「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
12月30日(月) 文献購読(小説) |
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さて、当社会学講座もいよいよ今年最後の講義となりました。 この2002年の講義は、1月2日のフードバトルクラブ・キングオブマスターズ直前プレビューから始まって、今日までで約300回を数えます。それらの講義レジュメを全て合わせると、恐らくは京極夏彦先生も真っ青の分厚い本が出来る位のボリュームになっているのではないでしょうか。 そんなアホも今年は今日で“やり納め”。「やり」の字をカタカナにすると、まるで風俗雑誌の年末特大号みたいでアレですが、今日は今日でアホさ全開の講義を全うして、この1年を締めくくりたいと思います。どうか皆さん、最後までよろしくお付き合い下さいませ。 ……で、今日の講義ですが、これはタイトルをご覧になればお分かりになりますように、いわゆる“ボツネタ”のリサイクルという事になります。 しかし、今回復活させる講義が一度ボツになった理由は他のものと一味違います。それは、 「あまりにも下品すぎてボツ」 ……これはこの秋に実施した「ショート・ショート発表会」(未読の方は11月前半の講義レジュメを参照して下さい)用のネタだったのですが、そういう理由で執筆を断念したわけです。 そんなわけで、今回お届けするショート・ショートは、題名からして季節感大ハズレという、色々な意味で挑戦的なお話です。その名も『アザラシなんていらねぇよ、秋』。気楽に肩の力を抜いて、楽しんで頂ければ…と思います。ただし、もし万が一ツボにハマっても、あまり大きな声で笑わないようにお願いします。ご家族や職場の同僚が「何、何?」とモニターに寄って来た時に大変恥ずかしい思いをする羽目になりますので。 「駒木博士のショート・ショート発表会」 某在京TV局の第5小会議室。5〜6人ほどで満員になるなる狭い部屋の中で、2人の男が机に差し向かいで宅配弁当の食事を摂っていた。局に泊り込んでやった仕事が一段落ついた後の、昨日の夕食を兼ねた朝食である。昨日の午後に作られたという弁当の白飯は、既に割り箸を頑として受け付けないくらいに固い。
「なんだこりゃ?」 ◆──────◇ 「──いやぁ、昨日の数字は凄かったっスねぇ。このまま行くと、今週中には30まで行っちゃうんじゃないスか?」
──この時、有頂天にあった彼らだが、しばらく後には一転してドン底に叩き落される事になる。その事を彼らはまだ知る由も無かった。 まず、タマちゃんと同じ川で新たに発見されたアザラシにはその後、全身が金色の毛に覆われているところから「キンちゃん」という名前が付けられた。 すると、その事実を知った真田の上司は、真田の番組で2頭の様子を深夜生中継する事を指示するところとなった。その中継に潜む危険性を悟っていた真田たちは何とかして企画にストップをかけようとしたが、タテ社会の壁の前に叶わなかった。 生中継は文字通りの修羅場となった。 「こちら、タマちゃんとキンちゃんの暮らす、横浜市は──」 「キンタマー!」 「よ、横浜市は鶴見川では──」 「キンタマー!」 「鶴見川では、2頭のアザラシを見物するために──」 「チンポコー!!」 「2ちゃんねる」掲示板内で企画された「生中継でアザラシに声援を送る緊急オフ」に全国中から集まった数千人の観衆たち。その中の一部が暴走し、生放送でカットのしようの無い場面で放送禁止用語を連呼してしまったのであった。 次の日から「今日のアザラシ」のコーナーは最初から存在しなかったかのように姿を消し、同じように真田たちの名前も番組のクレジットから姿を消した。その他多くの関係者も謹慎や減俸の処分が下り、そのテレビ局内では、間もなくして季節外れの大人事異動が行われた。真田はこの時に依願退職して社を去っていった。 それからしばらくして、報道局の近くにある男子便所の壁に、ボールペンで刻み込まれるようにして書かれた落書きが発見された。 そしてその後、このテレビ局の男性社員は、女性とコトに及ぶ際になってアザラシの姿を思い浮かべてしまうという奇妙な後遺症に襲われる事になったと言う。 (完) |
12月29日(日) 特別演習 |
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※前回までのレジュメはこちらから→第1回(新連載作品中心)/第2回(読み切り作品中心) 「週刊少年ジャンプ」の2002年を振り返るという趣旨の講義の第3回、今回が最終回なのですが、正直言って「やらなきゃ良かった」とか思っています(苦笑)。ここまで手を焼く羽目になる題材とは思っても見ませんでした。こんな事だったら素直に、「M−1」の回顧を立川談志の「褒めてやる」の価値などを絡めつつやっておけば良かった…などと思っております(苦笑)。 それにしても、全く編集方針の異なる「マガジン」の凋落が、かつての「ジャンプ」の“暗黒期”突入の時と同じく、 しかし、この一連の「マガジン」の低迷は、「ジャンプ」にとっても対岸の火事ではないのです。 ……さて、他にも紹介すべき出来事もあるのですが、それは作品の総括を進めながら検討する事にしましょう。
ではまず、一覧表とは順序が前後しますが、今年連載が終了した作品から振り返っておきましょう。 まず、今年の長期連載作品終了第1号となったのは『ライジングインパクト』でした。 そして、そんな事情もあって、連載終了直後から周辺では様々な動きがなされました。 ……さて、今年の長期連載打ち切りとその衝撃で最大級のモノと言えば、やはり『世紀末リーダー伝 たけし!』の強制打ち切り終了と作者・島袋光年氏の逮捕という出来事をおいて他に無いでしょう。
島袋氏の犯した罪は、小学生をも対象に含めるマンガ雑誌の連載作家としては文字通り“ご法度”だった事もあって、編集部の動きは極めて迅速でした。逮捕から2日後には非常に厳しい決断を下されます。
連載終了と単行本の出荷停止(事実上絶版)という措置は、『世紀末リーダー伝 たけし!』という作品を存在もろとも抹消する事を意味します。恐らくは作者の島袋光年氏も「ジャンプ」では二度と作品を発表する事は出来ないでしょう。 さて、一連の事件について語り終わったところで、『──たけし!』の作品の内容についても振り返っておきましょう。 それにしても今回の件は、ほとんど誰も得をした人間がいないという意味において、非常に悲しい出来事でした。二度とこのような事が起きないようにしてもらいたいものです。
では本題に移りますが、この2002年の長期連載作品は、全体的──特に99年以前から連載が開始された“看板作品”において「勢いの上げ止まり」が見られた1年ではなかったかと思います。多くの作品において、1つのエピソードを描き終わるまでの期間が長くなっており、「冗長過ぎる」という表現を使わなくてはならない作品もチラホラと出て来たのでないかと思われます。 ただ、これは1つの作品の“鮮度”という観点から見れば無理も無い話です。いくら優れた描き手であっても、長年同じ話ばかり描いていればテンションが下がるのが当たり前なのです。これも駒木の私見ですが、週刊連載の少年マンガの場合、1つの作品が全ての意味でピークを保てる“寿命”は、大体2年から3年で限界だと考えています。その後は作家の力量と精神状態によって、高いレヴェルのままで長期間安定したり、徐々に作品の質に悪影響が出て、最後には破綻に至ったりすることになるわけです。 話を戻しましょう。 ……ここまで述べて来た事をまとめますと、現在の「ジャンプ」は既に、“ポスト暗黒期”から“過渡期”に移行しつつある…という事です。「ジャンプ」編集部には、雑誌がまだ高いレヴェルのクオリティを維持している間に打てる手を全部打って、大物新人の発掘・育成、または中堅・ベテラン作家の“もう一花”の“栽培”を成し遂げて欲しいものです。 お金を払ってまで苦々しい思いをするような第二の暗黒期が訪れないよう切に願いつつ、また、「週刊少年ジャンプ」の更なる発展を祈りつつ、この講義を占めさせて頂きます。拙い講義でしたが、御清聴どうも有難うございました。(この項終わり) |
12月28日(土) 競馬学特論 |
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珠美:「いよいよ今年も、日付上はあと3日となりました。毎週土曜日にお送りして来ました競馬学講義も、今回が年内最後となります。というわけで今日は、今年のJRAG1レースを振り返る…と言いますか、私たちが皆さんに披露して来た予想の大反省会をお送りします(苦笑)。」
珠美:「このレースは、アグネスデジタルが中団差しで1番人気に応えて快勝。海外でのレースとダートグレード競走を含めると4つ目のG1勝利となりました。2着は公営の雄・トーシンブリザードが健闘したんですよね。
珠美:「重賞未勝利の昇り馬・ショウナンカンプが果敢な逃げを打って後続を完封。一躍、一流馬の仲間入りを果たしました。2着は当時復調著しかったアドマイヤコジーンが2番手のまま粘り込み。結局、“行った行った”の決着になりました。
珠美:「13番人気のアローキャリーが、鮮やかな先行抜け出しで大波乱の主役となりました。池添謙一騎手は嬉しいG1初勝利ですね。2着にも伏兵・ブルーリッジリバーが飛び込んで、馬連は3万円台の高額配当になりました。馬単と3連複があったらどんな配当だったんでしょうね(苦笑)。
珠美:「桜花賞に続き、このレースも波乱の結末となりました。勝ったのは15番人気のノーリーズンで、2着には8番人気のタイガーカフェ。馬連で5万円台ですから、馬単があればまず10万馬券は間違いないところですね。
珠美:「……と、ここまで波乱続きだった春のG1戦線が、とりあえずの一段落となりましたのが、この天皇賞でした。マンハッタンカフェが前年の菊花賞、有馬記念に続くG1レース3勝目。前走日経賞で汚した名誉を見事に挽回しました。以下の着順も、2着ジャングルポケット、3着ナリタトップロードと順当に収まり、馬連は5.4倍と堅めの配当となりました。
珠美:「このレースは4番人気のテレグノシスが勝ったんですが、この馬の走行について約20分にも及ぶ審議が行われるなど、スッキリしない決着になってしまいましたね。圧倒的1番人気を背負ったタニノギムレットも直線で致命的な不利を受けて3着。馬連の配当は48.3倍とやや波乱の結果になりました。
珠美:「3歳牝馬戦線はまたも波乱の決着。直線強襲を決めた4番人気・スマイルトゥモローと、中団から脚を伸ばした12番人気・チャペルコンサートの2頭が上位を占め、馬連はまたも135倍の万馬券決着となりました。
珠美:「今年のダービーは、ここまで惜敗続きだったタニノギムレットが1番人気に応えて完勝。武豊騎手は史上初となる日本ダービー3勝ジョッキーとなりました。2着には皐月賞後に台頭して来た後の有馬記念馬・シンボリクリスエスが入って、このレースは馬連8.7倍の平穏な決着でしたね。
珠美:「4年前の2歳マイル王者・アドマイヤコジーンが長いスランプを経て久々のG1レース2勝目を挙げました。2着には前年ジャングルポケットと好勝負を繰り広げたダンツフレームが飛び込んで、このレースは“リベンジ組”のワン・ツーとなりました。馬連配当は58倍。アドマイヤコジーンが7番人気だったんですね。
珠美:「安田記念で復活の足がかりを得たダンツフレームが接戦を制し、G1初制覇を達成しました。2着には逃げるローエングリンを4番人気・ツルマルボーイが直線強襲。馬連は10.6倍の配当となりました。 |
12月27日(金) 特別演習 |
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※前回までのレジュメはこちらから→第1回(新連載作品中心) 「週刊少年ジャンプ」の2002年を振り返るこの講義、今回が2回目となります。 さて今回は、1回読み切りを中心とする短編作品の総括を行います。ただし、対象とする期間は2002年1号〜52号までの間とします。(新連載作品の対象期間と違うので中止して下さい) 1:プロトタイプ系読み切り 2:代原系読み切り 3:受賞作掲載 4:その他企画モノ等
今年度のプロトタイプ系読み切りは8作品掲載されましたが、今のところ連載化されたのは『SWORD BREAKER』と『ジュゲムジュゲム』(『グラナダ ─究極科学探検隊─』に改題)の2作品のみ。時期的に言って、下半期に発表された作品にはチャンスが残っているはずですが、ネット界隈の評判を総合した限りでは、あと1作品出番が回ってくるかどうか…といったところでしょうか。 ただデータを見る限りでは、最近の「ジャンプ」はプロトタイプ系読み切りを“捨てて”しまうケースが多く、連載化されるプロトタイプ系読み切りの割合は相当低く抑えられています。 …そういう意味では、現在の編集長・高橋俊昌氏は鳥嶋体制を引き継いでいると言えるのでしょう。しかし彼の就任以降、プロトタイプ系読み切りのレヴェルが若干下がってきているのが少し気になります。つまり候補作を吟味する以前の段階が疎かになっているわけで、今後はこの辺りにもう少し力を注いで欲しいと注文をつけたいところでもありますね。
……今年は複数の作家が原稿を落としまくる異常な年であったため、実に17名・27作品の代原が掲載されました。 ところで、この講義に際して代原と代原作家について調べてみたのですが、その結果、かなり寒い事実が判明してしまいました。
本来、受賞作は増刊に回されるものですので、1年で3作品の掲載というのは平均程度の量といったところではないでしょうか。 既に連載化されて編集部の全面プッシュを受けている『アイシールド21』は勿論、『だんでらいおん』もネット界隈ではなかなかの人気を博しています(当講座のゼミもその一翼を担っていますが《笑》)。また、受賞作そのものは「既成の作品の影響が強すぎる」という批判も聞かれた『CROSS BEAT』の天野洋一さんに関しても、次回作へ向けて本格的に活動中という情報があり、来年の活躍が期待できそうな状況です。
……今年のこのカテゴリは『ヒカルの碁』の番外編が大半を占める格好になりました。島袋光年氏の名前がトップに出ているのが痛々しいですが、彼の不祥事に関しては次回へ譲り、ここではノーコメントという事にしましょう。
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12月26日(木) 演習(ゼミ) |
いよいよ今年最後のゼミとなりました。 さて、今週は「週刊少年ジャンプ」が合併号休みのため、レビュー対象雑誌は「週刊少年サンデー」のみになります。 先週末、今年度「仁川経済大学コミックアワード」“2冠”に輝いた『アイシールド21』の単行本が発売されたんですが、ちょっと驚いた事にその売り上げが思ったほど伸びてないんですよね。同日発売になった「ジャンプ」4作品の中では最下位で、アニメが始まって絶好調の『NARUTO』はともかく、『BLEACH』とか『Mr.FULLSWING』にも結構な水を開けられる“惨敗”だったり。 ……と、間口の狭い話でお茶を濁したところで(笑)、ボチボチ今週のレビューへ行きましょうか。
☆「週刊少年サンデー」2003年4・5合併号☆ ◎新連載第3回『ワイルドライフ』(作画:藤崎聖人)【第1回掲載時の評価:B】 前回のレビューの後、たった2話で随分とストーリーが進展しました。この、ネタを出し惜しみしないテンポの良さは評価できる内容でしょう。今のところ、このテンポがこの作品の生命線になっているのではないかと思います。 話の中身そのものは、良く言えば破天荒でダイナミックな、悪く言えば相変わらずご都合主義でリアリティに欠けるものになっています。もう少し具体的に言えば、主人公が大した苦労も無く、絶対音感能力と前向きな性格だけで困難を潜り抜けていく……というスタイルですね。 とりあえず現時点での課題は、もう少し獣医学の専門的な部分に踏み込んだエピソード(例えば困難な外科手術を1人でやらなくちゃいけない…など)を用意して、話全体に深みを持たせる事でしょうね。主人公の絶対音感を活かした話ばかりで攻めまくっても、あっという間に読者に飽きられてしまうと思います。 さて評価ですが、今回もB評価のまま据え置きとします。但し、ワンパターンがこの後何週間も続くようであれば、“チェックポイント”で再評価を下したいと思います。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ ◎『MAJOR』(作画:満田拓也)【開講前に連載開始のため、評価未了/雑感】 むー、今週は“『プロゴルファー猿』方式”の極致ですなぁ……。あんな展開で聖秀が勝って、それでハッピーエンドになり切れるんでしょうかねぇ? ◎『美鳥の日々』(作画:井上和郎)【第3話掲載時の評価:B+/雑感】 うひー、サンデーの許容範囲ギリギリのお色気全開ですなー。しかも美鳥じゃなくてお姉さん出してくる変化球が心憎い(笑)。 ◎『モンキーターン』(作画:河合克敏)【開講前に連載開始のため、評価未了/雑感】 んー、ナニゲに澄ってスタイル良いんだよなー(どこ見てんだ)。 《その他、今週の注目作》 ◎『最強伝説黒沢』(作画:福本伸行/「ビッグコミックオリジナル」03年1号) メジャー誌では『カイジ』などで、そして「近代麻雀」系列誌では『アカギ』や『天』などでコンスタントにヒットを飛ばしている福本伸行さんが、今度はビジネスマン向の「ビッグコミックオリジナル」に登場です。 この主人公の黒沢、道路工事会社で平の現場監督を務める44歳の男なんですが、未だ独身で身寄りも無くてプライベートで親しい人間もいない“齢男(=『としお』と読む、作者による造語)”。 今回はプロローグ的な話で、(これから“最強伝説”を築いていく事になるであろう)黒沢の生活の空虚さを物凄く具体的に描写する回だったんですが、その描写がいちいち鋭くて参ってしまいます。 しかし、この作品の一番凄い点は、ここまでミもフタもない内容を描いておきながら、恐らく大部分の読者に「次回が早く読みたい」と思わせてしまう所にあります。酷い事を書いてるのに、嫌味がほとんど感じられないんですよね。 まだ今回はプロローグ段階ですし、今後は福本作品特有の極端な間延びも予想されるだけに心配もあるのですが、とにかくこの第1回は素晴らしいの一言でした。
……と、いったところで今年最後のゼミも終わりです。来年は第2週、1月9日からの再開となりますが、どうぞ宜しく。 |
12月25日(水) 労働経済論 |
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※前回のレジュメはこちらから。 さて、今日は先週金曜日分の続き。駒木がこれまで体験したアルバイトについて当り障りのある話をしてゆく講義です。 それでは、勿体ぶってもナニな講義ですので、さっそく前回の続きを進めてゆきましょう。 ……駒木が経験した塾講師の時給は、前回の一覧表の通り、1700円でした。 で、ここからは“新ネタ”なのですが。
……その「とんでもないレヴェル」がどう「とんでもない」のかと言いますと、こんな感じになります。 ・中3の時点でbe動詞と一般動詞の区別がつかない。 まぁそういう事情があって、駒木の時給は大衆食堂の日替わり定食の代金並に据え置かれてしまったわけです。その上司、仕事を離れれば良い人だったんですが、その後不祥事起こしてクビになってますので、やっぱりそういう人だったんでしょう。 しかしまぁ、時給を不満に思っていたバイト講師は駒木だけではなかったようでした。 ちなみに、その塾は未だに健在であります。ただ、そこの社長はこのご時世に新しい大学作ったりするような、ヒロポン中毒かと思えるほどに重度の夢想家ですから、まぁ先行きはそう長くないと思います。
この「棚卸し」という仕事、販売業に携わっている方には馴染み深いと思いますが、これは簡単に言えば「決算などのために行う在庫一斉調査」です。つまり、何円分の商品を抱えているかを1円単位で調べるわけですね。
これでこの日は5500円貰ってるわけです。さっきの塾なら18時から24時まで働いて3400円強ですから、いかにこの仕事が美味い仕事か分かると思います。 ……さて、講義も長引いてきましたので、続きは次回に。今度は年明けになりますが、どうぞよろしく。(次回へ続く) |
12月23日(月・祝) 特別演習 |
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いよいよ年末という事もあり、テレビなどでも2002年を振り返る様々な企画が放送されるようになりました。これがもう数日もすれば「2002年10大ニュース」などという活字が新聞や雑誌に躍ることになるのでしょう。 そして我が社会学講座も、この年末から来年早々にかけて、この1年間を総まとめする企画を実施したいと思います。 そしてまず、今回からは「ジャンプ」の1年を3回シリーズでお送りします。 ……それではまず、今年の新連載作品を改めて振り返っておきましょう。なお01年末に連載が開始された作品は、その連載期間の大半が02年に入ってからですので、02年分の新連載として扱いました。また、他の年の新連載作品も同様に翌年扱いとします。
……この中で厳密には新連載ではない『ヒカルの碁』は除外して考える事にすると、今年の新連載作品は12本ということになります。
……の、以上3作品。秋にスタートした『Urtra Red』がまだ2クール目の連載中ですが、掲載順や諸々の材料から考えるに、このクール限りでの打ち切りが濃厚であるため、ここには含みませんでした。 さて、12作品中3作品の“生き残り”ということは、“半年生存率”は25%ということになりますね。
……奇しくも1年ごとに“当たり年”と“ハズレ年”が交互交互に訪れているように見えるのが趣深いところですが、半年生存率が高い年にはそれなりの理由──アンケートが良くないままダラダラ半年程度続いた作品、又はアンケートが悪くても編集部の意向によって打ち切られない作品がある──があり、実質上の平均半年生存率は30%前後ということになりそうです。 それにしても、新連載作品の7割が“無駄弾”に終わって当たり前…というのはやっぱりキツいですよね。改めて“ジャンプシステム”の恐ろしさを再認識させられます。 まずは“01年年末シリーズ”。このシリーズでは3本の新連載がありました。改めて作品名と作者を紹介しておきましょう。
『──にゃんタロー』の小栗かずまたさんは、97年11号から00年30号までの161回に渡って『花さか天使テンテンくん』を連載した“成功組”の作家さんで、その後、『──にゃんタロー』の読み切りテストを経て連載復帰となりました。 シリーズ第2弾の新連載『ソワカ』は、99年33号から45号まで『CHILDEAGON』を別ペンネームで連載(1クール打ち切り)した経験をもつ、東直輝さんの作品でした。 この時のシリーズ3作目は藤崎竜さんの『サクラテツ対話篇』。藤崎さんは、前作の『封神演義』で96年28号から00年47号まで206回の長期連載を達成した実力者で、同作品は「ジャンプ」では数少ない“円満終了作品”としても知られています。 ……このように01年年末シリーズは、実績者を中心に手堅い編集方針で臨んだものの、期待外れに終わってしまった感が否めませんでした。
シリーズトップバッターの『あっけら貫刃帖』を描いた女流作家・小林ゆきさんはこの作品が初の週刊連載。『赤マルジャンプ』や本誌などでの地道な活動が実っての連載枠獲得となりました。 そしてシリーズ2作目は、河下水希さんの『いちご100%』。河下さんは少女マンガ出身の女流作家さんで、『あっけら──』の小林さんの師匠格にあたります。「ジャンプ」では00年48号から01年21・22合併号まで『りりむキッス』を連載(2クール・24回打ち切り)した経験があります。 『少年エスパーねじめ』は、かつて赤塚賞受賞作『純情パイン』を連載に起こすも1クール打ち切り(00年47号〜01年09号までの13回)を喰らった経験のある、尾玉なみえさんの新作でした。 ……この春シリーズは、年末シリーズの反動のためか、新人1人&打ち切り作家2人という小粒なラインナップとなりました。しかしそんな中でも『いちご100%』が越年を果たし、一応はその意義が認められるシリーズとなったのではないでしょうか? ところでこの前後から、「ジャンプ」では“打ち切り免除枠”とされている『ジョジョの奇妙な冒険』や『ROOKIES』の人気が本来の“打ち切りライン”に低迷するようになりました。(もしかしたらそれ以前からかも分かりませんが──)
まずは叶恭弘さんの『プリティフェイス』。叶さんは約10年前から、ジャンプの本誌や増刊などで読み切り作家やイラストレーターとして活動して来ましたが、ここに来て突然の新連載。叶さんはジャンプデビュー前に連載経験があったそうですが、それ以来の連載という事で、手探りのスタートとなりました。 一方、連載開始前からコアなジャンプ読者層の注目を集めたのが、キユさんのサッカーマンガ『NUMBER10』でした。 『ヒカルの碁』に関しては、次々回に予定している長期連載作品回顧にて振り返る予定ですので、ここでは扱いません。 ……“GWシリーズ”で初登場した2作品は、それぞれ既存の作品と同系ジャンルであったのですが、結果は明暗分かれるところとなりました。しかも作家本人が打ち切りを覚悟していた方が生き残るという世知辛さに思わず泣けて来ます。
この辺りから我々の記憶にも新しくなって来ますね。 そのワリを食ったわけではないでしょうが、『アイシールド21』と対照的に典型的な打ち切りパターンにハマってしまったのが『SWORD BREAKER』でした。 ……このシリーズは、“期待のニューフェイス+実績のある中堅”という構成で、編集部にしてみれば年末シリーズ以来の“勝負駆け”だったように思えます。『ソドブレ』の失敗は残念でしたが、『アイシールド21』の大成功は何物にも替え難い功績と言えそうです。
『A・O・N』の道元宗紀さんは、かつて『奴の名はMARIA』(94年40〜48号連載)と『大好王(ダイスキング)』(99年14号〜31号連載)で2度の短期打ち切りを経験した作家さんです。 そして『Ultra Red』。作者の鈴木央さんは、前作『ライジングインパクト』で、「15回で“突き抜け”→読者からのアンコールに応え復活→130回と長期連載ながらやっぱり打ち切り」という居た堪れない経験をした人だったりします。 ……この秋シリーズは、今から振り返ってみると様々な意味で異色であったような気がします。短期打ち切り2回経験者の起用、プロレスマンガと格闘マンガというジャンルの重複、そして両作品の短期打ち切り(見込み)。
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12月22日(日) ギャンブル社会学 |
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※前回までのレジュメはこちらから→第1回/第2回/第3回/第4回/第5回/第6回 足掛け1ヶ月かかったこのシリーズも、いよいよ今回で最終回です。
※詳しい分析については第3回〜第6回までのレジュメを参照して下さい。 ……こうして一覧表にしてみると、余計に分かり辛くなってしまっている気がするのですが(苦笑)、まぁこれは参考という事でご容赦願います。 宝くじは、抜群の“一獲千金”性ととっつき易さ。 それに対して我らがサッカーくじはどうかと言えば、 優れているように見えて、実は宝くじには到底及ばない中途半端な高さの“一攫千金”性。 ……といった体たらくです。サッカーくじの運営サイドは低迷の原因を当せん金の低さ(=“一攫千金”性の小ささ)にばかり求めていますが、何の事はありません。要は、 サッカーくじはギャンブルとしての魅力が乏しい ──ただそれだけの事なわけです。ギャンブルとしてつまらないので、他のギャンブルから客を奪う事が出来ず、それどころかどんどん固定客が流出してゆく…という、至極当然な理屈なのです。 しかしここで「ハイ、以上」とやってしまっては日刊ゲンダイの芸能コラムのような志の低い“言いっ放しパワーボム”で終わりですし、駒木としても悪口言いっ放しでは気分が悪いというもの。そういうわけでここからは、「どうすればサッカーくじは集客力のあるギャンブルになるか?」という事をテーマに、いくつかの提言を試みたいと思います。 ──サッカーくじを魅力あるギャンブルに生まれ変わらせるためには、大きく分けて2つのコースが考えられます。 まず1つ目は、「サッカーくじの宝くじ化」。“一攫千金”性を強化し、“庶民のささやかな夢”を演出するようなギャンブルを目指す作戦です。そしてこの策は既にサッカーくじ運営サイドも目をつけていて、既に来年以降の施策として、 ・1等当せん金の上限アップ(現行1億円から2億円へ) ……などが公に出ています。 結局、サッカーくじが“第2の宝くじ”を目指しても、それは「サッカーを絡めてとっつき難くしただけの宝くじ」であって、余程のサッカー好きでない限りは見向きもされないままで終わってしまう可能性が大です。 最もダイナミックな転換を図るなら、アメリカのラスベガスやイギリスのブックメーカー(私営“賭け屋”)で行われているような、1試合ごとの勝敗を当てさせる『マネー・ドッグ』と呼ばれる方法でしょう。それは、
……というようにオッズを提示して各試合後との結果を賭けさせるものです。現行ルールでは引き分けがありますが、これは再びVゴールとPK戦を復活させれば済む話ですし、引き分けに賭けさせるように賭けのルールを変更してもいいでしょう。 ですので、ここではもう少し穏やかな“公営ギャンブル化”案として、「くじ対象試合の大幅削減」を提唱したいと思います。 これでもかなり無茶な提案である事は認めます。認めますがが、逆に言えばそれくらいやらねばサッカーくじに未来は無いのではないでしょうか? |
12月21日(土) 競馬学特論 |
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駒木:「さぁ、今年の(JRAの)G1レースもいよいよラスト。有馬記念だね」
珠美:「昨年に続いて頭数こそフルゲート割れとなりましたが、14頭中G1ホースが9頭で中身は濃くなった印象がありますが、博士の目から見てはいかがですか?」
※駒木ハヤトの“敗戦の弁” ※栗藤珠美の“反省文” |
12月20日(金) 労働経済論 |
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最近、街中や駅構内など至る所で、「Yahoo!
BB(ブロードバンド)」のモデム無料配布キャンペーンが展開されています。 ところがつい先日、このような認識を一変させてしまう事実を友人から聞かされまして、大層驚きました。 「あの仕事、実は短期アルバイトなんだけど、時給が1350円なんだよ」 ……バブル期に学生、またはフリーターをしておられた受講生の方にはピンと来ないかも知れませんが、このデフレスパイラルのご時世に時給1350円というのは破格の好待遇と言えます。これは、牛丼チェーンの繁盛店の深夜勤務ですら1000円チョイの時給である事と比較して考えてみればよく分かると思います。 ……まぁ、この例を見ても分かりますように、アルバイトの中には意外なほど高い時給、またはその逆のパターン…というものが多々存在します。 ……では、駒木がこれまで経験したアルバイトを、給料の時給換算額が高いもの順に並べてみましょう。
実は、今やっている公立高校の非常勤講師も給料は時給換算の上に他の待遇もアルバイトと大して変わらなかったりするのですが、まぁそれは契約社員的なものであると考えて除外します。講師の授業時給を知りたい人は、県庁に問い合わせて下さい(笑)。 それでは時給の高いものから順番に仕事内容を解説してゆきましょう。 その仕事内容は、3つの中学校に週1回ずつ(つまり週3回)出勤し、1日6時間ほどパソコンを使った授業に同席して教員をサポートする…というものでした。 ──ところが同じ時給2000円の仕事でも、家庭教師の場合はかなり事情が異なります。 表にもありますように、駒木が仕事を斡旋されたのはクソの役にも立たない教材をン十万で売りつけるような悪徳企業でした。そういう家庭教師派遣会社は教材を売ってナンボですので、本来メインであるはずの家庭教師派遣業は“もののついで”。どこの骨とも分からない学生を高い額面の時給で釣って登録させては、高い教材を売りつけた先の“カモ”に派遣するわけであります。 で、何の因果かそんな業者に、当時塾講師経験4年の、どこの骨か身元明らかな駒木が釣られてしまいました。まるで街中の練りエサで金魚を釣るような釣り堀にカツオかマグロが泳いでいるみたいな話で、今から考えたら一生の不覚モノの痛恨事なのですが、当時の駒木は大学卒業直後の就職浪人で収入がゼロ。背は腹に替えられなかったのです。 ……などと、下司な話題を小奇麗にまとめてみたところで、今日は時間となりました。この話題、思ったよりも長話になりそうなので、2〜3回に分けてお話することにします。では、また次回をお楽しみに。(次回へ続く) |
12月19日(木) 演習(ゼミ) |
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「M−1」×「コミケ」問題も解決に近付き、ようやく平常業務に専念できそうです。色々な意味でホッと一息といったところですね。 さて、そんな中で今週の現代マンガ時評です。 ビジターの皆さんのためにこの講義の内容について紹介しますと、このゼミは毎週木曜日に実施し、その週発売の「週刊少年ジャンプ」と「週刊少年サンデー」の2誌を中心に、新連載や読み切りの作品に対してレビューを行うというものです。また、それに付随する形で、「ジャンプ」、「サンデー」関連の情報や、“チェックポイント”なる雑感中心のコーナーも設けています。 では、今日も情報系の話題からまいりましょう。
同時期に「新人コミック大賞」があったとはいえ、2ヶ月合算でこの結果というのは、やや低調と言うべきでしょうか。 「サンデー」と言えば、どうやら『金色のガッシュ
!!』(作画:雷句誠)のアニメ化が内定した模様です。次号の“重大発表”で詳報がリリースされるようなので、ファンの方は特に注目ですね。 一方、「週刊少年ジャンプ」では、次号(5号)から前・後編の読み切り・『はじめ』(作:乙一/画:小畑健)が掲載されます。「ジャンプノベル」出身の売れっ子小説家・乙一さんと『ヒカ碁』の小畑健さんによる強力タッグと言う事で、これは注目と言えるでしょう。 ☆「週刊少年ジャンプ」2003年3.4合併号☆ ◎新連載第3回『グラナダ─究極科学特捜隊─』(作画:いとうみきお)【第1回掲載時の評価:B−】 「ジャンプ」では打ち切りか否かを占うターニング・ポイントとなる第3回時点でのレビューですが……。 まだこの時点においてでも、第1回で指摘した、読者に感情移入させる力の不足が未だ響いているような気がします。 また、主人公に与えられている分子を分解する力(というか、超科学アイテム)が余りにも便利すぎて、立ち塞がる障害が全て呆気なくクリアしてしまうのも問題と言えます。簡単に言うと、ストーリーのヤマ場が全く作れないんです。
◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ ◎『テニスの王子様』(作画:許斐剛)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 許斐さんの話作りって、とにかく強調するべき所を極端なまでに強調するんですよね。だから、あまり複雑な話に慣れていない小学生くらいにはメチャクチャ分かり易いんでしょう。
一応これで修行編は終了ですかね。まぁ、間延びさせないためにはこの辺りが限界でしょう。 ◎『ピューと吹く! ジャガー』(作画:うすた京介)【開講前に連載開始のため評価未了/雑感+α】 赤塚賞の受賞者さんが運営するウェブサイトで書かれていたんですが、この作品の担当さん(=受賞者さんの担当)が、「最近はハマーをオチに使いすぎたので、しばらくはジャガーとピヨ彦中心で行く」…と言っていたそうです。結構バランス考えてるんですねぇ。
☆「週刊少年サンデー」2003年2号☆ ◎新連載(短期集中)『少年サンダー』(作画:片山ユキオ) 今週から「サンデー」お得意の短期集中連載がスタートしました。人気次第で「打ち切り」、「増刊へ左遷」、「本誌で本格連載」…と運命が分かれていくシビアなプレゼンテーション企画です。 ……では、作品の内容を観ていきましょう。まず絵柄ですが、これは「サンデー」のギャグ作家さんの中では達者な方ではないかと思われます。色々なパターンの描き分けも出来るようですし、ギャグマンガを展開させていく上では十分な力があるでしょう。 しかし肝心のギャグの方は、“手数”こそ多いのですが、そのことごとくにおいてインパクトが弱いような気がしてなりません。典型的なボケ・ツッコミからシュール系のギャグまで、こちらも色々なパターンのギャグを披露していて、テクニシャンぶりは窺えるのですが、そこで止まってしまっています。 第1回を見た時点での評価はB−といったところ。ミもフタもない言い方ですが、雷句誠さんや井上和郎さんと同門なのに、どうしてここまでギャグ技術に差が出てしまうのか、不思議でなりません。 ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ ◎『金色のガッシュ !!』(作画:雷句誠)【開講前に連載開始のため、評価未了/雑感】 す、凄いっスね、12人の刺客……(笑)。 ◎『KATSU!』(作画:あだち充)【開講前に連載開始のため、評価未了/雑感】 えーと、ボクシングシーン、どっちがどっちだかメチャクチャ区別がつき難いんですが……(汗)。なんだか、『A・O・N』を髣髴とさせる分かり難さですね。ボクシングって同じような体格の選手同士の試合になるんで、これからも大変そうだなぁ……。 ◎『いでじゅう!』(作画:モリタイシ)【第3回時点での評価:A−/雑感】 ふ、藤原痛そう……(脂汗)。だってタマの裏ですよ、タマの裏! 女の子にはワカランのだろうなあ、あの痛みは(苦笑)。 ◎『きみのカケラ』(作画:高橋しん)【第13回掲載時の評価:B−/雑感】 ついに掲載順が“打ち切り権利獲得”の最後尾まで転落。やっぱり人気が無いんでしょうねぇ。
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12月18日(水) ギャンブル社会学 |
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※前回までのレジュメはこちらから→第1回/第2回/第3回/第4回/第5回 未だ昨日以来のアクセス急増の波が続いているようですが、今日から平常通りの講義を再開します。 低迷が続くサッカーくじの問題点を挙げつつ、既存のギャンブルとの比較検討を行っているこの講義、本日の第6回では、カジノ系ギャンブルの分析とサッカーくじとの比較検討を行います。 ただ、カジノ系のギャンブルは相当の種類があり、国・地域によってルールが若干異なったりしますので、今回はラスベガスのホテル内カジノを想定し、ギャンブルの種類も日本人に馴染みの深いスロットマシーン、ルーレット、ブラックジャック、バカラに限定して分析・比較検討を行う事とします。 比較検討の対象や方法に関しては、第3回のレジュメを参照して下さい。 ※参考資料(駒木によるサッカーくじの特徴一覧)
(6) カジノ系ギャンブル(スロットマシーン、ルーレット、ブラックジャック、バカラ)
1.“一獲千金”性 ●スロットマシーン ●ルーレット ●ブラックジャック ●バカラ 2.達成感喚起力 ●スロットマシーン ●ルーレット ●ブラックジャック ●バカラ ●スロットマシーン ●ルーレット ●ブラックジャック ●バカラ ●スロットマシーン ●ルーレット ●ブラックジャック ●バカラ 5.中毒性 ●スロットマシーン ●バカラ 6.とっつき易さ ●スロットマシーン ●ルーレット ●ブラックジャック ●バカラ
◎総括及びサッカーくじとの比較◎ ……というわけで、以上でサッカーくじと各種ギャンブルとの比較検討が終わりました。次回はこれを踏まえてサッカーくじの展望と改善すべき点を指摘してゆきたいと思います。恐らく次回で最終回ではないかな…と考えています。それでは今回はここまでです。(次回へ続く) |
12月16日(月) 集団心理学特殊講義 |
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まず始めにお断りから。
──さて、皆さんは「M−1グランプリ」というイベントをご存知でしょうか? この「M−1グランプリ」(以下:『M1』と略)は、結成10年未満のコンビを対象にした漫才のプロ・アマオープン大会で、数次にわたる予選と決勝大会を勝ち抜いた優勝者には賞金1000万円が贈られるという、業界最大の“漫才競技会”です。 が。 今年の「M1」決勝大会の開催日と会場が発表になった瞬間、突如としてイベントの成功が危ぶまれる事態となってしまいました。 12月29日。 鋭い方はもうお分かりでしょう。そう、これらは日本最大規模の同人誌即売会・「コミックマーケット」(以下「コミケ」と略)が開催される日付と場所であります。 “ソチラ系”の話に疎い方にはピンと来ないでしょうが、「コミケ」というイベントはとんでもないイベントなのです。 まず、年々増加している参加者の数は、現在3日間開催で約50万人。1日あたりでも15〜20万人という恐ろしい数に膨れ上がっています。GLAYの10万人コンサートを規模拡大して3日間連続で開催するようなもの、又は日本代表が出場するサッカーW杯決勝を3日連続で行うようなもの……と言えば、幾らかは正確な有様が想像出来ますでしょうか? しかも「コミケ」は、最悪でも始発電車に乗って開場を待たなければ有名作家・サークルの同人誌は売り切れ必至とあって、開催日の会場前には徹夜・半徹夜組の行列が連日7万人以上の大群となって周囲を埋め尽くします。 問題が発生するのは会場周辺だけの話ではありません。都心部から有明までを繋ぐ輸送機関もパンク状態となります。 この他にも、文字通り足の踏み場も無くなってしまう会場内の様子も描写したいところですが、これは今回の件と直接関係無いので省略します。 ……とにかく、「コミケ」開催当日(または前夜)の東京はこのような状況です。 これ、どう思われますか? しかし今回、問題なのはそんな所ではありません。「M1」を開催する事そのものが駄目だというわけでもありません。やりたいならやっても構わないのです。 いつにも増して人死にが出る可能性が高くなった ……という事なのです。 具体例を挙げましょう。このイベントのバッティングに伴い、以下に挙げるような混乱が生じる可能性があります。
……ざっと考えられるのは以上ですが、やはりダントツでヤバいのは2番目の12/28深夜〜翌29日午前の混乱でしょう。 ──では、これらの懸念される事態をどうしたら防げるのでしょうか? 最も手っ取り早いのは、「M1」か「コミケ」かどちらかを中止する事、せめて「M1」の屋外ステージだけでも断念する事でしょうが、当然ながらこれは無理な話です。 ならば、せめて警備体制の強化を図る事でしょうが、定期的に綿密な打ち合わせを重ねている「コミケ」側のスタッフたちはともかくとして、危機管理意識が薄い「M1」側が真剣に警備員増強などの手段を講じるかどうかは全く不明です。 では、事故を防ぐためにはどうしたら良いのでしょうか? 答は1つ。「コミケ」「M1」双方の参加者・観客が危機意識を自覚して、自らの安全は自分で確保する覚悟で有明を訪れる事。これしかありません。 「コミケ」に来場される皆さんは、“「コミケ」慣れ”している方も含めて、いつも以上に緊張感を持って行動して下さい。勿論、運営スタッフやベテラン参加者の指示・助言に従う事は言うまでもありません。 そして「M1」鑑賞希望者(特に女子中高生)の皆さんへ。 ──以上の事を、全ての参加者・観客の皆さんが守ってくだされば、事故やトラブルなどは一切起こる事は無いと思われます。どうか、責任を他者に転嫁する事無く、自分の身と自分の愛するイベントは自らの手で守り抜く覚悟で臨んで頂きますよう、お願いします。 ……ここまで色々と述べて来ましたが、駒木が願うところはただ1つ。平穏無事なるイベントの運営と遂行だけです。かつての2000年問題よろしく、「取り越し苦労でよかったね」と言って笑顔で新しい年を迎えられるよう、遠く離れた神戸からお祈り申し上げて、今日の講義を終わりたいと思います。(この項終わり) |