「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
4/28(第14回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(4月第4週分・後半)
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2003年第14回講義 |
さて、世間では『ヒカルの碁』最終回でパニクっている人も多くいらっしゃるでしょうが(笑)、とりあえず今日は先週の「サンデー」についてのゼミを行います。 ……というわけで、まずは取り急ぎ情報系の話題を。今週は新連載の話題が入っています。 次号(22・23合併号)から、『売ったれダイキチ!』(作:若桑一人/画:武村勇治)の連載が始まります。
☆「週刊少年サンデー」2003年21号☆ ◎読み切り『結界師』(作画:田辺イエロウ) “新鋭ビッグ読み切り”シリーズ第2弾は、新人・田辺イエロウさんの『結界師』が登場です。 さて、それでは例によって、“絵→ストーリー&設定”の順でレビューをしてゆきましょう。 絵に関しては、とりあえず文句の付け所はありませんね。線に無駄が無く、様々な容姿の人物の描き分けや動物・妖怪の描写に関しても、新人さんにしては非常に達者です。デフォルメや格闘などの動的表現もソツなくこなしており、極めて完成度の高い画力と言えそうです。来週から即連載を任せても大丈夫な気にすらさせてくれます。 そしてストーリー&設定の面についてですが、こちらも文句無く合格点を出せる良い出来に仕上がっています。 評価はA寄りA−ということにしておきましょう。田辺さんの実力そのものは既にA評価クラスだと思いますが、“ソツ無く”で終わってしまった分の減点をしておきました。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 今週は「サンデー」も「マガジン」も上戸彩が巻頭グラビアでしたね。こういうケースって珍しいんじゃないかと思うんですが、どうなんでしょう? ◎『名探偵コナン』(作画:青山剛昌)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 あっちこっちでドンデン返しが連発の今週でしたが、やっぱり最大のビッグサプライズはジョディ&新出両先生の正体でしたねぇ。これって前もって決めてたんでしょうか、それとも後付け? ◎『美鳥の日々』(作画:井上和郎)【現時点での評価:B+/雑感】 まぁ、この作品ですからクソ真面目にツッコミ入れてもアレなんですが、こんな実習生いませんって(笑)。 ◎『天使な小生意気』(作画:西森博之)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 今週のエピソード、良い感じですね。弱い人間が弱い人間なりにカッコよく立ち回って消えていく。少年マンガでなかなか出来そうで出来ない表現ですよね。 ◎『鳳ボンバー』(作画:田中モトユキ)【現時点での評価:B+/連載総括】 先週お知らせした通り、無念の打ち切りとなりました。タイミング的には、“あやや投入”の時点で打ち切りが決まってたのかも知れませんね。 ……というわけで、やや駆け足でしたが今日はこれまで。また明日か明後日には今週の前半分をお送りしたいと思います。では。 |
2003年第13回講義 |
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◎前シリーズ(「潜入レポ」)のレジュメはこちらから→第1回/第2回/第3回/第4回/第5回/第6回 「現場報告」の講義の2回目をお送りします。 その最新ニュースとは、先週に「ほぼ確定」のニュアンスでお伝えした5月以降のキャンペーンについて。結局と言いますか、当たり前と言いますかキャンペーンは続行する事に決定しました。期間はとりあえず6月末までとのこと。 で、その5月からのキャンペーンですが、これまでの「3つの0円キャンペーン」改メ、その名も、 「15コの0円キャンペーン」 ……という事になりました。いや、「冗談は止めて下さい」とか言われても困ります。本当なんですから仕方ありません。当の駒木ですら、「数が多けりゃ良いってモンじゃねぇぞ」…という、TVの大家族モノ番組や通販番組の押入れ収納ケースに大して向けるようなセリフを吐きかけてグッと堪えたのですから。
まさに並べも並べたり……というような感じですが、実はこれらの“0円”は、全て従来の「3つの0円キャンペーン」で提供されて来たサービス、しかも一部内容の縮小まで含むモノだったりするのですから呆れ果てる他有りません。 ──ではこれから、ヤフーBBの事情に詳しくない健全な環境にいらっしゃる受講生さんたちのために、5月からの「15コの0円キャンペーン」と従来の「3つの0円キャンペーン」との関連性について、ここで少しばかり解説をしておきましょう。 それではまず、旧キャンペーンで「ADSL最大2ヶ月お試し0円」とされていた部分の内容にあたる、新キャンペーンの“0円”は以下の通りです。 1:インターネットサービスプロバイダ利用料 この内、1は通常“ISP利用料”と略された表記が一般的で、3のADSL利用料と併せて“接続料金”などと称されます。ヤフーBBの場合、ここの料金を目一杯下げる代わりにモデムレンタル料を釣り上げて誤魔化していた…という事は以前お話した通りです。
2:BBフォン通話料(最大2カ月間で50,000円まで) 2をご覧になれば分かりますように、旧キャンペーンでは上限ナシの“0円”だったBBフォン通話料無料キャンペーンが、最高50,000円までの条件付きとなりました。どうやら旧キャンペーンでは、調子に乗って2ヶ月で10万円分以上も電話をかけた強者が結構な数いたようで、さすがのソフトバンクも「ゴメンナサイ」状態に追い込まれたようです。(携帯電話への通話は1分20〜25円なので、アツアツのカップルなどが調子に乗って長電話ばかりしていると、平気でそれくらいはかかってしまいます)
……これらは全て旧キャンペーンの“無線LANパック”の中に含まれていたサービスで、無料期間終了後は月額990円追加されてしまいます。 あと、残る3つの“0円”についても少し触れておきましょう。 9:(ごまんぞく保証)NTT初期費用 9は、ADSLへ切り替えるための局内工事費用3,850円の事ですね。旧キャンペーンと同様、これは無料期間中に解約した場合のみに無料が適用されるようです。
──前シリーズの「潜入レポ」の最終回でもチラッとお話したこの球場前モデム配りキャンペーン。スタッフ同士のネットワークを通じて聞いたところによりますと、通常スタッフとBBガール(キャンギャル)合わせて20人規模での大キャンペーンだったそうです。 ……結局、この時のキャンペーンは“惨敗”だったとのこと。色々な噂話を総合すると、あれだけの集中した人通りの中で、恐らく(新規契約が)20件程度といったところではないでしょうか。
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2003年度第12回講義 |
「応募者全員大サービスの『アイシル』グッズ、もうちょっとどうにかならなかったのか、編集部!」…と直訴したい駒木です、こんばんは(笑)。 ……さて、今週の前半戦はとにかくレビューが大変ですので、早いところ本題に突入したいと思います。 まずは読み切り作品についての情報から。次号(22・23合併号)に樋口大輔さんの『dZi:S』(←「ジーズ」と発音)が掲載されます。樋口さんはご存知、昨年まで『ホイッスル!』を長期連載していた中堅の女流作家さんですが、いよいよ次の連載獲得へ向けて本格的に始動する事になったようです。 なお、次号は号数を見ても分かりますように、ゴールデンウィーク合併号となります。公称発売日が火曜でなくて月曜ですので、地方在住の方や早売りゲッターの方はご注意下さい。 それでは、今週のレビューへ。今週は新連載第3回の後追いレビューが1本と、読み切りレビュー2本の計3本となります。その後の「チェックポイント」もどうぞ宜しく。
☆「週刊少年ジャンプ」2003年21号☆ ◎新連載第3回『★SANTA!★』(作画:蔵人健吾)【第1回時点での評価:B】 先週の『闇神コウ』に引き続いて、今週は『★SANTA!★』がセンターカラーでの“打ち切り審査”に臨みます。 まず第1回からの変化ですが、絵の完成度が第2回からガクンと下がってしまったのが大変に気になります。獣人のキャラ・デザインが物凄くぞんざいですし、主人公・サンタの描写ですら稚拙なものが目立ちます。連載ペースに対応出来ずに絵が荒れているのか、それともこれまでパッと見だけ誤魔化して来たが出来なくなったのかは判りませんが、どっちにしてもこれは大きなマイナスポイントです。 ストーリー面では、省略すべき所と詳述すべき所の区別が余りついていないような気がします。冗長で世界観を壊しかねないマッタリとした会話がダラダラ続くのに、肝心のアクションシーンは敵キャラの悲鳴だけ…という展開が多過ぎるんですよね。 評価はランクを落としてB−とします。最近の掲載順を俯瞰すると、このクールの新連載は『シャーマンキング』あたりと打ち切り争いを演じなければならないわけで、それを考えればかなり厳しい状況に置かれていると考えてよいのではないでしょうか……。 今週は読み切りが2編。まずはストーリー物のこちらからレビューをしてゆきましょう。 さて、それでは内容についてレビューしてゆきましょう。 絵に関しては、現在の本誌連載陣に混じっても遜色無いほどの高い完成度に達していると思います。少年、青年、中年男性の描き分けもキチンと出来ていますし、ディフォルメ表現も多少クセは有るものの水準に達しています。今回は女性キャラが出て来なかったのが(評価を出す上で)少し残念でしたが、今くらいの力が有るならば、多少苦手だとしても苦手なりに描き切れるでしょう。 次にストーリー・設定ですが、今回もデビュー作に引き続いて、ソツなく“スタンダード・ナンバー”的シナリオで47ページをまとめ切っています。キャリアを考えれば上出来でしょう。 現在の天野さんのポジションは、“新人以上、連載作家未満”というところでしょうか。連載を獲得し、その上で成功を収めなければ価値が見出せない少年マンガ作家さんにとっては一番居辛いポジションではないかと思います。
今週2本目の読み切りは17ページのショート・ギャグ作品です。 それでは、異色尽くめのこのデビュー作についてレビューしてゆきましょう。 まず衝撃的なのが、その脱力感満ち溢れる(?)スカスカの絵ですよね(苦笑)。小学校の文集に載ったイラストかと錯覚するようなお粗末な出来で、鉄チンさん本人が「穴があったら入りたい」と言うのも大いに理解できます。 そしてギャグの方ですが、こちらは一見下らないだけの下ネタしか描けないように見えて、一部分ながらキラリと光る部分を見つける事が出来ました。 さて評価ですが、先に述べた通り画力で大幅減点してC寄りB−とします。ただし、今回一瞬垣間見えたシュールギャグのセンスが開花すれば、将来的にはブレイクする可能性も有るでしょう。
しかし、『いちご100%』と『プリティフェイス』は毎週毎週「ジャンプ」の限界に挑戦してますなー(笑)。そのせいで、『闇神コウ』がどれだけ頑張ってサービスしても全然目立ちません(苦笑)。 ◎『Ultra Red』(作画:鈴木央)【現時点での評価:B/雑感】 ◎『HUNTER×HUNTER』(作画:冨樫義博)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 いくら冨樫作品とは言え、主人公の少年キャラが腕を吹っ飛ばすというのはショッキングです。不謹慎な話ですが、コレ、イラク戦争が長引いていたら論議を醸したかも知れませんですね。
……というわけで、長丁場のゼミになりましたが、今日はここまで。後半はまた週末〜週明けになるかと思います。我が事ながら大変だ……(苦笑)。 |
2003年度第11回講義 |
このゼミが“分割版”になって3週間、「1週間って早いなぁ」…と思うようになりました(笑)。特にここ最近はレビュー対象作が多い事もあるのですが、とにかく「ジャンプ」と「サンデー」に追いまくられているような気がします(苦笑)。 では、時間も差し迫っていますし、早速ゼミを始めましょう。 まずは情報系の話題からですが、今日はまず始めに連載終了のお知らせからしなければなりません。 また、次号では“新鋭ビッグ読み切り”の第2弾として、田辺イエロウさんの『結界師』が掲載されます。田辺さんは「ルーキー増刊」からデビューし、ここ最近は増刊にも顔を出している“期待の新鋭”作家さん。次号予告に掲載されたカットからも高い画力の一端が窺え、大変期待させられます。勿論、この作品については次週のこの時間でレビューさせてもらいます。
──それでは、本日分のレビューへ。今日は短期集中連載の第1回レビューと、読み切りレビューの計2本をお送りします。ただし、「チェックポイント」は都合により休ませて頂きます。 ☆「週刊少年サンデー」2003年19号☆ ◎新連載(短期集中連載)『黒松・ザ・ノーベレスト』(作画:水口尚樹) 『少年サンダー』(作画:片山ユキオ)、『電人1号』(作画:黒葉潤一)に続く、ギャグ作家さんの短期集中連載シリーズ第3弾が今週からスタートします。 さて、とりあえず皆さんに腹筋を痙攣させてもらったところで(笑)、真面目な話に移りたいと思います。 まずは絵についてですが、ギャグ作品としては及第点だと思います。ただし女性キャラを描くのが上手くないようなので、その辺りがこれからの課題になってくるでしょう。(もっとも、今の「サンデー」の萌え路線から敢えて逆らうのも手でしょうが) そして肝心要のギャグについてですが、こちらの方は多少ムラを残しながらも、『普通えもん』で発揮された優れたセンスを見事に発揮しています。 ただし問題点もあります。“動から動へ”というドタバタ系ギャグのインパクトが薄いのがまず気になりますし、言葉で笑わせるギャグも打率が低そうです。(個人的に「溶けるぜ!」だけは超特大ホームランでしたが) ……とまぁ、色々述べてみましたが、結論を言えば「センスは十分。完成度はまだまだ」という事になるでしょう。現時点の評価は少し甘めですがB+寄りA−というところにしておきましょう。
今週から始まった“新鋭ビッグ読み切り”シリーズ。第一弾は現在増刊で『医術師 十五郎』を連載している若手作家・川久保栄二さん。今回が本誌初登場です。 まず真っ先に目に付くのが独特過ぎると言っても良い絵柄ですね。 ストーリー・設定の方も残念ながら問題アリですね。 中でも一番痛いのは、『ブラックジャック』以来の医療マンガの根幹である、「高度に専門的な医療知識に基づくシナリオ」及び「超人的なオペ技術を持つ主人公」の両方ともが水準に至っていないという点ですね。 また、シナリオの展開が少年マンガ黎明期(昭和20〜30年代)のような超高速&ご都合主義なのも違和感が否めません。 評価はB−がせいぜいでしょう。ハッキリ言って本誌に載っていいレヴェルではありません。ただ、増刊の連載をウォッチしている人の中には、「今回は連載版の魅力が完全に失われている」…という意見を出されている方もいらっしゃるので、これで川久保さんの技量を決め打ってしまうのは危険とも言えそうです。とにかく次回作での巻き返しに期待しましょう。
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2003年度第10回講義 |
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今週も時間の都合で駒木単独の短縮版講義となりました。業務縮小して余計に時間に追いまくられるとは変な話ですが、どうかご了承下さい。 ではまず、早速出馬表と予想印をご覧下さい。
先週に引き続いて、またも本命が珠美ちゃんとカブってしまいました(苦笑)。でもまぁ、今回は仕方ないような気がしますが。でもこれでネオユニヴァースが飛んだら、また何か言われそうだなぁ(笑)。 さて、それでは本題に。まずは全体的なレヴェルなどについてからですが、やや上位の層が薄いものの“平年並み”程度にはあるのではないかと思います。これで年明けに本格化した馬がもう少し多ければ更に良かったんですが……。 展開は逃げ馬2頭の他は、半数以上の馬が「中団かその少し後ろ」を希望していて、序盤の位置取りで命運が分かれそうな気がします。非常に読み難くて嫌な感じですね(苦笑)。道中はやや遅めの平均ペースで推移して、直線で迫力のある力勝負が繰り広げられそうです。 あと雨についてですが、今年は週末にしょっちゅう雨が降っていたので、雨や重馬場を苦にしない馬が多いようなのが幸いです。ドロドロの不良馬場になってしまうと追い込み馬の不発が心配になりますが、そうでない限り大きく予想を変更する必要は無いのではないかと思われます。 ……では今日も1頭ずつ簡単に解説していきます。 1番・ビッグコング。若葉S2着馬。前走はスローペースながら上がり3ハロン33秒9のタイムで好走となりましたが、一気に相手強化となる今回では苦戦が避けられないでしょう。 ……というわけでフォーカスですね。駒木は馬連3、6、12の3点ボックスを基本に、大穴狙いとして馬連3-18も狙ってみたいと思っています。珠美ちゃんは馬連で3-12、3-14、12-14、3-11、3-6、3-7の6点とのこと。 では、駆け足でしたが講義を終わります。日曜にも簡単に回顧を行う予定ですので、どうか宜しく。
※駒木ハヤトの“勝利宣言” ※栗藤珠美の“喜びの声” |
2003年度第9回講義 |
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◎前シリーズ(「潜入レポ」)はこちらから→第1回/第2回/第3回/第4回/第5回/第6回 珠美ちゃんと順子ちゃんの「観察レポート」をチェックされている方は既にご存知の事と思いますが、学校現場へ戻り損ねた駒木は、研究費及び活動費稼ぎのために4月10日からモデム配りの現場に復帰しています。 ──というわけで、今回からは「現場報告」とタイトルを改めまして、不定期でモデム配りの最前線に舞い戻った駒木から現場の状況推移についてお話する事になります。 いきなり核心から話を始めますが、パラソル(ブース)1つ辺りの新規獲得契約件数(=モデムを配った台数)に関しては、意外な事に2〜3月と大して変わっていないようです。
しかしながら、ソフトバンク=ヤフーの“悪の枢軸”側もジリ貧の現状をただ傍観するわけもいかないようで、次から次へと新しい作戦を考案しては実行に移しています。そのハイペースたるや、まるで福本伸行のマンガみたいです。もっともそれが、『アカギ』なのか『カイジ』なのか『最強伝説黒沢』なのかは各人の解釈に委ねられるわけですが。 新作戦のまず1つ目は、コンビニでの新規契約キャンペーンです。 しかし、これはまだ序の口だったりします。もう1つの新作戦はちょっとキナ臭い香りがします。
このパターンは、駒木の担当SVから「信用できるお客さんなら、“最後の一押しで”使って良いよ」とまで言われていますので(しかもそれを言われた日の内に、駒木と一緒に入っていたスタッフが実行)、恐らくは全国各地で行われているのではないかと思います。 ……こういう話を聞かされた受講生の皆さんは、「こんなので大丈夫か、ソフトバンク?」…と思われるかも知れませんが、当然、大丈夫ではありません。 ──とまぁ、こういった状況の中で、スタッフたちは今日もカラ元気を振り絞ってモデムを配り、貴重な1日の時間を1万円札と小銭少々に換金して過ごしています。 ただ、少し気になるのはモデム配りキャンペーンをやっている量販店が、入学&引越しシーズンの終わったこの4月からエアコン商戦が本格化する6月までは“シーズン・オフ”になる事でして、事実、“閑散編”の舞台になりそうな駒木の勤務先では、ここ数日は終日客より店員の方が多い“クソゲーム屋状態”が続いています。休憩室に入るたび、販売員さんたちが口々に「ヒマでヒマでどうしようもないわ」とか、「この店も、もう終わりやな」とか言ったりしてますので、本当にヤバいんだと思います。 ……それにしても、体験するとよく分かるのですが、1日中ずっとヒマを持て余し、ただ時間を浪費する日々を過ごす…というのは、人間にとってこの上ない苦痛ですね。禁固刑で収監された服役囚の大半が労役を志願するのも分かる気がします。 この仕事、長く続けるもんじゃないなぁと、毎日思います。まぁでも、他に日給1万以上の仕事なんてそうそうありませんから、人生の乗換駅で電車の待ち合わせをしているつもりで、もう少し講義の題材を発掘してみたいと考えています(笑)。 |
2003年度第8回講義 |
さて、今日からは第3週分の「現代マンガ時評」をお送りします。 ではまず情報系の話題ですが、今日は次号の「ジャンプ」に掲載される読み切り作品の情報についてお知らせしておきましょう。 まず“期待の若手枠”なのが天野洋一さんの『LIVEALIVE 〜はじまりの歌〜』です。天野さんは02年上期の手塚賞で準入選(最高評点)を受賞し、受賞作『CROSS BEAT』で本誌デビューを果たした、新進気鋭の作家さんですね。今回も前作に引き続いて音楽モノ作品のようですが、果たしてどんな進歩の跡を見せてくれるのでしょうか。 噂では、近々更に長期連載作が終了すると言われている「ジャンプ」ですが、どうやら捨て身ともいえるアグレッシブな姿勢で新人の発掘・育成を目指す態勢を固めたようですね。確かにここしばらくの「ジャンプ」では看板作品級のメガヒット作に恵まれていませんから、手遅れになる前にハイリスク・ハイリターンの賭けに出るのも悪くない選択かも知れません。 ……それでは、今週もレビューとチェックポイントをお届けします。今週のレビュー対象作は、新連載の後追いレビューと読み切り各1本ずつで、計2本となります。 ☆「週刊少年ジャンプ」2003年20号☆ ◎新連載第3回『闇神コウ 〜暗闇にドッキリ〜』(作画:加地君也)【第1回時点での評価:B−】 ここ最近定番となった感のある、新連載第3回のセンターカラー&ページ増ですね。敢えて目立つ位置に掲載してアンケート人気の最大値を計り、その結果に従って“突き抜け”か否かを決断する…というわけです。見た目とは裏腹にエグいイベントですよねぇ。 ──で、この作品の内容の方ですが、有り体に言ってしまうと第1話から大きな変化はありません。指摘した長所も短所もそのままといった感じですね。 ストーリーを構築する上で“黄金パターン”、つまり話作り上の定石を利用する事は悪い事ではありません。……というより、どんなにオリジナリティのある名作と言われる作品にしても、その大半は“黄金パターン”の塊にほんの少し独自色を塗りつけたモノに過ぎないわけで、むしろこれはストーリーテラーにとって大切な才能であると言えます。 ところがこの『闇神コウ』では、その部分が明らかに欠如してしまっています。なるほど、ヒロイン(?)路蔭の二面性をアピールしてキャラクターを立てようする意欲は窺えますし、シナリオ上の起承転結の骨組みもしっかりしています。
今週の“期待の若手枠”は03年1月期「天下一漫画賞」の佳作受賞作・原哲也さんの『SELF HEAD』です。原さんは現在24歳で、これがデビュー作のようですね。少年誌ではやや遅めのデビューでしょうか。 ……では、早速内容に話題を移してゆきましょう。 まずは絵についてですが、単刀直入に言えば、「まだまだ発展途上で荒っぽい」…という感じでしょうか。これは今後の努力で何とかなる余地は残っているでしょうが、現状で連載作家さんたちと比べると見劣りは否めないでしょう。 そしてストーリー・設定の方ですが、こちらは「設定過多で消化不良」という言葉が一番適当ではないかと思います。 シナリオの大まかな骨組みは「子分の仇討ちのために主人公が敵と喧嘩する」だけで、本来なら31ページでも多過ぎるくらいなんですよね。ところが、そこへ余計な設定や、いてもいなくても良いような脇役をジャイアンシチューの食材のようにドカドカ放り込んでしまったのが問題でした。単純で分かりやすいはずの話が変に回りくどくなって、単純なストーリーならではの爽快感が削がれてしまいましたね。 また、受賞の決め手となった、床屋(理容師)VS美容師というテーマも十分に活かしきれていなかったのではないかと思います。 では評価を。「天下一」の佳作(手塚賞で言えば準入選クラス)としては物足りない印象が否めず、B−といったところでしょうか。僭越ながらアドバイスさせてもらうと、原さんはもっと21世紀の風俗・流行についてもっと勉強するべきだと思います。 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ ◎『プリティフェイス』(作画:叶恭弘)【現時点での評価:B+/雑感】 巻末コメントでは、作中の時間経過について「普通に進めます」と言及あり。確かに難しいんですよね、学園モノの場合は。特にこういう続けようと思えばどこまでも続けられるような作品の場合は……。 ◎『ピューと吹く! ジャガー』(作画:うすた京介)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 ギタリストトーナメント編終了。ピヨ彦の新境地が見えた意欲的なシリーズでしたねぇ。少年マンガの“黄金パターン”をことごとく裏切る事をギャグに結び付けた技量には唸らせられっぱなしでした。 |
2003年度第7回講義 |
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本当に、本当にお待たせしました。4月第2週分後半の「現代マンガ時評」です。つい2週間前までとは雲泥の差のヘタレぶりですが、どうかご容赦下さい。今がサボっているわけではなくて、先月までが異常だったんです(苦笑)。 ……それでは、まずは「サンデー」関連の情報から。 はじめに、月例新人賞・「サンデーまんがカレッジ」の2月期審査結果発表がありましたので、受賞者を紹介しておきます。
受賞者の過去の経歴ですが、「あと一歩で賞」の川村好永さんと同じ名前の方が、「ジャンプ」の月例新人賞・「天下一漫画賞」の2000年6月期で最終候補に残っています。結構変わった名前ですので、恐らく同一人物ではないかと思われるのですが……。 次に、新連載と読み切りの情報を。 今週で突然最終回を迎えた『電人1号』(作画:黒葉潤一)に代わり、来週からまたギャグ作品の短期集中連載として、水口尚樹さんの『黒松・ザ・ノーベレスト』がスタートします。 この2作品については、当然ながら次週のこの時間にレビューをお送りします。 ……では、今週もレビューをお送りします。本日分のレビュー対象作は、先程お伝えしたように、今週で最終回を迎えた短期集中連載・『電人1号』の総括レビュー1本だけという事になりますね。 ☆「週刊少年サンデー」2003年19号☆ ◎短期集中連載総括『電人1号』(作画:黒葉潤一)【第1回時点での評価:B−】 先週、「終わる気配が見えないんですが……」などと言った直後に終了です(苦笑)。このゼミではこういう事が頻繁に起きるので困ってしまいます。まぁ自業自得なんですが。 では、総括に移るわけですが、ここでは第1回で指摘した点を振り返りながら、新しく発見した点なども含めつつお送りする事にします。 まずは最初に指摘した「間の悪さ」からですが、やはり全8回の連載中、ここが一番気になってしまった部分でした。短いページに可能な限り中身を持たせようとした反作用と言いますか、大半のコマが小さい上にその中でキャラがバタバタばかりしていて、いわゆる“静と動”のメリハリが利かなくなってしまった感がありました。 次に「意外性の無さ」と「ワンパターン」ですが、これは同じ原因から露呈した問題だったのではないかと考えています。 せっかく1号とか2号みたいな設定を作ったのですから、せめて5号くらいまで出せば展開もまた変わって来たのではないかと思います。(勿論、それで良い作品にするためには、それなりの技量が求められますが) 評価はB−寄りBとしておきましょうか。全くダメとは思えないんですけどねぇ。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 「ジャンプ」のパンチラ攻勢を受けてか、最近は以前にも増して男子読者サービスが強化された気がしますね(笑)。しかし、いくら乳首が見えようが、擬似精液がぶっかけられようが、『モンキーターン』の“キノコ頭カップル”の会話に見える生々しさこそが、他の何よりもエロい気がしてなりません(笑)。 ◎『焼きたて!! ジャぱん』(作画:橋口たかし)【現時点での評価:B/雑感】 ……とか言いつつ、やっぱり注目は最終ページですね(笑)。 ◎『DAN DOH !! Xi』(作:坂田信弘/画:万乗大智)【開講前に連載開始のため、評価未了/連載終了にあたっての総括】 『Xi』になる前も含めると、足かけ8年にもなる長編でしたが、今回で爽やかに幕。最終回は典型的なエピローグ形式でしたね。まぁ先週に話そのものはケリがついてましたし、他にどうしようもないですけれども。 作品全体の印象としては、普通の少年を主人公にして、『あした天気になあれ』のシナリオで『プロゴルファー猿』をやり、オマケに万乗パンツをトッピングしたもの…といった感じでしょうか(どんなんじゃ)。 ◎『鳳ボンバー』(作画:田中モトユキ)【現時点での評価:B+/雑感】 やっぱり最終回が近いんですかねぇ。もしそうなったら総括で評価を下方修正しなくちゃいけないんですが……。 ◇駒木博士の読書メモ(4月第2週後半)◇ ◎『ORANGE』(「週刊少年チャンピオン」連載/作画:能田達規)【開講前に連載開始のため、評価未了/雑感】 実は、今一番駒木が楽しみにしているサッカーマンガがこれです。奇をてらわず、かといってエンタテインメントの精神も忘れずに、2部リーグの世界を等身大かつ卑小にならないように描ききった、バランス感覚抜群の良作です。
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2003年度第6回講義 |
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駒木ハヤトです。今週の競馬学講義は、時間の都合により、駒木が単独で短縮版の講義を行います。珠美ちゃんの登場を楽しみにしていた受講生さんには御迷惑をおかけしますが、彼女にはレース後の回顧で登場してもらうつもりです。 では、まずは出馬表をご覧頂きましょう。例によって駒木と珠美ちゃんの印もついています。
ちなみに珠美ちゃんからは、 では、レースの分析と予想に移ります。 全体的な概況としては、「大混戦、ただしレヴェルは高くない方で」…といったところでしょうか。よくプロ野球なんかで“2強4弱”とか言ったりしますが、今回の桜花賞はさしずめ“11並7弱”という感じになりますか。 次に展開予想ですが、桜花賞にしては珍しく逃げ馬が1頭しかおらず、大半の馬が先行〜中団のポジションを欲しがるというメンバー構成になっています。特に5〜6番手争いは結構熾烈になりそうで、最初に下手を打つとリズムを崩したままレースにならない…なんて事もあり得そうです。どの馬がそうなるのかは全く読めないのが苦しいところですが……。 ……というわけで、これらを踏まえて1頭ずつ簡単に解説を付けて行きます。 1番・レイナワルツ。とにかく調子が良く絶好調。前走は、やや力負けした形の3着で、それ以前の実績も物足りませんが、一応の連対圏内には入っているでしょう。 ……では、最後にフォーカスを。 ということで、慌しいですがこれで講義を終わります。レース回顧は日曜深夜に更新の予定です。ではでは。
※駒木ハヤトの“敗戦の弁” ※栗藤珠美の“反省文” |
2003年度第5回講義 |
※過去のレジュメはこちらから…第1回 さて、前回はしみったれた長文&試合開始前に講義終了で御迷惑をおかけしました。 しかし、今週の「週刊プロレス」見たら、神戸大会の試合レポートは活版1/4ページのさらに半分くらい……(苦笑)。こっちがネタバレ無しでレポートがお送りできるのは良いんですが、メチャクチャ寂しかったり(笑)。 ……では無駄話はこれ位にして、試合レポに移りましょう。レポート中の文体は常体(だ、である調)を更に崩したものになります。他の諸注意は前回の冒頭の通りです。どうか宜しくご理解を。 ◎第1試合◎ 《選手紹介》 《試合観戦記》 試合開始。 で、2回ほどそんな膠着状態があった後、アシッドが一旦攻勢に。打撃技をバシバシ決めた後、「イクゼ!」とか「サヨナラ!」とか片言の日本語で場内にアピールしてはトップロープからの空中技で攻め立てる。 ○アシッド(7分15秒 片エビ固め)山笠● 前座の試合としてはマズマズ、しかし興業の勢いをつけるための第1試合としてはイマイチの出来。まぁ、2人ともキャリアが浅いんだから、少しずつ勉強して強く、上手くなって欲しいもの。
《選手紹介》 《試合観戦記》 さて、入場シーン。まずは富豪2夢路&佐々木から。「サンバ・デ・ジャネイロ」に乗って、富豪2夢路が“フゴフゴダンス”(どういう踊りか説明が難しい。往年のドリフで早口言葉をやる時にしてたような振り…としか言いようが無い)を踊りながら華やかな入場。 で、試合は、「ゴング前に葛西が富豪2夢路を挑発→いきり立った夢路が先発を買って出る→さっさと葛西が引っ込んで荒川が先発→それを見た夢路が『オイ!』と絶妙の間でツッコミ」…という、いかにもお笑いプロレス的な遣り取りからスタート。その後も口八丁手八丁といった感じで笑いの要素満載の楽しい試合に。 そんな11分の“喜劇”を締めたのはやはり荒川。葛西にブレーンバスターを仕掛けようとした夢路の尻に説得力抜群のカンチョー攻撃(ちなみにこの日2回目)。「グアー」と悲鳴をあげる夢路を葛西がクルリと丸め込み、これまたほぼお約束通り(笑)の3カウント。 ○葛西(11分15秒 小包固め)富豪2夢路● しかし、なんちゅうフィニッシュホールドじゃ(笑)。
《試合観戦記》 試合の方は星川と日高の絡みが中心で、そこへ要所要所で高岩と坂田が入ってビシッと引き締める…というパターン。攻守交代も頻繁に見られて、ちゃんとタッグマッチの形にはなっていた。 ○高岩(14分42秒 片エビ固め)日高● 駒木は完全な“馬場・三沢派”なのだけれども、この試合は新日本育ちの素晴らしさを心から堪能。そりゃ三沢もGHCのベルトを預けようって気になるわな。 お、終わらない……(汗)。 |
2003年度第4回講義 |
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業務縮小にも関わらず、多くの方に引き続き受講して頂いて、嬉しく思うと共に恐縮しております(苦笑)。 さて、それではゼミを始めましょう。まずは「ジャンプ」関連の情報から。今週は月例新人賞・「天下一漫画賞」の審査結果発表がありましたので、受賞作等をここでも紹介しておきましょう。
今回の受賞者に、過去の受賞歴等は見当たりませんでした。編集部特別賞の高山さんの絵柄なんて、かなりプロっぽく思えたので、てっきりベテランの投稿者さんかと思ったんですけどね。
……という文言なんですが、これ、画力についての部分以外は先週連載が始まった『闇神コウ 〜暗闇にドッキリ〜』(作画:加地君也)にそのままあてはまっちゃう気がするんですが(苦笑)。 この「天下一漫画賞」は次回の3月期(既に応募は締め切り)で最後となり、翌月からは「ジャンプ十二傑新人漫画賞」にモデルチェンジされます。というか、3月期に間に合ってしまった応募者の人って、結構可哀想なんですが(苦笑)。 ──それでは、今週もレビューとチェックポイントの方へ。今週のレビュー対象作は新連載レビュー1本のみとなります。 ☆「週刊少年ジャンプ」2003年18号☆ ◎新連載『★SANTA!★』(作画:蔵人健吾) 「ジャンプ」の新連載シリーズ第2弾は、先週の加地君也さんに続いて初の連載獲得となった蔵人健吾さんの『★SANTA!★』です。 例によってまず絵からですが、多少クセはあるものの力量はかなりのものが認められます。駒木は以前──この作品の読み切り版が掲載された頃から、蔵人さんの画力には注目していたのですが、連載にあたってアシスタントを使えるようになったせいか、ここに来て更に上積みがあったようです。 で、次にストーリー・設定面。 第1回のシナリオそのものは少年マンガ……というか「ジャンプ」作品の王道的シナリオで、有り体に言って“目新しさは無いが、手堅い印象を与える”…という感じでしょうか。 しかし、駒木がそれ以上に気になるのはセリフやモノローグにおける言葉遣いの拙さです。この点に関しても駒木は読み切り版の頃から指摘させてもらっていたのですが、残念ながら1年を経た今でも大幅な改善は出来なかったようです。 ……というわけで、少なくとも第1回を読んだ限りでは、この作品は「ソコソコ美味い素材なのに、それをソースで台無しにしてしまった失敗作のフランス料理のようなもの」…と言わざるを得ません。暫定評価は、画力やある程度の手堅さを考慮してもB−寄りBというところでしょう。せっかくのチャンスを1クールで手放さないためにも、早急な改善策を練ってもらいたいものです。 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 今週で『ストーンオーシャン』(作画:荒木飛呂彦)が打ち切り気味の(?)最終回。アンケート人気万年最下位クラス&単行本売り上げ低迷という状態では、さすがの“優遇作品”も立場が弱くなっちゃうんでしょうなぁ。 ホントに凄い人出たー!(爆笑)。 ◎『プリティフェイス』(作画:叶恭弘)【現時点での評価:B+/雑感】 巻末コメントでは平謝りの叶さん。しかし、「ジャンプ」で原稿落とした事を謝られると、「あぁ、やっぱりこれってマズい事なんだなぁ」って思わされてしまいますよね(笑)。
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2003年度第3回講義 |
業務縮小後、初の新シリーズ立ち上げです。 あと、これからこの講義では観戦記に交えて、駒木のプロレス論的なモノも展開していきます。 ※講義の内容上、文体は常体(だ、である調)かつ、やや荒っぽい表現になります。ご理解下さい。 神戸・サンボーホールはJR・各私鉄の三宮駅から徒歩で約15分、貿易センタービルなどがあるビル街の程近くにひっそりと建っている2階建ての小じんまりとしたイベントホールである。 かく言う駒木も、このサンボーホールでは色々な思い出がある。 ただ、玉にキズなのは、この会場の天井は異様に低く、ヘビー級の選手がトップロープ上に立つと頭がぶつかりそうになってしまうのだ。実際、駒木が観た中でもハヤブサが豪快に天井へ衝突した事があった。 さて、とりあえず思い出話はそれくらいにして当日の見聞に話題を移そう。 まずは会場到着から試合開始まで。 会場に入ると、すぐ近くに臨時の売店が設営されていて、所狭しとTシャツなどのグッズが並べられていた。「ライブの時にTシャツとか売ってみると、それで結構な小遣い稼ぎになるんスよ!」…とラジオで大槻ケンヂが言っていたが、多分プロレス界でもそうなのだろう。で、売店の中には大谷晋二郎、田中将斗両選手がいて、自分名義のTシャツを買ったお客さんにサインをしてあげていた。 ……さてさて、残念ながら切迫する財政は今回も容赦なく、駒木はパンフレット(1500円)だけ購入して座席に着くことになった。そんな状況下でもパンフレットを買ったのは、折り込まれている“本日の対戦カード”を入手するためだ。生観戦経験のある人はご存知だろうが、プロレス業界の慣習として、その日の対戦カードを一覧表にしたものはパンフレット購入者にしか渡してくれないのである。 と、ここで気がつけば時計の針は18時半を回ろうとしている。えらくノンビリしてるなぁと思っていたら、案の定「試合開始が少々遅れます」とのアナウンスが。 |
2003年度第2回講義 |
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一昨日の“前半”に引き続き、今日は“後半”です。 で、“後半”は「週刊少年サンデー」関連の情報やレビュー、チェックポイントを中心に、更には“前半”と同じように、他の雑誌などに掲載された作品のレビューや「読書メモ」などをお送りします。 今週は「サンデー」関連の情報は特に無いのでお休み。レビュー対象作もありませんので、「チェックポイント」だけお送りします。 ☆「週刊少年サンデー」2003年18号☆ 最近気になってるのが、“短期集中連載”中の『電人1号』。今週でもう7話目なのに、まだ終わる気配が見えません。一体、どうするつもりなんでしょうかねぇ……? ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ ◎『ファンタジスタ』(作画:草場道輝)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 イタリア編が一区切りついて、今回からオリンピック編。どこまで連載続くか分かりませんが、舞台もてっぺいも日本とイタリアを往復し続けるみたいですね。 ◎『いでじゅう!』(作画:モリタイシ)【現時点での評価:A−/雑感】 “5階建てビル編”は3回で完結。まぁギャグマンガですし、これくらいでまとめるのが正解でしょう。しかし、知らない内に絵柄が随分変わった気がするんですが、錯覚でしょうか? ◎『からくりサーカス』(作画:藤田和日郎)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 こちらも“一時閉幕”。いよいよ次回から“からくりサーカス編”が始まるってことになるんでしょうか。それにしてもこれだけ長期間、テンション下げずにこれだけのエピソードを描き切る技量っていうのは本当に凄いですよね。 ◎『モンキーターン』(作画:河合克敏)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 こういうリアル系のスポーツ物っていうのは必殺技とか魔球の類の超能力とか出せないわけですが、スペシャルぺラとかVモンキーとかでその“代用品”を作ってるのが見事ですよね。競艇なんて、レースシーンもワンパターンで結構地味なのに、よく演出できてると思います。 ◎『DAN DOH !! Xi』(作:坂田信弘/画:万乗大智)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 いよいよ次回最終回。来週には簡単な総括をさせてもらいます。 ◎『かってに改蔵』(作画:久米田康治)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感?】 1年半かけてウェブサイトを成功させた事で、ネット以外の社会生活をボロボロにした駒木は勝ち組なんでしょうか、負け組なんでしょうか?(苦笑)。
まぁ当ゼミの評価なんて、ゴマンとある意見の1つに過ぎないわけですが、それでも他に確固たる判断材料もありませんので、とりあえずそれで振り返ってみますと、8作品中B+評価が3作品ある一方で、B−評価、またはそれに近いB評価も5作品ある…という結果になりました。 ですが、この賞が「賞金総額1億円、グランプリには連載1年保証」というケタ外れの特典を売り物にした、看板作品発掘のための賞である事を考えると、やはり今回のエントリー作品は物足りなさが否めません。 ……元々、この「世界漫画愛読者賞」のグランプリ選出方式には、以前「徹底検証! 世界漫画愛読者大賞」で指摘したような重大な問題点がいくつもあるわけですが(グランプリ信任投票のみその後に改善)、去年と今年の応募者の顔ぶれを見る限り、“問題以前の問題”を抱えているように思えてなりません。つまり、グランプリに相応しい作品を読者投票で適正に選び出す以前に、グランプリに相応しい作品そのものが存在しないんです。 最後に「総合人気投票」の投票行動公開ですが、駒木は以前から予告していた通り、『大江戸電光石火』に投票することにしました。 |
2003年度第1回講義 |
業務縮小後1回目の講義をお送りします。 さて、装いも新たに“分割版”として帰って来ました「現代マンガ時評」ですが、タイトルの通り、今後はこれまでの内容を週2回に分割してお送りする事になります。正直言って、これまでのボリュームだと一晩で講義の準備するのはかなりキツいんですよね。ですので、講義回数を水増しする意味も込めて(苦笑)分割させて頂く事にしました。 どうぞ、新しくなった「現代マンガ時評」をこれからも宜しくお願いします。 ……それでは早速、本題に移りましょう。まずはいつも通り情報系の話題からです。 今週号(18号)の「週刊少年ジャンプ」誌上において、同誌の月例新人賞・「天下一漫画賞」が、03年度4月期から「ジャンプ十二傑新人漫画賞」へリニューアルされる事が発表されました。 この「ジャンプ十二傑新人漫画賞」は、各賞の賞金が「天下一」に比べて大幅増額(入選50万円→100万円、準入選30万円→50万円、佳作20万円→30万円、最終候補3万円→5万円)され、その月の最優秀作品に贈られる“十二傑賞”(賞金10万円加算+受賞作掲載確約)も新設されました。 懸念材料としてはデビューまでのハードルを低くした事で低水準の作品が掲載されてしまうかもしれない事でしょうか。でも、現在の“新人・若手枠”である「赤マルジャンプ」や代原作品のレヴェルを考慮すると、「どうせ駄作を載せるなら、埋もれた若手より可能性のあるド新人」…という気がしないでもないですね(苦笑)。 ☆「週刊少年ジャンプ」2003年18号☆ ◎新連載『闇神コウ 〜暗闇にドッキリ〜』(作画:加地君也) 今年の「ジャンプ」は変則的な連載入れ替えをするようで、4月になってようやく今年最初の新連載シリーズが開幕することになりました。 まず絵ですが、アシスタントさんを確保したためか、読み切り時よりは完成度が上がっています。特にカラーページの色塗りはなかなかの腕前で、さすがにキャリアを感じさせてくれますね。 次にストーリー、設定面についてですが、まず連載化にあたって舞台を平安時代から現代に修正したのは良かったと思います。作品の“ノリ”からして、時代物長編にするには無理がありましたので。 総合すれば、絵は連載作品として平均以下、ストーリー面でも問題アリと、前途多難の船出になってしまいました。果たして短期間で弱点を修正する事が出来るのでしょうか。その辺り、再来週の後追いレビューで再度検討してみたいと思います。
今週は『プリティフェイス』が締め切りに間に合わず、代原の掲載となりました。 今回の代原作品・『みんなで暮らせばいいじゃない』の作者・ゴーギャンさんは2人組の合作ペンネームで、第52回(2000年上期)赤塚賞の佳作受賞者。その受賞作を含めて2000年に2回代原による本誌掲載を果たしています。今回はそれ以来、約2年半ぶりの復帰作ということになりますね(代原ですが)。 ……まぁどうでもいい話はさておき、作品の内容に話題を移しましょう。 まず絵ですが、パッと見には小奇麗に見える絵柄ではないかと思います。ギャグ作家としてなら許容範囲内と言えるかも知れません。 ギャグの方も問題アリと言わざるを得ません。1つ1つのネタに意外性が足りませんし、ボケとツッコミの間が異様にせっかちで、読者にしてみれば笑うに笑えないのです。何だか、売れない若手グループが緊張の余りネタを上滑りさせながらコントをやっているみたいで、ちょっと読んでいて辛かったです。 評価はC寄りB−としておきましょう。新人・若手ギャグ作家の人材不足が深刻な現在の「ジャンプ」、望まれているのはゴーギャンさんのような若手作家さんが“大化け”する事であるはずなのですが……。 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ ◎『アイシールド21』(作:稲垣理一郎/画:村田雄介)【現時点での評価:A/雑感というか雑談】 いーなぁ、ワイルドガンマンズのハーフタイムショー(笑)。 ◎『Mr.FULLSWING』(作画:鈴木信也)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 喘息持ちで、たびたび原稿の遅れる鈴木さん、巻末コメントによると今回も未完成原稿を載せる羽目になってしまったとか。でも、『HUNTER×HUNTER』で慣らされているせいか、全然違和感ないんですけどね。あ、いや、全く躍動感の無いアクションシーンにはいつも違和感感じまくってますが(苦笑)。 ◎『ピューと吹く! ジャガー』(作画:うすた京介)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 今やってるギター大会シリーズ、奥が深いなぁ(笑)。60〜70年代の熱血マンガの可笑しい部分だけを抽出して、その上で21世紀で通用するギャグマンガに仕上げてますからねぇ。特に端役キャラの台詞がいちいちレトロな雰囲気で笑えて仕方ないです。
◇駒木博士の読書メモ(4月第1週前半)◇ ◎『エンカウンター 〜遭遇〜』(作:小林ユウ/画:木之花さくや)【連載中断前の評価B−/雑感】 このコーナーを新設するにあたって、やはりこの作品を真っ先に採り上げないわけにはいきませんね(笑)。「世界漫画愛読者大賞」グランプリと、当講座選定「ラズベリーコミック(年間最悪マンガ)賞」の二冠(苦笑)に輝いた『エンカウンター』、ついに半年の休載を経て再登場です。 で、問題の内容ですが、原作者を入れ替えた甲斐があって、明らかにストーリーの体を成していなかった休載前よりはマシになっていますね。
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