「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
12月15日(日) 歴史学(一般教養) |
※過去の講義レジュメ→第1回〜第19回/第20回/第21回/第22回 今回も引き続き、エーゲ文明の解明に人生を捧げた人たちのエピソードを紹介します。 この時に発掘された遺跡・遺物は、5人分(!)の王族の墓と、その墓の主が身に着けていたおびただしい数の黄金の装飾品などなど。現在、発掘された遺物はギリシアの国立博物館に納められていますが、それらを見た誰もが驚嘆の声をあげるほどのシロモノであるそうです。何だか、徳川埋蔵金を発掘すべく9桁後半とも10桁とも言われる大金と果てしない労力を注ぎ込んだTBS関係者と糸井重里氏が、秘孔を突かれた小悪人のように顔を歪めながら羨ましがりそうなお話でありますね。 こうして2度目の成功を収めたシュリーマンは、次なる候補地をクレタ島に見定めて(なんて勘の鋭い!)、発掘予定地の買収まで取り掛かったのでありますが、ここでまたしてもトラブル発生。地主との金銭上の交渉が紛糾し、結局発掘開始には至りませんでした。 結局、シュリーマンが何も為さぬままクレタ島をあとにしてから約10年後、彼が果たすはずであった偉業はイギリスの考古学者・アーサー=エヴァンズによって遂行される事となりました。この講義でも少し紹介した、ミノタウロス神話のモデルであろうと言われるクノッソス宮殿などの大発見がそれであります。 ……こうしてエーゲ文明の遺跡は全て出揃いました。が、1つの文明の全貌を明らかにするためには、遺跡や遺物の発見だけでは不十分です。エジプトやメソポタミアのそれがそうであったように、当時に記されたまま遺されている文献資料を出来るだけ多く見つけ、更にその内容を解読して初めて当時の社会の実態が分かるようになるのです。 ところが1952年、そんな閉塞した状況を、颯爽と現れ出でた1人の天才青年が鮮やかに打ち破って見せました。その青年の名はマイケル=ヴェントリス。エーゲ文明の歴史解明は、彼の登場をもってクライマックスを迎えることになりました。 ヴェントリスのエーゲ語解読にまつわるストーリーは、1936年から始まります。この時、彼はまだ14歳の少年でありました。 それからのヴェントリスは、情熱の全てをこのエーゲ文字解読に捧げて少年・青年期を過ごします。公刊された書物から独学で研究を進め、その過程で仮説を立てては同人誌的な物を刷り上げて本職の言語学者に批評を仰ぐまでしました。ド厚かましい話ではありますが、大体この業界で成功を収める人と言うのはこの種の神経の太さを天然で持ち合わせているような気がします。 戦争とその後の混乱期が終わった1950年、青年となったマイケル=ヴェントリスは遂に研究活動を再開します。 しかし残念ながら、ヴェントリスがその後、更なる成功を収める事は叶いませんでした。何故なら、1956年10月に彼は自動車事故によって34年余の短い生涯に幕を閉じてしまったからなのです。 ……さて、長々とエーゲ文明の実態解明に尽力した人々の話を続けて来ましたが、ここで一区切りとし、再び話を歴史の概説に戻してゆきたいと思います。 |
12月14日(土) 競馬学概論 |
今週は珠美ちゃんがいないので、駒木だけの競馬学講義となります。 で、仕方ないんで今日は緊急企画。明日の昼に行われる香港国際競走の簡単な歴史などを紹介してみようと思います。あくまで“代原”なんで、多くは期待しないよう、ご容赦願います。 ☆香港競馬と国際競走について☆ 香港で競馬が初めて開催されたのは、アヘン戦争により香港がイギリスの統治下となったばかりの1845年。ただし、初期は開催日数も少なく、規模も草競馬の域を出るものではなかったようです。 そして1988年、日本がジャパンカップを創設したのをなぞるようにして国際レースを創設し、香港は競馬一流地区としての歴史を踏み出します。 ☆香港スプリント☆ 1999年に創設された、直線1000mの電撃戦。2000年から国際グレード競走となり(G3)、翌01年にG2、そして今年からはG1競走に昇格となりました。 ☆香港ヴァーズ☆ 伝統のクラシックディスタンス・芝2400mで争われるのがこのレース。創設は1994年で、今年が9回目。96年から国際G2、そして00年から国際G1となっています。 ☆香港マイル☆ 1991年、芝1400mの香港招待ボウルとして創設され、 ☆香港カップ☆ 香港の元祖・国際レースで、創設は1988年(名称は香港招待カップ)。当時は芝1800mでしたが、99年のG1格付け取得を機に2000mの準チャンピオンディスタンス戦に生まれ変わっています(93年春に国際G3、冬に国際G2)。また、現在はワールドチャンピオンシップシリーズの最終戦として、国際的にも非常に重要な地位を築き上げています。 ……というわけで、簡単ではありましたが、香港国際競走についてお話をしました。レースの模様は、グリーンチャンネルやラジオ放送、さらには競馬場内のモニターTVなどで中継されると思いますので、競馬に少しでも興味の有る方は、是非その目と耳で日本馬の雄姿を脳裏に焼き付けて下さい。 では、今日の講義を終わります。来週のこの時間は、有馬記念の直前予想です。 |
12月13日(金) ギャンブル社会学 |
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※前回までのレジュメはこちらから→第1回/第2回/第3回/第4回 好評なんだか不評なんだか今一つ掴めないこのシリーズですが(笑)、早くも5回目を迎えました。現在の予定では7回目で終了予定なので、いつものペースなら、多分8回か9回あたりで終わるんじゃなかろうかと思います(笑)。 さて、時間も押していますし(実は翌日振替講義です)、無駄口叩いてないで早速講義に移りましょう。 比較検討の対象や方法に関しては、第3回のレジュメを参照のこと。 ※参考資料(駒木によるサッカーくじの特徴一覧)
(4) 麻雀
1.“一獲千金”性 しかし、麻雀のレートは対戦者4人の合意の下で変えることが出来るのが原則ですので、極端な話を言えば無限大に上がって行きます。 2.達成感喚起力 また、麻雀のギャンブルとして極めて優秀な点は、この達成感喚起力が“一獲千金”性に縛られない点です。(通常、“一獲千金”性の高いギャンブルは勝ちにくいため達成感が得られにくいのです) 3.資金の回収期待値 フリー雀荘における実質的な回収期待値は、「テンゴ」で70%前後、「テンピン」で85%前後ですので、一般的なレートでプレイした場合はプレイヤーに相当不利な期待値となります。(詳しくは02年8月27日付講義レジュメをご覧下さい) 5.中毒性 麻雀をたしなむ方なら分かると思いますが、麻雀で味わう勝利の達成感と敗北の屈辱感の大きさには物凄い幅があり、勝っても負けても「もう1回だけやろう」と言いたくなる事は間違いありません。 また、1ゲームが平均40分前後(東風戦と呼ばれる短縮版だとその半分)と短い上、ゲーム終了後のインターバルがほとんど無いのも特徴です。 以上のように、麻雀は中毒性の高いギャンブルの特徴を全て完璧に満たしており、恐ろしいまでの中毒性が潜んでいると断言できます。これぞ「亡国の遊戯」と呼ばれる由縁でしょう。 6.とっつき易さ 7.ファンサービスの充実度 ◎総括及びサッカーくじとの比較◎ (5) ビデオゲーム賭博
1.“一獲千金”性 2.達成感喚起力 3.資金の回収期待値 5.中毒性 6.とっつき易さ 7.ファンサービスの充実度 ◎総括及びサッカーくじとの比較◎ ……というわけで、今回は2つのギャンブルを検討しました。次回はカジノ系のギャンブルについて解説したいと思います。では、また次回。(次回へ続く) |
12月12日(木) 演習(ゼミ) |
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いよいよ今年も押し迫って参りました。出版業界では「年末進行」という最凶の四字熟語がしきりに飛び交う中の「現代マンガ時評」です。 ──まぁ、不景気な話はそれくらいにしまして、早速講義に移りたいと思います。 まずは情報系の話題から。
このゼミが開講して1年経ちますが、「天下一」では初めての受賞者ゼロという結果になりました。 情報の2点目。新連載の情報です。 ……と、情報は以上という事で、今週もレビューと“チェックポイント”に移りたいと思います。
☆「週刊少年ジャンプ」2003年2号☆ ◎新連載『TATTOO HEARTS』(作画:加治佐修) 「ジャンプ」の新連載シリーズ第2弾は、加治佐修さんの初めての連載作品・『TATTOO
HEARTS』です。 それでは、中身についてお話してゆきましょう。 次にストーリーなどについてですが、これも長編作品の新連載第1話としては、かなりのレヴェルに達している出来と言えそうです。 つまり課題は、これからどうやって加治佐さんの独自色を出していけるか…という所にあるわけです。あと1〜2回の内にオリジナリティが醸し出されるようになれば、その時がヒット作へのゴーサインが出る瞬間だと思います。
チェックポイントで扱う作品は、なるべく固定しないように気をつけてはいるんですが、「嫌事は極力書かない」方針を守ると、どうしても候補が絞られちゃうんですよね。どうか、ご理解下さいませ。 ◎『アイシールド21』(作:稲垣理一郎/画:村田雄介)【第12回掲載時の評価:A/雑感】 教室のTVの横に書かれたサインに「ムサシ」という名前が……。これ、伏線ですよね。またとんでもない所に張るなぁ…。 ◎『いちご100%』(作画:河下水希)【第3回掲載時の評価:B/雑感】 これを読んだ全国の男子中学生たちが、自室で1人悶え苦しんでいる様子が容易に想像出来ます(笑)。 ◎『Ultra Red』(作画:鈴木央)【第3回掲載時の評価:B/雑感】 気がついたら、話がもう何かまとめに入ってますね(笑)。まるで短期集中連載の様相を呈して来ました。
☆「週刊少年サンデー」2003年2号☆ ◎新連載『ワイルドライフ』(作画:藤崎聖人) 「サンデー」の新連載シリーズ第1弾は、藤崎聖人さんの獣医マンガ『ワイルドライフ』です。 それでは作品のレビューに移りましょう。 そしてストーリー面ですが、まずは絶対音感と獣医の才能を結びつけるという発想はオリジナリティがあって良いんじゃないかと思います。ひょっとするとリアリティから言えば無理があるのかも知れませんが、この設定を話の中で説得力を持たせることには成功しています。 次回からは、主人公が本格的に獣医としての活動をするエピソードが始まるようですが、これがどうなってゆくのか、今しばらく様子を窺いたいと思います。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ ◎『美鳥の日々』(作画:井上和郎)【第3話掲載時の評価:B+/雑感及び作品の再評価】 急展開かと思ったら、主人公の恋愛感情を確定させるためのハプニング作りだったわけですね。上手い“小技”使いますねぇ。 ◎『一番湯のカナタ』(作画:椎名高志)【第3話掲載時の評価:A−/作品の総括】 結局、前半の大ダレが響いて、29話で打ち切りとなりました。最近の「サンデー」は打ち切り決定までの判断が早いのか遅いのかよく分かりませんね(苦笑)。
……というわけで、今回は以上。また来週をお楽しみに。 |
12月11日(水) 現代社会学概論 |
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最近、世界史とギャンブルの真面目な講義ばかりでしたので、今日はちょっとノリを軽く、時事関連の講義でもやってみようかと思います。 では、まずはこちらのニュースをご覧下さい。
野外ステージ公演でナニを露出してしまった“極楽とんぼ”の2人が警察の取調べを受けて書類送検された…というニュースでありました。 なにしろ、芸人にとって「パンツを脱ぐ」という行為は日常茶飯事であります。多少安易な方法ではありますが、それで笑いが取れるくらいなら幾らでも脱ぐという芸人は数多く存在します。中には井手らっきょのように脱ぐ事が大前提という人や、松村邦洋のように笑いに繋がらない場でも平気で脱ぐ人だっています。 皆さんは、テレビ番組・「浅草橋ヤング洋品店(浅ヤン)」がバラエティ番組だった頃のことを覚えていらっしゃるでしょうか?
まぁその件はこれで置いておくにしましても、何故、お笑い芸人は包茎手術をした事をネタにしたがるのでありましょうか? googleで「包茎手術 タレント」と検索しますと、267件もヒットします。ちなみに、「駒木博士の社会学講座」で検索すると205件。微妙に負けてるのが腹立ちます。 包茎手術をしたタレント・芸人と言えば、最近では“障害者お笑い芸人”ホーキング青山の包茎手術決行が話題となりました。 しかしもっと凄いのが、そのホーキング青山の包け…じゃなくて、傍系の兄弟子筋にあたる浅草キッドであります。 そして公開手術当日。浅草キッドは、まさか2人が下半身裸で手術台に拘束されているとは知らなかった女の子たちの物凄い悲鳴を浴びながらレーザーメスに身を委ねたとのことであります。その日を境に、浅草キッドの周りから若い女性ファンの姿が誰一人見られなくなったのは言うまでもありません。 |
12月9日(月) ギャンブル社会学 |
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この講義では、前回からサッカーくじと他のギャンブルの比較検討を行っていますが、今回もその続き。公営競技(3競オート)とパチンコ・パチスロを採り上げてみます。 ※参考(サッカーくじの特徴一覧)
(2) 公営競技(競馬/競輪/競艇/オートレース)
1.“一獲千金”性 ちなみに、“一獲千金”性の低いギャンブルは健全であるような印象を受けがちですが、実は違います。“一獲千金”性が低いギャンブルで大金を稼ぐためには賭け金を釣り上げねばならないので、身分不相応な賭け金を突っ込んで“人生アウト”になるケースが続出するのです。 2.達成感喚起力 3.資金の回収期待値 ところで余談ですが、ノミ行為で1割引の“私家製”投票券を購入した場合は、単純計算でなら期待値は82〜3%にまで上昇します。これならアマチュア上級者程度の技量があれば、ギリギリでプラスが計上できるはずです。もっとも、長期的なプラスを計上する前に、両手が後ろに回ってしまう可能性も高いのですが……。 5.中毒性 6.とっつき易さ 7.ファンサービスの充実度 ◎総括及びサッカーくじとの比較◎
(3) パチンコ、パチスロ
1.“一獲千金”性 ここでまたしても余談です。先に「“一獲千金”性の低いギャンブルは危険」だと述べましたが、それはこのパチンコでも当てはまります。パチンコでは、まとまった儲けを得る事は極めて難しいですが、庶民の生活に影響が出る程に負けが込むのはあっという間です。 2.達成感喚起力 また、実はパチンコとは全く別種のゲームであるパチスロ(パチンコ屋にあるスロットマシーンだから『パチスロ』で、実はスロットマシーンに限りなく近いゲームなのです)も、パチンコのフィーバー台を参考にした“大当たり”システムを導入しており、極めて高いレヴェルの達成感が期待できるゲーム機になっています。 3.資金の回収期待値 4.戦略性 5.中毒性 6.とっつき易さ 7.ファンサービスの充実度 ◎総括及びサッカーくじとの比較◎ ……というわけで、今回は2つのギャンブルについてお話しました。何だかサッカーくじの旗色は悪くなる一方ですが、果たしてどうなるのでしょうか? 次回をどうぞお楽しみに……。 (次回へ続く) |
12月8日(日) 歴史学(一般教養) |
前回からエーゲ文明の遺跡発掘や文字解読に関わった人物のエピソードをお話しています。前回はトロヤ文明の発見者・ハインリヒ=シュリーマンが発掘活動を開始するまでのお話をしましたが、今回はその続きから始めましょう。 1868年、日本では徳川幕府政権の退陣に揺れ動くその頃、シュリーマンの発掘活動が遂に開始されますが、これに先立ち、シュリーマンは念願のギリシア語習得を果たしています。 しかし、そんなシュリーマンも考古学者としては全くの素人です。初仕事となったイタカの島での発掘活動では目ぼしい発見はなく、完全な失敗に終わります。 とはいえ、シュリーマンもこれで引き下がるような生き方はしていません。苦い経験から3年後、いよいよ彼は生涯の目標でもあるトロヤ発掘に乗り出します。 発掘されたトロヤの遺跡は、時代別で9つの階層に及ぶ大きなものでありました。ただ、残念な事にそれらの遺跡は十分な記録が採られる事無く掘り進められてしまい、完全な再現は今では不可能なものとなっています。 ……こうして、シュリーマンは歴史に名を遺す偉大な発見者となる事が出来たのでありました。 が、彼の活躍はここでまだ終わりません。なんと、ここから更に“ダメ押しの一撃”をブチかますことになるのです── やや短いですが、今日はこれまで。次回は、そんなシュリーマンの更なるエピソードのお話と、その他のエーゲ文明に関わった人物について、いくつかの話を述べてゆきたいと思います。(次回へ続く) |
12月7日(土) 競馬学特論 |
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駒木:「……では講義を始めるけれども、今日は最初に言っておきます。多分、予想は当たりません!(笑)」
珠美:「8枠15番のエイシンブーンは、枠順発表直後、感冒のために出走取り消しとなりました。皆さんもどうぞご注意下さい」
※駒木ハヤトの“敗戦の弁” ※栗藤珠美の“反省文” |
12月6日(金) ギャンブル社会学 |
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ほぼ10日ぶりのシリーズ再開です。前回まではtoto(サッカーくじ)の現状や、ギャンブルとしての特徴についてお話をして来ました。そして、サッカーくじの今後を占う上では、競合相手である他のギャンブルとの比較検討が必要である…との結論に至ったのでした。 ではまず、この機会に採り上げるギャンブルをピックアップしておきましょう。
……となります。そして、これらのギャンブルを、前回までに紹介した「集客と売上げの望める7つの条件」、 1.“一獲千金”性 ……にあてはめて検討するものとします。
(1) 宝くじ(当せん金高額のもの/低額のもの)
まずは、サッカーくじの運営サイドが最大のライバルとして認識しているであろう宝くじを検討してみましょう。 1.“一獲千金”性 ところで宝くじの中には、1等当せん金が100万円程度またはそれ以下のくじ──「ナンバーズ」や各種のスクラッチくじなど──も存在します。 この項だけでもお分かりになると思いますが、宝くじの運営サイドの戦略は相当したたかなものです。サッカーくじが宝くじと伍していくためには相当の覚悟が必要でしょう。 2.達成感喚起力 3.資金の回収期待値 4.戦略性 5.中毒性 6.とっつき易さ 7.ファンサービスの充実度 ◎総括及びサッカーくじとの比較◎ ……というわけで、今回は宝くじの検討をお送りしました。次回以降しばらくの間、このような感じで各種ギャンブルの分析を続けていきたいと思います。どうぞご注目下さい。(次回へ続く) |
12月5日(木) 演習(ゼミ) |
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「仁川経済大学コミックアワード」も終わり、今週から心機一転のリスタートです。物理的な事情で、以前ほどレビュー対象作を確保できていませんが、その分はクオリティでフォローしたいと思います。どうぞよろしく。 さて、今週から「週刊少年ジャンプ」の新春新連載シリーズが始まりましたが、開幕週ということもあって、レビュー対象作は1本のみ。“チェックポイント”と情報系の話題が中心となりそうです。来週からは嬉しい悲鳴を上げそうなくらい、レビュー本数が増えそうなんですけどね。 ではまず、情報系の話題から。先週の手塚・赤塚賞に続き、今週は小学館系の主要マンガ新人賞・「新人コミック大賞」の結果発表がありました。5部門が一斉に発表されていますが、ここでは当ゼミに関わりの深い少年部門(「週刊少年サンデー」系)の受賞作・受賞者のみを紹介しておきたいと思います。
入選の西森さんは、「まんがカレッジ」01年12月・02年1月期で努力賞を受賞していますね。1年がかりで“出世”を果たしました。 ……さて、そんな「週刊少年サンデー」では、来週から新たに連載が開始されるマンガが登場します。新連載作品のタイトルは『WILD LIFE』(作画:藤崎聖人)。作者の藤崎さんは以前別雑誌で連載経験のある若手〜中堅にあたる作家さんで、約半年前に「サンデー」本誌で前・後編読み切り『ガクの詩』を発表しています。 ……では、そろそろレビューと“チェックポイント”に移りましょう。今週のレビュー対象作は、「ジャンプ」から新連載1本のみとなります。 ☆「週刊少年ジャンプ」2003年1号☆ ◎新連載『グラナダ─究極科学特捜隊─』(作画:いとうみきお) 「週刊少年ジャンプ」の“新春”新連載シリーズ第1弾は、『ノルマンディーひみつ倶楽部』のいとうみきおさんの連載復帰作『グラナダ─究極科学特捜隊─』です。 では、内容についてお話をしてゆきますが、まず、細かい指摘をする前に作品全体を通しての話をさせてもらいますと── それでは例によって絵柄についてのチェックから。 そしてストーリー面においてでも、全体的には技巧や趣向が凝らされていて悪くは無いのですが、決定的な失敗が幾つか見られます。 まず、第1話のストーリーは、読み切りの内容をベースに新設定を加えたものだったのですが、どうもその新・旧設定の相性が良くないようです。 また、読者に与えるべき情報が充分に与えられていないというのも大問題でしょう。物語、特にマンガでは、ミステリ物などで無い限りは、“少し鋭い人には先が読める”くらいの情報を与えておかないと、理解してもらいたい部分すら理解してもらえない可能性が高くなるのです。 話作りが上手い作家さんだと、このあたりは適当でもっともらしい些細な設定を散りばめて煙に巻いてしまうんですが、どうもいとうさんは生真面目すぎるのか、これが全く苦手なんですよね。勿体無い話です。 とりあえず、第3回まで様子を見て最終判断を下しますが、これは下手をすると“突き抜け”て(1クールで打ち切り)しまうかなぁ…という感が否めません。 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ ◎『テニスの王子様』(作画:許斐剛)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 先週からの番外編なんですが、編集・作家さんとも普段よりもノリノリのような気がしてならないんですが(笑)。 ◎『遊☆戯☆王』(作画:高橋和希)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感・その他】 プロレスマンガが終わった週に、かつてプロレスマンガで“突き抜け”を体験した作家さんの作品を採り上げるのも因縁深い話ですが……(苦笑)。 ◎『いちご100%』(作画:河下水希)【第3回掲載時の評価:B/雑感】 新ヒロインは年下の幼馴染! なんてベタな(笑)。 ◎『A・O・N』(作画:道元宗紀)【第3回掲載時の評価:B−/作品全体の総括】 ジャスト10回で打ち切り。これで道元さんは3連載3打ち切りというわけで、「少年ジャンプ」追放が確定しました。
……各地で賛否両論のコメントですが、これ、自分自身の不甲斐なさを責めているものなのであれば、「そこまで言うんなら、絶対負けるなよ。頑張れ!」と激励の言葉を送りたい気分ではあります。勿論、各方面への愚痴だったら論外ですが。 しかし冷静に見て、道元さんがこの後リベンジを果たすためには、修正すべき点は山積していると指摘しなければならないと思います。 ……とにかく、ああいうコメント書いた以上は、意地でもブレイクして欲しいと素直に思います。マンガ家という仕事は、本人が辞めたと言わない限りは辞めさせられる事は無いわけですしね。
☆「週刊少年サンデー」2003年1号☆ ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ ◎『焼きたて !! ジャぱん』(作画:橋口たかし)【現時点での評価:B/雑感】 すいません、トグロ巻いた“踊るフランスパン”がウ○コに見えて仕方ないんですが(爆)。 ◎『美鳥の日々』(作画:井上和郎)【第3話掲載時の評価:B+/雑感】 相変わらずベタな話ばかり続くなぁ…と思っていたら、突然の急展開! ◎『旋風の橘』(作画:猪熊しのぶ)【現時点での評価:C/雑感】 最終回です。言いたい事は『コミックアワード』の時に全部言っちゃったんですが、つくづく「いくら『連載やろう』と言われても、好きでもないテーマで見切り発車すると計り知れない損害を喰らう」という事を痛感させられた作品でした。でも、連載していいと言われて連載しないマンガ家っていないだろうしなぁ……。 |
12月4日(水) 文学(一般教養) |
さて、1周年式典明け一発目の講義です。 それでは早速、推薦書の紹介にまいりましょう。順番は原則的に順不同。本棚から引っ張り出した順です。 ◎『優駿』(上・下) 宮本輝・著 新潮文庫 ◎『鉄道員(ぽっぽや)』 浅田次郎・著 集英社文庫 ◎『BAD KIDS』 村山由佳・著 集英社文庫 ◎『十角館の殺人』 綾辻行人・著 講談社文庫 ◎『吾輩は猫である』 夏目漱石・著 新潮文庫 ◎『不夜城』 馳星周・著 角川文庫 ◎『傭兵ピエール』(上・下) 佐藤賢一・著 集英社文庫 ◎『後宮小説』 酒見賢一・著 新潮文庫 ◎『ドリームバスター』 宮部みゆき・著 徳間書店 ◎『柏木誠治の生活』 清水義範・著 新潮文庫 ◎『麻雀放浪記』(1巻・青春篇) 阿佐田哲也・著 角川文庫 ◎『ホワイトアウト』 真保裕一・著 新潮文庫 ◎『空(から)の境界』(上・下) 奈須きのこ・著 同人誌
それでは、今日の講義はこれで終わります。また明日から通常タイプの講義に戻りますが、そちらもどうぞよろしく。(この項終わり) |