる事請け合いであります。競馬なんてモノは、もともとが動物相手のファジーな競技。これの正確な着順を当てようと言う方がおかしいわけで、“馬単”なんて難しい馬券の的中がそうそうある方が不自然なのです。 というわけで結論です。 ◆馬番三連勝複式馬券(略称:三連複)◆ さて、こちらは日本の競馬では初めての試み、そして公営ギャンブル全体でも、競艇と、一部の競輪場でのみ(しかもそちらには、もっと刺激的な“三連単”があるので人気が無いまま)発売されているレアな形式、それが“三連複”であります。 この“三連複”は、レースの上位3着までの馬を順位に関係なく的中すればO.K.となります。馬券に少し詳しい方に分かり易くなるように言えば、従来の馬連3頭ボックスでワン・ツー・スリーを決めれば的中というわけです。 この馬券のメリットは、なんといってもやはり高配当でしょう。多頭数になった時の馬券の組み合わせの数がハンパではありません。それに、馬券の対象になる上位3頭のうち、1頭だけでも人気薄が飛び込んだ場合は高配当の可能性があります。 ただし、デメリットも当然あります。 ですから結局、この三連複馬券もまた、従来の“馬複”馬券などと併用しつつ、いわゆる“ボーナス狙い”で一穫千金を狙うのが得策と言えるでしょう。ナメてかかって、いたずらに購入点数・金額を増やすとドツボにハマる可能性が大です。絶対に“大怪我”する事の無いように自らを戒めたいものですね。 |
3月29日(金) 集中講義・現代社会学特論 |
昨日は臨時休講で失礼しました。今日から再開です。 ところで、この集中講義なんですが、このまま行くと、多分、全8〜9回くらいで終了という事になりそうです。ただ、講義予定をご覧になれば分かるように、レギュラー講義や文化人類学が目白押しで、日付的には再来週くらいで最終回という事になるかと思います。気長にお付き合い下さい。 前回は、芸能界デビューを目指し、一時はアイドルデビューまで視野に入れて活動を始めたものの、挫折。結局はバンド活動から正攻法での芸能界入りを目指すようになっていった……というところまでお話をしました。 ホリプロ・スカウトキャラバン応募などの活動と並行して、林檎さんは福岡では有名な進学校に入学&軽音楽部に入部してバンド活動を本格化させました。 余談ですが、先程「バンドはリズム隊が人材難」と述べた通り、街角やライブ会場の“メンバー募集用掲示板”には、至る所に「Ba、Dr(ベース、ドラムス)求ム!」という紙が張り巡らされています。特に、かつてのバンドブームの頃は、「当方ボーカル。ギター、ベース、ドラムス募集!」という告知が音楽雑誌のメンバー募集コーナーに掲載され、「そんなにお前はお山の大将になりたいのか」と、良識ある読者の顰蹙と失笑を大いに買ったものでした。今風に言えば、「牛鮭定食でも食ってろ」というところでしょうか。 これは、主要キャラクターたちが前世で仲間同士だった、という設定の少女マンガ『僕の地球を守って』が火付け役になったもので、往時はオカルト系雑誌からティーンズ向け雑誌に至るまで、様々な雑誌の文通・投稿欄に「前世の仲間を探しています」という、春になれば増えそうな人系の投書が多数寄せられて、ちょっとした社会問題となってしまいました。 ……って、毎度の事ながら、どうしてここまで話題がズレますかね、自分。ズレるのはキダ・タローのヅラだけで充分なんですが。 …と、そういうわけで9つのバンドを渡り歩く、上に「スーパー」が付く音楽少女となった林檎さん、その幅広いバンド活動の中でも、最も力を注いでいたバンドが“Marvelous
Marble(マーベラス・マーブル、以下M・Mと略)”でした。 本当はもう少し続けたかったのですが、時間が来ました。続きはまた来週ということで。 |
3月27日(水) 演習(ゼミ) |
さて、今週は何かと時間が詰まっているので、手短にいきますね。レビュー中の7段階評価の表はこちらをどうぞ。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年17号☆ ◎読み切り『ヒカルの碁・番外キャラ読切シリーズ・三谷祐輝』(作:ほったゆみ、画:小畑健) シリーズ4作目なんですが、ここまで読み進めて来て、何となくこのシリーズが「ほったさんが本当に描きたかったキャラの作品」と「編集部サイドから依頼を受けて描く事になった作品」に分かれているような気がしました。 というわけで、今週分はB+寄りのBという事で。
◎読み切り『しゅるるるシュールマン』(作画:クボヒデキ) 今週は『HUNTER×HUNTER』が休載と言うことで、ギャグ読みきりが掲載されています。 今回の作品は、題名の通りシュールなショートギャグの連作形式で15ページというもの。まぁ、新人・若手の作品にはよくある形ですよね。 そもそも“ギャグ”とは、人が持つ常識との奇妙な違和感を提示し、それを笑いという感情に転換させる作為的行動です。 評価はB−。一応、ギャグ作りの手順は踏まえてますので、問題外というわけではありません。動きの基本はマスターしたプロボクサー予備軍みたいなものですので、あとはもうパンチ力だけ。今が正念場と思って頑張って欲しいですね。 ☆「週刊少年サンデー」2002年17号☆ ◎読み切り『葵DESTRUCTION!』(作画:井上和郎) 「週刊少年サンデー」のストーリー読み切りシリーズ第3段は、昨年から増刊号で読み切りを掲載している新人作家さん・井上和郎さんの作品です。井上さんは、『からくりサーカス』や『うしおととら』の藤田和日郎さんの元・チーフアシスタントさんだったとのこと。 まず、絵はかなり好感度が高い今風の絵ではないでしょうか? 個人的には上手だなあと感じました。ひょっとしたら師匠の藤田さんより上手かもしれませんね(苦笑)。あ、キャラの描き分けがよく出来ているのは師匠譲りかもしれませんね。 さて、ストーリーの方ですが、これは一言で表現するなら“技あり”の作品ですね。1つのアイデアを転がしまくって、良質コメディに仕上げきっているという形で、なかなかの力量の高さが窺えました。 《その他、今週の注目作》 ◎読み切り(週刊コミックバンチ17号掲載・世界漫画愛読者大賞・最終審査エントリー作品『逃げるな !! 駿平』(作画:野田正規) いよいよこのシリーズも“トリ前”となりました。果たしてあと2週で、2002年を代表するような名作は出てくるのでしょうか? さて、エントリー9人目の作家さんは野田正規さんで、現職はマンガ家アシスタントとのこと。かつては『六三四の剣』などでお馴染みの村上もとかさんのアシスタントを長年務め、数年前には少年マガジン月例賞の佳作を受賞した経験もあるそうです。 そして実際、この作品は、歯に衣着せず言うと新鮮味ゼロの作品でありました。なんだかもう、恐ろしく絵柄・作風が古いです。「コミックバンチ」というより「少年キング」といった風情。もしくは、昭和の時代の「週刊少年サンデー」でしょうか。 まず、絵。古臭いだけじゃなくて、プロとしてはかなり低調なレヴェルです。特に、かれこれ10年以上描いているはずの格闘シーンがリアリティに欠けている始末では……。三十路を過ぎるまで一体何をやって暮らして来たか、ちょっと問い詰めたくなってしまいます。 さらにさらに。作中やインタビュー記事中で見られる格闘技への知識の薄さも致命的です。 このいい加減さはキャラ造形にも表われています。 よくこんな作品が最終選考まで残ったなと目を疑ってしまいますね。『痛快! マイホーム』の元・担当さんが推したんじゃなかろうか、などと邪推してしまいます。 評価はC寄りのB−(前日から変更してます)。ここに来てこのシリーズで最低評価の作品が来るとは……(汗)。あと1週、果たしてどうなんでしょうか。ううむ、想像したくなくなって来ました。 ……というわけで、ちょっとショートバージョンでお送りした今週のゼミでした。しばらく小休止状態になるかと思いますが、その分、来週以降は中身の濃いレビューに出来たらと思います。それでは、今週はこれまで。 |
3月26日(火) 集中講義・現代社会学特論 |
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現代社会学特論講義も第3回となりました。とりあえずは今週中に一区切りつけたいと思っているのですが、こればかりは諸事情と相談になりますので、果たしてどうなることか…。 さて、前回は椎名林檎さんが、幼少の頃から傾倒していたバレエとピアノを断念してしまったところまでお話しました。今日はその続きになります。 バレエを断念せざるを得なくなってしまったショックの余り、もう1つの習い事であるピアノも止め、ついには不登校にまで陥ってしまった林檎さん。しかし、周囲の人たちのバックアップもあり徐々に立ち直りを見せ、やがて彼女は中学校の演劇部に新たな道を見出すようになりました。 そして、林檎さんが再び音楽の道へ進み始めたのも、この演劇部での活動がきっかけでした。 どうやらこの出来事が直接の契機になって、林檎さんは作詞・作曲に“目覚め”て、現在の職業であるシンガーソングライターへの道を進み始めます。「今度はこの道でプロになるんだ」と決心し、その手始めとして学校の音楽仲間と共にバンドデビューも果たしました。アーティスト・椎名林檎は、この頃誕生したというわけです。 ちなみにシンガー・椎名林檎が初めて人前でバンドプレイを披露したのは中学校の学園祭の時でした。この時はまだコピーバンドの段階。演じた曲はJUDY
AND MARYの曲や、ZARDの「負けないで」などだったそうです。 ところで、この時の学園祭では当然の事ながら林檎さんの歌は大好評。この時、林檎さんの歌を聴いた幸運な目撃者も口を揃えて「彼女は上手すぎるくらい上手かった」と証言しています。 「アイドルデビューもアリでしょ」 ……こうして、林檎さん、いや女子高生・椎名裕美子はホリプロスカウトキャラバンにエントリーしてしまいました。反町隆史がジャニーズJrにい
……いやはや、色々な意味で感慨深い履歴書であります。
えー、改めて言っておきますが、これは「ホリプロ・スカウトキャラバン」のエントリーシートです。 この一件で懲りたのかどうか判りませんが、以後、林檎さんはバンド活動に専念。正攻法での芸能界進出を目指し始めます。 |
3月25日(月) 集中講義・現代社会学特論 |
ほぼ一週間ぶりの現代社会学特論講義となりました。今週は、水曜日と土曜日を除いて、原則的にずっとこの講義を実施する予定でいます。 さて、時間も詰まっています。それでは早速、講義の本題へと移ることにしましょう。 前回の講義の最後に述べたように、今でこそ日本を代表するJ-popアーティストの1人となった林檎さんですが、そこに至るまでの道筋は、決して平坦なモノではありませんでした。今日からしばらくの間、彼女の生い立ちを時系列に沿って、順に振り返ってみる事にしましょう。 椎名林檎こと、本名(旧姓)椎名裕美子さんは、1978年11月25日、埼玉県に生まれました。(小学校に上がる前に、静岡に転居) それではまず、幼少〜少女時代の話から。三つ子の魂百までといいますが、この時期のエピソードの中に、林檎さんのデビューまでの軌跡を語る上で欠かせないものが数多くあります。 分野に関わらず、特定の技能に天才的な才能を発揮する人は、おおむね幼少の頃からその技能の訓練を始めているものです。 ちょっとズレた話を戻します。今回の話の主役・椎名林檎さんもまた、幼少期から音楽の本格的レッスンを受けていた女性アーティストの1人なのでした。 そういうわけで、林檎さんの幼少〜少女期前半は、まさにピアノとバレエに明け暮れた数年間だったと言えます。 まぁ、それはさておき。 ……とまぁ、こうして順風満帆な小学生時代を過ごした林檎さんですが、静岡から福岡に移住して中学に入ったところで、人生最大の挫折を味わう事になってしまいます。 そんな林檎さんの、生きる気力を奪い尽くすほど深かった心の傷。でも、そこから彼女は人生の再スタートを切って動き始めます。 |
3月23日(土) 競馬学特論 |
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こんばんは。講師の駒木ハヤトです。
本命はトロットスターに打ちました。 対抗はアドマイヤコジーン。 単穴・▲印はショウナンカンブ。ダートから芝に転向して1200mレースを2戦し、いずれも抜群のスタートダッシュからの粘りこみで逃げ切り勝利を飾っています。まだ実績は足りませんが、生粋のスプリンターである事は強調材料と言えます。 これ以降はちょっと総合力で差のある“伏兵”たちです。まず、2年前のこのレース2着馬・ディヴァインライト。最近のスランプを考えると、年齢的な事もあり推し辛いのですが、また展開に恵まれて最内コースをすくう事が出来れば、また2着に突っ込み位の可能性はあります。 買い目は5、9、12のBOX。それと押さえに12-14、10-12、12-16の以上6点。ただし、オッズ的に妙味が薄いので、押さえの3点のうちいくらか削る事も考えなければならないでしょうね。 ちなみに、珠美ちゃんの予想印は以下の通りです。
僕の予想と似ているようで似ていないような感じでしょうか。 では、今日はこれで終わる事にします。次回以降は、またじっくり時間をかけて予想をお届けしたいと思います。それでは、皆さんも頑張ってください。
※駒木博士の“勝利宣言” ※栗藤珠美の“反省文” |
3月22日(金) 文化人類学 |
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昨日に引き続き、文化人類学講義です。前日の講義(第1〜3ラウンドのレポート)を未受講の方は、まず先にこちらをクリックして、レジュメを閲覧してください。 では、今日は第4ラウンド(準決勝)と決勝戦の模様と、簡単な大会総括を掲載します。最後までどうぞお付き合いくださいませ。 ☆第4ラウンド 桑名宿・蛤カレー食べまくり勝負 ※ルール:1皿300gの蛤入りカレーを、45分間でどれだけ食べられるかを競う。出場4名中、記録上位3名が決勝戦に進出する。 第3ラウンド終了から5時間後の競技。消化能力に難のある選手には堪えるタイム・スケジュールだ。 第1、3ラウンドに引き続いて、スタートダッシュを決めたのは河津。1皿1分と、まずまずのスピードを披露。しかし、他の3選手も遅れる事無くピッタリとマーク。3皿完食時点で、やや須藤が遅れた以外はほぼ横一線。
トップ通過は久保。順位にこだわらないマイペース型の選手だが、このラウンドは全体の記録が伸び悩んだ事もあり、少し“区間賞”を狙っていたようだ。
☆決勝戦 京都・しっぽくうどん無制限勝負 ※ルール:しっぽくうどん(1杯あたり具・麺300g、出し汁300g)を60分間で何杯食べられるかを競う。最も完食量の多い選手が優勝。また、うどんの出し汁は飲まなくてもよい「大食い選手権」ルールが適用される。 長時間の60分、しかも慣れない熱いうどんという事で、各自スロー気味のマイペースでの序盤戦に。
「大食い選手権」第5代新人王は舩橋稔子。2年前の岩田美雪に続く、2人目の女性新人王の誕生となった。
◎大会総括◎ 今回の「大食い選手権」は、これまでの大会運営を見直し、巧みで内容の濃いマイナーチェンジが図られた、充実した競技会だった。 ※「山本卓弥ドクターストップ事件」については、新事実が明らかになりました。前日付講義の第3ラウンド総括に「追記」を執筆しましたので、そちらをどうぞ。 というわけで、「大食い選手権」レポートでした。次回の文化人類学は4月上旬の「フードバトルクラブ3rd」関連講義になると思います。それでは、今日の講義を終わります。(この項終わり) |
3月21日(木・祝) 文化人類学 |
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それでは予告通り、文化人類学の講義を行います。先週と同じく、2回に分けての講義となります。 ……では、これからレポート発表に移るのですが、その前に一点「お断り」です。 それではレポートに移ります。例によって文中敬称略、文体を常体に変更しますが、こちらもご了承ください。 また、先週放送分のレポートはこちらをクリックしてどうぞ。 ☆第1ラウンド・箱根宿 豆腐おかわり勝負 ※ルール:1丁250gの絹ごし豆腐(冷奴)を、45分間でどれだけ食べられるかを競う。参加10名中、記録上位7名が第2ラウンド進出。 スタートダッシュを決めたのは河津。久保、近藤らも好スタートを決めるが、わずかに河津が早い。須藤、山本、羽生などもトップグループに肉薄。接戦の序盤戦。
大阪大会代表の華麗なるワン・ツーフィニッシュ。予選で見せた実力の違いを見せつけた。
☆第2ラウンド 丸子宿・とろろ汁45分かきこみ勝負 ※ルール:1杯250gのとろろ汁かけ麦飯を、45分間でどれだけ食べられるかを競う。出場7名中、記録上位5名が第3ラウンド進出。 食べ易い食材であるとろろ汁。各自出足は早い。山本、久保、須藤ら30秒で1杯完食する者も。
山本が、実力の次元が違うところを見せつけて2連続のラウンドトップ通過。結果的にこれが今大会のベストパフォーマンスになった。競技終了後、山本自身は「ちょっと食べ過ぎたかな?」とコメントしていたが、本当に辛そうな印象は無かった。だが、悲劇は10数時間後に訪れる。 以上が大会初日。今大会は第1、2ラウンドが初日(2/16)、第3、4ラウンドが2日目(2/17)、決勝が3日目(2/18)に行われている。収録日をここまで詳細に公開するのは珍しいが、これは、視聴者にクリーンな番組制作が求められている事を自覚しているTV東京の自覚の現われと見たい。 ☆第3ラウンド 知立宿・大あん巻き30分15本完食勝負 ※ルール:あん巻き1皿3本(黒餡、白餡、抹茶餡各1本=計400g)を5皿(=合計2kg)、30分以内に完食しなければならない。第4ラウンド進出の人数制限は無く、完食者全員が第4ラウンドに進出できる。 スタート前、「大食い選手権」の番組現場責任者から、山本卓弥のドクターストップが宣言される。 甘味は好き嫌いが大きく分かれる食材でもある。今回のメンバーで言うと、餡を得意とするのは久保で、苦手なのは須藤と舩橋。特に舩橋は最も嫌いな食材という事で、苦戦が予想されるスタート。 1人残された舩橋は大苦戦。後半になって極端にペースが落ちた。4皿完食時点で24分34秒。かなり際どいことになって来た。苦手の餡が食欲を蝕む。
河津が作戦通りの速攻を決めてトップ抜け。彼がどこまで余力を残してクリアしたのかは分からないが、ソコソコの早食い能力があることは示された。これなら「フードバトルクラブ」でもソコソコまでは進出できるだろう。 さて、問題の山本卓弥ドクターストップ問題である。 まず、今回のドクターストップまでの経緯についての、番組現場責任者からの声明をまとめると、以下の通りになる。
では、この判定に関する疑問点を列挙していこう。 今回の「大食い選手権」は、全体として素晴らしい大会であり、素晴らしい番組でもあった。しかし、この「山本卓弥ドクターストップ事件」だけが、唯一、しかもどうやっても償いようの無い大きな汚点になってしまった。今後、二度とこのような事のないように、番組サイドに猛省を促すと共に、山本卓弥選手のこれからの競技生活に幸多からん事を祈りたい。 ◎追記(3/24)◎ この「山本卓弥ドクターストップ事件」について、岸義行公式ウェブサイト「大食いワンダーランド」内のBBSで、同BBS管理人のアリスさん(=現役フードファイターの別府美樹さん)の書き込みがあった。
……以上がポイントである。
……以上が第1回分のレポートでした。次回をお楽しみに。では、今日の講義を終わります。 (次回に続く) |
3月20日(水) 演習(ゼミ) |
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さて、今週の演習です。ようやくジャンプの新連載ラッシュも終わりまして、忙しさも一段落というところでしょうか。 ところで、2月第2週分の演習で採り上げた『ブラックジャックによろしく』(評価:A)ですが、ジワジワと、それでも確実にブレイクしつつあるようです。この講義で絶賛した作品が幅広く評価されているのを見ると、我が事のように嬉しいですね。作者の佐藤秀峰さん、これからも頑張ってください。 では今日はまず、「週刊少年サンデー」の新人賞、「少年サンデーまんがカレッジ」の審査結果発表から。
注目、というか目が行くのは14歳の受賞者さんでしょうかね。実力とかそういう事は別にして、完成原稿を仕上げて、それをプロの新人賞に応募してしまうところが凄いですよね。 ……それでは、レビューの方へ。7段階評価の表はこちらをどうぞ。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年16号☆ ◎読み切り『ヒカルの碁・番外キャラ読切シリーズ・奈瀬明日美』(作:ほったゆみ、画:小畑健) さて、番外読み切りシリーズ、(個人的な)真打ち登場であります。 ハッキリ言って、この番外シリーズの中で一番話を作り辛いキャラだと思うんですよね、この奈瀬明日美というキャラは。 ところが。 何て言うか、ほったさんみたいな才能を持った人がマンガ界にいてくれて良かったなあって、そうしみじみと思えるような作品でした。
☆「週刊少年サンデー」2002年16号☆ ◎読み切り『入来兄弟物語〜俺たちは燃え尽きない!〜』(作画:荻晴彦) 作者の荻晴彦さんは、おそらく商業誌掲載歴ほとんど無しの新人作家さん。名前でネット検索すると、静岡大学漫画研究会製作の同人誌に同姓同名の作者名が載っていましたので、ひょっとしたら同一人物かもしれません。 それにしても、このスポーツ・ノンフィクション物読み切りは、いい加減止めにしませんか? どうやったって名作になり得ない上、単行本化も難しいジャンルをダラダラと続けるのは得策じゃないと思いますが。 前々から駒木は「マンガのスポーツノンフィクション物に名作無し」と言ってるのですが、それはそういう理由からなんです。向いてないんですね、マンガに。 今回の話、まぁ事実を多少脚色したにせよ、定番のハートウォーミング・ストーリーに仕上がってます。入来兄弟が標準語喋ってるのが気持ち悪いですが(笑)。 ◎読み切り『呪いのウサギ』(作画:杉本ペロ) 「サンデー特選GAG7連弾」の最終回は、『ダイナマ伊藤!』を連載中の杉本ペロさんの作品です。 さてこの作品、シリーズの最後に連載作家を持ってきて、格の差を見せつけてくれるか…と思ったんですが、うーむ……。 この作品の評価はB−。スケジュール調整までして、あえて描かない方が、まだ良かったかもしれませんねえ……。 結局、このシリーズでは、B+評価1本の他は、Bが1本、B−4本、Cが1本。
《その他、今週の注目作》 ◎読み切り(週刊コミックバンチ16号掲載・世界漫画愛読者大賞・最終審査エントリー作品『黒鳥姫』(作画:葉山陽太) シリーズ第8回は、第6回の大西しゅうさんに続く、純粋な新人さん・葉山陽太さんの作品です。 まず、新人さんではどうしても問題が露呈されてしまう絵ですが、やはりまだ熟練度が足りない印象がありますね。単調なコマ割りながら、そんなに単調さを感じさせない構図の取り方などに、ある程度のセンスが感じられますが、画力は未熟。いわゆる“動きのある絵”が描けずに、平坦な印象を与えてしまいます。 さてストーリーの方ですが、大まかなシナリオは、「不治の病に侵された若い女性画家が、遺作を残すために病院と故郷を去る。そこで画材屋に勤める男性と出会って……」という、何と言うか「週刊モーニング」の新人賞受賞作で出て来そうなお話でした。変則的なコマ割りや、微妙に稚拙な絵というのも、いかにも「モーニング」的な印象を受けました。 以前の講義でも述べましたが、この賞は連載を前提にしたコンペテイションということになっています。ですので、連載開始後を意識させる、「次回へ続く」な終わり方でも、それはそれで構いません。 葉山さんの潜在能力はB+級くらいあると思うんですが、この作品に関しての評価はB−寄りのBということにしておきます。 何だか、このシリーズの作品読んでるうちに腹が立って来るんですよね。賞金5000万と連載1年以上保証っていう事の重みを、全然応募者が自覚していないような気がしてなりません。小説で言えば直木賞と日本ミステリー大賞を合わせたようなグレードなんですよ、この賞は。 ◎読み切り『セラミック・レッグ』(月刊オースーパージャンプ4月号掲載/作画:緒方てい) この講義でもたびたび採り上げてきました、『キメラ』の緒方ていさんの読み切り作品です。 さてこの作品ですが、簡潔に言うと“典型的な同人誌マンガの佳作”といったところでしょうか。主役に1つ“目玉”の設定を作り、後は心地よい予定調和の世界で読者をホロ酔い加減にしてくれます。短編マンガのセオリーをキチンと踏襲している、極めて質の高い習作だと思います。多分、これを同人誌作品として駒木が読んでいたら、「下手なマンガ家より上手いね」という感想を述べていると思いますね。 ただ、やっぱりこれはあくまでも習作。プロの作品としては物足りないんですよね。評価はB寄りのB+というところでしょうか。しかし、「緒方さんならこれより落ちる作品は無いだろうな」と思わせてくれる、極めて意味深い作品であるとも思います。 ……というところで、今日のレビューは終了です。来週は『ヒカ碁』の読切シリーズ、「サンデー」の読切シリーズ、「バンチ」の愛読者大賞シリーズと、読み切りばかり3作品になりますね。多少、こちらの負担も軽減されてきましたので、さらにきめ細かいレビューが出来れば、と思います。それでは、また来週。(来週に続く) |
3月19日(火) 集中講義・現代社会学特論 |
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さて、今日から集中講義として「現代社会学特論」を開講します。 まず、明日水曜日から土曜日までは、演習、文化人類学(大食いレポ)、競馬学特論の講義予定があらかじめ入っておりますので、そちらを優先させます。 それでは講義の方へ移ります。 今日の講義の後、次回まで中4日開くということですので、今日はプロローグ的なお話からさせて頂きましょう。 当講座のリニューアル前のニュースコーナーで採り上げた事を覚えている方もいるでしょう、今月4日、スポーツ各紙の芸能欄で一斉に「椎名林檎、復帰!」のニュースが報じられました。
以前から、病気でひっくり返って入院→活動短期間休止、などといった“休み癖”のあった椎名林檎さん(敬称は「さん」で統一します)でしたが、今回は産休&育休とはいえ1年という長期間の休み。いや、“最新”シングル『真夜中は純潔』発売の際も、当時妊娠中の林檎さん自身は姿を一切現しませんでしたので、公の場から姿を消して1年半ということになります。 マキシシングル『真夜中は純潔』は、東京スカパラダイスオーケストラや、世界的アコーディオン奏者coba(小林靖宏)といったゲストをバックに従え、表題曲を含む3曲が収録された豪華な作品。椎名林檎ファンや業界関係者の中でも評判が極めて評判が高く、「椎名林檎ここにあり」を印象付けたものでした。 ……というかですね、宇多田ヒカルと林檎さんは同じ東芝EM
Iなのに、どうしてわざわざ所属アーティスト同士を潰しあうような真似をしますかね、まったく。 …とにかく、このような不本意な形のまま、音楽&芸能活動を中止していた林檎さんが遂に復帰するわけですから、ファンにとってこれほど喜ばしい事はありません。
……とあり、嫌が応にも期待は高まります。 そして、昨日3月18日、ついにこの「新曲」についての公式情報が公開されました。
……あ、あの、ちょっといいですか? …………… 新曲と違うやん(´Д`;) ………い、いや、贅沢を言ってはいけません。いけませんとも。そう! 贅沢は敵だ! 欲しがりません勝つまでは! 月月火水木金金であります! 起きて半畳寝て一畳。チョコボール向井でお馴染みの駅弁○ァックは半畳あれば出来るのであります! 鳥肌実、41歳厄年! …………はぁはぁ、ぜぇぜぇ。 …熱心なファンの受講生の方ならご存知でしょうが、椎名林檎さんは、デビュー1年くらいの頃から「オリジナルアルバム3枚出したら、ソロアーティストとしては引退」を公言しております。
…と、こんな事をされては、ますます意気は消沈するばかりです。GIZAstudio所属のアーティストじゃないんですから、せめてマスコミ露出を控えている理由だけでも説明して頂きたいものです。 が、何はともあれ、椎名林檎さんの復帰は、ファンにとってもJ-pop界にとっても慶事である、これは間違いありません。今回の“仮復帰”は、ボクシングで王座転落した元チャンピオンがノンタイトルマッチで復帰するようなものだと解釈して、温かく見守ってゆきたいと思います。 ……と、「知ってるつもり」か「いつ見ても波乱万丈」みたいな“引き”が出来たところで、次回に続きます。次回の現代社会学特論は日曜日、椎名林檎さんの幼少期からデビュー前までのエピソードを中心にお話してゆきます。それでは、また。明日は「現代マンガ時評」のゼミです。そちらもどうぞよろしく。(次回に続く) |
3月18日(月) 現代社会学 |
どうも、こんばんは。『ヒカルの碁』番外キャラ読切シリーズ・奈瀬明日美編を読んで、ますます奈瀬さん萌えに突入してしまいました、駒木ハヤトです。もちろん、研究室のパソコンで「なせあすみ」を変換すると、一発で「奈瀬明日美」と出ます。ちなみに「いがわはるか」を変換すると「伊川はるか」になります。わはは、誰なんだよ、伊川はるか。共産党から出てる市会議員候補の名前みたいだぞ。 ……んで、その碁会所はビルの7Fにあるんですが、雑居ビルに入ってるテナントは、1Fから順に、テレクラ、ファッションへルス、スナック、ファッションマッサージ、お見合いパブ、エロビデオ屋。 もう最強です、このビル。 平成なんだか昭和なんだか分からんようなテナントの構成がお見事です。っていうか、こんなに摘発される要素と放火される要素が満載なビル、歌舞伎町でもそうはお目にかかれません。 「見学ぅ? ジャマくせえ、お断りだね」 新規の客に、しかも女の子に向かって「ジャマくせえ」。普通、言えませんよ。極真のパチモンみたいな、場末の空手道場じゃないんだから。 「よ──し、カッコイイとこ見せちゃうぞ」 と、吉野家に家族連れでやって来て特盛り頼んじゃうパパみたいな、メチャクチャ頼もしいモノローグ大炸裂! ……で、そんな駒木好みに歪んだ感性が同年代の男に通じるわけもなく、自分のキャパシティの限界を悟ったデート相手はスゴスゴと退場。奈瀬さんは奈瀬さんで、 ……いやはや……こんな娘が現実にいたら、相性バツグンなんだけどなぁ……はぁ。 は! いけないいけない。現実からの逃避はいけません。いくら理想の少女が現れたとはいえ、それはあくまでも2次元の世界の話。駒木は3次元の住人なのですから、それなりのところで妥協しなければなりません。 と、いうわけで。ここまでが前フリでした。 今日の講義は3次元の世界で活躍する、美人囲碁棋士と、それに関連して将棋の美人女流棋士を紹介しようというものです。 まずは囲碁界から。囲碁界のNo.1アイドルと言えば、長年その地位は梅澤由香里さんが独占し続けて来ました。『ヒカルの碁』の監修も務めており、一説によれば奈瀬さんのモデルではないかとも噂される方です。 ところで、「棋士」と呼ばれるのは、囲碁だけではありません。将棋を指す人も「棋士」と呼ばれます。 囲碁や将棋と聞いて「オヤジくさい」とだけ思ってるそこの男性諸君! あなたは大きな損をしております。今後は心を入れ替えるように。 |
3月17日(日) 競馬学概論 |
駒木:「1日遅れての競馬学概論、今日は予告していた通り、1996年の高松宮杯──今は高松宮記念と呼ばれているけど──を題材にする事にしたよ。ちょうど来週が今年の高松宮記念だし、タイムリーな話題という事で」 |