「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
11/30 競馬学特論 「G1予想・阪神ジュベナイルフィリーズ編(簡易版)」 |
11月30日(土) 競馬学特論 |
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こんばんは。今日の競馬学特論は、明日の式典準備のため、駒木1人による簡易版で行います。 まずは出馬表と予想印をご覧下さい。
《駒木ハヤトの見解》 秋の牡牝混合重賞レース(府中3歳S、デイリー杯、京王杯)の勝ち馬がいない点から考えると、全体的なレヴェルは昨年並程度のやや低調なものと考えた方が良さそう。1勝馬や裏街道からの参戦馬、または条件次第で爆走するクセ馬にも注意を払うべきと申し上げておく。 展開は、ソルティビッドかマイネラベンダーがハナを切り、やや縦長の隊列で平均ペースになるのではないか。余程のハイペースでないと先行〜中位で決まってしまう傾向のあるレースだけに、差し馬の過信は禁物だ。 2歳戦ゆえ、手掛かりが少なくて困惑するばかりだが、本命は正攻法で3戦3勝のピースオブワールドに。他の馬に絡まれてゴチャついた時は心配も、現時点での地力そのものは抜きん出ている。全幅の信頼は置けないにしても、馬券の中心にせざるを得ないだろう。 駒木の買い目…5、9、4の馬連BOX及び3連複 ……それでは皆さんの健闘を祈ります。頑張って下さい。 |
11月28日(木) 演習(ゼミ) |
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どうやら、「ジャンプ」だけでなく「サンデー」も打ち切り作品が決定したと思われる微妙な時期にお送りする(笑)、今週の「現代マンガ時評」です。 今週はレビュー対象作品が本来1作品だけだったんですが、受講生さんからのリクエストにお応えする形で、急遽もう1作品レビューする事となりました。ですので今週は2本のレビューと“今週のチェックポイント”という構成でお送りする事になります。 さて、今週は情報系の話題が多くありますので、早速そちらから紹介したいと思います。 まず初めの話題は、「少年ジャンプ」系の新人マンガ賞・「手塚賞」「赤塚賞」の02年下期分結果発表がありましたので、受賞者&受賞作を紹介しておきましょう。
ざっと調査して判明した受賞者の過去の受賞歴は以下の通り。他に受賞歴を発見された方がいらっしゃれば、ご指摘ください。 ……応募総数は昨年の下期とほぼ同じ。そして手塚賞の入賞作品の数もほぼ同じなのですが、赤塚賞の方は最終候補作品からして5作品のみという低調に終わってしまったようです。 さて、次に「ジャンプ」と「サンデー」の連載打ち切り&新連載の情報を。 では「週刊少年ジャンプ」から。「ジャンプ」では来週号(03年1号)から冬季の新連載シリーズが始まります。今回のシリーズも新連載は2作品とやや少なめで、現在の「ジャンプ」における打ち切り候補作の少なさと、新連載を立ち上げるに足る人材の不足ぶりを象徴する形になっています。
……というわけで、個人的な感想を挟みすぎて長くなりましたが、以上が今回提供させてもらった情報でした。 では、3週間ぶりのレビューへ。今週は「ジャンプ」から代原読み切り1本、そして受講生さんのリクエストに応じる形で、「少年サンデー超増刊」12月号から、新人さんの読み切りを1本、都合計2本レビューすることになります。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年52号☆ ◎読み切り『怨霊英雄物語』(作画:新井たみ重) 今週は『Mr.FULLSWING』(作画:鈴木信也)が休載のため、代原が掲載されました。どうも最近、鈴木さんの体調が優れないようですので、ひょっとしたらこれからも頻繁にこういう事があるかも知れません。 さて、この作品ですが、「天下一漫画賞」02年7月期最終候補作の同題名作品のようですね。ペンネームが変わってますが、これはたまにある事なので、まぁ同一人物でしょう。新井さんはまだ19歳。これから力をつけていく途中の新人さんというわけですね。まぁ、これを励みにして頑張って頂きたいものです。 では早速レビューへと移りましょう。 まず絵柄からですが、キャリアがゼロに近い新人ギャグ作家さんにしては頑張っている方ではないでしょうか。技術的なレヴェル云々は別の話になりますが、背景や機械類の描き込みもそれなりに出来ていますし、色々なタッチの絵を描いてみようとする向上心のようなものが窺えます。ジャーマン・スープレックスのシーンなんかは、下手なプロレスマンガよりも上手く描けているくらいです。 次にギャグについて述べてゆきましょう。 この他、細かい所で気になったのが15ページ最終コマと16ページ1コマ目の繋がりです。ここでのギャグはページをめくらせてしまうと、それが妙な間になってしまうのでギャグの威力が半減してしまうのです。 ……というわけで、何よりも意欲と向上心が感じられる清々しい習作原稿でした。しかし、プロのギャグ作家を目指すならば、もっとギャグの“打率”を上げる努力をしないと、一線級には届かないで終わってしまうでしょう。ギャグ作家のギャグマンガとは、読者を笑わせ“なければならない“マンガなのですからね。 では、次に「ジャンプ」の“今週のチェックポイント“を。 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ ◎『アイシールド21』(作:稲垣理一郎/画:村田雄介)【第12回掲載時の評価:A/雑感】 いやー、最後の3、4ページはゾクゾクしました。久しぶりに「うわ〜、こりゃヤラれたなぁ」って気分にさせられましたね。 ◎『シャーマンキング』(作画:武井宏之)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感及び個人的見解】 これは最近の『NARUTO』(作画:岸本斉史)にも思う事なんですが、ストーリーの進行とバトルを同時並行させると、テンポが極端に鈍くなって良くないように感じてしまうんですが、皆さんはどう思われますか? ◎『いちご100%』(作画:河下水希)【第3回掲載時の評価:B/雑感】 まぁ10代の内はまだワカランのですよ。男は気持ち次第で、同時に複数の女性を愛する事が簡単に出来るということを(笑)。 ☆「週刊少年サンデー」2002年52号☆ ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ ◎『MAJOR』(作画:満田拓也)【開講前に連載開始のため、評価未了/雑感】 このマンガって、ナニゲに“『プロゴルファー猿』方式”が採用されてるんですよねぇ。主人公側に理不尽なまでの幸運と奇跡が舞い込むってパターン。まぁ、そうでもしないと勝てない力量差ですから仕方ないんですが、問題はそれをどう読者に悟らせないかでしょうね。 ◎『ふぁいとの暁』(作画:あおやぎ孝夫)【第3回掲載時の評価:B/雑感】 な、なんか凄くあざとい展開なんですが(苦笑)。これって、21世紀の少年マンガで合ってますよね?(苦笑) ◎『かってに改蔵』(作画:久米田康治)【開講前に連載開始のため、評価未了/雑感】 「ここがあなたの終着駅ですか?」
◎読み切り『サブ・ヒューマンレース』(作画:小澤淳/少年サンデー超増刊02年12月号掲載) さて、今日2本目のレビューです。 では、時間も詰まってますし、早速レビューの方に。 まずこの作品の細かい点を語る前に言っておかなくてはならないのは、「この作品は凄いパワーを秘めている」ということです。とにかく読者の目を次のコマへ、次のページへと引き込んで行くのです。これはコマ割りの構成力と演出力、それと言語感覚がずば抜けているからでしょう。 ではまず絵から。 次にストーリー関連について。 まず、シナリオ及び設定の構築やその説明を、必要最低限なものに抑えてクオリティを高め、限られたページを最大限に利用しようというスタンスが非常に好感が持てますね。 ただし、深く読み込んで行くと、まだ改善するべき点も残っています。 ……とまぁ問題点もありますが、デビュー作としては間違いなく高水準にあると言っていいでしょう。絵の不味さを減点材料としても、A−寄りのB+は進呈しても良いと思います。これからの活躍に期待しましょう。 ──というわけで、今週のゼミは以上です。今週末は1周年記念式典で「仁川経済大学コミックアワード」もありますので、是非ご来場下さいますよう、よろしくお願いします。 |
11月27日(水) 歴史学(一般教養) |
いよいよ古代ヨーロッパのエピソードに入ったこの講義、前回は地中海世界の黎明期・エーゲ文明時代の歴史について概説してゆきました。 エーゲ文明時代の遺跡発掘に携わった人の中で、一番の有名人と言えば、これはもう、ドイツ出身の大富豪・ハインリヒ=シュリーマンをおいて他に出ないでありましょう。 しかし、そんなシュリーマン一家に不幸が訪れます。牧師の父親が不祥事を起こし、一家離散の上、村から立ち退かなければならなくなったのです。シュリーマン少年は、唯一の理解者・ミンナとも離れ離れとなり、オランダの雑貨屋へ奉公に出されることになったのです。当然のことですが、彼の「トロヤ遺跡を掘る」という夢も中断を余儀なくされました。 それからのシュリーマンの人生は、まさに波乱万丈としか言い表せない程の起伏に富んだものでありました。 ところで、この商売の成功には裏がありました。彼は多くの国で貿易を成功させるために、独学でヨーロッパだけでも7ヶ国の言語(英語、オランダ語、ロシア語、イタリア語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語)を習得していたのです。特に、西ヨーロッパ人の大半が喋れなかったロシア語が堪能であったことが有利に働いたようです。 1864年、一生の裕福な生活が保証されるほどの富を築いたシュリーマンは、42歳にして実業界から身を引いて、己の夢のために余生を捧げる決心をしました。 こんないい所で切ってしまうのは心苦しいのですが、今回はここまで。次回はシュリーマンの遺跡発掘と、その他の功績者たちのエピソードも紹介したいと思います。(次回へ続く) |
11月25日(月) ギャンブル社会学 |
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※前回までのレジュメはこちらから→第1回 サッカーくじ(toto)の不振をテーマにしたギャンブル社会学講義の2回目です。 ではここでもう1度、集客と売上げの望めるギャンブルの条件をおさらいしておきましょう。その内容については第1回の講義レジュメを参照して下さい。 1.“一獲千金”性 ……では、これらの条件にサッカーくじがどれくらい合致するかを検証してゆきましょう。 1.“一獲千金”性 2.達成感喚起力 3.資金の回収期待値 5.中毒性
……まずこの中で、最初に挙げた要素(達成感と屈辱感の落差が激しい)についてなら、一応は適合していると認められます。もっとも、多くのギャンブラーは大した達成感も味わう事なく屈辱感や敗北感ばかり味わっていますので、果たしてどこまで本当に機能しているかは別の話になりますが。 6.とっつき易さ 前回の講義でも述べましたが、初心者に受け入れられ易いギャンブルとは、“試しに1回”が簡単に出来、しかもその結果がすぐに出て、“じゃあもう1度、今度はもう少しじっくり考えて”…という風に段階を踏んでゆけるという類のものです。その中でビギナーズラックが炸裂し、“わぁ、当たった(勝った)! これ楽しいな”…となれば完璧になります。 7.ファンサービスの充実度 まず、最もお粗末な実態としては、サッカーくじの販売店の数が少ないという事が挙げられます。 そして更にもう1点としては、的中時の当せん金払戻しの煩雑さがあります。 これらの体たらくは、正直言って運営サイドの神経と能力を疑ってしまうものであり、大きな課題と言わざるを得ません。申し訳程度に、インターネット上でサッカーくじの購入予約(あくまで予約)が出来たり、払戻金が口座振替で受け取れる会員サービスがありますが、全くと言って良い程PRがなされておらず、存在しても無きが如しというのが現状です。 ……と、これで7つの条件に対する分析が終了しました。これを1つの表にまとめて見ますと、以下のようになります。
高い“一獲千金”性を持ち、ある程度の戦略性を認識されているものの、他の要素が思い切り足を引っ張っている…という現状がよく分かります。特に“とっつき易さ”と“ファンサービス充実度”が低いのが厳しいところです。
なるほど、長所を伸ばし、最悪の部分を改善する事で魅力を増そうという作戦です。まぁ現実的な策と言えなくもありません。 |
11月24日(日) ギャンブル社会学 |
受講生の皆さんはご存知無いか、もしくは記憶が忘却の彼方に追いやられているであろうと思われますが、この講座は競馬学とギャンブル社会学を専門とする社会学講座なのです。 で、今日からは開講1周年を直前に控えて初心に返ろう…ということで、久々にギャンブル社会学のシリーズ講義を実施します。
そんなわけで、外国では随分浸透していたサッカーくじですが、日本では販売の実現までに相当の年数を要しました。サッカーくじを販売する構想そのものは、実はJリーグ創設の頃からたびたび浮上していたのですが、そのたびに子供の無菌培養を目論むPTA諸団体や、憲法改正論議と同じくらいギャンブルを嫌悪する革新系政党などによる、「ギャンブルは悪。悪いものは悪いからダメ」…といったヒステリックで的外れな抵抗のために立ち消えになってしまっていたのです。 ……こうしてデビューを果たしたサッカーくじは、販売所が極めて少ないという大きな問題点を抱えながらも、全国発売1回目の1等に最高賞金の1億円が飛び出したこともあって、その直後から売上額は急上昇。マズマズのスタートダッシュを切りました。 そして、このような危機的事態について運営サイドは、 (1)低額配当が多い ……といった問題点を挙げ、来年からは販売店の増設や当選金上限の値上げ・新式くじの創設などの打開策を採る予定であるとしています。 ですが、サッカーくじ低迷の原因は、果たしてそんな表象的なものだけだけなのでしょうか? どうも現状のサッカーくじには、もっとギャンブルとして根本的な部分──他のギャンブルと比べて魅力的なギャンブルであるかどうか──に問題点があるのではないかと思えてなりません。つまり、運営サイドに「客と売上げが呼べるギャンブルとはどんなものか?」といった部分の認識が欠けているのではないか…ということです。これには、先程述べましたように、運営サイドが「サッカーくじはギャンブルでなくて“くじ”だ」という謝った認識を抱いている事にも原因があると思われますが、この辺の理解が無ければ、何をどうしてもサッカーくじの低迷は続くと言わざるを得ません。 では、“客と売上げが呼べるギャンブル”とは、一体どのようなものなのでしょうか? さて、1つのギャンブルが顧客の支持を得る条件としては大小様々なものが挙げられるでしょうが、今回の講義では特に大きな条件7つを採り上げ、これをベースにして話をしていきます。 1.“一獲千金”性 2.達成感喚起力 3.資金の回収期待値 4.戦略性 5.中毒性 ・勝利した時の達成感・快感が大きく、敗北した時の屈辱感が大きい。(止めるに止められなくなる) 6.とっつき易さ 7.ファンサービスの充実度
では、今回主題に挙げましたサッカーくじは、果たしてこれらの条件を満たしているのでしょうか? 今回は時間の都合上ここまでとしますが、次回の講義はこの点に注目してお送りしたいと思います。(次回へ続く) |
11月23日(土・祝) 競馬学特論 |
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駒木:「というわけで、今日も競馬学特論講義だね」
駒木:「珠美ちゃん、この他、有力馬の着順を紹介してくれるかな?」
珠美:「……さて、それではいよいよ明日のジャパンカップの予想に移りましょう。今年は中山2200mという変則的な条件で開催されます」
珠美:「今回のメンバーの、全体的な印象はいかがですか? 下馬評では『日本馬優勢』ということですが……」
※駒木博士の“敗戦の弁” ※栗藤珠美の“反省文” |
11月22日(金) 競馬学特論 |
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駒木:「さぁ、今週はジャパンカップウィークだ。土・日にレースがあるので、講義はどうしようかと思ったんだけど、結局両方やる事にした。去年、オープンキャンパスで扱ったレースだけに思い出深いものがあるしね」
駒木:「あれ? 2人とも結構似た印になっちゃったねぇ」 |
11月21日(木) 演習(ゼミ) |
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さて、今週もゼミの始まり…なんですが……。 ──ところで。
お分かり頂けましたか?(苦笑) ただし、また別の批判である、「駒木のレビューは感情が入り過ぎてる」というもの対しては、反省すべき点も有るかな…と思っています。 ……さて、それではまず情報系の話題を少し。 今週は「週刊少年ジャンプ」系の長編ストーリー作家新人賞・「ストーリーキング」の結果発表がありましたので、受賞者と受賞作を紹介します。
マンガ部門準キングの中島さんは、01年11月期の「天下一漫画賞」で最終候補まで残っていました。その後の努力が実を結んだ形ですね。 今回の「ストーリーキング」は全体的に不作だったようですが、それでも『ヒカルの碁』に続く『アイシールド21』の成功で編集部も勢いづいたのか、次回から「ストーリーキング」は年2回開催になるそうです。「ジャンプ」は本腰で原作者の発掘と育成に力を入れているみたいですね。 ……それでは、今週の「週刊少年ジャンプ」チェックポイントに行ってみましょう。
☆「週刊少年ジャンプ」2002年50号☆ ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ ◎『アイシールド21』(作:稲垣理一郎/画:村田雄介)【第12回掲載時の評価:A/雑感】 先週は桜庭について述べたんですが、今週はやっぱりヒル魔ですよねぇ。「悪いヤツなんだけど情は人並以上にある」って性格が完全に固まりました。しかし、どうしてそこまで絶妙なキャラ設定が出来るのか、稲垣さん。読みきり版の頃とは雲泥の差です。 ◎『A・O・N』(作画:道元宗紀)【第3回掲載時の評価:B−/雑感】 露華の必殺飛び技、どう考えてもイヤミの「シェー!」なんですけど(苦笑)。多分、卍形ってことなんだろうなぁ……。 ◎『SWORD BREAKER』(作画:梅澤春人)【第3回掲載時の評価:B−/雑感】 そして、こちらは一足先にデストロ〜イと(苦笑)。
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11月20日(水) 歴史学(一般教養) |
※過去の講義レジュメ→第1回〜第19回 お待たせしました。今回から歴史学講義を再開します。 さて、今回からは舞台を地中海世界に移し、古代ギリシアやアレキサンダー大王の事績、さらには古代史最大のトピックとも言える古代ローマの歴史についてお送りします。 まず、現在のギリシア及びエーゲ海地方に、農耕・新石器文化を持った人々が定住し始めたのは紀元前7000〜6000年頃だと言われています。ただし、その文化を構成していた人々は、後のギリシア人の直接の祖先ではなかったようであります。 この文化が文明と言える段階まで発展したのが紀元前20世紀でした。オリエント史で言えば、ウル第3王朝の滅亡があった時期やエジプト中王国時代の初期にあたります。 さて、過去の講義でも散々述べました通り、どれだけ栄えた国や文明も滅びる時がやって来ます。クレタ文明にも崩壊の時がやって来ました。 紀元前16〜15世紀頃でしょうか、先にギリシア地方に定住していたアカイア人がクレタ島にも進出し、やがてこの文明の内部に深く根を張っていきました。 クレタに変わってこのエーゲ文明の中心地になったのは、現在のギリシア中南部、アテネから西に100kmほど離れた場所にあったミケーネという都市でした。ゆえに、この地方に栄えた文明をミケーネ文明と呼びます。 そんなミケーネ文明の滅亡は紀元前1200年頃。教科書や参考書では、ドーリア人という、アカイア人と共に後のギリシア人を構成する民族に攻め込まれた…とされていますが、最近の学説では否定されているようです。知ったかぶりして教科書や参考書の内容のままギリシア史を語ると恥をかきますので、どうぞお気をつけ下さい。 さて、エーゲ文明に属する諸文明として、かなり異色なものとして挙げられるのが、ほとんどオリエントと言って良いような地域、アナトリア半島西北端に栄えたトロヤ文明です。 ……というわけで、今回はエーゲ文明の姿について概説をしてまいりました。固有名詞が登場しない歴史ゆえ、かなりダルいものだったと思いますが、どうかご容赦下さい。 |
11月18日(月) 競馬学概論 |
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今週は対談形式ではなく、レースやそれまでの仮想ドキュメント形式でお送りします。出馬表と駒木研究室の仮想予想は以下の通りです。
レースを3日後に控えた木曜日。美浦、栗東の東西両トレセンで騎手を対象にした合同インタビューが実施された。 栗東トレセンの会見場で初めに姿を現したのは、このレースのためだけに来日したオリビエ=ペリエ。彼はいつも通り、大きな目をパチクリと見開き、愛想良く笑顔を浮かべながらリラックスした様子で席に着いた。 ──ペリエ騎手が騎乗されるエアグルーヴは、唯一の牝馬ということになりますが、他の馬たちとの相手関係についてはどう思われていますか? この質問に対しペリエは、「質問の意図は理解したよ」というニュアンスの表情を作った後、ややたどたどしい英語で淡々と話し始めた。 その後、全ての質問を終えるとペリエは、次にインタビューを受けるために待機していた親友・武豊の前に歩み寄り、笑顔のまま握手をして、それからマスコミ連に手を振って退席した。 ──先程のペリエ騎手との握手はエールの交換ですか? その他の騎手のインタビューでも“お祭り”ならではのリラックスムードが漂う中、1人気を吐いたのは田原成貴であった。席に着いた彼は、いかにも気合の入った表情を見せていた。 ──レースを3日後に控えた、今の意気込みを聞かせて下さい。 田原は一方的にインタビューを打ち切ると、足早に会場を去って行った。それまで弛緩していたムードが一気に引き締まる。やはりこのレースは“お祭り”である以上に真剣勝負なのだという事が痛いほど伝わって来た場面であった。 一方、美浦トレセンでは、シンボリルドルフに騎乗する岡部幸雄がインタビュー席に着いていた。いつもはポーカーフェイスを崩さない彼の表情も、騎手人生で最愛のパートナーに再び跨ることが出来るという幸福感が滲み出ている。 ──今回、岡部騎手はシンボリルドルフに騎乗されるわけですが、その仔であるトウカイテイオーも出走します。複雑な心境なのではないですか? 再び、栗東トレセン。この会場で最後にインタビューを受けたのは、サイレンススズカに騎乗する河内洋だった。 ──河内騎手は、サイレンススズカには久しぶりの騎乗ということになりますが? それから2、3の遣り取りでインタビューが終了した後、河内は最後にボソッとこんな事を漏らした。 ◆──────◇ レース当日。会場となる中山競馬場には、空前の競馬ブームに揺れた1990年代前半を髣髴とさせるような大観衆が詰め掛けた。 そしてパドック脇のTV中継用ブースでは、パドック解説の生中継が始まろうとしていた。アナウンサーの横には競馬評論家・大川慶次郎の姿があった。 ◆──────◇ パドックで騎手を鞍上に迎えた16頭が、いよいよ本馬場に入場する。入場テーマは昔ながらのサラブレッド・マーチ。先導役を務めるのは、今回は出走が叶わなかったシービークロスやビワハヤヒデなど、新旧・芦毛の名馬たち。嫌が応にも場内のテンションが高まる中、1枠1番のエアグルーヴから順次、返し馬に移ってゆく。 場内アナウンスから、1頭ずつ丁寧な紹介が述べられる。本来ならこのような事は無いが、今回はファンサービスの一環として行われるらしい。 「名だたる英雄の中に光り輝く紅一点。男どもを蹴散らして、中山に勝利の凱歌奏でるか。エアグルーヴと、鞍上はフランスのオリビエ=ペリエです」 「七冠馬にも果たせなかった海外G1制覇。胸を張って威風堂々、これが世界のエルコンドルパサーです」 「鞍上に安藤勝己、稀代のアイドルホースが笠松の怪物としてターフに舞い戻りました。あの奇跡よ今一度、オグリキャップです」 「グランプリ3連覇を達成した思い出の舞台。脅威的な末脚で20世紀のグランプリも制するか、グラスワンダー」 「このメンバーでも高らかに逃げ宣言。今日も抜群のスピードで名馬の群れを捻じ伏せてしまうのか、サイレンススズカ」 「いかなる強豪もバッサリ切り捨てたナタの切れ味は未だ健在。最強の三冠馬の称号目指して、シンザンがターフに足を踏み入れました」 「無敗での三冠達成、G1レース7勝。“皇帝”と呼ばれ、常に勝利を義務付けられてきたこの馬、今日は一体どんなレースを見せてくれるのでしょうか? シンボリルドルフです」 「数多くの騎乗馬の中から、天才・武豊が選んだのはこの馬でした。今まで獲り損ねてきたグランプリのタイトルを、今日ここで戴くか、スペシャルウィーク」 「20世紀最後の、そして21世紀最初の名馬。世紀を跨いだ七冠馬。鞍上に若武者・和田竜二を迎えて、大先輩たちに真っ向勝負を挑みます。テイエムオペラオー」 「トウショウボーイと繰り広げたマッチレースは、21世紀の今でも語り草。今日は出走を果たせなかったライバルの分まで戦います。テンポイントと鹿戸明です」 「夢の親仔対決が遂に実現しました。偉大なる父を越え、目指すは日本競馬100年の頂点。トウカイテイオー、今日はダービー制覇のパートナー・安田隆行とのレースになります」 「20世紀の名馬・ファン投票第1位。今、誘導馬を務めた兄・ビワハヤヒデと一瞬視線を交わしました。史上5頭目の三冠馬から、史上ただ1頭の20世紀グランプリホースへ。トレードマークのシャドーロールが緑のターフに映えています。ナリタブライアンと、鞍上はベストパートナー・南井克巳です」 「元祖アイドルホースと人は言います。人気ならば、どの馬にも負けないと人は言います。しかし今日は、実力でも負けないところを証明したいところ。皐月賞を制した中山競馬場を舞台に他馬を蹴散らすか。ハイセイコーと増沢末夫です」 「逃げて良し、追い込んでなお良し。脚質自在の名ステイヤーが、勝負師・田原成貴の手綱捌きで乾坤一擲の大舞台に挑みます。マヤノトップガン」 「親仔3代天皇賞制覇を果たした偉大なる血筋も、グランプリ制覇だけは果たしていません。世代を超えた夢を果たすために、いざ出陣。メジロマックイーンと、今日のパートナーは内田浩一です」 「狙った獲物は逃さない。幾多のライバルたちを葬り去ってきた豪脚で、今日はどの馬をターゲットに定めたか。大外枠から虎視眈々、ライスシャワーです。 ◆──────◇ ──いよいよ発走間近。ゲート前で出走馬16頭が輪乗りを続けている。超満員に膨れ上がったスタンドからは引っ切り無しに喚声が沸き上がっている。既にレースが始まっているかのようなボルテージの高さ。 「……あなたの、そして私の夢が走る20世紀グランプリ。あなたの夢はナリタブライアンか、それともシンボリルドルフか。私の夢はテンポイントです」 ──間もなくして、ウイナーズサークルに整列したブラスバンドが演奏するファンファーレが鳴り、場内は手拍子や歓声が響き渡る。その音たるや、大地を揺るがす程の大音響だが、さすがに歴戦の名馬、全く動じる事なくゲートに吸い込まれてゆく。 「──さぁ、ゲートが開いた」 いつもの文句で杉本清の実況が始まった。 「ハナを切るのは何でしょうか。お、やはり行った行った、赤い帽子、栗毛の馬体が踊って、サイレンススズカがハナに立とうとしている。おっと、そこへ更にもう1頭、おお、これはテンポイントだ。ゼッケン10番・テンポイントが外からサイレンススズカに競りかけていく形。あの昭和52年の有馬記念で、スタートからトウショウボーイと競っていったのと同じように、テンポイントが今日も先頭へ競りかけていきました。 勝つのは果たしてどの馬か? しかし、それをこの場で決めてしまうのは野暮というもの。答えは、貴方たち1人1人にお任せしておきます。 あなたの、そして私の夢が走っています── (この項終わり) |
11月17日(日) 特別演習 |
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※前回までのレジュメはこちらから→第1回 「週刊コミックバンチ」系の新作コンペテイション・イベント・「世界漫画愛読者大賞」を検証してゆく不定期企画の第2回目をお送りします。 さて、今回は前回の最後に予告しました通り、「バンチ」49号で急遽発表になった、読者投票による最終審査のシステム一部改訂についての講義をお送りします。読者投票のシステムと言えば、この賞の根幹と言える部分でもありますので、大変に興味深いところでありますね。 では、まずここで従来の「世界漫画愛読者大賞」の最終審査(読者投票)のシステムをおさらいしておきましょう。
この3段階の投票システムには様々な構造的欠陥があり、当講座でも5月の「徹底検証! 世界漫画愛読者大賞」の際に指摘させて頂きました。 例えば個別人気投票では、NOに投票された票数をノーカウントとしたために、支持率とポイントの逆転現象が起きる可能性があります。(例:投票数2000の支持率60%よりも、投票数2500の支持率55%の方がポイントが高い) そして最も酷いシステムだったのがグランプリ信任投票でした。何故なら、この時のグランプリ信任投票“有権者”は、読者投票第1位作品が「最終審査に残った作品の中で最も良い作品」だと思っている読者に限定されてしまったからです。
ご覧の通り、ハッキリ言って大改革です。信任投票の“有権者”が全読者に開放された事によって、少なくともグランプリを選出するか否かの審査に関しては、前回の問題点が一気に解消されました。よって、このシステム改訂は素直に評価するべきだと思います。 しかし、このシステム改訂について気になる点もあります。それはこの改訂の内容と、それが発表になったタイミングの関係についてです。 先に見て頂いた通り、今回のシステム改訂によって、グランプリ獲得までのハードルが一気に高くなりました。ただ「面白い」と思ってもらえるだけでなく、「5000万円の賞金と連載を1年続けるに相応しい」と思ってもらえる人を全体の2/3以上確保しないといけないわけで、これは至難の業とさえ言えます。 ところが、この新システムが発表になったのは作品募集が締め切られ、予備選考が開始されてからでした。つまり、応募を締め切った後になって、突然全く別物の投票システムを採用すると一方的に宣言したわけです。これはいかがなものでしょうか? それでは今回はこの辺りで。次回は賞レースに新たな進展があってからということにしたいと思います。(次回へ続く) |
11月16日(土) 競馬学特論 |
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急遽時間が取れましたので(とはいえ、完徹明けなんですけれども^^;;)、簡単なものですがG1予想を実施します。どこまで役に立つか判りませんが、まぁ後から結果を見て笑い者にするくらいの事は出来ると思いますので、どうぞよろしく。
《駒木ハヤトの見解》 昨年からのマイル路線低レヴェル傾向に変化無く、全体的に混戦模様。止むを得ず印は絞ったが、穴党の方はアグレッシブに大穴狙いでチャレンジして欲しい。 展開は、エイシンスペンサーかミデオンヒットがハナを切って、平均かやや早めのペースか? 後ろはやや縦長の展開で特に有利不利など無く淡々と流れそう。但し、有力な先行馬にも決め脚がある馬が多く、後ろから行く馬は、相当の展開の恵まれがないと不利は否めないのでは。 とりあえずの最有力候補は春のマイル王者・アドマイヤコジーン。スプリント戦線での実績も目立つが、恐らくこの馬はマイラータイプ。ベスト距離に戻って叩き2走目と上積みは十分で、直線早めに抜け出して粘りこみを図る。調教が相変わらずイマイチなのが気になるが、前走もそれで走っているのだから大幅な減点材料とするのはどうか? 駒木自身の買い目は、上位3頭(12,18,15)の馬連BOXと3連複1点買い。○−▲的中なら万馬券となるのだが、果たしてどうなるやら……。
※駒木博士の“敗戦の弁” ※栗藤珠美の“反省文” |