「社会学講座」アーカイブ
※検索エンジンから来られた方は、トップページへどうぞ。
講義一覧
4月29日(月・祝) 現代社会学特論 |
祝日だろうが講義を実施する、我が社会学講座、今日も平常業務です。ただし、明日はウィークデーですので、短めの講義になります。ご了承下さい。 ↓レジュメへのリンク一覧です
さて前回は、『ここでキスして。』で初のスマッシュヒットを達成した林檎さんが、さらなる音楽活動を進めるも入院加療を余儀なくされて……というところまでお話しました。 肝心なところで戦線離脱を余儀なくされた林檎さん。しかも1stアルバム『無罪モラトリアム』の発売は目前に迫っていました。当時の林檎さんの心情といったら、無念でたまらなかったと思われます。 しかしこの時既に、“椎名林檎”という一本の木に大きな実をつける準備が全て整っていたのです。 1999年3月第2週のオリコン・アルバム週間ランキング、この週に初登場となった『無罪モラトリアム』は、いきなり2位にランクインしました。 そして『無罪モラトリアム』は、当の林檎さんが療養中であるにもかかわらず、何週間経っても滞る事無く売れ続けてゆきました。大半のレンタル店は仕入れの数を読み違え、何週間経とうと全てのCDが“レンタル中”状態で、ようやくレンタルできた頃には歌詞本がセロハンテープで補強されている有様でした。 結局、この『無罪モラトリアム』は、通算78週100位以内にランクイン。累計売上枚数も143万枚と、デビューアルバムにして見事ミリオンを達成しました。 そして、療養から復帰すると同時に、J-popのメジャーアーティストの仲間入りを果たした林檎さんは、大ヒットに奢る事無く、さらに精力的な活動を続けていきます。 まずは初の全国ツアー・「先攻エクスタシー」をスタート。今ではお馴染みとなった拡声器を初めて使用したのがこの時です。その他、当時のトレードマークであったSM用ムチはもちろん、タンポンやコンドームもライブの彩りを添えたと報告されています。 さらには松任谷由美──ユーミンのトリビュート・アルバム『DearYuming』収録の『翳りゆく部屋』に参加するという名誉にも与ります。これは、椎名林檎という名前が業界の隅々にまで浸透していた事を証明する出来事でもありました。 そしてこの時期、最も印象的な出来事は秋にありました。 この“東芝EMIガールズ”、1人は宇多田ヒカル、そしてもう1人が椎名林檎さんだったのです── この時の歌は、一般人シャットアウトのシークレットライブだったにも関わらず、どこからともなく録音テープが流通し、やがて大ブームを迎えた“ナップスター”を媒介に、全国各地のハードディスクへと行き渡っていきました。この曲聴きたさに“ナップスター”をダウンロードした人も多いと言われ、まるでVHSに対する『洗濯屋ケンちゃん』のような存在になったという伝説が囁かれています。 デビューから1年余、デビューに失敗したはずの新人アーティスト・椎名林檎は、いつの間にか押しも押されぬトップ・アーティストの地位を確立していました。 ですが、この時、彼女の心中にはある1つの決心が秘められていたのでした── (次回へ続く) |
4月28日(日) 広報産業概論 |
|
受講生の方でも、日頃よく電車を利用される方も多いと思います。 駒木などは、必ずカバンの中に文庫本や雑誌を“完備”しておりますので、電車は一種の図書室のような役割を果たしており、有意義に時間を過ごしています。 ちょっと話がズレましたね。 そんな車内広告で代表的なものといえば、やはり週刊誌などの雑誌広告でしょう。まさに車内広告の花形とも言えます。 と、そんな消費行動に絶大な影響を与える車内広告に、一風変わった広告が登場しています。
……なんと、 元祖ギャルゲー・『ときめきメモリアル(以下、『ときメモ』と略)』(以下、『ときメモ』と略)』のタイピングソフト広告が、東京は山手線の吊革のカバー部分に掲載されるというニュースです。広告の内容は、『ときめきメモリアルタイピング」のロゴと、『ときメモ』に登場する女の子キャラがバストアップで描かれたイラストで構成されています。 ただ、この『ときメモ』吊革広告、目を引く事は確かなのですが、実効性としては疑問が残ります。 …この広告の成否は、後々までの販売成績を見た後に判断しなければなりませんが、このままいくと、結局は山手線の車内を、ピンクチラシで溢れた電話ボックス状態にしただけで終わってしまいそうな気がします。大丈夫でしょうか。
それにしても車内広告には、『ときメモタイピング』ばかりではなく、色々と変わった業種のものも存在します。 しかし、そんな多種多様な車内広告業界の中でも、とてつもなく異彩を放つ車内広告が存在します。主に神戸市営地下鉄や神戸電鉄でしかお目にかかれないローカル広告ですが、そのインパクトは明らかに世界ランカーのそれであります。 この「有馬ビューホテル」は、高級ホテル並の天然温泉浴場を完備し、宿泊者向けの料理も準一流クラスの旅館と遜色ないものを提供しているのが本来のウリ。まさにヘルスセンターの域を凌駕している、無闇矢鱈に凄い施設なのですが、何故か車内広告ではそこの部分には大して触れられていません。 まずはこの方から。
マジック中島&ひろみ
……こら、そこのキミ、「誰?」とか言わない! この中島さんは、小林旭の歌マネという、他のマジシャンには不可能な得意技を持った凄い人なんだぞ。
では続きまして…。日本音楽シーンの革命児! 全てのジャンルを超越した“ニューロック民謡”を標榜し、日本各地を拍手の渦に巻き込む凄い奴ら、その名も……
天馬鈴若とその一味!
……いや、「だから誰だよ?」とか言わない! ……では次に………え? もういい? どじょうすくい梅月流の重鎮・中西梅月! 故・春日八郎公認の後継者で、今は有馬を拠点に故人の遺業を語り次ぐ実力派歌手・柏木三千雄! テイチクレコードが誇る、北神戸一のデュエット・神戸文彦&新井由美! 神戸文彦さんは、なんと舞踊ショーの主演男優でもある、2足のわらじの芸達者。まさに演芸会のチョコボール向井であります。 そして、このステージを取り仕切る司会者は、「ワシじゃ、ワシじゃ」でお馴染みのものまね漫談師・坂本良! ……どうですか。この、全員の知名度を足しても「素人名人会」の“ごもくめし”とドッコイドッコイ、という凄まじいラインナップ。 ……と、このオン・ステージのお知らせが広告の大部分を占める「有馬ビューホテル」の車内広告。そのインパクトや絶大であります。ステージを見たい見たくないは別にして、広告を見た乗客全てに鮮烈な印象を叩き込むこの広告、まさに車内広告のお手本と言うべきものでありましょう。 今からでも遅くありません。『ときめきメモリアルタイピング』の車内広告は、「有馬ビューホテル」とのコラボレーション広告に変更し、乗客に問答無用のインパクトを叩きつける意匠で勝負するべきであります。 広告業界の明日はどっちだ!? といった、無用の波紋を巻き起こしつつ、今日の講義を終わります。(この項終わり) |
4月27日(土) 競馬学特論 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◆天皇賞(春) 予定調和と裏切りの中で◆ あれはいつだったろうか。研究室で珠美ちゃんがこんな事を言っていた。 「春の天皇賞って、良いですよね。馬券は獲りやすいし、レースそのものも、大抵はハッピーエンドで終わるじゃないですか。良いレースが観られて、少しだけでもお金が増えるなんて、“ささやかな幸せ”って感じで良いと思いません?」 珠美ちゃんが競馬を見始めたのは高校に入学した1996年の春からだが、当時は完全な初心者で、レースの印象どころじゃないはずだから、彼女が話の前提としているのは翌97年以降のレースだと考えていいと思う。 では、僕も珠美ちゃんと同じ考えかというと、実はそうでもない。この天皇賞(春)というレースで僕は、ハッピーエンドとほぼ同じ数だけのバッドエンドを見せられている。96年のナリタブライアン−マヤノトップガン不発の時なんて、精神的にも経済的にも大いにダメージを受けたものだ。当時の僕は、量産型・福沢諭吉の肖像画を馬券販売機に突っ込んでしまう青臭いガキだったのだ。 それにしても、このイビツなハーモニーはどこに根源があるのだろうか。とりあえずはその理由を探るため、少しばかりこのレースの分析を試みてみたい。 過去10年の天皇賞(春)を振り返ってみると、各年度のメンバー構成によって、10のレースが大きく分けて4つのパターンに分類される事に気が付いた。 (1) 1頭の馬に人気が集中している“一本被り” 普通のレースでは、“卍どもえ(4頭で接戦)”や“実力伯仲(今年の皐月賞のような大接戦)”というパターンも見受けられるが、少頭数で個々の出走馬間の実力差が比較的大きい天皇賞(春)では、なかなかお目にかかれないようだ。 まず、(1)の“一本被り”パターンに当てはまるのが、93年(1番人気:メジロマックイーン)、94年(同:ビワハヤヒデ)、01年(同:テイエムオペラオー)の3回で、これらは3度とも平穏な結果に終わっている。即ち、1番人気馬の2勝2着1回、平均馬連配当443円である。 次に(2)の“一騎討ち”パターン。これは92年(メジロマックイーンVSトウカイテイオー)、96年(ナリタブライアンVSマヤノトップガン)、98年(メジロブライトVSシルクジャスティス)の3回。 (3)の“三つ巴”はどうだろうか? こちらは97年(マヤノトップガン、サクラローレル、マーベラスサンデー)、99年(スペシャルウィーク、メジロブライト、セイウンスカイ)、00年(テイエムオペラオー、ラスカルスズカ、ナリタトップロード)が該当する。00年に関しては(1)パターンに足を半分突っ込んでいるが、人気馬の成績などを考慮すると、こちらの方に入れた方が良いと判断した。 最後の(4)、“群雄割拠”パターンは95年。レース直前にナリタブライアンが戦線離脱をして、一気に混迷の度を深めたレースである。今に比べて最強馬クラスの故障が多かった当時には時折見られる光景であった。 人気通り収まったのは(1)と(3)のパターンで10年間に6度。荒れるのは(2)と(4)のパターンで4度。見事なまでに“イビツなハーモニー”といったところだろう。 一騎討ちが成立しないとしては、ただ単に「2頭とも凡走しない確率が低い」という理由の他に、人気馬の騎手が相手を潰しにかかるからでもあるのだろう。騎手は己が勝つことが最優先。客がどんな馬券を握ってようが関係無いのである。 …というわけで、僕がこのレースに抱く印象は、おそらく(2)のパターンが大きく影を落としていると言えるのではないかと思う。 さて。では今年の天皇賞(春)はどうか。 まずマンハッタンカフェは、年明け緒戦となった前走の日経賞で、自身を除けばオープン特別のようなメンバー相手に不可解な惨敗を喫した。 次はナリタトップロード。いやはや、それにしてもナリタトップロード、である。 さて、3強最後の1頭はジャングルポケット。
ところで、三つ巴の枠外に置かれた8頭はどう扱えば良いだろうか。 阪神大賞典はナリタトップロードが勝っているので詳しくは割愛するが、天皇賞(春)への影響度はダントツであるとだけ述べておこう。 阪神大賞典と並ぶ、天皇賞(春)のステップレース・日経賞を勝ちあがったのはアクティブバイオ。条件馬の身分から、大金星を挙げた形である。 もう1つのステップレースとされている大阪杯。これを勝ったのはサンライズペガサス。1番人気での快勝の上に、エアシャカールを破ったという付加価値も大きい。 貴重な3200mの重賞レース・ダイヤモンドSを勝ったのはキングザファクト。 現在、日本の平地レースでは最長距離のレース・ステイヤーズSを勝ったのはエリモブライアン。 変わったところではオープン特別の万葉S。今年の勝ち馬はアドマイヤロードだが、かつてラスカルスズカが圧倒的人気に応え、後の天皇賞2着に繋げたケースもあり、全く無視は出来ないであろう。 さらに変わったところでは、ダービー4着が勲章というボーンキング。 結局、3強への挑戦権を獲得出来そうなのはサンライズペガサスだけ、ということになるのではないか。本来はエリモブライアンも圏内に入れなければならないのだろうが、あまりにも臨戦過程が悪すぎる。調教で走れない馬が、3200mのレースで番狂わせを演じるだなんて、ちょっと虫が良すぎる話だ。 さて、ちょっと長々と文章を書き連ねすぎた。そろそろまとめに入ろう。
結局、本命は地力の最大値を買ってマンハッタンカフェとした。しかし、もちろん他の3強の2頭と差は無い。 珠美ちゃんは珠美ちゃんなりのハッピーエンドを思い浮かべているようだ。それもまた、良し。 貴方のハッピーエンドは、もう浮かんでいるのだろうか? |
4月26日(金) 現代社会学特論 |
|
いやはや、いつの間にか11回目ですよ。 ↓レジュメへのリンク一覧です
さて、先程の冒頭部分を、さりげなく「何卒」と締めましたが、このフレーズは林檎さんが『歌舞伎町の女王』のキャンペーン活動中、意識的に使用していたフレーズでありました。 ……と、そうした林檎さんの孤軍奮闘にも関わらず、2ndシングル『歌舞伎町の女王』のセールスが不発に終わってしまった事は、前回の講義で述べた通りです。
地道な活動ながら、さりげなく危ない橋も渡っている辺りが、いかにも林檎さんらしくて素敵です。また、図らずも、広末涼子と谷口崇の間における歌唱力とCDセールスの不整合が垣間見えてしまい、ややブルーにさせられたりもしますが。 更に、こうした一連の活動と並行して、林檎さんは3rdシングルの製作に力を注ぎます。 そして、年が変わって1999年。 3rdシングル『ここでキスして。』は、発売からオリコン週間ランキングで11→11→13→10→17位と渋太い売れ行きを見せました。一見地味な売れ行きに感じられますが、当時のある音楽業界人の言葉を借りると、「これまでの常識では全く“売れセン”じゃないこの楽曲でこの順位は驚異的。こんな(J-popらしくない)曲がオリコンでベスト10に入ったらアカンやろ、と思った」という、快挙ならぬ“怪挙”だったようです。 この成功で、これまで本来とは逆に回転していた運命の歯車が面白いように回り始めます。一気に増えたTV番組への露出、初めての単独ライブ敢行など、今までにも増して精力的な活動が目立つようになりました。 しかし、名古屋での単独ライブを終え、1stアルバム発売を目前に控えた2月、生まれつき丈夫でない体での激務が祟ったのか、林檎さんは“急性化膿性炎症”という病気で入院加療を余儀なくされてしまいます。 椎名林檎大ブレイクの時は、もう間近に迫っていたのです。 (次回へ続く) |
4月25日(木) 演習(ゼミ) |
週に1度のゼミの時間です。 そう言えば、先々週辺りから終わる終わらないで混乱してしまってた『サクラテツ対話篇』ですが、案の定というか今週で打ち切り最終回となりました。藤崎竜さんは連載3作目にして2度目の打ち切り。残る1つが、あの『封神演義』でしたから、まだまだ週刊から追い出される事はないでしょうが、次回作で正念場になるような感じですね。 では、今週分の作品レビューに移ります。今週のレビュー対象作は4作品(「ジャンプ」2作品、「サンデー」1作品、“その他”1作品)です。レビュー中の7段階評価の表はこちらをどうぞ。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年21号☆ ◎読み切り『ヒカルの碁・番外キャラ読切シリーズ・倉田厚』(作:ほったゆみ、画:小畑健) 不定期シリーズ連載の第5弾です。ちなみに次号で藤原佐為編が掲載されます。まだ和谷とか、葉瀬中編のキャラクターが結構残ってますので、まだしばらくこのシリーズは続きそうですね。(とか書いてると、佐為と和谷で終わり、とか発表されそうで怖いんですが) で、今回はプロ編、そして来るべき第2部のキーパーソンとなりそうな、巨漢強豪若手プロ棋士・倉田にスポットを当てた番外編です。 しかし、今回はもはや囲碁マンガじゃなくて競馬マンガになってしまってますねぇ。囲碁の対局シーンが出てくるのは最後の方の数コマだけ。まぁそれでも、主人公のヒカルを絡めながら、ちゃんとプロ棋士・倉田のルーツを探るという筋立てになってますので、違和感はほとんど無いんですが。このあたりはいつもながら感心させられます。 それにしても、このシリーズが始まるまで全く意識してなかったんですが、原作者のほったゆみさんって、かなりギャンブル系の話が相当好きみたいですね。少年マンガとしては、もはや異質と言っていいくらいです。ひょっとしたら、『ヒカ碁』が大団円を迎えた後は青年誌でギャンブルマンガでも始めるかもしれませんね。 ただ、競馬学の講師として言わせて頂くと、ディティールにおいて若干のミスが見受けられますので、指摘させて頂きます。 しかしそんな細かいミスをあげつらうよりも、作品全体の完成度を素直に評価するべきでしょうね。競馬のレース描写なんかも、「週刊少年マガジン」系の競馬マンガより余程リアルだったりしますし(笑)。
◎読み切り『HAT HAT HAT』(作画:吉津遼) 『HUNTER×HUNTER』の代原です。今週は休載理由が、いつもの「作者都合のため」ではなくて「急病のため」とあるので、かなり切羽詰った事情がありそうです。 それはさておき、この作品の作者・吉津遼さんは、第61回(2001年上半期)の「手塚賞」佳作と第58回(01年5月期)「天下一漫画賞」佳作の受賞者という、駆け出しの新人さん。「天下一──」の受賞作が増刊「赤マルジャンプ」に掲載されて以来の作品掲載という事になるのだと思います。 それでは、この作品は詳細にレビューを。 次にストーリーなんですが、う〜ん…………。 評価はB−。有り体に言えば、こういう作品を“独り善がり”と言うのでしょうね。悪くない素質を持っているだけに残念でした。今後はもう少し、読者に向けたサービス精神を持つように心がけてもらいたいものです。自分が「面白い」と思える作品を描く事も大事ですが、それが“自分だけ「面白い」”作品になってしまっては、雑誌に載せてお金を貰う意味は有りません。
☆「週刊少年サンデー」2002年21、22合併号☆ ◎新連載『一番湯のカナタ』(作画:椎名高志) 『GS美神極楽大作戦!!』で大ヒットを飛ばし、その前後に発表された作品でも好評価を得ている椎名高志さんの連載復帰作になります。 ストーリーの大筋は、「サンデー」本誌の表紙に載っていたキャッチコピーが的確なので、そのまま引用させて頂きます。 絵に関しては、当然ながら特に指摘する点も無いのですが、よくよく考えてみれば、椎名さんはこれだけたくさんの作品を描いている割には、キャラの描き分けがしっかり出来ているんですよね。マンガ家さんによっては、どの作品でも同じような顔が出てくる事があったりするのですが、椎名作品でキャラ顔のダブりというのは意外と少ないんじゃないでしょうか。 そしてストーリーですが、これが完成度が高くて驚きます。いや、本当は驚いてはいけないんでしょうけど。 評価はとりあえずA−。今後、新キャラが登場して話が更に盛り上がっていくならば、当然評価が上がる余地は十分にあります。読むのが楽しみな作品がまた1つ増えました。
《その他、今週の注目作》 ◎新連載『医龍-Team Medical Dradon-』(ビッグコミック・スぺリオール2002年10号掲載/作画:乃木坂太郎) 今回は「ビッグコミック・スペリオール」から注目作を紹介させていただきます。 まず作者紹介。乃木坂太郎さんは、1999年に「少年サンデー」の月刊増刊でデビュー、その後、2000年11〜12月に「週刊少年サンデー」で『キリンジ』という作品を短期集中連載していますが、人気が出ずに長期連載には至らず。その後は主だった活動は伝わって来ませんでしたので、恐らく今作が1年5ヶ月ぶりの復帰、及び青年誌への移籍第1作になるのだと思われます。 この作品は、一言で言えば医療モノ。それも「腐った大学病院医療に一石を投じる」というスタンスの作品です。 とりあえずの評価はA寄りのA−。是非、ご一読を。
……以上が今週分のレビューでした。それでは、また来週。 |
4月23日(火) 現代国際情勢 |
||
西アジア中東はイスラエル・パレスティナ自治区内の紛争が、ここ最近激しさを増していっています。 このイスラエルとパレスティナ(アラブ系イスラム教徒)の紛争は、ムハンマド時代以来のイスラム教とユダヤ教との対立に端を発し、20世紀初頭のイギリス二重外交のせいで泥沼化した領土問題が加わり、もはや根本的な解決は不可能と思えるほどにこじれてしまっています。 さて、そんな緊張の糸が張り詰めたイスラエルから、下痢をしているケツの穴も緩んでしまいそうな、何とも間の抜けたニュースが世界中に向けて発信されました。それもあろう事か日本人関連のニュースだったのですから、まったくもって始末の悪い話です。
すぐ側で銃撃戦やら自爆テロが頻発しているまっただ中を観光案内のガイドブック片手にほっつき歩いていたのは、東京在住で半年がかりの世界旅行を楽しんでいたナカノ君(28)と彼女のタカハシさんの2人連れ。 彼らの目当ては、ベツレヘムのパレスティナ人自治区にある“生誕教会”。古代ローマ帝国でキリスト教を初めて公認したコンスタンティヌス帝が、イエス=キリストが現世に生誕したとされる洞窟の上に建てたもので、その由来や建築年代(西暦325年)から考えると、世界遺産級の建造物であります。 もともとこの教会は、中世の十字軍によって要塞として改築されており、有事の際には格好の篭城用施設となっていたのでした。 ……と、いつの間にか話がズレておりました。 ↑保護される直前の彼らの姿です。 ……とまぁ、何はともあれ、彼らはどうにか命を永らえる事が出来ました。しかし、そのために支払った代償はかなり大きかったようです。 例えば、ほとんど小説の執筆もしないくせに「作家」を名乗り、「とにかく毒舌でモノ書きゃあいいや」とTV番組や政界を斬りまくるコラムを書いてばかりいる“作家”の麻生千晶さんは、このバカップルをこう評しました。
いつもながらツッコミどころ満載の辛口評であります。 ……というわけで、受講生の皆さんはくれぐれもこのようなバカな真似はしないようにして頂きたいと思います。 例えば、駒木が目撃したものでこのような出来事がありました。 あれは昨年の夏、神戸三ノ宮に「とらのあな」という、主に成年向けのマンガと同人誌を扱うチェーン店がオープンした時の話です。 そして、それは開店間もなくして現実となりました。 小学校中学年と思しき男児とその母親が、ベツレヘムにチン入したバカップルよろしく、「とらのあな」店内の奥深くに足を踏み入れてしまったのです! そう、そこには四方八方、どこを振り向いても視界に飛び込んでくるのは、 エロ絵! エロ絵! エロ絵!
……哀れにもこの母子は、「可愛らしい少女が、顔面いっぱいに“放送禁止用語を使用しないと説明できない汁”を浴びせ掛けられた絵」を凝視したまま、その場で立ち尽くし硬直してしまったのです……。 …いかがでしょうか? 正にこれこそ日常に潜む罠であります。 ……と、時間が来ました。今日はこの辺りで講義を終わりたいと思います。では、くれぐれもお気をつけて。(この項終わり) |
4月22日(月) 現代社会学特論 |
“コスタリカ方式”の片方、行動社会学は終了しましたが、こちらの方はまだしばらく続きます。 今日は時間の都合で短縮バージョンとなりますが、どうぞよろしく。レジュメは以下のリンクからどうぞ。
前回では、ついにデビューを果たしながらも、レコード会社との呼吸が合わずに散々なCDデビューをする事になってしまった林檎さんのお話をしました。今回は、捲土重来を期して、まさに孤軍奮闘する林檎さんのお話をしてゆきたいと思います。 ……さて、先にも述べました通り、林檎さんは名曲『幸福論』を引っさげてデビューを果たしながらも、オリコンランク外の“大ハズレ”の屈辱を味わう羽目になりました。その原因は何処にあったのでしょうか? それは、イメージ戦略であります。 高度に商業化された現在の音楽業界では、歌そのものよりも、“消費者の購買意欲をかき立てるイメージ”が重要であります。多くの人の目を釘付けに出来た人だけが、耳をも釘付けにできるというわけです。 なので、現状のコンセプトを維持していては、浮かばれる者も一生浮かばれません。林檎さんには大幅なイメージチェンジが急務でありました。 そんな中でのイメージ戦略の転換は、林檎さん本人を中心に動き出しました。 そんな中で98年9月に発売が決まった2ndシングルのA面は『歌舞伎町の女王』に決定。いよいよ“新宿系自作自演屋”椎名林檎の誕生です。当時流行りの“渋谷系”に対抗して考案されたこのコピーは、怪しくてアングラ的な魅力を持つ彼女のイメージにピッタリのモノであったと言えるでしょう。 さらに、『幸福論』の時にはプンスカプンな出来に終わったビデオクリップも、ここで大幅にテコ入れが行われます。 しかし悲しいかな、ここまで売れる条件を自力で備える事に成功しても、最終的にセールスをかけるのは、あの東芝EMIであります。終わり良ければ全て良し、と言いますが、逆もまた真なり。終わりがスカなら全てスカなのであります。 予期せぬ2連敗。いよいよアーティストとしてシャレにならない立場に追い込まれた林檎さん。 |
4月21日(日) 行動社会学 |
|
さて、駒木流自分探しの旅、縁日アルバイト日報も今回が最終回です。果たして受講生の皆さんに興味を抱いて頂けたか、最後まで掴めないままでしたが、とりあえずお付き合い頂けて幸いです。 前回までのレジュメはこちらから→第1回/第2回/第3回/第4回/第5回 それでは、最終回のレポート本文に入ります。例によって文体を常体に変更してお送りします。 3月30日(土) 再び10時〜18時シフト。今日の担当は射的、ジャンボ輪投げ、スーパーボールすくい、「つりぼり」(第1回参照)を時間帯によって掛け持ちするという、なかなかハードなシフト。普通の縁日で言えば3つ4つの屋台を掛け持ちしているようなもので、ある意味本職のテキヤ以上にヤヤコシイ事をさせられている。メチャクチャと言えばメチャクチャだし、今のご時世を象徴しているとも言えるが。 今日で営業5日目。いよいよ客として来る子どもたちの頭の良し悪しまで分かるようになって来た。昨日までで理解出来るようになっていた育ちの良し悪しと複合させると、9割以上の確率で、その子どもが「良いヤツ予備軍」なのか「ヤなヤツ予備軍」なのか、判断できてしまう。あな、恐ろしや。 「あ〜、ママ、ママ、金魚(すくい)やりたい〜」 …強烈。五・一五事件並の問答無用。ガキのワガママに一切の妥協は禁物という鉄則を完璧に理解している。ダメな時はダメ。これが大事。その上で余裕が有る時は回数決めて遊ばせてあげればいいのだ。 さて、そんな“人生の再発見”がありながらも、昼過ぎまでは至って平穏に時は過ぎた。 少し客が引けて来た午後3時ごろ、ちょっと気まぐれに金魚すくいのブースに足を運んでみた。今日の金魚すくい担当は、数少ない男子アルバイター仲間のM君だったので、「どないや?」くらいの声をかけようかな、と思ったわけである。 それから日没まで数時間の悪戦苦闘の末、なんとか半分くらいの金魚の命は救われた。明日の早朝、Hさんがペットショップからエサ用金魚を仕入れて来れば明日の営業には支障が出ないで済みそうなラインには落ち着いた。一件落着である。 謎は全て解けた!(死語) ううむ、それにしても恐ろしいのはトミーフェブラリー似の彼女だ。絶対この娘と付き合った男は浮気なんて出来んな、とまだ見ぬ“生贄”の冥福を祈ったりした。 しかし、それ以上にアッチョンブリケなのがM君である。いや、シュークリームを振舞うのはいいが、物で、しかも俺らに詫びてどうすんだ。損害を与えたのはHさんと会社なのだから、謝るならそっちが筋だろうに。それに、バイト仲間にコッソリ差し入れなんてどういう思惑だ? その後、「フアフア」の撤収作業なんかでいつも以上に汗をかきつつ、そんなこんなで日が暮れて……と、いうことでこの日の業務も終わり。いよいよあと1日。そう考えると名残が惜しくなっちゃうんだよな。
3月31日(日) いよいよバイト最終日。正確に言えば、翌日に撤収作業があるのだが、その日は駒木が休みを貰っていたので(面接の時点では4月からの身分が確定しておらず、常勤講師になった場合は4/1から出勤だった)、駒木にとってはこれで仕事納めとなるわけだ。 この日は縁日会場のすぐ近くで「忍風戦隊ハリケンジャーショー(サイン会、写真撮影会付)」が朝・昼の2回行われる。お互いがお互いの客を寄せるという相乗効果が期待できるため、準備作業は営業開始時刻を1時間前倒しした上で、物品等の用意も大入りを想定したものになる。 インターネット業界では、「(昨年度の)『ガオレンジャー』の方がインパクトが強かった」などというネガティブな声も聞かれる今年の「ハリケンジャー」だが、それでも子どもたちの人気は絶大なものがあり、開演1時間前からステージ前で場所取りをする家族連れが多数見受けられる。その数、軽く数百人。 さて、戦隊モノのショーと、事情が知らない人が聞くと、いかにも子供だましのように思われるかも分からないが、いやいや侮る無かれ、これが良く出来たエンターテインメントなのである。
……などといった、「ドリフからベタネタへの黄金連携」であるとか、子どもを観客席から拉致してきて(この時、泣き叫んで逃げ惑う子供たちも見モノ)無意味に自己紹介とかさせた上で、何故かお土産を持たせて帰すという本末転倒なプチイベントなど、見るべきところが非常に多いのが、この戦隊モノショーなのである。 その後のサイン会は、本当に歌手とかのサイン会と変わらないものだった。ただ、パイプ椅子に座って、折りたたみテーブルの上でサインを書いているのが、全身着ぐるみの衣装を着たオッサンであるだけである。更にその後の写真撮影会も然り。ただ、色紙を売りつけたり写真撮影に金を取るところが生々しくてナニだが。 で、予想通り、ショーが終わった途端に、こちらの縁日会場が修羅場と化した。 これと同じような状況が、午後2時にあった2回目の戦隊ショーの後にも繰り広げられ、また1時間以上かけてザリガニ目当ての客を捌くハメに。働いてる時間を忘れられるというのは嬉しいのだが、精神的にヘヴィーな仕事である。 さて、そんなこんなで、いつの間にか日暮れの頃に。長かったこの7日間もいよいよオシマイだ。 ……と、いうわけで、最後にオチがつかないところあたりがいかにも現実というところで恐縮ですが、今回のレポートはこれで終わりです。長らくのご愛顧、どうもありがとうございました。また別の講義もよろしく。(この項終わり) |
4月20日(土) 競馬学概論 |
駒木:「ほぼ1ヶ月ぶりになるのかな、この競馬学概論講義は……?」 |
4月19日(金) 現代社会学特論 |
|
では、第9回の講義です。今回からいよいよプロ・アーティスト椎名林檎さんの足跡を追っていきたいと思います。 過去の講義のレジュメはこちら↓ ◎第1回/第2回/第3回/第4回/第5回/第6回/第7回/第8回(事故で消失しました)
ここまで 林檎さんが帰国してから、1stシングル『幸福論』をリリースするまでには、なんと1年2ヶ月を要しています。やはり覚悟は決めていたとは言え、再びスタッフとの軋轢が生じていました。当時の林檎さんを知る業界関係者は、当時の林檎さんが「オトナの世界って何だろう…?」と悩んでいたと証言しています。 ところでこの『幸福論』という曲、ファンの贔屓目を抜きにしても素晴らしい名曲です。駒木が初めてこの曲を耳にした時の衝撃は今でも忘れません。聴けば聴くほどに、何か脳の中から幸せ系の脳内物質が分泌され、気が付けば数十回も繰り返して『幸福論』を貪り聴いていたのをつい最近のように思い出します。 楽曲そのものに内包された大きなハンデ。しかしそんな事など気に留めることも無く、東芝EMI側は、林檎さんにさらなる苦痛を強いたのです。 清らかなアレンジの楽曲と、何とも不気味な容姿の少女・椎名林檎という、まことに対照的なプロデュース。当時のスタッフが何を考えていたのかは不明ですが、当時の林檎さんの無念・諦念を想起すると、もう涙・涙であります。駒木、当時のスタッフを見つけたら、 さらにビデオクリップ(プロモーションビデオ)も、 しかし、であります。 まず、冒頭。 なんと、いきなりのダジャレ・スタート。 しかもベタ過ぎです。 「トミーズ健が関西ローカルのTV番組の中で、素人から馬鹿にされて逆ギレする状況」と同じかそれ以上のベタさ加減が炸裂しております。 嗚呼! 椎名林檎、死亡!! 死亡確認! …などと『魁! 男塾』みたいなセリフを口走りたくなります。 この後、「死んでいる林檎さんを別場所で待ちわびる、林檎さん率いるバンドのメンバー」というシュールなシーンの後、曲が2番に入ってようやく死亡状態だった林檎さんが蘇生して歌い始めます。 ……と、このような、今年の千葉ロッテマリーンズのようなビハインドを背負った状況で、アーティスト・椎名林檎はCDデビューに踏み切ってしまいます。1998年5月27日のことでした。
あの椎名林檎もパクリ・アーティスト扱いされる時期もあったのです。知られざる下積みの苦労というところでしょうか。 結局、このシングルCD『幸福論』は、一度もオリコン100位以内に顔を出すことなく、CDショップの8cmシングルコーナーの奥深くに沈没してゆきます。 ……こうして大失敗に終わった、新人アーティスト・椎名林檎のデビュー。しかし、林檎さんは挫けませんでした。彼女自身が、そして、悪戦苦闘の中でも徐々に増えてきた彼女を支えてくれる才能ある仲間たちが、彼女をトップ・アーティストへの道を切り拓いてくれるのです。 (次回へ続く) |
4月18日(木) 演習(ゼミ) |
||
えーと、現代社会学特論で大きなミスがあったのはお伝えした通りなんですが、こちらでもミスをやっちゃいましたね。 さて、今週は「少年ジャンプ」の月例賞・「天下一漫画賞」の審査結果発表から。
最終候補の『冥』を描いた森田将文さんは、「天下一漫画賞」の募集ページで“公開稽古”をつけてもらっていた人ですね。01年12月期に引き続いての最終候補。評価が上がっていないのは残念ですが、2ヶ月で1本完成原稿を仕上げて来る(しかも担当編集のダメ出しを経て)というのは意欲的ですね。22歳という年齢は、マンガ家志望者にとっては若くない年齢ですが、頑張ってもらいたいものです。 それでは、定例のレビューを……。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年20号☆ ◎読み切り『ラーマゲドン 拉麺最終戦争』(作画:脊川つい) 今週の「ジャンプ」からは1作品。『HUNTER×HUNTER』の代原作品です。 どうやらこの作品、02年1月期「天下一漫画賞」の最終候補(選外佳作)作品・『グルマゲドン 美食最終戦争』を改題したか、若しくは加筆修正したかという作品だと思われます。というわけで、作者の脊川ついさんは新人さん。年齢は24歳とのことです。 というわけでレビューなのですが、この作品も作者の脊川さんも、まだ“仮免”教習中の段階ですので、ちょっとトーンを抑え気味にいきたいと思います。 まず絵なのですが、上手・下手以前にサインペンかロットリングのような物で描いている事が気になりますね。 続いて内容ですが、一応これはナンセンスギャグというカテゴリに入れれば良いんでしょうね。まだ“バカになりきれていない”という感がありますし、話の辻褄が合わない部分が1〜2あったりもしますが、散発的にギャグの才能の片鱗らしきモノも見られますので、これは今後の修行次第というところなのでしょう。 評価はB−。新人の習作原稿とすれば、まぁこんなものなのでしょう。 ☆「週刊少年サンデー」2002年20号☆ ◎新連載『史上最強の弟子ケンイチ』(作画:松江名俊) 駒木自身は、この講義が始まる前の話ですので記憶が薄いんですが、「月刊少年サンデー超スーパー」の人気作で、本誌でも1度掲載された読み切りが好評だった『戦え! 梁山泊 史上最強の弟子』という作品のリメイク作という事になります。 それでは例によって絵とストーリーの評価を。 次にストーリーなんですが、今回は主要キャラ2人の紹介をしただけで、ストーリー的には全く進展がありませんので、今回の評価は保留という事に。それでも、なかなか無駄のないストーリーテリングを見せてくれましたので、あと2週間ジックリと読ませてもらいましょう。 評価は保留としたいんですが、一応Bとしておきましょう。 ◎読み切り『爆裂アナ 黒木一鉄』(作画:藤井敦) 今週のサンデーにはギャグ読み切りが一本掲載されました。作者の藤井敦さんは、昨年秋に月刊の方でデビューを果たした新人さんです。 絵に関しては上手いわけではないですが、見づらいわけではないので、まぁ許容範囲といったところでしょう。 評価はB−寄りのB。この作品も、次回作を読んでみたい、という感じでしょうか。 ◎読み切り(?)『育ってダーリン!!(完結編)』(作画:久米田康治) かつて、作者の久米田さんが新境地を開拓しようとしたものの、見事に行き詰まった挙句に“大人の事情”で打ち切りを余儀なくされたラブコメ作品の完結編にあたる前後編の読み切りです。 まぁ、何と言うか、一言で表現すると「無難にまとめたな」という感じでしょうか。作品に対する情熱を完全に失った中で、プロの作家さんが描くべきレヴェルを維持しているのはさすがというところです。 おっと、作品レビューというより、編集方針レビューという感じになってしまいましたね。久米田さんの気持ちも汲んで、評価は永久に保留ということにさせて頂きます。
|
4月16日(火) 行動社会学 |
もうこのシリーズも大概早く終わらせなきゃいけませんね。半月以上もの間、時事モノの講義をやってませんし、新しいシリーズの講義も計画中だったりしますし。 それでは5回目の講義の始まりです。過去の講義のレジュメはこちらから。 ※レポート文中は文体変更。 3月28日(木) 今朝も10時出勤。これで4連勤目になる。体が働く事を思い出してくれたのか、昨日までよりは幾分か体が楽に感じる。とはいえ、慢性的な寝不足ゆえ、爽快感は全く無いが。 この日は再び金魚すくいとザリガニ釣りのブースに復帰。お客に貰われていって(客側の希望で金魚3匹、ザリガニ1匹までお持ち帰り可)すっかり数が寂しくなってはいるが、ザリガニ水槽の激しい生存競争は相変わらずだ。今朝も2匹のザリガニが上半身、しかも殻だけ残った変わり果てた姿で見つかった。 テキパキと準備を終え、11時頃から営業開始。 あ、それと、この日もう1つ気が付いた事。 ・金魚すくいは、全般的に男児より女児の方が上手い。 ……という調査結果(?)が出た。もっと長期的に見れば、覆る部分もあるかもしれないが、大まかに見てこれで正しいように思う。 低年齢児が少し成長した子どもよりも金魚すくいが上手いのは、恐らく征服欲というか優越感を望む心が育っていないんだろうと思う。それが5歳くらいになると、「金魚なんかに負けてられるか」なんて変な感情が芽生えて来て、逆効果になっちゃったりするんだろうな。 ……しかし、金魚すくいから教育心理とか児童心理の検証が出来るとは思わなかった。心理学専攻で卒論書かなくちゃいけない学生さんは、縁日のバイトをやってみるといいかもしれない。 この日の業務は、色々と気づかされる事はあったが、全般的に平穏無事。定時の18時には業務は終了し、4連勤目の1日が終わった。 3月29日(金) この日は正午からのシフト。担当はやはり金魚とザリガニ。 睡眠も比較的ゆったりと摂れ、労働意欲も充分あったのだが、昼過ぎから雨が降ってきて、文字通り水を差される格好に。 結局、客足が急速に遠のき、15時で店じまい確定。たった3時間では特筆すべき事は無し。まぁ、天気予報とかだと丸一日雨の可能性があったので、少しでも働けたのは給料的にヨシとするか。 ……と、ちょっとボリューム的にはアレですが、時間が来たのでここで切ります。 |